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2011年2月21日 (月)

平滑筋とは?

骨格筋や心筋はいわゆる横紋筋で、規則的で美しいサルコメアという単位が集合して形成された筋肉です。このブログでも以前に写真を掲載しました↓。
http://morph.way-nifty.com/grey/2011/01/post-0d3e.html

これに対して平滑筋はサルコメア構造を持たない筋肉です。サルコメアが収縮する機構はかなりよくわかっていますが、サルコメアなしの平滑筋の収縮機構はまだ十分には解明されていません。日本語版のウィキペディアに翻訳が出ていなかったので(図はウィキペディアより)、アップしてみました。

平滑筋はなんのためにどこにあるのか?

気管:呼吸する、虹彩:瞳の開閉、消化管:消化をうながす、血管:血管の保護と血圧の調節、リンパ管:リンパ液・リンパ球の移動、膀胱:尿の排出、子宮:胎児の保護と出産、立毛筋:毛をたてて保温する、 など体のさまざまな場所にあります。
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平滑筋は不随意性で、横紋を持たない筋肉です。シングルユニットとマルチユニットのふたつのグループに分けられます。シングルユニットの場合、ユニット内の細胞はギャップ結合でつながっており、ユニット内のひとつの細胞が神経と接触しています。神経からこの細胞に来た興奮(アクションポテンシャル)は、他の細胞にギャップ結合を通して伝わり、すべての細胞が同時に収縮します。

一方マルチユニットの場合、ギャップ結合によらないので全体を一気に収縮させるには非効率ですが、収縮の程度を細かく調節するには向いています。瞳孔を開く筋肉や閉じる筋肉はこのタイプで、入射する光量に応じて適当な調節が可能です。もちろん不随意筋なので、意図して開いたり閉じたりすることはできません。

平滑筋がどのような神経に支配されているかというのは完全には解明されていません。神経だけでなく、平滑筋細胞自身でアクションポテンシャルを発生する場合もあります。ホルモンなどでも調節されます。国立環境研究所の山根博士の記述を引用すると「気道平滑筋を調節している神経には少なくとも3種類あることがわかっている。つまり副交感神経(コリン作動性神経)および交感神経(アドレナリン作動性神経)そして近年発見された「第3の神経」(非アドレナリン作動性抑制神経)である。副交感神経は末端のシナプスからアセチルコリンを,交感神経はノルアドレナリンを放出し,それぞれ気道平滑筋を収縮または弛緩する。「第3の神経」は現在未同定の物質を放出し気道平滑筋を弛緩する」というものがあります。このように平滑筋と神経の関係は一筋縄ではいかないようです。

畑博士による消化管平滑筋と骨格筋の比較を引用します↓。
http://park12.wakwak.com/~pharma1/textbook/SmoothMuscle/SmoothMuscle.pdf

消化管平滑筋:  紡錘形で束をなす、収縮(元の長さの)  1/4  、アクチンとミオシンの比  10-20:1、筋小胞体の発達は少ない

骨格筋: 円筒形、収縮(元の長さの)  1/2、アクチンとミオシンの比  2:1、 多くの小胞体が整然と筋原繊維に沿って並ぶ

平滑筋は骨格筋に比べて瞬時に大きな力を発生できない代わりに、長い距離の収縮をゆっくり長時間おこなうことが可能です。アクチン含量に比べてミオシン含量が少ないことも大きな特徴です。しかし細胞内カルシウム濃度の上昇がきっかけとなって、ミオシンがリン酸化されて活性化され、これがアクチンを中心とした繊維と相互作用をおこして収縮が誘起されるという意味では、平滑筋においてもミオシンの役割は重要です。

骨格筋においてアクチンフィラメントに結合して収縮を調節しているトロポニンが、平滑筋にはありません。すなわち収縮の調節機構は骨格筋と平滑筋で異なっています。その代わりに平滑筋ではカルデスモンがアクチンフィラメントに結合しています。
すなわち骨格筋のフィラメント=アクチン+トロポミオシン+トロポニン、平滑筋のフィラメント=アクチン+トロポミオシン+カルデスモンということになります。

平滑筋細胞は多くの接着結合(カドヘリンによる結合)を持っており、その部位にはアクチンフィラメントと中間径フィラメントが結合しています。これらのフィラメントはデンスボディーとも結合しています。平滑筋のデンスボディーと骨格筋のZ帯はいずれもアクチニンを主成分としており、相同の構造と思われます。これらの構造が支点となって収縮がおこなわれるのでしょう。

日本平滑筋学会ホームページ: http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsmr/index.html

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