サラとミーナ14: 洞毛
洞毛というのはヒゲというわけじゃなくて、ネコの場合まゆげも洞毛です。観察すると、長くて太くて動かせるというのが特徴ですが、毛根を調べると、洞毛の場合普通の体毛と違って、まわりを血洞(太い血管)で覆われています。
普通の体毛は、自分の意志では動かせません。ネコの場合、そっとヒゲにふれると、きゅっと顔に近い方に寝かせます。獲物をねらうときはその反対で、獲物の方向に立てる感じです。まゆげの方は、残念ながら自在に動かすことはできないようです。
ほとんどの哺乳動物は洞毛を持っていますが、残念ながら人は洞毛を持っていません(人のヒゲは洞毛ではありません)。鼻孔の両脇の皮膚はミスタシアル・パッドと言います。この部分の皮膚は普通の皮膚と違って、筋肉がすごく発達しています。
どうして人には洞毛がないかというと、人は二足歩行をはじめたために、暗闇だと両手を前に出して動けます。しかし四足歩行の動物は洞毛に頼らなければなりません。それぞれの洞毛には特殊な神経が伸びてきていて、洞毛の動きは脳に伝えられ、1本1本きちんと情報処理されます。つまり何にさわったかがある程度判定できるわけです。
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