三浦友理枝ピアノリサイタル@オペラシティー・リサイタルホール
オペラシティーは本当に久しぶりです。 この前はヒラリー・ハーンだったという記憶があります。 今回は地下のリサイタルホールで三浦友理枝のピアノリサイタルです。 リサイタルホールは初めてだったのですが、見た目あまりよいホールとは思えません。 体育館のような直方体で二階席もありません。 両サイドの圧迫感がかなりあり、チープな感じもします。 やはり東京文化会館の小ホールや朝日ホールなどとくらべると、いろいろな意味で見劣りします。 小さめのホールは扇形というのが一番開放感があって、ゆったり楽しめます。 しかもこのホールは段差も傾斜もありません。 さて、今日のプログラムだとドレスは青だなと思っていたところブルーグリーンで登場。当たらずといえども遠からずでした。
それにしてもすごくヘビーな曲目でした。 これをきっちりこなしてしまう三浦友理枝という人は、やはりスモールモンスターです。 前半で一番驚愕したのはメシアンの「ダイシャクシギ」という曲。ほとんどの曲は暗譜でしたが、これは楽譜を0.5秒見たら、次に鍵盤を0.5秒見る、そして自分でページをめくるという忙しい演奏。それでもこの曲のすごさは十分に伝わりました。 ブルターニュの荒涼とした大海原の風景と鳥を描いたものだそうですが、演奏者は死にものぐるいです。 前半最後のフランクの曲は、今日唯一私にとっておなじみの好きな曲でした。 激しい情熱と共感をもって演奏してくれたように感じました。
シマノフスキーのピアノソナタ第3番は難しい曲であまりピンときませんでした。 しかし終楽章は非常にバルトーク的で、この楽想はどちらがパクッたのでしょうか。 それと旋律のなかにショスタコビッチを思わせるものがありました。 これはおそらくショスタコビッチがパクったのではないかという疑いが浮かんできました。 リゲティの曲は超絶技巧の曲でまいりました。 なんと表現したらいいのかよくわかりません。 曲を理解したような気分にはなれませんでした。 そして次の曲バーバーのピアノソナタにもびっくりしました。 バイオリン協奏曲や弦楽のためのセレナードの叙情的な雰囲気はみじんもなく、ハリウッド映画のカーチェイスのバックに流れていても不思議でないくらい激烈で技巧的な作品でした。
あまりに難解な曲の連続だったので、アンコールで「クープランの墓」からメヌエットをやってくれたときには、少しほっとしました。 このプログラムで満席(当日券なし)だったのは、やはり三浦友理枝の美貌と驚異的な技術によるところが大きいのでしょう。 とはいえ終了後のサイン会のときに事務所が写真をとられないように厳しくガードしていたのは、芸能アイドルじゃあるまいし、あまり気分のいいものではありませんでした。 だいたいこんな超絶的ピアニストを美貌で売ろうというのは失敬な話だと思います。
三浦友理枝のHP: http://www.yamaha-mf.or.jp/art/official/yuriemiura/
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コメント
書きこみ失礼します。
初心者で大人になってからはじめるピアノについてのサイトを開設しました。
私自身大人になってから始めました。
よかったら一度遊びに来て下さい。
投稿: miyuki | 2010年9月 8日 (水) 17:27
> miyuki 様
はじめまして ようこそ
36歳でピアノをはじめるというのは大変なことだと思います。でも1年でショパンを弾いておられるということは、ひょっとしてすごい隠された才能をお持ちだったのではないかと・・・。
投稿: monchan | 2010年9月 8日 (水) 19:06