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2008年6月13日 (金)

シューマンのシンフォニックエチュード

Tabe ピアノソロの曲の中から一曲だけ選べと言われれば、私はシューマンの交響的練習曲(作品13)を選びます。しかも私的には世界一のピアニストと仰ぎ見る田部京子さんが弾くというので、昨日浜離宮朝日ホールに聴きに行ってきました。CDもかなり聴き込んだ曲です(DENON COCQ-83259)。田部さんはシューベルトとは血縁関係にあるのではないかと思うくらいの方ですが、なぜかこのシューマンの曲のCDをよく聴きます。

指定したわけではないのですが、なんと4列目の中央というすごい席に当たって、スタインウェイ・フルコンサートのブィーンという唸りに全身をつつまれるという幸運。スタインウェイのピアノは鉱物・植物・ヒトの奇跡の co-ordination で、宇宙最高の音を発します。

主題の提示はCD同様ゆったりとしたもので、この大規模な曲を楽しむ旅におもむろに誘ってくれます。演奏はCDよりビシッとめりはりの効いた、エキサイティングな熱演・・・でありながら上品さや清潔な構成感を失わない、なんというか、メルセデス・ベンツに乗せられて、美しい夜景を眺めながら高速道路を疾走しているような感じでしょうか。

遺作の変奏5などは天国的な美しさで、ああ終わらないでくれと願わずにはいられません。そこから激しい練習曲10、そしてショパン風の練習曲11から壮麗な終曲へ。やっぱりすごい曲、そしてすごい演奏でした。

後半はカルミナ・カルテットと共演でやはりシューマンのピアノ五重奏曲。これは初めて聴きました。第一楽章はまるでフランス音楽みたいな柔らかい美しさに満ちた曲でびっくりしました。第一バイオリンのエンデルレさんは見るからに洒脱な感じの方で、古典派よりロマン派やラテン音楽の方が似合いそうでした。

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