気になる核種
#ヨウ素131
・放射線:β線
・半減期8日
・外部被曝:室内にいればかなり被曝を避けられる
・内部被曝:甲状腺ホルモンに含まれるため、甲状腺に濃縮され,甲状腺がんを引き起こす可能性があります。生物学的半減期は甲状腺で120日。どうして半減期が8日なのに、生物学的半減期が120日もあるかというと、甲状腺に定着してなかなか尿などから排出されないためです。あらかじめヨウ素を摂取しておくと、相対的に放射性のヨウ素がうすまるため被害を縮小できるでしょう。海藻などで生物濃縮されるため、汚染海域産海藻の摂取は危険です。
・実効線量係数:吸入で1.1~2.0×10-5(mSv/Bq)、経口摂取で2.2×10-5(mSv/Bq)
詳しくは → http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/11.html
#セシウム137
・放射線:γ線
・半減期:30年
・外部被曝:遮蔽が難しく、外部被曝しやすい。
・内部被曝:魚類で高い割合で生物濃縮されるため、汚染海域産魚類の摂取は危険。カリウムに似ている。生物学的半減期は約70日。
・実効線量係数:吸入で6.7×10-6(mSv/Bq)、経口摂取で1.3×10-5(mSv/Bq)
詳しくは → http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html
#ストロンチウム90
・放射線:β線
・半減期:29年
・外部被曝:室内にいれば被曝を避けられる。
・内部被曝:カルシウムに似ているので骨に沈着し体外へ排出されにくい。いったんとりこむと一生被曝する。
・実効線量係数:吸入で3.0~7.7×10-5(mSv/Bq)、経口摂取で2.7×10-6~2.8×10-5(mSv/Bq)
福島第一原発の周辺では最も注意を要する核種だと思われますが、汚染の分布などは調査されていないようです。少なくとも発表はありません。海洋にもかなり放出されていると思われ、ストロンチウム90の存否を確認しないと周辺の魚類の安全性は保証されません。ストロンチウムの測定はJAや漁協などではできないので、東電か国の機関で是非やってほしいと思います。
詳しくは → http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html
#プルトニウム239
・放射線:α線
・半減期:2万4千年
・外部被曝:α線の場合、裸でないかぎり外部被曝の心配はない。
・内部被曝:飲み込んだ場合、約0.05%が吸収され肝臓と骨にとどまり殆ど排泄されない。吸い込んだ場合は肺に沈着する場合がある。半減期が長く排出もされにくいので、一生被曝すると考えられ、きわめて危険。
・実効線量係数:吸入で8.3×10-3~3.2×10-2(mSv/Bq)、経口摂取で9.0×10-6~2.5×10-4(mSv/Bq)
詳しくは → http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/23.html
実効線量係数を体に取り込んだ放射能(ベクレル)にかけると、内部被爆の程度(ミリシーベルト)を計算できます。
詳細: http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/j_senkeisu.html
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html
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