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2009年1月28日 (水)

しわをのばす幹細胞

1 脂肪組織に由来する幹細胞ADSC(adipose-derived stem cells)は様々なサイトカインを分泌し、真皮の繊維芽細胞を刺激してコラーゲンの産生を促す作用を持っています。W-S Kim 博士らはこの細胞を培養し、紫外線で皮膚にシワが出来た無毛マウス(毛があると紫外線のダメージが防御される)の皮下に注入するという実験を行いました。

その結果、細胞を注入したマウスの皮膚のシワが目立たなくなることを見いだしました。コラーゲンの分泌が促進される他、繊維芽細胞の増殖も促進されるようです。当然皮膚の厚みも増加します。顕著な実験結果だと思いますが、著者らは注入した細胞の生存を2週間しか追跡していないので、どのくらい効率的な治療に結びつくのかはわかりません。もし長期間効果が持続するなら、紫外線被爆のみならず、老化による皮膚の見栄えの悪化も改善できると思われ、期待は大きくなりそうです。

写真はこの仕事と直接の関係はありませんが、脂肪細胞の電子顕微鏡写真です。成熟した脂肪細胞は巨大な脂肪滴を含み、細胞質はそのまわりに遠慮がちに(薄皮のような感じで)あります。この様な細胞が集合して脂肪組織を形成します。

Won-Serk Kim et al: Antiwrinkle effect of adipose-derived stem cell: Activation of dermal fibroblast by secretory factors. J. Dermatol. Sci. 53, 96-102 (2009)

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