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2008年11月30日 (日)

博多駅の中華料理店

1 金、土と福岡で仕事をしてきました。新幹線は混みますねえ。ほとんど行きも帰りも満杯でした。最近は旅行代理店にホテルと抱き合わせで頼むと、びっくりするくらい新幹線代金が安くなることがあります(遅刻したときなどに若干の制限はかかりますが)。航空機がディスカウントしているせいでしょうか?

博多駅内食堂街の中華料理屋で食事したのですが、チャーハンを頼むとウェイトレスが「チャーハンのみですか?」と聞き返してきました。これでちょっと動揺しました。ひとつは、チャーハンしか注文しないケチな客だと言われている?・・・というのと、言葉が文語体なので異様な感じでした。ともかく「のみ」ですとうなだれて答え、そのチャーハンを食べました。「のみ」という割には、ちゃんとスープもついていました。

味は具が多すぎて、ちょっと変な味でした。ひょっとしてレシートにも「のみ」と書いてあるのかなと注目したら、やっぱり書いてありました<チャーハンノミ> いや<ヤキメシノミ> でした レトロですねえ。

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2008年11月26日 (水)

西島三重子 スーパーベスト・コレクション

444西島三重子の新譜といってもベスト盤が出版されました。
西島三重子「スーパーベスト・コレクション」WQCQ-160 ワーナーミュージックジャパン(パートナーシップ・マーケティング)¥1,890

1ヶ月ほど前からアマゾンに注文していたのですが、入荷せずキャンセルされてしまって、あわてて別発注してやっと一昨日届きました。写真からわかるように「鬼無里の道」「目白通り」「かげろう坂」「ラブ・ソング」の4曲が初CD化されたもので、貴重なベスト盤です。他の曲もすべてワーナー・パイオニア時代の作品です。

この4曲はいずれもベストアルバム収録にふさわしい”忘れられた”名曲です。「目白通り」などかなり私的に好きな曲でした。「かげろう坂」は康珍化の詞が冴え渡るすごい曲です。まだアマゾンでは出品者が販売していますが、発売元にはもう商品がないようで、マーケットから消滅する日も近いでしょう。ジャケットは非常にみーちゃんらしい表情が撮れています↓。

http://www.amazon.co.jp/%E8%A5%BF%E5%B3%B6%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%AD%90-%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/dp/B001GQTZJY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1227705678&sr=8-1

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2008年11月25日 (火)

サラとミーナ44: ごきげんいいかも

111 もうすっかり寒くなってベランダの植物もしょぼくなっていますが、ベランダに猫を出すと、彼女たちはむしゃむしゃ葉っぱを食いまくりです。ハーブなどは寒さに強いので、そこそこ生育していますが、食べ過ぎでときどき腹をこわすのが困ります。

222 333

ミーナはサラを抱え込みますが、サラにしてみれば迷惑かも。一匹で寝ているとのびのびしています。

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2008年11月24日 (月)

バルサ: 低調な試合でした

Braugranaメッシ、アビダル、イニエスタらが故障で、さすがに苦しくなったバルサ。アンリ、マルケスもお休みで、FWはフレブ、エトオ、ボヤン。中盤はケイタ、チャビ。底はヤヤ。DFはシウビーニョ、プヨール、ピケ、ダニです。今日はヘタフェをカンプノウに迎えての対戦。

足許をみてか、ヘタフェは結構攻めてきます。一方フレブはまだエトオとのコンビネーションがうまくいっていませんし、ボヤンは今期初めてのスタメンであせりが先に立って失敗続き。これではエトオもどうにもなりません。結局ピケのパスミスからカウンターで攻められて、マヌのミドルシュートで失点。シウビーニョの強烈なシュートもGKのファインセーヴで得点ならず前半終了。

後半にはついにボヤンをあきらめ、アンリを投入。これで少し流れが変わりました。ついにダニのクロスにケイタが頭で合わせて、やっと追いつきました。このあとグジョンセンを投入して、ケイタを左サイドバックにするという非常手段に出ますが、功を奏さずそのままドロー。低調なバルサでした。このメンツだとチャビのリズムで試合を進められないのが第一の問題でしたが(チャビの調子もよくない感じでした)、ヘタフェのGKにシウビーニョ、エトオ、ピケの決定的なシュートをはじかれたというのも痛かった。

エトオやチャビをずっと出場させるのも問題ですし、これからの1ヶ月、強豪チームとの対戦を控えて苦しい状況になってきました。ガブリエル・ミリートも含めて、故障者の復活が待たれます。

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2008年11月23日 (日)

珪藻のゲノム

422pxhaeckel_diatomea_4ケイ素は地殻の主成分のひとつで、多くは二酸化ケイ素の状態で存在します。周期律表の同じ列のひとつ上は炭素なので、化学的な性質は似ているはずですが、なぜかこの元素を利用する生物はまれです。小説には結構よくケイ素生物というのが出てくるようですが・・・。

ケイ素を体の一部として利用する生物の代表的なものに珪藻があります。よく家の壁材として使われる珪藻土というのは、珪藻の化石が集積したといってもいい堆積物です。中生代の白亜紀以降の地層によくあるそうですが、1億8千5百万年前以前の化石がみつからないことから、この生物の先祖がケイ素の殻を獲得したのがこのころだったのでしょう。

珪藻は現在の地球上で最も成功した生物のグループで、南極・北極・赤道・氷河・塩湖・酸性の温泉などありとあらゆる環境で生育します。地球上の光合成の20%はこのグループが行っているそうです。ただ赤潮の実体で嫌われることもありますが、普通は魚の餌として重要な生物でもあります。海でプランクトン採集をして顕微鏡でみると、思い思いの美しい殻をもった珪藻が観察できます。つい写生したくなってしまいます。

図はウィキペディアに出ていた100年以上前に、エルンスト・ヘッケルによって書かれたスケッチですが、殻の形態が放射相称を示すものを中心珪藻、左右対称のものを羽状珪藻と呼びます。中心珪藻の一種が2004年にゲノム配列の解析を終えていますが、今年になって羽状珪藻の一種もゲノム配列が明らかになりました。それによると中心珪藻と羽状珪藻は9千万年前に分岐したにもかかわらず、類似した遺伝子を40%しか持っていないという結果となりました。ヒトとショウジョウバエでも50%くらいは類似した遺伝子があると言われているので、これは驚くべき事です。ゲノム中にレトロトランズポゾン(レトロウィルス由来の配列)を多く含んでいて、進化が加速されているらしいです。珪藻がもつ10,000以上の遺伝子のうち約1,400個が珪藻にユニークな遺伝子だそうで、これも驚きです。

今回解析された羽状珪藻のゲノムの解析によると、171遺伝子が紅藻由来のものということで、この生物が紅藻を体内に共生させることによってミトコンドリアを獲得したことを伺わせます。紅藻は藍藻を取り込むことによってミトコンドリアを獲得したと考えられているので、まあ泥棒の上前をはねたようなものですね。このうち11遺伝子はミズカビにもみられるので、珪藻の祖先がミズカビの祖先と分岐する(7億年前)以前に、ある祖先の生物が紅藻を取り込んだものと思われます。

ケイ素はガラスの主成分でもあることから、下記の論文は Genes in the glass house として紹介されています。核戦争で地上生物が全滅しても、その後珪藻はユニークな進化で地球に面白い生物相を構築するかも知れません。

参照:Chris Bowler et al. The Phaeodactylum genome reveals the evolutionary history of diatom genomes. Nature 456, pp239-244 (2008)

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2008年11月19日 (水)

都響のマーラー交響曲第1番 陶酔的な弦の響き

1 田部京子のベートーヴェン「皇帝」協奏曲(ピアノ:田部京子、オケ:リンツ・ブルックナー管弦楽団、指揮:ジークハルト、DENON COCQ83433 再発盤はDENON COCO-70961) の第2楽章がお気に入りなんですが、今回は日本ピアノ界の重鎮中村紘子の「皇帝」を、リントゥ指揮の都響で聴きました。いつもは最安の席で聴くのですが、マーラーのシンフォニーもやるというので奮発してS席を購入。シンフォニーをS席で聴くなんて何年ぶりだろうか。

東京文化会館は5階まで満杯、チケット完売だったそうです。開始前から熱気でムンムンしていました。ピアノ演奏も気迫がこもっていて大迫力でした。とはいえ、こういう堂に入りすぎた演奏は、何か中に入り込む余地のないような気がして、置き去りにされたまま外から眺める感じになってしまいます。いや違うかもしれません。基本的に相性が悪いんだと思います。仕方がありませんね、こればかりは。

さて後半はマーラーの交響曲第1番。これはマーラーが20才台で作曲したもので、私も子供の頃から良く聴いていた非常に分かりやすい音楽です。この頃のマーラーは本当に次々と楽想があふれてきて、才能爆発だったのでしょう。それまでの音楽にはない「サウンド」を発明したこともすごいことです。

ハンヌ・リントゥはフィンランドの指揮者で、チャールトン・ヘストンを思わせる非常にかっこいい男で、指揮のスタイルもスタイリッシュで若々しい感じでした。猿の惑星からやってきた知能が人間より高く、曲芸もできる、そして特に姿勢の良い猿っていう感じもありました。第二楽章などは乗りに乗ってましたが、統率力はありますね。

都響も特にいい弦の音を出していました。いつもながら、これがマーラーの響きだなと思わせるものがあります。第3楽章のコントラバスのソロもぞくぞくする響きで聴かせてくれました。さらに最高だったのは第4楽章の第2主題で、弦の響きが陶酔的な美しさでした。やっぱり都響はすごい。

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2008年11月17日 (月)

バルサ: 演技力で勝つ

Braugranaアンダルシアに遠征です。レクレアティーボとヌエボ・コロンビーノで対戦。最近のバルサの強烈な得点力に恐れをなし、相手は守備をガチガチに固めてくると予想されます。バルサはイニエスタ、アビダルが負傷欠場で、FW:アンリ、エトオ、メッシ、中盤:チャビ、ブスケツ、底:ヤヤ、DF:プヨール、ピケ、マルケス、ダニ。

はじまってみれば、やはりレクレは亀の甲作戦というか穴熊作戦というか、自陣に閉じこもります。エトオの強烈なシュートもGKのファインプレーではじかれ、前半は得点ならず。逆にCKからヘスース・バスケスのヘディングで危ない場面もありました。

前半はレクレの作戦にはまって無得点。しかし後半思わぬ一手でこじあけました。FKをダニが蹴ると見せて(ダニの演技力がすごかった。体の微振動まできっちりいつも通り)、チャビがメッシに出し、メッシが悠々と蹴りこみゴール。これは笑えました。2点目はアンリのクロスをエトオがボレーでゴール前にころがし、これをヤヤと交代で出たケイタが押し込みました。今日のアンリは目覚めていました。

これでバルサは9連勝。アトレチコに当たったときに、相手に欠場者が多かったのがラッキーでした。ビジャレアルやレアルマドリーと対戦したときにどうなるのか、楽しみです。

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2008年11月16日 (日)

まぼろしの薔薇

Photo 大手択次はサラリーマンをやりながら、一生独特の怪しい耽美的な詩を書き続けた詩人です。このCDの序文で西村朗は大手択次について「大手択次の詩は、人を救わない。いわば麻薬のようなものである」と述べており、大きな限界のある詩人だと切り捨てる一方で、その詩人を熱愛することを宣言しています。

西村朗は現代の日本を代表する天才作曲家と言われていますが、その作品は伝統的なクラシックやJ-POPなどを聴いてきた私にとっては、難解すぎて楽しめるものではありません。しかし彼が大手択次の詩をもとにアマチュア合唱団用に作曲したこの「まぼろしの薔薇」他は、そのメロディとハーモニーの耽美的かつ清澄な美しさが際だっていて、とても分かりやすい音楽になっています。

Photo_2作曲者もこの「伝統的な調性感、和声感にもとづく曲」は、自分としてはきわめて例外的な作品だと述べています。

作曲者自身が述べているように、この曲は必ずしも大手択次の詩に深く寄り添ってのめり込んだものではなく、清澄で平明なロマンティシズムの方向に振っています。そしてそれは成功しています。特に、IV孤独の薔薇 の静謐で弱々しいムードに何とも言えずのめりこみます。

VICG-50502 VICTOR

↓アマゾンで売っている(再発)

http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%90%88%E5%94%B1%E6%9B%B2%E5%85%A8%E9%9B%86%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%BC%E3%82%8D%E3%81%97%E3%81%AE%E8%96%94%E8%96%87%E3%80%8D%E8%A5%BF%E6%9D%91%E6%9C%97%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%86-1/dp/B000B84PSE

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ディメトロドン

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盤竜類を代表する生物 ディメトロドン 私たちのご先祖様は獣弓類ですが、それに近いがもう少し古い古生代の哺乳類型爬虫類です。

絵も文章もウィキペディアの受け売りです。

「ディメトロドンの体重を250kgと仮定した際の、帆の有無による体温の変化を試算した。その結果、体温が26°Cから32°Cまで上昇するのに必要な時間は、帆の無い場合205分かかったのに対し、有る場合は80分まで短縮された。これにより、朝方体温が低く、活発に動けない獲物を容易に捕食できたと考えられている
この帆は多分たためなかったんでしょうね。そうすると敵からは隠れようがないくらいに目立つので、これで結構繁栄していたのなら、当時はのんびりとした平和な時代だったんだなあと思います。まだ見た目哺乳類という感じは全くありませんが、頭蓋骨や顎骨の形態は、真性爬虫類とは分かれてきていたようです。帆で体をあたためていたくらいですから、もちろん恒温動物ではなかったのでしょう。
伊豆の小室山公園の恐竜広場にも模型があるそうですが、恐竜と誤解されそうで困りますねえ。しかもあり得ない巨大なサイズのもので感心しません。
実際はせいぜい体長 2-3m くらいだったようです。
240pxgobiconodon 獣弓類に進化すると、一部の種類はヒゲを持ち始めたようです。ヒゲというのは基本部分は体毛と同じ構造ですから、体毛を持っていたものもいたのでしょう。体毛は保温の機能があるので、恒温動物にとってはほぼ必須のアイテムです。その獣弓類の一部から哺乳類が進化したと言われています。中生代の恐竜全盛時代にも、犬くらいの大きさの哺乳類は生きていたようです。またもウィキペディアからゴビコノドンの絵を借りてきました。

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2008年11月13日 (木)

「頑固力」 by 岡田彰布

1 岡田彰布が「頑固力」という本を出版しました。まあだいたい予想通りの人物だったというのが全体的な感想です。しかし個々の部分にはびっくりしたことも結構ありました。

最初にびっくりしたのは、小学生の頃からミナミのキャバレーで島倉千代子や水前寺清子の歌を歌っていたということです(飲んでないとは書いてありますが、報酬はビール)。いまでも歌えるそうですが、聴きたくはないですね。

昔のことをいろいろ思い出しました。岡田を使わないということでブレイザー監督がやめたという事件もありましたね。私にはどうしてヒルトンがタイガースに来たとたんに打てなくなったのか不可解でした。やはりタイガースというチームのプレッシャーなんですかね。ブレイザーもそこまでは予想してなかったのでしょう。

著者がこの本で強く批判しているのは、野村監督とフロントです。前者は著者が二軍監督時代に、推薦する選手を使ってもらえなかったということ。後者については、有能な人材がいないとボロクソでした。これはこの本で一番びっくりしたところです。そこまではっきり言うということは、余程のことなのだろうと思いました。フロントもよく考えないと。

一方賞賛しているのは仰木監督で、オリックスで彼のもとで働いたのが、その後の著者に大きな影響を与えたことがよくわかりました。

私が納得できなかったのは、外国人選手についての排斥的な記述です。野球よりサッカーの方が圧倒的にコミュニケーションが必要なスポーツだと思いますが、世界の主要なサッカーチームはみんな大勢の外国人選手を雇っています。バルサも生え抜きの選手を育てつつ、多くの国からチームの伝統・戦術に合う選手を集めて、美しいサッカーを観客に見せています。今年ジャイアンツが優勝できたのも、ラミレスの貢献が非常に大きかったと思います。精神的にも今年のジャイアンツの中心はラミレスだったとききます。外国人・日本人の差別はすべきじゃないと思いますね。

米国で見ていても日本の野球で活躍できるかどうかわからないという話も、そこをなんとか判断するスタッフを育てて欲しい。それがスカウトの仕事でしょう(ヤクルトを見よ)。真弓新監督に望むのは、まず右の強打者を採用すること、バルディリスを日本一のセカンド(またはショート)に育てること、いま2軍にいる若手の投手を、何人か1軍レベルに引き上げて欲しいことです(これは彼自身でできることではないかもしれませんが)。

最後に、この激しいプレッシャーの仕事をよく5年も続けてくれたと、ファンとして感謝の気持ちをこめて著者に言いたいです。

 「お疲れさま これからは一緒にタイガースを応援しましょう」 

「頑固力 ブレないリーダー哲学」 岡田彰布著 角川SSC新書 ¥760

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2008年11月11日 (火)

サラとミーナ43:洗濯機

P1Img_1150 洗濯機の上がお気に入りのミーナ。勝手に停止ボタンを押したりするのが困ります。どうしてこんなブンブン回っている不安定なものの上が好きなのか? 一方サラは決して洗濯機の上には上がらず、下に潜んでいます。ほんとに陽と陰がはっきりしている猫たちです。

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女房逃ゲレバ猫マデモ by 喜多條忠

みなみこうせつとかぐや姫の「神田川」「妹」や柏原よしえの「ハロー・グッバイ」などの作詞でおなじみの喜多條忠氏が自伝を出版しました。芸能人はファンがいるわけで、自伝を出すのも悪くないと思いますが、この「女房逃ゲレバ猫マデモ」という本は、彼のファンではない一般人が読んでも面白いと思います。

やはりドキュメンタリーは小説と比べて無条件に現実がずっしりと迫ってきます。出生の秘密、子供の頃の思い出、夫婦の亀裂、家庭崩壊、男親ひとりでの二人の子育て、再婚(赤坂の作詞教室・・・ってアオイスタジオ?・・・に来ていた自分の生徒を取り込んだ)、猫との交流、母の死、妻の病気などてんこもりです。ニセモノが現れて、1億円の取り込み詐欺を働いたという話もあって、芸能人というのは本当に大変だと思いました。芸能人を人とも思っていないようなテレビのディレクターがいるのには驚きました(中身はネタバレになるので書きませんが)。

読み終わった後、別の人生を経験したような錯覚に陥りました。文章に気合いと重みが感じられて、ズシンズシンと胸に突き刺さる感触でした。直前に夏石鈴子氏の軽ーいリズムの文章を読んでいたので、ちょうど対照的なのがおもしろかったですね。

タマムシはなぜあんなに美しいのかという話がでてきて、考え込んでしまいました。一応鳥の目をくらますなどという説もありますが、牛糞の中に住んでいるセンチコガネの中にも美しいものがあるので(昔淀川の河原の牧場で、センチコガネを探して糞をつついてこわして歩いたことがあります。結構見つかるのですが、びっくりするくらいキラキラと美しい虫が糞の中から出てくるのです)、これはますます謎です。

「女房逃ゲレバ猫マデモ」喜多條忠(きたじょうまこと)幻戯書房 ¥1,800

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2008年11月 9日 (日)

バルサ: カンプノウはウェーブの嵐

Braugranaカンプノウにバジャドリードを迎えての一戦。最近のバルサ好調を反映して、結構お客さんで埋まっています。FW:アンリ、エトオ、メッシ、中盤:チャビ、イニエスタの代役グジョンセン、底はヤヤ、DFはプヨール、ピケ、マルケス、ダニ。バジャドリードは結構攻撃してくるようで、バルサにとってやりやすい相手の予感。

早速11分、右サイドを走り抜けるダニからDFの裏にスルーパス。これが走り込むエトオにぴったりで、しかもエトオが偉大なのは、できるときには必ずGKを交わしてシュートするという丁寧さです。ゴールが見えたらすぐシュートというレベルの仕事はしません。30分にはメッシからのパスを、エトオがダイレクトにふわっとアンリに。アンリがシュートしますが、バーゼル戦からアンリは変調で、不可解なプレーが目立っています。睡眠不足なのではないでしょうか。ここでもアンリはシュートを失敗しますが、GKがはじいた球をエトオが拾ってゴール。

42分にはメッシの絶妙のスルーパスがエトオに通り、エトオがまたもやGKを交わし、角度のないところから決めてハットトリック達成。そしてテレビが間に合わないくらいすぐの43分、またゴール前のメッシからのスルーパス(シュート?)がDFにあたり、エトオの目前に。エトオが簡単にゴールして4点目。

後半さすがにダレましたが、70分バジャドリードのGKがDFにパスしたのをDFがトラップミス。これをアンリが拾ってグジョンセンにパス。グジョンセンはふわっと浮かせてゴール。さらにはずしまくっていたアンリにも幸運の女神が。フレブが突破して、もうどこに蹴ってもゴールという球がアンリの前に。これはさすがにアンリもゴール。カンプノウはフィエスタに酔いしれていました。

エトオにとって今シーズンは生涯最高のシーズンになりそうです。ペップに見捨てられそうになったのが刺激になったという人もいますが、私は1.メッシ、イニエスタ、アンリ、チャビらがよく彼の位置を見てくれている 2.あまり激しくは動き回らず、なるべく前線にいるようにしている(そのために 1 のようになったのかもしれない) 3.ゴール前で落ち着いてDFやGKを丁寧に交わしてからのシュートを狙っている などが良い結果をもたらしているのでしょう。もともとシュートの天才なので、アシストしてくれる仲間がひとりいればすごい力を発揮できる選手です。

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チャンピオンズリーグのロナウジーニョ

ロナウジーニョも相変わらずすごいですね。

チャンピオンズリーグで勝利を決めたシュートには度肝を抜かれました。

この男を罵声と共に追い出したバルセロナのクレには愛想がつきたのですが、やはりバルサからACミランには乗り換えられなかった私です。

下記サイトで ronaldinho braga で検索

http://www.youtube.com/watch?v=WHo616L_m9o

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2008年11月 8日 (土)

バルサ: イニエスタ筋断裂

Braugrana_2UEFAチャンピオンズリーグのバーゼル戦。バーゼルでの圧勝のあと、カンプノウでの対戦です。引き分けも少々の負けでもいいということで、カーサとはいえテンションの上がりようがない試合。それでもお客さんが結構はいっているので、みっともないゲームはできません。

今日のスタメンはFW:ボヤン、アンリ、フレブ、中盤:イニエスタ、サンチェス、底:ブスケツ、DF:シウビーニョ、マルケス、ピケ、プヨール。お休みモードですが、バーゼルも5:0で勝とうという意気込みはなく、ひたすらに守るのみで、カウンターでどっとなだれこむという気概もなし。ボロ負けだけはしないぞという作戦で、どうにもなりません。そのまま前半終了。

後半はますますたるい試合になってきて、今日は何も無しかとあきらめたところで、サンチェスをチャビに、ボヤンをメッシに交代。これで一気に試合がアクティヴになり、メッシがアンリを壁に使って中央突破。ゴール左隅に蹴りこみました。

しかしこのあとなんとイニエスタが故障発生。太ももの筋肉の断裂で全治6週間。後の祭りですが、こんな試合にイニエスタを出す必要はありませんでしたね。これはきつい。これでチャビがだめになると、バルサといえども平凡な中盤になってしまいます。

結局デレディオクに中央から決められて1:1のドロー。しかしこれでグループリーグ突破が確定しました。イニエスタの故障が後を引かないよう、きっちり治療してほしい。

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筑紫哲也氏のご冥福を祈って

筑紫哲也氏はいつも落ち着いていて、中間線から相手が50cmだとすると、自分は1mのところまで下がって、相手が出てくるのをゆったりと受け止める雰囲気が独特だった。それはジャーナリストとしての技術でもあったと思うが、同時に彼のキャラでもあったのだろう。私が尊敬する数少ない人物のひとりだった。

合掌 ・・・

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2008年11月 6日 (木)

サラとミーナ42: 抱擁?

111_2  だいぶ寒くなってきました。ネコも寒さには敏感です。くっついて眠りたくもなるのでしょう。

最近のバッドニュース

捨て犬を助けようと言って、お金を犬好きから集めてドロンするという詐欺師がいるのには本当に腹が立ちました。私も寸借詐欺や注文した物品がこないというような詐欺には(お恥ずかしいことですが)やられたことがあります。この詐欺は自分が引っかかったわけではありませんが、自分の場合よりはるかに気分が悪いですね。

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2008年11月 5日 (水)

ハウステンボス捕逸

111_2ハウステンボスの写真の捕逸です。日本人でもこういう街をテーマパークとしては設計できるわけですが、なかなか住宅地としてつくることはできないんですね。みんながこんな街に住めるようになるのは22世紀になるのでしょうか?よく日本人として誇りをもてるような教育をという人がいますが、私は日本人は西欧文化や社会に対して、もっと劣等感を持つべきだと思いますね。いくら空威張りしたところで、貧しい街並み、満員電車、道路渋滞、河川で暮らす多勢のホームレス、あまりにも貧しい老後、シャッターが目立つ地方都市、およそ学舎とは縁遠い大学(西欧の主要な大学が設立されたのは平安時代)、毎日の金繰りで細々生き延びる企業・・・。

ルノワールの「読書する少女」 この複雑な絵を花で表現するとは驚きです。運河に橋が架かっていて、その上から眺めます。橋の上に元絵がちゃんと置いてありました。ルノワールはよく知りませんが、少女、長い髪、帽子、太めの女などが好きなんですね。有名な「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」も、それらのモチーフが目立ちます。最後の一枚は港についたときの風景です。

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2008年11月 3日 (月)

バイオリニスト

160pxviolin_vl100初めてのリサイタルまであと1ヶ月。
曲目はもう1年も前から決まっていて、十分に練習も積んだので、あとは2-3回パートナーの友理とリハーサルを重ねれば万全のはずだった。

ところが最近になって問題が発生した。私のバイオリンの音がおかしいのだ。ストラディバリというわけにはいかないが19世紀のイタリアの楽器で、3000万円近い金額を支払った。支払ったと言ってももちろん若輩の私に支払えるわけもなく、さして金持ちとはいえない親がローンを組んで購入してくれたものだ。私はそのバイオリンを愛していた。つらいときも苦しいときも、彼は変わりなく私を励ましてくれた。私がしゃきっと気合いをいれて弾くと、必ず素晴らしい音でほほえみかけてくれた。

異変は高音部におきた。何か音が細めに感じられた。弓の毛を交換してみたが、改善はみられなかった。ピアノ伴奏してくれる予定の友里に家まで来てもらって合わせてみた。友里に意見を求めてみた。

「友里 ちょっと音がおかしくない」
「最近忙しくて、ちょっと疲れてるかも。ごめん」
「そうじゃないのよ。あなたじゃなくて私の音」
「なんだ びっくりした。恭子は大丈夫よ。いつもと同じ。でももう少し練習した方がいいところもあるわね」
「わかってる。リハまでには頑張るから」
「じゃあ今日は帰るわね。頑張って」

友里は帰った。彼女の口から「練習不足だ」とか「頑張って」とかという言葉が出たのは初めてだったので、ちょっとドキッとした。彼女は穏やかな人なので、遠回しに私の音がおかしいことを指摘してくれたのだろうか?

数日猛練習したが、音はさらに悪くなったような気がした。音がカサカサしているようでふくらみがない。こんな音だと聴衆は苦痛を感じるのではないかと思うくらいだ。リサイタルは迫っているが、思い切って修理屋さんに相談してみることにした。

「最近ちょっと音がおかしいみたいなんですけど」
「うーん これはかなりくたびれてるね。調整だけじゃなくて、ニスとか板の強度なんかもなんとかしないといけないかもな」
「ええー。リサイタルがせまってるんですよ。すぐにどうにかなりませんか」私は泣きそうになって頼み込んだ。「まあ やれるだけのことは1週間ほどでやってみましょう」ということで、とりあえず修理屋さんにしばらく預けることになった。

この大事な時に一週間のロスは非常に痛いが仕方がない。他のバイオリンをさわるのは、感覚が狂ってしまうのが怖かった。家に閉じこもっているとストレスで気が変になりそうだった。友里は歌の伴奏なども頼まれていて忙しそうだったし、子供の頃から練習に明け暮れていたせいか、私にはこんなときに頼れる親友がいない。

つい親に「もうちょっとしっかりしたバイオリンだったらなあ」などと、言ってはいけないことまで口に出してしまった。これでますます落ち込んだ。親だけじゃなく、修理から返ってきた彼にもそっぽをむかれそうだった。

やっと1週間が過ぎて、修理屋さんのところに楽器を受け取りにでかけた。
「すっかり元気になったよ。これでいけるでしょう」という修理屋さんの言葉に励まされて、おそるおそる音を出してみた。
ダメだった。全く改善されていない。

「だめじゃない。全然直ってないわ」
「ええー そんなことありませんよ 結構つやのある音になってますよ」

しばらくあれこれ押し問答になったが、結局

「だめよ いいわ わからないんだったらもう頼まない よそに行きます」

私は泣きべそをかきながらそれだけ言うと、楽器をひったくるように取り戻した。
店を出るときに「信用できないんなら もうあんたのものはみてやんないよ」という声が背中から聞こえてきた。

もう音のことなど気にせず、夜も昼も一心不乱に練習した。本番1週間前のリハの日がやってきた。友里とみっちり全曲をさらった。でもどの曲もやはり納得のいく音は出せなかった。終わった後

「やっぱりダメだわ 音がヘン」
「そんなことないわよ。この間よりきちんとできてていい感じよ」

そのとき私の中で何かが切れた。ぐるぐるとめまいがした。

「うそ」と言って私は彼女に泣きながら抱きついて押し倒した。
「お願いだから 本当のことを言って。私ってダメなんでしょう。こんな音だととても人前で弾けないんでしょう いやだー ギャー」

と私は叫んで失神した。

気がつくと救急車の中で、友里の顔が近くに見えた。母もかけつけてくれた。内科・精神科・神経内科などをたらいまわしにされたようだったが、何を質問されたかよく覚えていない。結局1日入院して様子をみることになった。ストレスで血圧が上がったのではないかという話を医師が母にしているのが聞こえた。

私はもともと血圧が高い方ではなかった。むしろ朝など低血圧でフラフラしているぐらいだ。ひょっとするとこのまま発狂して、精神病院にいれられてしまうのではないかという恐怖に襲われた。でもリハーサルですっかり疲れていたせいか、その晩はぐっすりと眠った。

翌朝神経内科の先生がやってきて、「ちょっと立ってみて」と私をベッドの脇に立たせた。さらに「後ろを向いてください」と言うので、その通り先生におしりをむけて立った。
先生はハモニカを吹いて、「どっちの方向から聞こえましたか 指さしてください」と質問した。私は左手で左後ろ45度くらいを指さした。先生は「はい わかりました いいですよ。では11時に耳鼻咽喉科の方に行ってください」と指示した。

耳鼻咽喉科では、時間をかけていろいろな音波をヘッドフォンで聴かされたり、骨伝導のテストをされたりした。そしてくだった診断は・・・

「あなたは右耳の突発性難聴です」というものだった。「突発性難聴の場合、特定の波長が聞こえなくなったり、音質が変わったりするのです。めまいや雑音が聞こえたりもよくある症状です。あなたの場合発症してからかなり時間がたっているようなので、残念ながらもう治療はかなり困難です。それでも可能性はゼロではないので、ステロイドの点滴やってみますか?」
「それってずっと入院してないといけないのですか」
「いや通院でもいいですよ」

私は全く予想していなかった事態に動転したが、リサイタルが可能なら、ともかく医者がやってみようということを拒否する理由はないので、言われた通りの治療をしてもらうことにした。夜に見舞いに来てくれた父母にまず誤り、友里と修理屋さんには電話をかけて事情を説明して謝った。

家に帰るとまず「彼」を抱きしめて謝った。彼が私を許してくれたかどうかはわからなかったが、ともかく練習を再開した。疲労と精神的ショックでボロボロだったが、リサイタルは予定通り開催にこぎ着けた。本番はミスが多くて技術的にダメだったが、気分だけは晴れ晴れとしていて気持ちよく演奏できた。聴衆の拍手もいただいた。こんな大馬鹿者の私の演奏にも拍手がいただけることに感激して、涙が止まらなかった。友里も暖かい目で私を祝福してくれた。会場には両親の笑顔があった。

すべて終わって楽屋で一休みしていると、修理屋さんが花束を持ってきてくれた。
「ついむかっ腹が立って、俺も何か口走ったようだが勘弁してくれ。今日はいい音だったよ。本当に」と言って、私を抱きしめてくれた。

「音楽家なのに難聴だなんて、ベートーヴェンと同じじゃない」と友里が笑いながら言った。
「笑い事じゃないわよ。深刻な問題よ」
「大丈夫 左耳は正常なんでしょう。右耳が突難になってから、恭子の演奏がダメになったということはないから、私を信じて」

真顔になって私の目をみつめながらそういう有里に 
「信じる」と私も友里の目をまっすぐ見て言った。

それまで私は人の目を見て話をする習慣がなかったので、自分の行為に少しびっくりした。これからも音楽家として生きていくべきだと、その時私は心に決めた。

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2008年11月 2日 (日)

バルサ: 雨でも美しいバルサ

Braugranaマラガの本拠地、アンダルシア・マラガのラ・ロサレーダに遠征してのフエラ戦。中間の練習中に好調アビダルが右ヒザのケガでリタイアしたのは残念。かわりに出た左サイドバックがシウビーニョではなくプヨールとは驚きでした。左ははじめてではないのでしょうか? 折からの土砂降りで守備重視の采配とはいえ、ペップの冷徹さが際だったスタメンでした。

FW:イニエスタ、エトオ、メッシ。MF:ブスケツ、ヤヤ、チャビ(ここも守備的)。DF:プヨール、ピケ、マルケス、ダニ。水が浮き上がったひどいピッチコンディションで、これは大変なサッカーになりそうです。メッシは特に滑りやすく、蹴られやすいプレースタイル。これがまさしくケガの功名。4分にコール正面絶好の位置で倒されてFK。チャビが教科書のような「上がって曲がって落ちて」というのを右上隅に決めてゴール!

しかし、6位につける好調マラガもさすがにモチベーション高く、ダニの球を奪ってカウンターで攻め込み、シュートをバルデスがはじき返したところをドゥダに打ち直されて失点。バルサも18分、FKがこぼれるところ、メッシが右の深い位置からすべりながらも強烈なグラウンダーでゴール左隅に一発。

後半にも52分、バルサは素晴らしいゴールを見せてくれました。左サイドのエトオが、長い浮き球を中央右のアンリへ。これをアンリが飛び出してきたチャビに頭で返して、チャビがきれいなボレーでゴール。球をドロドロの地面に1回もつけないでの美しい得点。土砂降りの日はこれですね。最後はダニのFKをDFがクリアしようとしてオウンゴールのおまけつきでした。

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2008年11月 1日 (土)

PLoS の衝撃

学術雑誌の御三家といえば Science, Nature, Cell ということになっていますが、今モンスタージャーナルが成長しつつあります。それは PLoS ONE という雑誌なのですが、紙の実態があるわけではなく、完全なウェブジャーナルです。しかも誰でも無料でアクセスし、読むことができます。 毎日数編以上の論文が発表されており、年間にすると3000編近くのボリュームになります。間違いなく史上最大級の科学雑誌になりました。しかも PLoS グループの姉妹誌も数多く発行されており、これらも含めてますます拡大の一途をたどることになると思います。おそらく一般週刊誌なども含めた中で、人類の歴史上最大の雑誌になると思います。いやもうなっているかもしれません。

学術雑誌の中には年間200万円以上の購読料をとる雑誌もあり、図書館や購読者は大変です。図書館の予算は多くの場合年々減らされており、必要な本もないしウェブ購読権もないので、論文を読むにはお金を払い、個別に業者に注文してコピーをとりよせなければいけません。このお金が馬鹿になりません。無料で雑誌が読めるのは研究者にとって、誠に有難いことです。

それではこれですべて万々歳かというと、それがそうじゃないのです。PLoS ONE に論文を発表するには、著者は1300ドル支払わなければいけません。これは結構な金額です。つまり研究者にこれが支払える富豪と支払えない貧民の明らかな階層分化が発生することになりました。
注:PLoS のために言っておきますが、絶対に1300ドル必要なわけではなく、どうしてもお金がない場合は応相談ということにはなっています。あと今は異常な円高で少し楽になりました。

もうひとつの問題点は、このような雑誌の発展により、まあお高い雑誌がやっていけなくなって、えげつない出版社が倒産するのは仕方がないにしても、学会が発行している学術雑誌の運営が非常に困難になっていくのは、誠にやるせない気持ちです。それでも PLoS や BMC シリーズの雑誌に論文が吸い寄せられる傾向は避けられないと思います。これからどんどん雑誌を発行できない学会が増えていくことでしょう。

考えてみれば、研究費というのは一種のギャンブル的投資であり(そうでなければならない)、一方論文出版費はもう成果が大なり小なりはっきりと上がっている仕事の仕上げのプロセスに必要なお金なので、研究費の配分を減らしてでも、すべて国で面倒見てもいいのではないかと思います。各国政府が共同で、公営のウェブジャーナルを運営して、そこで研究成果の発表をさせるようにしてくれるのが一番なのですが・・・。

PLoS ONE のHP: http://www.plosone.org/home.action

PLoS のHP: http://www.plos.org/

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