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2007年2月 8日 (木)

ねこの毛色1・・・まず白から

Catw_24 毛の色のもとは何なのかというと、それは皮膚の色と同じで、メラニンという色素の色です。メラニンには二種類有り、ユーメラニンは黒色から褐色(濃度によって色調は異なる)、フェオメラニンは褐色から赤黄色に見えます。ユーメラニンはチロシン、フェオメラニンはチロシンとシステインというアミノ酸から合成されます。

どうしてこんな色素が必要かというと、細胞に必要な情報をすべて含んでいるDNAが紫外線に弱い、というのが最大の要因です。色素が紫外線を吸収することによって、DNAを守っているのです。DNAがダメージを受けると、細胞は死んだり、癌化したりしてしまいます。紫外線をたくさん浴びるところで生活する生物ほど、多くの色素が必要です。また目の虹彩(瞳)に色素がないと、カメラで言えば常にレンズが絞り解放状態で、さらに脈絡膜に色素がないということになると、カメラでいえばボディそのものがスケルトン状態ということで、焦点が定まらずものがはっきり見えない弱視になってしまいます。

アミノ酸から色素が合成される過程には数種の酵素が必要で、もしこの酵素が遺伝などの理由で欠けていると、「アルビノ」という色素のない個体になります。白ウサギ、実験用の白マウス、アホロートルなどがそうですが、自然界では一生洞窟の中で暮らすなどの特殊な生物を除いては、突然変異で生じたものがまれにいるくらいで、通常上記のような生存に不利な理由があって、色素のない動物は淘汰されてしまいます。

では白い毛の動物はみんなアルビノかというと、そうではありません。猫の場合逆にW(ホワイト)という遺伝子があることによって白くなっています。この遺伝子があるとメラニンを合成する細胞ができないので、まるでアルビノのように肌も毛も白くなってしまいます。この遺伝子の作用は強力で、メンデルの法則における優性(WWでもWwでも白、wwはその他の色)であるばかりか、他のどんな毛色の遺伝子があっても関係なく白色にしてしまいます。ただメラニン合成酵素はつぶれていないので、この遺伝子の作用が弱い場所ではメラニンができる可能性があります。例えば目の虹彩(瞳)と脈絡膜で、ここに色素があると目は不利なく物を見ることができます。白猫であっても、写真のフラッシュでもたかないかぎり、目の血管が見える赤目になることはありません。瞳に色素のある白毛の動物は、猫以外でもおそらくWのような遺伝子を持っていると思われます。

毛がふさふさとある動物の場合、毛で紫外線が遮蔽されるので、色素がないことが大きなデメリットにはなりません。W遺伝子による場合は目もまともです。シロクマのように保護色となって、生存に有利な場合もあります。また、メラニンを合成しないで済むわけですから、省資源、省エネでもあるわけです。しかし毛が短い場合は、芦毛馬のように、皮膚癌ができやすくなるという、明らかなデメリットがあります。

Photo_83 Photo_84 もうひとつ白毛に関係しているのは、S(スポッティング)遺伝子です。SS(ホモ)の場合、体の大部分が白毛になり、Ss(ヘテロ)では着色部と白色部がある、いわゆるブチ猫になります。着色部と白色部は不定形あるいはスポット状で、いわゆる縞模様ではありません。英語ではウィズホワイトとかアンドホワイトなどと言うようです。黒猫などはssということになります。SSでもWWやWwのように、全身が白というわけではなく、通常着色部が少し残ります。写真のねこは多分左がSs、右がSSでしょう (しっぽ工房からお借りしました 有難うございます)。ひょっとすると右も結構黒の部分も多いので、Ssかもしれません

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