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2009年2月 8日 (日)

タスマニアデビルの奇病2

240pxtasmanian_devil_facial_tumou_2  昨年ついにタスマニアデビルが絶滅危惧種に指定されました。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-31889120080521

「感染列島」を見てきました。パンデミックの恐ろしさを存分に感じさせる良い映画だと思いました(ストーリーがなにか希薄な感じがするのが難点)。しかしもっと怖い病気があります。それはタスマニアデビルの顔面腫瘍性疾患です。ウィルスに対しては免疫システムが発動し、間に合えば助かりますが、この病気では免疫システムが全く無効なのです(図はウィキペディアのものです)。

タスマニアデビルはケンカや性交渉のときに、相手にかみつくことがあるので、そのときにガン細胞そのものが個体から別の個体に転移します。このガン細胞はもともと免疫機構から完全に逃れている細胞なので、他の個体に移っても同様にガンをひきおこすのです。他の個体の細胞なのに異物として認識されず、またガン細胞と認識して攻撃されることもありません。

このような病気は人では絶対に発生しないかというと、そんな保証はありません。染色体の変異はどんな動物でもあり得る現象です。そしてタスマニアデビルのようにかみつくようなことがなくても、例えばエイズなどと同様、キスや性交渉のときにうつるなどの方式で、人の場合も蔓延してしまうおそれがあります。

どうやってこの病気と対決するのか? いまのところ「箱船」方式しかないようです。実際には、感染していないことが確認されている個体をタスマニア島からオーストラリア本土に移し、隔離された場所で近親交配の危険に留意しつつ繁殖させるという方法です。これまですでに、かなり繁殖に成功しているようです。結局このような場所で生まれた個体だけが生き残り、野生のタスマニアデビルは全滅を免れないようです。私もこんなに早くクライシスが到来するとは思ってませんでした。

参照:

1) http://www.dpiw.tas.gov.au/inter.nsf/WebPages/LBUN-5QF86G?open

2) Nature. 2006 Feb 2; 439 (7076):5 49.  PMID: 16452970
Allograft theory: transmission of devil facial-tumour disease.
Pearse AM, Swift K.

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動物(animals)」カテゴリの記事

コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。

投稿: 履歴書の作成 | 2013年2月 3日 (日) 12:22

>履歴書の作成 様

はじめまして ようこそ
これからもよろしくお願いします

monchan

投稿: monchan | 2013年2月 3日 (日) 15:34

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