ライム病
新年会に出席して、友人のひとりが最近ライム病にかかったという話を聞いてびっくりしました。日本ではまだそれほど多くの症例がないそうですが、野生動物が人里にあらわれる機会が増えているようなので、そのうち日本でもありふれた危険な病気になりそうです。
ライム病はマダニ体内の病原体(細菌)が、マダニが人や野生動物にかみつくことによって感染します。マダニは家ダニのように、家の中の畳やじゅうたんにいるのではなく、野や山にいるダニです。こいつに噛みつかれると、数日間血を吸われ続けます。この間、ダニは皮膚の中に頭をつっこみ、尻は外に出ているので見ればわかります。運悪くライム病に感染すると、紅斑ができて、リンパ節が腫れたり、インフルエンザのような症状があらわれたりします。
ここで重要なのは、ダニを押しつぶしてしまわないことです。押しつぶすとかえって病原体をばらまくことになって危険です。そのまま皮膚科を受診することがベストです。フィールドワークをやっている研究者などで、ピンセットの扱いになれている場合は、自分でダニをそっと引き抜いてビンなどに保存し、さされた部分に紅斑ができてきた段階で受診するという手もあります。保存したダニは病原体がいるかどうか調べるのに使います。
初期に治療すれば、抗生物質が効きますので怖い病気ではありませんが、気がつかないでいると数年後に脳が異常をきたすなどの重篤な症状があらわれる可能性があります。こうなると治療はかなり困難となるようです。
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