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2010年10月22日 (金)

昔々の話

人間が激しい環境破壊を行っていることは明らかですが、おそらく地球の歴史の中で生物が引き起こした環境破壊としては2番目の悪行?だと思われます。では最大の環境破壊を引き起こしたのは何者か? それは今から27億年くらい前から地球にはびこり始めたシアノバクテリアです。彼らの仲間は現在でも生きており、ユレモやネンジュモがそうだという話です。藻(モ)というからには植物のようですが、実は植物ではなく光合成を行う真正細菌です。

光合成を復習しますと <二酸化炭素 + 水 + 光エネルギー → 有機物質 + 酸素> ということになります。酸素自体にはあまり毒性はないのですが、過酸化水素・オゾン・活性酸素などに化学変化すると強力な毒性を発揮します。生体物質を酸化してしまうので、つまり細胞がサビてしまうわけです。放置していると血管がボロボロになってしまうので、現在生きている多くの生物では、酵素やグルタチオンを使ってなるべく無毒化するようにしています。

シアノバクテリアの大繁殖で地球上に酸素が充満し、多く細菌や真核生物が死滅したことでしょう。しかしその中で酸素に適応した細菌が発生し、その中のαプロテオ細菌が海底の泥の中などでもがき苦しんでいた真核生物の救いの神となりました。この細菌を体内に取り込んで共生させ、ミトコンドリアとして飼い慣らすことに成功した単細胞真核生物が私たちの祖先です。この共生のバスに乗り遅れた真核生物の多くは死に絶えたわけですが、現在でもミトコンドリアを持たない生物がいないわけではなく、膣炎を起こすトリコモナスなどがそうです。

<αプロテオ細菌 → ミトコンドリア>は酸素を利用して、それまでには考えられなかったような多量のエネルギーを生みだし、一気に真核生物を活動的な生物に昇格させました。そのような生物のある種が、さらにシアノバクテリアを共生させて、光エネルギーを利用して必要な有機物を合成するという、さらなる進化を遂げました。この2回の共生はある種の奇跡であり、地球の歴史の中でたった2回しかおこらなかったことのようです。もしもっと起こったとしても、子孫を残せなかったのでしょう。

しかしミトコンドリアとシアノバクテリア(葉緑体)を持つ真核生物は、複数の真核生物との共生をよりイージーに行ったと思われます(二次共生という)。イージーといっても、奇跡というレベルに比較してという話ではありますが。これによっていわゆる植物(ミトコンドリアと葉緑体をもっている)は、動物(ミトコンドリアのみ)より分類学的に非常にバラエティーに富んだものになっています(下表- ウィキペディアより)。

動物は下記の表に示されているように、真核生物の中でユニコンタのなかの☆オピストコンタのなかの☆後生動物という、きわめて狭い範囲の生物です。特徴は細胞の後ろ側(オピスト)に鞭毛(コンタ)を持っているということです。後ろという意味は、鞭毛がある側と反対側に進むという泳ぎ方をするということです。ちょうどギッチラコと和船を漕ぐ感じです。あるいは手を使わずにバタフライで泳ぐ感じでしょうか? 私たちも生まれる前には精子だった時代もあるわけです。

これは余談ですが、シアノバクテリアは地球に酸素を充満させて多くの生物を殺しましたが、さらにその酸素が当時地球を覆っていた温暖化作用があるメタンガスを分解したため、地球が寒冷化して、ついには全地球凍結でほとんどの生物が死滅するというとんでもない結果を招いたといわれています。

800pxphylogenetic_tree_of_lifeja

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真核生物 (Eukaryote) 核膜有り、線状染色体、細胞骨格・原形質流動有り、80Sリボソーム、有糸分裂有り

●バイコンタ(Bikonta) 2本鞭毛を持つ真核生物(退化により持たないものも有り)

植物(狭義、一次植物)(Plantae, Archaeplastida) 一次共生により葉緑体を獲得した真核生物の直系の子孫、板状ミトコンドリアクリステ、葉緑体包膜が2重
緑色植物 (Viridiplantae) :被子植物、裸子植物、シダ植物、コケ植物、シャジクモ藻類、緑藻類
灰色植物 (Glaucophyta)
紅色植物 (Rhodophyta) :紅藻類
盤状クリステ類 (Discicristatae) 盤状ミトコンドリアクリステ、エクスカヴェートに含める意見有り
ユーグレノゾア (Euglenozoa) :ユーグレナ植物、キネトプラスト類
ヘテロロボサ (Heterolobosea) :ネグレリア類、アクラシス類
ジャコバ類 (Jacobea) ミトコンドリアクリステは板状
エクスカヴェート (Excavates) 細胞腹側に深くえぐれた捕食装置を有する真核生物の一群
マラウイモナス (Malawimonas) 盤状クリステ類の可能性あり
トリコゾア類 (Trichozoa) :ディプロモナス類、レトルタモナス類、パラバサリア類
アネロモナス類 (Anaeromonada) :オキシモナス類
ストラメノパイル (Stramenopiles) 中空の鞭毛小毛を有する真核生物の一群、アルベオラータを含めてクロマルヴェオラータ (Chromalveolata) とする意見有り
無殻太陽虫類 (Actinophryida)
オパリナ類 (Opalozoa)
ラビリンチュラ類 (Labyrinthista)
ビコソエカ(ビコエカ)類 (Bicosoecales、Bicoecales)
プラシディア類 (Placididea)
デヴェロパエラ (Developayella)
卵菌類 (Oomycetes) :ツユカビ類、ミズカビ類
サカゲツボカビ類 (Hyphochytriomycetes)
不等毛植物類(黄色植物類)(Heterokontophyta,Chromophyta) :褐藻類、珪藻類
アルベオラータ (Alveolata) 細胞膜直下に扁平な小胞を有する真核生物の一群
繊毛虫類 (Ciliata) :ラッパムシ類、ゾウリムシ、ツリガネムシ
アピコンプレクサ類 (Apicomplexa) :マラリア原虫、トキソプラズマ、クリプトスポリジウム
渦鞭毛藻類 (Dinophyta) 例:褐虫藻、ヤコウチュウ
リザリア (Rhizaria) 分子情報による類縁、アメーバ状生物が多いが全てに共通する形態的特性は無い
レタリア (Retaria) :有孔虫類、放散虫類、一部の太陽虫類
ケルコゾア (Cercozoa) :ケルコモナス類、クロララクニオン藻類、ネコブカビ類、ユーグリファ類
所属不明
クリプト植物 (Cryptophyta) 独立の界とする研究例有り
ハプト植物 (Haptophyta) 植物に近縁とする研究例有り
アプソゾア類 (Apusozoa)
有中心粒類 (Centrohelida) バイコンタとアメーボゾアの間に位置するという研究例有り

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●ユニコンタ (Unikonta) 1本鞭毛を持つ真核生物(真菌類は退化して鞭毛を持たない)

  #アメーボゾア (Amoebozoa) 分子情報による類縁、真核生物の最も原始的な系統、アメーバ状生物が多い(アメーボゾアとバイコンタを統合してアンテロコンタ (Anterokonta) とする説有り)
葉状仮足類(ロボサ)(Lobosa) :アメーバ類
コノサ (Conosa) :変形菌、タマホコリカビ類、アカントアメーバ類、エントアメーバ類、ペロビオンタ類

   #オピストコンタ (Opisthokonta) 鞭毛を後方にして運動する真核生物

菌類 (Fungi) :子嚢菌類、担子菌類、微胞子虫類
メソミセトゾア(Mesomycetozoa) :イクチオスポラ類
コアノゾア (Choanozoa) 例:襟鞭毛虫類
後生動物 (Metazoa) 例:海綿動物、刺胞動物、脱皮動物(線形動物、節足動物)、冠輪動物(扁形動物、環形動物、軟体動物)、後口(新口)動物(棘皮動物、半索動物、脊索動物)

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