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2011年6月30日 (木)

「絶滅した奇妙な動物」 川崎悟司著

1川崎悟司氏はイラストレータが本職の方だと思いますが、古生物の化石など学術的な側面にも造詣が深く、正確な古生物のイラストを発表しておられ、私も参考にさせてもらっています。この本の表紙にはイラストレータではなく、古生物研究家という肩書きがついています。これはこの本のイラストがファンタジーではなく、科学的な根拠に基づいていることを宣言したものなのでしょう。

彼の世界を知る入門書として、「絶滅した奇妙な動物」2009年ブックマン社刊(¥1,500)は手頃です。面白い生物満載ですが、私が特に興味を持ったのは、68ページのプロバイノグナトゥスという三畳紀のキノドン(哺乳類にきわめて近いは虫類)の一種です。また哺乳類とキノドンの関係についても興味深い学説が紹介してありました。初期の哺乳類は、長い時間をかけて成長するは虫類とくらべて、ネズミのようにきわめて短い期間に成熟する(すなわちキノドンの子供のような形態のまま繁殖可能な性的機能を獲得した)、いわゆるネオテニー(こちら)によって進化した生物だというお話です。

川崎さんのプロバイノグナトゥスのイラストには、しっかりとヒゲが描いてありました。しかし体毛は描かれてないようです。このあたりが微妙で面白いと思いました。この本に描かれている動物はカンブリア紀以降のものですが、カンブリア紀の初期には、すでにミロクンミンギアという原始的な魚類らしき生物(魚類ですから脊椎動物です、この本にも描いてあります)が存在しており、実はもっと昔から動物は進化してきたことは明らかなのですが、まだ化石・・・特に動物の化石には信頼すべきものが少なく、川崎さんもこの本にカンブリア紀以前の生物を収録するのは避けておられるようです。

本を買うほどではないという方も、下記のサイトに多くのイラストがあるので、一度ご覧になってはいかがでしょうか。

HP古世界の住人:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/
ブログ:http://ameblo.jp/oldworld/

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それらいろいろな物事はこういう仕組みでどの人間にとっても存在している。それらが存 [続きを読む]

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