インバル都響のマーラー交響曲第4番
今日は雨降りの寒い日でしたが、サントリーホールで都響B定期の「マーラー交響曲第4番」を聴いてきました(もう昨日になってしまいましたが)。マエストロ・インバルのタクトということで、やはり完売だったそうです。
牧歌的な鈴の音ではじまるこの第4交響曲については、私はこれまでホーリーな印象があって、サローネン/ロスフィルの演奏を愛聴してきましたが、第四楽章の歌詞をあらためてみてみると 「聖ルカさまが 雄牛をうちのめす 気にとめる様子などまるでなし ワインを飲むにも 飲み代いらず ここは天国食堂 パンは天使達が焼いてくれる・・・」 などとあって、これは「天国良いとこ一度はおいで、酒はうまいしネエチャンはきれいだ」に通じる世界だということに気がつきました(加藤和彦は天国に行ってしまいましたが)。
マエストロ・インバルはこの交響曲を、鳥獣戯画のような諧謔を心髄とするものと解釈したようです。伸縮自在なテンポ、ジェットコースターのようなポルタメント、第一楽章ではクラリネットなど管楽器の奏者がそろって天井を向いて演奏、などやりたい放題の爆演。しかしコンマスの矢部ちゃんはそれを楽しんでいるようでした。こういう演奏は欧米のオケだと、ひとつ間違うと下品になる可能性があると思いますが、都響は弦楽器のアンサンブルが特別に優れているので、どんなに自由自在にタクトを振っても上品に感じられるのがいいところ。
第三楽章の壮大なクライマックスで、ソプラノの半田美和子さんがしずしずとステップを降りてきたのにはびっくりしました。演出もやってくれますねえ。半田さんはピュアでやわらかな感じの声のニュアンス豊かなソプラノで、この曲にぴったりはまっていました。
来年3月30日のインバル-都響「マーラー第3交響曲」チケットはもはや完売だそうですが、31日に追加公演があるそうです(ポスター)。粋な配慮だと思います。最近都響のマークができまして、ポスター右上のブラウグラナの格子模様がそれです。バルサと同じ色の組み合わせとは・・・。
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