2018年2月17日 (土)

アンリ・ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第7番イ短調

71hqlzd61dl__sl1093_アンリ・ヴュータンの作品はあまり聴いたことがなかったのですが、都響のコンサートアーカイヴで検索すると、1977年にヴァイオリン協奏曲第4番、1994年にヴァイオリン協奏曲第5番を演奏していました。まだ会員になってから20年くらいしかたっていないので、私はどちらも聴いていません。後述する第7番は、まだ都響の演奏会でとりあげられたことはないようです。

ヴュータンは19世紀にフランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト兼作曲家で、若い頃は彼の出演するコンサートは大変な人気だったそうです。しかし晩年は体が不自由で、アフリカでわびしい生活を送ることになり、酔っ払いが投げた石に当たって命を落としたとのこと。

私のお気に入りは、彼が晩年に作曲したヴァイオリン協奏曲第7番で、これは美しい旋律がふんだんに盛り込まれた素晴らしい作品だと思います。あまりに甘美な作品なので、むしろサラッと弾いてくれた方が聴きやすいかもしれません。

メランコリックなオーケストラの演奏を断ち切るようにスクリームするヴァイオリンで始まる第1楽章。一段落するとヴァイオリンもたっぷりロマンティックなメロディーを奏で、技巧も披露します。圧巻は第2楽章。主題はひとつですが、なんともの悲しくも美しい旋律なのでしょう。第3楽章は軽快で技巧的な第1主題とチャーミングなメロディの第2主題のミニ・ソナタ形式。

私が聴いたのは FUGA LIBERA の全集に収録されているもの。ヴュータンのヴァイオリンコンチェルト7曲が全部収録されていて¥2936は安いと思います。演奏も立派なものです。
https://www.amazon.co.jp/Complete-Violin-Concertos-Henri-Vieuxtemps/dp/B004CN8HME/ref=sr_1_57?s=music&ie=UTF8&qid=1518852352&sr=1-57&keywords=Vieuxtemps

YouTube で試聴できます。全集と比較するとこのナクソスの演奏の方がきちんとしているかもしれませんが、第2楽章は全集のハリエット・ラングレイの演奏が好きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BD81V7gIH_I

H. Vieuxtemps Elegie for viola and piano, op. 30   
https://www.youtube.com/watch?v=VF44dYADPwI

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2018年2月15日 (木)

平野歩夢の風格

Freeresourcessnowboardphotos07平昌オリンピックたけなわです。

これまでのところ、私が一番印象に残ったのは、ハーフパイプの平野歩夢です。

まだ19才の学生だそうですが、その話し方や物腰には風格が漂っています。尊敬に値しますね。聞いていて実に気持ちが良いです。

いつも恐怖と戦ってきて、それを克服したという清々しさがそうさせるのでしょうか?

私もこのようにありたいとは思いますが、結局まねしようと思っても、そんな試みは破綻するに違いありません。

彼の演技は、おそらくショーン・ホワイトより優れた演技だったとされていますが、

http://pyeongchang.yahoo.co.jp/column/detail/201802140008-spnavi

そんなくやしさはおくびにも出さずインタビューに応じていました。

本人のキャラもさることながら、親の育て方もよかったのでしょう。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180215-00000509-san-spo

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2018年2月13日 (火)

メッシも柴崎もキラーパスを供給できずドロー

Braugranaミッドウィークのバレンシア戦(国王杯)で勝利したのはいいとして、しだいに選手のコンディションを維持するのが難しくなってきました。ヘタフェ戦のスタメンCBはなんとミナとディニュという2人共バルサではじめてのポジションでのけぞりました。大丈夫か!?

パコが先発で、この場合はスアレスとの2トップで442です。中盤がラキ、メッシ、コウチーニョ、ブスケツでは、コウチーニョがよほど頑張らないと攻撃が薄くなりそうです。カンプノウでの試合ですから、このメンバーで堅守のヘタフェから得点をもぎとらないといけません。

ヘタフェはホルヘ=モリーナではなく、アンヘルの1トップでトップ下が柴崎。左右がポルティ-ジョとアマト。4231でしょうか。厳しくチャージしてくるプレイスタイルで、バルサとしてはなかなかスムースに回すのが大変です。テア=シュテーゲンがドリブルでチャージを回避するような場面もあってドキドキです。

ミナは予想通り、長身を利してCK時には文句なしのターゲットになります。2回ほど絶好のチャンスがありましたが、わずかな誤差でそれて得点できませんでした。スアレスは焦りすぎでオフサイド連発です。後半はバルサが球を持てる展開でしたが、これではせっかくのチャンスも生かせません。メッシはゴールから遠い位置でしかドリブルを許されず完封されました。

ヘタフェには何度か勝つチャンスがありました。アンヘルとミナの1:1もありましたし、柴崎が左から抜けてのショートクロスは角度が浅くてGKにキャッチされていまいました。また後半にはテア=シュテーゲンが前に出すぎて、柴崎のビッグループで万事休すかと思いましたが、キックをミスってしまいました。残念というかラッキーというか(笑)。

このはじめてのCBでエンパテはやむなしともいえますが、ホームゲームですし、アトレチコもレアルマドリーも勝っているのでうかうかできなくなってきました。ミナはやはりCKストライカーとしても期待できそうです。末永くバルサの守備のエースとして活躍して欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=-fRrMMGUD64
https://www.youtube.com/watch?v=Z1DFzOkvTtw


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2018年2月11日 (日)

サロネン-フィルハーモニア管弦楽団 in Eテレ

320pxesapekka_at_apple_store_in_ber今日のクラシック音楽館はすごかったです。チョ・ソンジンの名演もさることながら、それがふっとぶくらいサロネン=フィルハーモニア管弦楽団には参りました。

サロネンはマーラーの交響曲第4番(ロスフィルとの非常に若い頃の演奏)のCDを聴いて以来のファンでしたが、ここまで素晴らしい演奏を聴かせてくれるとは! もうフィルハーモニア管弦楽団とも永いので、熟成してきているようです。都響も刺激されたと思います。

これぞオーケストラという音で、ある意味くせがない文句のつけようも無い堂々たる演奏でした。自分の趣味としてベートーヴェン交響曲第7番の第2楽章はゆっくりめのテンポで、情緒たっぷりに演奏して欲しいのですが、最近はそのような演奏は間違った解釈とされているようで(アレグレットだし)、ほとんどないようです。サロネン=フィルハーモニアも、暗く地味でそっけない感じの演奏でした。

テレビに脱いだ靴(ハイヒール)が映っていましたが、入場の時だけ履いてはいってきて、脱いで演奏している女性奏者がいるんですね。誰かは特定できませんでした。1Vn2列目で弾いているのは岩淵麻弥さんという日本人奏者の方だそうです。このようなオケのメンバーとして、サロネンのような有能で愉快な指揮者と仕事が出来るのは素晴らしいことだと思います。

(写真はウィキペディアより)

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2018年2月10日 (土)

準・メルクル-都響@サントリーホール2018年2月10日

Imgこのポスターを斬新でかっこいいという人もいますが、非常に字が読みにくいので困ります。久しぶりに極寒を抜けだし、過ごしやすい冬の日です。夜には雨が降るそうですが、今日の演奏会はマチネ。チケットは完売です。

指揮者はマエストロ準・メルクル。頻繁に来日している指揮者ですが、意外にも都響演奏会には初登場だそうです。

コンマスは四方さん、ととと、髪型が外巻きから内巻きに変わっていました。慣れるまで違和感があります。サイドは山本さん。Cbの佐野さんが池松さんにボールペンを借りて楽譜になにやら書き込んでいます。直前までチェックとは仕事熱心です。

メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」は波浪と強風と暗いミステリアスな洞窟を感じさせる素晴らしい音楽と演奏でした。マエストロ・メルクルはキュー出しなどとても丁寧な指揮で、それなりに好感が持てます。明快にオケを整理していく中で、情緒がそこはかとなく湧き上がってくる感じがいいですね。

ドヴォルザークのチェロ協奏曲はソリストがエドガー・モロー氏。まだ20代の清々しい青年で、音楽も強引にドライヴするところがなく、楽器を自然に歌わせている感じの演奏です。その楽器がまた格別(テヒラー)。繊細で趣味の良い音楽です。サトー・ミチヨ氏のクラリネットの暗い音色が印象的です。四方さんも細心の心遣いで違和感が無いようにモローに寄り添います。拍手喝采に答えてアンコールはバッハ無伴奏組曲第3番のサラバンド。

休憩後のシューマン「ライン」もマエストロは都響の名技を引き出すべく、奇をてらわない実直な演奏です。曲の長さを感じさせない楽しい演奏でした。終了後トロンボーンだけ立たさなかったのは・・・奏者はお気の毒。

Edgar Mareau:
https://www.youtube.com/watch?v=ndwLsEqyAwI
https://www.youtube.com/watch?v=7uPdGGG6G70

準メルクル
https://www.youtube.com/watch?v=sWq4oKnG7ao
https://www.youtube.com/watch?v=LBM0Z-DHAvQ

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2018年2月 8日 (木)

サラとミーナ197: そこで寝るのか!

Imgb

↑ なんとキャットハウスを上からつぶして眠るサラ。どこからこんな発想がわいてくるのでしょうか? 寝心地悪いと思いますけどねえ??? サラは猫らしい猫だと思いますが、ちょっと変わったところもあるんですね。ちゃんと元に戻しておいても、またつぶして寝ます。ちなみに右のソファーはつめとぎでボロボロになっています。

Imga

↑ 部屋を暖かくしておくと、ミーナは部屋の真ん中で、思い切り伸びきって寝たりします。こっちは猫らしくないといえば猫らしくない感じ。

Yerry Mina.jpg

↑ バルサの Mina 選手.。パルメイラス時代の写真(ウィキペディアより)です。

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2018年2月 6日 (火)

いつまで反知性主義者達に政治をやらせるのか?

A1180_001999全国の国立大学研究所の研究プロジェクト費用で、交付される予算は今年度の61億円から新年度は53億円になるそうです。

激減です。進行中の研究も撤収しなければならないケースがでできそうです。減少することも問題ですが、だいたいもとの61億円という予算が少なすぎます。
https://www.asahi.com/articles/ASL254G0JL25ULBJ00Q.html

政府はイージスアショアの導入を決めていますが、これ最低でも2000億円かかるそうです。しかもこれに設置されるはずの弾道ミサイル防衛用の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の迎撃実験を行ったら、ミサイルを撃ち漏らして役に立たないことが証明されています。
https://jp.reuters.com/article/japan-aegis-ashore-idJPKBN1ED058
http://www.sankei.com/politics/news/180201/plt1802010007-n1.html

科学研究をいかに政府が軽視しているかは明らかです。お話になりません。気候変動、食糧、医療、生命、人工知能、火山、地震、資源、情報などの問題を解決するのは科学しかありません。軍拡競争に莫大な予算をつぎ込むのは空しいことです。しかしそれを議論するよりまえに、反知性主義がしみついた連中(人文科学なんていらないそうです)がやっている政治を一刻も早く転換する必要があります。

反知性主義は右左には関係ありません。創始したのは多分スターリンです。反知性主義者はときに特別な考え方の科学を盲信することがあります。ミチューリン・ルイセンコ学説はその代表でしょう。iPS細胞には若干その臭いがします。STAP細胞はそうなりかけていました。

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2018年2月 5日 (月)

最悪気分のコルネリャをドローで切り抜け、リーガ無敗を継続

Braugranaコルネリャ・エル・プラットでのダービーは土砂降りの田んぼサッカー。これではメッシのドリブルは危険要因になりかねないので、休ませたのは理解できます。フォーメーションは433にもどって、FWはコウチーニョ、スアレス、パコの並びとなりますが、とてもワンツーで突破なんてできるようなピッチコンディションではありません。スルーパスも距離感が全くつかめず、スアレスにも良い球がでません。

バルベルデが終了後言っていたように、ロングボールを放り込んでこぼれ球をねらうしかありませんでしたが、後半先に点を取ったのはエスパニョール。セルヒオ・ガルシアの目の覚めるようなロングボールがジェラール・モレノの頭にピッタリでした。ピケの懸命のもどりも間一髪間に合わず。

エスパニョールが頑張って後半も厳しい守備を継続してきたので、これはダメかなと思っていたのですが、お休みと思っていたメッシが途中交代で出場。意味ないのではと思いましたが、メッシはワンツーとドリブルだけじゃありませんでした。FKでピケの頭にピッタリ合わせてゴール。追いつきました。

このあと、試合前にも刺激的な発言をしていたピケが妙な投げキッスのパフォーマンスをやったために一挙に険悪な雰囲気になり、一触即発でしたが、なんとか無事にドローで終了して良かったです。ただウムティティが人種差別的な言葉を浴びせられたとかで、試合後ピッチ上で激昂していました。ディニュの故障退場も非常に心配です。RCDエスパニョールはバルサファンにとってはあまり気分の良いチームではありません。コルネリャもあまりプレーしたい場所ではありません。

https://www.youtube.com/watch?v=xlXJei7mSHY
https://www.youtube.com/watch?v=zclCcCG6uNA
https://www.youtube.com/watch?v=tuWX_mJu9Yw


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2018年2月 3日 (土)

不思議に勝ってしまうバルサ

Braugranaデウロフェウがワトフォードに放出されたのは残念です。右から突破の一芸しかできませんが、その一芸が見たい選手です。まあ監督の立場から言えば芸風は多彩で融通も利くセルジを使いたいという気持ちはわかります。デンベレも大枚支払って獲得した選手なので使いたいのでしょう。今のところデウロフェウの方が良かったような気もしますが。アレイシ・ビダルは残してるんですね。セメドが故障したときが心配なのでしょう。

コウチーニョはもっとFWっぽい選手だと思っていたら、むしろMFとしてはまる選手だったのにはちょっと驚きでした。イニエスタが引退したら彼がコントロールするチームになりそうです。パウリーニョの加入は、伝統的なバルサスタイルとは異なる肉体派のプレイヤーで守備にも攻撃にも素晴らしい活躍です。ここぞと言うときにゴール前に登場する機転もあります。ジェリー・ミナ(Mina)はうちの猫と同じ名前ですし、早くチームになれて活躍して欲しいです。CBですがパルメイラスで43試合出場で8点取っているので、CKからのヘディングも期待できそうです。

今シーズンのバルサは好調ですが、秋口にスアレスが点を取れなかったにもかかわらず、よく勝ちを拾っていけたと思います。メッシもアルゼンチンのナショナルチームが大変で、あまり調子はよくありませんでした。

1月28日のアラヴェス戦は大苦戦でした。バルサの2バックをつく、アラヴェスの作戦は見事でした。スアレスへの縦パスやメッシのドリブルなどがカットされて、待ち構えている2トップに素早くパスが渡ると、2バックでは止められません。再三ピンチを招き失点しました。

レフェリーのアシストもあってやっとこさの勝利でした。秋に球がゴールラインを越えたのに得点を認めなかったレフェリーなので、今回は配慮したのかもしれません。ウムティティはハンドでしたね。メッシのFKはとても得点できるようなコースではなかったのですが、GKフェルナンド・パチェコが最後にミスってくれました。

今年のバルサの強さは、やはりバルベルデの選手の調子をみる眼が優れているのでしょうか? 出場しているけど不調というのは秋の一時期のメッシくらいしか思い浮かびません。スアレスはシーズン開始からしばらくなかなか点をとれませんでしたが、不調という感じはなかったですね。

https://www.youtube.com/watch?v=Tg9OdmUD9cE
https://www.youtube.com/watch?v=9zILwlbXy48


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2018年2月 1日 (木)

「渋めのダージリンはいかが」 ブログ名の由来

ImgこのアルバムがCDに復刻されるとは夢にも思っていなかったので、3年ほど見過ごしていました。1983年のアルバムなので、なんと30年以上経過して初CD化されていました。やっと本日入手。

このブログ名の由来である曲:「ダージリン」 は2曲目に収録されています。

ニコニコ動画で聴けます↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14005481

封を切るかどうかが目下の悩みです。

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2018年1月30日 (火)

やぶにらみ生物論99: 初期発生と情報伝達1

ヒトは一人では生きられないといいますが、多細胞生物の細胞も1個では生きられません。他の細胞が発したシグナルを受け取って、自分が何をすべきかを判断するというシグナル伝達のウェブのなかで多細胞生物の中の細胞は生きています。情報はホルモン、フェロモン、サイトカインなどの生理活性物質、神経伝達物質、臭い、光などで細胞に伝えられますが、それらを細胞膜で受け取って細胞内に伝えるのがGタンパク質共役受容体(G protein-coupled receptor = GPCR)であり、これは生命の本質と極めてかかわりの深い物質と言えます(1)。

GPCRはヘビのようにクネクネと分子を折れ曲がらせて細胞膜を7回貫通しているタンパク質で、糖鎖(N-グリカン)と脂質(パルミトイルグループ)を結合しています(図1)。細胞外に情報物質を受け取る受容体部分があり、ここにリガンドが結合することによって構造変化を起こして細胞内に情報を伝えます(図1)。現在ヒトでは約800種類のGPCRの存在が報告されています。ほとんどの動物はGPCR分子群を保持していると考えられています(1)。この分子を発見した功績でブライアン・コビルカとロバート・レフコヴィッツは2012年のノーベル化学賞を受賞しました(2、図1)。本稿で後に出てくる Wnt (ウィント)はGPCRグループの分子です。

図1はウィキペディアから借用した図で、細かいことが色々掲載されていますが、とりあえずGPCRには細胞外につきだした部分、細胞膜に埋め込まれた部分、細胞内に垂れ下がっている部分の3つの領域があることを見ておいて下さい。

A


幹細胞などの未分化な細胞に何ができるかというと、それは分化と増殖です。それともうひとつ、なにも変化しないでそのまま待機するというのも大事な役割ではあります。幹細胞の元締めは卵ですが、卵も受精するまではなるべく変化しないで待機しているのが普通です、しかし受精するとそうもしておられません。受精したばかりの卵は細胞分裂を行なうと共に、あらゆる細胞に分化するポテンシャルを持っており、さまざまなシグナルによって制御されながら分化への道を歩み始めます。細胞を導くシグナルは多様ですが、とりわけ W nt、TGF-β、FGFなどのグループに所属する分子群は様々な指示を細胞に与える情報伝達物質で、初期発生においても重要な役割を果たしています。

Wnt1は例えばマウスでは370個のアミノ酸からなる分子量41,086のタンパク質で、4ヶ所に糖鎖が結合し、1ヶ所に脂質が結合しています(3)。Wntシグナル伝達経路は単細胞生物・植物・カビ・細菌などにはみられませんが、海綿を含むほとんどの動物(メタゾア)には存在すると考えられています(4)。また単細胞生物にもいくつかのモジュール(経路の一部)は存在するので、これらをうまく組み合わせることによって多細胞生物が成立し得たとも考えられます(4)。

Wntシグナルはショウジョウバエの wingless変異体を Shope が発見したことが発見の契機となったと様々な文献に書いてあるのですが(4-6)、オリジナルの引用はありません。ひょっとするとヒンディー語で書いてあるので引用できないなどということがあるのでしょうか? そういうわけで肖像写真も発見できず、図2に載せられなくて残念です。Wingless変異体群のなかにはwntだけでなく、dishevelled など図2に示したさまざまなWntシグナル伝達経路の要素となる分子の遺伝子変異体が網羅されていました。

哺乳類の Wnt はショウジョウバエのホモログとしてみつかったのではなく、図2に写真を掲載したNusseとVarmusがマウスの乳がん原因遺伝子としてint-1をクローニングしたら(7)、それがショウジョウバエのwinglessのホモログらしい(相同性が高い)ことがわかって、折半して W nt-1と改名したのが真相のようです(8)。現在では哺乳類においては19種類のWntが同定されています(9)。

A_2

標準的なWntシグナル伝達系で重要な役割を果たすのが β-カテニンというタンパク質です。β-カテニン(β-Cat)は通常は構造タンパク質として図3の左図のように、カドヘリンに結合して細胞接着を実行する複合体の一部に組み込まれています。このとき余剰のβ-Catは分解複合体に吸収されてリン酸化され、これが目印となって分解されてしまいます(10、図3)。

ところが Wnt シグナルが存在するとβ-Cat分解複合体が形成されず、細胞質に浮遊するβ-Cat は核にとりこまれて転写因子として機能します(11、12、図3)。同じ分子に全く異なる機能を持たせるというのは危険な選択だと思いますが、このようなやり方を生物は選択したわけです。

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Wntシグナル伝達系はβ-カテニンを介した転写制御以外にも、プロフィリンをはじめとするアクチン結合因子などを介して細胞骨格を制御する機能も持っています(13-15、図3)。胞胚から嚢胚に移行する過程で細胞は変形したり、テンションを与えたり、移動したりするので、Wntシグナル伝達系は様々な方法でこのようなプロセスを制御していると考えられます。Wnt に関してはNusseがWntホームページを運営しているようなので、わからないことがあれば訪問してみると良いかもしれません(16)。

Wntシグナル伝達系にはこれまで述べてきた標準的(canonical)経路以外に、いくつかの非標準的(noncanonical)な経路も報告されています。発展途上の分野でもあり詳しく述べることはできませんが、アクチン結合タンパク質を介してアクチンの重合を制御し、細胞骨格の再編成するという効果をもたらす経路があるようです(17、図4)。胞胚から嚢胚に至る過程で、細胞はさかんに形態変化や移動を行なうので、活発な細胞骨格の活動は欠かせません。

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さてWntシグナルに続いて重要な情報伝達系としてTGF-β スーパーファミリーが関与するものがあります。最初の発見者はアソイアンらとされています(18)。リチャード・アソイアンは現在ペンシルベニア大学で薬理学の教授をやっていますが、若い頃ニューヨーク市街をドライヴ中に銃撃され左目を失うという悲劇を経験しています(19)。運が悪かったのでしょうか、それとも良かったのでしょうか?

Wntと同様TGF-βも様々な多細胞生物にユニバーサルに存在し、23の異なる遺伝子がみつかっています(20)。アンドリュー・ヒンクによって、それらの分子進化的な関係も明らかにされています(21、図5)。

A_5

これらのTGF-β スーパーファミリーのなかから、まずBMPをみてみましょう。BMPは bone morphogenetic protein (骨形成因子)の略称で、ウォズニーらによって1988年にはじめて遺伝子が同定されて、TGF-β スーパーファミリーのメンバーであることがわかりました(22)。現在BMPと名前が付けられている分子はヒトでは12種類あるそうですが(図6でGDFという名前がつけられているものも含めると15種類)、それらが本当に近縁なグループではかならずしもありませんし(図5)、またすべてに骨を形成させる活性があるわけでもありません。モノマーの分子量は多くは2~3万程度です。

このファミリーのタンパク質はwnt と同様、細胞の外から細胞膜の受容体に結合することによって生理作用を惹起するリガンドです。その受容体はwnt とはことなり、GPCR(7回膜貫通タンパク質)ではなく1回膜貫通タンパク質です(図6)。細胞内の領域にはセリン・スレオニンキナーゼの活性部位があります。BMPは骨形成を促進する作用とは別に、初期発生においても中胚葉の誘導などに重要な役割を果たしていることが示唆されています(23-25)

BMP受容体(レセプター)には1型と2型があり、それぞれ2分子づつ合計4分子でリガンドを受け止めます(図6)。リガンドが結合すると2型のセリン・スレオニンキナーゼによって1型のGSボックスという部位がリン酸化されて、1型のセリン・スレオニンキナーゼ酵素活性部位が活性化されます(23、図6)。これによってsmad1、smad5、smad9がリン酸化され,次いでこれらがsmad4と複合体を作ることによって核へ移行し,転写活性を制御することになります。またsmad を介さない経路もあることがわかっています(23、図6)。

A_6


次にFGFについてもふれておきましょう。FGFはFibroblast growth factor(繊維芽細胞増殖因子)の略称で、最初はフーゴ・アーメリンによって報告されました(26)。現在脊椎動物には22種類のFGFが報告されており、ヒトも22種類のFGFを持っています(27、28)。分子量は17kDa~34kDaで様々であり、FGFグループに所属する分子種間の相同性は高くないようですが、それぞれの分子種の動物種間での相同性は極めて高いそうです(28)。NCBIのデータバンクで Fibroblast growth factor 遺伝子の塩基配列を検索すると33610件ヒットしたのでびっくりしました(29)。

FGF受容体は免疫グロブリンスーパーファミリーに所属するタンパク質で1回膜貫通タンパク質です。脊椎動物は4種類のFGF受容体を持つことが知られています。細胞外に免疫グロブリン様ドメインを2または3個持っています(オルタナティヴスプライシングによって変化する)。免疫グロブリンでは抗原を結合するサイトですが、FGF受容体ではFGFを結合します(29、30、図7)。

免疫グロブリンドメインは図7のようにβシートがいくつも折り重なったような構造になっています。FGF受容体は細胞内にチロシンキナーゼドメインを1分子について2個づつ持っており、これでさまざまな分子をリン酸化することによって最終的に転写因子を核内に送り込む役割を持つカスケードを発動します。

A_7


初期発生に重要な役割を持つと思われるいくつかの情報伝達系について述べてきましたが、wnt はショウジョウバエの翅形成不全から、BMPは骨形成因子として、FGFは繊維芽細胞形成因子としてみつかったものです。サイエンスは目的めざして一直線に進むものではありません。とんでもなく遠いところから必要なものをひろってきてつなぎあわせ、パズルを解いていかなければなりません。

参照

1)https://en.wikipedia.org/wiki/G_protein%E2%80%93coupled_receptor

2)https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/2012/press.html

3)UniProtKB - P04426 http://www.uniprot.org/uniprot/P04426

4)Thomas W. Holstein, The Evolution of the Wnt Pathway., Cold Spring Harb Perspect Biol. (2012)  Jul; 4(7): a007922. doi:  10.1101/cshperspect.a007922
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3385961/

5)太田 訓正、河野 利恵、脳科学辞典「wnt」 
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/Wnt

6)wikipathologica WntタンパクとWnt/βカテニン経路
http://www.ft-patho.net/index.php?Wnt%20protein

7)R Nusse, H E Varmus,  Many tumors induced by the mouse mammary tumor virus contain a provirus integrated in the same region of the host genome. ,
Cell: vol. 31(1); pp. 99-109 (1982)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6297757

8)濃野勉 「Wntファミリーと形態形成」 現代医療 vol. 32, pp. 1912-1921 (2000)
http://www.kawasaki-m.ac.jp/molbiol/WntRevMS00.pdf

9)山本英樹 「Wnt シグナル伝達経路の活性制御と発がんとの関連」 生化学第80巻第12号,pp.1079-1093,(2008)

10)Liu C, Li Y, Semenov M, Han C, Baeg GH, Tan Y, Zhang Z, Lin X, He X. Control of beta-catenin phosphorylation/degradation by a dual-kinase mechanism. Cell  Vol. 108: pp. 837–847. (2002)
http://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(02)00685-2?_returnURL=http%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867402006852%3Fshowall%3Dtrue

11)Miranda Molenaar et al.,
XTcf-3 Transcription Factor Mediates β-Catenin-Induced Axis Formation in Xenopus Embryos., Cell Vol. 86, Issue 3, pp.391–399, (2009)
https://www.morebooks.de/store/gb/book/role-of-tcf-in-body-axis-formation/isbn/978-3-8383-2052-6

12)Behrens, J., von Kries, J. P., Kuhl, M., Bruhn, L., Wedlich, D., Grosschedl, R., and Birchmeier, W.,  Functional interaction of beta-catenin with the transcription factor LEF-1. Nature 382, pp. 638-642. (1996)

13)Patricia C. Salinas, Modulation of the microtubule cytoskeleton: a role for a divergent canonical Wnt pathway., Trends in Cell Biology., Vol. 17, Issue 7, pp. 333–342,  (2007)  http://dx.doi.org/10.1016/j.tcb.2007.07.003
http://www.cell.com/trends/cell-biology/fulltext/S0962-8924(07)00136-5

14) Stamatakou E, Hoyos-Flight M, Salinas PC, Wnt Signalling Promotes Actin Dynamics during Axon Remodelling through the Actin-Binding Protein Eps 8.
PLoS One. 2015 Aug 7;10(8):e0134976. doi: 10.1371/journal.pone.0134976. eCollection (2015)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26252776

15)Akira Sato, Deepak K. Khadka, Wei Liu, Ritu Bharti, Loren W. Runnels, Igor B. Dawid, Raymond Habas, Profilin is an effector for Daam1 in non-canonical Wnt signaling and is required for vertebrate gastrulation., Development  Vol. 133:  pp. 4219-4231 (2006)  doi: 10.1242/dev.02590 

16)Roel Nusse:The Wnt homepage:
https://web.stanford.edu/group/nusselab/cgi-bin/Wnt/node/269

17)Yuko Komiya and Raymond Habas, Wnt signal transduction pathways., Organogenesis. , Vo. 4 (2):  pp. 68–75. (2008)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2634250/#__sec4title

18)Assoian RK, Komoriya A, Meyers CA, Miller DM, Sporn MB,  "Transforming growth factor-beta in human platelets. Identification of a major storage site, purification, and characterization". J. Biol. Chem. vol. 258 (11): pp. 7155–7160. (1983)

19)http://www.nytimes.com/1987/03/21/nyregion/professor-loses-eye-in-shooting-on-broadway.html

20)https://en.wikipedia.org/wiki/Transforming_growth_factor_beta_superfamily

21)Andrew P. Hinck, Structural studies of the TGF-βs and their receptors – insights into evolution of the TGF-β superfamily., FEBS Letters, Vol. 586, Issue 14, pp. 1860-1870 (2012)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0014579312004036

22)JM Wozney et al., Novel regulators of bone formation: molecular clones and activities., Science Vol. 242, Issue 4885, pp. 1528-1534 (1988)
DOI: 10.1126/science.3201241
http://science.sciencemag.org/content/242/4885/1528

23)三品 裕司、BMPシグナルの多彩な機能 ̶̶初期発生から骨格形成まで.,  生化学 第89 巻 第3号,pp. 400‒413 (2017)
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2017.890400/data/index.html

24)Mishina, Y., Suzuki, A., Ueno, N., & Behringer, R.R., Bmpr encodes a type I bone morphogenetic protein receptor that is essential for gastrulation during mouse embryogenesis. Genes Dev., vol. 9, pp. 3027‒3037. (1995)
http://genesdev.cshlp.org/content/9/24/3027

25)Beppu, H., Kawabata, M., Hamamoto, T., Chytil, A., Minowa, O., Noda, T., & Miyazono, K. , BMP type II receptor is required for gastrulation and early development of mouse embryos. Dev. Biol., 221, 249‒258. (2000)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10772805

26)Hugo A. Armelin, Pituitary Extracts and Steroid Hormones in the Control of 3T3 Cell Growth., Proc Natl Acad Sci U S A.,  Vol. 70(9): pp. 2702–2706. (1973)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC427087/

27)https://en.wikipedia.org/wiki/Fibroblast_growth_factor

28)David M Ornitz and Nobuyuki Itoh, Fibroblast growth factors.,  Genome Biology vol. 2: reviews 3005.1 (2001)
https://genomebiology.biomedcentral.com/articles/10.1186/gb-2001-2-3-reviews3005

29)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/?term=fibroblast+growth+factor

30)https://en.wikipedia.org/wiki/Fibroblast_growth_factor_receptor

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2018年1月28日 (日)

マニアの薦め

Trekkieborg京都大学のサイラはサイエンスの世界ではかなり特殊な立ち位置にあります。非常に臨床に近い研究が多いので多額の研究費がつきますし、一般市民からも多額の寄付をもらっています。こういう立ち位置の研究所なら、反知性主義の政府でもサポートできるというわけです。

ただそれでも正規雇用が1割というのはひどすぎです。ポストドク以外はすべて正規雇用にすべきでしょう。などといっても政府がそういう姿勢にならなければ研究所は決断できないこともまた事実。ではなぜそうした方が良いと政府に交渉しないのでしょうか?

そもそも非正規雇用の方が能率が上がるという固定観念が世の中に蔓延しすぎているのも問題ですが、特に私が思うのはサイエンスの基本はマニアだということです。この研究が何の役に立つかというのは絶対的に正当な発想だと思われがちですが、ではそれを実現するために必要な知識や技術はどこから持ってくるのかということになります。

マニアの知識は、例えばウィキペディアでもアニメとかゲームとかアイドルとかの項目をみれば、そこに記載されてあるのがいかに組織的かつ網羅的で徹底的な知識かということがよくわかります。それにくらべて科学の項目をみれば、あきれるほど通り一片です。いまやマニアックにサイエンスをやっていると、すぐ解雇されるという危機に直面するでしょう。目の前の論文を如何に仕上げるかということばかりに血道を上げざるを得ない研究者ばかりになると、どこもかしこも浅瀬ばかりの海になってしまいます。最もサイエンスに適した人種である「マニア」を排除するような研究体制は排除されるべきでしょう。

私は純実用主義的な観点からも、サイラの行き方は長い目で見ると正しくないと思います。再生医学より人体の各部品をサイボーグ化する方向を目指した方がよいと思いますね。

京都大学iPS研究所(サイラ)
https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/ips-hiseiki-shinjitsu?utm_term=.isVVmgj33#.lqP8pVELL

大隅良典
http://editor.fem.jp/blog/?p=2895

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2018年1月24日 (水)

JPOP名曲徒然草184: 「ガーベラ」 by 辻香織

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辻香織さんは2002年デビューだそうですが、私が知ったのは今年2018年。この曲「ガーベラ」をYouTubeで聴いたのがきっかけでした。2011年出版のアルバム「ひまわり」に収録されているとのこと。いろいろ聴いてみましたが、味わい深いです。

「ガーベラ」は、ケレン・アンの「スラニー」を思い出させてくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=t_7770Kvl1k

https://www.youtube.com/watch?v=C4IvxEAfPWQ

Keren Ann Surannée   
https://www.youtube.com/watch?v=r4HM5elV6BY&list=AL94UKMTqg-9C4NeIZnUMtV9QUTIcK6-0a&index=30

「インスタント・パリジェンヌ」

PV
https://www.youtube.com/watch?v=VwwPdvFRp10

ライヴ
https://www.youtube.com/watch?v=03f8Je3ECGc

niina(双子の妹さん)によるカバー (爆)
https://www.youtube.com/watch?v=QZnC8cEubJE

「コーヒー・ブルース」
三条堺町のイノダに行かなくちゃ。メジャーデビューは高田渡のこの歌だったそうです(爆)。
https://www.youtube.com/watch?v=oHhqtqe7sxs
https://www.youtube.com/watch?v=fiDbthJmwWk

高田渡
https://www.youtube.com/watch?v=2iAWAsw24AQ

高田漣(息子)
https://www.youtube.com/watch?v=8wzX1qh9sW8

「この丘に」
私はひとりで墓参りするのが好きです。ゆっくり故人と話せるような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=Ldf1fIItxiI
https://www.youtube.com/watch?v=Mws_HYleGXI

「December Waltz 」
古いシャンソンの風情
https://www.youtube.com/watch?v=yhGjRukdkDk

「ダイスキ / Love You Too Much」
https://www.youtube.com/watch?v=mcc_EaZn6x8

「なごり雪」
昭和歌謡のカバーにも熱心に取り組んでいるようです
https://www.youtube.com/watch?v=OZm76X4QTPY

「ぼくらはひとり」
https://www.youtube.com/watch?v=SY0pk2VyaFA

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2018年1月22日 (月)

京都大学iPS細胞研究所の不正問題

血液脳関門を発見したのはハンフリー・リドレイということになっています(1)。彼は1695年に著書「The Anatomy of the Brain」(2)を発表し(私は未読)、その中で「水銀を血液内に投与すると、神経組織へ移行せずに血管内に留まっている。その原因は脳血管の密着性が、他の血管と大きく異なるからである」と述べているそうです。17世紀から脳は特別な組織であることが認識されていたわけですね。

脳の神経組織は一般に老朽化した細胞を排除して新しい細胞に入れ替えるということができません。細胞を長持ちさせるには、有害な物質を細胞に取り込むことをなるべく阻止する必要があります。したがって血液と一般脳組織の間に特別な細胞があって、物質の出入りを制御していると考えられています。これが血液脳関門です。

今回疑惑となっている論文は、この血液脳関門を試験管内で人工的に再構築したというものです(3)。どのデータが問題なのかは私にはわかりません。サイラの山下研で行われた仕事のようですが、この件で山中所長が辞任するというのはちょっとおかしいと思います。これだけ多数の研究者が共著者になっているのですから、本当に捏造なら誰が関わっているのか詳しく調べて、直接関係ない人が辞職しなくて良いようにするのが所長の役目だと思います。

1)Jai Deep Thakur, Ashish Sonig, M.S., M.Ch.,Prashant Chittiboina, Imad Saeed Khan, Rishi Wadhwa,and Anil Nanda., Humphrey Ridley (1653?1708): 17th century evolution in neuroanatomy and selective cerebrovascular injections for cadaver dissection. Neurosurg Focus 33 (2):E3, (2012)

2)Humphrey Ridley,  The Anatomy of the Brain., London: Printers to the Royal Society:(1695)

3)Kohei Yamamizu,1,* Mio Iwasaki,2 Hitomi Takakubo,1 Takumi Sakamoto,3 Takeshi Ikuno,1 Mami Miyoshi,1Takayuki Kondo,4 Yoichi Nakao,3 Masato Nakagawa,2 Haruhisa Inoue,4 and Jun K. Yamashita1.,

In Vitro Modeling of Blood-Brain Barrier with Human iPSC-DerivedEndothelial Cells, Pericytes, Neurons, and Astrocytes via Notch Signaling., 1Laboratory of Stem Cell Differentiation, Department of Cell Growth and Differentiation, Center for iPS Cell Research and Application (CiRA), Kyoto University, 53 Shogoin Kawahara-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606-8507, Japan, 2Department of Life Science Frontier, CiRA, Kyoto University, Kyoto 606-8507, Japan, 3Department of Chemistry and Biochemistry, Waseda University, Tokyo 169-8555, Japan., 4Laboratory of Stem Cell Medicine, Department of Cell Growth and Differentiation, CiRA, Kyoto University, Kyoto 606-8507, Japan., http://dx.doi.org/10.1016/j.stemcr.2017.01.023Stem

Stem Cell Reports, Mar 14; 8(3): pp.634-647 (2017)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5355679/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5355679/pdf/main.pdf

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2018年1月20日 (土)

大野-都響:メシアン-トゥーランガリラ交響曲@東京芸術劇場2018・1・20

Img初めての実演に接するトゥーランガリラ交響曲。指揮は大野さん、コンマスは四方さんです。

エンカナがひとりイヴニング風の衣装で目立つわ目立つわ。メシアンのトゥーランガリラ交響曲は、ガムランやケチャをクラシック音楽化したような曲です。なんていうと怒られるのでしょうが。

現代音楽の中ではメシアンとジョリヴェだけは退屈しない場合が多い気がします。それに、やはり都響実演の迫力はすごいものがあります。

不思議に思ったのは、トライアングルはppでもはっきり聞こえるのに、オンドマルトノ(原田節)はかなり注意して聴かないと聞こえない。なぜでしょう? ちょっと遠くで聴いていたことが原因でしょうかね。この楽器が聞こえないと全然違った曲です。YouTubeなどではかなり大きな音で聞こえます。

ピアニストはヤン・ミヒールスで、万全の準備で素晴らしい演奏です。都響の弦は第6楽章「愛の眠りの庭」で本領発揮。管楽器はスタミナも抜群で、終楽章の迫力も万全でした。打楽器はエキストラの方も多かったですが、盛り上げてくれました。ただもうちょっと悪のりしてもいいんじゃないかとは思います。大野が許しませんかね。

マエストロ大野はいつもシャキッとしたフォルムの堅実な演奏を聴かせてくれます。ただマエストロ小泉とはちょっと違う意味で、何かもの足りないようなもどかしさはあります。すっきり雑味のない京懐石料理というイメージですかね。

https://www.youtube.com/watch?v=8PjyCpRKDrk

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2018年1月16日 (火)

やぶにらみ生物論98: 原腸と胚葉

動物の発生を研究業績として残した最初の人はアリストテレスということになっています。彼が残した「De Generatione Animalium」という本は詳細な研究書で、アリストテレスがかなり熱心に動物の発生を観察した結果が記載されています。Arthur Platt が英語に翻訳して1910年に出版した本をウェブサイトで読むことができます(1、図1)。このサイトではクリックすると1ページづつめくることができます。目的の本にたどり着くまでページをめくるのがちょっと大変ですが。

私は「De Generatione Animalium」を全部読むつもりはありませんが、毛髪については「老化するにつれて少なくなるが、生命が存在する限り伸びる」と書いてありました。さらに「死後も伸びる」と書いてありますが、これは現在では皮膚がひからびるために伸びたように見える錯覚とされています。

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近代になって発生学を生物学の中でメジャーなものとしたのは、シュペーマンとマンゴルトによるオーガナイザーの発見でしょう。彼らはイモリの原腸胚の原口背唇部(図2の橙色の部分)を反対側にも移植すると、反対側にも神経管・頭部が形成されて、いわゆるシャム双生児のような上半身がふたつある個体の生物が発生してくることを発見しました(2、3、図2)。しかし原腸胚の時期を過ぎると、移植してもそのようなことは起こりません(2)。

このことは、オーガナイザーによって神経管、上半身、脳などの発生が誘導されることを意味します。すなわち発生は決して神秘的な現象ではなく、科学で追求できる現象であることが明らかになりました。ヒルデ・マンゴルトはこのような大発見をしたことによって、カイザー・ウィルヘルム生物学研究所で研究指導者のポジションを獲得し、私生活でも図2のように子供を設けて輝かしい未来が開けたと思ったその時に、キッチンでの爆発によって1924年に25才で世を去りました(4)。誠に人生は理不尽です。一方ハンス・シュペーマンは72才まで生きて、1935年にはノーベル生理学・医学賞を授賞しました(5)。

A_12


動物発生の最初に起こるべき事は体軸の形成ですが(6)、その次に起こるべき事は口から肛門に至る消化管という管の形成です。それまで球形だった胚を貫通するトンネルができるわけです。ウニなどの場合、シンプルに球の一部がへこんで、そのままへこみが拡大伸長してトンネルが形成されます。このトンネルが原腸です。原腸形成は、将来消化管となるトンネルができること以外にも重要な意味を持っています。

すなわちへこんだ部分の細胞と外側に残った細胞では、それぞれ将来どのような生体構造を分化させるかという運命が違うことになります。へこんだ部分の細胞を内胚葉、外側に残った細胞を外胚葉といいます。これ以外に、卵割腔のなかに落とし込まれた細胞(図3のウニ卵の中の赤い細胞)が中胚葉を形成します。なお図3の一部はKasui's Family のサイト(http://y-arisa.sakura.ne.jp)から借用させていただきました。御礼申し上げます。

カエルなどの場合少し複雑で、最初にへこんだ部分そのものが原腸になるわけではなく、その周辺の細胞が引きずられて内部に陥入し原腸を形成します(図3)。脊椎動物では一般に陥入した細胞は内胚葉を形成せず、中胚葉に分類される細胞群となり、分化して脊索という結合組織を形成して、それに沿って脊索の背側に神経管が誘導形成されます。ウニなどと違ってカエルの場合、卵の内部が原腸陥入以前から、かなり細胞で埋まっています(図3)。この内部を埋めている細胞が内胚葉を形成します。

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原腸形成の契機となる原口の形成はどのようなメカニズムではじまるのでしょうか? それは外胚葉の一部にボトル細胞群という部分があり、ここにある細胞(ボトル細胞)は最初は円柱状ですが、外側の外界と接している部分が収縮して縮まり、コルベンをさかさにしたような形、あるいは牛乳瓶をさかさにしたような形になって「へこみ」が形成されます(図4)。この「へこみ」に沿って図4のように細胞が胚の内部に陥入していって原腸が形成されます。ボトル細胞底面の収縮は筋肉と同様F-アクチンとミオシンの相互作用によります(図4)。このことを解明したのは Jen-Yi Lee と Richard Harland です(7)。ハーランド研のホームページに Jen-Yi Lee の名前はありますが、残念ながら消息はつかめませんでした(8)。

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鳥類や哺乳類では原口(ブラストポア)ではなく、原条(プリミティヴストリーク)という渓谷状の構造ができて、そこに細胞群が落ち込んでいきます(図5、図6)。ジオメトリックな意味で、両生類とくらべて陥入の方向が90度回転し、かつ2方向に分かれています。落ち込んだ細胞は中胚葉を形成し、残った細胞は外胚葉を形成します。同時に内胚葉も形成されます(図6)。鳥類・哺乳類におけるヘンゼン結節(図6)は、両生類の原口背唇部(オーガナイザー)に相当します。図6はodontologi.wikispaces.com のサイトから借用しました(9)。

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胚葉という概念はラトヴィア出身の発生学者クリスチャン・ハインリッヒ・パンダーによってもたらされました(10、11、図7)。彼はニワトリの発生の形態学的研究から、中胚葉から血管が発生することを発見しました。図7のニワトリ胚の血管の図はパンダ-が描いたものです(10)。彼はニワトリ発生の研究を深く掘り下げないで、後に動物化石の研究者になりました。ドイツにはパンダ-協会という組織がありますが、これは発生学者の会ではなく、考古学者の会です。

しかし彼の発生学における業績は、エストニア出身の友人であるカール・エルンスト・フォン・ベーア(図7)によって引き継がれました。ベーアはヒトを含む哺乳類の卵を発見したほか、脊椎動物の特徴として、まず脊索ができるということを示しました。また動物は発生の初期ほどよく似ていて、発生が進むにつれて違いがでてくるという考え方を生み出しました(12)。これはベーアの法則「胚の形成において,ある群のすべての構成員にみられる器官の一般的な性質のほうが,その群の個々の構成員を識別する特殊な性質よりも前に出現する・・・他」の根幹をなす考え方です。

フォン・ベーアは1828年に「Über Entwickelungsgeschichte der Thiere」という本を出版していて、この本はパンダ-に捧げられています(13)。倉谷滋はこの本を読んだらしく、評論しています(14)。少し引用させていただきます。ちなみにパンダーやフォン・ベーアはチャールズ・ダーウィンより十数年前に生まれています。この本が出版されたとき、まだエルンスト・ヘッケルは生まれていません。

・・・「進化の認識が標準となったヘッケル以前は、発生が「進化を反復する」のではなく、「生物の序列を反復する」と考えられた。アリストテレス以来、この世には「下等な長虫」から始まり、カエルやトカゲを経て哺乳類、さらにヒトへと至る序列があり、この順番とヒトの発生過程、化石が出現する順序に並行関係があると考えられた。しかも哺乳類の胎児は、硬骨魚や両生類の親と直接比較されていた。フォン=ベーアは、この古典的反復説を現代的バージョンへと改訂するための橋渡しをした人物である。

本書のなかで彼は「発生法則」を提唱、ある動物の胚が別の動物の親ではなく、胚に似ること、動物の一般的特徴が個別的特徴よりも早く現れることなどを指摘した。そうして彼は、当時の反復説を「否定」していたのだ。ところが同時にフォン=ベーアの考えは、胚の発生過程が、脊椎動物→四足動物→羊膜類→哺乳類→霊長類→ヒトのように、分類学的入れ子の順序で進行することを主張するものでもある。これを系統的に焼き直せば、ヘッケルの反復説そのものになる。

このようなわけで現代の我々には、反復説の父として、また、その否定者としてのフォン=ベーアがともに現われることになる。彼自身はあくまで「否定」しているつもりだった。が、歴史を振り返る機会を与えられている我々は、はっきりと「現代版反復説の父」として記憶にとどめるべきだろう。ちなみに本書は、ニワトリ胚に3つの胚葉があること(胚葉説)を記した最初でもある。これによって比較形態学は発生学的根拠を得、同時に前成説も力を失ってゆく。当時にあって、実に画期的に科学的な本なのである。」・・・

だそうです。

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原腸形成と同時に生成された内胚葉・中胚葉・外胚葉から、その後の発生過程の中でさまざまな臓器や生体組織が形成されてくるわけですが、それぞれの胚葉からどんな臓器・組織ができあがってくるかリストアップしておきます(図8)。より詳細を知りたい方は文献(15)などを参照して下さい。

3胚葉からそれぞれの臓器・組織が分化してくるというのは非常に伝統的な知見で、もちろん根拠はそれなりにあるのですが、実はそれ以外にX胚葉とかY胚葉というものを想定して、そこから分化してきたと考える方が実態に近い可能性も残されています。つまり3胚葉に分化する時期前後に、ある別の細胞グループが独自に発生運命を定められているという可能性はあります。例えば図8の外胚葉系に含まれる神経堤は別の胚葉とした方が良いという考え方もあります。

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神経堤(Neural crest)という言葉はいままで出てこなかったので、図9で説明します。両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類のグループは、原腸陥入によって陥入した細胞の一部が脊索という組織をを形成し、その脊索の誘導によって背側の外胚葉が第2の陥入を起こして神経管が形成されます(図9)。このとき陥入して神経になる細胞群と、とどまって表皮組織になる細胞群の中間の位置に、図9で緑色に彩色した細胞群があります。この細胞群は神経管が形成される途中で、堤防のような位置に存在することから神経堤とよばれることになりました(図9)。

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神経堤細胞群は自身が様々な細胞に分化すると共に、他の細胞の分化を誘導する役目も果たしているようです(16、図10)。

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参照

1)Aristotole「De Generatione Animalium」translated by Arthur Platt
Oxford at the Clarendon Press (1910)
https://archive.org/details/worksofaristotle512aris

2)Spemann, Hans und Mangold, Hilde (1924) Über Induktion von Embryonalanlagen durch Implantation artfremder Organisatoren. Archiv für mikroskopische Anatomie und Entwicklungsmechanik
, Volume 100, Issue 3–4,  pp. 599–638 (1924)
https://link.springer.com/article/10.1007%2FBF02108133
英訳:http://www.sns.ias.edu/~tlusty/courses/landmark/Spemann1923.pdf

3)シュペーマン&マンゴルトの方法で作成した双頭のオタマジャクシ
https://neurophilosophy.wordpress.com/2006/12/20/how-to-create-siamese-twins-or-an-embryo-with-2-heads/

4)http://embryo.asu.edu/pages/hilde-mangold-1898-1924

5)https://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Spemann

6)http://morph.way-nifty.com/lecture/2017/12/post-1408.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/12/post-7bba.html

7)Lee, J.; Harland, R. M. (2007). "Actomyosin contractility and microtubules drive apical constriction in Xenopus bottle cells". Developmental Biology. 311: 40–52. doi:10.1016/j.ydbio.2007.08.010. PMC 2744900 Freely accessible. PMID
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012160607012559?via%3Dihub

8)Harland研究室のメンバー:http://mcb.berkeley.edu/labs/harland/formerpeeps.html

9)https://odontologi.wikispaces.com/Embryologi%2C+instuderingshj%C3%A4lp

10)Christian Heinrich Pander, Beitrage zur Entwickelungsgeschichte des Huhnchens im eye. (1817)
https://books.google.co.jp/books?id=cEdfAAAAcAAJ&pg=PA1&lpg=PA1&dq=Beitr%C3%A4ge+zur+Entwicklungsgeschichte+des+H%C3%BChnchens+im+Eie&source=bl&ots=wY5sKluEHN&sig=tvPTHU-Fn2B7VggwjbJ7LkpbeQc&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiVpp3QrdnYAhVBErwKHbnvBzsQ6AEILzAB#v=onepage&q=Beitr%C3%A4ge%20zur%20Entwicklungsgeschichte%20des%20H%C3%BChnchens%20im%20Eie&f=false

11)The Embryo Project Encyclopedia. Christian Heinrich Pander (1794-1865)
https://embryo.asu.edu/pages/christian-heinrich-pander-1794-1865

12)The Embryo Project Encyclopedia. Karl Ernst von Baer (1792-1876)
https://embryo.asu.edu/pages/karl-ernst-von-baer-1792-1876

13)Karl Ernst von Baer, Über Entwickelungsgeschichte der Thiere. (1828)
https://archive.org/details/berentwickelun01baer

14)倉谷滋: 反復するのか、しないのか ー フォン=ベーアの反復説? (2005)
http://www.cdb.riken.jp/emo/clm/clmj/0510j.html

15)https://discovery.lifemapsc.com/in-vivo-development/primitive-streak

16)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E5%A0%A4

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2018年1月11日 (木)

大野-都響 ツェムリンスキー「人魚姫」@サントリーホール2018・01・10

21月10日の都響演奏会は、R・シュトラウスの組曲「町人貴族」とツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」でした。指揮:大野和士。コンマス:矢部達哉、サイド:マキロンです。

驚いたのは客席がスカスカだったことで、まあ50%はいっていると思いますがその程度でした。永年都響演奏会に通っていますが、こんなに集客に失敗した演奏会は、昔やっていた1月の現代音楽演奏会以来なかったと思います。

2番目に驚いたのは、ヴァイオリニストが客席に転落しそうなくらいギリギリに椅子が配置されていたことです。指揮台もなく、オーケストラピットのように小さく固まって演奏しようという趣向のようです。少数精鋭で2Vnなどエンカナとコバクミしか出ていなかったように思いました。

最初のR・シュトラウスの曲は、彼の作品にしてはちょっと変わっていて、バロック音楽をベースにしてあれこれ脚色したような曲です。マエストロ大野はこの曲がお気に入りらしく、いつになく楽しそうに指揮していました。矢部ちゃんもソロを頑張っていました。私は「クーラント」という曲が非常に気に入りました。シュトラウスにしては意外な均整美が感じられる作品です。

後半のツェムリンスキーの作品はロマンティックで美しい部分は各所にあるのですが、前触れ無く突然盛り上がったり、突然落ち込んだりするので、感覚的についていけないところがあります。躁鬱病的な印象ですかね。あまり演奏されない曲というのはそれなりに理由がある場合が多いです。

まあニューイヤーコンサートも終わって、都響もこのあたりでようやく冬休みというところでしょうか? エキストラ満載で、フルートの4人は全員エキストラでした。これも記憶にありません。その分、矢部・古川・三界・鷹栖らのお偉方が奮闘していました。

それにしても、中身は別としてこの大失敗の演奏会の落とし前をどうつけるのでしょうか? いっそのこと年末の第9のように、年始は前半は邦人作の現代曲、後半はドヴォルザークの「新世界」に恒例化したらどうかと思います。

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2018年1月 9日 (火)

MIYAVI in 不屈の男 アンブロークン

Louis_zamperini_at_announcement_of_今夜8時30分からWOWOWプライムで「不屈の男 アンブロークン」という映画を放映します。これはハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが制作指揮した作品です。アンジェリーナ・ジョリーは2013年に両乳房を予防切除。2015年には卵管と卵巣も予防切除するという勇気ある行動でも有名です。

彼女が持っている変異遺伝子BRCA1は、本来損傷を受けたDNAを修復するためのタンパク質をコードしている遺伝子ですが、変異によって修復の際にエラーを発生する確率が高まり、がんになる確率も高まります。これを事前に予防するために、アンジェリーナ・ジョリーは上記のような手術を行なったわけです。

さてその映画ですが、ジャック・オコンネル演じるアメリカのオリンピック代表選手ルイス・“ルイ”・ザンペリーニ(1917年1月26日 - 2014年7月2日 写真はウィキペディアより)は第二次世界大戦中に搭乗していた爆撃機が墜落し、いかだで47日間漂流した後に複数の捕虜収容所へと送られました。そのザンペリー二は大森の捕虜収容所などで過ごすことになりますが、そこには渡邊睦裕伍長という恐るべき支配者が君臨していました。・・・という感じの映画です。

この映画でヒールである伍長を演じているのが、MIYAVIという日韓ハーフの男なのですが、この存在感がものすごくて、完全に主役を食っています。日本の捕虜収容所のひどさを告発した映画ともとられかねない作品ですが、そんなものどこかにふっとんでいくくらい彼の存在は巨大です。いったいどんな男なのか調べてみたら2度ビックリ。

ものすごいミュージシャンでした。

https://www.youtube.com/watch?v=apEPoKmViB4

https://www.youtube.com/watch?v=_l7G5TpEW0g

https://www.youtube.com/watch?v=4mjk2bTVYAA

https://www.youtube.com/watch?v=IeiCkmHC6yA

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2018年1月 7日 (日)

技能実習などというまやかしはやめて、政府は外国人の移住を認めよ

A1180_002744ようやく日本の外国人技能実習制度のイカサマぶりが知られるようになったのでしょう。
介護の外国人技能実習、申請ゼロという結果は必然の帰結です。

日本政府は国家戦略特区制度を使い、特区内においては外国人の派遣労働による農業就労を認めようとしています。対象となる外国人の就労者は、技能実習制度の修了者などを想定しています。このような制度は技能実習をかくれみのに、外国人低賃金労働者を利用しようという意図は明らかでしょう。

このような一時しのぎで(数年で強制帰国)、しかも外国人を籠絡するような制度は直ちに廃止し、永住許可証や長期労働ビザ発行を伴う移住制度を一刻も早く推進しないと、日本の農業をはじめとする産業が没落するだけでなく、国家の評判まで悪くなってしまいそうです。

日本の賃金は周辺国に比べても次第に安くなっていますが、それでも移住できるとなれば、まだ独裁国家とまでは言えない日本国は住む意味はあります。トランプは白人ファースト主義ですが、米国の一流企業の経営者、先端科学技術の研究室、一流オーケストラ、医師・弁護士などはユダヤ系・中国系・インド系などの移住者が主力です。移住者は国家の活力の源泉になります。

日本の文化をささえているような外国人も最近は多く見受けられます。移住者が増えたからと言って、もし日本の文化に優れたものがあるとすれば、それがすぐ崩壊するとは思えません。たとえば米国のメジャーリーグをとってみても、ヒスパニックや東洋系がどれだけ活躍してささえているか考えてみて下さい。そしてなにより本当に日本は人手が足りないのです。

https://www.nna.jp/news/show/1707455

http://toyokeizai.net/articles/-/175084

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2018年1月 4日 (木)

年賀状

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西島三重子さんから年賀状が来ました。このあんずちゃんの写真はインパクト強烈です。今年ナンバー・ワンかな。

いつもは5日くらいにくるのが、今年は3日に到着。気合いが入っているのでしょうか。ただチケットの発売日間違えてるし、ホームページのURLも書いてありません(まあ これもらった人はみんな知っていると思いますが)。ちなみにHPは

http://www.nishijima-mieko.com/

ここから click here for infomation をクリックすると案内が出ます。

私はと言えば、インフルエンザからの回復はまだまだで、これだけ書くのがいっぱいいっぱいです。

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2018年1月 3日 (水)

インフルエンザウイルスに感染

インフルエンザウィルスに感染してしまいました。あらゆる風邪の症状が出る上に、頭痛がひどいです。頭が締め付けられるように痛い。同窓会も欠席です。いつになったら治るのでしょうか?

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2018年1月 2日 (火)

熊木杏里 はじめてのライヴアルバム

熊木杏里 はじめてのライヴアルバム

Live Tour 2016 「飾のない明日」 ~An's Coice~

レコード番号 YCCWー10307(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)

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「え そうだったの」と思ったのは、これが初のライヴアルバムだと知ったときでした。ライヴの音源は結構聴く機会があったので、ちょっと意外でした。2016年の東京キネマ倶楽部とヤマハホールのライヴのなかからセレクトして収録されています。

全体にクマッキーはリラックスして、のびのびと歌っているのが好印象です。扇谷研人のピアノもヴォーカルに寄り添って素晴らしい。それにライヴ収録とは思えないほど素晴らしい音質です。特にヤマハホールの方は圧倒的な高音質です。ピアノとボーカルだけというのが録音に好条件だったと思われます。

いつも思うのですが、録音した音がこんなに素晴らしいのなら、ライヴの客席で聴く音ももう少しグレードアップしてほしいと願いたいところです。

収録されている曲はかなり古い曲も多くて、特に「心のまま」や「君」のような名曲をライヴ感たっぷりの歌唱で聴けるのはうれしいですね。あとブックレットに掲載されているフォトグラフがベストショット連発です。

心のまま
https://www.youtube.com/watch?v=rj0VGUdEwes


https://www.youtube.com/watch?v=a6_1LGDYd0o

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2018年1月 1日 (月)

謹賀新年2018

1

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2017年12月30日 (土)

私家版 適当な紅白歌合戦 2017

1.徳永英明「壊れかけのレイディオ」
https://www.youtube.com/watch?v=C7QVaahn44A

2.ZARD「Oh! My love」
https://www.youtube.com/watch?v=PcQoYCtDN80

3.河村隆一「I love you」
https://www.youtube.com/watch?v=HlG00cUmdTw

4.欅坂46「二人セゾン」
https://www.youtube.com/watch?v=mNpPQXMgtmw

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ブレイク1

矢井田瞳「六甲おろし」
https://www.youtube.com/watch?v=rGefo50U-rU

Clara Roldán 「Himno del barca」
https://www.youtube.com/watch?v=atzdPyR6rP0

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5.中川五郎 「Sports For Tomorrow 」
https://www.youtube.com/watch?v=VEC6RPFLGPo

6.熊木杏里「こと」
http://v.youku.com/v_show/id_XMjU4MDIzMTI0.html

7.遠藤賢司「カレーライス」
https://www.youtube.com/watch?v=IfbgJ6p_wkM

8.ぷりん「ホームにて」
https://www.youtube.com/watch?v=gSo4CfOItA4

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ブレイク2

中村由利子 「サンセットハイム」
https://www.youtube.com/watch?v=Sc-aeGAXlKY

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9.渚のオールスターズ 「メドレー」
https://www.youtube.com/watch?v=xSRRT_Uxc9M

10.マイリトルラヴァー「Hello, Again 〜昔からある場所〜 」
https://www.youtube.com/watch?v=PfYgH-j7u-c
https://www.youtube.com/watch?v=vLHP3hU-4ps

11.浜田省吾「もうひとつの土曜日」
https://www.youtube.com/watch?v=ZXhDTCKH3qM

12.伊藤由奈「Truth」
https://www.youtube.com/watch?v=at00CLcIu_k

13.レミオロメン「粉雪」
https://www.youtube.com/watch?v=KVuqLJYqZ-I

14.まきちゃんぐ「愛の雫」
https://www.youtube.com/watch?v=ESAqbWBsPjQ

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ブレイク3

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15.村下孝蔵・布施明「メドレー」
https://www.youtube.com/watch?v=_xkTRpvtLf0

16.沢田聖子「親愛なる人へ」
https://www.youtube.com/watch?v=qCD82EpWPps

17.ビギン「花」
https://www.youtube.com/watch?v=1lcXrSyxI7A

18.成底ゆう子「島人ぬ宝」
https://www.youtube.com/watch?v=W43TWGvq1yA

19.チューリップ「サボテンの花」
https://www.youtube.com/watch?v=4qllMk8u6_Y

20.竹内まりや「セプテンバー」
https://www.youtube.com/watch?v=xAH_zihE17c

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ブレイク4

カッチーニのアヴェ・マリア(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=x2ibR0puNk4

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21.ササニシカ「クリスマスイヴ」
https://www.youtube.com/watch?v=bBXN4XiRS6c

22.華原朋美「I believe」
https://www.youtube.com/watch?v=pKbMVYmYCN4

23.スキマスイッチ「奏」
https://www.youtube.com/watch?v=J5Z7tIq7bco

24.相川七瀬「Two of us」
https://www.youtube.com/watch?v=aZGJnPMwBOI&list=RDaZGJnPMwBOI

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アンコール

25.西島三重子「千登勢橋」
https://www.youtube.com/watch?v=0TYECCELT6c

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2017年12月28日 (木)

池上彰の今年のニューストップ50

1池上彰の今年のニューストップ50をみています。相変わらずよどみなくわかりやすい解説には脱帽します。

数十年前からどんな小学校にも調理室があって、給食のおばちゃんが給食をつくっていました。それが今はそのような人を雇うお金がなくなって、民間の弁当屋から250円の冷蔵弁当を配達してもらっているというじゃありませんか。

戦後間もない食うや食わずやの時代でも、給食のおばちゃんを雇うお金があったのに、今はそれが無いというわけですか? どうして? そんな日本になったのは、政治が悪いからと言う以外にどんな理由があるのでしょうか?

今年私が驚いた地元のニュースは、現役生物学者・宮川伸が、わが千葉13区から当初泡沫政党と思われた立憲民主党から出馬して、衆議院議員になったことです。多少なりとも基礎科学の振興に努めて欲しいと思います。

個人的重大事件はなんと言っても団地管理組合の執行部に選出されて、とんでもない多忙な毎日になってしまったことで、人生何が起こるかわかりません。重篤ではありませんが病気にも悩まされました。スペシャルな出来事は、はじめて「まきちゃんぐ」のライヴに出かけて、その天才の片鱗にふれたことです。生きていれば良いこともあります。今年も親しくさせていただいたY夫妻に感謝します。

今年の大晦日はYOUTUBEのJPOPをテレビで見ながらすごそうと思っています。

来年も「生物学茶話=やぶにらみ生物論」「サラとミーナ」「JPOP名曲徒然草」「都響レポート」は細々でも続けます。よろしくお願いします。

では読者の皆様 よいお年をお迎えください。

(画像はウィキペディアより拝借)

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2017年12月26日 (火)

クラシコ バルサがジダン・ハリルホジッチ・宮本を粉砕

Braugranaサンチャゴ・ベルナベウでのアウェイ戦、であるにしてもバルサは非常に守備的に試合を始めました。4バックとブスケツ、ラキティッチ、イニエスタの位置が低く、メッシもかなり下がりめです。パウリーニョはカウンターの際のターゲットとして前にいます。

これは予想されたとおり、マドリーが相手陣深くから激しくプレスをかけてくる作戦に対応するためで、必然でもあります。ただロナウドとベンゼマには強いプレッシャーがかかっていて、ロナウドは空振り、ベンゼマはことごとくチャンスをはずすという負の効果があったようです。あせってオフサイドも再三ありましたし、ロナウドはエゴイストが過ぎて、可能性が低い位置からの無理矢理シュートというのが目立ちました。

バルサにも決定的チャンスは前半に2回ありましたが、パウリーニョのシュートはケイラー・ナヴァスに阻止されました。素晴らしいGKです、もちろんテア=シュテーゲンも負けてはいません。前半0:0で終われたのはバルサ大成功です。敵陣深くからのプレス作戦は、先制点を何が何でもゲットしようという意図ですが、思惑がはずれるとトップクラスの選手でも後半体力がもちません。バルサは前半1点は覚悟していたと思いますが、0点で終わってしまいました。

こうなれば後半はもうバルサのものです。後半マドリーは疲労が出て守備がユルユルになり、バルサはパスをゆったりつなぎつつチャンスをうかがうことができるようになりました。そして一気に攻勢に出てセルジのきれいな横パスがゴール前を横断し、スアレスがクリーンゴール。素晴らしい先取点でした。

さらにカルバハルがシュートをきれいに手で止めて一発退場でPK。これはメッシが決めました。カルバハルの予定外の退場はマドリーにとっては痛手でした。最後は時間稼ぎで出場したアレイシ・ヴィダルまで点をとって0:3で終了。

それにしてもハリルホジッチや宮本(マドリースタイルが好きな人たち)の予想が完敗したのは実に痛快でした。フィジカルの強い相手をパスワークですり抜けるのがJの生きる道。エゴイズムを棄てて、ゴール前でも可能性の高い方に譲るのがJの生きる道です。クラシコでのバルサのゴールをみればよくわかるでしょう(彼らはわかろうとしないと思いますが)。

https://www.youtube.com/watch?v=5JjPfpSrtvY
https://www.youtube.com/watch?v=WSISlTa4w40
https://www.youtube.com/watch?v=1zqgvyzZOIQ

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2017年12月25日 (月)

まきちゃんぐ@南青山マンダラ

Img_2246クリスマスイヴに、まきちゃんぐが新作アルバム「ハナ」出版記念ライヴを南青山マンダラで。私はまだまだまきちゃんぐ初心者ですが、ともかくでかけてみました。

クリスマスイヴなのでアンコールで「きよしこの夜」など歌いましたが、メインは「ハナ」の曲を、曲順を変更しないでそのまま全部歌うという趣向です。

ただ1曲だけ、私が一番気に入っている「木漏れ日の中で、夏」という曲が、夏の曲だからということでオミットされたのは残念でした。

「NORA」はメロディーもノリもよい素晴らしい曲です。「赤い糸」は渾身のライヴパフォーマンスでした。MVもありますが(https://www.youtube.com/watch?v=X9F7Qgr9QE4)、さらに強烈なインパクトでした。

ドラッグや銃が出てくる曲もあって、ご本人も「どす黒い」のが私らしい曲と宣っていますが、アンダーグラウンドの臭いはしない人です。音楽的にはなんでもござれですが、スピリチュアルな曲がはまるような気がします。

来年は10周年記念ライヴを鶯谷の東京キネマ倶楽部でやるそうで、勝負の年ですね。ご活躍をお祈りしております。

まきちゃんぐ オフィシャルHP:
http://makichang.info/

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2017年12月23日 (土)

やぶにらみ生物論97: 体軸形成

生物学のさまざまなジャンルの中で発生という現象、すなわち1個の卵=ひとつの細胞が分裂を繰り返すと同時に形態を形成し、機能を分化させ、最終的に1個の生物に至るという驚異のプロセスは最も興味をひくと思われますが、最近はiPS細胞や遺伝子編集などに主役を奪われがちです。しかし発生生物学の分野はまだまだ謎だらけで、解明すべきことは山積されています。

iPS細胞を分化させるというのは興味深いですし有益ですが、自分が操作しているプロセスの大部分がブラックボックスでは、どこをどうしてどう改善するなどという科学的な思考を抜きにしたトライアンドエラーだけになってしまいます。

生物学の教科書に必ず出てくるクシクラゲという海洋生物がいます(図1)。水族館に行けばたいてい実物をみられます(1、2)。クラゲと呼ばれている生物には大きく分けて二つのグループがあり、ひとつは刺胞を持つミズクラゲなどの刺胞動物門、いまひとつは刺胞を持たないフウセンクラゲなどのクシクラゲ類が属する有櫛(ゆうしつ)動物門です。最近このクシクラゲで、生物学の根幹をゆるがすような大発見がありました。動物が生きていく上でエサを食べて消化し排泄するというのは基本です。これまでクラゲの仲間は口からエサをとって、排泄も口から行なうというのが常識でした。

ところがプレスネル、ブラウニーら(図1)のグループは、クシクラゲが肛門を持つことを発見したのです(3、4)。どうしてこんなことがわかっていなかったというと、クシクラゲを飼育する際に、あまり彼らが好む、あるいは適したエサを与えていなかったので口から吐き出したのを排泄したと勘違いしていたわけです。これには私も腰が抜けるほどびっくりしました。彼らはエサの小魚のDNAに赤い色素の遺伝子を導入し、肛門から赤い排泄物が排出されるのを確認しました。

肛門のあるクシクラゲの図を描いてみると(図1)、口があってのどがあって胃があって肛門があって、泳ぐための櫛板(繊毛の束)があり、エサをつかむための触手もあり、基本私達と大して違わないような気もします。すでにカンブリア紀にはもっと進化していた仲間の種もいたようです(5)。

A_8


さてクシクラゲが教科書に出てくるのは、その卵が典型的なモザイク卵だからです。モザイク卵というのは図2のように受精卵がふたつの細胞に分裂したときに細胞を分けると、それぞれの細胞からできてくる個体は、本来8つあるはずの櫛板がそれぞれ4つづつしかないという結果になります。4つの細胞ができてから分けると、それぞれ2つの櫛板をもつ不完全な個体が発生します(6)。

すなわち未受精卵のうちにどの部分がどう分化するかという設計図が書き込まれていて、あとで修正できないということです。ですからクシクラゲに親と同じ完全体の双子はいません。ヒトで言えば、左手と左足だけの子と右手と右足だけの子が生まれるようなものです。

これに対してウニの卵は2細胞期、または4細胞期に細胞を分けると、それぞれ普通の形態をもつ幼生(プルテウス)が発生します。このような卵を調節卵と言います。ヒトの場合も一卵性双生児が存在しますから調節卵と言えます。もちろん調節卵といえども、発生のどこかのステージで分化は決定されるので、モザイク卵と調節卵の違いは分化決定のタイミングが早いか遅いかの違いに起因します。

A_9

生物の形をおおざっぱにみると、前後(口側と肛門側)、背腹、左右という3つの軸が基本になっています。両生類-爬虫類-鳥類-哺乳類を含む生物グループの卵は、発生の際に細胞がダイナミックに動き回るので、軸形成のメカニズムの研究においては難解な応用問題であり、基本的な問題を解決する素材としては不向きです。頭の良い人々はショウジョウバエを材料として課題に取り組みました。

エドワード・ルイスはいわゆる「ホメオティック遺伝子群」によって生物の形態が定められることを発見しました(7)。彼はまた広島・長崎における被曝の影響についても詳細な研究を行ないました。この方面の業績はジェニファー・カロンによってまとめられています(8)。ニュスライン=フォルハルトとヴィーシャウスはエドワード・ルイスのショウジョウバエの発生に関する仕事を発展させ、多数の突然変異体を分離して発生に関与する遺伝子を包括的に分析し、その機能を解明しました(9、10)。これらの業績によって3人は1995年度のノーベル生理学医学賞を受賞しました(図3)。

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そしてドリーヴァーとニュスライン=フォルハルトはついに形態決定の端緒となると思われる物質ビコイド(bicoid)にたどりつきました(11、図4)。ショウジョウバエの未受精卵にはすでに母親の遺言のようなビコイドmRNAの「頭部では濃く尾部では薄い」という濃度勾配が形成されており、受精とともにこのmRNAは翻訳されてビコイドタンパク質が合成されます。ビコイドタンパク質は胚の後方部位の特徴を表現するためのコーダルmRNAに結合して、その機能を阻害します。ビコイドタンパク質の濃度は頭部(前方)では高いので、コーダルmRNAの翻訳は行なわれませんが、尾部では低いのでコーダルmRNAの翻訳がさかんに行なわれることになり、尾部の特徴が現われることになります(図4)。

一方ナノスmRNAはビコイドと逆に「頭部で薄く尾部で濃い」という濃度勾配が形成されています。受精とともにナノスタンパク質がこの勾配にしたがって合成され、前方部位の特徴を表現するためのハンチバックmRNAに結合して、その機能を阻害します(12)。ナノスタンパク質の濃度は尾部(後方)では高いので、ハンチバックmRNAの翻訳は行なわれませんが、頭部では低いのでハンチバックmRNAの翻訳がさかんに行なわれることになり、頭部の特徴が現われることになります(図4)。コーダルやハンチバックのmRNAには濃度勾配がなく、その翻訳はビコイドタンパク質やナノスタンパク質によって制御されているわけです。

ここで注意しておきたいのは、ショウジョウバエの場合胚発生の初期には細胞分裂は行なわれず、核だけ分裂して卵全体に分布し、その後核が卵表層に移行してから仕切りができて細胞が形成されるという経緯をたどります。したがって胚発生初期においては細胞の移動や細胞間の物質輸送などは考慮せず、純粋にmRNAとタンパク質の濃度勾配で説明できるところがミソです。

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さて前後軸に続いて腹背軸についてみていきましょう。前後軸があり海底を這って移動する生物は、腹側には移動手段(足など)、背側には防御手段(硬い皮膚やトゲなど)があることがベストで、そのような必要性から背と腹が分化してきたのでしょう。

ショウジョウバエでは、Robin L. Cooper 氏が作成した図(13、図5)をお借りして説明しますと、まず初期胚の腹側でシュペッツレというホルモン様の物質がトールという細胞膜の受容体に結合し(14)、これがシグナルとなってペレというタンパク質分解酵素が活性化されます。ペレはドーサルに結合して不活化していたタンパク質カクタスを分解し、ドーサルが活性化されます。活性化されたドーサルは核に侵入し、腹形成に必要な遺伝子を活性化します。活性化されたドーサルの濃度が低い背側では別の遺伝子が活性化されて背が形成されます(15、図5)。

ドーサルというのは「背中」のという意味なので、その濃度が濃いと腹が形成されるというのは奇妙な印象を受けるかもしれませんが、ドーサルという遺伝子を欠損させると腹側も背中のような生物ができあがるので、遺伝学の習慣として「背中ばかりにさせる遺伝子」としてドーサルと命名されたわけです。赤眼を形成させる遺伝子も、欠損すると白眼になることからホワイトと命名されています。

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昆虫などとは系統樹でいえば別の幹に分かれた両生類-爬虫類-鳥類-哺乳類を含む生物グループでは軸決定の詳細は判明していませんが、βカテニン-Wntシグナル経路が重要な役割を果たしていることはわかっています。カエルの場合腹背軸の決定が最初に行なわれますが、これには未受精卵における物質の配置の他に、精子が卵に侵入する位置がかかわっています。

カエルの未受精卵は図6の一番左側の写真のように、上部にはメラニン色素があり、下部には卵黄があるのでその不均一性は明らかです。メラニン色素は保護色、卵黄は比重のためとされています。重要なのは下部の表層にディシェベルドという情報伝達タンパク質が局在していることです。受精するとその表層が約30度回転して、ディシェベルドの位置も30度ずれます(図6)。精子はかならず卵の上部から進入するので、ほぼその進入位置の反対側がずれたディシェベルドの位置となり、その周辺が背側になります(15、図6)。

ディシェベルドはWnt(ウィント)情報伝達経路という多くの生物にとって大変重要な経路をはたらかせ、この経路がはたらくと通常は単独分子の状態ではすぐに分解されてしまう β-カテニンが分解されなくなり(脱リン酸化される)、核に侵入してTCF/LEFファミリーの転写因子を活性化して、その転写因子が様々な背側形成遺伝子を活性化します(16)。

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哺乳類における体軸決定はより複雑でここでは述べませんが、興味のある方は文献を参照して下さい(17-19)。カエルと同様Wntシグナルが関与していることは間違いないでしょう。ケンブリッジ大学の Ivan Bedzhov らのグループは、マウス胚の前後軸は母親から残されたシグナルによらないで決まると主張しています(20)。

参照

1)海遊館日記 http://www.kaiyukan.com/blog/2013/01/post-58.html

2)えのすいトリーター日誌 http://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=02647

3)Jason S. Presnell, Lauren E. Vandepas, Kaitlyn J. Warren, Billie J. Swalla, Chris T. Amemiya, William E. Browne
The Presence of a Functionally Tripartite Through-Gut in Ctenophora Has Implications for Metazoan Character Trait Evolution
Curr. Biol., Volume 26, Issue 20, p2814–2820, 24 October 2016
http://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(16)30931-

4)肛門の起源の定説白紙に、クシクラゲも「うんち」
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082400314/

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%AB%9B%E5%8B%95%E7%89%A9

6)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%82%AF%E5%8D%B5

7)Lewis Edward. A gene complex controlling segmentation in Drosophila. Nature. 1978;277(5688):565-570. doi:10.1038/276565a0.
http://sns.ias.edu/~tlusty/courses/landmark/Lewis1978.pdf

8)Jennifer Caron, Edward Lewis and radioactive fallout. The impact of caltech biologists on the debate over nuclear weapons testing in the 1950s and 60s. (2003)
https://thesis.library.caltech.edu/1190/1/LewisandFallout.pdf

9)Nüsslein-Volhard C, Wieschaus E (October 1980). "Mutations affecting segment number and polarity in Drosophila". Nature. 287 (5785): 795–801. doi:10.1038/287795a0. PMID 6776413
https://web.stanford.edu/class/cs379c/archive/2012/suggested_reading_list/supplements/documents/Nusslein-VolhardandWieschausNATURE-80.pdf

10)The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1995
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/1995/

11)Driever, W., Nüsslein-Volhard, C., "The bicoid protein determines position in the Drosophila embryo in a concentration-dependent manner".,  Cell. vol. 54: pp. 95–104. (1988) doi:10.1016/0092-8674(88)90183-3.
http://www.mbl.edu/physiology/files/2014/06/Driever-1988.pdf

12)Irish V, Lehmann R, Akam M., The Drosophila posterior-group gene nanos functions by repressing hunchback activity. Nature., vol. 338 (6217)  pp. 646-648(1989). DOI: 10.1038/338646a0
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2704419

13)Robin L. Cooper,  Chapter 8: Development of the Fruit Fly Drosophila melanogaster
http://web.as.uky.edu/Biology/faculty/cooper/Population%20dynamics%20examples%20with%20fruit%20flies/08Drosophila.pdf#search=%27drosophila+development%27

14)Miranda Lewis et al., Cytokine Spätzle binds to the Drosophila immunoreceptor Toll with a neurotrophin-like specificity and couples receptor activation., Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Dec 17; 110(51): 20461–20466.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3870763/

15)東中川徹・八杉貞雄・西駕秀俊編 ベーシックマスター 「発生生物学」 第6章 オーム社 2008年刊

16)https://en.wikipedia.org/wiki/Wnt_signaling_pathway

17)吉田千春 マウス胚の前後軸決定におけるシグナル因子の挙動とその役割 上原記念生命科学財団研究報告集22(2008)
https://ueharazaidan.yoshida-p.net/houkokushu/Vol.22/pdf/096_report.pdf#search=%27%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9+%E5%89%8D%E5%BE%8C%E8%BB%B8%27

18)大阪大学 生命機能研究科  発生遺伝学グループ 体軸の始まり(前後軸形成からのアプローチ) 
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/hamada/%E5%89%8D%E5%BE%8C.html

19)平松竜司・松尾 勲 マウスの胚における前後軸の形成は子宮から胚への力学的な作用により開始される (2013)
http://first.lifesciencedb.jp/archives/7892

20)Ivan Bedzhov et al., Development of the anterior-posterior axis is a self-organizing process in the absence of maternal cues in the mouse embryo.
Cell Research vol. 25, pp. 1368-1371. (2015) doi:10.1038/cr.2015.104
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4670986/pdf/cr2015104a.pdf

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2017年12月21日 (木)

最も危険なクラシコ

Braugrana現在カタルーニャの議会選挙が行なわれています。独立派と残留派が伯仲する激戦が予想されています。カタルーニャはバルセロナという大都会を抱えており、周辺に工場なども多いのでバレンシアやアンダルシアからの移住者も多く、独立に反対する人々も今では多くいます。

そのあたりの事情を、都響の音楽監督=大野和士氏の奥様である大野ゆり子氏がレポートしています↓。私は面識はありませんが、この方とはショスタコーヴィチの交響曲第5番をミューザ川崎で都響-大野が演奏したときに、隣の隣の座席に座っておられたような記憶があります。

http://www.huffingtonpost.jp/foresight/catalonia-spain_a_23312575/

もしカタルーニャ独立派が勝利した場合、ロシアは彼らをサポートする義務があります。本来カタルーニャはスペイン戦争時に余裕で独立できたはずなのです。カタルーニャ軍はフランコ軍と互角以上に戦っていたのですから。しかもバスク軍もフランコ軍と戦っていました。

なのになぜ敗戦したかと言えば、それは当時のソ連政府がバルセロナの革命政権の中核を担っていた労働運動を分裂させたからです。バルセロナの指導者の中にバクーニンやクロポトキンの支持者がいて、ボリシェビキにとって有害だと考えたのでしょう。これは結果的に極右勢力のフランコ派にスペインを牛耳られるという最悪の結果を招きました。カタルーニャ軍の弱体化によって、バスクもフランコ派が制するところとなりました。詳しい事情はジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」を読めばわかります。

ロシアはさしあたりベルギーにいるプチデモンを引き取って、亡命政権を樹立させることからはじめるべきでしょう。

今週の土曜日にはサンチャゴ・ベルナベウでクラシコが開催されますが(なんと午後8時30分から生中継 http://www.wowow.co.jp/sports/liga/ )、独立派が勝利した場合は危険な予感がします。引き分けで良いからなんとか無事に終わって欲しいと思います。

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2017年12月19日 (火)

サラとミーナ196: 寒さは仲の悪さに勝る

Imga

最近よくパンチの応酬をやっているサラとミーナですが、寒さには2匹の猫団子で対応。サラとミーナについては70~80%くらいは理解しているつもりですが、どういうときに喧嘩したい気分になるかは謎です。

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冬だけは、たまにバーバリーハウスに入居します。ここでも2匹いっしょ。サラは「せっかく寝ているのにカメラは迷惑千万」的な表情ですが、ミーナは寝ぼけているだけのようです。

Imgc

季節外れだと思いますが、サボテンが開花。このサボテンはいつ咲くのかゲリラ的なので予想がつきません。年に3回づつくらい咲きます。もうひとつの別種のサボテンは購入してから10年以上経つと思いますが、一度も咲きません。

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2017年12月17日 (日)

都響-フルシャ フェアウェル@サントリーホール2017・12・16

1フルシャのフェアウェルコンサートのプログラムは

1.マルティヌー 交響曲第1番
2.ブラームス 交響曲第1番

でした。コンマスは矢部、サイドはマキロンです。

マルティヌーの曲は思いの外の傑作で、最後の最後にはじめてマルティヌーの音楽の良さを感じることができました。特に第3楽章ラルゴには深く感動しました。

ブラームスは音楽に込められた詩情を次々と浮かび上がらせたような前回第2番の演奏と違って、力のこもった爆演でした。

第1楽章のはじめの部分に注目していましたが、重苦しい空気が押し寄せるような演奏でした。このような気分になったのは記憶がありません。面白い解釈なのではないでしょうか。

あとは矢部・広田がフルシャを強力にサポートするエネルギッシュな音楽が展開されました。団員の気迫も尋常ではありませんでした。ただ終楽章はちょっと走りすぎて落ち着かなかった感じが残念。それにしても柳原(フルート)の音は素晴らしい。都響の宝物のひとつです。

最後はスタンディングオベーションでマエストロとお別れしました。これでマエストロ・フルシャとの首席客演契約は終了してしまいましたが、ヨーロッパで少し落ち着いたら、是非また都響に客演してもらいたいと思います。

カラヤン広場はきれいなクリスマス・デコレーションで、華やかに雰囲気を盛り上げてくれました。

P1060931

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2017年12月14日 (木)

やぶにらみ生物論96: クリスパー(補足)

前稿「やぶにらみ生物論95.クリスパー」(1)で、「クリスパーシステムを用いた遺伝子治療を行なうには、プラスミドかウィルスにCAS-クリスパーを潜入させて、標的になる細胞にとりこませなければなりません。受精卵は大きいのでマイクロインジェクションで注入できますが、体細胞にはこのやり方は向いていません。このあたりがなかなか難しいところです。」と記述しました。

これは動物に関する話ですが、植物の場合この困難をうまく乗り越えられる方法があります。アグロバクテリウムというグループの土壌細菌は、植物の根に感染すると、自分の遺伝子を植物細胞のゲノムの任意の位置に組み込む性質を持っています(2、図1)。この細菌にCas9(タンパク質)とsgRNAをとりこませ(またはこれらの遺伝情報を持ったプラスミドをとりこませ)植物に感染させると、任意の位置ではなく、狙った植物の遺伝子に変異を導入して無効化することができます。

Agrobacteriumgall_2この方法でALS(アセト乳酸合成酵素)の遺伝子を無効化すると、除草剤耐性の植物ができあがります。最初はジャガイモで成功しました(2)。最近では、Cas9の代わりにシトシン→チミンの変換を行なう酵素を使って(TargetAID)、除草剤耐性のイネを作成したという報告があります(3、4)。このような除草剤耐性を付与されるタイプの作物は需要が大きいらしく、次々と製造されると思われますが、それぞれの除草剤の安全性チェックが形ばかりで実質後手になる可能性が大きく、このために折角の叡智であるクリスパーが十把一絡げで悪者になってしまうのはあまりにも残念です。

モンサント社のラウンドアップを農家が大量散布したため、土壌が汚染された上に耐性雑草が蔓延してどうにもならなくなったという歴史に学ぶ必要があります(5、6)。これでラウンドアップをやめたのはいいけれど、次々に新しい農薬で汚染に汚染を重ね、多剤耐性の雑草が蔓延するような世界はみたくありません。モンサントも会社が立ちゆかなくなり、バイエルに買収されるという話がありましたが難航しているようです(7)。

もうひとつの大きな問題は殺虫剤耐性植物の蔓延です。これは過度の殺虫剤散布を誘発し、その結果ミツバチやその他の花粉を運ぶ昆虫の激減を招くことになります。ミツバチの減少はすでに報告されています(8)。これは虫媒花を持つ現在の地球でメインの植物の繁殖に大きな影響があり、生態系の異常な変動を招く恐れがあります。またネオニコチノイドなどの薬剤は人体にも影響があることがしられています(9)。

現在クリスパーを利用した品種改良はほとんど特定の位置で遺伝子に変異を導入するという形(NHEJ)で行なわれており、遺伝子組み換えはありません(10)。これはほぼ今まで行なわれてきた品種改良と同じで、遺伝子組み換え作物と比べて安全性は高いと思われますが、ひとつ心配なのはその改良の速度が速すぎて安全性のチェックが後手に回る恐れがあることです。現に2016年時点での遺伝子組み換え作物の日本への輸入量は約1471万トンということで(10)、商品の表示とはほど遠い数値であり、人体実験をやりながら食事をしているような状況でしょう。いずれクリスパーで改良した作物由来の食品はもっと大量に輸入されるでしょうし、この種の作物は国内でも生産されるでしょう。

クリスパーは本来医学でも活用されるべきものであり、特に遺伝病の治療や予防に有効だと思われます。ただそれを理想的に行なうには今の技術には足りない部分が多々あり、特に人工遺伝子の移入にはもっと新しい技術が求められます。私はそれが完成したときに、はじめて遺伝子編集という言葉を使っても良いと思います。

そのような技術が完成した際には、当然親が子のゲノムのデザインをやってもいいかという議論になるとおもいますが、私はそれには「否」を唱えます。ただ重篤な遺伝病がみつかったときには、治療してから受胎するという行為は許容されるべきです。私達には病気を治療する権利があり、それは卵や胎児にもあると思うからです。どこまで遺伝子の変換を認めるかかというのは、厚生労働省がガイドラインを作成して医師に守らせるように指導するしかありませんし、守らない医師は処罰することも必要でしょう。

参照

1)http://morph.way-nifty.com/grey/2017/12/post-0ba2.html

2)Nathaniel M. Butler, Paul A. Atkins, Daniel F. Voytas, David S. Douches., Generation and Inheritance of TargetedMutations in Potato (Solanum tuberosum L.)Using the CRISPR/Cas System., PLoS ONE 10(12):e0144591.(2015) doi:10.1371/journal.pone.0144591
http://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0144591&type=printable

3)http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2017_03_28_01.html

4)Nishida, K., T. Arazoe, N. Yachie, S. Banno, M. Kakimoto, M. Tabata, M. Mochizuki, A. Miyabe, M. Araki, K. Y. Hara, Z. Shimatani and A. Kondo: Targeted nucleotide editing using hybrid prokaryotic and vertebrate adaptive immune systems. Science, 10.1126/science.aaf8729 (2016).

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97#ラウンドアップ耐性雑草の世界的な問題

6)深刻化する除草剤耐性雑草~傾向と対策
http://www.foocom.net/column/gmo2/6839/

7)Bayer to Acquire Monsanto. Cautionary Statements Regarding Forward-Looking Information.
https://www.advancingtogether.com/en/disclaimer-b/

8)消えるハチ Bees in decline
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/201404_BeesInDecline.pdf

9)猪瀬聖 ガラパゴス化する日本の食品安全行政
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20150623-00046911/

10)石井哲也 ゲノム編集を問う-作物からヒトまで 岩波新書 (2017)

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2017年12月12日 (火)

都響-フルシャ ブラームス交響曲第2番@東京文化会館2017・12・11

Imgaヤクブ・フルシャは昨年からバンベルク交響楽団の指揮者に就任し、今年の12月のコンサートを最後に都響のポストを去ることになります。ほとんどはずれのない演奏をたくさん聴かせてくれて有難う。1番印象に残っているのは、マーラーの交響曲第1番かな。

すっぽかし事件もありました。譜面台に指揮棒をたたきつけて吹っ飛ばしたこともありました。懐かしい思い出です。

今夜のコンマスは四方さん、サイドは矢部さんです。ラス前のコンサートとあって、平日の夜にしては盛況でした。悪いけど私はマルティヌーの音楽はさっぱりわかりません。この人の音楽が第二次世界大戦中の米国で大人気だったとは、ちょっと信じられません。まあ眠りはしませんでしたが。

ブラームスの交響曲第2番は本当に素晴らしい演奏でした。フルシャはブラームスのシンフォニーに潜むポエジーを、根こそぎ掘り出して聴衆に提示してくれました。このような詩的かつ女性的な演奏をインバルや大野や小泉がやったら気持ち悪いでしょう。フルシャならではの演奏です。それだけに彼を失うのは都響にとって痛すぎます。

驚いたのは広田のオーボエ。なんとサーモンピンクです。広田モデルなのでしょう(1)。普通のオーボエと違って、ふくよかな音がします。ブラームスの交響曲第2番にはぴったりの感じでした。都響のアンサンブルも気合いが入っていて驚異的(あれっと思うところはありましたけどね)。ともあれ、しみじみとした良い演奏会でした。

1)https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/winds/oboes/yob-832hg_black__opal/index.html

ヤクブ・フルシャ in YOUTUBE

happy birthday to you
https://www.youtube.com/watch?v=H5g7CTcMWIs

Dvorak & Suk: A Journey with Jakub Hrusa
https://www.youtube.com/watch?v=D4MlPnY2Hg8

A portrait of Jakub Hrusa
https://www.youtube.com/watch?v=RcxL9TphQk4

Rehearsal - Smetana's Moldau - RCO Amsterdam
https://www.youtube.com/watch?v=1g-fM15BbII

Antonin Dvorak: Stabat Mater
https://www.youtube.com/watch?v=92cl5yuWFtM

Bedrich Smetana: Ma Vlast
https://www.youtube.com/watch?v=flwHnoZhOY8

都響はフルシャのMVを公開しないのでしょうか?

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2017年12月11日 (月)

バルサレポート2017~2018

Braugranaユニフォームが楽天色のバルサはめずらしい。違和感満点です。対するビジャレアルはイエローサブマリン。

セルタ戦でもそうでしたが、最近のバルサはパスカットされたり、メッシがひっかかったりしたときに、すぐ守備が破綻状態になるというまずい状況が増えています。パウリーニョが前過ぎるのかもしれません。何か対策を講じないと。

ビジャレアル戦もいつものパターンで、しばしば守備が破綻してソリアーノらに良い位置からシュートを打たれ、テア=シュテーゲンが大活躍になってしまいます。よくまあ0:0で折り返せたものです。

メッシ起点のワンツーというパターンが読まれています。それでもいけるだろうというのがバルサですが、パコやデウロフェウを入れてパターンを変えることも考えておいた方がよいと思いますね。デウロフェウがベンチ外というのは理解できません。

後半にラバが足を上げたままブスケツにチャージして一発レッド。これはブスケツが1回転する激しいチャージで血の気が失せましたが、ブスケツ欠場はバルサにとっては致命的なので、こういうのは本当に勘弁して欲しいです。

とはいえこれで一転して完全なバルサペースの試合となり、スアレス→パコ→スアレスで点が取れて一安心。このあとビジャレアルからのプレゼントパスでメッシがゴール。楽な試合となりました。

https://www.youtube.com/watch?v=mxpd6esNayQ

https://www.youtube.com/watch?v=8yQsY5YKGU0

ベトの Dime (歌付きでバルセロナを満喫できます)
https://www.youtube.com/watch?v=_3CPg-2V54s

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2017年12月 7日 (木)

JPOP名曲徒然草183: 「train-train」 by 中ノ森バンド

Img中ノ森バンドは2004年~2008年に活動していました。私のCD棚には「Whatever」というシングル盤があります(YOUTUBEにアップされているMVを発見しました↓)。

それにしてもこの写真のテレビは古すぎます。そんなに懐古趣味のバンドとも思えませんでしたが。よくこんなものがありましたね。

「Train-train」は言わずと知れたブルーハーツのヒット曲ですが、このライヴ映像のインパクトもすごいものがあると思います。作詞・作曲 真島昌利 

https://www.youtube.com/watch?v=hIM5-aVGXoQ

ブルーハーツのオリジナル
https://www.youtube.com/watch?v=mypxeFPYsd0

Oh My Darlin' (名曲)
https://www.youtube.com/watch?v=v0qdK_aIilI

旅への扉
https://www.youtube.com/watch?v=sXyfeKT5axA

風になりたい
https://www.youtube.com/watch?v=TLjm2DGEnRc

Fly High
https://www.youtube.com/watch?v=XseHM-AdiHk

イソブラボー
https://www.youtube.com/watch?v=pKLXriBZC_c


https://www.youtube.com/watch?v=97UWziHzjGg

サテライト
https://www.youtube.com/watch?v=zide2Mr5XoQ

Whatever
https://www.youtube.com/watch?v=e-gKhfz2Km0

バンド解散後も、リードボーカルの中ノ森文子はソロで活動しているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=MSgl3OWzn4U

オフィシャルHP:http://nakanomori.jp/

オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/ayakonakanomori/

Twitter:https://twitter.com/ayakoman0404

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2017年12月 5日 (火)

やぶにらみ生物論95: クリスパー

遺伝病は遺伝子のたった一組の塩基対の異常によっても発生し、それが原因で落命するということもあり得ます。有名なのは鎌形赤血球貧血症で、一対の塩基対の異常によってヘモグロビンベータのグルタミン酸がバリンに代わり、ヘモグロビンの機能が低下して貧血になります。どの遺伝子のどの塩基対が変異をきたしても病気になる可能性があるので、遺伝病のバラエティは無数にあります。

これらの遺伝子を正常にもどして病気を治療するというのは、分子生物学者にとってのひとつの夢でした。当初考えられたのは、レトロウィルスベクターを使って正常な遺伝子を細胞に注入するというやり方でした。

しかしそこで予想もしなかった事態が発生しました。まず1999年にゲルシンガー事件というのがおこりました。患者のゲルシンガー氏の免疫系がベクターに異常に強い反応を起こして、患者が死亡してしまったのです。

2000年代のはじめには、X連鎖重症複合型免疫不全症(SCID-X1)と呼ばれる疾患に対して、20人の小児患者が遺伝子治療を受けましたが、そのうちの5人が白血病を発症し、1人が死亡するという事件が起きました。この原因は患者のゲノムに挿入された治療用遺伝子が「がん遺伝子」を活性化したためと考えられています(1、2)。現在ではレトロウィルスベクターのかわりに、より安全性を担保されたレンチウィルスベクターが用いられ、ウィルスベクターによる遺伝子治療が再出発しています(3)

しかしこのようなウィルスベクターによる治療にはいつくか問題点があります。ひとつは遺伝子が挿入される場所を指定できないので、何が起こるか判らないという怖さがあること。いまひとつはハンチントン病のように、変異遺伝子が生成する異常タンパク質が、正常なタンパク質の作用を妨害するような場合には無効であることです(4)。

したがって、そのようなウィルスベクターによる治療に危惧を抱いていたグループの中では、前稿でとりあげたカペッキやスミティーズの相同遺伝子組み換え技術によって、異常遺伝子を正常遺伝子に組み換えるという可能性を追求しようという機運がひろがっていました。

そもそも相同遺伝子組み換えというのは、真核生物では主に減数分裂の時におこる現象ですが、どのようなメカニズムで行なわれるのでしょうか? このそもそも論に取り組んだのがジャック・ショスタクです。彼はテロメア・テロメラーゼ関連でノーベル賞を受賞しましたが、それ以外の仕事でもその天才ぶりを遺憾なく発揮しました。

DNAは常に放射線・紫外線・化学物質などにさらされており、日常的に損傷を受けています。損傷のタイプは大きく分けて二つあり、ひとつは1本鎖の切断で、これは修復機構が数多く知られています(5、6、図1)。いまひとつは2本鎖の切断で、1本鎖の切断の場合と異なり、断点でDNAが生き別れてしまうおそれがあるという生命にとって極めて危険な状況が発生します(図1)。しかし生命はあえて損傷時以外にも、減数分裂時には染色体の組み換えを行なって、遺伝子のシャフリングを行なっています。そのためには2本鎖の切断と修復が必要です(図1)。

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ショスタクらは1983年に、2本鎖切断を修復する機構のモデル(仮説)を発表しました(7、図2)。今見てみると非常に味わい深いモデルだと思いますが、発表された当時はあまりに都合の良いことを単純につなぎ合わせたような気がして、信じ難い感じがしました。多くの研究者が当時はそう思っていたのではないでしょうか。しかし現在では着々とその正しさが証明されつつあります(8)。

2本鎖の断点から、まず1本鎖が断点の5’側からエクソヌクレアーゼによってかじられ(タンパク質がとりつくスペースを空けるためでしょう)、かじられなかったもう1本の鎖にRAD51(図2の赤丸)というタンパク質がとりつきます。これとRAD54(図2のオレンジ楕円)などが協力して相同染色体の対応部位をさがしてとりつきます。ここで相同染色体にある塩基配列を利用して図2のような修復を行ないます。結果的に染色体の組み換えが行なわれていることに注意して下さい。修復に利用された相同染色体側から見れば、染色体の一部が切り取られて移動しただけですが、2本鎖切断を受けた側の染色体では、極めて複雑なプロセスがあることがわかります。このプロセスの全貌はまだ解明されていません。

重要なのは、生物が本来持っている遺伝子組み換え機構を発動するには、DNA2本鎖切断、相同染色体、DNA加工酵素、相同部位を探すために必要なタンパク質、の4者が必要だということです。

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DNAの2本鎖修復が、切断を受けたDNA以外のDNAを利用して行なわれることの証拠をはじめて示したのはマリア・ジャシンらでした。彼女らは18塩基配列を認識して2本鎖DNAを切断する特殊なエンドヌクレアーゼをマウスに導入し(マウスにはこ18塩基配列がないため、ずっと発現していても何もおこらない)、18塩基配列をマウスゲノムに埋め込むとともに、この配列に相補的なDNA断片を供給すると、約10%の細胞が相同組み換えによってDNAを修復することができました(9)。

この記事「クリスパー」の主役であるジェニファー・ダウドナはショスタクの研究室で博士号を得ているので、当然相同遺伝子組み換えには関心を持っていたはずですが、ポストドクはコロラド大学のトム・チェックの研究室でリボザイムの研究を行なっていました。しかし彼女が就職してから最初に取り組んだのは、「細菌の免疫機構」というテーマでした。

参照(4)によると、2006年のある日会ったこともないジリアン・バンフィールド(ジル)という研究者から電話がかかってきて、共同研究のオファーがあったそうです。よくわけがわからなかったそうですが、ダウドナはその熱意にほだされて会って話を聴くことにしました。ジルはあらゆる細菌DNAが規則的にとびとびに並んだクラスター状の回文反復配列を持っており、その反復配列の間に異なる配列がはさまれているという話をしました(図3、灰色部が反復配列、赤・青・緑がそれぞれ異なる配列)。

この回文反復配列は、もともと別の大腸菌遺伝子の研究をしていた石野良純がその隣接領域に発見して報告していたものです(10、図3の赤枠の中)。当時はこの配列の重要性に誰も気づきませんでしたが、かなり後になって、この配列が多くの細菌・古細菌にみられるということをフランシスコ・モヒカらが報告しました(11)。ウィキペディアによれば、配列決定された原核生物のうち真正細菌の4割と古細菌の9割に見出されているそうです。この配列は2002年にルート・ヤンセンらによってCRISPR(クリスパー=Clustered Regularly Interspersed Short Palindromic Repeats)と命名され、この近傍にはCAS遺伝子群(CRISPR-associated genes)が存在することも明らかになりました(12)。


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ダウドナがジルに会う少し前に、アレグザンダー・ボロティンらが、反復配列にはさまれた赤・青・緑の領域がウィルスの塩基配列とホモロジーがあることを発表していました(13)。さらにジルはダウドナにマカロヴァらの最新の論文を見せ、そこにはクリスパーが細菌の免疫機構のひとつであることが示唆されていました(14)。 ダウドナは自分がそれまで研究していたRNA干渉(mRNAの相補配列をもつRNAが転写を制御する機構)が、原核生物の免疫に関与しているという話に驚愕し、ただちに食いつきました(4)。ダウドナの本には、海中の細菌の40%が毎日ウィルス感染によって死んでいると書いてあります。細菌にはすごい増殖能力があるので、ウィルス感染なんて「へ」でもないというわけにはいかないようです。

ちょうどその頃、ロドルフ・バランガウらはウィルス抵抗性を獲得した細菌のクリスパーを調べて、新規にそのウィルスのゲノム配列がスペーサー部にコピーされていることを発見し、クリスパーが細菌の獲得免疫をになう機構であることを証明しました(15)。この免疫機構が素晴らしいのは、いったん獲得するとそれが子孫にも受け継がれるという点です。

2008年になりスタン・ブロウンズらは、まずクリスパー全体が転写され、次に転写されたRNAがリピート部分でRNA分解酵素によって切断されて、各スペーサー部分と相補的なRNA分子が生成されることを示しました(図4、16)。この短いRNAはウィルスゲノムと相補的な構造をもっているため、ウィルスを不活化することができると考えられます。しかしそのメカニズムはそのようなものなのでしょうか。最近の研究ではこのメカニズムは大きくわけて大腸菌などに適用される I 型と レンサ球菌などに適用される II型があることがわかっています。

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ダウドナの研究室では2011年頃までは主に特異性の低いクリスパー I 型について研究していたのですが、プエルトリコのカフェで偶然エマニュエル・シャルパンティエと出会って共同研究を始めた頃から、特異性の高い II 型の研究に重心を移しました(4)。エマニュエルは II 型クリスパーシステムを持つレンサ球菌のCAS9を研究していて、この遺伝子の突然変異によって免疫機構が失われることをみつけていました。ダウドナ研ではエマニュエルの研究室の他各地から人材を集めてCAS9の機能分析を行ないました。中心となったのはダウドナ研のマーティン・イーネック(Martin Jinek) とシャルパンディエ研の クシシュトフ・チリンスキ(Krzysztof Chylinski)です(図5)。二人ともポーランド語を話せたので意思疎通はうまくいったようです。

当初はクリスパーRNAとCAS9でファージDNAを切断できると思っていたわけですが、実はそれ以外に tracrRNA(trans-activated RNA)というもうひとつの役者が必要であることがわかりました。このRNAはクリスパーRNAと相補配列をもち、ハイブリッドを形成してCAS9を分解すべきDNAの特定部位に導きます。PAM配列という生物種や関連分子種によって異なる特異配列が誘導に介在しています。CAS9がDNAの2本鎖をこじ開けると、クリスパーRNAがその片側と結合します。その状態でCAS9のふたつのヌクレアーゼサイトを同時に使って2本鎖の両方を同時に切断します(17、図5)。

ダウドナ研で tracrRNAとクリスパーRNA(crRNA)を人工RNAで接続し1分子(キメラ分子)に統合してもCAS9を切断部位に誘導できることが示され、図5のようにクリスパーをツールとして用いるときは、このようなキメラ分子を使うのが便利ということになりました(図5)。この人工キメラ分子はsgRNA(シングルガイドRNA)と名付けられました。

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図6はクリスパーの基礎研究を主導した3人の女性研究者です。彼女たちは研究者としてのみならずマネージャーとしても一流で、多額の研究費を得て大規模な研究室を維持し切り盛りしています。ちょっとバークレイのダウドナ研のサイトをのぞいてみましたが(18)、主要メンバーはほとんど中国系で驚かされます。まもなくノーベル賞を受賞しようかという研究室にもかかわらず、ポストドク、学生のなかに日本人がみあたらないのは残念です。CAS-クリスパーシステムのもう少し専門的または詳しい日本語解説をみたい方は(19)などを参照されるとよいでしょう。

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CAS-クリスパーシステム(sgRNA+Cas)と挿入用のDNAを使えば、正確な位置にDNAを挿入することができます(図7)。といっても遺伝子をまるごと挿入できるわけではありません。ダウドナはその著書のなかで「CRISPRは私たちに生命の分子そのものを思うままに書き換える手段を与え」と述べていますが、それはちょっと大げさです。たとえば2種類のsgRNAを用いてひとつの遺伝子を両端で切断してとりはずし、別の遺伝子と入れ換えるなどということはできません。ただ遺伝子に突然変異を導入する効率は飛躍的に進歩しました。

A_18


CAS-クリスパーシステム(sgRNA+Cas)を使ってDNAを切断すると、2本鎖切断がおきるので、鋳型に依存しない通常不正確な修復機構によってDNAがつながります。この結果しばしば遺伝情報のフレームシフト(横ずれ)によってコードが意味をなさなくなり、遺伝子の機能が失われます(図8)。

A_19


マウスの受精卵にCAS-クリスパーシステム(sgRNA+Cas)を注入し、胚盤胞まで培養して仮親に育てさせると、狙った遺伝子が図8のような機構で無効化し、ノックアウトマウスを作成できます(図9)。また同時にオリゴDNAを注入すると、そのオリゴDNAをゲノムDNAにとりこんだ動物ができます。たとえば点突然変異を持つ動物を作成できます(20、図7)。

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ある遺伝子に変異を導入して病原菌のターゲットにならないように遺伝子を改変するというのは、CAS-クリスパーシステムの得意とするところです。うどんこ病に抵抗性のコムギなどは大きな成功でしょう(21)。このシステムでは狙った特定の位置に正確に変異を導入できるので、X線・ガンマ線・化学物質などを使ってランダムに導入された変異などとはわけが違う、素性のはっきりした品種改良であり、これは私達が慎重さを確保した上で受け入れるべきものでしょう。

ダウドナの本(4)は非常によくまとめられていて、著者の頭の良さをうかがわせますが、同時にクリスパーのプロパガンダの本でもあります。クリスパーはもともとウィルスのDNAを破壊するためのシステムであり、特定の配列を認識してDNAを切断することはできますが、これを遺伝子編集というのはかなりおおげさな表現だと思います。クリスパーシステムが制限酵素のシステムと違うのは、ひとつはウィルスのDNA配列を記憶しておけるということ。もうひとつは制限酵素よりはるかに長い配列(20塩基)を認識できるので、自分のDNAを間違って切断する心配はない(したがってメチル化による保護は不要)ということです。

クリスパーシステムを用いた遺伝子治療を行なうには、プラスミドかウィルスにCAS-クリスパーを潜入させて、標的になる細胞にとりこませなければなりません。受精卵は大きいのでマイクロインジェクションで注入できますが、体細胞にはこのやり方は向いていません。このあたりがなかなか難しいところです。

参照

1)免疫不全症の遺伝子治療 AASJ
http://aasj.jp/news/watch/2281

2)遺伝子治療の現状と課題 PMDA科学委員会
https://www.pmda.go.jp/files/000156275.pdf

3)遺伝子治療の再来 北青山Dクリニック がん遺伝子治療センター
https://cancergenetherapy-dclinic.info/knowledge/treatment/457/

4)ジェニファー・ダウドナ、サミュエル・スターンバーグ著 櫻井裕子訳 「クリスパー 究極の遺伝子編集技術の発見」文藝春秋社(2017)

5)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/11/post-4728.html

6)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/12/post-1ebc.html

7)Jack W. Szostak , Terry L. Orr-Weaver , Rodney J. Rothstein , Franklin W. Stahl., The double-strand-break repair model for recombination., Cell Vol. 33, Issue 1,  pp. 25-35 (1983)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0092867483903318

8)黒沢綾、足立典隆 ヒト細胞における DNA 二本鎖切断の修復 Isotope News  2014 年 5 月号 No.721、 pp. 8-14
https://www.jrias.or.jp/books/pdf/201405_TENBO_KUROSAWA_ADACHI.pdf#search=%27%E9%BB%92%E6%B2%A2%E7%B6%BE%E3%80%81%E8%B6%B3%E7%AB%8B%E5%85%B8%E9%9A%86%27

9)Philippe Rouet, Fatima Smih and Maria Jasin., Expression of a Site-Specific Endonuclease Stimulates Homologous Recombination in Mammalian Cells., Proc. NAS., Vol. 91, No. 13, pp. 6064-6068 (1994)
https://www.jstor.org/stable/2365114

10)Ishino, Y., Shinagawa, H., Makino, K., Amemura, M., and Nakata, A. (1987) Nucleotide sequence of the iap gene, responsible for alkaline phosphatase isozyme conversion in Escherichia coli, and identification of the gene product. J. Bacteriol. 169, 5429-5433.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC213968/pdf/jbacter00202-0107.pdf

11)Francisco J. M. Mojica, Cesar Díez-Villaseñor, Elena Soria, Guadalupe Juez., Biological significance of a family of regularly spaced repeats in the genomes of Archaea, Bacteria and mitochondria., Molec. Microbiol., vol. 36, Issue 1, pp. 244–246 (2000)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1365-2958.2000.01838.x/full

12)Jansen R, Embden JD, Gaastra W, Schouls LM.,  “Identification of genes that are associated with DNA repeats in prokaryotes”. Mol Microbiol vol. 43 (6): pp. 1565–1575. (2002) doi:10.1046/j.1365-2958.2002.02839.x. PMID 11952905

13)Bolotin A, Quinquis B, Sorokin A, Ehrlich SD., Clustered regularly interspaced short palindrome repeats (CRISPRs) have spacers of extrachromosomal origin., Microbiology. vol. 151(Pt 8): pp. 2551-2261. (2005)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16079334

14)Makarova KS, Grishin NV, Shabalina SA, Wolf YI, Koonin EV., A putative RNA-interference-based immune system in prokaryotes: computational analysis of the predicted enzymatic machinery, functional analogies with eukaryotic RNAi, and hypothetical mechanisms of action.,  Biology Direct, 1:7, (2006)  doi:10.1186/1745-6150-1-7
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16545108

15)Rodolphe Barrangou et al., CRISPR Provides Acquired Resistance Against Viruses in Prokaryotes., Science vol. 315, Issue 5819, pp. 1709-1712 (2007)
DOI: 10.1126/science.1138140
http://science.sciencemag.org/content/315/5819/1709.long

16)Brouns SJ et al., Small CRISPR RNAs guide antiviral defense in prokaryotes., Science. vol. 321 (5891): pp. 960-964. (2008)  doi: 10.1126/science.1159689.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18703739

17)Jinek M, Chylinski K, Fonfara I, Hauer M, Doudna JA, Charpentier E., A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity.,
Science vol. 337(6096):  pp. 816-821. (2012)  doi: 10.1126/science.1225829. Epub 2012 Jun 28.

18)http://rna.berkeley.edu/people.html

19)新海暁男  CRISPR-Casシステムの構造と機能 生物物理 vol. 54(5),pp. 247-252(2014)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/54/5/54_247/_pdf

20)H Wang et al., One step generation of mice carrying mutations in multiple genes by CRISPR/Cas-mediated genome engineering., Cell vol. 153 pp. 910-918 (2013)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3969854/

21)Yanpeng Wang et al., Simultaneous editing of three homoeoalleles in hexaploid bread wheat confers heritable resistance  to powdery mildew., Nature Biotechnology, vol. 32, pp. 947-952  (2014 ) DOI: 10.1038/nbt.2969

 

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2017年12月 4日 (月)

バルサレポート2017~2018

Braugrana今年もしバルサが優勝するようなことがあれば、MVPはテア=シュテーゲンでしょう。セルタ戦(第14節)は2:2で引き分けましたが、ようやくスアレスとメッシの調子が上向いてきたので、これからは期待できるでしょう。

セルタ戦の失点のひとつはウンティティの肉離れが原因でしたが、どうも最初からやや違和感があって加減していたような気もします。ジョルディ=アルバの裏は相手の狙い所なので、これは問題です。マスチェラーノも故障中なので、ヴェルマーレンが居てよかったバルサです。

メッシとスアレスも調子が上向いて来ただけに、ちょっと無理なプレーが多くて、球を失う場面が多かったように思いました。彼ら以外にもセルタ戦のバルサメンバーは、プレーにいつになく慎重さがなく、無理なパス、無理なドリブルが多すぎた感じです。2バックなので、こんなに球を奪われると耐えられません。ドローはラッキーだったかもしれません。

クラシコは12月23日(土)夜8:30 WOWOWライヴで放送(生中継)。日本での視聴に配慮してこのような時間になったようです。渋谷のカフェ・ドセがまだ営業していたら大盛況になっていただろうに閉店は残念です。来週のヘタフェ(柴崎)vsエイバル(乾)も日本での視聴に配慮したのかもしれません(12月9日8:59分から生中継)。

セルタ戦の解説は田中隼磨氏でした。橫浜の日産スタジアムでバルサSBと互角以上にプレーしていたのが懐かしく思い出されます。解説はまだまだ素人。観戦を盛り上げるのが役目というのがわかっていない。ヒデはサッカーを知っているだけ、かえって司会としては不適任だと思いますね。横にボケ役がいないと面白みもありませんし。

https://www.youtube.com/watch?v=lJTNm4ELCTY
https://www.youtube.com/watch?v=RP4xupVIrJQ


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2017年12月 2日 (土)

サラとミーナ195: 冬の陽ざし

Imga


寒い日々ですが、昼間には陽ざしのある窓際の猫ベッドで過ごすサラとミーナ。いつもこの調子で仲良く生きていってほしいですが・・・。

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2017年11月30日 (木)

小泉-都響@東京芸術劇場2017・11・30 with 堀米ゆず子

Imga本日の指揮はマエストロ小泉、コンマスは四方さん。ソリストは堀米ゆず子さん。矢部ちゃんは母君に、堀米さんのように熱心に練習するようにと命じられたことがあるようです。本日の矢部ちゃんはサイドで四方さんをサポートでした。

オーケストラ・オンリーの曲も団員が素晴らしい名技を発揮し楽しめましたが、今日の主役はなんと言ってもソリストの堀米さん。曲はブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。

頭髪はもう白かったですが、実に若々しく瑞々しい演奏で、完全にノックアウトされました。音の美しさもさることながら、特に第2楽章でオーディエンスに語りかけてくれるような繊細な演奏が素晴らしい。

指揮台の手すりがグラグラだったらしく、休憩の時に係員がねじを締め直していました。事故がなくてよかったです。小泉さんといい、マエストロ・インバルといい、年齢を超越してよいお仕事をなさっているのには驚きます。ベームなんてほとんど指揮台にいるだけでしたから。

帰りに都響からシャトレーゼのバウムクーヘンをいただきました。結構うれしい。上部にサラの足が見えています。写真を撮影していると、めずらしく寄ってきました。

Imgb

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2017年11月29日 (水)

ジョージ2世が今年の冬もやってきた

Imgaあと数日でケヤキの葉がほとんど落葉しようとする頃、またジョージ2世とおぼしきヒヨドリがやってきました。

今年もひと冬、また私とつきあってくれるのでしょうか?

だとするとこのヒヨドリは漂鳥ではなく、多分この団地の留鳥だと思います。春夏秋にも団地内のやや離れた場所では、しばしばヒヨドリをみかけることがあるので。

この団地の留鳥は多分カラス、スズメ、キジバト、ハクセキレイ、そしてこのヒヨドリくらいでしょうかね? ムクドリはかなり行動範囲が広いようです。

団地は定期的に殺虫剤をまいていますし、植物の生育もかなり制限しているので、よくまあ命をつないでいるものだと関心します。

葉がエレベータに入って故障するとか、車が樹液で汚れるとか、虫が繁殖するとか、掃除に手間がかかるとか、植物をいじめる理由には事欠きません。

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2017年11月26日 (日)

やぶにらみ生物論94: ノックアウトマウス

1970年代後半から、遺伝子クローニングやDNA塩基配列解析の技術が飛躍的に進歩しました。それにともなって、構造はわかったが機能がわからない遺伝子がたまっていくことになりました。このような未知遺伝子の機能を解析するには、とりあえずその遺伝子を無効化して何が起こるか見てみたいわけです。

1980年代になってエヴァンスらが胚盤胞の内部細胞塊から多分化能をもつ細胞株(ES細胞)の樹立に成功し(1、図1))、ES細胞由来のマウスを作成することが可能になりました。

1985年には、スミティーズらが相同遺伝子組み換え法によって、ベータグロビン遺伝子領域に外来のDNAを挿入できることを示しました(2、図1)。そしてついに1987年になって、カペッキらは、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ (HPRT)という酵素の遺伝子の一部に、ネオマイシン耐性遺伝子を組み込んだベクタ-作成し、ES細胞内で相同遺伝子組み換えを起こさせてHPRTを欠損する細胞を作成しました(3、図1)。個体レベルでは、HPRTを欠損すると体内に尿酸が蓄積して痛風や腎不全が引き起こされます(4)。

エヴァンス・スミティーズ・カペッキらによって開発された技術は一般化され、どの遺伝子でも人為的に欠損させてその機能を調べられるようになりました。この功績によって彼ら3人に2007年のノーベル生理学・医学賞が授与されました(5)。マリオ・カペッキはイタリア人ですが、父親は戦死、母親は反ファシスト運動でダッハウ収容所に送られ、4才から放浪して数年間コチェビのような生活(ストリート・チルドレン)をしていたそうです(6)。

A_9


ノックアウトマウス作成の概要は次のようになります。まず標的遺伝子と似ているが不活化した遺伝子を含むベクターを用意します。通常この内部にはネオマイシン耐性遺伝子などの、組み換えが成功した細胞を選択するための遺伝子を挿入しておきます。このベクターを胚性幹細胞(ES細胞)を培養しているシャーレに投入して、電気ショック・リン酸カルシウム処理などで細胞内に侵入させ、標的遺伝子との組み換えを行なわせます(図2)。

組み換えに成功した細胞はネオマイシン耐性などで選別します。生き残ったES細胞(相同遺伝子組み換えに成功した細胞)を胚盤胞に注入します(図2)。注入された細胞は、内部細胞塊の細胞と混ざって、これから生まれる個体の一部になります。つまりこの胚盤胞はキメラ動物になります。

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通常図2のような操作を行なう場合、分子生物学担当、細胞培養・胚操作担当、などとは別に動物実験担当者を決めておき、担当者はまずパイプカット手術(無精子となる)をした♂と正常なメスを交配させて、偽妊娠状態の♀を作成しておきます。偽妊娠状態の♀に図2で作成した胚盤胞を移植して着床させます(図3)。この仮親となった♀から生まれた子供は、本来の親由来の細胞とES細胞由来の細胞の両者を持っており、いわゆるキメラの状態になります(図3)。

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キメラマウスの卵または精子のなかにはES細胞由来の遺伝子を持つものがあるはずで、そのような生殖細胞と正常な動物の生殖細胞が接合すると、ES細胞由来の遺伝子をヘテロで保有する動物が生まれてきます(図4)。そのヘテロ動物同士をかけあわせると、メンデルの法則に基づいて25%の確率でホモの生物が生まれます。

このマウスは本来持つべき遺伝子を2本の染色体共に喪失しているので、当該遺伝子に関していわゆるノックアウト状態になります(図4)。このような状態のマウスをノックアウトマウスとよびます。

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相同組み換えを起こさせるために、通常はES細胞の培養系にベクターを投入するのですが、もともとは図5のように、受精卵の核にDNAを注射する(マイクロインジェクション)という方法も採られました。

吸引用の毛細管で吸引することによって卵を固定し、反対側から注射用毛細管でDNAを卵核に注入します。難しい技術で効率もよくないのですが、この方法でもノックアウトマウス作成が可能です(図5)。

A_13

遺伝子は必要であるからこそ代々受け継がれてくるわけで、ノックアウトすれば当然不都合が発生するはずです。特に日常的に必要とされるタンパク質をコードする遺伝子をノックアウトすると、胚または胎仔のうちに死亡して生まれてさえこないということになります。それでは遺伝子の機能解析ができません。

そこで外部からなんらかのシグナルを送らない限り遺伝子の喪失がおこらないような生物が、ブライアン・ザウアーらによって考案されました(7、8、図6)。それはCre/loxPというシステムですが、このシステムのルーツはバクテリオファージP1にあります。このファージは環状化するためにloxPという配列(図6)を両端に持っており、この2ヶ所にCreというリコンビナーゼが結合し、その後それぞれのCreが結合することによって反応がはじまって、ホストDNAからファージDNAが切り出されて環状化します。

ブライアン・ザウアーという人はもともと天文学者になりたかったそうですが、ウィスコンシン大学の数学科を卒業してから縁あってデュポン社の研究所で仕事をするようになり、そこで同僚がバクテリオファージのCre/loxPシステムを研究していたので、それを真核生物の研究に役立てる方法はないかと考えるうちに、遺伝子ノックアウトに使えるのではないかと思いついたそうです(9)。

標的遺伝子と相同組み換えを行なうDNAの両端にloxP配列を入れておくと、そのDNAが標的遺伝子と同じ機能を持つとしても、Creが作用すればloxPにはさまれた部分は環状化してゲノムから切り離され、遺伝子機能は失われます(図6)。ここでCreを核内に侵入させる方法を考えます。あるシグナルがあると核内に移行するタンパク質があれば使えるかもしれません。

たとえばエストロジェン受容体にCreを結合し、タモキシフェンを作用させるとエストロジェン受容体はCreと共に核内に移行します。そうするとCreはloxPと反応して標的DNAを切り出し無効化させることができます。すなわちタモキシフェンの投与によって、随時遺伝子をノックアウトできるのです(10、図6)。

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このCre/loxPというシステムは大変便利なもので、例えばCreの上流にあるプロモーターを組織特異的に機能するプロモーターに付け替えておくと、例えば筋組織だけで機能するプロモーターだと、筋組織だけでCreが発現して遺伝子が無効化する生物を作成することができます。

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また、標的遺伝子をloxPではさみ、さらにレポーター遺伝子(たとえば細胞を緑色に光らせるGFP遺伝子など)をつないだ相同組み換えを行なったマウス(floxedマウス)を作成し、これとCreをゲノムに組み込んだマウスを交配するとCre/loxPマウスが作成できます(図8)。あとは上記の通り、時期特異的なり組織特異的なりの方法で遺伝子機能を解析することができます。これらのプロセスのかなりの部分は、お金さえあれば業者に委託してやってもらうことも可能です(11)。また胚や精子を大学や業者に預けて保存してもらうことも可能です(12、13)。

A_16


参照

1) Evans, M. J., and Kaufman, M. H. Establishment in culture of pluripotential cells from mouse embryos. Nature, vol. 292, pp. 154-156 (1981). doi:10.1038/292154a0
http://www.nature.com/articles/292154a0

2) Oliver Smithies, Ronald G. Gregg, Sallie S. Boggs, Michael A. Koralewski & Raju S. Kucherlapati., Insertion of DNA sequences into the human chromosomal β-globin locus by homologous recombination., Nature vol. 317, pp. 230–234 (1985) doi:10.1038/317230a0
http://www.nature.com/articles/317230a0

3)Thomas, K. R., and Capecchi, M. R. Site-directed mutagenesis by gene targeting in mouse embryo-derived stem cells. Cell, vol. 51, pp. 503-512 (1987).
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2822260

4)レッシュ・ナイハン症候群
https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4_%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81

5)The Nobel Prizein Physiology or Medicine 2007 is awarded jointly to Mario R. Capecchi, Martin J. Evans and Oliver Smithiesfor their discoveries of “principles for introducing specific gene modifications in mice by the use of embryonic stem cells”
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2007/popular-medicineprize2007.pdf

6)https://en.wikipedia.org/wiki/Mario_Capecchi

7)Sauer, B. "Functional expression of the Cre-Lox site-specific recombination system in the yeast Saccharomyces cerevisiae". Mol Cell Biol. vol. 7 (6): pp. 2087–2096. (1987)doi:10.1128/mcb.7.6.2087. PMC 365329 Freely accessible. PMID 3037344.

8)Sauer, B.; Henderson, N. (1988). "Site-specific DNA recombination in mammalian cells by the Cre recombinase of bacteriophage P1". Proc. Natl. Acad. Sci. USA. vol.85 (14): pp. 5166–5170. (1988)  doi:10.1073/pnas.85.14.5166. PMC 281709 Freely accessible. PMID

9)https://www.dnalc.org/view/16868-Biography-41-Brian-Sauer-1949-.html

10)D Metzger, J Clifford, H Chiba, P Chambon.,  Conditional site-specific recombination in mammalian cells using a ligand-dependent chimeric Cre recombinase. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., vol. 92(15); pp. 6991-6995 (1995) [PubMed:7624356]  [WorldCat.org]

11)http://www.funakoshi.co.jp/contents/7812

12)http://www.transgenic.co.jp/products/mice-service/modified_mouse/icsi.php

13)http://www.anim.med.kyoto-u.ac.jp/NEW_ILA/reports/v2/2seijyou.htm

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2017年11月23日 (木)

井上道義-都響@チャイコフスキー交響曲第5番 & 村治佳織

Img会議が長引いて、私にしてはめずらしくギリギリセーフ。おかげで傘を持たずに出かけられたのはラッキーでしたが。

今日の演奏会@蒲田アプリコはチケット完売。さすが村治佳織の威力か?マエストロ井上の指揮、コンマスは山本さん、サイドはゆづきです。

昔村治佳織がロドリーゴに会いに行ったというドキュメンタリーをテレビでみたことがあります。ロドリーゴはベッドから起き上がれない状態でしたが、なにがしかのふれあいはできたようでした。非常に印象的なドキュメンタリーでした。

上はピッチリ、下はフワフワの衣装で登場。ちょっと変。最初の曲はソロでロドリーゴの「小麦畑で」。あれ、昔からこんなひなびた感じの枯淡の演奏をしていたでしょうか? 意外でした。

アランフェスも同じ感じで、大変味わい深い演奏でした。いつもながら南方(起立演奏)のイングリッシュホルンが情感豊かにサポートする素晴らしい第2楽章でした。会場も楽章によって明るさを変えるというめずらしい趣向。これはいいかもしれません。

アンコールは「アルハンブラの思い出」
https://www.youtube.com/watch?v=m25YhdI1Pvo

どんな会社でも、社員をやる気にさせる幹部社員は貴重ですが、井上さんはまさしくそのような人。小林久美などは、この寒さでノースリーブに近い半袖でした(関係ないって? 私はあると思う)。

彼には独特のカリスマと湧き上がるスピリットがあって、濃密な情念に充ち満ちた、最高のチャイコフスキーを聴かせてくれました。この人間力は何なのでしょう。

マエストロ井上の指揮
https://www.youtube.com/watch?v=XFudgOzQEW8

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2017年11月21日 (火)

誰がこんな仕事の注文を出しているのか?

ネット上でいわゆるネット右翼を募集するための広告が掲載されていると話題になっています(ソースはhttp://saigaijyouhou.com/blog-entry-18347.html)。

問題となっているのはインターネットを通して発注者が受注者を公募して仕事を発注するサービス「クラウドワークス」で、ホームページ作成からブログ記事まで様々な公募が掲載されているサイトです。誰かが発注したからクラウドワークスが人を募集しているわけです。これは世論操作のための商売であることは明らかであり、選挙時以外はただちに違法行為とはいえないものの、好ましくはないことでしょう。

もし某政党関係者/某政治団体が注文したとすれば、ウソや誇張があったとしても発信したアルバイトや雇用した会社の責任にできるので、悪賢いダーティなやり方でしょう。容認できません。主張したいことがあるなら、自分で主張すればいいんです。

クラウドワークス https://crowdworks.jp/

注目を浴びているのは政治部門の募集内容で、そこの中には「政治系の記事作成。保守系の思想を持っている方限定」というようなタイトルで政治系の記事作成者を募集していました。

内容は野党批判系で「1記事で手数料込み800円+消費税(合計864円)」となっており、動画の方も報酬は5動画で300円、本採用だと1動画80円になっています。10日10本くらいが目安で、widowsムービーメーカーでのテキストスクロールが動画のメインとして掲載されていました。

クラウドワークスは2015年に安倍首相から直々に日本ベンチャー大賞で表彰を受けています。今回の騒動を受けてクラウドワークスは政治系の制限をするとしていますが、他の会社でもネットの政治部門で同じような事が行われていました。

==============
このお仕事って、どんな内容?

政治系の記事作成です。政治にある程度詳しい方がいいです。保守系の思想を持っている方限定というのは、私が保守系だからです。自民党は保守系と言われていますが、左派的な政策もかなり行っているので、自民党の意見に必ずしも賛成である必要はないです。批判をしてもいいです。

例えば記事の内容として:

〇憲法9条を改正し、軍隊を保有すること、当然だと思っています。国際法上も当然の権利として認められていることが憲法では否定されているので、これは絶対に改正すべきです。安倍総理の改正案では緩いです。

〇韓国とはもう付き合うべきではない。安倍さんの合意は間違えていた。

〇外国人に土地を買わせないように

〇石破さんは首相候補として相応しくない

〇共産党の議員に票を入れる人って反日ではないか

〇民進党の政策を反対のことを行えば日本は良くなる

〇天皇制が絶対に男系であるべき

こんな感じで、あなたの考えを記事にしてください。

書きたいテーマを提案してください。内容としては民進党とか共産党にくみする記事は採用しません。

[参考記事]http://xn--n8jxbh.jp/foreigner-welfarehttp://xn--n8jxbh.jp/iapan-protect
〇文字数は1800文字以上であれば上限はありません。
〇1記事税金や手数料込みで800円+消費税です(合計864円)
〇納品はワードかtxtファイルでお願いします。

[形式]以下の記事のように小見出しと段落を付けてください
http://xn--n8jxbh.jp/iapan-protect

[注意]コピー記事は絶対にやめてください。発見した場合には承認は出来ません。

内容としては民進党とか共産党にくみする記事は採用しません。
==============

クラウドワークスによる上記の募集記事は、現在は削除されているようです。

情報速報ドットコムより
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-18347.html

参照:
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%A4%CF%C0%C1%E0%BA%EE

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2017年11月20日 (月)

熊木杏里 中国でスター街道を驀進

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なんと熊木杏里はカウントダウン公演を北京でやるそうです。日本の産業・社会・文化が衰退していっていることの、ひとつの象徴かもしれません。それにしても、クマッキーが日本ではなく中国で大スターになっていくのをみるのは、ファンとしては忸怩たる思いです。

せめて来年3月24日 東京国際フォーラムでのコンサートは成功して欲しいですね。
https://www.t-i-forum.co.jp/calendar/?date=20180324

熊木杏里15周年記念中国巡回演唱会“雪的物語”

日時:2017年12月21日 広州公演
会場:広州星海音楽庁大庁
時間:20:00~

日時:2017年12月22日 深セン公演
会場:深セン南山文体中心劇院
時間:20:00~

日時:2017年12月24日 無錫公演
会場:無錫人民大会堂
時間:19:30~

日時:2017年12月26日 上海公演
会場:上海美琪大劇院
時間:19:30~

日時:2017年12月27日 重慶公演
会場:重慶労働文化宮
時間:19:30~

日時:2017年12月28日 成都公演
会場:西女単国際劇場
時間:19:30~

日時:2017年12月30日 大連公演
会場:大連開発区大劇院
時間:19:00~

日時:2017年12月31日 北京公演
会場:疆進酒
時間:21:30~
終了後年越しカウントダウン有

冬です

「ひみつ」
http://v.youku.com/v_show/id_XMTAwMjQ4ODA0.html?debug=flv

「一等星」
http://v.youku.com/v_show/id_XNzQ1Mjk2NDEy.html?s=362628&debug=flv

「こと」
http://v.youku.com/v_show/id_XNzQ1MjkxNzky.html?spm=a2h0j.8191423.playlist_content.5!22~5~5~A&sid=362628&debug=flv

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2017年11月17日 (金)

やぶにらみ生物論93: ES細胞とiPS細胞

哺乳動物はプラナリアのように分断してもまた個体が再生されるという生物ではありません。トカゲのようにしっぽを切ったらまた生やすという能力もありません。成体のカエルも哺乳動物と同様足を切ったらまた生えてくるわけではない生物ですが、1958年にガードン( J. B. Gurdon )が、カエルの腸の細胞の核を、予め除核した卵に移植すると、低い確率ですがカエルが発生することを発見していました(1)。

すなわち成体のカエルはプラナリアのように体を切り刻んでも個体の再生はできないけれど、少なくとも一部の体細胞には発生の全過程をサポートする能力のある遺伝子が残っているということが示されました。この実験は後に ワブル(M. R. Wabl )らによって検証され、たまたま腸に残存していた多能性幹細胞の核が採取されたのではなく、実際に分化が完了している細胞のDNAに発生の全過程をサポートする遺伝情報が存在することが証明されました(2)。また哺乳類でもテラトカルシノーマという癌は内部に様々な分化した細胞を内包することは昔から知られていました(3)。これらのことは組織や臓器を培養容器内で生成しようとする人々に勇気を与えました。

1996年になって、キース・キャンベルとイアン・ウィルムット(Keith Campbell and Ian Wilmut )らは羊の乳腺細胞を通常の血清濃度の1/20で培養して多能性を復活させ、別の個体から得られた未受精卵の核を除去して、多能性復活処理した乳腺細胞と電気刺激で融合させました。さらにその細胞を胚盤胞まで体外で育て(図2)、代理母の子宮に移植すると子羊が誕生しました。

この子羊は乳腺細胞を採取した羊のクローンであり、ドリーと名付けられました(4,図1)。ドリーは哺乳類初のクローン個体であり、その誕生は畏怖の念をもって世界から注目されました。ノーベル文学賞のカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」(2005年刊)でも、ヒトのクローンがとりあげられました。

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同じ方法ではありませんが、クローン動物は優秀な種牛の保存などに実用化されました。ペット(イヌ・ネコ)を復活させようという試みも成功しています。遺伝子は同じでも全く別の個体なので、こんな技術は倫理的にも問題があり無用という人もいますが、私もペットを飼育しているので、永年寄り添って生きてきたペットが死んだ後、姿形だけでも同じ個体が再生できるというのは心がさわぎます。

学術的な見地からは、絶滅危惧種の保存などには有用でしょう。哺乳類成体の組織から幹細胞を採取してドリーのようなクローンをつくる技術は、非常に成功率が低い上にヒトに応用するにはあまりにも倫理的な問題が大きすぎて、その後華々しく発展することはありませんでした。とはいえ多能性幹細胞を採取して研究しようという試みの際には、常にバックグラウンドとなっていることに間違いはありません。

医学的な応用や分子生物学的な研究のためには、やはり多能性幹細胞を培養器の中で制御しながら分化させていくという技術が必要です。さて組織や臓器を培養容器内で高い効率で作成するには、その種になる細胞をどこから採ってきましょうか?

哺乳類の場合図2のように、受精した卵はまず不規則に卵割し桑実胚という細胞の集塊を形成します。その後細胞は2つのグループに分かれ、片方は栄養細胞層、他方は内部細胞塊を形成します。その際に卵割腔という空洞も形成されます。実験技術上の観点や実用的な観点から言えば、その多能性幹細胞をシャーレで培養し、何らかの方法で筋肉や皮膚などの組織を誘導できれば有難いわけです。

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少しさかのぼりますが1981年、マーチン・エヴァンス のグループと彼の弟子である ゲイル・マーチン は、独立にそれぞれヒト胚の内部細胞塊から細胞を取り出して培養し、さまざまな細胞に分化させることに成功しました(5、6、図2、図3)。

女性が生涯に生み出せる卵子は400個くらいですが、そのひとつをもらって人工受精させ、培養容器内で胚盤胞(図2)まで発生させます。この胚盤胞の中にある内部細胞塊は、このあとヒトの様々な組織をつくる未分化な細胞群です。マーチン・エヴァンスはこの未分化細胞にレトロウィルスベクターを用いて遺伝子を導入し、代理母の子宮で育てさせてトランスジェニックマウスの作成に成功しました。マーチン・エヴァンスは2007年にノーベル生理学医学賞を授賞しました。

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エヴァンスやゲイル・マーチンが開発した多能性幹細胞培養技術を飛躍的に進化させたのはジェームス・トムソン(James A. Thomson、図3)でした。トムソンはまずサルの内部細胞塊からES細胞(胚性幹細胞 embryonic stem cell)の株を樹立することに成功しました(7)。細胞株というのは、長期間にわたってシャーレ内で細胞分裂を繰り返しても、分化して分裂を停止することなく、そのままの状態で継代しながら培養可能な細胞のことです。

通常癌化した細胞を継代培養して樹立されますが、哺乳類の多能性幹細胞でこのような株がつくられたのははじめてのことです。トムソンはこれですぐ誰かがヒトのES細胞株をつくるだろうと予想したそうですが、意外にも誰も手を出さず、ならばと自分でとヒトES細胞株を自作しました(8、9)。トムソンの株は8ヶ月培養しても変化なく、カリオタイプも安定していて優秀な細胞株でした。

トムソン自身は医学的利用にはあまり関心がなく、この細胞株を使ってヒトの発生過程における遺伝子発現の変化などを研究しようと考えていたようです(9)。一方でこれで様々な組織や臓器を作成して、病気の治療に利用しようとするグループは勢いづきました。クローン人間も容易に制作できそうでした。そのためこの分野の研究に危機感を抱くグループ、特に宗教関係者からは激しい拒否反応がおきました(9)。胚を実験に使うのは殺人行為で許されないという主張です。ジョージ・ブッシュ大統領はこの勢力に同調し、2001年にはES細胞研究には助成金を出さないことを決定しました(10)。この措置はオバマ大統領に代わるまで継続しました。

もし胚の細胞ではなく、成体の幹細胞から株を作成できれば反対派の主張を回避できます。乳腺細胞からクローン羊ができたわけですから、そのような細胞株ができても不思議ではありません。ここで登場したのが黄禹錫(ファン・ウソク)です。黄禹錫事件に興味のある方は私の過去記事(11-13)などを参照して下さい。黄禹錫の実験の概要は、成体の幹細胞(体性幹細胞)の核を除核した受精卵に移植し、電気ショックを与えるとES細胞ができるというものでした(図4)。

彼の論文は続けざまにサイエンス誌に掲載され、世界の大注目を浴びましたが、これが捏造論文だということがわかって、韓国のみならず世界の科学界は底知れぬ衝撃を受け、かつ信用を失ってしまいました。

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黄禹錫事件の影響もあって、ヒト胚の幹細胞を使って研究や医療技術の開発を進めることは困難になってきました。そうなると幹細胞は成人の組織にひそんでいるものを探し出すか、それともすでに分化が進んだ細胞を幹細胞に若返らせるかしかありません。

それを実現したのが奈良先端科学技術大学院大学の山中グループでした。徳澤佳美(図5)は初期胚や多能性幹細胞で強く発現している Fbx15 という遺伝子に注目し、この遺伝子をDNAから除外して、その場所にネオマイシン耐性遺伝子を挿入したノックインマウスを作成しました。

このマウスは多能性幹細胞をつくることができず、マウスは胎仔期に死亡することが期待されましたが、予想に反して健康に成長し、子孫をつくることもできたのです(14)。残念な結果でしたが、このようなことはままあることで、生物はフェイルセーフ機能を持つ場合があって、ある遺伝子が損傷をうけても他の遺伝子が機能を代替することがあります。この場合は Fbx15遺伝子を喪失しても、他の遺伝子が機能を代替したわけです。重要な機能であればあるほどその可能性は高まります。

機能が代替されるとはいっても、Fbx15遺伝子は初期胚や多能性幹細胞で発現しているので、Fbx15遺伝子の上流には多能性幹細胞が生成する物質を関知して、Fbx15に置き換えられたネオマイシン耐性遺伝子を活性化する領域が存在します。したがって、細胞に様々な候補遺伝子をレトロウィルスベクターを用いて投入し、遺伝子が多能性幹細胞の出現や維持に関係あれば、ネオマイシンを含む培地で生存できるというテストシステムとして使えます。

その頃には多能性幹細胞に関係がありそうな候補がかなり報告されていたので、高橋和利(図5)は24の遺伝子を選んで、それぞれひとつづつを線維芽細胞(真皮の細胞)に導入し徳澤のテストシステムにかけてみましたが、すべての細胞はネオマイシン培地で生き残ることができませんでした。

そこで高橋は24遺伝子を全部挿入したらどうなるか試してみました。24遺伝子を同時に導入すると(といっても全部が挿入されるわけではなく、ランダムにいくつかの遺伝子が導入される可能性が高い)、一部の細胞はネオマイシン培地で生き延びました。そこで高橋は24遺伝子から順次ひとつづつ遺伝子を減らした23遺伝子を挿入するという手法で、Oct3/4・Klf4・Sox2・c-Mycの遺伝子導入が多能性幹細胞形成に必須であることを示しました。つまりこの4因子のひとつを欠くと、多能性幹細胞ができないわけです。実際この4因子を導入すると、0.1%以下の低い確率とはいえ、見事に人工多能性幹細胞(iPS細胞=induced pluripotent stem cell)が生成されました(15)。2006年のことです。

徳澤はアッセイシステムを作成したばかりでなく、マウスES細胞を用いてKlf4が多能性幹細胞の維持に必要であることを示していたので、当然参照論文15の共著者になるべきだったと思いますが、山中によれば自分が黄禹錫のようになった場合を恐れて除外したそうです(16、17)。私はこの件についてはもっと裏があるような気がします。

この論文発表(15)の翌年には、山中グループはヒトの線維芽細胞を用いて、同様な方法で ヒトiPS細胞 の作成に成功しました(18)。ローマ法王庁は受精卵を破壊しない山中の手法を絶賛するコメントを発表しました(19)。山中伸弥はJ.B.ガードンと共に2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

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iPS細胞の一般的作製法をウィキペディアからコピペしたのが図6です。成体から採取した細胞を培養してある程度シャーレで増殖したら、必要な遺伝子を組み込んだベクターを投入して細胞内にとりこませ、薬剤耐性テストでとりこんだと確認された細胞をフィーダー細胞(シャーレの底に張り付いて、増殖をサポートする細胞)の上で培養し、増殖させてコロニーを形成させます。一つのコロニーを取り上げて別のシャーレで培養することにより、継代培養が可能なiPS細胞の株ができたことになります。

さまざまな微量成分を含むフィーダー細胞や血清を利用すると、それらが放出する、あるいはそれらに含まれているどんな成分が培養に必要なのかというのがブラックボックスになるので、できれば使いたくないのですが、それほど細胞培養はデリケートなものであるということは言えます。山中伸弥は「京都の水を使ったからできたなどと言われないようにしよう」と言ったそうです。

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ES細胞やiPS細胞は未分化で無限増殖能を持つわけですが、これを様々な組織に分化誘導するにはどうすればよいのでしょうか? 神経系の細胞に誘導するのは簡単で、血清や増殖因子無しで培養すると、自然に神経系細胞に分化します。上谷らは細胞内における誘導因子としてZpf521というタンパク質を同定しました(20)。高橋らによると網膜細胞はDkk-1 と Lefty-A という因子を培養に添加することによって分化誘導できるそうです(21)。

最近ではシステマティックな誘導も部分的には可能になっているようです(22)。すでにヒトiPS細胞を心筋細胞に分化させるキットなども販売されています(23)。このような方法で作成した細胞のシートを組織や器官にはりつけると、細胞は自然に組織や器官の一部となって再生医療ができる場合があります。京都大学のiPS細胞研究所では3次元的な心臓組織の作成にも成功しています(24)。このような直接治療に関わる利用以外にも、ES細胞やiPS細胞は薬剤が有効かどうか、どのような副作用があるかなどのさまざまな試験を、実験動物を使用しないで行なうことができるというメリットもあります(25)。

iPS細胞作成に必要な山中4因子のうち c-Mycは癌を発生させる可能性がある危険な因子ですが、その後 Glis1という因子を代わりに使用することができて、こちらのほうが効率が良く、癌化の危険性も少ないということがわかりました(26、27、図7)。

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iPS細胞を使った治療は、本人のiPS細胞を用いるのが理想なのですが、それには多大な費用が必要で普及させることは困難です。免疫拒否反応について配慮されたストックを使うという道が現実的です。他人のiPS細胞から誘導された網膜の移植によって滲出型加齢黄斑変性の治療を行なうという手術がすでに行なわれており、現在経過観察中だそうです(28)。良い結果となることを期待したいですね。

 

参照

1)Gurdon, J. B.; Elsdale, T. R.; Fischberg, M. (1958). "Sexually Mature Individuals of Xenopus laevis from the Transplantation of Single Somatic Nuclei". Nature. 182 (4627): 64?65. doi:10.1038/182064a0. PMID 13566187.

2)Wabl, M. R.; Brun, R. B.; Du Pasquier, L. (1975). "Lymphocytes of the toad Xenopus laevis have the gene set for promoting tadpole development". Science. 190 (4221): 1310?1312. doi:10.1126/science.1198115. PMID 1198115.

3)http://news.livedoor.com/article/detail/12531644/

4)Campbell K. H.,  McWhir J.,  Ritchie W. A., Wilmut I., "Sheep cloned by nuclear transfer from a cultured cell line". Nature. vol. 380 (6569): pp. 64–66. (1996) Bibcode:1996Natur.380...64C. PMID 8598906. doi:10.1038/380064a0.

5)Evans M, Kaufman M., “Establishment in culture of pluripotent cells from mouse embryos”. Nature vol. 292 (5819): pp. 154–156. (1981) doi:10.1038/292154a0. PMID 7242681.

6)Martin G., “Isolation of a pluripotent cell line from early mouse embryos cultured in medium conditioned by teratocarcinoma stem cells”. Proc Natl Acad Sci USA vol. 78 (12): pp. 7634–7638.  (1981) doi:10.1073/pnas.78.12.7634. PMC 349323. PMID 6950406.

7)Thomson, J. A., Kalishman, J., Golos, T. G., et al., Isolation of a primate embryonic stem cell line. Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol. 92, pp. 7844–7848. (1995)

8)James A. Thomson et al "Embryonic Stem Cell Lines Derived from Human Blastocysts", Science, vol. 282, 5391, pp. 1145-1147 (1998)

9)クリストファー・スコット著 矢野真千子訳 「ES細胞の最前線(原題: Stem Cell Now)」 河出書房新社 (2006)

10)井樋三枝子 ES 細胞研究に関連する法案の動向 外国の立法 vol. 230 pp. 167-175 (2006)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/230/023008.pdf

11)黄禹錫(ファン・ウソク) 転落の経緯1
http://morph.way-nifty.com/grey/2007/07/post_5a4b.html

12)黄禹錫(ファン・ウソク) 転落の経緯2
http://morph.way-nifty.com/grey/2007/07/post_5dd2.html

13)黄禹錫(ファン・ウソク) 転落の経緯3
http://morph.way-nifty.com/grey/2007/07/post_aab3.html

14)田中幹人編著 「iPS細胞 ヒトはどこまで再生できるのか」 日本実業出版社 (2008) 

15)Kazutoshi Takahashi, Shinya Yamanaka., Induction of Pluripotent Stem Cells from Mouse Embryonic and Adult Fibroblast Cultures by Defined Factors., Cell Vol. 126, Issue 4,  pp. 663–676 (2006)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092867406009767

16)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E6%BE%A4%E4%BD%B3%E7%BE%8E

17)せるてく・あらかると iPS細胞の樹立--若い力がもたらした幸運 (特集 iPS細胞が与えた衝撃). 細胞工学 28(3), 242-244, (2009)
http://gakken-mesh.jp/journal/detail/9784879624949.html

18)Takahashi, K.; Tanabe, K.; Ohnuki, M.; Narita, M.; Ichisaka, T.; Tomoda, K.; Yamanaka, S.,  "Induction of Pluripotent Stem Cells from Adult Human Fibroblasts by Defined Factors". Cell. 131 (5): 861–872. (2007)  PMID 18035408. doi:10.1016/j.cell.2007.11.019.

19)万能細胞とバチカン 科学に問う生命の根源 朝日新聞 2008年01月13日
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200801130045.html

20)理研プレスリリース ES細胞から神経細胞へ分化開始させるスイッチ因子を解明
http://www.riken.jp/pr/press/2011/20110217/

21)http://kankyo-j.sakura.ne.jp/kuma2-iPS-RPE1.html

22)iPSポータル(株)のサイト
http://ips-guide.com/induction/

23)ヒト多能性幹細胞を心筋細胞に分化させるキット  PSdif-Cardio Cardiomyocyte Differentiation Kit
http://www.funakoshi.co.jp/contents/7324

24)理研プレスリリース ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、 致死性不整脈の複雑な特徴を培養下に再現することに成功
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/171023-160000.html

25)iPS細胞とはなにか 朝日新聞大阪本社科学医療グループ (2011)

26)Maekawa M, Yamaguchi K, Nakamura T, Shibukawa R, Kodanaka I, Ichisaka T, Kawamura Y, Mochizuki H, Goshima N, Yamanaka S.,  "Direct reprogramming of somatic cells is promoted by maternal transcription factor Glis1". Nature. 474 (7350): 225–9. (2011)  doi:10.1038/nature10106. PMID 21654807. Lay summary – AsianScientist.

27)前川桃子助教インタビュー 工夫を重ねて出会えたGlis1 が見せてくれた可能性
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/html-newsletters/201106/#page_4

28)https://mainichi.jp/articles/20170329/k00/00m/040/124000c

 

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2017年11月14日 (火)

サラとミーナ194: みつめるミーナ

Img_2113aサラもミーナも普段はテレビをみることはありませんが、唯一の例外はミーナが「ダーウィンが来た」をみることです。

特に先週はネコの特集だったので、なんと最初から最後まで、腰を落ち着かせてずっと見ていました。これははじめてのことなので、ちょっと驚きです。

テレビを買い換えたのですが、最近のテレビは昔に比べて使い勝手が悪くなっている気がしました。

だいたいハードディスクと直結して録画する仕様になっているのですが、私達のように集合住宅に住んでいると、地上波デジタルとBSが同じ回線で入力されるので、この場合録画できるのは地上波デジタルだけだというのです。

もちろんスカパーのセットトップボックスからも録画できません。最近のDVDレコーダーはL1(外部入力)がなくて、これを使っても録画できません。つまりハードディスク付きのセットトップボックスに代えないといけないのです。

このようなことになった原因を考えてみると、どうもDVDなどのディスクに録画されるのを排除しようというのが目的ではないでしょうか。仕方がないので7年前発売のDVDレコーダーを中古で買ってセットしたのが上の写真です。

あとひとつ、このテレビはベゼルを細くみせるために、スピーカーが下向きについています。こんなバカな発想誰がするのでしょうか? あきれるしかありません。仕方がないのでパソコン用のスピーカーをテレビにつなぎ替えました。

さて番組が終わって、やっとこちら向きになったミーナです。

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ここではあんな激しい闘争の中で生きていく必要がなくてよかったね!

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2017年11月11日 (土)

サラとミーナ193: みつめるサラ

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何をみつめているのかはわかりません。サラは年をとってからだんだん普通の猫になってきたような気がします。とはいえ気の強さは若い頃と変わりなく、本気出すとミーナがかなう相手ではありません。

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2017年11月 8日 (水)

都響-リントゥ クレルヴォ交響曲@東京文化会館2017・11・8

Img1フィンランド大使館をあげての演奏会になりました。クレルヴォ交響曲はフィンランド人にとっては特別な音楽のようです。会場にもらしき人が大勢押しかけました。

本日のコンマスは山本さん。サイドはマキロンです。指揮者は先週に引き続きハンヌ・リントゥです。第1~第3楽章まではそれほどの名曲とは思いませんでしたが、オケ、指揮者、ソリスト、合唱団がみんな絶好調で、素晴らしい演奏でした。

そして第4楽章から猛然と盛り上がりました。鷹栖のオーボエが合唱をリードしていくところなどは圧巻でした。マキロンがこんなに乗りに乗って弾いているのを見るのは久しぶりです。

山本さんは頑張りすぎて手首痛めたのでしょうか? ちょっと心配。

ポリテク合唱団は理系の大学の現役と卒業生でやっているコーラスですが、とてもアマチュアとは思えません。フィンランド語は歯・舌・鼻で発音をする音があまりないのでしょう。日本語やイタリア語と同じく音楽に向いていると思われます。

都響の演奏会にはめずらしく、アンコール演奏があって、これが合唱版のフィンランディアでたまりません。とてもジェントルな味わいのフィンランディアが耳に残りました。

演奏者と聴衆が一体となって盛り上がった素晴らしい演奏会でした。毎回こんなのやってたらオケメンの体力が持たないと思いますが、いつも期待はしています。

シベリウス: クレルヴォ交響曲
https://www.youtube.com/watch?v=Nu5whGqxsgA

シベリウス: フィンランディア(合唱版)
https://www.youtube.com/watch?v=D8DxmUutTgc

それにしても近親相姦を題材にした音楽は山崎ハコの「きょうだい心中」以来で、ちょっとびっくり。
https://www.youtube.com/watch?v=I8RlWpLN2jc

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2017年11月 7日 (火)

やぶにらみ生物論92: 幹細胞

幹細胞という言葉はES細胞や i PS のおかげですっかり世の中に定着しました。しかし改めてきちんとその意味をここで復習しておきましょう。

すでに述べたように、多細胞生物は不死の生殖細胞系列と死を運命付けられた体細胞系列からなります。確かに体細胞は死する運命にありますが、なにしろヒトの体細胞は数十兆個あります。まず大量の細胞をつくらなければなりません。その上で細胞分裂を繰り返しながら3つのグループ(外胚葉・中胚葉・内胚葉)に分かれ、それぞれがまた小グループに分かれて表皮・骨格・消化管などになります(図1)。

体細胞は分裂を繰り返すごとに自分の可能性を狭めていき、最終的にひとつの目標に到達します。これは小学校ではまだ無数の可能性を秘めていた少年が、やがて進学校に合格、受験勉強を経て医学部に入学して卒業し医師免許を取得、医師として一生働くというようなことでしょう。

体細胞は人為的な操作を加えない限り、可能性を狭めることはできても広げることはできません。これは至極当然で、皮膚の中に突然消化管が現われては困るわけです。

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脳神経細胞や心臓の筋細胞などは終末分化した細胞の典型例で、幼少時に分化した細胞はそのまま死ぬまで同じ場所で働きます。ここでひとつの疑問が生じます。なぜ大人になっても髪の毛は伸びるのでしょうか? 

ヒトの毛髪は3日で約1ミリメーターくらい伸びるわけですが、細胞は高さが数マイクロメーターくらいの大きさなので、髪の毛の中の細胞縦1列について3日間で200個弱くらい新しい細胞が生み出されていることになります。1日60個とすると1時間で2.5個の細胞が毛根で生み出されていることになります。これは縦1列の分だけですから、毛1本分ではその数百倍の細胞ができているわけです。

このように多細胞生物が体を構築するシステムは、必要な体細胞を最初に大量に作っておいて、あとはそれらが分化して死んだら個体も死ぬという単純なものではなく、同じ体細胞でも途中で自己複製し補充しながら成人の体をささえていくような細胞も存在します。毛髪・皮膚・爪・血液・小腸などは特に毎日大量の細胞をつくっています。

これらの元になる自己複製しながら組織の細胞を供給していく細胞が幹細胞といわれるものです。幹細胞は細胞分裂が可能な若い細胞なのですが、かといって毛髪の幹細胞から爪や赤血球ができては困ります。各組織の幹細胞は、それぞれ運命が限定されています(1)。

図1のように受精卵は成体のあらゆる細胞を製造する能力を秘めていますが、やがて生殖細胞系と体細胞系というグループにわかれ、体細胞系は外胚葉・中胚葉・内胚葉という能力が限定されたグループにわかれ、それぞれから様々な臓器が生まれてくるわけです。

このとき例えば脳の中に爪になる細胞が混じっているとか、筋肉の中に腎臓の細胞が混じっているなどということは避けなければならないので、細胞分裂が可能な細胞は、分化が進行するあるときにデジタル的に自分の運命をはっきりと決定しなければなりません。これが図2のA、B、Cのプロセスです。

色がついている細胞は実際に分化した細胞ではなく、白い細胞に比べて分化する可能性が限定された細胞を意味します。A、Bの過程だけだと白丸で示した未分化細胞がなくなってしまうので、細胞がダメージを受けたり老化が進んだ場合、組織や臓器が必要とする細胞を補充することができません。脳神経細胞や心筋細胞は一生同じ細胞を使う場合が一般的なので、AやBのプロセスを経た色つきの細胞集団に近いと言えます。

一方毛髪など生きている間は常時補填が必要な臓器はCやDの自己複製が可能な細胞(幹細胞)を維持していかなければなりません。幹細胞を定義すればCのように、細胞分裂した際に自分自身のコピーと分化していく運命にある娘細胞を作り出す細胞ということになりますが、実際には幹細胞のある場所にはCとDが共存していると思われます。

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成人の体にも自己複製できる細胞が存在することは容易に想像できたわけですが、それを科学的に証明するのはなかなか困難でした。それを最初に行なったのはカナダの研究者Till と McCullochで、1961年のことでした。放射線医学・生物学分野の研究者なら、Till と McCulloch の業績は誰でも知っていますが、意外に若い分子生物学の研究者達は知らないのではないでしょうか。幹細胞の研究は長い間、ごく一部の研究者しか興味を持たないような不遇の時代が続いたという事情があります。

Till と McCullochの実験の概要を図3に示します。致死量の放射線を当てたマウスは造血ができなくなって、脾臓も紙のように薄くなって死亡します。マウスはヒトなどと異なり、骨髄でも造血しますが、より主要な造血器官は脾臓です。放射線を当てたマウスが死亡する前に、他のマウスの骨髄細胞を注射すると、脾臓に「こぶ」のような細胞の固まり=コロニーができて造血を行い、本来なら死亡するはずのマウスが生き延びることを彼らは実証しました(2、図3)。つまり他の個体の骨髄に含まれていた造血幹細胞から、図8にみられるような様々な血液細胞が生成されて生き延びることができたということになります。

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JohnsonとMetcalf はさらに造血幹細胞をシャーレの中で培養し、シャーレの中で1個の細胞からコロニーを作らせることに成功しました(3、図4)。そのコロニーの中に、様々な血液細胞が生成されていました。その後血液幹細胞を培養するという実験は大流行し、そこからES細胞(胚性幹細胞)へと研究がつながっていったわけです。

ES細胞やiPS細胞は血液細胞だけでなく、あらゆる細胞に分化する能力を持っています。幹細胞の分野ではES細胞や iPS細胞の作成で複数の研究者がノーベル賞を受賞していますが(4、5)、これらはむしろ応用技術であり、幹細胞の存在を証明したというルーツの業績を残した人々、すなわち Till、McCulloch、Johnson、Metcalf が授賞しないというのは納得できないところです。応用技術というのは次々と技術革新が行なわれることによって乗り越えられていくものですが、ルーツを作ったあるいは原理を証明したという業績は永遠に残るものです。

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ヒトの体内にはさまざまな幹細胞が存在します。表皮の幹細胞のように表皮にしかならないもの、毛髪の幹細胞のように毛髪だけでなく、やけどをしたときは表皮も再生できるもの、造血幹細胞のように赤血球、血小板、白血球、リンパ球など様々なタイプの細胞をつくりだせるものなど様々ですが、そのまま個体を再生できる体細胞はありません。

生物学の研究材料としては比較的ポピュラーな、プラナリアという生物がいます。水の綺麗な小川の底石をはがすとみつかることがあります。長さが1cmくらいの扁平な生き物です。プラナリアは体を切断すると、断片から個体を再生できます(図5)。このことは究極の幹細胞、すなわちあらゆる成体の組織を新生できる能力を持つ幹細胞を、彼らは多数体内に維持していることを意味します。

体を細かく分断しても断片から全体を再生できるというのはいわゆる無性生殖であり、彼らは有性生殖も行なうので、進化の途上で体細胞に含まれる全能性の幹細胞を失わなかったというのが彼らの生き方です。ES細胞や iPS細胞はヒトのプラナリア化を可能にする技術とも言えます。

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一方線虫の1種であるシー・エレガンス(Caenorhabditis elegans)は私達と同じく、体細胞は細胞分裂を繰り返すにつれてその可能性を狭めていき、最終的には特定の臓器に分化して死ぬという運命を持っています。違うのは成人が数十兆個の細胞を持っているのに対して、シー・エレガンスの大人(雌雄同体)は959個の細胞しか持っていません。それらの細胞は受精卵から終末分化するまで、まるで家系図のように出処進退が明らかにされています。

シー・エレガンスの個体も細胞も固定されているわけではなく、発生の過程で複雑に動くので、それぞれをきちんと最後まで見届けるのは途方もない作業ですが、John Edward Sulston と共同研究者達は、細胞に色をつけたりして綿密に追跡し、ついにそれを成し遂げました(6、図6)。56ページの長大な論文ですが、専門外にもかかわらず、私はコピーして手元に置いています。まさに人類の宝のような論文です。ウェブサイトにも公開されています(7)。サルストンは2002年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。図6の右下の系譜は大幅に省略した記載です。

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サルストンらの驚異の業績と比べると小さな知見ですが、ヒトの造血幹細胞の分化系譜も明らかになってきました。まず古典的な系譜を示します(図7)。この図では、造血幹細胞はリンパ系の細胞と骨髄系の細胞に分かれます。骨髄系の細胞は好酸球・好中球・好塩基球のグループと単球(マクロファージ・樹状細胞)のグループ、そしてそれらとは別の系譜の赤血球・血小板系のグループに分かれたあと、それぞれの細胞系譜に分化していきます。

赤血球・血小板系以外の細胞はすべて免疫関連細胞で、異物を排除するためのシステムに所属しますが、赤血球・血小板系は全く異なる役割を持っており、赤血球は呼吸=ガス交換、血小板は血液凝固=傷対策という機能を果たしています(1)。ただし、リンパ系のT細胞と骨髄系の単球に分化できる細胞(赤矢印)が存在するとの報告もあります(8)。この件について河本宏と桂義元が日本語で詳しく解説しています(9、10)。最近ではT細胞系は他の細胞と別系列だという考え方が主流のようです。

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骨髄にはおそらく図2のA~Dタイプの細胞が棲み着いており、条件によってコントロールされた増殖・分化を行なっていると思われます。最近の知見に基づけば、T細胞系の前駆細胞は骨髄に定着するB細胞とは離れた細胞系列で、胸腺に定着して増殖・分化してT細胞を生成するとされています。T細胞は抗体(イムノグロブリン)を産生する以外のさまざまな免疫機能(たとえば細菌に感染した細胞を殺すなど)を持っています。B細胞は抗体を産生する細胞で、B細胞とT細胞をまとめてリンパ球と称するのは正しくないようです。

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ES細胞や iPS細胞については次回に述べます。

参照

1)森岡清和著 「素顔の赤血球-その生いたちと運命をさぐる」 金原出版(1994)

2)Till JE, McCulloch EA: A direct measurement of the radiation sensitivity of normal mouse bone marrow cells. Rad. Res. 14, 213-222 (1961)

3)Johnson GR, Metcalf D: Pure and mixed erythroid colony formation in vitro stimulated by spleen conditioned medium with no detectable erythropoietin. Proc. Natl. Acad. Sci. USA pp. 3879-3882 (1977) 

4)https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2007/evans-bio.html

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%AD%E4%BC%B8%E5%BC%A5

6)J.E. Sulston, E. Schierenberg, J.G. White and J.N. Thomson., The Embryonic Cell Lineage of the Nematode Caenorhabditis elegans., Developmental Biology vol. 100: pp. 64-119  (1983)  doi: 10.1016/0012-1606(83)90201-4

7)http://www.wormatlas.org/SulstonembCellLin_1983/SulstonembCellLin1983.html

8)http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/18591

9)河本宏・桂義元 “リンパ球系列” という既成概念からの解放 科学 vol. 79, no.6, pp. 605-613 (2009)
http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/common/images/contents_for_researchers/d_03/kagakusousetu.pdf

10)河本宏 免疫細胞はどこで、どんな細胞からつくられるの? 
http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/kawamoto.pdf

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2017年11月 6日 (月)

日米首脳会談

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トランプと晋三の会談ですが、はっきりしたことがひとつあります。それは日本が米国から大量に武器を買うということが明らかになったことです。日本にその財政的余力はないので、やれば自民党政権は倒れ、政権交代がおきそうです。晋三政権とすれば本当に困ったことになるでしょう。

晋三政権の支持率は北朝鮮問題で勇ましい姿勢を貫いていることと米国との蜜月が評価されて上昇していますが、それが実は政権の首を絞めていることを支持者は理解していないのでしょう。

会談の報道やトランプの雰囲気から、トランプが最終的に軍事オプションの実行を決定したという臭いはしませんでしたが、やる場合は自衛隊の全面的協力があることがひとつの条件になるでしょう。晋三がそれを認めた場合(認めないことを期待しますが)、核ミサイルが東京に飛来することは間違いないでしょう。覚悟すべし。打ち落とせるかどうかは時の運もあるでしょう。ただし軍事オプションの行使は、日韓のほか中国が承認しないと、さすがのトランプもやらないでしょうけどね。

トランプとしても非常に困った状況です。北朝鮮がICBMと原子力潜水艦を開発すれば、北朝鮮への軍事オプションは米国破滅のリスクを背負うことを覚悟しなければなりません。やるなら今年・来年が最後のチャンスで、それを逃せば事実上北朝鮮を核保有国として認めるという選択肢しかなくなります。

金正恩も本当に困っていると思います。核実験場は崩壊寸前ですし、経済も崩壊寸前。かといって核開発の国是は曲げられません。ICBM発射実験をやる度胸はないでしょう。

日本としては米国が北朝鮮を核保有国として認めることを期待するしかありませんが、晋三がそれを米国に進言することはあり得るのでしょうか? そうしてほしいですけどね。自民党の支持者には、米国が北朝鮮に軍事オプションを行使することを期待する人が多いと思いますが、それは日本という国家をかけた博打だということを考えて欲しいと思います。

同じ博打なら、核兵器非保有国が団結して保有国に対して交易を停止するという戦いをやってほしいですね。それに勝利するしか世界から核兵器をなくす方策はありません。そのためには、核兵器禁止条約加盟122ヶ国に加えてドイツと日本が反核勢力として加わることが必要ですが。

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