« バルサ 勝つには勝ったが! | トップページ | バルサ:アトレチコのミスに乗じ圧勝 »

2007年10月 4日 (木)

35億年前のメタン生成菌

Pilbara_2 微生物の化石はこれといった形態的特徴がないので、怪しい場合も多いのです。特に30億年以上前の初期地球に棲息していた生物となると、慎重にならざるを得ません。しかし化石が無くとも、生物の存在を示す痕跡は探すことができます。

炭素にはそのほとんどを占める質量数が12のC以外に、質量数が13、14のものがあります。14は放射性同位元素で、自然に崩壊していきますが、13は安定同位元素で何億年たっても崩壊しません。ところが生物は選択的に12を利用するので、生物起源のCでは13の比率が低下しています。

オーストラリアの北西部には、ピルバラ(Pilbara)という35億年前の地層が露出している場所があります。地球創世期の地面がある場所と聞くとちょっと興奮しますが、パースから四駆で何日もかけてたどり着く不毛の地らしいです。旅行するには不向きな場所ですね。上野博士らはここから採れる石英の中にある泡のような空洞に含まれるメタンガスについて調べました。

するとこのメタンのCでは質量数13の比率が、天然ではあり得ないくらい低くて、生物の活動に起因するものだということが分かりました。つまり35億年前、この地にメタン生成菌がいた可能性が高いというわけです。メタン生成菌は例えば;脂肪酸+水+二酸化炭素=酢酸+水素+メタン+エネルギーというような代謝を行ってエネルギーを得ます。すなわち、光、酸素、硫化水素のいずれも無しで生きていくことができる生物です。

地球ができたのが45億年前で、それから何億年かは地球全体がマグマでどろどろだったと言われているので、地球が冷えて海ができたら、たちまち生物が生まれたということになるのしょうか?さてどこまで最初の生物をさかのぼってたどれるのか、ロマンティックな研究ではあります。

参考文献: Ueno et al.: Evidence from fluid inclusions for microbial methanogenesis in the early Archaean era. Nature 440, pp.516-519 (2006)

|

« バルサ 勝つには勝ったが! | トップページ | バルサ:アトレチコのミスに乗じ圧勝 »

生物学・科学(biology/science)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/133582/16657996

この記事へのトラックバック一覧です: 35億年前のメタン生成菌:

« バルサ 勝つには勝ったが! | トップページ | バルサ:アトレチコのミスに乗じ圧勝 »