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2010年3月21日 (日)

免疫組織化学 How to do?

Sample

抗原抗体反応というのは、いろいろな病原菌がもつタンパク質などの抗原に、生体のリンパ球が作る抗体(その実態は免疫グロブリンというタンパク質)が結合する反応のことです。生体(私たちの体)の場合は、この反応によって病原菌やウィルスを不活化することが主な目的ですが、この反応を利用していろいろな研究ができます。

例えば抗体に色素をくっつけておけば、抗原-抗体-色素 という複合体ができることにより、抗原を色素で染めることができます。図に示した場合は茶色の色素によって、あるタンパク質が特異的に染色されています。染色されている場所に目的の抗原タンパク質が存在します。この手法を免疫組織化学といいます。

バカチョン実験キットなどもあって、うまくいくときは短時間で大事な知識が得られます。しかし奥が深いというか面倒というか、普通いろいろな問題が発生し、ひとつひとつ克服しなくてはいけません。

1)抗体が特異的に反応しない場合が多い(似ているが違うタンパク質とも反応する)。→ よい抗体がみつかるまで探す。しかしひとつ5-10万円くらいするので、あれこれ試すのはしんどい。かといってウサギを飼ったり、リンパ球を培養したりして自分で作るのはもっとしんどい。現在はそういうことはあまりないと思いますが、以前には詐欺まがいの抗体で稼いだ連中もいたと思われます。うまく反応しなくても、しょうがないとあきらめたことが多かったのです。

2)抗原が隠されていて、うまく反応しないことが多い。→ 薬剤処理したり、熱処理したり(蒸したり、電子レンジにかけたり)してなんとか反応するように工夫することになります。

3)よい標本をつくるのが結構面倒な場合が多い。凍結切片→蛍光検出法は結構道具立てが大げさで、蛍光顕微鏡なども含めて1000万円以上かかります。パラフィン切片→色素検出法は道具立ては安価ですが、時間と手間がかかります。時間と手間をかけても良い切片ができるとは限りません。

昔は顕微鏡をのぞきながらの研究だったのですが、現在はすっかり顕微鏡に接続されたモニターをみながらの研究になりました(それでも写真撮影しないときは接眼レンズで見ていますが)。写真撮影装置の仕様がモニターでフォーカスを合わせるようになってしまったので仕方がありません。これは楽なようで、実はフォーカスはかなり合わせにくいです。まあ最新の液晶モニターはレスポンスが早くなって大幅に改善されましたが、私はいまでもブラウン管モニターを使っています。フォーカスをぴったり合わせるというのは、電子顕微鏡より光学顕微鏡の方が難しいというのが現状です。

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