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2010年6月20日 (日)

マーラー交響曲第2番 by インバル-都響@サントリーホール

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日本中がサッカーで盛り上がっている夜に、サントリーホールに出動。4日間で3回マーラーの「復活」交響曲を演奏するオケなんて、世界でも都響以外にはないのではないでしょうか? 今日は最終日でチケットは完売。3月に交響曲第3番を聴いて大感動だったので( http://morph.way-nifty.com/grey/2010/03/index.html )、今夜も期待に胸が震えます。ちなみにその3番の演奏はファン投票で昨年度圧倒的な第1位でした。私もマーラ-3番に票を投じました。

着席してステージを眺めると、あの広いサントリーホールのステージが、楽器と椅子でもうギチギチの状態でした。終楽章ではホルン11本、トランペット9本が並ぶので壮観です。ブラッテングロッケンという珍しい楽器(巨大な鉄琴)が目に付きました。マーラー交響曲第2番「復活」は、例えばギルバート・キャプランという指揮者はこの曲しか演奏しないというくらいファンが多い曲です。隣席の人はこの曲を聴くため、3回のコンサートに全部出撃したそうです(脱帽)。当然キャプランはこの曲のエキスパートなんですが、彼のCDを聴いてみるとやはり学究的でアドレナリンの出が悪く、かなり物足りないものがあります。毎度同じことを書いて陳腐なんですが、インバル指揮-都響の演奏は爆演にもかかわらず、アンサンブルも乱れずという驚異的なものでした。ポルタメントも多用していましたが、気持ち悪いくらいぴったりと合っていて鳥肌が立ちました。

第1楽章の冒頭からして素晴らしい緊張感で、しかも暴力的ではない美しいアンサンブルで、一気に引き込まれます。アドレナリン全開です。この曲の聞きどころのひとつは第4楽章のアルト独唱なのですが、3月と同じメゾのイリス・フェルミリオンが勤めます。彼女の声はクリアで且つ深々とした響きで余人に代え難いものがあります。今日も2階で歌いましたが、例によって靴を脱いでの歌唱。しかもオケがやっているときに、ペットボトルを足下から取り出してゴックン。館内飲食厳禁ですが、ソリストの喉のためとあればもちろんOKです、はい。相方のソプラノ、ノエミ・ナーデルマンは靴をはいて歌っていました。この楽章で感じられる不思議な霊感のようなものは、マーラーが意識的にハンス・ロットの音楽から抽出したものだと思います。

http://morph.way-nifty.com/grey/2007/05/post_86fb.html

第5楽章はさらに素晴らしく、コンマスの矢部ちゃんの統率の元に変幻自在のアンサンブルを繰り広げ、そしてア・カペラで合唱がはじまるころにはもう異空間に投げ出されたような感じで完全没入です。爆裂のクライマックスはインバル-都響の完全燃焼、私も完全燃焼でした。3月の3番と比べても遜色ない名演でした。マイクの立ち方から見て、この演奏のCDもいずれ発売されるのでしょう。そのときは今日の感動を思い出しながら楽しみたいと思います。

ここまでくると、都響もそろそろ世界をマーケットとして考えた方がいいと思います。石原都知事のコネなどを使ってでも、国から補助金を獲得して欧米やアジアに演奏旅行を敢行し、プロモーションを行うべき時がきたような気がします。

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