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2009年3月16日 (月)

大学の風景

私が生まれた家のすぐ近くにある神戸大学がひどいことになっているらしい。
キャンパスというより、工業地帯のようになっているそうです。↓

http://kobeuniversity.blog36.fc2.com/blog-category-7.html

神戸大学だけではありません。本郷の東大には多数の重要文化財クラスの建築物がありますが、いま訪れてみると、キャンパスの悲惨な景観にびっくりさせられます。まず正門をはいると右に建築現場の仮設宿舎のようなデザインの法科大学院の、およそ大学の雰囲気とはそぐわない無粋さにあきれます。正面を見ると、安田講堂の後ろに背後霊のような、これまた講堂のデザインと全くかけはなれた理学部の高層建築物が見えます。

そのほか随所にニョキニョキと無粋なオフィスビルみたいな建物が林立し、新しい建物で大学の景観としてふさわしくとけ込んでいるのは改築された旧病院くらいでしょう。緑もどんどん少なくなっています。明治時代にはあれだけちゃんとした建物が建てられ、アメニティも整備されていたのに、現在ではなぜ掘っ立て小屋のような(ほんとの掘っ立て小屋が研究室というところもある)建物ばかり林立することになったのでしょうか? とても学問をやるという雰囲気ではありません。そう・・・見た目というのは中身も正直に表しています。学問はやらない大学になってきたのでしょう。

小泉改革以来、大学や研究所の拝金主義はものすごいスピードで進行しました。特に理科系の研究はお金がないとどうしようもないのでいちころでした。どうして国立大学や研究所を法人化するのか? 結局切り捨てる準備でしょう。言うことを聞かないと補助金を減額しますよと言うブラフにもなります。しかし、大学や公的研究所が細々とした仕事もみんな特許にしてしまうようなことになれば、いずれ民間企業も困るのではないかと思います。今までは大学の業績は基本フリーで利用できたわけですから。

庶民には「貧すれば鈍す」という言葉があてはまるかもしれませんが、国家に関しては「貧すれば無責任化し、それと裏腹に強権化する」というのが本当のところでしょう。

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