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2011年1月18日 (火)

猫とタマネギ

猫(犬も)にタマネギを食べさせてはいけないとよく言われます。その毒成分は図の allyl propyl disulfide というものだそうです。これはSS結合をもっていますので、ここがはずれてSがヘモグロビンに結合すると、Sにくっついている炭素と水素の影響でヘモグロビンの溶解度が低下して沈殿し、図の矢印で示したハインツ小体ができて赤血球の機能が低下して貧血になるという流れだと思われます。

800pxallyl_propyl_disulfide

これには反論もあって(たとえば↓)
http://plaza.rakuten.co.jp/aikentotozan/diary/200503290000/
犬猫に市販のドッグ(キャット)フードを食べさせるために、飼い主が残飯を食べさせないよう会社が流布した風説だという説もあるようです。たとえば70kgの人と3.5kgの猫では20倍の量の差があり、例えば100グラムのハンバーグを人が食べたとすると、これは5gのハンバーグを猫が食べたことに相当し、実際その程度の量を食べたからと言って、すべての猫が貧血でフラフラになってしまうとは考えにくいです。

Heinz

ただ allyl propyl disulfide の毒性が貧血そのものではなく、赤血球内に高濃度のカリウムを蓄積する系統の個体があり、そのような動物では血流中のカリウムが上昇し、生命の危機に陥ることがあるという話を聞いたことがあります(出典がわからないのは残念)。ハインツ小体は堅い球なので、こんなものが細胞内をパチンコ球みたいに移動していると赤血球は壊れるでしょう。
カリウムの毒性↓
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-99-05.html

こういったことで、猫(犬)に対するタマネギの毒性には個体差がかなりあるというということになっています。

800pxtaurine_molecule

一方同じイオウ化合物ですが、タウリン(3番目の図)は猫にとって必須の栄養素です。ウィキペディアによれば「タウリンはヒトの体内などで胆汁の主要な成分である胆汁酸と結合(抱合)し、タウロコール酸などの形で存在する。消化作用を助けるほか、神経伝達物質としても作用する。白血球の一種である好中球が殺菌の際に放出する活性酸素や過酸化水素の放出(呼吸バースト)を抑える作用もある。」ということになっています。ほとんどのキャットフードにはタウリンが添加されていると思います。ヒトはタウリンを体内で合成できますが、猫は合成できません。猫は永年肉食を続けてきた結果、雑食動物にくらべて微妙にアミノ酸を合成する能力が落ちています。タウリンもスルホン酸をもつアミノ酸の一種です。

私たちと同じ哺乳類の牛や豚を食べていると、栄養バランス的には似たもの同士で非常にいいわけですが、永年続けていると次第に合成できないアミノ酸が増えてきて(外からバランスよく摂取できるので、合成酵素が使われなくなるので当然の結果です)、生物としてだんだん退化していきます。かといってベジタリアンになるのはちょっときついかな。

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