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Hair follicle の本は Springer から出版したのでここには中身を掲載できませんが、アマゾンインターナショナルなどで販売しています。

入手が難しいかたは
http://morph.way-nifty.com/grey/2023/08/post-f37c78.html
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2024年11月 6日 (水)

続・生物学茶話250: 交感神経と副交感神経

自律神経を発見したのは誰かというと、それはおそらく古代ギリシャの医師であり医学研究者でもあったガレノスだということになっています。原著を読んだわけではありませんが、彼は脳神経や脊髄神経がどこにはじまりどこにつながっているかということを詳しく記載しており、その中には動かしたり感じたりすることができない内臓につながっているものあるので、当然筋肉を動かしたり感覚を中枢に伝えたりするためだけに神経が存在するわけではないことは理解していたと思われます(1)。

自律神経 = autonomic nervous system という言葉を19世紀末に提唱したのはジョン・ニューポート・ラングレーですが(2)、彼は内臓につながる自律神経は遠心性神経のみという定義をしてしまったため、当時から一部では問題視されていました(3)。現在では遠心性神経(交感神経・副交感神経)、求心性神経、腸管神経を含めて自律神経とされています(4)。求心性神経が知られたのは1933年ですが、ラングレーの時代から腸管神経は知られていました。彼はこれを第3の自律神経系と呼んでいたようです(5)。

生物学的に言えば、交感神経や副交感神経は大脳には直接支配されてないとはいえ、脳には支配されているので自律神経というのは妙な言葉ではあります。求心性神経も脳に情報を伝えるためにあるわけですから同様です。一方、腸管神経は脳から影響は受けるものの、基本的には脳につながっていないので正しい意味での自律神経です。そしてウルバイラテリア(始原的左右相称動物)がまだ生まれていなかった頃から、そして生物が脳を持っていなかった時代から、腸管神経は存在していた可能性があります。

まあそういうロマンティックな話はさておき、交感神経と副交感神経から話を始めたいと思いますが、ウィキペディアの図(6-8)はやや見にくいと感じたので、とりあえず修正して図250-1~図250-4として掲載しました。これらをもとに話を進めたいと思います。

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まず脳幹系副交感神経(図250-1)からみていくと、III・ⅤII・ⅨのグループとⅩのグループとは違うなと感じます。前者はすべて獲物または餌をみつけて食べるということに関連したものであり、後者は様々な臓器が進化していくなかで、それぞれを制御する神経が徐々に生まれてきたと想像されます。たとえばナメクジウオ(頭索類)には肝臓がありませんが、このグループから進化したとみられるヌタウナギ(メクラウナギ、円口類)には肝臓があり、迷走神経があります(9)。しかしナメクジウオに自律神経がないかというとそんなことはなく、例えば彼ら独特の内分泌器官であるハチェックピットには自律神経と思われる神経が伸びているようです(10)。

副交感神経の出力は空間配置的には延髄でいったんとぎれて、脊髄の大部分からは交感神経のみが出力し、その最先端部(尾に近い部分)の仙髄から再び副交感神経が出力します。おそらく目や口に関連のある最前部と生殖に関係がある最後部がエディアカラ紀初期にはつながっていて、その中間部はその後できてきたと想像されます。このことから考えると、脳幹から出力している副交感神経がより古いタイプの神経なのでしょう。

交感神経と副交感神経には奇妙な一致点があります。それは自律神経節という中継地点があり、そこで1回シナプスを経由して情報が伝達されるという点です。ただその中継地点は交感神経の場合脊髄に非常に近いところにあり、副交感神経の場合は臓器に近いところにあります(図250-5)。いずれの場合も自律神経節より中枢側を節前神経、末梢側を節後神経といいます。図250-1~図250-4の交感神経では、節前神経を実線、節後神経を点線で描いてあります。交感神経の場合、同じ情報を多くの臓器に伝えるため、副交感神経の場合個々の臓器に別々に情報を伝えるためにこのような構造になっていると考えられています(4 pp.38-41)。

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交感神経の節前神経と節後神経は別種の細胞で、節前神経はアセチルコリン、節後神経はノルアドレナリンをシナプスで放出します。一方副交感神経の節前神経と節後神経は同種の細胞でいずれもアセチルコリンをシナプスで放出します。どちらも節後細胞のアセチルコリン受容体はニコチン型受容体です(図250-5)。。

臓器側が交感神経のノルアドレナリン情報を受け取る受容体はα型とβ型で、副交感神経のアセチルコリン情報を受け取る受容体はムスカリン型受容体です。同じ臓器であっても、異なる受容体で異なる神経伝達因子を受け取るというのは、混乱を防ぐという意味で極めて合目的的です。

交感神経と副交感神経の主な役割を図250-6の表にまとめました。それぞれが拮抗的に臓器の活動を制御していることが示されていますが、興味深いのはペニスの活動に対する機能で、拮抗するどころかシーケンシャルに生殖のためのお膳立てをやっています。たとえば臨床関係では、治療という立場から勃起と射精が全く別のメカニズムであることを強調していますが(11)、正常な生殖のためには当然連動していなければなりません。

実は迷走神経以外の部分では拮抗支配でない場合があります。例えば涙腺や唾液腺では交感神経も副交感神経も分泌する方向に誘導します。このことは脊髄ができてから迷走神経(副交感神経)vs脊髄神経(交感神経)という拮抗メカニズムが確立されたのであって、それ以前の時代には手分けしていただけだったのかもしれません。現在の私たちにおいても、汗腺・立毛筋・皮膚の血管・副腎髄質などは交感神経だけで制御されてます(4 pp.53-54)

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参照

1)坂井建雄、池田黎太郎、月澤美代子 ガレノス「神経の解剖について」 ―ギリシャ語原典からの翻訳と考察 日本医史額雑誌第49巻第3号(2003)
http://jshm.or.jp/journal/49-3/403-454.pdf

2)Langley JN. On the union of cranial autonomic (visceral) fibres with the nerve cells of the superior cervical ganglion.
J Physiol (Lond) vol.23: pp.249-270.(1898)

3)田村直俊 自律神経研究の歴史 ―情動と自律神経―  第 74 回日本自律神経学会総会 / 自律神経レクチャーズ 7
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/59/2/59_197/_pdf/-char/ja

4)鈴木郁子 自律神経の科学 講談社ブルーバックス (2023)

5)マイケル・ガーション著 古川奈々子訳「セカンドブレイン 腸にも脳がある」 小学館(2000)

6)Wikipedia: Autonomic nervous system
https://en.wikipedia.org/wiki/Autonomic_nervous_system

7)ウィキペディア:副交感神経系
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E4%BA%A4%E6%84%9F%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB

8)Wikipedia: Sympathetic nervous system
https://en.wikipedia.org/wiki/Sympathetic_nervous_system

9)肝細胞研究会HP 塩尻信義、太田考陽  脊椎動物における肝臓構築の多様性と進化
http://hepato.umin.jp/kouryu/kouryu49.html

10)窪川かおる ナメクジウオの生物学 Journal of Reproduction Biology Vol. 47, No. 6 (2001)
http://reproduction.jp/jrd/jpage/vol47/470603.html

11)プライベートケアクリニック東京 勃起と射精のメカニズム
https://pcct.jp/repro/disease/mechanism-of-erection-and-ejaculation/

 

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2024年11月 3日 (日)

タビター都響:展覧会の絵@サントリーホール2024/11/03

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雲ひとつない快晴の中、サントリーホールでの都響演奏会です。ここまでくるのも大変になってきたので、都響会員は来年までと決断しました。残り少ない機会なので、今年度・来年度は楽しまなくてはいけません。

カラヤン広場では盛大に滝の水を流していて、空には今日のマエストロ(タビタ・ベルグルンド)を祝福するかのような十字架が見えます。

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タビタ・ベルグルンドはノルウェーの指揮者ですが、来シーズンからドレスデンフィルの首席客演を務めるということで、欧米では期待される若手なのでしょう。リハーサルは2日間だったみたいですが、もう完全に都響を掌握している感じで、こんなにみんなをやる気にさせることだけ見ても一流であることは明らかです。

スカートをはいて都響の指揮台に立つ指揮者を見るのは10年以上前のエヴァ・オリカイネン以来です。ポヒョラの娘は初めて聴く曲でしたが、なかなか雰囲気は良い曲です。終わった後思い出そうとしてもできませんが・・・。

グリークのコンチェルトはギムセの演奏が、まるで至高の美術品のような美しさでしたが、鑑賞するのみでのめりこみは無し。

のめりこめたのは休憩後の ムソルグスキー「展覧会の絵」で、これはマエストロの十八番だったのかな。都響の演奏も迫力満点でした。コンマスが武闘派の山本さんだったのもよかったのでしょうか。サイドはマキロンでした。ユーフォニアムやアルトサックスの名演奏も聴けましたし、西條氏も好調でした。弦も本当によく鳴っていました。

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満席の会場は熱狂し、ついに点灯後の指揮者アンコールまで。タビタはつつましくステージの端のほうにちょっとだけ出てきました。

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2024年11月 1日 (金)

World music collection 21: Old songs by Mitsu (=honey)

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蜜(mitsu) means "honey" and they constitute of Kimura Uni and Hashizume Ryo. They started their activity at 2007. I think they have a special talent to arrange old songs as if they are the originals of mitsu.

HP: 蜜 木村ウニ&橋詰遼
http://mitsu71.com

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銀座カンカン娘 高峰秀子
https://www.youtube.com/watch?v=6hgUGbZpwEI

A song just after the end of world war II. The age required bright entertainment. The title "Ginza kan-kan girls" is difficult to explain even by us Japanese. Someone says that kan-kan is a word of campaign against the prostitutes for US soldiers.

高峰秀子が歌っているのはさすがに見たことありません
歌は子供のころから知っていました
ウィキペディアによると:「カンカン」とは山本嘉次郎の造語であり、当時の売春婦の別称「パンパンガール」に対して「カンカンに怒っている」という意味が込められている: だそうです

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め組のひと RATS & STAR
https://www.youtube.com/watch?v=p6k4Lvhg1DE

どうして「め組」なのかはよくわかりませんでした 江戸時代に火消しの「め組」と相撲力士による乱闘事件があったそうですが、特に関係はなさそう

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Summer Vacation 村田和人&竹内まりや (Murata Kazuhito & Takeuchi Mariya)
https://www.youtube.com/watch?v=mSg2UUXZsWk

I think it's one of the best songs of Murata Kazuhito who passed away at 2016.

村田和人畢生の名曲だと思います ピアニカ風味のアレンジ

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Traveling 宇多田ヒカル (Utada Hikaru)
https://www.youtube.com/watch?v=_4pr6y86S14

オリジナルよりはまっていると思います でもリハ不足

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ひこうき雲(Contrail) 荒井由実(Arai Yumi = Yuming)
https://www.youtube.com/watch?v=XAngtHb2_3M

Yuming created this song in her age of teenager. It is a kind of mourning song.

後に多くの人がカバーするようになりましたが、彼らは昔からこの曲が好きでよくカバーしていたようです


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オリジナル(Originals)

Tasting of me     Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=xV93LcSZc74

What can I do?   Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=vcDnYoFwpqE

You know?    Live performance
https://www.youtube.com/watch?v=A5z7viz668I

Unfortunately, their original melodies do not come to stay in my brain.

 

 

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2024年10月30日 (水)

コーヒーの木

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掌に入るくらいのコーヒーの木の苗をイオンで購入してからもう5年になりますが、何度も死にかかったのを、何とか葉をほとんど刈り取るとか、大規模剪定するとかして救助し、今日に至ります。殺虫剤や防カビ剤は一切使いませんが、NPKは栄養として与えています。5年たっても30cmくらいの高さです(農園ならあり得ません)。

栽培の困難さは例えば ↓ をみるとわかります。本当にひ弱な植物です。
https://www.clovergarden-ex.co.jp/info/tree02/coffea

これを大規模に栽培して商品にするには、おそらく大量の化学薬品が必要だと思います。腎臓には良いそうですが、どうなんでしょうかねえ?

寒さにはとても弱いので、昨日から室内に移動しました。実はつけなくても葉はとても美しく、観葉植物としては大いに気に入っています。

さて今年の冬を無事こせますかどうか?

 

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2024年10月29日 (火)

自律神経の科学 鈴木郁子著

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この本の著者鈴木郁子さんはお茶大理学部出身で日本保健医療大学の教授です。自律神経について学びたいと思っていたのですが、メカニズムに関心がある私としては、話を医療から始められるのは困ると思っていたのでこの本を選びました。

カバーが猫になっていますが、これは多分著者が猫好きのせいではなくて、昔は自律神経研究のための実験動物として猫がよくつかわれていたからだと思います(合掌)。このイラストの作者をみると小泉さよさんで、なんとこのブログの2つ前の記事「黒猫ダイアリー」とつながってしまってびっくり。

講談社ブルーバックス(2023年刊)なので一般向けのはずなのですが、読み始めてすぐ、これはかなりきちんとした教科書であることに気がつきます。それでとばした「はじめに」をあらためて読むと、著者の講義録をふくらませたものであると書いてありました。ならばそれなりの心構えで読まなければいけません。

そのつもりで読むと、とてもわかりやすい教科書です。脳神経系に関する予備知識がなくても読めると思います。私は特に内臓求心性線維(第3の自律神経)について興味深く拝読しました。また腎臓の健康のためにはコーヒーがよいという研究論文が複数あるとか、実用上のメリットもありました。排尿とか排便のメカニズムについては特に詳しく書いてあって、この問題を抱えている人は一読に値します。

 

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2024年10月28日 (月)

2024 総選挙

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総選挙の結果、日本もスペインやフランスのような混迷の政界になってしまいました。まあそれはそれとして小さいけれども革命が起きた選挙でした。

1.日本にも右翼政党ができた - 参政党3 保守党3
2.れいわ9 が 共産党8 を上回る議席を得た

社会福祉主義でいくか、新自由主義でいくかというのは、マグマのように日本の政治の相容れない根本的対立となっていくでしょう。自民党はこれが混在しているので、両者を抱え込んだままこれからやっていけるかどうか???

新自由主義:自民党の一部(メジャー)+維新+参政+保守
社会福祉主義:自民党の一部(マイナー)+公明+立憲+れいわ+共産+社民
これでAとBにわかれるのが良いと思いますが、わからないのは国民民主党?

わが千葉13区は 医師vs生物学者 という対決でしたが、両者当選しました。

(画像はウィキペディアより)

 

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2024年10月25日 (金)

黒猫ダイアリー

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Noro が亡くなって、毎年使っていた平野謙三さんの 「Norojourney」 日記帳が終了したため、来年を共に過ごす日記帳を考えなければいけなくなってしまいました。いまさら昔々使っていた高橋書店の手帳に戻る気もしないので、できれば黒猫つながりでと探していたところ、ミドリカンパニーのくろねこダイアリーをみつけて購入しました。

このブログには登場しませんが、実は以前にクロパンという黒猫がうちにいて、この猫は押し入れで生まれて、引っ越しも含めてうちでそのすべての人生19年を過ごしました。自分の飼い猫の中でも19年も生きたのはクロパンだけでした。

購入したくろねこダイアリーは各ページに小泉さよさんのイラストがあって、黒猫独特の距離感の中にも親密な雰囲気があるシックな手帳型の日記帳です。パタンと完全に開くので書きやすいのがいいところ。1日5行づつ書けます。私はそれで十分。来年はこの手帳と共に生きていきます。

 

 

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2024年10月23日 (水)

食料が自給できない

農林水産省によると、昨年の食料自給率(カロリーベース)は38%だったそうですが、実際にはもっと低いのではないかと疑っています。自分が購入している食料の産地が毎年外国に変わりつつあります。まあここ3年38%を保っているというのは円安のせいもあるのでしょう。今年は円が高かった時期もあるのでおそらくもっと下がっていると思います。

この原因の一つは食料生産にかかわる人手不足、特に農業漁業就労者の高齢化があると思います。これはまだ外国人労働者を雇うという手がかすかに残されています。それができなければ輸入元が異常気象に見舞われた時などには、もう日本では生産できなくなっていて食べられなくなってしまうという事態になりそうです。

先日イオンに買い物に行ったときに購入した商品(個人的にご飯の友として必須)のラベルです。驚愕します。

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食料自給率の低下はある程度庶民にもわかりますが、外国資本による日本占領は庶民にはよくわかりません。セブンイレブンが外国に買われそうだという話は表に出ましたが、こういうことを自由にさせておいていいわけがありません。国際資本による富の独占は許してはなりませんが、たとえ立憲民主党が政権を運営しても、彼らがリベラルと呼ばれている限りこれを阻止するような政策をとれるかどうか疑わしいと思います。

 

 

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2024年10月21日 (月)

続・生物学茶話249: 樹状突起スパイン2

樹状突起スパインの形成と可塑性にアクチン繊維がかかわっていることを最初に指摘したのはおそらくマトゥスなのでしょうが(1)、コロボヴァとスヴィトキナは海馬の細胞(ラットかマウスか不明)を培養し、樹状突起スパインの成長を観察しながらアクチン繊維の形成について詳しく調査しました。そして2010年の論文(2)の中で次のように述べています -Surprisingly, the spine necks and bases, as well as dendritic filopodia, also contained a network, rather than a bundle, of branched and linear actin filaments that was immunopositive for Arp2/3 complex, capping protein, and myosin II, but not fascin-。スパインにはアクチンのネットワークが存在し、Arp2/3 が存在するので枝分かれが可能で、ミオシンIIがあるので収縮も可能です。しかしアクチン線維のバンドリングに必要なファシンは存在しません。つまり図249-1のような細かく枝分かれした細いアクチン線維のネットワーク構造があります。

彼らの観察によると、まず糸状の細い突起ができて、それが次第にふくらみマッシュルーム型のスパインに成長するということです。これは in vivo の観察と一致しています。2020年の Jung らのレヴューではネックの部分にミオシンのリングが描いてあります(3)。マッシュルーム型のスパインができるためにミオシンがどのような役割をはたしているかはまだわかりません。いずれにしても傘の上部が広いほど多くの受容体を配置できるので、強いシグナルを樹状突起に伝えることができます。

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図249-1 樹状突起スパインの成長

樹状突起スパインが多くのシナプスを作って効率的な情報伝達を行うためには、その形態が細長い突起のようではいけませんし、球形でもだめで、頂上に広場のような平らな部分がなくてはいけません。このためには直接的にはシナプス前領域とシナプス後領域をつなぎとめる橋のような構造が考えられます。脳科学辞典を見ると Ephrin/EphR やβ-neurexin/Neuroligin がその役割を果たしているような図がありました(4、図249-2)。一方 N-cadherin を重要視する考え方もあります(5)。

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図249-2 シナプス後領域で働くタンパク質一覧(脳科学辞典)

ただそのような橋構造自体はシナプスの安定化に寄与しても、樹状突起スパインの頂点に広場をつくったり、スパインの構造自体を平ぺったくするような機能を持つとは考えられません。奈良先端科学技術大の稲垣研究室では20年位前からシューティン(shootin)というタンパク質の研究を行っていて、 フルサイズのものをシューティン1b、スプライシングバリアントをシューティン1aと命名しました。このうち1a は脳に特異的に存在していることがわかっていました(6,7)。

図249-3(写真上、5)はラット海馬培養細胞の樹状突起をファロイジンでF-アクチンの染色をしたものですが、先端に行くにつれてF-アクチンが少なくなっていることがわかります。先端のほうでF-アクチンが染色されているのはほぼスパイン領域に限られます。シューティン1a もF-アクチンと同じくスパインに局在していることがわかります(図249-3写真下、5)。Kastian らはシューティン1をノックアウトすると、スパイン自体の数が6割くらいに減り、その多くがやせたフィロポディア型になってしまうことを示しました(5)。

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図249-3 樹状突起におけるF-アクチンとシューティン1aの局在

シューティン1a はF-アクチンとL1-CAM(細胞接着因子)の両者に結合する能力があるので、スパインの外側の細胞やマトリクスとL1-CAMを介して結合し、同時にF-アクチンとも結合することによって(クラッチカップリング)、アクチンの重合によって発生する力を細胞外に伝えることができます。つまりスパイン内でアクチン繊維が増えると外に押すことができるということです。したがって頭をシナプスで抑えられていると、クラッチカップリングが壁を移動させるような役割を果たしてスパインが横に膨張し、切り株のような(stubby)形のスパインを形成することができます。Kastian らはこれを図249-4に示しています(5)。

クラッチカップリングの存在はシナプスにストレスを与えないよう、位置がずれないよう、あるいは剝がれてしまわないように安定化し、記憶が安定的に保持されるうえでも有意義なのではないかと思われます。

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図249-4 Kastian らのスキーム

参照

1)A.Matus, Actin-based plasticity in dendritic spines. Science, vol.290(5492): pp.754-758. (2000) doi: 10.1126/science.290.5492.754.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11052932/

2)Farida Korobova and Tatyana Svitkina, Molecular Architecture of Synaptic Actin Cytoskeleton in Hippocampal Neurons Reveals a Mechanism of Dendritic Spine Morphogenesis., Molecular Biology of the Cell
vol.21, pp.165–176, (2010) doi: 10.1091/mbc.E09-07-0596
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2801710/

3)Minkyo Jung, Doory Kim and Ji Young Mun, Direct Visualization of Actin Filaments and Actin-Binding Proteins in Neuronal Cells., Front. Cell Dev. Biol. vol.8:588556. (2020)
doi: 10.3389/fcell.2020.588556
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33324645/

4)脳科学辞典:PSD-95
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/PSD-95

5)Ria Fajarwati Kastian et al., Shootin1a-mediated actin-adhesion coupling generates force to trigger structural plasticity of dendritic spines., Cell Reports vol.35, issue 7, no.109130 (2021)
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2021.109130
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124721004691

6)Toriyama, M., T. Shimada, K.B. Kim, M. Mitsuba, E. Nomura, K. Katsuta, Y. Sakumura, P.Roepstorff, and N. Inagaki. Shootin 1: A protein involved in the organization of an asymmetric signal for neuronal polarization. J. Cell Biol. vol.175: p.147–157 (2006)
DOI: 10.1083/jcb.200604160
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17030985/

7)Ria Fajarwati Kastian, Shootin1a mediates an F-actin-adhesion clutch for dendritic spine formation and synaptic plasticit., (2019) Doctoral Thesis.
奈良先端科学技術大学院大学学術リポジトリ
https://naist.repo.nii.ac.jp/records/9529

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2024年10月19日 (土)

昔の自分に出会う

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なぜか急に部屋の模様がえをしたくなって、絨毯を取り替える決断をしました。そのためには上に置いてあるものをすべてどかさなくてはなりません。それであちこち掃除していると、古い原稿などがでてきて捨てようかどうしようかと迷っていると、作業がはかどりません。

そんなこんなで渋滞するなか、突然30年以上前の私に出会ってなんだか懐かしい気持になりました。当時私は赤血球の培養をやっていて、エリスロポエチンもクローニングされていましたし、献血などしなくてもジャンジャン赤血球を製造できるようになると信じていましたが、実際やってみると赤血球はなかなか気難しい細胞でうまく培養できず、結局断念したという苦い思い出があります。

現在でも輸血は献血に依存しているので、結局培養はうまくいっていないのでしょう。21世紀の科学の進歩は遅いと思います。この文章はまだ赤血球の培養をやっていた頃に雑談風に書いた文章です。商業出版されたわけではないので、ここに載せます。読み直したところ特に修正すべき点も発見できなかったので、当時のままです。

タイトル: コンドルは飛ぶ -赤芽性造血研究の歩みー

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注:現在ではエリスロポエチン産生細胞は腎臓の尿細管間質に分布していることがわかっています。

中田紘介 柳田素子 日本内科学会雑誌 第103巻 第 1 号・pp.160-165 平成26年 1 月10日
腎疾患とEPO産生細胞
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/1/103_160/_pd

 

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2024年10月17日 (木)

布団の季節になりました

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都響 HP&SNS その1~重鎮編
http://morph.way-nifty.com/grey/2024/10/post-d92006.html

都響 HP&SNS その2~弦楽器編
http://morph.way-nifty.com/grey/2024/10/post-d64ab4.html

都響 HP&SNS その3~管・打楽器編
http://morph.way-nifty.com/grey/2024/10/post-e09740.html

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2024年10月15日 (火)

ニュース23 イスラエルによる国連軍攻撃を報道

本日(2024/10/15)、TBSニュース23はイスラエルが国連平和維持軍を攻撃し負傷者が出たことを報道しました。

一方でテレ朝報道ステーションは韓国の芸能事務所のスキャンダルを延々と報道するなどあきれた内容で埋められていました。これは非常に重要な問題なのに、意図的に報道しなかったとみられても仕方ないでしょう。

いかに現在の報道ステーションが退化してしまったかの証明でしょう。

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(画像はウィキペディアより)

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地熱発電が日本を救う

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私はずっと前から主張しているのですが(1、2)、日本は太陽光や風力による発電より地熱発電が向いているのです。1980年頃には盛り上がっていて、技術開発も高温岩体発電がほぼできるくらい進んでいたのですが、結局原子力で行こうということになってぽしゃってしまったのは本当に残念。

それでも少しづつはやっている人がいて、最近出力4万2千Kwの発電所もできました(3)。原子力と違って安全ですし、ほとんどメンテナンスフリーなのが利点です。観光業界が反対するわけですが、何が大切なのか少し考えてみればわかるでしょう。

政府は開発に本腰を入れて、特にマグマの位置を正確に検出して近傍にパイプを通す技術を確立して欲しいと思います。マグマ発電ができれば原発はいりませんし、むしろ他国より電力供給ではアドバンテージがあると思います。真山仁が本を出しています(4)。

1)http://morph.way-nifty.com/grey/2012/02/post-681b.html

2)http://morph.way-nifty.com/grey/2012/09/post-95e9.html

3)山葵沢(わさびざわ)地熱発電所
https://emira-t.jp/special/6070/?utm_source=outbrain&utm_medium=display

4)真山仁 地熱が日本を救う 角川新書(2013)



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2024年10月13日 (日)

「エロイカ」 by ライアン・ウィグルスワース&都響@サントリーホール2024/10/13

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不思議なフライヤーです。指揮者だけが星の中に居て、ソリストを呼んでいるのに写真がありません。そのバチが当たったのか、このフライヤーの下方のコンサートに出演予定だったイモージェン・クーパーさんがリハーサル終了後に負傷されてキャンセルになりました。ところがどこまでついているのか、土曜日に京都市交響楽団のコンサートで同じ演目を演奏したピアニストがいるということで、急遽日曜日のオファーを出したらOKということで、公演前日のアクシデントにもかかわらず穴を開けずにすんだという、狐につままれたようなお話でした。

サントリーホールはほぼ満席です。当日までわからなかったので、ソリストが交代して同じ曲を演奏するなんてことをしらないお客さんもいたことでしょう。開演前に国塩さんがステージに出てきてそのあたりの事情をお話ししてから演奏会がはじまりました。代役のアンドリュー・フォン・オーエンさんは、まるでチェンバロを弾いているような感じの演奏で(ピアノはスタインウェイ)、完全に自分の世界を持っている方でした。彼の世界に一体化できるほど都響の演奏は上品ではありませんが、本日の指揮者ライアン・ウィグルスワースの堅実なタクトのもとに無事破綻無く終了し、めでたしめでたし。

後半のエロイカは、指揮者がめざすベートーヴェンの演奏を矢部コンマスのもとに完全に音にした都響の演奏が素晴らしい。鷹栖・松木という2人の天才が扇の要に並ぶこの風景のなかに私が共存していることが夢のようです。ホルン勢も素晴らしかった。こんな演奏会に遭遇するので、コンサートホールに通うのをやめられません。

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2024年10月12日 (土)

イスラエル 国連軍を攻撃!

Tyre_air_strike

イスラエルはこれまでにもパレスチナにいた国連職員を多数殺害していますが、ついにレバノンの国連平和維持軍(UNIFIL=United Nations Interim Force In Lebanon)を攻撃し、国連の兵士を負傷させたようです。

https://tanakaryusaku.jp/

これは完全に一線を越えており、世界に敵対する行為といえます。
日本はイスラエルと断交すべきです。

(画像はウィキペデイアより)

 

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2024年10月11日 (金)

続・生物学茶話248: 樹状突起スパイン1

アクチンもチューブリンもその起源をたどれば細菌までたどり着くという生物にとってなくてはならない重要なタンパク質です(1、2)。当然20世紀から大勢の研究者によって研究が進められてきましたが、それぞれ制御が複雑なメカニズムでおこなわれていて一筋縄ではいかない上に、アクチンとチューブリンのかかわりについてはあまり研究が進まず、21世紀も深まった現在まで課題が持ち越されてきたのが現状です。これは疾病に直接関わりのない生物学のテーマは、いくらそれが基本的なものであってもファンドがつかないことが原因でしょう。

アクチンモノマーからポリマー(マイクロフィラメント)がつくられる過程は前回述べましたが(3)、もうすこし詳しくみると、ATPと結合したアクチンモノマーはフォルミン、プロフィリンと結合した後に、これらの補助因子の力を借りて直鎖状にポリマーを形成します(図248-1)。枝分かれ構造をつくるためにはArp2/3 複合体を介する必要があります(図248-1)。これによってアクチン線維(マイクロフィラメント)は樹状の構造をつくることができ、されにそれらが重なり合ってメッシュのような構造をつくることができます。このことは細胞が様々な形態をとってそれをストレスに対抗して維持できることに貢献しています。

チューブリンの重合=微小管の形成については脳科学辞典の微小管の項目に詳しい解説がありますし(4)、また私の過去記事もあるのでご覧下さい(5)。微小管が崩壊してチューブリンモノマーに分解することを習慣的にカタストロフといいます。アクチンと違って、チューブリンはポリマーをつくるためのエネルギーをATPではなくGTPから得ています。

2481a

図248-1 アクチン線維(マイクロフィラメント)の形成

アクチンとチューブリン、あるいはその重合体であるマイクロフィラメントと微小管については昔から詳しい研究が行われてきました。ただそれらがどのような共同作業(クロストーク)を行っているかについては21世紀も深まってようやく少しづつ解明されてきました(6)。

神経細胞もその機能を実現するためにアクチンとチューブリンを大いに利用しています。神経細胞は形態的な観点から見るとかなり特殊な細胞で、たとえば軸索という異常に長く伸びる(場合によっては細胞のサイズの1万倍くらいの長さ)突起をひとつだけ持つ、そしてそれと対照的に短い突起(樹状突起)は複数存在する、というのはどのように説明すれば良いのでしょうか。またそれらの構造はどう違うのでしょうか?

おそらく軸索が1本しかないというのは、細胞が分化する過程であるタイミングで1度しかおこらないアクチンとチューブリンおよび関連タンパク質の共同作業だと思われますが、その結果他の細胞には無い特異な構造が形成されます(7、図248-2)。すなわち軸索は、伸びていく先端が+、後端が-という極性が同じ微小管が Tau というタンパク質でパラレルに束ねられた構造が軸になり、まわりをアクチン線維がリング状に取り囲むという構造になっています(7,8、図248-2)。チューブの外壁にはアクチン線維と直交し、微小管とは平行に位置するスペクトリンのロープが伸びています(8)。先端だけにはフィロポディアのような構造がみられます(7、図248-2)。

一方樹状突起は複数存在するのが普通で、これは分化が終了した後も可塑性があると思われます。樹状突起内部の微小管は MAP2 というタンパク質で架橋されて束ねられています。極性はランダムで、軸索の場合のように先端が+、後端が-ということはありません。アクチン線維によるリング構造もありません。

2482a

図248-2 軸索と樹状突起における微小管とアクチン線維

図248-2の右下図をみると、樹状突起にできるスパインはアクチン線維で充たされており、微小管が伸びていけない状況が描かれています。これはおそらくアクチン線維の緻密さによるとおもわれ、実際 in vitro の実験ですが、微小管は固い物に当たると急速なカタストロフを起こすことが知られています(9)。図248-3の右図のように微小管がスパインとの境界でカタストロフを起こしては、またその境界まで伸長するという状態を繰り返していると、自然に棲み分けができるでしょう。シナプス後細胞のスパインに充満し、その構造を支えているのはアクチン線維であることがわかります。

図284-3の左図はもうひとつの可能性を示したもので、微小管の先にキャッピングが行われ、そのコンプレクスがアクチン線維と結合しているとすると、微小管は伸長を妨げられ、またアクチン線維との結合によって構造が安定化すると思われます。樹状突起スパインでどうなっているかはわかりませんが、細胞分裂の際に中心体から放射状にのびる微小管と細胞膜の裏打ちとなるアクチン線維を連結する構造については、MISP, EB1, p150, myosin-10, cortical dynein などの関与が示唆されています(7)。

2483a

図284-3 微小管がアクチン線維と出会うとき

脳科学辞典などによれば、自閉スペクトラム症では樹状突起スパインの数が増加し、統合失調症・アルツハイマー病・知的障害の場合は減少するそうです(10、11、図284-4)。このことは微小管やアクチン線維がこれらの疾患に関わっていることを示唆します。

2844a

図284-4 樹状突起スパインと脳の疾病

 

参照

1)渋めのダージリンはいかが アクチンの系譜
http://morph.way-nifty.com/grey/2013/09/post-9bba.html

2)渋めのダージリンはいかが やぶにらみ生物論74: 細胞骨格1
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/05/post-00ab.html

3)続・生物学茶話247: シナプス後厚肥
http://morph.way-nifty.com/grey/2024/09/post-33e61d.html

4)脳科学辞典:微小管
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%BE%AE%E5%B0%8F%E7%AE%A1

5)渋めのダージリンはいかが やぶにらみ生物論75: 細胞骨格2
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/06/post-20be.html

6)Charlotte H. Coles and Frank Bradke, Coordinating Neuronal Actin–Microtubule Dynamics., Current Biology vol.25, R677–R691 (2015)
http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.06.020
https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S0960-9822%2815%2900714-9

7)Dogterom, M., and Koenderink, G. H., Actin–microtubule crosstalk in cell biology., Nat. Rev. Mol. Cell Biol. vol.20, pp.38–54. (2019)
http://doi: 10.1038/s41580-018-0067-1
https://www.nature.com/articles/s41580-018-0067-1

8)Minkyo Jung, Doory Kim and Ji Young Mun, Direct Visualization of Actin Filaments and Actin-Binding Proteins in Neuronal Cells., Frontiers in Cell and Developmental Biology, vol.8, article no.588556 (2020)
htpp://doi: 10.3389/fcell.2020.588556
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33324645/

9)Marcel E Janson, Mathilde E de Dood, Marileen Dogterom, Dynamic instability of microtubules is regulated by force., The Journal of Cell Biology, vol.161, no.6, pp.1029–1034 (2003)
http://www.jcb.org/cgi/doi/10.1083/jcb.200301147
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12821641/

10)脳科学辞典:樹状突起スパイン
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%A8%B9%E7%8A%B6%E7%AA%81%E8%B5%B7%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3

11)Ria Fajarwati Kastian, Doctoral Thesis:Shootin1a mediates an F-actin-adhesion clutch for dendritic spine formation and synaptic plasticity. 奈良先端科学技術大学院大学(2019)
https://library.naist.jp/opac/book/92496

 

 

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2024年10月10日 (木)

東京のコンサートホール改修と都響ラインナップ発表

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東京のコンサートホールは改修ラッシュの時期に突入します。当分改修無く使えるホールも、実は改修費値上げのため予算不足で延期したところも多いと聞いています。東京文化会館が3年かけてリニューアルするのは大歓迎です。私が住んでいる団地も東京文化会館も5Fで、どちらも階段で5Fまで歩いてあがる仕様です。改修後はエスカレータくらいはつけると信じたいです。席の狭さや旧式トイレも改善の必要があります。ただ精養軒は残して欲しいですね。

東京文化会館はものすごく駅改札と距離が近いので、大変便利なホールです。名実ともに都響の拠点としてきちんと整備されることを願います。都響は東京都の外郭団体なのですから、サントリーホールでコンサートをやるのは、民間オケが使うべき機会を侵食していると思うのでやめるべきです。東京西部でやりたいのなら区か市の施設を使うべきです。

改修中または改修予定のホール

東京文化会館
2026年から3年間

東京芸術劇場
2024年10月~2025年7月

サントリーホール
2024年9月~2025年7月

東京オペラシティ
2026年1月~2026年6月

紀尾井ホール
2025年8月~2026年12月

ティアラ江東
2026年1月~2027年7月

すみだトリフォニーホール
2027年1月~2029年3月

新宿文化センター
2023年11月~2025年9月

調布市グリーンホール
近年に建て替え予定

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以下は当分大丈夫

目黒パーシモンホール
文京シビックホール
杉並公会堂
世田谷区民会館
葛飾シンフォニーヒルズ
大田区民ホール・アプリコ
江戸川区総合文化センター
西新井文化ホール・ギャラクシティ
北とぴあ
サンパール荒川

25~26シーズンの都響演奏会ラインナップが発表になりました。
ホール修理の関係で日取りはイレギュラーとなりましたが、偏らない演目、堅実な指揮者陣、豪華なソリストと本当によく考えられたラインナップだと思います。改修の嵐の中で国塩頑張りました。

ひとつ異様な点はありますが、それは都響会員がひそひそ話で交わすことだと思うので、ここでは述べません。

世の中値上がりの嵐で、コンサートホールだけじゃなくて家の不具合だって簡単には直せません。これから選挙ですが、物価値上げを阻止すると言っている政党はあるのかな?

 

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2024年10月 9日 (水)

都響 HP&SNS その3~管・打楽器編

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都響 HP&SNS 最終回の管・打楽器編です。ペットの写真を使わせていただいたこと、ご容赦お願いします _(._.)_。

#フルート

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小池郁江


https://x.com/ikue_koike

Photo_20241009155901

=======================

中川愛

フェイスブック
https://www.facebook.com/ai.nakagawa.3

=======================

 

#オーボエ

=======================

大植圭太郎

next mushroom promotion
http://kinoko2001.music.coocan.jp/oue_keitaro.html

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南方総子(なんぽうふさこ)

マエストロ-ラ音楽院
https://www.maestrora.jp/room/room27.html

上野学園大学音楽学部
https://www.uenogakuen.ac.jp/pdf/teacher/university/nampo_fusako.pdf

=======================

 

#クラリネット

=======================

糸井裕美子


https://x.com/yu_minn_u3u

=======================

勝山大輔


https://x.com/daitempo

=======================

 

#ファゴット

=======================

向後崇雄(こうごたかお)

インスタグラム
https://www.instagram.com/takao_kogo/

=======================

山田知史(やまだのりひと)

ドルチッシモ
https://x.com/bsndlcsm

=======================


#ホルン

=======================

有馬純晴(ありますみはる)

フェイスブック
https://www.facebook.com/sumiharu.arima/

=======================

五十畑勉


https://x.com/isohatatsutomu

インスタグラム
https://www.instagram.com/tisohata/

洗足学園音大
https://www.senzoku.ac.jp/music/teacher/tsutomu-isohata

=======================

鈴木優(すずきゆう)


https://x.com/uuu___u

インスタグラム
https://www.instagram.com/u_u0716/

=======================

和田博史(わだひろふみ)

HP
http://zqto.web.fc2.com/wada.htm

=======================


#トランペット

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伊藤駿


https://x.com/syuntrumpet0208

Photo_20241009161001

=======================

内藤知裕


https://x.com/tomopet

=======================

中山隆崇(なかやまたかし)

フェイスブック
https://www.facebook.com/takashi.nakayama.908/?locale=ja_JP

洗足学園音大
https://www.senzoku.ac.jp/music/teacher/takashi-nakayama

=======================

 

#トロンボーン

=======================

井口有里(いぐちゆり)

フェイスブック
https://www.facebook.com/trb.iguchi/?locale=ja_JP

武蔵野音大
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/wind/iguchi_yuri

=======================

ザッカリー・ガイルス


https://x.com/zguiles

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/8137BCnOqYrPWDrjpeag

Guiles2

=======================

野々下興一


https://x.com/koichinonoshita

インスタグラム
https://www.instagram.com/nonoshita/

洗足学園音大
https://www.senzoku.ac.jp/music/teacher/kouichi-nonoshita

=======================

 

#テューバ

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佐藤潔


https://x.com/kiyoshisatotuba

武蔵野音大
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/wind/satokiyoshi

=======================


#打楽器

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西川圭子

アメーバニュース
https://news.ameba.jp/profile/detail/%E8%A5%BF%E5%B7%9D%E5%9C%AD%E5%AD%90/

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2024年10月 8日 (火)

都響 HP&SNS その2~弦楽器編

Photo_20241008092701

重鎮編に続いて弦楽器奏者編です。

前回同様ペットの写真を使わせていただきますので、ひらにお許しを _(._.)_。

#ヴァイオリン

======================

安達優希


https://x.com/yuukiadachi_vn

フェイスブック
https://www.facebook.com/mameta.neko

Photo_20241008092901

======================

伊東翔太


https://x.com/itooo_com

インスタグラム
https://www.instagram.com/shota__ito/?hl=ja

フェイスブック
https://www.facebook.com/shota.lto.1/?locale=ja_JP

======================

及川博史

フェイスブック
https://www.facebook.com/hiroshi.johnmarie

======================

蔭井清夏(かげいさやか)

ハッシュタグ
こちら

======================

小関郁(こせきふみ)


https://twitter.com/fumikoseki_vn

ブログ
https://ameblo.jp/fumi-note-vn/

フェイスブック
https://www.facebook.com/fumi.koseki.3/?locale=ja_JP

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/2020ECDJDCIKqjOlqrNX

Photo_20241008094001

=====================

塩田脩(しおだしゅう)

インスタグラム
https://www.instagram.com/explore/tags/%E5%A1%A9%E7%94%B0%E8%84%A9/top/

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/5616flPdKnJCKOTZHegb

=====================

田口美里

フェイスブック
https://www.facebook.com/misato.taguchi.7

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田中雅子

フェイスブック
https://www.facebook.com/masako.tanakaokamoto

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大和加奈

フェイスブック
https://www.facebook.com/kana.yamato.1

Yamatokana-dog

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三原久遠(みはらひさお)

フェイスブック
https://www.facebook.com/hisao.mihara.3/?locale=ja_JP

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山本翔平

フェイスブック
https://www.facebook.com/hisao.mihara.3/?locale=ja_JP

=====================

海和伸子


https://x.com/musmus_vn

フェイスブック
https://www.facebook.com/profile.php?id=100004201507111

=====================

小林久美

フェイスブック
https://www.facebook.com/kumi.kobayashi.7568

=====================

高田はるみ


https://x.com/harulin9

フェイスブック
https://www.facebook.com/harumi.takada1

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/6087okzOIrqCkmxXVzxl

=====================

新田僚(にったつかさ)

X
https://x.com/tsukasanitta

フェイスブック
https://www.facebook.com/tukasa.nitta/?locale=ja_JP

=====================

吉本萌慧(よしもともえ)

X
https://x.com/riapatch

フェイスブック
https://www.facebook.com/ria.patch/?locale=ja_JP

インスタグラム
https://www.picuki.com/tag/%E5%90%89%E6%9C%AC%E8%90%8C%E6%85%A7

ブログ
https://blog.goo.ne.jp/adreamsession/e/cf8667b66c28f219e1de905cc2e0f760

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# ヴィオラ

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石田紗樹


https://x.com/va_sakiishida

フェイスブック
https://www.facebook.com/saki.ishida.33/?locale=ja_JP

====================

村田恵子


https://x.com/keco_va

====================

デイヴィッド・メイソン


https://x.com/dmasonviola

フェイスブック
https://www.facebook.com/masondw/

インスタグラム
https://www.instagram.com/dmasonviola/

====================

冨永悠紀子


https://twitter.com/yucco_va

 

Photo_20241009175501

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萩谷金太郎


https://x.com/kinkintaroro

フェイスブック
https://www.facebook.com/kintaro.hagiya/?locale=ja_JP

Photo_20241008113201

====================

 

#チェロ

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江口心一


https://x.com/eguocchi

俺の弦チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCao0yk4_Fyy1c04MrhIWIxw

====================

長谷部一郎


https://x.com/ichirocello

ブログ 長谷部一郎 Cello日記
http://ichirocello.cocolog-nifty.com/

====================

清水詩織


https://x.com/ichirocello

フェイスブック
https://www.facebook.com/profile.php?id=100002624680138

東音企画
https://concertmanagement.to-on.com/artists/843

====================

高橋純子

インスタグラム
https://www.instagram.com/junkocello/

====================

平田昌平

i-Amabile
https://i-amabile.com/conductor/668

====================

森山涼介


https://x.com/vc_moriyama

フェイスブック
https://www.facebook.com/profile.php?id=100027721863074

Photo_20241008114501

====================

 

#コントラバス

====================

佐野央子(さのなかこ)


https://x.com/ganznakako

フェイスブック
https://www.facebook.com/nakako.sano/?locale=ja_JP

====================

本山耀佑(もとやまようすけ)

HP
https://yosukemotoyama.com/


https://x.com/motoyamayosuke

インスタグラム
https://www.instagram.com/yosukemotoyama/

ブログ
https://yosukemotoyama.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/

===================

 

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2024年10月 4日 (金)

高関健&東京シティフィル スメタナ「わが祖国」@東京オペラシティコンサートホール

Img_20241004121501

都響のC定期が芸劇の工事の関係で9月で終了ということで、以降のコンサートは東京シティフィルのチケットを入手して初台に通うことにしました。ここは遠いのですが駅から近いというのが取り柄。

例によってマエストロ高関がきさくにプレトークをしてから本番。コンマスは荒井さん。「ヴィシェフラド」はなにか手探り状態でおそるおそるの演奏でしたが、「ヴルタヴァ」までくるとようやくオケがまとまってきて熱い演奏になりました。あまりに素晴らしい演奏だったので、終了後かなりブラボーや拍手があったくらいです。指揮者もオケも盛り上がっていて、やっぱり来たかOKという感じでした。

「シャールカ」のクラリネット(山口さん)の鋭角的・戦闘的な演奏には度肝を抜かれました。クラリネットという楽器のイメージが変わるようなショックを受けました。ヴルタヴァに続いてすごい演奏が続きます。・・・ここで休憩。

「ボヘミアの森と草原から」は谷さんのホルンが冴え渡って素晴らしく、ポルカもノリが良くて名演でした。今日はホルン8本という豪華版。永年クラシックの演奏会に通っていますが、一番失敗が多いのがホルンで、多分この楽器がオケの中で一番演奏が難しい楽器なんじゃないでしょうか? シティフィルも昔ホルンが第1楽章から暴走してボロボロになったこともあります。「ターボル」と「ブラニーク」はスメタナの音楽そのものがうるさいだけであまり感動はなし。

終演後指揮者アンコールで高関さんはクラリネットの山口さんを帯同して現れました。指揮者もびっくりしたのかもしれません。

谷あかね
https://www.instagram.com/akanehorn/

高関健
https://x.com/KenTakaseki?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor



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2024年10月 3日 (木)

都響 HP&SNS その1~重鎮編

Photo_20241003144301

都響のオフィシャルサイト以外で都響メンバーのHP・SNSを探索してみました。網羅しているわけではありませんので、みつからなかった場合はごめんなさい。今回の重鎮編は都響の中でもお偉方とおぼしき方々限定です。一般編もやる予定ですが、時間がかかりますのでしばらく後で。サイトからペットの写真をお借りすることがあります。ひらにお許しを _(._.)_。

======================

大野和士

オフィシャル
https://www.kazushiono.com/ja

AMATI
https://www.amati-tokyo.com/artist/conductor/post_1.php

----------------------

エリアフ・インバル

JAPAN ARTS
https://www.japanarts.co.jp/artist/eliahuinbal/

----------------------

アラン・ギルバート

オフィシャル
https://www.alangilbert.com/en-us/


https://x.com/gilbertconducts

ヒラサオフィス
https://www.hirasaoffice06.com/artists/view/38

----------------------

小泉和裕

AMATI
https://www.amati-tokyo.com/artist/conductor/post_3.php

======================

矢部達哉

X 
https://twitter.com/TatsuyaYabeVL?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

インスタグラム
こちら

JAPAN ARTS
https://www.japanarts.co.jp/artist/tatsuyayabe/

======================

水谷晃

オフィシャル
http://musiciansparty.jp/artist/mizutani/


https://twitter.com/mizutani_akira?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

インスタグラム
https://www.instagram.com/akira_mizutani_1986/

======================

山本友重

フェイスブック
こちら


https://x.com/tomoshigeyama

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/2125MRlaSWLKWjynQRkd

======================

吉岡麻貴子

フェイスブック
こちら

======================

渡邉ゆづき


https://x.com/yuzuki79403436

インスタグラム
https://www.instagram.com/yuzukiviolin/

フェイスブック
https://www.facebook.com/watanabe.yuzuki.1

======================

遠藤香奈子

フェイスブック
こちら

インスタグラム
https://www.instagram.com/ko_kana828/


https://x.com/kanak0_032?lang=gl

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/4540zoRzlhKLozoJXRmp/

======================

双紙正哉


https://x.com/masayasoshi

フェイスブック
https://www.facebook.com/masaya.soshi/?locale=ja_JP

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/1189FKkBWckEJdvXMZQy

Soushicat

======================

鈴木学


https://x.com/mana_bratsche

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/6905voEYbjDFTQyMHzwQ

======================

伊東裕


https://x.com/yuitobanbi

東音企画
https://concertmanagement.to-on.com/artists/1476

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/803qSjTPHXeQhjOzIPi

======================

古川展生

オフィシャル
https://www.nobuofurukawa.com/


https://x.com/nobuofurukawavc

AMATI
https://www.amati-tokyo.com/artist/cello/post_56.php

======================

池松宏

HP(芸大のサイト)
https://researchmap.jp/ikematsu.hiroshi

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/8005WvfSPPMLKamAwAFw

Dreamusic
https://dreamusic.co.jp/artist/hiroshi-ikematsu/profile/

======================

山本修

オフィシャル
http://yamamotoosamu.seesaa.net/

======================

松木さや

インスタグラム
https://www.instagram.com/saya2116/

======================

柳原佑介

HP(武蔵野音大のサイト)
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/wind/yanagihara

======================

鷹栖美恵子

東音企画
https://concertmanagement.to-on.com/artists/995

鷹栖音楽教室
https://takasuonkyo.com/

======================

広田智之

オフィシャル
https://tomoyukihirota.com/profile/


https://x.com/TomoyukiHirota?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

Hirotagog

======================

長哲也


https://x.com/tetsuyacho

フェイスブック
https://www.facebook.com/tetsuya.cho.35/?locale=ja_JP

コンサートスクウェア(非公式)
https://www.concertsquare.jp/musician/unofficial/detail/4720pcGscwbjaTfQSOzK

======================

岡崎耕二

HP(武蔵野音大のサイト)
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/wind/kojiokazaki-trp

======================

高橋敦

HP(洗足学園音大のサイト)
https://www.senzoku.ac.jp/music/teacher/osamu-takahashi

======================

風早宏隆

HP(武蔵野音大のサイト)
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/wind/kazehaya_hirotaka

======================

高瀬新太郎


https://x.com/tks_tb

フェイスブック
https://www.facebook.com/takase.shintaro.9

東音企画
https://concertmanagement.to-on.com/artists/1957

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安藤芳広

HP(武蔵野音大のサイト)
https://www.musashino-music.ac.jp/graduate/teacher/guest/percussion/ando

======================

久一 忠之

フェイスブック
こちら

HP(東邦音楽大学のサイト)
https://www.toho-music.ac.jp/college/teachers/teacher3777.html

 

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2024年10月 1日 (火)

雨の日

最近ずっとお天気がよくありません。台風も来るようです。
よくラジオやライブでリクエストを募集するときに、エピソードをそえてほしいというリクエストがありますが、共有できるのはある種の感覚です。雨なら、だんだん沈静化していく心のあり方とか、静かな暗い場所に落ちていく感覚とか、外に出たときの雨の日のにおいとか、GABAがシナプスに満ちていくやすらぎとか、そういう感覚を惹起してくれる音楽の力は素晴らしいと思います。

昔 新宿東口にルイードというライブハウスがあって、そこは私の密かな青春でもありました。今は歌舞伎町や原宿、その他全国展開するチェーン店になっているようです。新宿ルイードは当時多くのシンガーが出演する名店で、西島三重子もマンスリーなどやっていました。そのラストナンバーでよく歌っていたのが「Evergreen~永遠に緑~」という曲でした。雨の名曲。

西島三重子 「Evergreen~永遠に緑~」 作詞:門谷憲二 作曲:西島三重子

https://www.youtube.com/watch?v=RXyaVs0A9LY
44分55秒~

https://www.youtube.com/watch?v=qEm-YeOA6Us
37分50秒~

CDでは TWIN VERY BEST COLLECTION~Spell(呪文)~  というアルバムに収録されています。
アマゾンを覗くと、中古品で price 7980円でした。

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邸園パーティーにて

左:西島三重子さん

中央のお二人:ファンの方々

右:故 竹之内信広氏


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2024年9月30日 (月)

続・生物学茶話247: シナプス後厚肥

前回記事(1)の電子顕微鏡写真をみると、シナプスの両側に電子密度の濃い領域が見られますが、シナプス前領域ではその厚みが数nmなのに対して、シナプス後領域(postsynaptic density)では40nmくらいあります。分子量60kDのタンパク質の半径は 2.7nm くらいだそうで(2)、だとするとシナプス前領域では1~2分子ぶんの厚みなのに対して、シナプス後領域(シナプス後厚肥)では多数の分子の集合体とか、スキャフォールドタンパク質やアクチン線維などが絡み合った構造の存在が予測されます。

ただしシナプス前領域は盛んにエキソサイトーシスを行う場所ですから、タンパク質が盛んに入れ替わる場所であるにもかかわらず、電子密度が高いというのはある意味驚異的です。それに対してシナプス後領域は受容体を安定的に設置して伝達物質が伝える情報を正しく細胞内に伝達する役割があります。ここで1つの問題はその受容体が「頭でっかち」、すなわち細胞外の部分がアンバランスに巨大であるということです。たとえばAMPA型グルタミン酸受容体は図247-1のような構造になっています。

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図247-1 AMPA((α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メソオキサゾール-4-プロピオン酸)型グルタミン酸受容体の構造

受容体の「根」になっているのは主にアクチン線維であることがわかってきましたが(3)、ここでアクチン線維について少し復習しておきましょう。アクチンは筋肉ではほとんどが重合してアクチン線維を作り、ミオシンとの共同作業によって筋肉を動かすという作業をしています。しかしその他の細胞では単体と線維に半々程度に分布しており、どちらになるかは様々な制御因子によって臨機応変に決められています(4、5、図247-2)。

アクチンは重合するとマイクロフィラメントと呼ばれる線維を形成し、この際ATPと結合したアクチンモノマー(Gアクチン)は線維の+末端(反矢尻端)から線維に結合します。矢尻端のアクチンはADPと結合した形になっており、線維から解離します。この合成と分解は線維端をアダプターが細胞質側に露出している部分、特にC末を利用するしかありません。とは言っても受容体を直接アクチン線維と接続するのは制御が難しくなるので得策ではありません。アクチンは非常に多くの種類の仕事をしているので、シナプス関連の仕事は、その仕事にプロパーで関わっているリンカーやアダプターを介して行うことになります。そうすればそのリンカーやアダプターを制御することによって、シナプス関連システムを制御できます。

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図247-2 アクチンとマイクロフィラメント

プロテオーム解析を行うとシナプス後領域には1000種類もタンパク質があるとされているので、ここでは神経細胞に豊富に含まれているグルタミン酸受容体とそこに結合するタンパク質をリストアップしてみました(3、6、図247-3)。イオンチャネル型グルタミン酸受容体には4つのタイプ(AMPA、NMDA、カイニン酸、デルタ)があり、それぞれに多くのサブタイプがあります。結合するタンパク質はそれぞれのサブタイプによって異なります。ここにリストアップした結合タンパク質はすべて直接または間接にアクチンとの結合を仲介すると考えられているので、これらのタンパク質を介して受容体はアクチン線維に係留されることになります。

ただリストアップされたからといって、これらがどのような構造を形成しているのかはわかりません。このリストにあるSNX27やDLG4(PSD95)はよく知られたタンパク質で、たとえば貝塚と内匠は受容体-PSD95-GKAP-SHANK-CONTACTIN-ACTINというチェーンを中心とした図表を発表していますが(7)、最近はFAM81Aを中心とした液滴にとじこめられた分子集積を考えているようです(8)。

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図247-3 各種グルタミン酸受容体とそれらに結合するアクチン調節因子

つまりシナプス後厚肥の高電子密度領域は液相-液相の分離によってタンパク質が閉じ込められることによってできているというのが最近の考え方のようです。このようなシナプス直下の疎水性構造が受容体細胞質パートへの諸因子のアクセスを制限し、正しい情報伝達と受容体の安定に寄与しているのでしょう。このような考え方によれば、アクチン線維はむしろシナプスという構造を形成する段階で、神経細胞の一部を突出させるという形態変化に大きな役割を果たしていると思われます(9)。つまりシナプス後厚肥の構造というより、シナプス後細胞全体の形成と構造にかかわっていると考えた方がよさそうです。

たとえばJ-E Kim らの研究によるとPPLP/CIN(pyridoxal-5′-phosphate phosphatase/chronophin)というアクチン線維調節因子を過剰発現させると樹状突起の形成が阻害され、ノックアウトすると巨大で異常な樹状突起が形成されるそうです(10、図247-4)。液相-液相分離説と受容体-?-アクチン線維の結合の両者の折り合いをどうつけるかという問題はどうなるのでしょうか。やじうまとしてもはらはらします。

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図247-4 マウス樹状突起の形態に及ぼすPLPP/CIN活性の影響

貝塚剛志氏がこの方面の研究を裏話も含めて、彼の研究ブログで解説してくれています(11)。近年のシナプス研究の1断面をビビッドに感じさせてもらいました。FAM81Aについては魚類のホモログは哺乳類と40%くらいしか配列が一致せず、魚類の場合シナプスにも局在しないそうで、シナプス後厚肥の一般的な構造という意味ではゴールはかなたのようです。

 

参照

1)続・生物学茶話246: シナプス前細胞のアクティヴゾーン
http://morph.way-nifty.com/grey/2023/05/post-2bdb34.html

2)大阪大学石島研究室HP
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/ishijima/Molecule-01.html

3)Priyanka Dutta, Pratibha Bharti, Janesh Kumar, and Sankar Maiti, Role of actin cytoskeleton in the organization and function of ionotropic
glutamate receptors., Curr Res Struct Biol., vol.3: pp.277–289 (2021)
doi: 10.1016/j.crstbi.2021.10.001
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8569634/

4)脳科学辞典:アクチン https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3

5)やぶにらみ生物論75: 細胞骨格2
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/06/post-20be.html
http://morph.way-nifty.com/lecture/2020/01/post-c5c25b.html

6)続・生物学茶話152:グルタミン酸 その1 イオンチャネル型グルタミン酸受容体
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/07/post-148529.html

7)Takeshi Kaizuka and Toru Takumi, JB Special Review—Neuronal functions and disorders. Postsynaptic density proteins and their involvement in
neurodevelopmental disorder., J. Biochem., vol.163(6): pp.447–455 (2018) doi:10.1093/jb/mvy02
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29415158/

8) Takeshi Kaizuka, Taisei Hirouchi, Takeo Saneyoshi, Toshihiko Shirafuji, Mark O. Collins, Seth G. N. Grant, Yasunori Hayashi, Toru Takumi, FAM81A is a postsynaptic protein that regulates the condensation of postsynaptic proteins via liquid–liquid phase separation., PLOS Biology 22(3): e3002006 (2024)
https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3002006
https://journals.plos.org/plosbiology/article%3Fid%3D10.1371/journal.pbio.3002006

9)Jessica C. Nelson, andrea K.H. Stavoe, and Daniel A. colón-Ramos, The actin cytoskeleton in presynaptic assembly., Cell adhesion & Migration vol.7:4, pp.379–387 (2013)
https://doi.org/10.4161/cam.24803
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.4161/cam.24803

10)Ji-Eun Kim, Yeon-Joo Kim, Duk-Shin Lee, Ji Yang Kim, Ah-Reum Ko, Hye-Won Hyun, Min Ju Kim & Tae-Cheon Kang, PLPP/CIN regulates bidirectional synaptic plasticity via GluN2A interaction with postsynaptic proteins. Sci. Rep. vol.6, article no.26576.,
DOI: 10.1038/srep26576
https://www.nature.com/articles/srep26576

11)貝塚剛志 研究ブログ
https://researchmap.jp/kaizuka/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0

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2024年9月28日 (土)

Wkalk down the memory lane 11: 毛の始まり

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キーボードの下で眠るサラとミーナ

ヒト以外の多くの哺乳類は体中に毛が生えています。これで寒さに耐え抜き恐竜全盛時代を生き抜き、さらに恐竜絶滅時代を乗り越えて現在に至っています。毛を獲得した動物は哺乳類以外には恐竜とその子孫の鳥類ですが、哺乳類と恐竜・鳥類の毛は独立に獲得されたもので、哺乳類と恐竜(爬虫類)の共通祖先は毛を持っていなかったことはほぼ確実です。

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哺乳類の毛を作る細胞はまず表皮から下の方(真皮の方)に増殖します。鳥類の羽毛は最初から上の方に増殖します。写真はラットの最初期の毛の細胞で、紫色の細胞塊が2ヶ所で下に増殖していることがわかります。ここから毛根ができて、その後そこから毛が上に(表皮側)伸びていきます。赤い色の細胞は赤血球で、赤血球付近の空洞は血管です。結構太い血管が真皮の一定の深さのところにできていることがわかります。

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2024年9月25日 (水)

World music collection 20: Takagi Sanae

高木早苗  HP:https://sanaetakagi.com/

You may not know her untill now, but you cannot forget her if you once listen her pianoplay.

日本の総理になるかもしれない人と一字違いですが、こちらは日本のピアノ界の至宝。コンサートピアニストとしてより、チャリティーとレッスンとかに力を傾注しているせいか「知る人ぞ知る」にとどまっていますが、YouTube で多くの動画をアップしているので知名度は高くなりつつあると思います。都立総合芸術高校音楽科講師だそうです。

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Gubaidulina: chaconne  グバイドゥーリナ:シャコンヌ
https://www.youtube.com/watch?v=MTIvuU_HQYU

古今のあまたあるピアノ曲のなかでも、人間には恐れ多いような高みに到達した音楽、あるいは人間が消滅した後の自然と野生動物の世界だと思います。もちろんバッハのシャコンヌは意識したと思いますが、もっと人跡未踏の極地に位置しています。高木さんの演奏もすごい

グバイドゥーリナ:トッカータ・トロンカータ
https://www.youtube.com/watch?v=RIdQhKq7hXQ

トロンカータとは途切れた音のことだそうです。私は誰かの追悼のためにつくられた音楽ではないかと思います。

Arvo Pärt: for Alina  ペルト:アリーナのために
https://www.youtube.com/watch?v=WiQOOLyRtyA

アマゾンのレビューに「クロード・ミレール監督のフランス映画『リリィ』の予告編および中盤で使われています」と書いてあります。私はこの映画は見ておりませんが、シンプルで理解しやすい音楽です

バッハ=リスト:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
https://www.youtube.com/watch?v=rrxSrBh88Cs

現代のグランドピアノで弾くバッハのパワーと繊細

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西田直嗣 (Nishida Naotsugu) :Jewelry Box
https://www.youtube.com/watch?v=OVVeGmSBN68

西田さんが高木さんのために作ったとてもロマンチックな曲

スウェーリンク:涙のパヴァーヌ
https://www.youtube.com/watch?v=UXgyddyBhN8

スウェーリンクは1562~1621に生きた昔の人ですが、まるで現代のムードミュージックのような趣もあります

バッハ=バウアー:甘き死よ、来たれ
https://www.youtube.com/watch?v=BSGmA34bZWA

怨念と諦念と祈りの音楽

メシアン:幼子イエスに注ぐ20の眼差しより 「II 星の 眼差し」
https://www.youtube.com/watch?v=cQK_hBIQ_SI

私も小学生の頃教会で聞かされた「東方の三賢人」の話を思い出しました

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Clair de lune Debussy  ドビュッシー:月の光
https://www.youtube.com/watch?v=MKOrtDRnGMY

多くのピアニストは暗と明のコントラスト 彼女のは何か違う気がする 音が暖かい

ショパン:ノクターン遺作 嬰ハ短調
https://www.youtube.com/watch?v=vJgxsgo_vKY

落ち葉舞う中でこの曲を聴く 一塊の音の暖気に包まれて

ショパン:ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
https://www.youtube.com/watch?v=3KlWwfFiJAM

不思議な演奏 なにか特別な思いがあるのか...

Beethoven Piano Sonata no.31  ベートーヴェン:ソナタ第31番
https://www.youtube.com/watch?v=5LWTTmvXvjI

ドビュッシーやショパンの場合より、ベートーヴェンを演奏する時の方がこの演奏者が作曲家と近い位置にいるような気がします

 

 

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2024年9月23日 (月)

やっとぐっすり眠れる だって?

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そこで眠っちゃダメだって💢

zzz

池松が茶髪で貴公子然としていたし ✨

南方は相変わらず抜群だったよ 🎵

あ そういえば小池が出世してた 🍺

余計なことだが 愛陽はコレステロールとか糖Hbに注意した方がいいな 💧

zzz

聞いてないのミーナ? 

 

 

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2024年9月21日 (土)

出口-東京シティ・フィル ショスタコーヴィチ交響曲第5番@ティアラ江東

最近の天候には季節感が混乱してしまいます。確かにセミはもう鳴いていないし、トンボも飛んでいますが、温度はまだ34℃もあります。街路樹の桜もためらいながら黄葉をはじめました。

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東京シティフィルの裏定期が住吉のティアラ江東で行われるということででかけました。オペラシティーは作られた音という感じですが、ティアラは素の音。ただし東京文化会館のような広大な空間ではなく、比較的こじんまりとしているので音圧はすごいものがあります。

最近の東京シティフルの充実ぶりは顕著で、今日のコンサートも早々と完売です。

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本日のマエストロはただいま売り出し中の左ききの指揮者出口大地氏です。そしてソリストは2004年生まれの中野りなさん。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏しましたが、このうら若い女性奏者には驚かされました。特に第2楽章の内面的な表現には深い感銘を受けました。演奏効果など一切考えず、ひたすらにチャイコフスキーの心の襞をたどるような作品との向かい方は素晴らしいです。オーケストラもそのようなソリストを繊細にサポートしていました。ただフルートはちょっと音が大きすぎると感じられる部分もありましたが、それもささいな違和感です。中野さんは満場の大拍手に答えて、ソリストアンコールでパガニーニの24のカプリースから第5番を聴かせてくれました。

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休憩後のショスタコーヴィチ交響曲第5番は、折り目正しくメリハリが明快な指揮者のタクトのもと、東京シティフィルが本領発揮です。私は特に第3楽章の後半の弱奏の美しさに感銘を受けました。ホルンが一ヶ所潰れましたが、その後ちょっと神経質になったのは残念。しかしそれも消し飛ぶくらいエネルギーが爆発する第4楽章で、会場は異様な興奮に包まれました。今夜からいよいよ季節も秋めいてくるそうで、最後の夏の日にふさわしいものすごい演奏会でした。

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2024年9月19日 (木)

World music collection 19: Tuba skinny

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(画像はウィキペディアより)

Tuba skinny はストリートバンドですが、ウィキペディアに詳しい解説が出ています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Tuba_Skinny

Probably Tuba skinny is famous in USA but not in Japan. I think it is because there is no culture to dance by two persons in the outer field in Japan. And nowadays it is difficult to hold festival in an open field because it is risky by severe downpour and lightning.

ウィキペディアによると、このバンドは2009年にニューオーリンズで設立され、世界各地を巡って路上パフォーマンスやフェスティバルで演奏している-主として屋外で活躍しているバンドのようです。ただしアルバムも10枚ほど出版しているとのこと。1920~30年代のジャズ、ラグタイム、ブルースをルーツとした音楽だそうです。これぞ米国という音楽。

日本語で詳しく解説している方のサイト
https://ameblo.jp/mudo777/entry-12758671243.html

彼らはオフィシャルな YouTube のページは持っていなくて、動画はほとんどファンの投稿によるものだそうです。一部のメンバーが来日して演奏したことはあるみたいですが、バンドとして日本でパフォーマンスを行ったことは多分ないようです。

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アメリカンフォークフェスティバル のオープニングパレード
https://www.youtube.com/watch?v=49-vWFxEGTw

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Etè 2018
https://www.youtube.com/watch?v=qd3pDQycAQs

フランスのパリにて 踊れると楽しいと思いますが、日本で路上の踊りというとみんな集団舞踊で、二人で野外で踊るという文化はありません

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Rosa Lee
https://www.youtube.com/watch?v=H6JUS_dPxhI

イタリアのペルージャにて チューバの伴奏で歌う

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Some of these Days
https://www.youtube.com/watch?v=scniiE6CjGQ

Spotted Cat というのは多分ライブハウスの名前だと思いますが?
踊るためのスペースがあります 日本のライブハウスではあまり見かけない造り

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Going Back Home
https://www.youtube.com/watch?v=bBINhDYXoEg

日本人?のようなおじさんも参加 路上でCDを販売していて代金は段ボール箱に入れる お客が演奏に参加するのもOKらしい

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Jubilee Stomp
https://www.youtube.com/watch?v=jft3BVoxqjo

これ個人的に一番好きかも アメリカの街には野良犬が歩いていることがわかります

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Give Me Some
https://www.youtube.com/watch?v=cUoIQ1UGDxg

なぜかみんな裸足

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Papa Let Me Lay It On You
https://www.youtube.com/watch?v=zXFHM1y3rUA

順番にソロパフォーマンス 楽しい

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2024のパフォーマンス クラリーヴィルというのはニューヨーク州の田舎の町
https://www.youtube.com/watch?v=YNOqvGKN-fo

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他のミュージシャンとの屋内でのコラボ ちょっと違った雰囲気の音楽になっています  曲のタイトルはわかりません

https://www.youtube.com/watch?v=9tAW-RTwe3U

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FestJazz 2022 Tuba Skinny: an informal video
https://www.youtube.com/watch?v=etwCO7GpNig&list=PLGWRY4CXixYyuBH6yH6VTj0GcA3k1ZWuQ

ロングの動画 カリフォルニアのピズモビーチでのフェスティバルにて

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2024年9月18日 (水)

本を読まない人

もうニュースでも報道されている話題ですが、このことを知って日本の未来に不安を感じるのは私だけではないでしょう。文化庁の調査によると、1ヶ月に1冊も本を読まない人の割合がここ数年で激増し60%を超えたそうです。

平成 25 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h25_chosa_kekka.pdf

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電子書籍について (文化庁の発表)↓

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私は本を読まない人というのは文章を書けないと思います。おそらく大学生でもつじつまの合ったまともなレポートは書けないのではないかと思います。青木理が劣等民族という言葉を使って批判されていますが、知らず知らずのうちにそれが本当になってしまうという不安を感じます。

YouTube で知識を得るのは悪くありませんが、所詮動画は通り過ぎるものであり、ノートを取りながら動画を見るなんてことはめったにないでしょう。動画はその正確性や妥当性で評価されるものではなく見た人の数でだけ評価されるので、不正・大げさ・偏向・虚偽・宣伝などが跳梁跋扈する伏魔殿です。タイトルと中味が合っていないことなど日常茶飯事です。日本の安全保障を論じているのに、その一丁目Ⅰ番地であるサンフランシスコ平和条約の話が全く出てこないというのも普通です。

本が高価で買えないと言う人はSNSや動画ではない「静止画+文章 が主体のウェブサイト」を見るというのも良いと思います。例えば最新の科学の進歩は「Nature ダイジェスト」というサイトを見るとわかります。文章を読む練習にもなります。

https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/


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サラ・ミーナ「私たちには関係ない話ね」

私「まあそうだけど、それは君たちが飼い猫だからであって、野良猫だったら必死で情報収集しないと生きていけないところだよ。本は読めないにしてもね」

余談:小泉進次郎はその全く本を読まない60%に含まれるのだろうか?

 

 

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2024年9月15日 (日)

続・生物学茶話246: シナプス前細胞のアクティヴゾーン

電子顕微鏡でシナプスを見るとシナプス後細胞の細胞膜の電子密度が高いということは、20世紀の半ば頃から知られていました(1)。これは後に postsynaptic density と呼ばれるようになりますが、この日本語訳「シナプス後肥厚」というのは、どうして density を肥厚と訳したのかがわかりません。英語とは関係なく命名したのかもしれません。

確かに図246-1を見ても、シナプス後細胞の高密度領域は明らかにわかります。一方でそれに対面するシナプス前細胞の部分にも、後細胞ほど分厚くはありませんが確かに高密度領域は存在します。シナプス後細胞の場合神経伝達物質の受容体とそれを固定するタンパク質集合体が細胞骨格(スキャフォールド)で固定されているような構造が推測されますが、シナプス前細胞の場合、細胞膜は頻繁にエキソサイトーシスを行っているので流動的で、それでも高密度であるということは多くのタンパク質がここに集中して作業しているに違いありません。

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図246-1 シナプスの電子顕微鏡写真 (wikipedia: postsynaptic density より)

前回(245)の内容から考えて、カルシウムチャネル、SNARE複合体、MUNK、RIMなどがシナプス前細胞のアクティヴゾーンに集積すると思われますが、もう少し詳しく見ていきましょう。シナプス前細胞は電位変化の情報がくるとミリ秒単位の短時間で神経伝達物質を放出しなければなりません。そのためにはあらかじめ準備を万端整えておく必要があります。エンペラドール=メレロとケーザーはカルシウムチャネル、SNARE複合体以外の、あらかじめ準備されているタンパク質のセットを図246-2のようにまとめています(2)。

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図246-2 カルシウムチャネルとSNARE複合体以外のシナプス前細胞のアクティヴゾーンを構成するタンパク質複合体

ここには今まで言及していないタンパク質がいくつか登場しています。まず楽器の名前がつけられた Piccolo/Bassoon は類似した部分を持ち関連性がある非常に巨大なタンパク質で、Piccolo の分子量は約55万ダルトン、Bassoon は約42万ダルトンです。両者はアクティヴゾーンでスキャフォールドを形成する構造タンパク質ですが、それぞれ別の機能も持っており、特に Piccolo がアクチンと結合していることは重要だと思われます(3、4)。

ELKS はPiccolo/Bassoon、Liprinα、Rim1αなどと結合するドメインを持っており(図246-2)、少なくともこれらのタンパク質の立体配置に重要な役割を果たしていると思われます。Liprinαは mDia の活性を抑制することを通じて、アクチン線維の形成に関与しているようです(5)。また RIM と RIM-BP は電位依存性カルシウムチャネルと共に疎水性で相分離を起こすような集合体を形成し、小胞体を細胞膜近辺にとどめる役割を果たしているようです(6、7、図246-3のBの部分)。この1つの相をコンデンセートと呼び、Bはすぐにエキソサイトーシスで神経伝達物質を放出できる状態にあるシナプス小胞が集合している状態とされています。ただ図246-3のようにはっきりしたA相、B相、それ以外の部分というような境界があるかというと、私にはまだ信じられません。

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図246-3 コンデンセート説

図246-4はウィキペディアの active zone という項目(8)に掲載されてあった図で、とりあえず報告されているタンパク質とそれらの関係をまとめたものです。このようなイメージで最終的に良いのか(正しいのか)どうかはわかりませんし、すべてが網羅されているわけでもありませんが、関係タンパク質を一覧するには便利かもしれないので貼っておきます。スペクトリンがVDCCと結合するという論文は、アンキリンを介してというもの以外はみつかりませんでした。

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図246-4 アクディヴゾーンのタンパク質複合体(ウィキペディアの模式図)

図246-5は参照文献2などを参考に調べた結果ですが、やはり哺乳類が保有するアクティヴゾーンのタンパク質とホモローガスなタンパク質を線虫(C.elegance)もショウジョウバエ(D.melanogaster)も保有しています。前回(245)のシンタキシンでもわかるように、アクティヴゾーンにおけるシナプス小胞の集積と高速で行われるエキソサイトーシスをサポートするメカニズムは、これらの生物が分岐する以前のエディアカラ紀あるいはそれ以前に確立されていて、今生きている生物はそれをわずかな適応と改良を重ねてはいるものの、数億年の間基本的に引き継いでいることは明らかです。

2465a

図246-5 マウス、線虫、ショウジョウバエにおけるシナプス前細胞アクティヴゾーンタンパク質 名前は別々に命名されていますがホモロジーがあり、各グループ(RIM, Liprin, ELKS/CAST, Munk13)は同根のタンパク質とされています

 

参照

1)Sanford L. Palay, SYNAPSES IN THE CENTRAL NERVOUS SYSTEM, J Biophys Biochem Cytol. vol.2(4): pp.193-202. (1956)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2229686/

2)Javier Emperador-Melero and Pascal S Kaeser, Assembly of the presynaptic active zone., Current Opinion in Neurobiology vol.63: pp.95–103 (2020)
DOI: 10.1016/j.conb.2020.03.008
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32403081/

3)Fenster, Steven D.; Kessels, Michael M.; Qualmann, Britta; Chung, Wook J.; Nash, Joanne; Gundelfinger, Eckart D.; Garner, Craig C., Interactions between Piccolo and the actin/dynamin-binding protein Abp1 link vesicle endocytosis to presynaptic active zones. The Journal of Biological Chemistry. vol.278 (22): pp.20268-20277 (2003) doi:10.1074/jbc.M210792200
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12654920/

4)Eckart D. Gundelfinger, Carsten Reissner and Craig C. Garner,
Role of Bassoon and Piccolo in Assembly and Molecular Organization of the Active Zone., Frontiers in Synaptic Neuroscience., vol.7, article 19, (2016)
doi: 10.3389/fnsyn.2015.00019
https://www.frontiersin.org/journals/synaptic-neuroscience/articles/10.3389/fnsyn.2015.00019/full

5)Satoko Sakamoto, Shuh Narumiya & Toshimasa Ishizaki, A new role of multi scaffold protein Liprin-α. Liprin-α suppresses Rho-mDia mediated stress fiber formation., BioArchitecture vol.2, Issue 2 (2012)
https://doi.org/10.4161/bioa.20442
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.4161/bioa.20442

6)細川智永 シナプス伝達と可塑性を担うタンパク質の集合と区画化 
Journal of Japanese Biochemical Society vol.94(4): pp.523-528 (2022)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2022.940523
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2022.940523/data/index.html

7)Xiandeng Wu, Qixu Cai, Zeyu Shen, Xudong Chen, Menglong Zeng, Shengwang Du, Mingjie Zhang, RIM and RIM-BP Form Presynaptic Active-Zone-like Condensates via Phase Separation., Mol Cell vol.73(5): pp.971-984.e5. (2019)
doi: 10.1016/j.molcel.2018.12.007
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30661983/

8)Wikipedia: active zone
https://en.wikipedia.org/wiki/Active_zone

 

 

 

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2024年9月14日 (土)

ブログを書こう

A-4

ここを探索しようと思ったら、ミーナに先を越されたんだよね。でもそこで強引に割り込んだりしないのがサラの良いところ。

ところで今日はブログのおすすめをしたいと思います。私の持論はSNSは社交、ブログは文化です。ChatGPTなどが出現して、人は文章を書くという能力を失ってしまうかもしれません。是非自分で文章を作ってブログを書きましょう。

私は@ニフティというプロバイダーのサ-ビスでブログ(ココログ)をやっています。こことは古くてニフティサーブという名前で電話回線を使って営業していた頃からの付き合いです。ニフティーサーブの頃はブログという概念は無く、全く趣味的な「言葉の社交サークル」という感じでした。

X・FB・インスタグラムや動画サイトなどが次々と出現する中で、@ニフティはブログ中心のサイトとして営業していますが、それだけではありません。サービスの中に「注目のニュース(速報)」というのがあって、たとえば「3連休 雷雨と猛烈残暑に警戒」とか「斎藤知事への贈答品を公開」などがタイトルに並んでいます。

岸田政権になる前は信じがたいことに、3日とおかず頻繁に同じ人が「注目のニュース(速報)」のタイトルリストにあがっていました。その人の名は「玉川徹」で、玉川徹が羽鳥慎一モーニングショーでこう言ったとかああ言ったというのが注目のタイトルにあがっているのです。もちろんたいていの場合ディスるためです。玉川徹の発言が日常的に注目のニュースとは驚きですが、それほど安倍・菅政権にはにらまれていたのでしょう。

そういう意味では岸田政権はそれまでの政権と基本政策は変わりませんが、マスコミを隅々まで支配しようという中国やロシアそして安倍・菅政権のような検閲とコントロールはなくなったようです。少なくとも@ニフティニュースなどというマイナーな報道にまで圧力を加えることはなくなったのではないでしょうか。@ニフティニュースの全体的な内容も、フジサンケイグループなのに、最近は決して右翼的とはいえないくらいニュートラルでフェアーなものになっています。

@ニフティー加入
https://setsuzoku.nifty.com/niftyhikari/

 

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2024年9月11日 (水)

頭角を現してきた エヴァ・オリカイネン 

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(アイスランド交響楽団のHPより)

SWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)は来シーズンからフランソワ=グザヴィエ・ロトが首席指揮者・芸術監督に就任することになっていましたが、セクハラ疑惑問題が未解決のため、ロトが振ることになっていた今シーズンの最後の定期演奏会をキャンセルし、代役を立てることになりました。

その代役がなんと私がずっと「いちおし」していたエヴァ・オリカイネンに決まったそうです。演目はソフィア・グバイドゥーリナの楽曲及びR.シュトラウスのヴァイオリン協奏曲とシベリウスの5番だそうです。彼女は2013年に来日して都響を指揮しており、そのときに「ひと聴き」惚れしてしまいました。その特徴は指揮者の存在を感じさせないくらい、作曲家とその音楽に没入させてくれることです。

しかし不可解なことに、それ1回だけで以降呼んでいません。そのうちにアイスランド交響楽団の音楽監督に就任し、BBCプロムスに出演するとか、ウィーンの音楽祭をプロデュース・指揮をするとか、着々とキャリアを重ねて、頭角を現してきました。

参照:クラシック音楽とアート
謹慎中のフランソワ=グザヴィエ・ロトの代役にエヴァ・オリカイネン|SWR交響楽団定期
https://a-delp.blog.jp/2024-06-19_SWR

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#ウィーンで行われた Fest der Freude をプロデュースし、ウィーン交響楽団を指揮するエヴァ・オリカイネン
https://www.youtube.com/watch?v=FVu82lAyFQc&t=896s

曲目は モーリス・ラヴェル「ラ・ヴァルス」、ショスタコーヴィチ交響曲第10番第2楽章、アルヴォ・ペルト「Fratres fur violine」、コルンゴルト「Marienttas Lied aus die tote stadt」、マーラー交響曲第5番第5楽章

#ベートーヴェン交響曲第5番「運命」 エヴァ・オリカイネン指揮 アイスランド交響楽団
https://www.youtube.com/watch?v=O8QlEH0QgOI

ベートーヴェンがウィーンの楽壇にさっそうと登場したときの雰囲気を感じさせる溌剌とした演奏 一方で独墺音楽のどっしりとした伝統も感じさせる

#ベートーヴェン交響曲第9番合唱付き
エヴァ・オリカイネン指揮 ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団
https://www.youtube.com/watch?v=KIDZj0vJffU&t=310s

フィンランドはきら星のごとく多くの指揮者を輩出していますが、そのなかでヘルシンキフィルで第9を演奏するというのはすごいことだと思います

#グスタフ・マーラー さすらう若人の歌
歌:ヨハン・クリスティンソン  これは名演だと思います
エヴァ・オリカイネン指揮 アイスランド交響楽団
https://www.youtube.com/watch?v=xGC324k7sf8

 

日本の事務所 Musica Chiara
https://www.musicachiara.com/eva-ollikainen

 

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2024年9月 8日 (日)

続・生物学茶話245:シナプスとSNARE複合体

神経伝達はシナプスを経由して行われますが、そのシナプスが機能を発揮するためのメカニズムについては、これまで学習してきたように「1.シナプス前細胞のシナプス小胞が細胞質から神経伝達物質をとりこみ、2.それをシナプスのアクティブゾーンからエキソサイトーシスでシナプス間隙に放出し、3.放出された神経伝達物質をシナプス後細胞が受け取る」という順序で行われることがわかっています。

そのためにはまずシナプス前細胞のバリコシティー(ふくらみ)が電位変化を察知し、それを生化学的プロセスに変換しなければなりません。これをおそらくすべての神経を持つ生物はカルシウムチャネル(1、2)を使ってやっていると思われますが、おそらくというのは有櫛動物だけはほかの門の生物とは非常に異なる神経システムを持っていてはっきりとしない点があるからです。そのため生物進化において神経のルーツがひとつであるのかふたつなのかという論争が続いているほどです(3、4)。ただ有櫛動物も筋収縮についてはカルシウムシグナリングに依存しているようですし(5)、神経細胞においても電位変動を最初に感知し、カルシウムの流入によって生化学的変化を起動しているのはおそらく有櫛動物の場合もカルシウムチャネルだと考えられています(6)。カルシウムチャネル自体の歴史は非常に古く、ルーツは細菌までたどることができます(2、7)。ですから神経伝達のためのツールとして使うのは多細胞生物による流用です(8)。

電位依存性カルシウムチャネル(voltage-dependent calcium channel: VDCC)についてはすでに参照文献2で詳しく述べましたが、この分野の研究は進んでおり、ここでは京都大学森研究室がHPに掲載している図を多少改変して貼っておきます(9、図245-1)。

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図245-1 電位依存性カルシウムチャネルの立体構造


森研究室の研究では、RIMファミリーのタンパク質が電位依存性カルシウムチャネルとシナプス小胞を繋ぐ役割を担っており、シナプス小胞のエキソサイトーシスにかかわっているとしています(9)。今回はそのシナプス小胞のエキソサイトーシスについて触れたいと思います。

シンタキシンは一般に細胞内小胞輸送において膜融合に関わるタンパク質のグループですが、シナプス小胞が細胞膜と融合し、エキソサイトーシスによってシナプスに神経伝達物質を放出するという神経細胞特有のプロセスにおいても主役の1つを担っています。シンタキシンについては脳科学辞典に詳しい解説があります(10)。そこにある図のひとつを図245-2とします。

細胞膜のタンパク質であるシンタキシンのH3ドメインとシナプス小胞膜のタンパク質であるシナプトプレビンがSNAP-25を介してつながる構造をSNARE複合体と呼び、この構造形成によって小胞と細胞膜が結合しエキソサイトーシスの契機となります(図245-2)。

小胞と細胞膜がのべつ幕なしに結合すると困るので、通常はHabcドメインがH3ドメインと結合していてSNARE複合体ができないOFFの状態になっています。カルシウムチャネルから情報がくると立体構造が変化して、SNARE複合体が形成されることになります(図245-2)。

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図245-2 シナプス小胞が開口放出を行う前に形成されるSNARE複合体の立体構造模式図

脳科学辞典によると「シンタキシンファミリーは少なくとも16種類のアイソフォームが存在し、そのうち多くが線虫から哺乳類に至るまで進化的に保存されている」と記載されています(10)。図245-3で各動物におけるそれらのアイソフォームの存否をまとめてみました。1A、4、5、6、7、16、17、18の8つのアイソフォームは各動物が保有しています。このことはカンブリア紀以前の段階でこれらのアイソフォームは確立され、各門の動物がその後引き継いだことを意味します。

頭索動物(ナメクジウオ)、尾索動物(ホヤ)、円口類(ヤツメウナギ)、棘皮動物(ウニ)、半索動物(ギボシムシ)などについても情報が得られると、より詳しく生物進化とシンタキシンの関係がわかると思いますが、この図でもヒトにしかないアイソフォーム(シンタキシン10)、後口動物だけ(あるいは哺乳類だけ)にみられるもの(シンタキシン1B、11、19)があることは注目されます。

小胞と細胞膜が結合するようなシステムは多くの細胞で必要なので、シンタキシンはほとんどの細胞に存在しますが、神経細胞と分泌細胞に特異的に存在するのはシンタキシン1A、1Bとされています。ただまだ局在がわからないもの、cDNAしか知られていないものなどがあり、シナプスで使われるシンタキシンのアイソフォームは完全には解明されていないようです(10)。

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図245-3 シンタキシンのアイソフォーム

すでに「小胞と細胞膜がのべつ幕なしに結合すると困るので、通常はHabcドメインがH3ドメインと結合していてSNARE複合体ができないOFFの状態になっています」と述べましたが、MUNK18はシンタキシン1の不活性なクローズドフォームを維持するために機能しています。これに対してカルシウム存在下でシナプトタグミンはシンタキシン1を活性化し、SNARE複合体を形成するためのコンフォメーション変化に寄与することにより膜融合を促進します。MUNK13もシンタキシン1の活性化に寄与します(11、12、図245-4)。

図254-4のQaは、シンタキシンのH3ドメインにあるSNAREモチーフです。SNARE複合体はこのQaのほか、SNAP-25AのQb・Qcモチーフおよびシナプトプレビン2のRモチーフによって構成されています(図245-4)。

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図245-4 シンタキシン1のコンフォメーション変化とSNARE複合体の形成  カルシウムイオンの流入によって、シンタキシン1はクローズドフォームからオープンフォームに変化しSNARE複合体を形成する

SNARE複合体による膜融合についてはさまざまなモデルがありますが、Shen Wang らが提出しているモデルは図245-5のようなものです。これによるといったんシナプトブレビン2-Munc18-Munc13-シンタキシンが複合体を形成することによって(b)シンタキシンが活性化し(c)、Muncが解離すると共にSNAP-25が結合してSNARE複合体が形成され、シナプス小胞と細胞膜が結合するとしています。

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図245-5 Shen Wang らの膜融合モデル

一方京都大学の森研究室HPのモデルでは、カルシウムチャネルがα-RIMを介してシナプス小胞を細胞膜につなぎ止めるということになっていて(9)、議論はつきないようです。ポイントはカルシウムチャネルが直接的に膜融合にかかわっているのか、それともカルシウムの流入を介してのみかかわっているのかということです。

 

参照

1)脳科学辞典 電位依存性カルシウムチャネル
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E4%BE%9D%E5%AD%98%E6%80%A7%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

2)続・生物学茶話191: 電位依存性カルシウムチャネル
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/10/post-d9a164.html

3)Nature digest, Vol. 11 No. 8 News 深まるクシクラゲの謎
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v11/n8/%E6%B7%B1%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B2%E3%81%AE%E8%AC%8E/54610

4)Eisuke Hayakawa et al., Mass spectrometry of short peptides reveals common features of metazoan peptidergic neurons., Nature Ecology & Evolution, vol.6, pp 1438-1448 (2022)
https://www.nature.com/articles/s41559-022-01835-7

5)Robert W Meech, Andre Bilbaut Deceased, Mari-Luz Hernandez-Nicaise, Electrophysiology of Ctenophore Smooth Muscle. Methods Mol Biol., vol.2757, pp.315-359. (2024)
doi: 10.1007/978-1-0716-3642-8_15.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38668975/

6)Adriano Senatore, Hamad Raiss and Phuong Le, Physiology and Evolution of Voltage-Gated Calcium Channels in Early Diverging Animal Phyla: Cnidaria, Placozoa, Porifera and Ctenophora., Front. Physiol. vol.7: article 481.(2016)
doi: 10.3389/fphys.2016.00481
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27867359/

7)入江克雅 下村拓史 国立生理学研究所プレスリリース 細菌のセンサーから紐解く 神経刺激を伝えるタンパク質の太古の姿
https://www.nips.ac.jp/release/2020/02/post_409.html

8)ウィキペディア 流用(生物学)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E7%94%A8_(%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6)

9)京都大学大学院工学研究科 森研究室HP
http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/mori-lab/research-a.html

10)脳科学辞典 シンタキシン
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3

11)脳科学辞典 SNARE複合体
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/SNARE%E8%A4%87%E5%90%88%E4%BD%93

12)Shen Wang, Yun Li, Jihong Gong, Sheng Ye, Xiaofei Yang, Rongguang Zhang & Cong Ma, Munc18 and Munc13 serve as a functional template
to orchestrate neuronal SNARE complex assembly., Nature Commun., 10:69 (2019)
https://doi.org/10.1038/s41467-018-08028-6
https://www.nature.com/articles/s41467-018-08028-6

 

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2024年9月 7日 (土)

立憲民主党代表選挙

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枝野幸男

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泉健太

(写真はウィキメディアコモンズより)

おーい ミーナとサラ 目を覚ませ

ミーナとサラ「私たちには関係ないから寝てる」

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ミーナとサラと同様、私も自民党の総裁選挙には全く関心はありませんが、立憲民主党の代表選挙には少し関心があります。

野田氏と吉田氏は科学技術や大学についてあまり述べていませんが、枝野氏と泉氏は明確に政策を述べています。

枝野幸男:

国公立大学の授業料を半額にまで引き下げる 奨学金の拡充
一人暮らしの学生への家賃補助制度の創設
科研費の充実 ポスドク(博士研究員)や大学院生の処遇改善

泉健太:

科学技術予算の大幅増による基礎研究の重視と研究開発支援
省エネ、蓄電、再エネ技術の推進により原発・火力依存度を低減

結構なことです 是非実現のために努力して欲しい。

参考にしたサイト

野田佳彦 https://www.nodayoshi.gr.jp/

枝野幸男 https://edano.gr.jp/

泉健太 https://izumi-kenta.net/policy2022/

吉田はるみ https://yoshidaharumi.com/greeting

悪事を働いた自民党がまた何事も無かったかのように次回も政権を担当するのでしょうが、そうするとますます図に乗って世の中が悪い方向に回っていくことになりそうです。

 

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2024年9月 4日 (水)

Walk down the memory lane 10: ミヒャエル・ザンデルリンク ドレスデンフィル

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新宿文化センタ-はパイプオルガンも備えた第1級のコンサートホールですが、その割にはアマオケである新宿交響楽団が拠点としているだけで、プロオケの演奏会はたまにしかないという不思議なホールです。現在は改修のため長期閉館中です。

そのたまにしかない演奏会をドレスデンフィルがやり、かつその料金が格安のめったにないチャンスということで(新宿区からかなり補助金が出ていたのでしょう)、大変久しぶりに新宿文化センターを訪れた記憶があります。いつもの習慣で軽食を取るために近所の喫茶店に入ったのですが、私の席のとなりに座った2人がすごかったので、これは忘れられない思い出となりました。

その二人をAとBとすると、BがAから2000万円ほど借りて返済が滞っており、AがBを叱責するというシーンが延々と繰り広げられ、それが全部聞こえてくる、そして喫茶店は満席で移動不可というシチュエーションです。Aは借金返さないのにBが女と遊んでいるところを目撃したということで激怒しており、お前を絶対に潰してやるという話を死ぬほどリピートするのです。Bもなかなかしぶとくて、のらりくらり交わしながらどうも返す気がないようです。重苦しい殺気があたりにただよっていました。同行者と完全沈黙のまま、なんとか食べ終わったので私たちは席を立ち、事件にならなければ良いがと思いながら、かなりデプレスした状態でホールに向かいました。

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ミヒャエル・ザンデルリンクの実力は都響への客演で知っていたのですが、ドレスデンフィルとの演奏は、手勢ということもあり素晴らしいものでした。デプレスしていた精神状態も一気に回復しました。強奏時でもオケの音に深みと柔らかさがあり、それをミヒャエルが最大の緊張感を持って指揮するのですから、私にとっては初めて経験するドイツ音楽の神髄感がありました。

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2019 ドレスデンフィル来日公演の記録

富士通コンサートシリーズ
ミヒャエル・ザンデルリンク指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
広告宣伝 - 富士通
https://www.fujitsu.com/jp/about/resources/advertising/event/dresdenphil/

6月30日(日曜日) 13時30分   大阪 ザ・シンフォニーホール
7月1日(月曜日) 19時 福岡 アクロス福岡シンフォニホール
7月3日(水曜日) 19時 東京 サントリーホール

新宿文化センター主催公演
2019年6月28日(金)19:00開演
出演:指揮 /ミヒャエル・ザンデルリンク、管弦楽/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
全席指定 S席10,000円 A席7,000円

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ミヒャエル・ザンデルリンクとドレスデンフィルのPR動画
https://www.youtube.com/watch?v=TKsc5fG_3qY

ショスタコーヴィチ交響曲第7番
https://www.youtube.com/watch?v=r-1x8SoDopw

ミヒャエルとドレスデンフィルは1枚のCDにベートーヴェンとショスタコーヴィチの交響曲を同居させるという珍奇なアイデアをほんとに実行するという企画を進めています。

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でもオーケストラは生で聴かないと、その本当の良さはわかりません。

 

 

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2024年9月 1日 (日)

World music collection 18: Nakajima Miyuki (covers)

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Nakajima Miyuki, a legend of japanese music scene in 20th and 21th centuries, is a medicine for your heart, but at the same time is a poison to your mental sensors. Sometines, my mental sensors are able to endure only for several munites for her songs. I think, it is not due to her melody or lyrics, but is rather due to her way of performance.

So the covers of her songs have special significance for me. I carefully chose the covers diluting the poison of the originals, while they still preserve it to some extent.

中島みゆきの音楽はリスナーに慰めを与え、また毒を注入します。その毒は強烈で、私のメンタルセンサーは1曲に耐えるのがやっとです。それは音楽そのものではなく、彼女のパフォーマンスによるものです。つまりカバーはいくらでもOKです。ここでは毒が薄まってはいるが、きちんと保持しているカバーを慎重に選びました。

lyrics:

中文
https://note.com/kanshikanbun/n/n00725f05ae3d

English and other european langages
https://lyricstranslate.com/ja/miyuki-nakajima-lyrics.html

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ホームにて ぷりん
https://www.youtube.com/watch?v=gSo4CfOItA4

かなり若い頃のぷりんさん。もっと前にはハードロックをやっていたらしい。
年末になると聴きたくなる曲ですが、いまや夜行列車なんてほぼないので、そのうち誰もこの情緒を感じられなくなってしまうでしょうか。

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夢だもの まきちゃんぐ
https://www.youtube.com/watch?v=hgpeMBRxbdU

ちゃんぐさんは中島みゆきと同じ事務所にいて、後継者と見なされていたこともありましたが、彼女は彼女の音楽をやっています。

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ミルク32 満島ひかり
https://www.youtube.com/watch?v=95thSZDHAvo

ミルクは札幌北18条にある喫茶店で、中島みゆきが無名時代によく通っていたそうです。
https://mainichi.jp/articles/20220129/k00/00m/040/239000c

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愛から遠く離れて 伽藍琳(りん・がらん)
https://www.youtube.com/watch?v=OwmEBrrF-6U

伽藍琳さんは本職は舞台のプロデューサーだそうですが、自然にはいってくる歌もなかなかのもの。

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エレーン 
Naru & ぷりん
https://www.youtube.com/watch?v=ODnvm4znMNk

病気や怪我を乗り越えて。 最近の Naru & ぷりん

まろりさんの解説によれば、エレーンのモデル「ヘレン」は、中島みゆきと同じマンションに住んでいた外国人を相手にする娼婦で、いつも安物のドレスを身に着けていました。そのヘレンが客とのトラブルと見られる事件で殺され、マンションのゴミ捨て場に死体が遺棄されるという事件が発生しました。外国人娼婦の殺人事件に警察も捜査に本腰を入れようとしなかったのか、そのまま事件は迷宮入り。というようなことがあったようです。
こちら

The model of this song "Helen" was a street girl lived in the same apartment with Miyuki. One day she was killed by a "customer" and found in the garbage box. She left only some worn-out dresses, no one want to ware.

歌詞:こちら

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歌姫 シンガー不明
https://www.youtube.com/watch?v=gEke-OfsjJE

集団就職のことなのかと、この映像を見てはじめて気がつきました。シンガーの顔も名前もわかりませんがリアルな歌。

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ひとり上手 YO-EN
https://www.youtube.com/watch?v=MDiKhvilnt0

体調不良から回復して活動を再開したそうです。ご健康を祈ります。

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地上の星 魚高ミチル
https://www.youtube.com/watch?v=NyrBtEcY5UE

最近BeBeから改名したそうです。

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世情 Ai Ninomiya
https://www.youtube.com/watch?v=b7d6QtCTZZ4

真摯な歌唱。彼女は英語のキャプションもつけています。

What’s right and what’s wrong.
I guess we’re programmed to be in a confrontation no matter what year it is.

A huge confrontation in between those who want changes to this world, and the ones who want to stop the time to live a life in a way they used to.
It’s everywhere.

Thank you so much for checking my channel!
I hope you enjoyed my videos!!!

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誕生 ドリアン・ロロブリジーダ
https://www.youtube.com/watch?v=EmzmNjUQGBI

ドリアンさん、素顔は二枚目。

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糸 冨田麗香
https://www.youtube.com/watch?v=FN_jXIXOlVw

地べたに座って歌うというのが、なんともいえない雰囲気を醸成します。

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ヘッドライト・テールライト 宮苑晶子
https://www.youtube.com/watch?v=oqVQYxAhE5c

シンガーになる前はシステムエンジニアだったそうです。

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有名人によるカバー

雪 坂本冬美
https://www.youtube.com/watch?v=Bs6Hb-G8QpA

銀の龍の背に乗って 槇原敬之
https://www.youtube.com/watch?v=d5eiDfHjfCc

空と君のあいだに 森恵
https://www.youtube.com/watch?v=eVAZuqMyyGo

時代 夏川りみ
https://www.youtube.com/watch?v=Z6gOpDP7KYA

ファイト! 竹原ピストル
https://www.youtube.com/watch?v=2lzP8f3kDns

しかし竹原ピストルがNHKの紅白歌合戦に出場するとは、誰が想像しただろうか!

悪女 中森明菜
https://www.youtube.com/watch?v=J0NgOMSvf9s
https://www.youtube.com/watch?v=xsqQWTqGwaM

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最後にすごいのを。中島みゆき公認のオープン映像のようです。
毒殺されないように!

This is the performance of Nakajima Miyuki by herself.
I felt Edith Piaf.

愛だけを残せ 中島みゆき
https://www.youtube.com/watch?v=gUDikbjabaw

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ではおやすみなさい  Good night everyone🌙

夜曲(Nocturne) Soko
https://www.youtube.com/watch?v=X9_OikoLMSU

 

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2024年8月29日 (木)

続・生物学茶話244:記憶の科学のはじまり

243では記憶の源流は馴化にあり、それはニューロンにおける代謝の変化やそれに関連しておこるシナプスの電子顕微鏡的な微妙な変化がおこることを述べましたが(1)、馴化は練習することでだんだん上手にできるようになり、数分~数時間の短期的なものでなく、数日~数週間も持続する長期の記憶を獲得することもできるようになります(2)。

生化学的な反応は流動的であり、基質・酵素の量や制御因子などの反応条件が変化すれば直ちに変化するので、安定した記憶を維持するためには何か別のシステムによらなければなりません。数日~数週間も持続する変化を維持できるシステムとは何か? それに最初に答えを出したのはベイリーとチェンです。

彼らの業績を紹介する前に、「バリコシティー」という言葉の説明が必要です。専門家以外にはあまり使われませんが日本語訳は「神経膨隆部」で、神経細胞のシナプス前細胞で形成されるシナプス小胞が集積したこぶ状のふくらみのことです。一般的にはシナプスをつくらなくてもそう呼びますが(3)、ベイリーとチェンの論文にあるのは presynaptic varicosity で、シナプス前細胞の終末にあるふくらみです。

彼らは馴化の長期記憶の実験では、30秒ごとに10秒アメフラシの水管に触れるという操作を10回行い、これを1セッションとして1日10回のセッションを10日間おこないました。これによって馴化について長期間の記憶を獲得させることができます。また鋭敏化の実験では別のグループに100mA-2秒の電気ショックを1.5時間ごとに4回与えるというセッションを4日間続けました。これによって鋭敏化の長期記憶を獲得させました。そうしてコントロール群と長期記憶獲得群それぞれの感覚ニューロンのバリコシティーを数えると、図244-1の様な結果となりました(4)。

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図244-1 馴化時・鋭敏化時における感覚神経のバリコシティーの数

馴化群と対照群の差が小さいと思われるかもしれませんが、図244-2のように馴化群の場合、それぞれのバリコシティーにおけるシナプス近傍小胞体の数が馴化群では減少している(アクティブゾーンに接する小胞体が少ない)ことを考慮に入れる必要があります。それぞれのシナプスが質的に変化しています。

ベイリーとチェンの研究によって、それまで謎に包まれていた記憶のメカニズムが、圧倒的にシンプルな形で生物学というまな板の上にのせられました。そういう意味では、彼らはカンデルと共にノーベル賞を受賞すべきだったかもしれません。小胞体がどのようなメカニズムで細胞膜とつながるかについては近々にここでも取り上げる予定です。

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図244-2 バリコシティーの量的・質的変化

ペルオキシダーゼ(HRP)と適切な基質を用いると感覚神経を標識し、光学顕微鏡や電子顕微鏡写真で感覚神経末端を検出することができます。図244-3によると電子顕微鏡でみた感覚神経の軸索末端(バリコシティー)で、介在神経の樹状突起とシナプスを形成し、電子密度の高いアクティブゾーンがみられます。この介在神経には、非常に狭い領域に4つのシナプスが集中しています。

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図244-3 標識した感覚神経と介在神経のシナプスの電子顕微鏡写真

彼らはさらに鋭敏化の長期記憶においては、シナプスのアクティブゾーンの増大などの質的変化よりも、シナプスの数が増えたことが決定的に重要であることを示しました(5)。図244-4は長期鋭敏化を獲得した際の感覚ニューロンの変化を示しています。

感覚ニューロンの軸索は非常に多くの枝分かれ構造を新たに形成し、シナプスの数が増加していることがわかりました(図244-4)。このような変化はタンパク質の新たな合成による細胞構造の変化を前提としているので、数時間程度では不可能で、長期の学習による継続的な構造形成が必要になります。その代わり簡単には失なわれない長期の記憶を獲得することができます。

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図244-4 長期鋭敏化という学習を行った感覚ニューロンの変化

キムらはシナプスは形成されていたけれども有効に使われていなかったものが、長期記憶の際に有効なものに変化していく、すなわち小胞体が形成されアクティブゾーンから神経伝達物質を放出するようになることを報告しました(6)。このプロセスはmRNAがあれば数時間で行われますが、なければ十数時間かかります(6)。いったん構造が形成されていれば長期のトレーニングは不必要で、それより短い時間で動作を思い出すことができるということでしょう。

その後の研究によって、ベイリーとチェンがアメフラシで発見した記憶のメカニズムは、私たち哺乳類の海馬の記憶メカニズムと原理的に同じであることが明らかになってきました(7)。

参照

1)続・生物学茶話243:記憶の源流をたどる
http://morph.way-nifty.com/grey/2024/08/post-49f9de.html

2)「記憶のしくみ 上」 ラリー・R・スクワイア エリック・R・カンデル 講談社ブルーバックス (2009) p.122

3)東京医科歯科大学 教育用資料 シナプス伝達の修飾
https://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/pdf2/neuromod.pdf

4)Craig H. Bailey and Mary Chen, Long-term memory in Aplysia modulates the total number of varicosities of single identified sensory neurons., Proc. Nati. Acad. Sci. USA, Vol. 85, pp. 2373-2377, (1988)
DOI: 10.1073/pnas.85.7.2373
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3353385/

5)Craig H. Bailey and Mary Chen, Time course of structural changes at identified sensory neuron synapses during long-term sensitization in Aplysia. The Journal of Neuroscience, vol.9, no.5, pp.1774-1780 (1989)
DOI: 10.1523/JNEUROSCI.09-05-01774.1989
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2723749/

6)Joung-Hun Kim, Hiroshi Udo, Hsiu-Ling Li, Trisha Y Youn, Mary Chen, Eric R Kandel, Craig H Bailey, Presynaptic Activation of Silent Synapses and Growth of New Synapses Contribute to Intermediate and Long-Term Facilitation in Aplysia., Neuron, vol.40, pp.151-165 (2003)
https://doi.org/10.1016/S0896-6273(03)00595-6
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627303005956

7)Craig H. Bailey, Eric R. Kandel, and Kristen M. Harris, Structural components of synaptic plasticity and memory consolidation.,
Cold Spring Harb Perspect Biol., vol.7(7):a021758. (2015)
doi: 10.1101/cshperspect.a021758.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26134321/

 

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2024年8月27日 (火)

川内原発1号機本日起動 ふぇ~~~

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NHK: 川内原発1号機 原子炉起動 原則の40年超えた運転 全国4基目
7月、運転開始から40年を超えた鹿児島県の川内原子力発電所1号機は、定期検査に伴い運転を停止していましたが、27日午後、原子炉を起動し運転を再開しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240827/k10014561381000.html

台風10号が明日にも九州南部を直撃しようとしている今日、なんと本来なら40年が期限であるはずの原発が特例延長で起動しました。それは鹿児島県のまさしく暴風圏に入りそうな川内原発です。

写真で見るとおり海沿いにあるこの原発で事故が起こると、どうなるのでしょう? なにしろ雨量がトータル1000mmを超えるところもあるという気象庁の予想も出ているわけですから、良識のある人なら台風が過ぎ去るまで数日起動を遅らせることになるとおもいますが、電力会社にはそういう発想は全くないようです。自分たちは無謬の神だとでも思っているのでしょうか? 道路が冠水したら誰も助けに来れませんよ・・・。(追記 29日現在 川内市で大規模停電が起きているようです)

https://www.youtube.com/watch?v=MbpNTO3hEGE

鹿児島県 台風時の原発事故は「想定外」 大規模停電で無責任体制露呈

http://hunter-investigate.jp/news/2015/08/post-749.html

ミーナどうしよう?
ミーナ「思案投げ首...」

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2024年8月24日 (土)

World music collection 17: Mad About Lemon

Heidi

https://www.youtube.com/watch?v=x6BtZOodyVE

これは Hot Club Du Nax (Vocal: Isobel Cope) のミュージックビデオですが、ここでのターゲットは後ろのコーラスです。コーラスの向かって一番左の人が Heidi Erler さんですが、この人は唇でトランペットとサックスとトロンボーンの間くらいの音が出せるのです。2分くらいからです。

A woman of back chorus made a sound like that between trumpet, sax and trombone by her lips only. It is amazing. (from about 2 min)

打楽器とかトランペットの音を出すパフォーマンスはよくありますが、こんな音を出せる人を見るのは(聴くのは)はじめてです。驚異的な美しい音です。

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3人はユニットです。

中世の教会音楽をポップスにしようとしているのでしょうか?

Light love lemon
https://www.youtube.com/watch?v=h8HBYa7UCN0

グループ名は 「Mad About Lemon 」
日本のアーティストでは青葉市子の音楽に近いかな 文明批判もあります

Modern People
https://www.youtube.com/watch?v=FKvtBSLP2P8

Thought You Think I Knew
https://www.youtube.com/watch?v=zW_R8uJmEFs

Paintings on the Wall
https://www.youtube.com/watch?v=88ybgTt5CbM

 



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2024年8月21日 (水)

わが家を終焉の地に選ぶ者 セスジスズメ

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毎年この季節になると、わが家を終焉の地とする者が数多く訪れます。

これはスズメ蛾の一種セスジスズメ(Theretra oldenlandiae)ですが、もう2日間じっと動かずに壁にとまっているので、やはりその種の訪問者なのでしょう。足が一本とれています。苦難の人生だったのでしょうか?

彼にとってはここが静かで心安まる場所だったのかもしれません。スマートなデザインの美しい蛾です。写真くらい残してあげましょう。

彼らは静かな場所をさがしてじっとそこにとどまり、力尽きると落ちて死ぬわけですが、人間が死ぬのは大変です。

火葬は法律で決まっていますし、その順番待ちが大変ですし、葬式の準備も大変です。だれでも死ぬわけでもありますから、私は火葬は公費で行うべきだと思いますし、法律で決められていることが2週間も遅滞するというのは行政の怠慢だと思います。

Marianne Faithfull  "This little bird"

https://www.youtube.com/watch?v=INAaRVVfkts

https://www.youtube.com/watch?v=sInFKoezcyw

Lyrics

https://genius.com/Marianne-faithfull-this-little-bird-lyrics

 

 

 

 

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2024年8月19日 (月)

続・生物学茶話243:記憶の源流をたどる

生物の歴史をどこまで遡れば記憶の起源にたどり着くのでしょうか? ルネ・デカルトは「我思う故に我あり (Cogito ergo sum)」という名言を残しましたが、スクワイアとカンデルはこれは誤りであり「我々は、たんに考えるから、我々なのではなく、考えてきたことを思い出すことができるからこそ、我々なのである」と主張します(1、図243-1)。

私も記憶しそれを思い出すことはコギト(自意識)そのものであると思います。最も始原的な記憶とは何かというと、それは馴化(じゅんか)です。感覚器→感覚神経→運動神経→筋肉という4つのパーツを獲得し、方向性を持った情報伝達が可能になったとき、生物はおそらくほぼ同時に馴化という始原的な記憶を獲得しました。

カンデル、ベイリー、チェンらは貝殻をもたない軟体動物であるアメフラシを実験動物に使って、馴化やその逆の鋭敏化という問題に取り組みました。哺乳類の脳には1000億~1兆個レベルのニューロンがありますが、アメフラシは約2万個のニューロンしかなく、しかもそのニューロンの細胞体のサイズは直径200-1000μmという哺乳類に比べると一桁巨大なので、実験をおこなうには圧倒的に有利です。たとえば電極を刺したり、マイクロシリンジで薬物を細胞に投与したりする操作が容易にできます。

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図243-1 スクワイアとカンデルの著書 講談社ブルーバックス(2013)

馴化や鋭敏化を含めて、記憶は神経伝達がシナプスというニューロンとニューロンを連結するメカニズムを介して行われるということが現在では明らかになっています。シナプスを介した情報伝達には方向性があり、1)シナプス前細胞に存在するシナプス小胞がシナプスを形成する細胞膜と融合合体し、2)シナプス小胞に含まれる神経伝達物質をシナプス間隙に放出し、3)その神経伝達物質をシナプス後細胞表層の受容体が受け取って細胞内に情報を伝えるという方式によって行われます。このメカニズムはアメフラシでも哺乳類でも同じです。フランスの解剖学者ルネ・クートー (René Couteaux) はこのようなメカニズムを発見しましたが(2、3、図243-2)、例えば脳科学辞典のシナプス小胞の項目に名前がでていないように、彼の業績は軽視されがちのようです。

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図243-2 ルネ・クートーの肖像と電子顕微鏡写真  (A)(B)Arrow: シナプス特有の電子密度の高い構造 Arrow head: 中味をシナプスに放出しているシナプス小胞 (D) シナプス小胞は小胞体から補給される

同じ刺激が連続的に発生したとき、もし情報伝達の径路に生化学的なプロセスが噛んでいるとすれば、時間が経てば反応物質が枯渇してプロセスの続行に支障をきたすことは明らかです。ですからシナプスが実現したと思われるエディアカラ紀からこの意味での馴化という現象は存在したと思われます。しかしたとえば波が打ち寄せるというような現象に対して常にこのようなことが起こっているとすると、反応物質は常に枯渇しているということになります。そうなると突発的な刺激に対して反応できないどころか、神経系を持つ意味が失われます。ですからそこには進化の圧力が働いて、反応物質が枯渇する前に積極的に反応を停止するメカニズムが生まれたことは想像できます。

おそらく積極的と思われる馴化機構について最初に示唆を与えたのはクレイグ・ベイリーとマリー・チェンです(4、5)。彼らはアメフラシを用いて、短期馴化のプロセスにおいてシナプスそのものに大きな形態的変化はあらわれないが、シナプス前細胞の小胞放出部位に結合しているシナプス小胞の数が減少することをみつけました(図243-3、まるでシナプス小胞がシナプスを避けているように見えます)。このようなメカニズムなら神経伝達物質の枯渇は防げます。

またこのニューロンの中のカリウムチャネルが活性化し→ニューロンの脱分極持続時間の短縮→カルシウムチャネルを通って流入するカルシウム量の減少→神経伝達物質放出量の減少、という現象が起こるということがわかっています(6)。これは「波が打ち寄せるというような無害な繰り返しに対しては反応しなくて良い」という始原的な記憶機構と言えると思います。この記憶は強い刺激が来れば初期化されてしまいます。

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図243-3 馴化とシナプス ベイリーとチェンの電子顕微鏡写真

波など弱く無害な刺激の場合は馴化するのが妥当ですが、嵐がきたりして激しい刺激があるとそういうわけにもいかないでしょうし、特にカンブリア紀にはいると他の生物に食いつかれたりする危険が発生して、これに対応するためには神経系をアラート状態にする、すなわち鋭敏化が必要になります。

鋭敏化を実現するためには、鰓を閉じる筋肉が敵の攻撃を察知する全身の感覚神経と接続している必要があります。そのためには感覚神経と運動神経の直接接続だけでは感覚神経のシナプスが多すぎてバランス的に無理で、別個に介在神経(介在ニューロン)が必要となります。ここで様々な場所での負傷状況を認識して筋肉に伝えるという新機軸ができました(図243-4、Bは尾が強い刺激を受けた場合 この図は参照文献(8)にあるものの再掲です)。これによって負傷すると致命的な鰓を閉じ、さらに強力な刺激に対しては、煙幕を張って逃走するという行動を行います。

図243-4には描いてありませんが、介在ニューロンは主としてセロトニンという神経伝達物質をシナプスに放出し、感覚神経はこれを受けてcAMPを産生し、cAMPで活性化されるタンパク質リン酸化酵素(Aキナーゼ)の作用でカリウムチャネルをリン酸化し、これを不活化することによって脱分極時間を延長します。脱分極時間が延長されるとカルシウムチャネルが開いたままとなりカルシウムが大量に流入してシナプスの活動が活性化されます。一種の正のフィードバックです。もう忘れているかもしれませんが、これは高校生物で学習します(7)。

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図243-4 アメフラシの馴化(A)と鋭敏化(B)に関係した神経ネットワーク 詳細は参照(8)をご覧下さい

私見では鋭敏化のメカニズムは、おそらくカンブリア紀になってからできたものだと思います。エディアカラ紀にもそれがあった方が良いという刺激は存在したのでしょうが、それは日常的におこることではなく、進化圧力となるほどではなかったと思います。カンブリア紀になると敵に襲われることが日常的におこるようになったので、戦うとか防備するとか逃走するとかの前段階として神経系が鋭敏化を準備することには強い進化圧力があったに違いありません。

馴化はコギト(自意識)と直結するものではないと思いますが、鋭敏化はコギトに直接進化していったと思います。敵を認識すると言うことは、自分を認識するということと同じではないでしょうか。そう考えるとアメフラシがコギトを持っていても不思議ではありません。

シナプス周辺の変化はある程度安定しており、これが記憶の源泉となります。その安定性によって短期記憶から長期記憶までのバラエティをつくることもできます。コギトの問題は別としても、馴化と鋭敏化が記憶の源流であることには間違いなさそうです。そして馴化も鋭敏化も、これまで述べてきたようにシナプスの活動を変化させることによって実現します(9)。

ここで述べてきた非陳述型短期記憶についてまとめると

1.記憶はシナプス強度の変化とその持続によって行われる
2.シナプス強度の変化はシナプス前細胞から放出される神経伝達物質の量に依存する
3.シナプス強度の変化は感覚神経と運動神経だけでなく、介在神経細胞でもおこる
4.非陳述記憶は記憶を専業とするニューロンによって行われるのではなく、関連する神経経路全体に内蔵される

陳述記憶とはその内容を絵・言葉・文字などで想起することができる事実に関する記憶であり、そうではないアメフラシのエラ閉じなどは非陳述記憶ということになります。短期とは通常数分~数十分のことです。

 

参照

1)「記憶のしくみ」 ラリー・R・スクワイア エリック・R・カンデル 講談社ブルーバックス (2009) まえがき

2)Constantino Sotelo, The History of the Synapse., Anat. Rec., vol.303 pp.1252–1279 (2020) doi: 10.1002/ar.24392
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32323495/

3)Shigeru Tsuji, René Couteaux (1909–1999) and the morphological identification of synapses., Biology of the Cell vol.98, Issue 8, pp.503-509 (2012)
https://doi.org/10.1042/BC20050036
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1042/BC20050036

4)Craig H. Bailey, Mary Chen, Structural plasticity at identified synapses during long-term memory in Aplysia., Journal of Neurobiology vol.20, pp.356-372 (1989)
https://doi.org/10.1002/neu.480200508
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/neu.480200508

5)Craig H. Bailey, Mary Chen, Morphological basis of short-term habituation in Aplysia., The Journal of Neuroscience: vol.8, issue 7, pp.2452-2459 (1988)
https://www.jneurosci.org/content/8/7/2452.short

6)伊藤悦朗 学習:とくにアメフラシの場合
https://cns.neuroinf.jp/jscpb/wiki/%E5%AD%A6%E7%BF%92%EF%BC%9A%E3%81%A8%E3%81%8F%E3%81%AB%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88

7)動物の生きる仕組み事典 学習:とくにアメフラシの場合
https://cns.neuroinf.jp/jscpb/wiki/%E5%AD%A6%E7%BF%92%EF%BC%9A%E3%81%A8%E3%81%8F%E3%81%AB%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88

8)続・生物学茶話142: アメフラシとセロトニン
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/05/post-625abf.html

9)JT生命誌研究館 進化研究を覗く 神経記憶III
https://www.brh.co.jp/salon/shinka/2016/post_000024.php

 

 

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2024年8月17日 (土)

残暑お見舞い申し上げます

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読者の皆様 残暑お見舞い申し上げます

残暑という言葉が似つかわしくない昨今で、ちょっと買い物に行くのも生命の危険を感じるくらい暑い毎日です。却って台風が一休みで良かった感じです。団地の植物もたっぷり水にありつきました。

ベランダのハイビスカスが美しい花を咲かせました。セミもカナブンもスズメも元気です。
そうそう、今日はみーちゃんのお誕生日でした。おめでとうございます。

皆様も健康第一でお過ごし下さいませ。

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行けなかったラドンナ原宿

 

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バテ

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2024年8月16日 (金)

米価格上昇 copy and paste 💢💢💢

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2024年8月14日 (水)

福島第一原発2号機 放射性物質含む水 約25トンが流出

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海から見た福島第一原子力発電所(ウィキメディアコモンズ)

福島第一原子力発電所からの汚染水放出がそれほど大きな環境負荷を与えないだろうということは納得しますが、それは万事予定通りで何事もなかった場合の話で、何か重大な手違いがあった場合には、今まで永年の例から見ておそらく東電は隠蔽するあるいは嘘をつくだろうと予想します。

今回の事故は致命的ではないと考えて公表したのだと思いますが(それでも発見が8月9日で発表は8月13日)、どうもある程度の報道管制はかかっているようです。発表を信用するとして、核燃料に直接接触していた水が無処理で25トンも流れ出したのですから驚きです。だいたい25トンも流出するまで気がつかなかったというのもあきれます。それがどこに行ったかも推測しているだけです。

3.11は2011年です。ずいぶん時間が経ちましたが、あれから壊れた原子炉にあった核燃料デブリは全く取り出されておらず、そのままです。

NHK:福島第一原発2号機 放射性物質含む水 約25トン 建屋に漏れ出る

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240813/k10014548391000.html

 

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2024年8月12日 (月)

蝉(セミ)

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私は昆虫のことはよくわからないので、半翅目がカメムシ目になったことも知りませんでしたが、そうするとセミもカメムシ目になるわけです、これはセミがかわいそうかも? 最近団地の壁に抜け殻がくっついているのを発見しました。ここで脱皮したに違いありません。

今年はまあセミはそこそこ多い年のようですが、アブラゼミについて言えば、ちょっと暑すぎて昼間は休む時間が多いようであまり鳴いていません。たくさん居ることは目視で確認できます。ときどきジッジという地味な鳴き声で鳴きながら数メートル移動します。鳥のように地鳴きとさえずりがあるみたいです。夜は鳴く日と鳴かない日があって、鳴く日はずっと何時間も鳴いています。鳴くか鳴かないかが何によって決まっているのかよくわかりません。

セミはどうも恐竜の全盛期だったジュラ紀にはすでに地球上に存在していたようで、素晴らしい化石がウェブサイトに出ています。
https://www.kaseki7.com/items_fossil/ot/1190.html

私の趣味で選んだ セミに因んだ音楽

夏蝉 / 熊木杏里
https://www.youtube.com/watch?v=INu-PqINm6U
https://www.youtube.com/watch?v=x3FV-qimxdM
https://www.youtube.com/watch?v=vnbnTV6wO54

まきちゃんぐ / 八日目の蝉
https://www.youtube.com/watch?v=xxypJr2b5gk
https://www.youtube.com/watch?v=ypwkh7kWJrI

covered by かめいゆみ
https://www.youtube.com/watch?v=cOss9-D9W-I

 

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2024年8月10日 (土)

ハーディング-都響 マーラー交響曲第1番@サントリーホール 2024/08/10

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多分今シーズンベストの都響演奏を聴けるのではないかという期待に胸を膨らませて、猛暑の中サントリーホールにでかけました。今日のメインはマエストロ・ダニエル・ハーディングが指揮するマーラーの交響曲第1番です。コンマスは水谷さん、サイドは山本さんです。

最初の曲目はベルクの「7つの初期の歌」で、歌詞は予習していったのですが、あまりにもロマンティックあるいはエロティックな歌詞でびっくりしました。ニカ・ゴリッチさん(S)はどちらかといえば清潔感が感じられるシンガーでちょっと違うかなと思いました。この人、モーツァルトやプッチーニのオペラはどうなんだろうと想像をかきたてられます。

後半のマーラー交響曲第1番は、まさにマーラーはこうじゃなくっちゃというはまりにはまった演奏で予想に違わぬ名演でした。緊張感溢れるオーケストラ、崩壊しそうな美しさと変態的躍動感のあるアーティキュレーション、退廃的な匂いがする繊細な弦のアンサンブル、それを主導する管楽器群、ホルンもいつになく素晴らしい。是非都響とマーラーチクルスをやって欲しいと思いました。

SNSをみると昨日は演奏の途中で地震が来て大変だったようですが、今日はそのようなこともなく無事終了しました。彼は3.11の日に日本でマーラーを演奏しており、聴衆と共にホールで宿泊を余儀なくされたという地震に縁のある人です。

拙稿:3月11日のマーラー
http://morph.way-nifty.com/grey/2012/03/post-55fe.html

終演後のショットを1枚(ヴィオラ以外! 全員こっち向いてるという不思議)

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2024年8月 9日 (金)

私の好きな写真 ラモン・イ・カハール

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この写真は Santiago Ramon y Cajal がノーベル賞を受賞した翌年1907年に撮影されたそうですが、public domain となっています。一寸疲れたけれど、真実に突き進もうとする不屈の意志が感じられます。

1906年のノーベル賞は、神経は網状に全体がつながっているというゴルジ(網状説)と、いや神経はニューロンという多数の細胞が短い間隙=シナプスで分断されているというカハール(ニューロン説)の両者が受賞するという、長いノーベル賞の歴史の中でもまれなケースでした。

その後の電子顕微鏡による研究で、カハールが正しかったことが証明されました。カハールはそれだけではなく、ニューロンには運動ニューロン、感覚ニューロン、介在ニューロンの3種類があることまで提唱しました。このことは信号の伝達に細胞内で方向性があることも意味します。これらの予言はすべて後に正しいことが証明されました。

また彼が描いた顕微鏡写真のスケッチは現代の教科書にも掲載されるほど正確で美しいものです。

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これは彼が描いた小脳のプルキンエ細胞のスケッチです(パブリックドメイン)。なぜひとつの細胞が、こんなに複雑な樹状突起を形成すべきなのか、それは現在でも謎です。

 

 

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2024年8月 8日 (木)

梅田 テアトロジーリオ・ショウワ・オーケストラ @フェスタサマーミューザ2024

Umeda

ミューザ川崎シンフォニーホールは素晴らしいホールで、こんなホールができることを知っていたら、川崎に住んでいたと思います。しかし現実は厳しい。もう川崎まで行くのはとてもつらいという年になってしまいました。小池都知事が始球式で骨折したというニュースがはいってきましたが、齢を重ねると言うことは、自分で考えるより重くのしかかってくるのです。

ですから今年はもうサマーミューザを卒業しようと思っていたのですが、どうしても行きたい演奏会がひとつだけあって、卒業を延長することにしました。それはテアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラとマエストロ梅田のコンビで演奏するブルックナー交響曲第7番ホ長調です。

マエストロ梅田のブルックナーを一度聴いてみたかったのと、Z世代のブルックナー演奏を一度聴いてみたかったというダブルの誘惑は断ち切れません。最近生演奏やCDで聴いたブルックナーがどうもしっくりこないというのもありました。

卒延は大正解。聴衆は1/3くらいしかホールを埋められませんでしたが、その真摯でとてもアマオケとは思えないようなレベルの高い演奏に圧倒されました。特に第2楽章はワグネルチューバの深い音色と寸分違わぬアンサンブル、ホルンとのコラール、弦の緻密で繊細な調べ、トランペットソロの輝き、豪快なトロンボーン、特筆すべき終盤のやわらかなフルート、そしてマエストロ梅田の指揮と相まってみんな絶好調でした。おそらく丁寧で気合いのこもったリハーサルの賜でしょう。私をまたブルックナーの音楽に引き戻してくれたことに感謝したいと思います。

Muza

外に出ると稲妻が走る空でしたが、ミューザは温かいまなざしで私を見送ってくれました。

 

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2024年8月 6日 (火)

原爆の日 2024

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私の父はまだ士官学校を出たばかりの将校で、呉から中国に向かうために広島から移動していました。しかし突然連絡が入り、小隊を率いて広島に戻れという指示があり、急遽広島に戻ることになりました。仕事は広島に落とされた原爆の後始末、具体的には死体の処理でした。もちろん被爆し、小隊のメンバーは若い人ばかりでしたが、戦後全員早死にして父だけ生き残りました。おそらく指揮官だったので、自分で作業しなかったためと思われます。

父は被爆したにもかかわらず、被爆者手帳は持っていませんでした。軍人だったからだと思います。それで終戦後結婚して私が生まれました。

父が所属していた部隊は船で中国に向かいましたが、米国の潜水艦により撃沈され全滅しました。ですからもし原爆が投下されなかったら父も亡くなっていたはずで、私が生まれることはなかったのです。その父も40台で病死しました。私は部下の早死になどを考えると、父の死にも被爆の影響があったと思っています。

私は仏教徒ではありませんが、原爆の日には父も含めて原爆犠牲者のために般若心経を朗読することにしています。

(画像はウィキメディアコモンズ 手前は瀬戸内海)

 

 

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2024年8月 4日 (日)

パリオリンピック:なでしこジャパン4

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541のフォーメーションは、サッカーというゲームのなかでは最も守備的な作戦で、なでしこジャパンは勝つためにこのフォーメーションを選択しました。このため70%以上のボール支配を許したり、ラインの外にただ蹴り出すクリアを行ったりと、とても情けない試合運びを甘受することになりましたが、そこそここの作戦はうまくいっていたと思います。

守備的な作戦としてはバルサシステムというのもありますが、これは国内リーグの有力チームがファームから採用して選手を育てないとできないので、現状では不可能でしょう。ただ541というのは、主催者としてはこのようなチームに勝って欲しくはないという願いはあるでしょう。バルサシステムは一見守備的には見えないので許容されます。

これで思い出すのは究極のバルサシステムを完成させたペップバルサが、チャンピオンズリーグでインテルと当たったときに、ほとんどの時間ボールを保持してインテルに何もさせなかったという試合があって、これはさすがに明石家さんまなどは激怒していました。相手の攻撃時間を極限まで減らせるのがバルサシステムなので、将来円高になって選手の海外流出がとまれば、なでしこでも考えて欲しいと思います。

541で勝つには、やはりCFに特に有能な決定力のある選手が必要です。田中美南はワントップを張るにはちょっとタイプが違うような気がしましたし、好調とも言えなかったと思います。延長でのロドマンのシュートは、そこしかないというところにコントロールした絶妙なものでした。

いろいろ課題があったとは言え、観客としては谷川萌々子のロングループと北川ひかるのバナナゴラッソを見せていただいたことで大満足でした。 Visca la Nadesiko, visca Japan

谷川萌々子

https://www.youtube.com/watch?v=oVl76KawW0Y

北川ひかる

https://www.youtube.com/watch?v=o-WAj3EpYjQ

(画像は一昔前のものです ウィキペディアより)

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