あの人が元気だった頃・・・
私がまだ駆け出しの頃、ある女子学生の卒研の指導をまかせられました。まだセルロースアセテート膜で電気泳動を行うこともある時代でした(写真)。寡黙な学生でしたが、実験はきちんとしていて、データをポストカードファイルに整理していました。本棚を整理していて、しばらくぶりでそのファイルに出会いました。
優秀な研究者で製薬会社で仕事をしていましたが、数年前にある病気にかかり、手術は成功したのですが、手術後酸素吸入器をはずすのが早すぎて、植物状態になり、1年後に亡くなってしまいました。明らかに病院のミスです。私がそれを知らされたのは亡くなって葬儀も済んだ後で、呆然としてご自宅に焼香に伺いました。まだまだこれからの人だったのに、誠に残念でした。
元気だった頃今ごろの季節に彼女の研究所を訪れて講演をしたことがあり、学生時代はあんなに静かで引っ込んだ感じだったのに、すでに部下も何人かいて、素晴らしい研究環境で頑張っていたことを懐かしく思い出します。普通応接室に通されるとお茶がでるものですが、リポビタンDが出てきて笑ってしまいました。早春なのに日焼けしていて、夏にマリンスポーツに明け暮れているため、季節が巡ってもぬけないみたいでした。今はその笑顔しか思い出せません。
合掌・・・。
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