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2007年1月15日 (月)

クローン猫の行方

Photo_66 2-3年前に話題になった、クローン猫を販売する会社 Genetic Savings & Cloning が廃業したようですね。一年前まではクローン犬も販売するなどと宣伝していましたが・・・・・。

この商売は、喪ったペットがあきらめきれず、「もう一度同じ姿形の動物を育てて暮らしたい」というオーナーの希望に答えるものでした。

http://www.redherring.com/Article.aspx?a=19153&hed=Cat+Cloning+Company+Closes

どうして廃業になったかというと、期待したようなうり二つの猫ができなかったということにつきるでしょう。クローン猫というのは、生年月日の異なる一卵性双生児と言って良いのですが、ヒトの一卵性双生児でも指紋は違います(画像)。

サイエンス誌にも、かなり毛色の様子が異なるクローン猫が出ていましたが(画像)、遺伝情報が同じでも、これだけ違う動物ができるのは、DNAメチル化とかいろいろ理由があると思いますが、基本は生物は固体のように見えて、実は限りなく液体に近いということではないでしょうか。

DNAは細胞内の液体の中に浮かんでいるわけで、これに指令を与える情報もあくまでも水の中からやってくるわけです。インクをビーカーの水に1滴おとしてみれば、千差万別の模様を描いて拡散していきます。これと同様どれだけの情報がくるかは、正確に決まっているわけではありません。

さらにこのような情報は、たいてい指令をキャンセルする情報とセットになっているので、そちらの方の増減にも影響をうけます。うり二つじゃなきゃ、別の新しい猫を飼った方が費用がかからないので、みんなクローン猫は買わないでしょう。GSC社はお気の毒なことです。まあ科学技術を甘く見てはいけないということですね。

人間はいつも願望が先に行って、愚かにも基盤技術や基礎知識の不足に目をつむりがちです。チェルノブイリを見れば、そのことが地球を破滅に導くおそれがあることも明らかでしょう。人間はもっと、自分たちが愚かであることを深く認識すべきでしょう。最悪なのは、おおむね科学者や政治家はいつも自分をアピールすることばかり考えている人種なので(昔はそんなことはなかったのですが)、このような認識からは遠くなる習性があるということです。

参照: Science 309 pp.2010-2013 (2005)

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