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2008年4月 8日 (火)

エリスロポエチンと毛髪

1エリスロポエチンは赤血球の製造をうながすホルモンで腎臓でつくられます。したがって腎臓の機能が低下するとエリスロポエチンの生産が低下し、貧血になります。現在ではこの種の貧血の治療のため遺伝子工学でつくられたエリスロポエチンが、医薬品として製造・販売されています。

マラソン選手が高地でトレーニングすると、低酸素状態を体が感知してエリスロポエチンを増産し、赤血球をたくさん作ろうとします。こうして血液中の赤血球の数を増やし、そのまま低地におりてきて赤血球が減る前にマラソン大会に出ると、他の人より赤血球の数が多いので酸素供給が楽になり、良い成績が期待できます。まあ一種の合法的なドーピングのようなものです。ただ気をつけないといけないのは、血球が増えるので血液の容量が増えて血圧が上がるという副作用があります。

最近低酸素状態にすると、腎臓だけでなく毛(毛包)でエリスロポエチンがつくられることが分かりました。そればかりか毛はエリスロポエチン受容体もつくることができて、自分自身で増殖の制御ができるようです。放射線治療で頭髪が抜けてしまったようなときに、エリスロポエチン投与が有効かもしれません。将来皮膚に塗布してエリスロポエチン受容体を活性化するような医薬品ができれば、有力な増毛剤になるかもしれません。

私事ですが、昔エリスロポエチンを使って仕事をしていたことがあるので、不思議な縁があるなあと思いました。

文献:Human hair follicles are an extrarenal source and a nonhematopoietic target of erythropoietin
Bodo, E., Kromminga, A., Funk, W., Laugsch, M., Duske, U., Jelkmann, W., Paus, R. 2007 FASEB Journal, 21 (12) pp. 3346-3354.

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