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2007年11月 6日 (火)

ねこゲノムの解読

1 哺乳動物の遺伝子配列はかなり詳しく研究されていて、特にヒト、チンパンジー、マウス、ラット、犬、牛については、ほぼ一覧表ができています。今回これに猫が加わりました。発表したのは以前にも記事にした、米国国立がんセンターなどを中心とした猫遺伝子プロジェクトのグループです。といってもまだ全ての遺伝子が解読されたわけではなく、95%くらいだろうということです。それでも2万個の遺伝子の配列が明らかになりました。

驚くべきことに、犬、マウス、ラットなどに比べて、猫のゲノムはヒトのゲノムにある意味極めて近いことがわかりました。犬、マウス、ラットなどでは、染色体の各部分がさんざんシャッフルされているのにくらべ、猫やヒトの場合、比較的古い哺乳類のままの状態で保たれているそうです。また猫のゲノムには過剰にミトコンドリアの遺伝子が取り込まれているというのが、もう一つの驚きだったようです。

サンプルになったのはシナモンという名の4才のアビシニアンだそうです。猫の場合(犬もそうですが)、他の動物に比べていろいろな病気についての知識が豊富に蓄積されているので、遺伝子の解読はさまざまな遺伝病の病因解析に有用だと考えられます。ちなみにシナモンの一族は retinis pigmentosa というヒトでもみられる目の病気の遺伝子をもっていますが、著者達はこの病気の原因遺伝子をつきとめたそうです。

猫科の動物は極端な肉食なので、これを決めている遺伝子が何かというのは著者らの今後のターゲットになっているようです。猫種によってなれなれしいグループとよそよそしいグループがあるので、これらを比較してみるのも面白いかもしれません。ライオンのような群れを作るグループと虎のような単独行動のグループの比較も興味深いです。個人的には毛の種類(長さ、太さ、カール、色、毛周期など)を決めている遺伝子に関心がありますが、さてどんなものでしょうか。

論文:J.U.Pontius et al: Initial sequence and comparative analysis of the cat genome. Genome Res. 17, 1675-1689 (2007)

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