田部京子「室内楽の夕べ」
昨日都民芸術フェスティバル参加公演のひとつである左のプログラムの演奏会を聴きに行きました。東京文化会館小ホールは私が好きな音楽ホールのひとつです。天井が高く、会場全体が扇形に広がっているので音に開放感があり、さらに変な反響もありません。開始のチャイムも現代音楽風ですが、なかなか風情のある音色です。
同じ時間に大ホールでは都響のA定期。しかるになぜかコンマスの矢部ちゃんは小ホールの演奏会に出演。田部京子とのコラボは、他のメンバーも含めて昔から一緒にやっていたかのような親密さで素晴らしいものでした。
特に圧倒的だったのはベートーヴェンの「春」。矢部ちゃんは語尾をやわらかく、余韻を美しく響かせるということに集中していたようです。あまりに美しいバイオリンの響きだったので、ピアノの田部京子もどのように合わせたらよいのか、ちょっと戸惑っていたように思いました。1曲目のシューマンや3曲目のブラームスではそれぞれ別の音だったのが矢部氏のすごいところです。
3曲目のブラームスピアノ5重奏曲はすごい曲ですが、第2楽章だけがどうもわかりません。もう少し聴き応えのある美しいメロディーをこの楽章に投入していれば文句なしなのですが、ちょっと肩すかしをくわされた感じがします。それにしてもこの曲を演奏した5人の演奏家のコンビネーションには心を奪われました。まるでひとつの楽器のように完全に一体化していました。
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