田部京子ピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール
昨日は6→11の長い1日でした。しめくくりは浜離宮朝日ホール。2007年から始まった田部京子氏のシューマンプラスシリーズの最終回です。シューマンの主なピアノ作品すべてを演奏するという壮大な試みの最後は「森の情景」と「ピアノソナタ第1番」。前から3列目の中央だったので、ピアノと近すぎてベストな席ではありませんでしたが、スタインウェイという猛獣が襲いかかってくるような迫力に圧倒されました。
いつものように彼女のピアノはフォルテッシモからピアニッシモまで格調高く、かつロマンティシズムが横溢した素晴らしい演奏で、シューマンの深い情緒から激しい情熱まで満喫できました。しかしそれよりもさらにすごかったのがショパンの「ピアノソナタ第2番」。言葉にならないくらいの強烈な牽引力で、たっぷりとこの激しい音楽(第1・第2楽章)を楽しませてもらいました。さらにこのソナタの核である葬送行進曲はゆったりと、しかしゆるぎない構成感で堂々と進行し、あらためてこの音楽の特別な魅力に浸らせてもらいました。私はこのソナタの第4楽章は、死者の霊魂がクルクルと舞いながら空にあがっていく様をイメージしたものと解釈しています。
そしてシューマンプラスの最後のアンコール曲は「トロイメライ」と「シンフォニックエチュードの遺作変奏第5番」で、いずれもシューマンが作った最も美しい音楽で,掉尾を飾るにふさわしい作品と演奏でした。さてこれから田部京子はどうするのか? 昨夜のショパンのソナタのすごさからみて、ついにショパンのレコーディングに本格的に取り組むのではないかと予想しますし、またそうあってほしいと期待します。
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