佐藤優トークライヴ
3月27日(土)午後6時から、千葉ニュータウン中央駅からすぐのホテルマークワンで、佐藤優氏の講演会があるそうです。佐藤氏といえば外務省の職員であると同時に鈴木宗男氏の懐刀として活躍していましたが、2002年に背任と偽計業務妨害で逮捕され、2009年に懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の刑が確定した人物です。
この本「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮社)を読むと、日本にも特別に有能なスパイがいる(いた)のだと分かってびっくりしました。彼の逮捕は国策によるもので、取り調べ3日目に検事から「これは国策捜査なので、戦っても無駄です」「あなたが捕まったのは、あなたと鈴木宗男をつなげる事件を作るためです」などと告げられていたのにはさらに驚きでした。実際事件が森元総理にまで及ぼうとすると、上からの指示で突然捜査は終了します。
検察はリークによって、ワイドショーや週刊誌を使って世論を巧みに誘導し、自ら描いた絵図に世の中を誘導していきます。彼らの考えによれば日本の識字率は5%だそうで、つまりあとの95%はワイドショーや週刊誌で自由に操れるということです。それを思わせるような事件が最近もありました。政治家はともかく、スパイに厳密に法律にしたがって行動しろと言ってもどうしようもありません。情報を得るためには賄賂を渡したり、接待したり、ある程度こちらの情報もリークしたりなどすることが必要でしょう。そのための裏予算や、執行するための裏ルールはきちんと整備されていなければなりません。
彼はスパイとして有能だっただけではなく、この本などで政治評論家・作家としても有能であることを証明しました。獄中512日間で二百二十冊の本を読破した成果なのでしょう。前記の講演会は獄中時代に支援活動を行っていた現千葉県会議員・滝田敏幸氏によって開催されるものです。私も時間が許せば聴きに行こうと思っています。タイトルは「今、印西から日本と世界を読み解く」
| 固定リンク | 0
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 横井庄一著「明日への道 -全報告 グァム島孤独の28年」(2011.11.16)
- 「僕の音楽物語 (1972-2011)」 by 平野肇(2011.09.27)
- 「原発はいらない」 小出裕章著 (2011.08.21)
- Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment (Annals of the New York Academy of Sciences)(2011.07.17)
- 「Chemical and physical behavior of human hair 4th edition」 by Clarence R, Robbins なんじゃこれは!(2011.07.15)
コメント