週刊スパのプルトニウム放出記事
SPA! という雑誌をはじめて買いました。昔は週刊サンケイといっていたのが1988年に改名して現在に至っているそうです。フジサンケイグループの雑誌なので原発推進派と思いきや、9月20日/27日合併号で驚くべき記事を掲載していました。
ネプツニウムやプルトニウムが福島原発から大量に放出されたことは、すでに政府が発表しています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010-2.pdf
SPA! の記事によると、ある研究者が飯舘村をはじめとする福島各地の土壌におけるネプツニウムやプルトニウムの汚染を調査し、結果を海外の学会で発表しようとしていて、論文も書いているということで、記者にその内容を話したというものです。それによれば、飯舘村などの土壌にネプツニウム239(短時間でβ崩壊してプルトニウム239が発生する)が大量に含まれているそうです。
実際に大量にプルトニウムがばらまかれているにもかかわらず、プルトニウムを測定するのは困難です。プルトニウムを含むサンプルを持っているだけで違法なので、その研究者が国内の学会で発表するのは困難でしょうし、海外でも論文発表するには、いろいろとクリアしないといけない問題があるのではないでしょうか。このようなことが明らかになった以上、このような地域の除染を行うのは大変危険な行為であり、住民などの素人が行うと2次災害の恐れがあります。プルトニウムは土壌の中にある状態ではほとんど無害ですが、吸い込んだり傷口からはいったりすると、もう除去する方法がない、大きな発癌の危険をしょいこむことになります。
プルトニウム239の半減期は約2万4千年ですが、2万4千年前と言えば、まだネアンデルタール人が生きていたかもしれないような時代で、影響が無視できるようになるのは数十万年後になります。地球規模の大災害などなくても、普通にヒトが絶滅していると予想されるはるかな未来です。今回の事故は私たちの子孫だけでなく、ヒトが絶滅した後地球を支配する別の知的生命体にも負担をかけるような、まさにSF的な事故といえるでしょう。
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