2017年8月20日 (日)

サラとミーナ189: 新タワーに定着

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ようやくサラが新タワーに定着し、居場所にしたようです。 前と同様最上段です。猫はビビリタイプほど上に行くようです。タワーの臭いもほぼ抜けました。

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ミーナは私のベッドで大あくび。ここがミーナの居場所で、夜は私と交代。



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2017年8月18日 (金)

西島三重子バースデイライヴ@原宿ラ・ドンナ2017年8月17日

Imga_2012_2原宿は別世界で、日本の街とは思えないくらい、街並みがインターナショナルで、外国人も大勢闊歩しています。

それにいつきても若い人が大勢歩いていて、こんな街がまだ日本に存在することに少し安心します。

街角に鷹がいました。鷹匠さんと良いコミュニケーションがとれているようです。最近またバーバー博士の「もの思う鳥たち」が話題になっていますが

http://www.02.246.ne.jp/~kasahara/psycho/Barber_Human_Nature_of_Birds.html

この写真など見ると、犬猫だけでなく、鳥ともその気になればかなり良い関係が築けるのではないかと思いました。ところでこの鷹匠さんが右手に持っているのは何でしょうか。その答えは下の写真にあります。

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鷹匠さんは霧吹きで水をかけてあげていました。鷹は気持ちよさそうに水浴びをしています。でも鷹匠体験って何をするのでしょうか? 時間があったらやってみたかったです。

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ラ・ドンナに行くとまだクローズドの札でしたが、もう十数人が階段を降りて並んでいました。今回のライヴは前売りで満席売り切れです。

このライヴハウスはとても聴きやすい理想的なフロア構造で、音響設備も万全です。ただ最初に食事を注文したのに、持ってきたのがライヴがはじまってから、つまり1時間経過というのは、いまどきあり得ないレストランではないのかと、ひと言苦言を呈しておきます。

サポートは織原洋子(pf)、平野融(g)です。織原さんのピアノがボーカルに寄り添って素晴らしく、平野さんも今回はリラックスして楽しみながら演奏している感じでした。

セットリストはメモをとっていなかったので、うろ覚えです。ご容赦ください。

星のTapestry
孔雀の海
夢の足跡
池上線
池上線ふたたび
愛に流されて
少年の風
天体望遠鏡
おひさまのたね

わたしはどこへ行くの?
渚を走るDolphin
シャドウ
河はながれる
泣きたいほどの海
永遠の少年たち
星屑のララバイ
サイレントデイズ

(Happy birthday to Mieko)

そうよ smile again

特になつかしい「泣きたいほどの海」を聴けたのには感激です。https://www.youtube.com/watch?v=sEyOtFWiqow

「そうよ smile again」
https://www.youtube.com/watch?v=YvzFbk7R60c

ポスターです↓

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最近みどりむしとヨーグルトで肥満したそうですが、写真写りはそのせいでかえって良くなった感じがします。還暦過ぎてもライヴをやってくれていることに感謝します。以前に石井好子さんが80歳記念ライヴをマンダラでやったそうですが、是非それをめざしましょう。少しエンジンのかかりが遅くなりましたが、声はまだまだ大丈夫という感じがしました。

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2017年8月14日 (月)

やぶにらみ生物論83: 制限酵素

細菌にとって最大の天敵はバクテリオファージ(ウィルス)です。この寄生体はホスト細菌の細胞壁にとりついて、注射器のようなツールでDNAを注入し、細菌のDNAにまぎれこませたり、あるいは直ちに細菌の中にある栄養物質を使って増殖し、殻もつくってホストを殺して外に出たりするわけです。

ベルタ-ニとワイグルはこの現象を研究しているうちに不思議な現象を発見しました(1)。それは、ある系統の大腸菌で生育させたファージを別系統の大腸菌に感染させると、そこで生育したファージは感染能を失っている場合があるということです(図1、赤で示した!は感染能の喪失を示します)。すなわち大腸菌はP2やλファージの感染性を制御する能力を持っているということを意味します。彼らはこの現象が遺伝子の突然変異によるものではないことを示しましたが、そのメカニズムは解明できませんでした。他にもこの現象に気がついていた研究者もいましたが、誰もメカニズムを解明できませんでした(2)。

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アルバー(図2)はジュネーヴ大学を卒業して、電子顕微鏡のオペレーターの仕事をしていましたが、そこからファージの研究に転身して、λファージを大腸菌に感染させる仕事をしていました。そしてλファージが大腸菌の中で、うまく増殖してくれないことに関心を持って研究を進めるうちに、λファージDNAを放射性のP(32P)でラベルして感染させると、大腸菌のなかでDNAが分解され、32Pは可溶性分画に出てくることがわかりました(3)。まさしく大腸菌の免疫機構が発動して、ファージを分解していたのです。

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1960年代には、この免疫機構にS-アデノシルメチオニンが必要なことや、DNAのメチル化がかかわっていることがわかってきました。すなわち修飾がないとファージと同様に分解酵素でアタックされるはずの大腸菌DNAの切断部位が、メチル化されることによって切断を免れることが判明しました(4)。

ファージのDNAを分解する酵素を制限酵素 (ファージの増殖を制限するという意味 英語では restriction endonuclease) といい、DNAを保護するDNAメチラーゼとあわせて制限修飾系(R-Mシステム)ともいいます。

制限酵素を大腸菌から最初に精製したのはメセルソンとユアンでした(5)。この酵素はその後 I 型制限酵素と呼ばれ、DNA鎖上の特異的な塩基配列を認識しますが、DNAを切断する部位は認識部位から400~7000塩基(bp)も離れたところにあるので、遺伝子工学の研究者からは「使えない」酵素として忘れ去られました。大腸菌にしてみれば、自分のゲノムは切断されず、進入してきたファージDNAを切断してくれるわけですから、I 型でも十分用は足りているわけです。

I 型制限酵素はDNAを切断するRサブユニット2個、DNAをメチル化するMサブユニット2個、DNAの塩基配列を認識するSサブユニット1個の計5つのサブユニットからなり、同じ塩基配列を認識しても、ホストのDNAはメチル化し、ファージのDNAは切断するという複数の役割をひとつの分子が行なうことができます(6、図3)。Sサブユニットもふたつのドメインが逆向きに重なったような構造で、2本の αヘリックスからなるバーの両端に塩基配列認識部位があるので、離れた2ヶ所で塩基配列を認識します。I 型制限酵素は認識した塩基配列から離れた位置でDNAを切断する点、そしてメチラーゼ活性を持っているという点で遺伝子工学のツールとしては基本的に不適切でした。

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ハミルトン・スミス(図2)は大学では数学を専攻していました。その後カリフォルニア大学、ジョンズ・ホプキンス大学と渡り歩いて医師になりました(7、8)。ところが彼はアルバーが制限酵素を発見したことに興味を持ち、ちょうど自分の研究室を持てることになったので、せっかく資格を得た医師の仕事を棄てて研究者になりました。アルバーが使った大腸菌とは異なるインフルエンザ菌(昔この菌がインフルエンザの病原体と考えられていた時期があり、その名残で名前が残っている)の制限酵素を調べてみました(8)。

実験材料だけ換えて追試するというのはバカにされがちですが、これも必要な研究ですし、ときには思いがけない重要な発見もあるのです。まさにハミルトン・スミスは彼の最初の学生だったケント・ウィルコックスと共に驚きの実験結果を得ました。

インフルエンザ菌の制限酵素はなんと認識した塩基配列を、その位置で切断したのです(9、図4)。この酵素は現在Hinc II(またはHind II) とよばれています。図4にみられるように Hinc II は1種類の塩基配列だけ認識するわけではなく、若干の幅があって、4種類の塩基配列を認識し、その中央でDNAを切断します。

II 型制限酵素は、I 型のようにATPやS-アデノシルメチオニンを必要とせず、マグネシウムイオンのみを要求する酵素反応を行います。またほとんどはDNAメチラーゼの活性をもっておらず、制限修飾系は別の分子であるDNAメチラーゼと協力して成立します。

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ハミルトン・スミスの研究結果は燎原の火のように広がり、われもわれもと新しい制限酵素の発見競争がはじまりました。そのなかのひとりがダニエル・ネイサンズ(図2)でした。

彼はSV40というヒトやサルに感染するウィルスを研究していましたが、このウィルスのDNAをハミルトン・スミスの酵素で処理すると最大11個の断片に切断することができました(10)。これはDNAの塩基配列の研究に非常に有用であり、かつ塩基配列レベルでの遺伝子地図の作成が可能であることを示唆しました(図5)。

例えば図5で、あるDNAを制限酵素赤で切断して3つの断片A,B,Cが得られたとします。それだけでは各断片の塩基配列を解析してもABCの順番はわかりません。

しかし同じDNAを制限酵素青で切断して4つの断片が得られ、そのうちひとつの断片の左側(2’)が断片Aの右側(2)と一致し、右側(3’)が断片Bの左側(3)と一致すれば、断片Aは断片Bの左隣であることがわかります。同様に断片B、Cについても調べれば、BがCの左隣であることがわかり、制限酵素赤で切断した結果の3断片はABCの順に並んでいることがわかります。

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アルバー、スミス、ネイサンズの3人(図2)は1978年にノーベル生理学医学賞を受賞しました(11)。その受賞理由は「for the discovery of restriction enzymes and their application to problems of molecular genetics」となっています。生理学医学賞で application to という言葉が使われたのははじめてです。すなわち生理学医学の領域においてもサイエンスのみならず、テクノロジーの分野における貢献もノーベル賞の対象になるということを、彼らは示しました。

さて、次々とみつかった II 型制限酵素を統一的に命名し整理することが必要になりました。スミスとネイサンズは1978年に命名法の基準を提案しましたが(12)、現在でもほぼ彼らの考え方に沿った形で命名が行われています。

1.当該制限酵素を産生する生物の属名の先頭の1文字、種名の先頭の2文字を記す。例えば大腸菌なら学名は Escherichia Coli ですから Eco、インフルエンザ菌なら Haemophilus influenzae ですから Hin となります。

2.制限酵素の由来がその生物のゲノムではなく、潜在ウィルスやプラスミドに由来する場合はそれらの頭文字(大文字)を記す。例えば EcoR。

3.生物の株によって産生する酵素が異なる場合、株名を記す。例えばHaemophilus influenzae のd 株(小文字)なら Hind となる。

4.同じ株が複数の制限酵素を産生する場合は、それぞれローマ数字をつける。例えばHaemophilus influenzae のd 株は3種の制限酵素を産生するので、それぞれ Hind I, Hind II, Hind III となります。

制限酵素によるDNA切断の様式を大きく分類すると、図6のような3種類になります。平滑末端を作るタイプの制限酵素は、リボンをハサミで切断するように、突出部位の無い平滑な末端(blunt end)をつくります。

5’ が突出するタイプの末端をつくる酵素は、DNAの両鎖ともに5’ が突出した末端が形成されます。Hind III の場合TCGAとAGCTという相補的な末端ができるので、これらは再びくっつき易いという特徴をもっています(cohesive end)。また3’-OH があって鋳型もあるわけですから、DNAポリメラーゼのよい標的になります。3’ が突出するタイプの末端を作る酵素は5’突出型と同様な特徴がありますが、DNAポリメラーゼの標的にはなりません。

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現在4000種類の制限酵素がみつかっており、そのうち600種類は市販されているそうです(13)。

ところで図6の塩基配列をみればわかりますが、制限酵素が認識する部位は塩基配列が回文構造になっています。回文とはアニマルマニアのように前から読んでも後ろから読んでも同じ文のことですが、たとえばHind IIIが認識する配列は、AAGCTTであり、これ自体は回文ではありませんが、対面するDNAの塩基配列はTTCGAAであり、180度回転対称となっているので、この意味で回文構造と称しているわけです。

どうしてこのような構造になったのかの説明ですが、図7に示したように、回文配列はDNAの裏から酵素がアプローチしても塩基配列を認識できることから、2倍の効率のためという説がありますが、どうでしょう? 2倍の効率というのはちょっと低すぎると思います。実際には回文配列の部分が特異な構造なので、熱力学的に切断に要する化学エネルギーが少なくて済むからという可能性もあると思います。またII型制限酵素はホモダイマーあるいはテトラマーであり、同時にDNAの表裏を認識していると思われ、このような認識様式を利用して切断するというやり方が進化の初期に定まったというのがひとつの理由なのかもしれません(14)。

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II 型制限酵素を使うと、自在にDNAを切断して再連結することができるので、例えば図8のように別種のDNA(AとB)をそれぞれHind III で処理し混合すると、それぞれAGCT、TCGAという相補的な突出部位を持っているので、再連結させることができます(アニーリング)。そしてDNAリガーゼで3’OHと5’Pを接続すると、AとBを連結したハイブリッドDNAができあがります(15)。

これはAという菌とBという別種の菌を融合した新種の菌ができる可能性を示唆しており、まさしく科学が神の領域にまで進出したということで騒ぎになりました。しかし誰も科学技術の進歩は止められず、20世紀末にDNAの加工に関連したテクノロジーは大発展をとげることになります。

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細菌は I、II 型とは異なるタイプの制限酵素ももっていて、むしろ III 型はより一般的なのかもしれません。III 型制限酵素はエンドヌクレアーゼのサブユニット2+DNAメチラーゼのサブユニット2で構成されていて、I型のように塩基配列認識のためのサブユニットがないので、それぞれの酵素活性をもつサブユニットが認識していると思われます(16)。

例えばサルモネラ菌の StyL TI は5’-CAGAG-3’ という塩基配列を認識します。III 型はこの認識部位でDNAを切断するのではなく、25-27bp下流(3’側)で切断します。DNA切断にはマグネシウムイオンとATP、メチル化にはマグネシウムイオンとS-アデノシルメチオニンが必要です。細菌とファージの戦いは熾烈で永遠です。このほかにも IV型、V型などの制限酵素がみつかっているようです(17)。


参照

1)G. Bertani and J. J. Weigle., HOST CONTROLLED VARIATION IN BACTERIAL VIRUSES, J Bacteriol., vol. 65(2), pp.113-121. (1953)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC169650/

2)Luria SE. Host-induced modifications of viruses, Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol., vol.18, pp.237-244 (1953)

3)Daisy Dussoix,Werner Arber., Host specificity of DNA produced by Escherichia coli: II. Control over acceptance of DNA from infecting phage λ., Journal of Molecular Biology, Vol.5, Issue 1, pp.37-49 (1962)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002228366280059X?via%3Dihub

4)Werner Arber and Stuart Linn., DNA modification and restriction.,  Annual Review of Biochemistry., Vol.38, pp.467-500 (1969)

5)Matthew Meselson and Robert Yuan., DNA restriction enzyme from E.Coli., Nature 217, 1110-1114 (1968). doi:10.1038/2171110a0
https://www.nature.com/scitable/content/DNA-Restriction-Enzyme-from-E-coli-12388

6)Wil A. M. Loenen, David T. F. Dryden, Elisabeth A. Raleigh and Geoffrey G. Wilson., SURVEY AND SUMMARY  Type I restriction enzymes and their relatives.,  Nucleic Acids Research, Vol. 42, No. 1, pp. 20-44 (2014)
doi:10.1093/nar/gkt847

7)https://en.wikipedia.org/wiki/Hamilton_O._Smith

8)Jane Gitschier, A Half-Century of Inspiration: An Interview with Hamilton Smith. PLoS Genetics vol. 8, pp. 1-5 (2012)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3257296/pdf/pgen.1002466.pdf

9)Hamilton O. Smith and Kent W. Welcox., A Restriction enzyme from Hemophilus influenzae: I. Purification and general properties., Journal of Molecular Biology
Vol. 51, Issue 2,  pp. 379-391 (1970)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/002228367090149X?via%3Dihub

10)The Daniel Nathans Papers.  Restriction Enzymes and the "New Genetics," 1970-1980. US National Library of Medicine., NIH
https://profiles.nlm.nih.gov/ps/retrieve/Narrative/PD/p-nid/325

11)The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1978
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/1978/

12)Smith HO, Nathans D., A suggested nomenclature for bacterial host modification and restriction systems and their enzymes., J Mol Biol.. vol. 81(3), pp. 419-23. (1973)

13)https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/cloning/cloning-learning-center/invitrogen-school-of-molecular-biology/molecular-cloning/restriction-enzymes/restriction-enzyme-basics.html

14)Pingoud A, Fuxreiter M, Pingoud V, Wende W., Type II restriction endonucleases: structure and mechanism., Cell Mol Life Sci., vol. 62(6), pp. 685-707. (2005)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15770420

15)R.W.オールド、S.B.プリムローズ 「遺伝子操作の原理」 第5版 関口睦夫監訳 培風館 (2000)

16)Desirazu N. Rao, David T. F. Dryden and Shivakumara Bheemanaik., SURVEY AND SUMMARY Type III restriction-modification enzymes: a historical perspective., Nucleic Acids Research, Vol. 42, No. 1 pp. 45–55 (2014)  doi:10.1093/nar/gkt616

17)https://en.wikipedia.org/wiki/Restriction_enzyme

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2017年8月11日 (金)

墓参り2017

神戸に墓参りに行ってきました。今年の北総は梅雨の延長のようで、ずっと夜はエアコン無しで就寝しているくらいです。しかし今年の関西の暑さは格別です。梅雨の延長のような関東とは全然違います。お寺の本堂は全開です。

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お布施を納めに行ったら、いつもどおりハナちゃんがいました。黒猫は写真撮影が困難ですが、敢えてワンショット。

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境内を歩いているとハンミョウがいました。子供の頃には普通に見かけたのですが、北総ではほとんどみかけたことがありません。気温が高いせいか、セミが大発生していて、境内を歩いているうちに、何匹か私に衝突しました。

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お寺から駅まで歩いて降りてくると、あまりの暑さで気分が悪くなってしまいました。体温が上昇したような気がしました。駅のカフェテリアで普段は食べない氷系のデザートで体を冷やすと、ようやく動けるようになりました。

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2017年8月 8日 (火)

麻枝准 x 熊木杏里 「long long love song」

Imgbアマゾンから分厚い封筒が届く。あれだな。
麻枝准x熊木杏里の「long long love song」だろう。

開けると、奇妙な分厚いブックレットがとびだしてきた。
「Long Long Love Song」 制作日誌、時々入院 麻枝准 ・・・ というタイトルだ。なんじゃこりゃ。

とりあえず読み始める。終われない。
1時間くらいかけて、ようやく読了。

凄い内容だった。プロデューサー(兼作詞・作曲)の闘病と仕事の死闘の記録に圧倒される。

翌日ようやくCDにたどりつく。

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僕らだけの星:曲のスピード感にボーカルがついていくのに必死感あり

Bus Stop:地味だけど、深みのある良い曲だと思う 麻枝のファンも絶賛

小説家とパイロットの物語:クマッキーの声が映える曲 ただメロディーの印象が薄い

Rain Dance:ボーカルが浮かび上がるアレンジが秀逸

約束の歌:メロディーの印象が薄く、はいっていけない

きみだけがいてくれた街:クマッキーのキャラに合わない感じだが、しみじみした曲 麻枝は人生の空虚さを表現したかったらしい

tale of the tree:メロディーが複雑すぎてついていけない 2オクターブ!? 変拍子!?

光の行方:エネルギーを与えてくれる曲

銀色世界:イントロがいい 地味だけど落ち着いてひたれるバラード CDの尺の限界でアウトロが断腸のオミットだったそうで残念

End of the World:アニメの主題歌らしい曲 それだけ

汐のための子守歌:素晴らしいバラード クマッキーの大事なレパートリーになりそう

Supernova:これはちょっと・・・

Love Song のつくり方:この曲だけは麻枝准の詩曲と熊木杏里のボーカルがきっちりシンクロした雰囲気がある。コラボの甲斐があった名曲。

私ははっきり言って現代の若い世代の音楽について行けてない。もちろん熊木杏里・まきちゃんぐ・The fin・洸美など、時代と無関係に音楽をつくっている人たちにはついていっているつもり。麻枝准は現代風の音楽の中心に居る人。だから私にとって、このCDはそのついて行けてない世界を垣間見るきっかけになったように思う。

クマッキーも自分の世界だけにひたって音楽をやっていればいいように思うが、周辺がそれをゆるさなかったり、自分でも壁を感じたりしたのでこのようなコラボを断行したのだろう。

麻枝准はクマッキーのような天才作曲家ではない。なぜなら脳にこびりつくようなメロディをつくることができないからだ。しかし病気を乗り越え、破格の努力を重ねてここまでたどりついたことに拍手とエールを送りたい。クマッキーも麻枝准のプライベートな情念が横溢する詩曲を歌いこなすのは難行苦行だった思う。お疲れ様でした。

きみだけがいてくれた街
https://www.youtube.com/watch?v=lXY6tefsuFw

全曲試聴ムービー
https://www.youtube.com/watch?v=wkkT6503KLc

麻枝准とは? (熊木杏里との対談)
2時間くらいかかりますが、非常に興味深い対談。曲も満載。
https://www.youtube.com/watch?v=0C38LL-61l0

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2017年8月 5日 (土)

やぶにらみ生物論82: 染色体3

減数分裂がおこるときには、体細胞分裂ではおこらない不思議な染色体の行動が観察されます。それは相同染色体を探してペアを形成することです。それぞれの染色体は2nですから、このペアは4nの遺伝情報を持っていることになります(図1)。このペアリングのことを日本語では相同染色体対合、英語では homologous chromosome pairing といいます。

この後2回の細胞分裂が起こって、4個の細胞(遺伝情報はそれぞれn)が生まれ、精子あるいは卵子となります。図1はこの1回目の細胞分裂と、通常の体細胞分裂を比較して示したものです。減数分裂の最初のステップで、染色体はどうやって相同染色体を探してペアリング(対合)するのでしょうか? 私はこの現象に関連する研究はやったことがありませんが、このことは学生時代からとても不思議で、いつも頭の片隅にひっかかっていました。

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ペアリングがおこると染色分体同士がキアズマを形成して一部の遺伝情報を交換し、いわゆる染色体の組み換えを行うことが容易になるという利点があります(1、図2)。ただこのためだけにペアリングが行われるのかどうかはわかりません。その後の減数分裂の進行に必要なのかもしれません。

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減数分裂時の相同染色体ペアリングは、マウス・ショウジョウバエ・酵母・シロイヌナズナ・小麦・コメ・たまねぎなどさまざまな生物で確認されています(3)。不可解なのは、相同染色体のペアリングの前に非特異的な染色体のペアリングがみられることです。Obeso らはこれをペアリングと呼ぶのはおかしいということで、カップリングと呼んでいます(3)。カップリングの意味は全くわかっていません。

Obeso らはカップリングからペアリングへの切り替えは、セントロメア近辺でおこるプログラムされたDNA損傷修復が引き金となっておこると述べています(3)。このことはカップルとなっている染色体を切り離すと言う意味があるかもしれません。しかしペアリングそのもののプロセスや染色体ペアの安定化はDNA損傷修復とは関係がないというのがコンセンサスになっています(4-5)。

現在問題となっているのは、ペアリングがセントロメア主導なのか、短腕・長腕での相互作用が機能しているのかという非常にプリミティヴなことで、まだまだ解決にはほど遠い感じがします。ただZip1というタンパク質が関係していると言うことは昔から言われています(6、7)。Zip1を欠く突然変異体では、ペアリングは成功しません(8、9)。Obeso らのモデルを図3に示しますが、これが正しいかどうかはわかりませんし、これはあくまでもペアリングした結果であって、どのような機構で染色体が正しいペアリングの相手をみつけたかはわかりません。

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染色体というセクションの中で、もうひとつ述べておかなければならないことがあります。細菌や古細菌のDNAは環状であるのに対して、真核生物のDNA(クロマチン)は線状です。おそらく古細菌の中に線状のDNAを持つグループがいて、そのなかから真核生物が生まれたのではないでしょうか。現在ではその真核生物のルーツとおぼしきグループは絶滅したために、古細菌と真核生物のつながりがたどれなくなったと思われます。

線状DNAのメリットあるいはアドバンテージが何であるかということはよくわかりません。ただ原核生物にも真核生物にも線状のプラスミドを持つ生物がいることが知られています(10)。おそらく最初に線状化したのはプラスミドで、そのメカニズムを利用して、本家のDNAを線状化することに成功したのでしょう。線状DNAは環状DNAと違って、積み木のパーツとして使うことができるというメリットがあるかもしれません。例えば(本家DNA)-(プラスミド)-(別個体のDNA)という風につなげば、2n分のDNAを1分子としてまとめることができます。

メリットはともかくとして、線状DNAには大きなデメリットがあります。それは複製したDNAが短くなってしまうからです。どうしてそんなバカなことになるのでしょうか? それはやはり生物が歴史の産物だからです。何億年もDNAはプライマーRNAの3’OHを起点として複製されてきたので(11)、図4のように複製された新DNAの端にあるRNAプライマー(赤の点線)を除去したときに、線状DNAだと5’Pが露出するDNA末端をどうしようもないのです。地球上のどんなDNAポリメラーゼも5’P側からDNA鎖を延長することはできません。もしこれが環状DNAならば、ぐるっと一周した反対側に3’OHがあるので、そこからDNAを伸ばして連結できるのですが、線状だと何もないのでプライマーRNAの分だけDNA鎖が短くなってしまいます。

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それともうひとつの問題は、DNAに端が存在するとそこから核酸分解酵素(エクソヌクレアーゼ)にDNAがかじられて、さらに鎖長が短くなってしまうおそれがあるということです。メッセンジャーRNAのように一時的にしか存在しない核酸分子でも、端はキャップとポリAでブロックされています。

この問題に最初に言及したのはハーマン・マラー(12)でした。マラーはX線によって生物に突然変異が発生することを発見し、それによって1946年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。マラーはテロメアという言葉を発明し、染色体の逆位の研究などから染色体の末端が特別な構造になっていると予測しました。また動く遺伝子で後にノーベル賞を受賞したバーバラ・マクリントックも、染色体の端にはなんらかの先端キャップのような構造があることを指摘しました(13)。

しかしテロメアの構造と合成酵素が解明されたのは1970年代後半からで、エリザベス・ブラックバーン、キャロライン(キャロル)・グライダー、ジャック・ショスタクの3人が、この功績で2009年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。彼らは鋳型RNAをかかえこんでいる酵素テロメラーゼによって、その鋳型を使用して線状DNAの末端に特殊な繰り返し構造が作られることを解明しました(14、15、図5)。

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なおテロメアの塩基配列は生物によって異なっています(図6)。初期はテトラヒメナ(繊毛虫)を用いた研究が多かったので、図5ではTTGGGGという塩基配列が採用されています。かなり異なる塩基配列を用いている生物もいますが、ヒト・アカパンカビ(Neurospora crassa)・モジホコリ(Physarum polycephalum)・トリパノソーマで共通(TTAGGG)、昆虫(TTAGG)や植物の一部(TTTAGGG)とも1塩基違いというのは、強く保存された塩基配列と言えます。

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テロメア形成の方法は図5では簡単すぎるので、別に図7(ウィキペディアより、16)を示して説明します。

1.複製終了後のDNA末端は5’末端のプライマーRNAが分解されて、その後を埋められず片鎖が短い状態です。
2.DNA末端にはテロメアに特異的な塩基配列があり、テロメラーゼは保有するRNAの相補的配列を利用してテロメアの末端に結合します。
3.テロメラーゼはテロメアDNA末端の3’OHと、自分が保有する鋳型RNAを使って、RNA-directed DNA polymerase 活性でテロメアを延長することができます。
4.2と3を繰り返すことによって、どんどんテロメアを延長します。したがってテロメアの塩基配列は同じ塩基配列がリピートした構造になります。
5.2~4の反応とは別に、テロメラーゼが保有するRNAの3’OH末端から、ギャップを埋め戻す反応をDNAポリメラーゼ(これはテロメラーゼではなく、DNA-directed DNA polymerase) を用いて行うことができます。この場合テロメラーゼのRNAはプライマーとして用いられます。

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おそらく最初にDNA末端と結合したテロメラーゼはテロメアを自分保有の鋳型分延長すると、鋳型だけ残してDNAから離れるのではないでしょうか。このときに逆方向のDNA埋め戻しが行われ、鋳型RNAが分解されてから再びテロメラーゼが結合すると考えると説明しやすく感じます。

いずれにしても、このようにテロメラーゼがテロメアに結合することによって、テロメアの延長と短くなったDNAの修復が同時にできるので、これは素晴らしいメカニズムです。古細菌から真核生物に進化する過程で獲得された、このエンジニアが設計図を描いて制作したような巧妙な仕掛けに、私は茫然とするしかありません。

テロメアはテロメラーゼの活性が強いか弱いかなどの影響で、長い細胞と短い細胞があります。生物種によっても違います。一般的に通常の体細胞は培養していると、50~70回細胞分裂を繰り返すと、分裂を停止します。図8(ウィキペディアより)には分裂回数が省略して書いてありますが(実際には50~70回)、テロメラーゼの活性が無いか低くてテロメアが短くなってくると、安全装置のようなものが働いて細胞分裂が停止すると考えられています。一方生殖細胞・がん細胞などではテロメラーゼ活性が強く、細胞分裂を行ってもテロメアは短縮されにくいようです。

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明らかにテロメアは細胞の寿命に関係していますが、テロメアを延長さえすれば細胞寿命が長くなると考えるのは早計です。実験用のマウスはヒトの数倍の長いテロメアを持っている上に、体細胞にもテロメラーゼの発現があることが知られています。しかしマウスの体細胞を培養すると、ヒトより早く分裂を停止しますし、そのときのテロメアは長いままです。だいたいマウスの寿命はヒトより30倍も短いので、テロメアが長ければ長生きできるというわけではありません。しかしテロメラーゼを欠損するマウスを作成すると、寿命が短縮されるというのもまた事実です。そしてこのようなマウスでテロメアを復活させると、若返りが実現します(17)。

しかし生きるために必要な遺伝子の変異や欠損は寿命の短縮を招く可能性があるわけで、テロメラーゼの変異だけが寿命を短縮させるわけではありません。さらにテロメアの短縮以外にも老化の理由は存在するということで、それらを解明しない限り不老不死は実現できません。たとえばDNAの修復に欠陥があれば、老化は進むでしょう。

ただテロメラーゼを活性化すれば、肌の若返りくらいは可能かもしれません。ビル・アンドリュースなど大まじめに取り組んでいる人々もいます(18)。このクリームを塗ったら皮膚癌が増えたなんてことにならないよう祈りたいです。アマゾンで売っているかどうか調べたらありました。50gのビンが194400円です。

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参照

1)Bruce Alberts et al., Essential Cell Biology 4th edn., pp.645-657, Garland Science (2014)

2)染色体とその組み換え 遺伝子博物館
https://www.nig.ac.jp/museum/history/06_d.html

3)David Obeso, Roberto J Pezza, and Dean Dawson, Couples, Pairs, and Clusters: Mechanisms and Implications of Centromere Associations in Meiosis., Chromosoma., vol.123, pp.43-55. (2014) doi:10.1007/s00412-013-0439-4.

4)Clarke L, Carbon J. Genomic substitutions of centromeres in Saccharomyces cerevisiae. Nature, vol.305, pp.23-28.(1983)

5)Bisig C.G.et al., Synaptonemal complex components persist at centromeres and are required for homologous centromere pairing in mouse spermatocytes. PLoS genetics. Published: June 28, 2012
http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1002701

6)Sym M, Roeder GS. Zip1-induced changes in synaptonemal complex structure and polycomplexassembly. J Cell Biol., vol.128, pp.455-466.(1995) PMID: 7860625

7)Xiangyu Chen et al., Phosphorylation of the Synaptonemal Complex Protein Zip1 Regulates the Crossover/Noncrossover Decision during Yeast Meiosis. PLoS Biol 13(12): e1002329. doi:10.1371/journal.pbio.1002329

8)Gladstone MN, Obeso D, Chuong H, Dawson DS. The synaptonemal complex protein Zip1 promotes bi-orientation of centromeres at meiosis I. PLoS genetics. 2009; 5:e1000771.

9)Newnham L, Jordan P, Rockmill B, Roeder GS, Hoffmann E. The synaptonemal complex protein Zip1, promotes the segregation of nonexchange chromosomes at meiosis I. Proc Natl Acad Sci USA., vol.107, pp.781-785. (2010)

10)郡家徳郎, 徳永正雄 酵母線状DNAプラスミドとキラーシステム ウイルスとの接点 化学と生物 vol. 41, pp. 832-841 (2003)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/41/12/41_12_832/_pdf

11)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/11/post-7f79.html

12)Muller, H.J. The remaking of chromosomes. Collect. Net, vol. 13, pp. 181–195. (1938)

13)McClintock, B. The Association of Mutants with Homozygous Deficiencies in Zea Mays. Genetics, vol. 26, pp. 542–571. (1941)

14)http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2009/press.html or http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2009/bild_press_eng.pdf

15)中山潤一 解説 2009年ノーベル賞を読み解く 生理学医学賞 細胞のがん化・老化にかかわるテロメアとは? 
http://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/~jnakayam/_src/sc734/pubj12.pdf

16)https://en.wikipedia.org/wiki/Telomerase

17)Mariela Jaskelioff et al., Telomerase reactivation reverses tissue degeneration in aged telomerase deficient mice., Nature, vol. 469(7328): pp. 102–106 (2011)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3057569/
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2011/20110725_02.html

18)http://テロメア.com/

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2017年8月 2日 (水)

サラとミーナ188: タワーを新調

Imgbキャットタワーを新調しました。中国製ですが、非常にしっかりしたつくりで価格は低廉。

というところはいいのですが、ひとつ問題があって、変な臭いがあるのです。説明書にも臭いに耐えられない人の場合、返品を認めると書いてありました。

ところでうちでは人の方は問題ないのですが、猫たちは気になるようで、長居はしたくないみたいです。ただ短時間ならこのように、展望台として利用しています。

夏はベランダに鳥、蝶、セミ、カナブンなどいろいろな訪問者があります。なかにはスズメバチとかゴキブリとか歓迎されざるお客さんもいますが。そうそう今話題の外来種、クビアカツヤカミキリもやってきました。

カミキリムシはクビアカツヤカミキリに限らず、幼虫は木の中にもぐりこんで過ごすので、クビアカだけを悪者にするのはどうかと思いますが。カミキリムシの幼虫はだいたい老木や倒木を好むので、強力な害虫というわけでもありません。

マツノマダラカミキリは害虫として有名ですが、これも寄生しているマツノザイセンチュウという寄生虫が松を枯らすのであって、マツノマダラカミキリとしては迷惑な話なのです。それに昔は枯れ木は燃料として有用だったので、むしろ益虫でした。人間の生活様式が変わると、害虫と益虫も入れ替わるというわけです。

ところでキャットタワーにもどりますが、臭いはだんだん揮発するので、いつの日か猫たちが居場所にしてくれることを期待しています。

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2017年8月 1日 (火)

クラシコ@マイアミ

BraugranaICC(インターナショナル・チャンピオンズカップ)2017は中国・米国・シンガポールで開催ですが、バルサはマイアミでレアル・マドリーと対戦です。ハードロックスタジアムは、アメフトのマイアミ・ドルフィンズのホームですが、観客との距離が近くて、サッカースタジアムとしても良い雰囲気です。バルサ選手の胸にはRAKUTENの文字がくっきり。あまり良い感じはしませんが、チームの選択なので良としましょう。

バルベルデのサッカーは特に目立った戦術の変化はありません。相手がマドリーということもあって、スタメンはほぼベストメンバーでチンタラもなし。マドリーはCロナウド、バルサはネイマールが移籍問題で騒がれていますが、Cロナウドがお休みに対して、ネイマールは出場です。ただコンディションはあまりいいようには感じられませんでした。

新加入選手のセメドに注目していましたが、なかなかフィジカルに優れた選手であることはわかりました。反射神経も優秀。アルバ・ビダル・セメドのSBで、無茶なフォーメーションをとらなければ、「バルサの守備はザル」などとは言わせないですみそうです。バルサのSBはエストレーモを兼ねるなどという雑音にまどわされず、自分らしいプレイをするべきでしょう。サイドからのカウンター阻止を是非お願いします。

あとシレセンの反射神経も素晴らしい。2度ほど「やられた」と思ったところを、スーパーゼーヴで失点を阻止しました。ラキティッチとブスケツは好調で活躍してくれそうです。メッシとスアレスも問題なし。マドリーではマルセロとカゼミーロが目立ちました。仕上がりが早いです。

ネイマールはストライカーとしての期待が大きいですが、私としてはロナウジーニョのようなパサーとして成長して欲しいと思いますね。今日もスアレスへのパス、ピケとのサインプレーが得点につながりました。サンジェルマンに移籍という悪夢は見たくありません。

相変わらずマドリーのミドルシュートは脅威で、コバチッチにやられましたが、ベイルやアセンシオも要警戒です。それにしてもペペが移籍したので、バルサとしては敵意半減です。上品なマドリーというのはどうなんでしょうか?

試合は3:2でバルサの勝利。ICC優勝です。


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2017年7月30日 (日)

玉木宏 音楽サスペンス紀行~亡命オーケストラの謎~

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7月29日(土)の20~22時に、NHK-BSプレミアムで「玉木宏 音楽サスペンス紀行~亡命オーケストラの謎~」という番組をやっていました。

亡命オーケストラとはいったい何だろうと興味を覚えて視聴しました。
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=11005

これが引き込まれる驚くべき番組でした。太平洋戦争の最高責任者の1人であり自殺した近衛文麿の実弟で、日本のクラシック音楽の創始者の1人である近衛秀麿が、実はフランスでレジスタンス運動をやっていたというお話なのです。

彼は若い頃からドイツに留学し、ナチスドイツでもハーケンクロイツをバックにオーケストラを指揮していたのですが、それに嫌気がさしてゲッペルスの不興を買い、ドイツ国内での演奏会を禁止されてしまいました。

秀麿は1943年頃にはポーランド国境付近の村に蟄居することになり、そこで近所に住んでいたパウル・パーゲルという反ナチ地下組織の活動家と知り合い、以降レジスタンスとして活動することになったようです。

どんな方法でレジスタンス活動を行ったかというと、1944年にパリで私的なオーケストラ「グラーフ・コノエ」を立ち上げ、そこにユダヤ人の音楽家を参加させて、機を見て逃亡させたというものです。秀麿のオーケストラにはピエール・ピエルロ(オーボエ)やジャック・ランスロ(クラリネット)のような、戦後著名な演奏家になった人がいましたが、特に重要なのはやはりこのオケのメンバーで、戦後パレナン四重奏団を立ち上げて活躍したジャック・パレナンです。

NHKはパレナンの娘から、このオケがユダヤ人を亡命させるための隠れ蓑であった(と父が語っていた)という証言を得ました。秀麿の残した記録のなかにも、車のトランクに人を隠して国境まで自分の車で運んだという記載があるそうです。オケのメンバーは50人くらいだったそうですが、演奏会の記念にと残された署名は30人分くらいしかなく、その他は署名が危険なユダヤ人だったのではないかと推測されます。

秀麿はゲッペルスの不興を買ったものの、完全決裂とまでは行っていなかったので、困難ながらも細々とドイツ占領地(ポーランド・オランダ・フランスなど)で演奏活動ができたようです。ゲッペルスに演奏会をやらせてもらえるよう手紙を書いたという記録が残っています。おそらく秀麿が同盟国日本の総理の弟ということで、そう簡単には処断できなかったという事情もあったのでしょう。

当時の「グラーフ・コノエ」のメンバーの話では、ユダヤ人を助けるだけでなく、仕事場がなく強制労働をやらざるを得ないと覚悟していたフランスの若い演奏家にとっても、強制労働を免れる上にキャリアを続けられるという2重の意味で、大変有り難い存在であったそうです。

レジスタンス活動というのは密告や暗殺の応酬などダークな側面を持つので、秀麿を含めて参加した人は戦後は口を閉ざして語らない場合が多いのですが、NHKはよくここまで調査したと思います。

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2017年7月28日 (金)

やぶにらみ生物論81: 染色体2

一般的に真核生物のDNAは核内においてタンパク質との複合体である「クロマチン(Chromatin)」の状態で存在します。その構成単位はヌクレオソーム(Nucleosome)と呼ばれ、4種類のヒストン(Histone)、すなわちヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、ヒストンH4それぞれ2つずつのタンパク質分子から成る8量体のコア・ヒストンに、DNA が巻きついた構造を取ります。ヒストンH1はコア・ヒストンには含まれず、リンカー・ヒストンと呼ばれ、ヌクレオソーム内のDNAを安定化する役割があります。

細胞が分裂するM期においては、クロマチンは極端に凝縮した染色体という構造をとります(図1A)。このような状態では転写やDNA複製のための複合体はDNAにアクセスできないため、DNAの情報の読み取りという観点から言えば、染色体は極めて不活性な状態にあります。一方未分化な状態の細胞、たとえば卵割期の細胞や幹細胞などでは、様々なDNAの情報が読み取り可能で、ヌクレオソームとヌクレオソームの間に広い間隙が存在します(図1C)。

そして最も一般的な核の状態は、図1Bのように一部はヘテロクロマチンを形成して核膜の裏側に結合して不活性な状態にあり、一部は核内で流動的な状態で、図1Cと同様ヌクレオソーム間に広い間隙が存在するユークロマチンとなっている状況です。この状態では一部のクロマチンでのみ転写が可能になっています。分化というのは特定の遺伝子しか転写されないというのとほぼ同義なので、図1Bの状態は合理的です。分化した細胞は通常細胞分裂しないか、しても長い間隔をおいて分裂するという状態なので、DNAの複製についてはあまり考慮する必要はありません。どのようなメカニズムでヘテロクロマチンが核膜の内側に結合するかは現在活発に研究が行われています(1)。

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ヌクレオソームを構成する4種のヒストンは、そのポリペプチド鎖がC末からN末まできっちりヌクレオソーム内に収納されているわけではなく、一部は「しっぽ」のようにヌクレオソーム外にはみ出しています(図2)。ヌクレオソームはポリペプチド鎖が折りたたまれた上に、まわりにDNAが巻き付いているので、アミノ酸を修飾する酵素が非常にアクセスしにくい状態であるのに比べ、ヌクレオソーム外にはみ出している部分は修飾酵素が容易にアプローチできそうです。実際図2に示すような、様々な修飾が行われていることがわかっています。

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このヒストンの「しっぽ」がどのように修飾されるかによって、クロマチンの存在状態、DNA複製のタイミング、アクセスできる転写複合体などが選別されます。つまりDNAやクロマチンにアクセスしたいタンパク質群は、ヒストンの状況によって許可・却下が決まることから、そのヒストンの修飾状況を「ヒストンコード」と呼ぶことがあります(2)。提唱者の定義によると 「We propose that distinct histone modifications, on one or more tails, act sequentially or in combination to form a 'histone code' that is, read by other proteins to bring about distinct downstream events」 とのことです。

ではそれぞれの修飾について個別に見ていきましょう。まずメチル化ですが、メチル化されるアミノ酸残基はリジンとアルギニンで、それぞれ mono, di, tri と3種類の修飾が存在します(図3)。メチル基を供給するのはSアデノシルメチオニンで、転移酵素によってヒストンに転移します(図3)。ヒストンからメチル基をはずす酵素(ヒストンデメチラーゼ)も知られています(3)。ヒストンのメチル化はクロマチンの凝集や転写の活性化および不活性化を制御します。DNAの修復と複製の制御も行います(4)。また性決定にも関与しています(3)。X染色体の不活化の際には、DNAだけではなくヒストンH3がメチル化されていることが知られています(5)。

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アルギニンの脱イミノ化反応(シトルリン化)は尿素回路などでもおなじみですが、ヒストンのアルギニン残基の脱イミノ化は核移行シグナルを持つPAD4(Peptidylarginine deiminase 4)によって実行されます。この化学修飾はヒストンのメチル化と転写制御に関して拮抗的に働くことがあるようです(6、7)。またこの修飾が著しく進むと、クロマチンの脱凝縮が行われることが示唆されています(8)。自己免疫疾患が持つ患者の抗体が、脱イミノ化されたタンパク質を攻撃することが知られています(6、9)。

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ヒストンのアセチル化は、ヒストンの修飾のなかでもメジャーなものです。図2にみられるように、コアヒストン(H2A、H2B、H3、H4)のしっぽにはいずれも多くのリジン残基が存在しますが、ほとんどは側鎖のアセチル化(図5)が可能です。アセチル基を供給するのはアセチルCoAです(図5)。ヒストンアセチル化酵素(HAT)の作用によって、アセチル化が進行するとヒストンの塩基性が失われ、一般にDNAのリン酸との結合が弱くなってヒストンとDNAが解離し、転写が活性化されます。逆にヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の作用によって、ユークロマチンはヘテロクロマチンに移行し、転写は抑制されます(10、11、図5、図6)。

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ヒストンのリン酸化は、セリン・スレオニン・チロシン残基の側鎖OHがヒストンキナーゼでリン酸化されることによって行われます(図7)。ヒストンH3のN末から10番目のセリンのリン酸化がM期における染色体凝縮にかかわっていることが知られています(12、13)。またDNAがダメージを受けた際にヒストンH2Aなどのリン酸化がおこり、このことがDNA修復開始のシグナルになると言われています(13)。単純に考えるとヒストンのリン酸化はヒストンの塩基性を消滅させる方向の変化なので、ヒストンとDNAの結合を弱めるので、例えばDNAの修復システムがアクセスするには有効かもしれませんが、染色体凝縮にどのようにかかわっているかは謎です。

最近ではヒストンのリン酸化が転写の制御に関わっているとか、ヒストンアセチル化・メチル化などのカスケードの起点になっているとかの報告もあるようです(13)。またH2AのバリアントであるH2AXのリン酸化がアポトーシスに関与しているとの報告もあります(14)。

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最近注目されているヒストンの修飾反応にポリADPリボシル化があります。シャンボンらによって1966年に発見されましたが、その後京都大学の上田国寛のグループと国立がんセンターの三輪正直のグループを中心に、わが国において反応の全体像が明らかにされました(図8)。

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この反応はNAD+を基質としてタンパク質のグルタミン酸あるいはアスパラギン酸側鎖のカルボキシル基に、NAD+からニコチン酸アミドを切り離してADP-リボースを結合し、さらに次々とADPリボースを添加してポリマーを形成するものです(15、図9)。ヒストンもその主要なターゲットになります(16、17)。反応はポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)によって行われますが、別に分解酵素も存在するので、他のヒストン修飾と同様結果的に反応は可逆です。

他の修飾と異なりマイナスチャージのADP-リボースがポリマーとして添加される上に、鎖のブランチングまでおきるので、その影響は桁違いに大きいはずで、緊急のDNA修復や遺伝子発現に大きな影響を及ぼすと考えられます(18)。

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このほかにもヒストンの修飾にはユビキチン化(19)などがありますが、その意義は不明なのでここまでにしておきます。

 

参照

1)Jennifer C Harr, Adriana Gonzalez-Sandoval, & Susan M Gasser, Histones and histone modifications in perinuclear chromatin anchoring: from yeast to man.
EMBO Reports, vol. 17, pp. 139–155,  (2016)   DOI 10.15252/embr.201541809
http://embor.embopress.org/content/early/2016/01/20/embr.201541809

2)Strahl BD1, Allis CD., The language of covalent histone modifications., Nature., vol. 403 (6765), pp. 41-45., (2000)
http://www.gs.washington.edu/academics/courses/braun/55105/readings/strahl.pdf

3)S Kuroki, S Matoba, M Akiyoshi, Y Matsumura, H Miyachi, et al., Epigenetic Regulation of Mouse Sex Determination by the Histone Demethylase Jmjd1a., Science vol. 341 (6150): pp. 1106-1109. doi:10.1126/science.1239864. (2013)

4)Black JC, Van Rechem C, Whetstine JR.,  Histone lysine methylation dynamics: establishment, regulation, and biological impact. Mol. Cell vol. 48(4), pp. 491–507. (2012)

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/X%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96

6)有田恭平他 ヒストン修飾酵素 Peptidylarginine deiminase 4 (PAD4) の活性化とヒストン認識 PF NEWS vol. 42, no.2, pp. 16-22 (2006)

7)Wang Y. et al.,  Human PAD4 regulates histone arginine methylation levels via demethylimination. Science. vol. 306, pp. 279–283 (2004)

8)Yanming Wang et al., Histone hypercitrullination mediates chromatin decondensation and neutrophil extracellular trap formation.,  J Cell Biol., vol. 184(2): pp. 205–213. (2009)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2654299/

9)https://en.wikipedia.org/wiki/Citrullination

10)Tony Kouzarides, Chromatin modifications and their function., Cell. vol.128, pp. 693-705., (2007)
http://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(07)00184-5?_returnURL=http%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867407001845%3Fshowall%3Dtrue

11)Min-Hao Kuo, C. David Allis., Roles of histone acetyltransferases and deacetylases in gene regulation., BioEssays Vol. 20,  pp. 615–626 (1998)

12)中山潤一 ヒストン修飾酵素 http://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/~jnakayam/_src/sc744/pubj03.pdf#search=%27%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%BC%27

13)Dorine Rossetto, Nikita Avvakumov, Jacques Cote., Histone phosphorylation. A chromatin modification involved in diverse nuclear events. Epigenetics vol. 7, no.10, pp. 1098-1108 (2012)
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.4161/epi.21975

14)Peter J. Cook et al., Tyrosine dephosphorylation of H2AX modulates apoptosis and survival decisions., Nature vol. 458, pp. 591–596 (2009) | doi:10.1038/nature07849
http://www.nature.com/nature/journal/v458/n7238/abs/nature07849_ja.html?lang=ja&foxtrotcallback=true

15)https://en.wikipedia.org/wiki/Poly_(ADP-ribose)_polymerase

16)Morioka K., Tanaka K., Ono T., Poly(ADP-ribose) and differentiation of Friend leukemia cells.,  J. Biochem., vol. 88, pp. 517-524 (1980)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biochemistry1922/88/2/88_2_517/_pdf

17)Morioka K., Tanaka K., Ono T., Acceptors of poly(ADP-ribosylation) in differentiation inducer-treated and untreated Friend erythroleukemia cells., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Gene Structure and Expression, Vol. 699, Issue 3, pp. 255-263 (1982)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0167478182901154

18)Rebecca Gupte, Ziying Liu, and W. Lee Kraus., PARPs and ADP-ribosylation: recentadvances linking molecular functionsto biological outcomes., GENES & DEVELOPMENT vol. 3, pp. 101–126 (2017)
http://genesdev.cshlp.org/content/31/2/101

19)伊藤敬 ヒストンH2A のユビキチン化と遺伝子転写抑制 生化学 第82巻第3号,pp.232-236,(2010)
http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/10/82-03-08.pdf#search=%27%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%A6%E3%83%93%E3%82%AD%E3%83%81%E3%83%B3%E5%8C%96%27

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2017年7月27日 (木)

スメタナ「わが祖国」 by フルシャ都響@2017年7月26日ミューザ川崎

Imgaフェスタサマーミューザでの都響の演奏は毎年名演続きで、しかも破格の低料金。これは聴き逃せません。

ミューザ川崎は大変素晴らしいホールで、音響だけでなくオケと聴衆の一体感が音楽を盛り上げてくれます。まるで巨大なカタツムリの殻の中で聴いているような感じです。

1Fフロアはわずか11列で、会場全体が非対称の設計です(https://www.kawasaki-sym-hall.jp/seat/)。

永田音響設計事務所(http://www.nagata.co.jp/)のHPに出ていますが、実際に設計したのは松田平田設計事務所のようです。しかし後者のHPにはでてきません。これは震災で天井が落ちたことと関係があるではないかと思いますが、真相は知りません。いずれにしても世界の音楽家が激賞するホールで、天才建築家の作品だと思います。

本日はスメタナの「わが祖国」全曲で、指揮はヤクブ・フルシャ、コンマスは雨男矢部ちゃん、サイドはゆづきです。雨模様ですが傘はいらない程度。ほぼ満席の大盛況です。

めずらしく2台のハープがステージの左右に分かれていて、「高い城」はその2台のハープがからみあって始まります。いやあ素晴らしい音楽です。都響もフルシャも絶好調の感じです。ただ矢部ちゃんのアクションがおかしい。両足を揃えて床の上をスライディングするなど、いつもと違う非常に気持ちの悪い動きで、いったいどうしたのだろうと思いました。なぜか後半はおとなしくなりましたが、さすがにゆづきかマキロンが「気持ち悪いからやめてくれ」とでも注意したのではないでしょうか。

前半は精緻な感じでしたが、後半(「ボヘミアの森と草原から」以降)はほとんどお祭り状態で、奏者の名人芸の饗宴でした。フルシャも何度もジャンプするなど乗りに乗っていました。この演奏会は都響主催じゃないので恒例のベストテンの枠外だと思いますが、含まれていれば間違いなく上位を占める演奏会だったと思います。ただ曲の凄さや感動という観点で言えば、同じチェコの作曲家ですが日曜日のマーラー「復活」には足許にも及ばないとも言えます。

こんな曲です↓

ブラニーク:https://www.youtube.com/watch?v=TAZYVwIykEw

モルダウ:https://www.youtube.com/watch?v=2Sp4JyDNNr8

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2017年7月25日 (火)

サラとミーナ187: サラとクマキッチンカレー

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サラも年を重ね、あれほど探索好きだったのが最近サボることが多くなりました。ベランダでも座り込んでのんびりしています。ただ眼光は相変わらず鋭いものがあります。

Imgc熊木杏里の料理を再現したという「クマキッチンカレー」が発売になりました。

カレーライスという曲の歌詞に「とびきり辛い」というフレーズがあるので、ファンは辛口を志向のようですが、私はあえて本人推薦の甘口を購入。

歌詞:
http://www.uta-net.com/movie/231870/

驚くべき価格だったのでやや迷いましたが、結構美味しかったので許す。料理なんてまじめに取り組む感じの人ではないと思っていたので、これは意外や意外!!

買いたい方は↓(要スクロール)

http://kumakianri.jp/news.html


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2017年7月23日 (日)

マーラー交響曲第2番「復活」 by チョン・ミョンフン-東フィル@オーチャードホール2017年7月23日

Imga久しぶりの渋谷。昨年のNHKホール以来でしょうか。スクランブル交差点では2Fのスタバに外国人が鈴なりで、交差点の写真を撮っています。何が面白いのかさっぱりわかりません。

地下にある東急のれん街の総菜店をみてまわると、どれも美味の名作料理のように思われます。東横線や井の頭線沿線に住んでいる人はこのようなものを食べているのかと、ちょっとうらやましく思いました。オーダーYシャツの店があって、1着2万円だそうです。

都響がマーラーのシンフォニーをほとんど取り上げなくなったので、ではということで東フィルの「復活」を聴きに行くことにしたわけですが、オーチャードホールは20年ぶりくらいでしょうか。 日本最悪の音楽ホールという意見もあるようですが、「復活」をやるにはちょうど良いサイズかもしれません。指揮者はチョン・ミョンフン(鄭明勳)さん。チケット完売で、この巨大なホールが超満員の大盛況でした。

Imgb_3ソリストではメゾの山下牧子氏の歌声が素晴らしく、大いに感動しました。さらに新国立劇場合唱団はppでも空気の振動が感じられるような素晴らしいハーモニーで、こんなコーラスは聴いたことがありません。チョン・ミョンフンの指揮は折り目正しく、格調高い雰囲気でした。

オケで感じたのは、金管が粘り気が強い感じのパフォーマンスで(多分指揮者の指示)、アンサンブルの正確さより迫力を重視していたようです。都響とはやや異なるやり方でしょう。バンダのミスなどありましたが、2Fの最後列で聴いていても十分な音量と迫力の演奏で非常に盛り上がりました。

「復活」についてはマーラーは第1楽章を28歳の時に作って、その数年後に全曲を完成させたわけですが、その間に様々な作曲の技法を編み出したようで、変化に富んだ楽章の構成、ソリストや合唱を組み込むなど、やはり素晴らしい名曲です。

いつも思うのですが、終楽章の最後の鐘がどうして鐘じゃなくて板をたたくのかというのがよくわかりません。オケを圧倒するような鐘の音をここで聴いてみたいと思うのは私だけなのでしょうか?

Youtube ではウィグルスワース指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=SNEmcB8cBug

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2017年7月21日 (金)

JPOP名曲徒然草181: 「風吹く丘で」 by 青山ミチ

Imgこの記事を書こうとして調べていたところ、青山ミチさんが今年の1月に亡くなっていたことを知り驚きました。まだ67才でした。ご冥福をお祈りします。

持ち前の歌唱力を生かして、ジャズクラブやライヴハウスで活動していたら普通に生活できたと思うのですが、覚醒剤で逮捕されるという人生の失敗が尾を引いて、この「風吹く丘で」も発売中止となり、最後は生活保護をうけるという生活になっていたようです。

https://www.youtube.com/watch?v=dP7GDGcJDSk
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B1%B1%E3%83%9F%E3%83%81

「風吹く丘で」(作詞:橋本淳、作曲:すぎやまこういち)はヴィレッジ・シンガーズが代わりに起用されて発売され、大ヒットとなりました。タイトルも「亜麻色の髪の乙女」に変更になりました。2002年に島谷ひとみがカバーして、半世紀歌い継がれている名曲です。

写真の 青山ミチGOLDEN★BEST USMジャパン UPCY9320  に収録されています。

「風吹く丘で」 青山ミチ

https://www.youtube.com/watch?v=FsaMApnuRMM

「亜麻色の髪の乙女」

ヴィレッジ・シンガーズ
https://www.youtube.com/watch?v=8yArRBwnl6k
https://www.youtube.com/watch?v=MfC5nkPQL9c

島谷ひとみ:
https://www.youtube.com/watch?v=1nOIWI4OzD0
https://www.youtube.com/watch?v=BdmuwLrkHM8
https://www.youtube.com/watch?v=0i31mObROv0

サンディー (ヒットパレーダーズ)
https://www.youtube.com/watch?v=ceUZIrZAia4
https://www.youtube.com/watch?v=nNOyDkn3Q84
https://www.youtube.com/watch?v=FTv2EU05J3I

王心凌(エイベックス台湾)
https://www.youtube.com/watch?v=t0wQ6TueX54
https://www.youtube.com/watch?v=TmILQKRt7uM

池田夢見(ウクレレ伴奏)
https://www.youtube.com/watch?v=aZ3zRxB7c_0

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青山ミチ

カモナダンス
https://www.youtube.com/watch?v=nm3V77sbSdA
https://www.youtube.com/watch?v=RERc37CF7Z8

Love
https://www.youtube.com/watch?v=UIrFwNZypw0

Let Kiss
https://www.youtube.com/watch?v=hGFGcM_lvlM

Vacation
https://www.youtube.com/watch?v=gjgzAQJ19Qk

恋はスバヤク
https://www.youtube.com/watch?v=g3exHNkjU4s

ミッチー音頭
https://www.youtube.com/watch?v=y8dDcG2zJjw

恋のゴーカート
https://www.youtube.com/watch?v=MMM8mWaCdEI

恋のブルース
https://www.youtube.com/watch?v=tHCb7bqzK1M

叱らないで
https://www.youtube.com/watch?v=-p7h8H93rOE

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2017年7月19日 (水)

広田名人のオーボエ

A1380_000959


マーラーの「大地の歌」@池袋芸術劇場です。「告別」・・・広田のオーボエは、憂愁・夕暮れの静寂・デカダン・この世とのお別れ、などとは無縁。ひたすら朗朗と明快に響き渡ります。大植のイングリッシュホルンが良い雰囲気出しているのに、ただぶち壊すのみ。

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2017年7月18日 (火)

やぶにらみ生物論80: 染色体1

ほとんどの細胞は膨大な情報を持つ生命の糸=DNAをそれぞれ抱え込んでいます。これはPCで言えばハードディスクのようなものであり、PCなら外付けもできますが、細胞はそういうわけにはいきません。これはもともと生物は単細胞であったということに起因しています。生物は進化がつくったものであり、過去の蓄積の上に現在があるということからは逃れられません。私達多細胞生物も元はと言えば単細胞生物であり、生涯の一時期ではありますが、精子や卵子の間はいまでも単細胞生物です。

DNAの長さはヒトの場合細胞当たり2mくらいで、これはさまざまな生物の中で、とびきり長いとも言えないくらいの長さです。それでもThompsons さんの計算では、バスケットボールに髪の毛くらいの太さのひもが100kmぶんくらい入っているくらいの感じだそうです(1)。大腸菌ですら細胞の長さの200倍のDNAを抱え込んでいるので、いかにしてこのDNAをコンパクトに収納するかというのは何十億年も前から生物の重要な課題のひとつであったはずです。

細菌には核膜はありませんが、DNAは裸ではなく数多くのタンパク質によって被われていて、真核生物と同様クロマチンのような構造を形成しています。それは昔からヌクレオイド(核様体)として知られていましたが、その実体はよくわかっていなくて、ようやく20世紀の終盤に研究が進み始めました(2)。DNAをコンパクトに収納するだけでなく、遺伝子の発現やDNAの複製などに応じて適切にリモデリングも行うことが明らかになりました(3)。とはいっても細菌のヌクレオイドが真核生物と同様、ヌクレオソームのような構造をとっているかどうかはわかっていません。

そんななかで理研の研究グループは古細菌のAlba2 というタンパク質がDNAを包み込むパイプのような構造をとっていることを解明し、業界を驚かせました(図1、4、5)。ただこの論文を読むと、要旨はもちろん、イントロでも全く細菌のクロマチンには言及しておらず、議論もしていません。読者として非常にストレスがたまるところです。このような構造解明は古細菌でははじめてだと言っているのですが、では細菌ではどうなのか、それと比較してどう違うのか、細菌・古細菌を含めてはじめての業績なのか、そこのところを明確に述べないと原核生物の染色体研究においてこの仕事がどのような位置にあるのかはっきりしません。

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細菌・古細菌にくらべて、真核生物のクロマチンおよび染色体ははるかに詳しく研究されています。DNAは通常ヒストンなどのタンパク質と共にクロマチンを形成して存在しているわけですが、細胞分裂する場合、一時的に凝縮して棒状の構造になります。これを染色体(クロモソーム=chromosome)といいます。クロモソーム(ドイツ語なので chromosomen : 常に複数あるので複数を用語とした)という言葉をはじめて使ったのは Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz (ハインリッヒ・ウィルヘルム・ワルダイエル、図2)です(6)。彼は解剖学者で、いまでもワルダイエル咽頭輪などにその名を残しています。中西宥によると、これを染色体と訳したのは石川千代松(図2)だそうです(7)。

染色体=クロモソームの定義が明確なのに対して、「クロマチン」はウィキペディアの定義によると「真核細胞内に存在するDNAとタンパク質の複合体のことを表す」としてありますが、これはちょっと同意しがたい定義です。なぜなら細菌や古細菌のクロマチンという使い方ができなくなるからです。かといって単に「DNAとタンパク質の複合体」というのは意味が広すぎて困ります。いまのところ適切な定義はないようです。強いて言えば、「転写や複製を目的としないDNAとタンパク質の複合体」ということで当たらずといえども遠からずでしょうか。日本語訳の「染色質」という言葉もあまり使われません。

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ワルダイエルは染色体の研究を本格的に行ったわけではありませんが、石川千代松は染色体研究の草分けのひとりで(もちろんわが国では初)、アウグスト・ワイスマンの研究室に留学して、共著でエビの染色体の論文を執筆したほか(1888)、帰国後にネギの染色体についても研究しています。世界ではじめて染色体の図を描いたのは、あのメンデルの論文を全く評価せず闇に葬ったことで有名なドイツの遺伝学者カール・ネーゲリ(図2)で、1842年の論文にその図が掲載されています(7、8)。

染色体研究の次のエポックはもちろんサットンの染色体説です。これについてはすでに私も紹介しています(9)。サットンの1902年と1903年の論文によって、染色体が遺伝因子の担体であることが明らかになり、さらにモーガンらによって遺伝子は染色体上に直線的に配置されているということが証明されました(10)。

染色体を光学顕微鏡で観察する方法はいろいろありますが、現在でもヒトの細胞の標本からきっちり46本の染色体を識別すること(カリオタイピング)は難しい作業です。実際19世紀から20世紀の中盤まで、ヒトの染色体の数・性決定染色体については長い論争があり、最終的に Joe Hin Tjio と Albert Levan が1956年の論文で46本で性染色体はXY型であることを確定しました(11)。仕事はスウェーデンで行われましたが、Tjio はインドネシア人です。図3にヒト染色体を示します。

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分裂する細胞はS→G2→M→G1→Sという細胞周期のサイクルを繰り返しますが、光学顕微鏡による観察ではM期(分裂期)にしか染色体はみつかりません。もはや分裂しない終末分化した細胞や静止期の細胞では観察できません。M期以外の染色体というよりクロマチンといった方が正確ですが、その構造が観察できるようになったのは電子顕微鏡の技術が発達した後になります。

DNAはすでにS期に倍化されていますが、細胞分裂の際にはその遺伝情報を均等に娘細胞に分配しなければなりません。M期にはDNAは染色体という著しく凝縮した構造体にたたみ込まれ、それぞれの娘細胞に分配されるべく2分されます。その片方を染色分体と呼びます。2つの染色分体は一ヶ所で結合されていて、勝手に分離しないようになっています。その結合部位をセントロメアと呼びます(図4)。セントロメアと言っても染色体の中央にあるわけではなく、さまざまな場所にあります(図4)。セントロメアからクロマチンの端までの距離が短い部分を短腕、長い部分を長腕と呼びます(図4)。

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M期にはセントロメアに多くのタンパク質が集積されて動原体(キネトコア)という構造が形成され、染色分体の分離や紡錘糸(チューブリン線維=微小管)との結合などが行われます(図5)。M期の中期にはきちんと紡錘体が形成され、それぞれの染色体が紡錘糸と結合して細胞中央に整列している=細胞分裂の準備が整っていることがチェックされ(mitotic checkpoint)、OKであれば、動原体にあるコヒーシンによって結合されていた染色分体が、プロテアーゼによるコヒーシン切断によって分離し、それぞれ娘細胞に運ばれます。

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クロマチンにはさまざまな構成要素がありますが、もちろん主成分はDNAとヒストンです。ヒストンというタンパク質はすでに1884年にアルブレヒト・コッセル(図6)によって発見されていましたが、その機能は永年謎でした(12)。1973年に至って、Hewish と Burgoyne は裸のDNAをDNA分解酵素で処理すると不規則に分解されていくのに対して、クロマチンのDNAは一定のサイズに分解されることを示しました(13、図6)。このことはクロマチンがサブユニットから成り立っていることを示唆します。そのサブユニットの存在は Olins 夫妻(14、図6)が電子顕微鏡を用いて証明しました。

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現在ではH2A・H2B・H3・H4という4種のヒストンがそれぞれ2分子づつ、計8つの分子がヌクレオソームという糸巻きのような構造を形成し、DNAはそれをひとつにつき1.65回転しながらその構造体の外側に巻き付いていることがわかっています(図7)。

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ヒストンにはもうひとつH1というグループがあり、これはヌクレオソーム内には存在していません。DNAがヌクレオソームに巻き付く際には出口と入口があるわけですが、その両方の位置でクリップのようにDNAを固定しているようです(15、図8)。ヒトやマウスの場合、ヒストンH1に属するグループの遺伝子は11個知られており、そのうち6個は細胞が増殖する際に発現し、残りは細胞増殖とはあまり関係がないとされています(16)。それぞれ少しづつ構造が異なっており、同じ機能または別々の機能を持つと考えられます。系統樹の上位ほど多くのバリアントがあるとは限りません(図8)。

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ヌクレオソームがたがいに近接した位置にあり、さらに高次構造を作っているような場合、ヌクレオソーム間にあるDNAに転写複合体がアクセスできるようなスペースがありません。したがってクロマチンは不活性な状態になります。このようなクロマチンをヘテロクロマチンと呼びます。一方ヌクレオソーム間にある程度のスペースがある場合、転写複合体がDNAにアクセスして pre-mRNA を転写することができます。このような状態にあるクロマチンをユークロマチンと呼びます(図9)。凝縮したヘテロクロマチンをほどいてユークロマチンに変化させることをクロマチンリモデリングといい、このプロセスではATPを加水分解してそのエネルギーが使われます(17、18、図9)。

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DNAがもっともコンパクトに折りたたまれるのは細胞増殖のM期で、染色体を形成するときです。このときヒト細胞に含まれる染色体の全長は230µmとなり、2mの長さのDNAがこのサイズに折りたたまれていることになります。これは約8700倍の長さに折りたたまれたということであり、そのメカニズムや構造の全貌はあきらかになっていませんが、ヒストンの化学修飾がキーポイントであるなどがわかってきており、現在ホットな研究領域です(19、図10)。

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参照

1)http://thompsons.exblog.jp/12917630/

2)Karl Drlica and Josette Rouviere-Yaniv., Histonelike Proteins of Bacteria, MICROBIOIOGICAL REVIEWS,vol.51(3), 301-319 (1987)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC373113/pdf/microrev00050-0009.pdf

3)Martin Thanbichler, Sherry C Wong, Lucy Shapiro., The Bacterial Nucleoid: A Highly Organized and Dynamic Structure., J. Cellular Biochemistry vol.96, pp. 506-521 (2005)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcb.20519/epdf

4)http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120224_3/

5)Tomoyuki Tanaka, Sivaraman Padavattan, and Thirumananseri Kumarevel., Crystal Structure of Archaeal Chromatin Protein Alba2-Double-stranded DNA Complex from Aeropyrum pernix K1.THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY VOL. 287, NO.13, pp.10394-10402, (2012)

6)Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz., Über Karyokinese und ihre Beziehungen zu den Befruchtungsvorgängen. Archiv für mikroskopische Anatomie und Entwicklungsmechanik, vol. 32: pp. 1–122. (1888)

7)中西宥 「染色体の研究」 UP Biology シリーズ 東京大学出版会 (1981)

8)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93

9)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/10/post-6236.html

10)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/10/post-152f.html

11)Joe Hin Tjio and Albert Levan, THE CHROMOSOME NUMBER OF MAN, Hereditas,  vol. 42, pp. 1-6 (1956)

12)網代廣三 ヌクレオソーム発見25周年 蛋白質 核酸 酵素 vol. 45, pp. 721-726  (2000)
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2000&number=4505&file=BXGPLUSbCJM6Y15Uh4jxPLUSAbLA==

13)D.R. Hewish and L. A. Burgoyne, Chromatin sub-structure. The digestion of chromatin DNA at regularly spaced sites by a nuclear deoxyribonuclease.  Biochem Biophys Res Commun, vol. 52, pp. 504-510 (1973)

14)Olins AL, Olins DE (1974). “Spheroid chromatin units (v bodies)”. Science 183: 330-332. PMID 4128918.

15)https://en.wikipedia.org/wiki/Histone_H1

16)https://en.wikipedia.org/wiki/Linker_histone_H1_variants

17)https://en.wikipedia.org/wiki/Chromatin_remodeling

18)クロマチンリモデリング因子 http://www.ft-patho.net/index.php?chromatin%20remodeling%20factor%20%A5%AF%A5%ED%A5%DE%A5%C1%A5%F3%A5%EA%A5%E2%A5%C7%A5%EA%A5%F3%A5%B0%B0%F8%BB%D2

19)Bryan J. Wilkins et al., A Cascade of Histone Modifications Induces Chromatin Condensation in Mitosis., Science  Vol. 343, Issue 6166, pp. 77-80 (2014)
DOI: 10.1126/science.1244508
http://science.sciencemag.org/content/343/6166/77

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2017年7月14日 (金)

地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降る

Venuspioneeruv近年世界的に異常気象が続き、日本でもそれが実感されるような事態になってきました。

スティーヴン・ホーキンス博士によると、米国のパリ協定からの脱落によって、「地球の気温は250度まで上昇し、硫酸の雨が降る」ことになると警告しています。これは私も想像しなかったほどの恐るべき状況で、愕然です。

7月4日付けのニューズウィーク誌が報じています。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/250-1.php

二酸化炭素の増加に対して、気温はリニアに反応するのではなく、シベリアのツンドラが溶解してメタンガスが発生するなど相乗効果もあるようです。ホーキンス博士の警告はこのツンドラ溶解の危機を考慮したのでしょう。メタンガスは二酸化炭素の30倍も保温効果があり、これがラスボスです。これが暴れはじまるともう止める手立てはありません。

大統領制は大統領がバカだとどうにもなりません。地球全体を巻き添えにするのだけは勘弁して欲しい。

https://wired.jp/2013/08/31/gas-disaste/

100年後に4℃上昇というのがこれまでの試算でしたが、米国のパリ協定離脱がこれをご破算にしてしまいました。国連は米国を経済制裁する必要があるのではないでしょうか? これはペナルティーではなく、米国の経済活動をどうにかして低下させないと、ホーキンス博士の言うような金星(写真 ウィキペディアより)に似た気候の地球になってしまうからです。

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2017年7月13日 (木)

民進党は分裂するのか?

1石破茂は保守政治家の中では最もフェアーな感じの人で、晋三とは対極にある人物として、ある意味私も尊敬しています。

民進党にも彼と同じくらい保守的な政治家は多く、彼らは仲間を募って石破茂と14日に会食するそうです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170713-00000505-san-pol&pos=1

民進党はいずれ彼らとは袂を分かたねばならないと思っていたので、いよいよその時が近いのかなと思われます。

ただ考えなければいけないのは、これだけ晋三の憲法改正の宣伝や憲法支持集会の阻止などのプロモーションにもかかわらず、現行憲法は守るべきだという勢力が国民の50%以上を占めていることです。

もし民進党が1割~2割のような勢力に減退したままになると、護憲の受け皿がなくなってしまいます。自民党に対抗する勢力を考えるなら、その政党は護憲でなくてはなりません。そうでないならその人々は自民党に合流して、詐欺勢力である晋三周辺を排除して、ちゃんとした保守政党を取り返す活動をすべきであると思います。

民進党は少なくとも日米安保条約が破棄されるまでは護憲でいかなければなりません。現実に国民の過半数が護憲を願っているわけですから、それを第一のスローガンにしてもいいでしょう。日本が憲法をきちんと守って、それに不満で米国が日米安保条約を破棄するというなら、それでいいじゃないですか。そこから日本の安全保障を1から考え直せばいいのです。本当に憲法改正が必要かどうか検討するのもいいでしょう。

私は警察署や自衛隊に武器を保管して、一定の国民がなんらかの武器を操作できるよう訓練するのも一案だと思っています。憲法はパルチザンを禁止してはいません。

日米安保があっても、北朝鮮が核搭載ミサイルを連発すれば日本は終了します。日米安保はその程度のものです。まして中国やロシアと米国が本気で対決するはずもありません。秘密保護法も安保法制も共謀罪も、米国の要求に召使いのごとく晋三が従った結果だと言うじゃありませんか。核兵器禁止条約にも参加できません。デメリットが多すぎます。その上広大な米軍基地などによって、いまだに日本は占領されています。竹島や尖閣などこの広大な占領地に比べればささいな土地です。

民進党はとりあえず前原や原口が出て行ったら、自由党と合併すべきでしょう。それは野田が決断すべき事です。

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2017年7月11日 (火)

都響-ミンコフスキ ブルックナー交響曲第3番ニ短調@東京文化会館

Imga3年前も暑い日でした。

http://morph.way-nifty.com/grey/2014/08/post-17f4.html

月曜夜の演奏会なのに会場は80%以上の入りで、さすがはミンコフスキです。前回同様Vnを左右に分けて、VlaとVcが中央です。

本日のコンマスは矢部ちゃん(久しぶりに晴れでした)、サイドはゆづき。

最初のハイドンは102番の交響曲。101番は昔「100万人の英語」でよく聴いていました。

https://www.youtube.com/watch?v=pSEaPtZhZ7o

しかし102番とははて? 何だか良くわからないうちに終了。構成だけは整っていても、耳に残るメロディーがないというのは、ハイドンとしては失敗作ではないかと思います。

後半はブルックナーの交響曲第3番。ブルックナーは自分の曲を遠慮なく書き直すのが習慣だった人で、そうなると演奏者はどの楽譜を取り上げたら良いのかわからなくなります。

この曲も1873年版の第1稿が出版されたのが100年以上後の1977年・・・という扱いでした。CDで市販されているのはたいてい最終稿の第3稿で、第1稿は稀少です。第1稿は第3稿より412小節も長い曲で、それを演奏しようというのがこの夜の趣向。私はこの稿を聴くのはCDも含めてはじめてでした。

大編成の曲で、クラリネットはメンバー4人全員が揃うというめずらしい光景がみられました。他エキストラも多数。

長い分退屈するかと思いきや、ブルックナーが思い切り羽を広げて思う存分制作した曲という素晴らしい作品でした。演奏も結構引き込まれる快演で、都響-ミンコフスキの凄さを再認識しました。都響の長所のひとつは「ノリの良さ」ですが、ミンコフスキはそれを妨げず、うまく乗りこなしていたと思いました。特に第3楽章の迫力はめざましいものがありました。これぞブルックナーです。

この曲は1VnとVlaが絶対隣で演奏すべきだということがよくわかりました。そういう風につくられた曲なんですね。

終了後はブラボーが乱れ飛ぶ大熱狂で、久しぶりに見る光景です。

私の隣席に腕時計を見ながら、1分おきにノートにメモをとっていた方がいて、多分録音禁止なので、かわりに記録していたのだと思います。指揮者の卵も大変だなあと思いましたが、普通の聴衆だったとしたらそれはそれで超マニアックです。

こんな曲です(第3稿)

https://www.youtube.com/watch?v=kY4l2Xx3crs

(第1稿)

https://www.youtube.com/watch?v=rMxR-FgnK4o

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2017年7月 9日 (日)

JPOP名曲徒然草180: 「一台のリヤカーが立ち向かう」 中川五郎

Aaa中川五郎のことはよく知らないし、もちろんライヴに行ったことはありません。しかしその行動力と、年齢を感じさせないパフォーマンスには感動します。

「一台のリヤカーが立ち向かう」中川五郎
(アコーディオン:熊坂るつこ)
熊坂るつこのプレイスタイルにもびっくり。

この曲は故村松俊秀さんへ捧げる歌だそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=sQgEIKKjHmw

https://www.youtube.com/watch?v=uW6K8RFZvz4
https://www.youtube.com/watch?v=E1wNbPweLyM

反戦フォークに戻った男 中川五郎
https://www.youtube.com/watch?v=3vJutOxNDzk

歌詞
http://blog.goo.ne.jp/genki1541/e/41998fd1e90ba2c8bef8c66cae02b4f3

中川五郎:https://www.facebook.com/NakagawaGoro/
熊坂るつこ:http://rutsuko.main.jp/

村松俊秀:http://hide-fujino.blog.so-net.ne.jp/2009-02-06-1

(中川五郎)

主婦のブルース
https://www.youtube.com/watch?v=WvRZ23Xqo7Q

受験生ブルース
https://www.youtube.com/watch?v=fB4xLpV3dcM

Sports For Tomorrow (作詞:安倍晋三)
https://www.youtube.com/watch?v=VEC6RPFLGPo

(熊坂るつこ)

Koe
https://www.youtube.com/watch?v=kAzOMxakfk0

チャルダシュ (Vn: 磯部舞子)
https://www.youtube.com/watch?v=p1DvBXdbHnY

麗しのミュゼット (Vn: 磯部舞子)
https://www.youtube.com/watch?v=tM-syj4JJpQ

----------------------
「大きな壁が崩れる」中川五郎
https://www.youtube.com/watch?v=QXsTaeHaDQk

ジョーン・バエズのこと

「大きな壁が崩れる」の原曲は黒人霊歌ですが、全米に知らしめたのはピート・シーガー、世界に知らしめたのはジョーン・バエズです。ノーベル賞のボブ・ディランを世に出したのもこの人だそうです。「オルフェの歌」など聴いていると、素晴らしい歌手だったことがわかります。

「We shall overcome」ジョーン・バエズ
https://www.youtube.com/watch?v=RkNsEH1GD7Q

「We shall overcome」at the white house
https://www.youtube.com/watch?v=yId_ABmtw-w

「オルフェの歌」
https://www.youtube.com/watch?v=PB4gEf6eDHM
https://www.youtube.com/watch?v=tRgOf2bRE10

「ダニー・ボーイ」
https://www.youtube.com/watch?v=5dxvaTDTW7Y

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2017年7月 7日 (金)

やぶにらみ生物論79: 核膜

生きとし生けるものを最もおおざっぱに分類するとすれば、現代生物学ではその生物の細胞に核膜があるか、ないか、で2つに分けるということになります。フランスの海洋生物学者エドゥアール・シャトン(1883-1947、図1)は1925年に前者を Eukaryote(真核生物)、 後者を Prokaryote (原核生物)と名付けました(1、2)。この考え方は後に彼の友人アンドレ・ルウォフとカナダの微生物学者ロジェ・スタニエ(図1)によって、電子顕微鏡による観察を基盤とした洗練された形で発表され、現在の分類学の基本となりました(3)。

A_8

真核生物にとって、核膜は必須のツールです。たとえば私達の遺伝子はたいてい分断されており、転写の際には、まず分断されている部分(イントロン)もまとめてPre-mRNAがつくられ、それがスプライシングをうけてmRNAがつくられます(4)。核膜がなければPre-mRNAにリボソームがとりついて、意味のないタンパク質がどんどん合成されるという悲惨な状況になるかもしれません。核膜があれば、プロセッシングが終了した正規の mRNA に加工されてから核の外に出して、正確なタンパク質合成を行うことができます。細菌では大部分の遺伝子は分断されていないので、RNAに転写されると直ちにリボソームがとりついてタンパク質が合成されても問題ありません。

しかし進化という観点から言えば、分断された遺伝子から正しいタンパク質を製造するために核膜が形成されたかというと、それはないだろうと思われます。遺伝子が分断された個体は死んで生物の歴史から排除されたであろうからです。むしろ核膜が形成されたために、遺伝子の分断が許容されたと考えるべきでしょう。

さてここまでの話でわかるように、核膜は単なるパーティションではありません。製造したmRNAを核の外に送り出さなければタンパク質合成ができませんし、ヒストンを核のなかに取り込まなければクロマチンができません。そのほか多数の物質が出入りする必要があります。そのために核膜には孔が開いており、この孔は低分子物質(<3万ダルトン)は拡散によって自由に移動できますが、高分子物質にとっては関所のようになっていて、適切な手形がないと通過できません。手形すなわち分子が持っている適切なシグナルがあればmRNAとタンパク質の複合体やリボソームのサブユニットなどの巨大な分子も通過することができます。ヒストンは分子量は小さいですが、それぞれの分子種に特異的な輸送タンパク質がエスコートして核膜孔を通過します。

このようなことを考えると、核膜には進化の当初から核膜孔が存在していたと思われます。核膜孔の存在をはじめて示したのはカランとトムリンとされています(5)。R.W.メリアムはカエルの卵母細胞を電子顕微鏡で観察することによって、核膜に多数の孔のようなものが見えることを報告しました。1962年のことです(6)。メリアムの論文の General discussion というセクションには初期の核膜孔の研究状況が詳しく記してあります。

核膜孔複合体(NPC=nuclear pore complex)に対する蛍光抗体を作成して、図2の赤で示したのが核膜孔複合体(NPC)です。NPCは一定の間隔で並んでいるのではなく、ほぼランダムに配置されています。緑色は「細胞骨格3」(7)に登場したラミンを示します。ラミンは核膜の裏側にびっしりと張り付いています。核膜の構造を強化するには有用でしょう。染色体は多くの場合核膜の内側に接するように存在します(図2)。

ひとつの核にいくつNPCがあるかというと、参照文献(8)によれば酵母で200、増殖中のヒト細胞で2000~5000、アフリカツメガエルの卵母細胞で5000万とされています。細胞のサイズ・種類・状態によって大きくその数は異なります。

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哺乳類の核膜孔複合体(nuclear pore complex=NPC)のサイズは直径1200nmと非常に大きいものですが、開いている孔そのものの内径は5~10nmくらいの小さなものです。哺乳類NPCの分子量は124メガダルトン(1億2400万ダルトン)という巨大なもので、30種類くらいのタンパク質(ヌクレオポリン=Nup)のそれぞれマルチコピー(総数500~1000分子)によって構成されています。その全体像は図3のようになります。孔の周りに分厚いリング状の構造物があり、核の内部と外部では形態が異なります。このようなおおざっぱな形態は各種の生物でほとんど同じです。

NPCの詳細な構造は参照文献( 8)や(9)をみるとよくわかります。NPCを構成するタンパク質複合体は次の6つのグループに分類されています;1:通常の核膜とNPCの境目にあって、NPC形成の基盤となる膜タンパク質、2:膜並置ヌクレオポリン、3:アダプターヌクレオポリン、4:チャネルヌクレオポリン、5:核バスケットヌクレオポリン、6:細胞質側フィラメントヌクレオポリン。それぞれのグループの位置関係は図3に示します。

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NPCについてひとつの困った問題は、細胞分裂の際に、染色体が分離してから細胞分裂が完了するまでの間核膜がなくなり、NPCも崩壊してしまうということです。これは細胞質に形成された紡錘糸が染色体にコンタクトするためには、核膜はじゃまになるからです。

したがって図4に示すように、M期(細胞分裂期)のはじめに核膜は崩壊し、おわりに再構築されます。そのため核膜に組み込まれている核膜孔も細胞分裂のたびにいったん崩壊し、再構築されなければなりません。1000個に近い分子を正しく集合させて巨大なNPCをつくるわけですから大変な事業であり、その全貌は現在も明らかではありません。

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NPCを通過する機構は核内への移行と核外への移行で異なります。まず核内への移行には積荷となるタンパク質が核移行シグナル(NLS=nuclear localization signal)をもっていることが重要で、これに kap α (インポーチン)が結合し、さらに kap β(エクスポーチン)が結合して通過複合体を形成することによって、核膜孔を通過することができます。

通過後核内のRan-GTPと 通過複合体の kap β が結合することによって通過複合体は解離し、核内移行が完了します。Ran-GTPと結合した kap β は再び核膜孔を通過し細胞質に移行します。このときRan-GTPはRan-GDPとなって、エネルギーを消費します(8、図5)。

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核外移行は積荷の種類が多くてはるかに複雑ですが、積荷がタンパク質だった場合、核外移行シグナルを持っていれば、kap β が認識して「積荷-kap β-Ran-GTP」複合体が形成され、核外に移行できます(図6)。核外移行の際Ran-GTPはRan-GDPとなって、エネルギーを消費します。tRNAも kap β が認識して結合し同様に核外に輸送されます(8)。

rRNAやmRNAも核外に輸送する必要がありますが、mRNAは別に独自の複合体を形成して輸送されます(9)。rRNAはリボソームのサブユニットとして輸送されるので、タンパク質の核外移行シグナルを使って kap β の輸送システムで輸送することが可能です(10)。

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核膜孔移行に用いられるタンパク質はカリオフェリンまたはトランスポーチンと呼ばれています。ただ kap β (カリオフェリンβ)は核内移行にも関与しているので、エクスポーチンという名前はふさわしくないと思いますが、普通に使われているようです。

核膜の内側はラミンという細胞骨格タンパク質が主体となっている核ラミナという網目構造によって裏打ちされています。核ラミナはさまざまなタンパク質と結合しており、たとえばネスプリンという膜貫通タンパク質は細胞質のアクチンフィラメントや中間径フィラメントと接続することが可能で(11)、核が細胞内をピンボールのように自由に動かないように係留することができます。また核ラミナは染色体と結合して、染色体を核膜の内側に係留することができます(図7)。

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参照

1)Chatton E. Pansporella perplexa: Reflexions sur la biologie et la
phylogenie des protozoaires. Ann Sci Nat Zool vol.8:pp.5-84 (1925)

2)Soyer-Gobillard MO. Scientific research at the Laboratoire Arago (Banyuls, France) in the twentieth Century: Edouard Chatton, the“master”, and Andre Lwoff, the “pupil”. Int Microbiol vol.5:pp.37-42 (2002)

3)Stanier R, Lwoff A. Le concept de microbe de Pasteur a nos jours.
La Nouvelle Presse Medicale vol.2:pp.1191-1198 (1973)

4)http://morph.way-nifty.com/grey/2016/12/post-b88f.html

5)Callan H. G., Tomlin S. G. Experimental studies on amphibian oocyte nuclei. I. Investigation of the structure of the nuclear membrane by means of the electron microscope. Proc. R. Soc. B vol. 137, pp. 367–378 (1950)  10.1098/rspb.1950.0047

6)R.W. Merriam, Some dynamic aspects of the nuclear envelope., J. Cell Biol., vol.12, pp. 79-90 (1962)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2106017/pdf/79.pdf

7)「細胞骨格3」http://morph.way-nifty.com/lecture/2017/06/post-8a89.html

8)橋爪智恵子,Richard W. Wong、 核膜孔複合体の構造と機能、生化学 vol.83(10), pp. 957-965 (2011)
こちら

9)片平 じゅん、mRNA核外輸送複合体の形成機構 生化学 vol. 87(1): pp. 75-81 (2015)
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870075/data/

10)松尾 芳隆、核外輸送の過程におけるリボソームの品質管理の機構、ライフサイエンス 新着論文レビュー DOI: 10.7875/first.author.2013.158
http://first.lifesciencedb.jp/archives/8023
Coupled GTPase and remodelling ATPase activities form a checkpoint for ribosome export. Yoshitaka Matsuo, Sander Granneman, Matthias Thoms, Rizos-Georgios Manikas, David Tollervey, Ed Hurt., Nature, vo. 505, pp. 112-116 (2014)

11)https://en.wikipedia.org/wiki/Nesprin

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2017年7月 4日 (火)

ヒアリ

Fire_ants_01ヒアリは今年尼崎・神戸でみつかったと思ったら、直ちに名古屋・大阪でもみつかり、もはや日本で大発生するのも時間の問題と思われます。ヒアリの毒も危険ですが、特に2回目に噛まれたときのアナフィラキシーショックが怖いようです。

左がウィキペディアにあった働き蟻の図で、大きさは数ミリのようです。もちろん女王蟻やオス蟻はかなり大きいようです。

ウィキペディアによるとヒアリは毒を「獲物の捕獲、防衛のために使用するため、蟻にとって非常に重要な役割を担っている。毒の成分の95%はピペリジンアルカロイド6種類(trans-2-methyl-6-n-undecylpiperidines , trans-2-Methyl-6-n-tridecylpiperidine, trans-2-Methyl-6-(cis-4-tridecenyl) piperidines, trans-2-methyl-6-n-pentadecylpiperidine, trans-2-methyl-6-(cis-6-pentadecenyl)piperidine 、2,6-dialkylpiperidines)。 Trans-2-methyl-6-n-undecylpiperidine (ソレノプシン) 」からなります。

ソレノプシンは細胞毒性・溶血性・壊死性があるとされていますが、なんと神経学的障害(アルツハイマー病などを含む)の治療薬として2013年に特許がとられていました(http://biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2013022219.html)。

ということは、ソレノプシンはアナフィラキシーショックを誘導するわけではないと思われます。ではショックの原因物質は何なのでしょうか?

Photo

さらにウィキペディアを見ると「長い間、毒液はアルカロイドのみと考えられていたが、約46種類のタンパク質が検出された。これらのたんぱく質は毒液の重量の0.1%に過ぎないが、アナフィラキシーショックの反応に関与している可能性があるとみられている」と書いてありました。実は微量のタンパク質がショックの原因のようです。多分このタンパク質は毒ではなくて、普通にヒアリの体液に含まれているタンパク質なのでしょう。

ヒアリの天敵はノミバエという体長2~3mmの小さなハエで、ショウジョウバエの仲間です(http://mushi-chisiki.com/pest/kobae.html)。

このハエのある種(Pseudacteon curvatus)のメスはヒアリののどに卵を産み付け、幼虫はヒアリの体をエサにして成長するそうです(https://en.wikipedia.org/wiki/Fire_ant)。早急に天敵を港湾都市に放しておくべきでしょうね。

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2017年7月 1日 (土)

熊木杏里アルバム 「群青の日々」

Img予約していた「群青の日々」(作詞・作曲・プロデュース:熊木杏里)が届きました。このアルバムはまず「国」という曲を襟を正して聴き、それからリラックスして他の曲を聴くというのがいいと思います。

「国」は究極のメッセージソングで、まさか熊木杏里がこの種の曲を書くとは思いませんでした。「その国に独裁者はない」というフレーズがありますが、おそらくトランプと晋三がこの曲を制作する動機となったのではないでしょうか。オリンピック狙いではないと思います。

「怖い」がロック風でちょっとびっくり。一転してフォーク風「カレーライス」。どちらも山崎ハコの「SA・SU・GA(流石)」などのアルバムを研究したんじゃないかと思いました。曲調が似ています。「カレーライス」は詞も曲も脳にこびりつく名曲だと思います。

「蛍」は中国風のバラード。中国でツァーを敢行したことが影響しているのでしょうか。「花火」はポップスで個人的に好きな曲です。「群青の日々」は掉尾を飾るバラードとしては、ちょっとメロディーの新鮮さが足りない感じがしました。

全体的に歌詞は文句なし、メロディーはもう少し頑張って欲しいというのが私の感想。それでも「カレーライス」と「国」は新しいクマッキーを見せてくれて素晴らしいと思いました。

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私が熊木杏里の最高傑作だと思う 「こと」

https://www.youtube.com/watch?v=flu-vgSJGrs

https://www.youtube.com/watch?v=iWfCmIDnvQQ

https://www.youtube.com/watch?v=fVr6M9WHfms
(with translation into Espana)

(cover)
https://www.youtube.com/watch?v=0L2X83v9OQk

夏になるとこの曲を思い出す 「夏蝉」

https://www.youtube.com/watch?v=INu-PqINm6U

https://www.youtube.com/watch?v=x3FV-qimxdM

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2017年6月30日 (金)

洸美バースデイライヴ2017@六本木バードランド

Imgb_2洸美(ひろみ)の30歳バースデイライヴ「木曜日の魔法」に行ってきました。彼女のライヴに行くのは初めてです。

場所は六本木の駅から歩いて1分くらいのライヴハウス「バードランド」。5Fにエレベータで上がると、チケットもぎりのお姉さんがいて、この方が実質指揮統率しているライヴハウスのようです。

コアのファンの方が30人くらいいて前の方半分を占め、私は後方に席をとりました。満席の盛況。庄司紗千さんが後方の席にいらっしゃいました。

このライヴハウスは結構アバウトで、ウェブサイトのメニューと全然内容・価格が違っていたり、オールフリーを注文したのに、プレミアムモルツがきたりで、アルコールアレルギーの人だったりしたら大変なことになっているところでした。しかしバジルの香りが大変素晴らしく、料理はなかなかいけます。

洸美さんは日台ハーフのシンガーソングライターで、台湾では小中と台中の日本人学校に通っていたそうです。今日のステージはバックがピアノ・ベース・ドラムスで豪華。特にベースはコントラバスで、弓で弾く場面も多かったように思います。ベースを弓で弾くと、チェロと違って表には出てこないで、文字通りベースの音になります。バラードを盛り上げるには素晴らしい効果だと思いました。

「青空お洗濯」と「タピオカミルクティー」は名曲だと思います。メロディーが脳に刻印される感じがあります。アンコールで歌われた「夜来香」や新曲の「ウミネコ」は重厚なバラードです。満月の夜の海で休む海猫たちが、星空のように輝くというのは想像もできない景色です。「一杯茶」は異文化に触れる感じでした。なかなか気分良く歌っておられたようで、大変楽しく過ごさせて頂きました。どうも有難う。

この日のライヴの様子が公開されています
https://www.youtube.com/watch?v=X57qe0vPRYU
https://www.youtube.com/watch?v=F3gIjEXs9eM

「青空お洗濯」
https://www.youtube.com/watch?v=QdWW2aiGw4A

「タピオカミルクティー」
https://www.youtube.com/watch?v=V9Chrebr0nQ

「夜来香」
https://www.youtube.com/watch?v=oPriHRnWjLA

「一杯茶」
https://www.youtube.com/watch?v=XAyBR0FdMME

今日は演奏しませんでしたが、日本のポップスのカバーもやるようです。

「ひまわり」
https://www.youtube.com/watch?v=2K0JtSlBM7M

「オリビアを聴きながら」
https://www.youtube.com/watch?v=H59VN2tFfyc

「チェリー」
https://www.youtube.com/watch?v=EJqT7j-vSqI

洸美さんのサイト

http://hiromi629.wixsite.com/hiromi/profile

https://twitter.com/hiromi629

http://hiromi629.jugem.jp/




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2017年6月29日 (木)

やぶにらみ生物論78: リソソームとオートファジー

電子顕微鏡で細胞を観察していると、しばしば細胞内に何かわけのわからない内容物を含んだ閉じた袋のような構造体をみかけます。たとえば図1の細胞Aや細胞B(ラット真皮の細胞)の矢印の構造体です。矢印以外にも数多くみられます。これらの構造体は外界から取り込んだ固形物や液体、あるいは細胞内で生じた不要物などを集めて分解し、無害化したり、栄養として再利用したりするための、リソソーム(英語ではライソソーム)を主役とした「ごみ処理・再利用システム」の一部と考えられています。

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Dermis: 真皮、Dermal sheath: 真皮性毛包、Hair follicle: 毛包

リソソームはすでに1950年代にクリスチャン・ド・ドューブ(図3)によって発見されており、ド・ドューブは1974年にノーベル賞を受賞しています。彼のグループはラットの肝臓をすりつぶし、遠心力で分画して、マイクロソームとミトコンドリアの中間の画分にリソソームというオルガネラ(細胞内小器官)が存在し、その画分には酸性で稼働する加水分解酵素が多く含まれていることを証明しました。さらにファゴソームと名付けられた小胞が細胞質成分を包み込み、それがリソソームと融合して消化されるというシステムの存在を示唆しました(1、2)。

現在わかっていることを大まかに示すと図2のようになります。細胞膜ではファゴサイトーシスやピノサイトーシス(まとめてエンドサイト-シス)によって、細胞外からウィルスなどの固形物や、溶液などを取り込むという活動が行われています。これは細胞近傍の有害物質を無害化したり、高分子の栄養物質をとりこんだりするために行われています。細胞膜の1部を使ってしまいますが、考えようによっては細胞膜一部を更新するという新陳代謝を行っているともいえます。

集めた外界の物質などはエンドソームに集められ、次に内部がpH5のリソソームと融合してファゴリソソームとなり、ゴルジ体から供給された数十種類の加水分解酵素が働いて消化活動を行います。これらの酵素はpH5周辺が至適の酵素なので、細胞質に漏れ出ても細胞を破壊することはありません。ファゴリソソームでの消化が終了すると、ファゴリソソームはリソソームに戻って次の機会を待ちます(図2)。

ゴルジ体で作られた酸性が至適pHの加水分解酵素群はそれぞれマンノース6リン酸と結合して、これがマーカーとなってレセプターと結合し、小胞でリソソームなどに運ばれます。ここでレセプターから離れた加水分解酵素は仕事をはじめます。エンドソームもリソソームほどではなくてもpHは酸性になっているので、加水分解は可能です。

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リソソームシステムは細胞外の物質だけではなく、細胞内の物質も消化することがわかっています(1-4)。この場合ファゴソームはオートファゴソーム、ファゴリソソームはオートリソソームといいます(オートは自分自身という意味)。そしてこのような自己消化活動全体を指してオートファジーといいます。ド・ドューブの時代からオートファジーという現象があると言われていたのですが、その後細胞外から貪食作用(ファゴサイトーシス)によってとりこまれたものはリソソームシステムによって消化されるが、細胞内のものは消化されないとか、タンパク質のターンオーバーにはリソソームは関与しないという批判があり、さらにプロテアソームによる不要タンパク質分解機構が発見されるに至って、オートファジーは冬の自体を迎えることになりました(3)。

そのような冬の時代にも、出芽酵母(お酒やパンをつくるのに使われる酵母です)のオートファジーに関心を持っていたのが大隅良典(図3)で、彼は出芽酵母の突然変異体を5000体作成し、そのなかからたったひとつのオートファジーを行わない突然変異体を分離しました(3)。この変異体は通常は普通に増殖しますが、栄養状態が悪くなると早死にしてしまいます。すなわちオートファジーとは飢餓時に自食することによって生きながらえるためのメカニズムであることが示唆されました。

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最新科学や先進技術もその歴史をひもとくと、実は知らない人から見ると全く個人の趣味・カルトな興味・重要性が全く見いだせないとしか思えない研究に行き着く場合が多いのです。DNAを切り貼りしてゲノムを編集するなどという技術も、もとをたどれば、細菌がいかにしてウィルスの攻撃を逃れるかという「細菌の免疫機構」の研究から生まれた代物であって、最初からDNAの改変を目的として開発された技術ではありません。大隅先生がよく基礎科学の重要性を強調されるのはそういうことだと思います。

もっとはっきり言えば、研究費はばらまくことが必要なのです。どんな研究が科学の飛躍的発展につながるかなんて、神様しか知ることはできないのです。ですから私は少額の科学研究費は抽選にしましょうと昔から主張しています。まともな研究者はそういうことがよくわかっているので、同じ研究分野の方々にこっそり30万円づつ配っていた方もおられました。

出芽酵母は図4のようにゲノムが1セットのn世代と2セットの2n世代があり、n世代のα タイプと a タイプが接合することによって2n世代がはじまります。このn世代(ゲノムが1セット)でも2n世代と同様な状態で普通に生きられる生物であることが味噌です。1ヶ所の遺伝子の傷によって表現型が変化する可能性が高いので、遺伝学の世界では重宝されています。哺乳類だと精子・卵子以外はすべて2nなので、1ヶ所の傷だと+/+が+/-になるだけで、健全な遺伝子が傷ついた遺伝子の働きを代替する場合が多く、遺伝子型と表現型は1:1に対応しません。研究に都合の良い素材を選ぶことは重要です。

出芽酵母の2n世代は胞子をつくることができます。非常に興味深いことに、オートファジーができないミュータントは胞子をつくることができないそうです(3)。胞子は飢餓など環境の悪化に抵抗性の高い状態です。すなわち酵母のような10億年前から生きているプリミティヴな生物においても、オートファジーは自食だけでなく、もっと複雑なサバイバル戦略の要になっていることがわかります。

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大隅らの研究によって、オートファジーができないミュータントはApg1というタンパク質が欠損していることがわかりましたが、次にはその他にオートファジーに関与しているタンパク質(遺伝子)はないのかということになります。これを実行したのが埼玉大学から東大駒場の大隅研にやってきた大学院生の塚田美樹でした(図3)。5000体の変異体からわずかひとつだけしか分離できなかったオートファジーのミュータントを、彼女は38,000体の変異体から何と15体も分離し、FEBS lett. に発表しました(5)。この論文がその後のオートファジー研究の出発点となりました。私もこの論文を読む機会があって、大変感動したことを覚えています。大隅は2016年のノーベル生理学医学賞を受賞しましたが、当時の研究室の思い出を弟子の方々がつづった思い出文集「駒場での大隅研究室」がウェブサイトで公開されています(6)。

塚田・大隅の論文が出版された頃にはもうヒトやマウスの全DNA配列が解明されてきていて、酵母でオートファジーを担う遺伝子に対応した哺乳類の遺伝子も明らかになり、2000年前後から一瀉千里に研究は発展しました。

オートファジーは真核生物全般に見られ、原核生物にはみられません。まず細胞質に脂質2重膜が2枚重なったようなお椀のような構造体が現れ、やがて球形に閉じて中身を閉じ込め(オートファゴソーム)、その外側の膜とリソソームの膜が融合してオートリソソームが完成します(図5、参照7よりコピー)。そのなかで構造体の分解消化が行われます。哺乳類でも酵母と同様、飢餓状態になると盛大にオートファジーが行われます。図5Cは飢餓状態にしたラットの肝臓のオートファジーを観察したものです。

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水島(図3)によると、哺乳類では受精直後(卵巣から離れると、着床するまでしばらく母親が残したタンパク質を栄養源として生き延びる)、出生直後(へその緒からの栄養供給がなくなるので自食で補う)、成体が飢餓状態のような時にオートファジーが特に活発になるそうです(8)。もちろんオートファジーのシステムは普段から細胞内の老廃物を分解し、再利用したり廃棄したりするゴミ処理場の役割を果たしています。

変性したタンパク質はオートファジーだけでなく、プロテアソームシステムでも排除できますが、不良ミトコンドリアはオートファジーまたは未知のシステムを使わなければ排除できません(4)。赤血球からミトコンドリアを排除する際にも、オートファジーのシステムが使われているようですが、未知のシステムが関与している可能性も残されています(4、9、10)。

タンパク質を分解するシステムは前記のようにプロテアソームというのがあるのですが、プロテアソームは多糖類や糖脂質を分解することはできません。したがってこれらを分解するリソソーム酵素が欠損すると、細胞内に不要な多糖類や糖脂質が蓄積して病気が発生します。どんな病気があるかは Lyso Life というサイト(11)から主要なものだけコピペしておきました。詳しくはサイトをご覧下さい。

ゴーシェ病
グルコセレブロシダーゼという酵素の働きがなかったり、低くなったりしていることで、グルコセレブロシドという物質が分解されにくくなります。肝臓や脾臓が大きくなる、貧血や血小板の減少、骨症状などがみられ、けいれんや斜視(左右の目の視線が一致しない)などの神経症状が現れることもあります。

ファブリー病
α−ガラクトシダーゼ(α‐GAL)という酵素の働きがなかったり、低くなったりしていることで、グロボトリアオシルセラミド(GL-3)という物質が分解されにくくなります。手足の痛みや汗をかきにくいといった症状や、腎機能障害、心機能障害、脳血管障害などが現れます。

ポンペ病(糖原病Ⅱ型)
酸性α−グルコシダーゼという酵素の働きがなかったり、低くなったりしていることで、グリコーゲンという物質が分解されにくくなります。骨格を支える筋肉や呼吸に必要な筋肉の力が弱くなり、体重が増えにくい、心臓の働きが悪くなるなどの症状が現れることもあります。

ムコ多糖症Ⅰ型
α−L−イズロニダーゼという酵素の働きがなかったり、低くなったりしていることで、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)という物質が分解されにくくなります。関節のこわばり、骨の変形、肝臓や脾臓が大きくなる、むくむくとした顔立ち、水頭症(頭の中に水がたまる)などの症状がみられ、知的な発達の遅れなどが現れることもあります。

ムコ多糖症Ⅱ型
イズロン酸−2−スルファターゼという酵素の働きがなかったり、低くなったりしていることで、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)という物質が分解されにくくなります。関節のこわばり、骨の変形、肝臓や脾臓が大きくなる、むくむくとした顔立ちなどの症状がみられ、知的な発達の遅れなどが現れることもあります。

参照

1)C. De Dube, B. C. Pressman, R. Gianetto, R. Wattiaux and F. Applemans. Tissue Fractionation Studies
6. INTRACELLULAR DISTRIBUTION PATTERNS OF ENZYMES IN RAT-LIVER TISSUE. Biochem J. vol. 60(4): pp. 604–617.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1216159/

2)Alex B. Novikoff, H. Beaufay,  and C. De Duve. ELECTRON MICROSCOPY OF LYSOSOME-RICHFRACTIONS FROM RAT LIVER.  J. Biophys. Biochem. Cytol., Vol. 2, NO. 4, Suppl. pp.179-190 (1956)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2229688/pdf/179.pdf

3)荒木保弘・大隅良典 「オートファジーを長き眠りからめざめさせた酵母」 領域融合レビュー, 1, e005 (2012) DOI: 10.7875/leading.author.1.e005
Yasuhiro Araki & Yoshinori Ohsumi: Awakening the hibernation of autophagy research using yeast.
http://leading.lifesciencedb.jp/1-e005/

4)水島昇 「細胞が自分を食べる オートファジーの謎」 PHPサイエンスワールド新書 PHP研究所 (2011)

5)Miki Tsukada, Yoshinori Ohsumi., Isofation and characterization of autophagy-defective mutants of Saccharomyces cerevisiae., FEBS lett. Volume 333, number 1,2, pp. 169-174 (1993)
http://www.selectividad.pt/uploads/8/7/4/5/87451854/tsukada_et_al-1993-febs_letters.pdf

6)大隅良典先生ノーベル賞受賞記念思い出文集「駒場での大隅研究室」
http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/file/OHSUMI.pdf

7)https://en.wikipedia.org/wiki/Autophagy

8)水島昇 哺乳類胚発生におけるオートファジーの役割を解明-マウス受精卵、自身の細胞内たんぱく質を分解して栄養に-
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20080704/index.html?newwindow=true

9)H. Takano-Ohmuro, M. Mukaida, E. Kominami, K. Morioka., Autophagy in embryonic erythroid cells: its role in maturation. Eur. J. Cell Biol., vol. 79, pp. 759-764 (2000).

10)S. Honda et al., Ulk1-mediated Atg5-independent macroautophagy mediates elimination of mitochondria from embryonic reticulocytes. Nat. Commun.  Jun 4; vol. 5: 4004. (2014) doi: 10.1038/ncomms5004

11)http://www.lysolife.jp/about/about/kind.html

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2017年6月26日 (月)

カムチャッカ・クリルの異変

ハザードラボによると(http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/0/20760.html)、カムチャッカ半島の4火山と千島列島北端のパラムシル島の火山がほぼ同時に噴火したそうです。それぞれの火山の位置は下の地図に示します。

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なかでもユーラシア大陸最大の活火山クリュチェフスカヤ山(4750m 標高は噴火のたびに変わる 下の写真)も大噴火したそうで、非常に大規模な火山活動が半島全体と千島列島の北部ではじまったと考えられます。

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富士山も近々噴火すると考えておいた方がよいかもしれません。昔の団地では高い場所に貯水槽が設置されていて、各棟に重力で水が供給されていましたが、現在は貯水槽が地下に有り(あるいは貯水槽のない水道直結方式)、ポンプで随時高い位置にある住居に供給しています。この方式では地震や火山の噴火などで停電した途端に水道が停止し、住民は難民になります。

このことを真剣に考える雰囲気はまだありません。困った問題です。

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2017年6月24日 (土)

暗澹

Photo_2大きな団地に住んでいますが、ずっと隣は何をする人ぞでした。

しかし管理組合の活動をお手伝いするようになって、全く違った景色が見えてきました。

お金持ちなのに行方不明の方がいたり、

車を盗まれた方がいたり、

管理費を支払わない人がいたり、

理事長に脅迫状まがいの手紙を出す人がいたり、

毎日管理事務所に来てクレームをつける人がいたり、

集会室の机にドスを突き立てる人がいたり、

正義をつらぬいたために団地を追い出された人がいたり、

管理組合を思うがままに支配しようとする派閥があったり、

話をまとめようとするべきなのに、ひっくり返して永遠に解決しないことを望む人がいたり、

ほとんど無給なのに、毎日管理事務所に出勤して黙々と仕事をこなしている理事長がいたり、

どんな書類もすらすらと書き上げてしまう達人がいたり、

総会で委任状も出さない人が大勢いたり、

中国や東南アジアの方がいたり、

こういう様々な人と関わりを持って毎日を生きる世界とは、私が住むべきではない異世界であることを痛感して暗澹たる毎日ですが、いくばくかの貢献をすることは住人の義務だと思うので、年季が明けるまでは辛抱しようと思う今日この頃です。


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2017年6月22日 (木)

やぶにらみ生物論77: ミトコンドリア

ミトコンドリアは「呼吸」について述べたところで、やや詳しくとりあげました(1)。ここではミトコンドリアという構造体について、もっと基本的なところからあらためて展開したいと思います。

ミトコンドリアを発見したのは、ミーシャーの協力者であり、「nuclein ヌクレイン」 を正しく 「nucleic acid 核酸」 と改名したリヒャルト・アルトマンです。ミトコンドリアはそのままでは光学顕微鏡による観察でサイズが小さすぎて見えないのですが、適切に固定・染色すれば細菌と同様観察することができます。アルトマンはその固定法や染色法を工夫して、あらゆる細胞の中に細菌のような生物が棲息していることを示唆しました。1890年頃のことです。アルトマンはそれをバイオブラストと命名し、シンビオント(共生体)であることを早くも予想していました(2、3)。

現在ではゲノムの解析などから、ミトコンドリアが αプロテオバクテリア にその起源を持つことは一般的に認められていますが、当時ではまさに荒唐無稽な説であり、アルトマンが言うところのバイオブラストは固定・染色のアーティファクトだとされて、全く相手にされなかったようです。そのためアルトマンは晩年は自室に引きこもって隠遁生活を余儀なくされたそうです(2、3)。アルトマンは21世紀になってから再評価されて、著書も復刻されました(図1)。彼はわずか48歳で他界していますが、その肖像は異様に年老いてみえます(図1)。悩みの多い人生だったことがうかがえます。

しかし当時から小数ながら彼を支持する研究者もいて、1898年にカール・ベンダはアルトマンのバイオブラストが、あるときには糸(mito in Greek)、あるときには顆粒(chondros in Greek)に見えることから、改めてミトコンドリオン(複数はミトコンドリア)と命名しました。さらに1900年にはレノア・ミカエリスが生細胞をヤヌス・グリーンという色素で染めてミトコンドリアを観察することに成功し、しだいにミトコンドリアはその存在を認められるようになりました(3)。

1960年代にはリン・マーギュリスがミトコンドリア=シンビオント説を再興し(4、図1)、現在ではそれが広く認められるようになりました。参照文献の著者がリン・セーガンとなっているのは、当時彼女がカール・セーガン(映画「コンタクト」の原作者:主演ジョディ・フォスターが素晴らしく、ストーリーもうまくできているのでおすすめします)の奥様だったからです。

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ウィキペディアによると、ヒトの場合ミトコンドリアの総重量は体重の約10%を占めるとされています(5)。確かに肝臓の細胞などを観察していると、そのことが納得できるくらい頻繁にミトコンドリアをみつけることができます。ヒトの場合ひとつの細胞に、平均すると数百個のミトコンドリアが存在すると言われています。ただ酸素を運ぶのが仕事の赤血球では、ミトコンドリアが途中で酸素を使ってしまうのを防ぐために、ミトコンドリアを消滅させています(6、7)。消滅させるメカニズムは、大隅先生のノーベル賞授賞で有名になったオートファジーなどです(6、7)。角質化した細胞(表皮上層部・爪・毛など)にもミトコンドリアはみられません。

ミトコンドリアは図2のように、いちばん外側は進化上真核生物に由来すると思われる外膜に包まれ、その内側に細菌(シンビオント)由来と思われる内膜が存在します。内膜は外膜を裏打ちしているわけではなく、ときおり細胞内に突出する場合があり、この構造をクリステといいます(図2)。外膜と内膜の間やクリステには膜間腔という狭い空間があります。内膜の内側にはマトリックスと呼ばれる細胞質があり、核はなくミトコンドリアDNAがあります(図2)。ひとつのミトコンドリアには通常数コピーのミトコンドリアDNAがあるようです(5)。DNAは裸ではなくタンパク質でラップされている状態にあるようです。

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ヒトを含めて多くの動物のミトコンドリアDNAに含まれる遺伝子は、リボソームRNAが2つ、トランスファーRNAが22、その他ATP合成酵素など13、計37個(8、図3)で大腸菌が約4000個の遺伝子を持つことを考えると、シンビオントが共生をはじめてから、進化の過程でほとんどの遺伝子がホスト(ヒト)のゲノムに移行または吸収されてしまったことが示唆されます。これはおそらくミトコンドリアが独立した生物として、勝手に増殖や機能発現を行わないように制御するためと思われますが、ここまで徹底的に移転させたのには、それなりの理由または特別なイベントがあったのかもしれません。ミトコンドリアの呼吸鎖複合体4つのすべては、ホストのゲノムにコードされているタンパク質がなければ活動できないので、ミトコンドリアにおけるATP産生はホストによって決定的に規制されています。

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ミトコンドリアDNAは円形(サーキュラー)でかつ非常に小さいので、ウィルスやプラスミドが行うようなローリングサークル型DNA複製を行います。これは図4のように、トイレットペーパーを引き出すような形で、とりあえず片側のDNAだけをタンデムに複数コピー作成し、切断・二重鎖化・環状化はそのあとゆっくり進行させるというやり方です。

このやり方のひとつの利点は、1個のミトコンドリアに「変異が蓄積して不要なDNA」と「無傷のDNA」が共存した場合、ミトコンドリアが分裂したときに無傷のDNAをローリングサークルで多数複製し、それを娘ミトコンドリアに送り込むことができるということです。これは1種のクローニングで、そうしてできた娘ミトコンドリアは新品同様なので、卵母細胞などメスの生殖細胞ではこのようなミトコンドリアが使われていると考えられます(9)。

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ミトコンドリアは静的な存在ではなく、しばしば融合や分裂を繰り返す動的な存在です。ミトコンドリアを縊り切って分裂させる装置の主役となるタンパク質は、細菌のチュブリンファミリーや真核生物のアクチンファミリ-ではなく、なんとダイナミンファミリーの Drp (哺乳類の場合)です(10、11、図5)。驚くべき事に彼らは過去の分裂装置を捨て去り、ホストの分裂装置も借りないで、全く新しい生き方を選びました。ホストの細胞内という環境の中で、ホストと自分自身の生存に有利な方向に進化してきたのでしょう。

しかも新しい分裂装置を獲得する中で、ミトコンドリア同士を融合するシステムを獲得しました(図5)。図5に示したダイナミンファミリーの Drp、 Mfn、Opa、の他にも多くのタンパク質が細胞融合にかかわっているようです(11)。獲得したと言いましたが、もちろんミトコンドリアが独自に進化したのではなく、これらのダイナミンファミリーの遺伝子はすべてホストのゲノムに存在しているので、ホストの進化といっても良いわけです。

ミトコンドリアの融合がなぜ有用なのかは、まだ完全に理解されているわけではありませんが、例えばDrp1の突然変異が重篤な新生児致死の原因となる、Mfn2 に変異が生じると末梢神経に障害をもつ神経変性疾患である Charcot-Marie-Tooth 病に罹患する、Opa1 の変異は視神経形成異常となるDominant Optic Atrophy の原因となるなどが報告されています(11、12)。ローリングサークルで大量のDNAを合成した場合、その事後処理のため大型のミトコンドリアが必要とも考えられます。心筋などでは多量のATPが必要とされるので、ミトコンドリアが巨大化し、かつびっしりと繋がって存在する場合があります(13)。

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ミトコンドリアは現在ではリボソームRNA遺伝子やシトクロムc遺伝子の構造比較から、αプロテオバクテリアに起源するとされており、そのなかでもリケッチアあるいはその祖先に近いとされるペラジバクター(現在でも海洋に浮遊する普通種)が起源ではないかと言われています(5)。

話は変わりますが、ミトコンドリアは母親から受け継がれるので、ミトコンドリアDNAの塩基配列を解析し系統樹を作成すると、最初の一人の母親にたどりつくという研究があります。そのアフリカに住んでいたとされる母親はミトコンドリア・イヴと呼ばれることもあります。ただし聖書のようにその母親からすべての人類が生まれたわけではなく、たまたま20万年もの間、子供に必ず女性がいたというとてもめずらしい家系の頂点にいる女性ということです。ミトコンドリアが母親から受け継がれるというのは真実で、それなら精子のミトコンドリアは受精後どうなってしまうのでしょうか?

図6のように受精後しばらくは精子のミトコンドリアも受精卵の中で生きているのですが、融合や増殖は禁止されています。そして受精卵が分裂を繰り返し個体に発生していく過程で、父系のミトコンドリアはオートファゴソームという袋につつまれて分解(オートファジー)されてしまいます(14、15)。父系のミトコンドリアをすべて殺してしまうというのが生物にどんなメリットを与えるのかはよくわかっていません。卵子ではミトコンドリアの品質がきちんと管理されているが、精子では管理されていないということも考えられます。

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ミトコンドリアは酸素を使って代謝を行っている上、鉄も多く含むため、活性酸素が発生しやすい条件が整っています。活性酸素はタンパク質・脂質・核酸などの生体物質と反応して変質させることがあります。したがってミトコンドリアは常に劣化する危険にさらされています。劣化したミトコンドリアは通常オートファジーによって排除されますが、それでも間に合わない場合、ミトコンドリア内部からシトクロムcというタンパク質が放出され、ホストの細胞ごと自殺に導くという究極のプロセスが発動します。

このプロセスはアポトーシスと呼ばれており、もともと細胞が修復不能なダメージを受けたとき、p53というタンパク質がシグナルとなってミトコンドリアに情報を伝え、それにミトコンドリアが反応してシトクロムcを放出するというメカニズムがあるのですが(図7)、それを利用してミトコンドリアの品質管理が行われることもあり得るということです。

真核生物はミトコンドリアからほとんどの遺伝子を奪い取りましたが、一方で自らの生死をミトコンドリアの指令によって決めるというメカニズムを構築しました。不思議な進化の物語です。

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ミトコンドリア遺伝子の異常、ミトコンドリア品質管理の異常などが原因の疾患はいろいろ知られています。詳しくはウィキペディアのミトコンドリア病の項などを参照していただきたいですが、アルツハイマー病やパーキンソン病にミトコンドリアの機能不全が原因とおぼしきものがあるらしいそうで、これはちょっとした驚きです(16)。

参照

1)http://morph.way-nifty.com/grey/2017/05/post-d4be.html

2)Brian O'Rourke, From Bioblasts to Mitochondria: Ever Expanding Roles of Mitochondria in Cell Physiology., Front Physiol., vol. 1: article 7, pp. 1-4 (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3059936/pdf/fphys-01-00007.pdf

3)Carolyn Csanyi, Discovery of the Mitochondria, Sciencing (2017)
http://sciencing.com/discovery-mitochondria-20329.html

4)Lynn Sagan  On the origin of mitosing cells. J. Theoretical Biology vol. 14(3), pp. 255-274. (1967) PMID 11541392 doi:10.1016/0022-5193(67)90079-3

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2

6)H. Takano-Ohmuro, M. Mukaida, E. Kominami, K. Morioka., Autophagy in embryonic erythroid cells: its role in maturation. Eur. J. Cell Biol., vol. 79, pp. 759-764 (2000).

7)S. Honda et al., Ulk1-mediated Atg5-independent macroautophagy mediates elimination of mitochondria from embryonic reticulocytes. Nat. Commun.  Jun 4; vol. 5: 4004. (2014) doi: 10.1038/ncomms5004
http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/329
http://www.nature.com/articles/ncomms5004

8)Jeffrey L. Boore, Animal mitochondrial genomes., Nucleic Acids Res., vol. 27 (8): pp. 1767-1780 (1999),  DOI: https://doi.org/10.1093/nar/27.8.1767
https://academic.oup.com/nar/article/27/8/1767/2847916/Animal-mitochondrial-genomes

9)Feng Ling, Rong Niu, Hideyuki Hatakeyama, Yu-ichi Goto, Takehiko Shibata and Minoru Yoshida, "ROS stimulate mitochondrial allele segregation towards homoplasmy in human cells", Molecular Biology of the Cell, vol. 27:10 pp. 1684-1693 (2016)  doi: 10.1091/mbc.E15-10-0690
http://www.molbiolcell.org/content/27/10/1684.full.pdf+html?sid=f44cb659-f009-4cb0-9842-939478677381
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160428_1/#note5

10)石原直忠、 融合と分裂によるミトコンドリアの形態制御の分子機構と生理機能 生化学 vol. 83, no.5, pp. 365-373 (2011)

11)伴 匡人,後藤雅史,石原直忠、ミトコンドリアの融合と分裂 その意義と制御機構 化学と生物 vol. 53, no.1, pp. 27-33 (2015)

12)H. R. Waterham, J. Koster, C. W. T. van Roermund, P. A. W. Mooyer, R. J. A. Wanders & J. V. Leonard:  A Lethal Defect of Mitochondrial and Peroxisomal Fission.  N. Engl. J. Med., vol. 356, pp.1736-1741, (2007).

13)http://www.cellimagelibrary.org/images/7567

14)佐藤美由紀  父由来のミトコンドリアが消されるしくみ 生命誌 vol.84-87 「つむぐ」 新曜社 pp. 100-105 (2016)
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/085/research/2.html

15)佐藤美由紀、佐藤健  ミトコンドリアゲノムの母性遺伝のメカニズム オートファジーによる父性ミトコンドリアの分解 化学と生物 vol. 50 (7) pp. 479-480 (2012)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/7/50_479/_pdf

16)田中敦、Richard J Youle  ミトコンドリアの品質維持とパーキンソン病 細胞工学 vol. 29 (5) pp. 431-437 (2010)

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2017年6月21日 (水)

都響・大野-ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」@東京芸術劇場2017年6月21日

Imgaaa_2久しぶりの都響ですがなんと暴風雨。これは矢部ちゃんが雨男から嵐を呼ぶ男に昇格したのでしょうか? いや今日は彼はサイドで、コンマスは四方さんでした。指揮は音楽監督・小野和士。

池袋芸劇のホールにはいると、ビデオカメラが10台くらい設置してあり、ブルーレイ/DVDに収録するようです。ほぼ満席で、平日昼のコンサートは営業絶好調です。

メンバーはほぼ最強シフト。「牧神」はお馴染み曲ですが、いつもは南方担当のイングリッシュホルンを大植が担当。立派にミッションコンプリート。フルートソロは柳原でしたが、しょっぱなだけちょっと硬い感じでした。しかしその後素晴らしい演奏でミッションコンプリート。良い感じでした。

ダンディ「フランス山人の歌による交響曲」は、ホールで聴いたのは初めてです。ピアノが効果的に使われている曲でした。メロディや雰囲気もなかなか良い曲です。CD買ってみようかな。いや今日の演奏のDVDが出版されるまで待つべきか?

後半のベートーヴェン「田園」交響曲はマエストロ大野&都響の真骨頂でした。エレガントで繊細、隅々までコントロールされた完璧な演奏というのはこういうものですか・・・。

しかし何というか、硝子ケースの向こうにある、匠細工のジュエリーペンダント(数千万円?)を眺めているという感じで、もどかしい。都響と大野だけで近寄りがたい神がかった世界で遊んでいて、私たちはそこに連れて行ってくれないし、もちろん仲間には入れてもらえないという不思議な気分。カラヤン&ベルリン・フィルの演奏でもそういう気持ちになったことがあります。

マエストロ大野がベストテン上位からはずれるというのも、そういう感覚が影響しているのではないかと思いました。ですからこんなにすごい演奏なのに、客席の反応はわりとあっさりなんですね。

ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」
https://www.youtube.com/watch?v=06qDsdcqm1M

ダンディ「フランス山人の歌による交響曲」
https://www.youtube.com/watch?v=g5nIkXsW86Q 

ベートーヴェン「田園」交響曲
https://www.youtube.com/watch?v=aW-7CqxhnAQ

(↑ダニエル・バレンボイムはちゃんと連れて行ってくれる)

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2017年6月17日 (土)

憲法9条改正の危うさ

300pxdokdo_20080628panorama日本が領土と称している係争地域の中で、竹島は特別なものです。それは他の地域と違って、連合国が日本の領土として、下記の様にサンフランシスコ講和条約で明確に認めていることです。
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竹島の扱いについては草案から最終版までに下記の変遷を辿っている。
1947年3月19日版以降 日本は済州島、巨文島、鬱陵島、竹島の4島を放棄すること。 1949年11月14日、アメリカ駐日政治顧問ウィリアム・ジョセフ・シーボルドによる竹島再考の勧告。「これらの島への日本の主張は古く、正当なものと思われる。」

1949年12月29日版以降 日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。日本の保有領土の項に竹島を明記。
1951年6月14日版以降 日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。(日本の保有領土の項は無くなる) 1951年7月19日、韓国政府、日本が済州島、巨文島、鬱陵島、独島(竹島)、及び、波浪島を放棄すること条約に盛り込むことを求める[注釈 6]。
1951年8月10日、米政府より、竹島は韓国の領土として扱われたことは無く、1905年以降日本領であるとし拒絶される(ラスク書簡)。

1951年9月8日版(最終版) 日本は済州島、巨文島、及び、鬱陵島を放棄すること。
(ウィキペディアより)
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もし自衛隊を軍隊として憲法で明確に規定した場合、国土を防衛するはずの軍が竹島を放置しているのはおかしいということになるでしょう。国論が何かのきっかけで盛り上がってしまうと、政府は韓国と開戦せざるを得なくなるかもしれません。現在の憲法では日本は軍隊を持たず、戦争をできないことになっているので、不満ながらも竹島に自衛隊を送ることはしていません。

日本は竹島について国際司法裁判所に提訴すべきですが、それはそれとして、もし9条を変えるなら、その前に竹島と尖閣諸島の問題を何らかの形で決着しておかないと、非常に危うい感じがします。

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憲法第9条:

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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2017年6月15日 (木)

クッキー

Img_1901イオンで売っていたインドネシアのクッキー。なにか懐かしい味がします。

米国製のクッキーより好ましい感じ。

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晋三の内閣官房のトップ13名のうち、警察出身が3名。警察を味方につけておけば、何やっても大丈夫ってことですか。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/kanbu/


おそらく民進党政権で、総理が友人に利益供与なんてしていたら、あっというまに総辞職か、下手すると韓国のようになっていたのではないでしょうか?

人間は権力を持つと、人の良い人間ほど、家族・友人・世話になった人々に利益供与しようとするものです。

蓮舫が同じ空気を吸うのも嫌だと言っていましたが、まったくその通りです。さてクッキーでも食べて機嫌を直しますかね。

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2017年6月13日 (火)

やぶにらみ生物論76: 細胞骨格3

これまでにも述べてきましたように、マイクロフィラメントや微小管は細胞骨格というより、細胞移動・細胞内輸送・細胞分裂などを実行するためのツールであり、変動も激しくそのためにATPやGTPを大量に使用します。それらと比較すると中間径繊維は安定で、形成にATPやGTPを必要としないので、細胞骨格という名前にふさわしいかもしれません。

中間径というのは、約6nm径のマイクロフィラメントと約25nmの微小管の中間のサイズ=約10nmという意味です。

図1はケラチンを例にとりましたが、Ⅰ型とⅡ型のケラチンがヘテロ2量体をつくり、そのヘテロ2量体がアンチパラレルに結合して4量体を形成し、それらが4本集まってプロトフィブリルを形成します。プロトフィブリルが多数集まって、中間径繊維ができあがります。このような構造を形成するためにATPやGTPは消費しません。

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中間径繊維も伸長や短縮を行いますが頻繁ではなく、基本的には細胞の形態を決めるのに役立っているとも言えますが、実際にはそんなに単純ではなくて、例えばケラチンの場合、その生理的意義は多岐にわたっており、角化によって水分の蒸発を防ぐ、細菌やウィルスの侵入を防ぐ、紫外線のダメージを吸収する、体温を維持する、捕殺や負傷を防ぐ、敵を突き殺す、指先に力を与える、蹄で体重をささえて走る、羽毛で空を飛ぶ、など数えきれません。

中間径繊維を構成するタンパク質は図2のように多数のグループがあり、通常それぞれのグループに複数の種類のタンパク質が所属します。グループを越えて複合的な繊維をつくることは一般的にはありません。ケラチンは上皮組織、ビメンチンは間充織、デスミンは筋肉、ニューロフィラメントは神経など特定の組織で発現するタンパク質が多いのですが、ラミンだけは例外的に広汎な組織にみられます。

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各タンパク質の分子構造をみていきますと、図3のように、すべてNH2側(N末)とCOOH側(C末)にαヘリックスやβシートを形成しない領域があり、中央にαヘリックスからなるロッド領域があるという形で、3つのドメインで構成されています。ロッド領域は2~3ヶ所の非αヘリックスリンカーで分断されています。

ロッド領域で多数の分子がパラレルに結合することによって太いケーブルが形成され、C末とN末がタンデムに結合して長いケーブルとなります。他の分子はすべて細胞質にありますが、ラミンだけは核にあるのでC末ドメインに核局在配列が存在します。(分子量は5万~7万です)。

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ケラチンは注意深くない生化学者には嫌われているタンパク質です。というのはラーメン店でスープを指にかけながら持ってくるウェイトレスのような研究者もいて、電気泳動槽のバッファに指をちゃぽちゃぽ浸しながら移動させることがあるので、そうなると皮膚のケラチンが検出されます。風呂に入っていない研究者だとフケが落下したりもします。

ケラチンにはSHが多く(髪が焦げると硫黄の臭いがします)、となりの分子のSHと結合してSS(ジスルフィド結合)を形成するので、分子の独立性は失われ、やや大げさに言えば毛髪・爪・角・鱗などはひとつで1巨大分子ということになります。ケラチンは肝臓のような柔らかい組織にもあるので、存在場所に応じて多くの種類があります。ヒトを含めて動物は数十種類のケラチン分子種すなわち遺伝子を保有しています。

ケラチンを発見したのは誰だか判りませんが、16世紀の中国の薬草学者李時珍(Li Shih-chen 図4)が治療に用いていたことが、私は未読ですが、彼の大著「本草綱目Compendium of Materia Medica」から読み取れるそうです(1、2)。最初にケラチン遺伝子の配列を決めたのはハヌコグルとフックスです(3、図4)。

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これはややめずらしいことだと思いますが、たとえばヒトの場合、I 型ケラチングループの各遺伝子は第17染色体の特定部位に、II 型ケラチングループの各遺伝子は第12染色体の特定部位にぎっしりかたまって存在しています。しかも上皮ケラチン・毛根鞘ケラチン・毛&爪ケラチンはそれぞれクラスターを形成しています。偽遺伝子もいくつかみつかっています(図5)。ケラチンの大きな特徴として、表皮・毛髪・爪・角・鱗などの死細胞においても、垢・雲脂・生え替わりなどで外界に廃棄されるまで、その機能を果たしていることが上げられます。

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ビメンチン(分子量57,000)は発見者がはっきりしています。ドイツのマックス・プランク研究所の Franke WW, Schmid E, Osborn M, and Weber K. です(4)。オズボーンとウィーバー(夫妻)は生化学に手を染めた者なら誰でも使ったことがある米の飯のような「SDS-PAGE」という分析法を開発したことで有名な研究者です(図6)。フランケは近年はアンチ・ドーピングの研究者としても有名です(5、図6)。

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図7Aはマウス胎児の皮膚で私が撮影したものですが、ビメンチンが茶色に染まっています。表皮や毛包の上皮性組織はほとんど染まらず、間充織である真皮や毛乳頭はよく染まっていることがわかります。違いが明白なので、腫瘍が上皮性か間充織性かを判別するのに、ビメンチンの染色が使われています。図7Bは細胞内におけるビメンチンの分布です。核を包み込むような感じですが、ミトコンドリアや小胞体と結合する場合もあるようです(6)。

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ビメンチンの機能はかなり微小管が代替することができるようではっきりとわかっていませんが、細胞に弾力を与えたり、オルガネラを保護するような役割があるようです(6)。ビメンチンの遺伝子を欠損すると負傷からの回復が遅れるという報告もあります(7)。

デスミン(分子量53,500)は筋細胞に特異的に存在するタンパク質で、デスミンがつくる繊維は細胞骨格と言うより筋組織のパーツとしての役割を担っています。。ラザリデスのグループによって発見され(8)、遺伝子配列はLi Zhenlin(9)らによって解明されました。デスミン遺伝子を欠損させたマウスでは、正常な筋肉組織が形成されないことが明らかになっています(10)。デスミン遺伝子の突然変異によるヒト筋肉疾患も報告されていま(11)。

デスミン繊維は横紋筋細胞では図8のように配置されていて、筋原繊維のZディスク同士、Zディスクと筋鞘(サルコレンマ)のコスタメア、Zディスクとミトコンドリアや核を連結しています(12)。

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ニューロフィラメントは神経細胞に特異的に出現する中間径繊維で、発見者は F.C. Huneeus & P.F. Davison です(13)。構成しているタンパク質は3種類の分子量がかなり異なるアイソフォームで、それぞれNF-H (分子量 200-220 kDa)、 NF-M (分子量145-160 kDa)、 NF-L (分子量68-70 kDa)と命名されています。軸索の内径を広げて、神経伝達がスムースに行われるようにするという説があります(14)。

類似したタンパク質にα-インターネキシン(分子量66kDa)というのがありますが、図9のようにニューロフィラメントタンパク質(グリーン)とは異なる細胞(図9の場合は未分化な神経細胞 レッド)に発現する場合があります。神経細胞にはこの他にネスチン、ペリフェリンなどの中間径繊維形成タンパク質も発現します。

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最後にラミンですが、ラミンだけは核に局在しているタンパク質で、ラミン繊維は核ラミナと呼ばれる核膜を裏打ちしている構造となっています。初期の研究は Aaronson RP と Blobel G によって行われました(15)。10年後には遺伝子配列も明らかになりました(16)。

ラミンは真核生物が出現すると同時に生まれたのではないようです。ヒドラからヒトまですべての動物(後生生物)にあるのですが、植物・カビ・単細胞生物は持っていません。このことはラミンが動物独特の体細胞分裂に関与していることを示唆しています(17、18)。また核内での染色体の位置決めとかDNAの転写にも関与しているかもしれません(18)。

ラミンにはAタイプとBタイプがあり、それぞれ別の遺伝子にコードされています。CタイプとAタイプは同じ遺伝子にコードされており、選択的スプライシングによって生成されたものです。Cタイプも含めたAタイプは胎生期にしか発現しません。一方BタイプはB1・B2が別の遺伝子にコードされており、これらはすべての細胞に認められます。AタイプはBタイプから進化的に派生したと考えられています(17、18)。

とは言っても、Aタイプラミンの機能をBタイプラミンが代替できるわけではなく、マウスではAタイプラミンの欠損によって、成長が著しく遅れ、筋ジストロフィーが発生するそうです。またラミンBの欠損は致死です(18)。ラミンの局在は、参照に記載したサイトをご覧ください(19-22)。

参照

1)Compendium of Materia Medica:https://en.wikipedia.org/wiki/Compendium_of_Materia_Medica

2)The discovery of keratin. http://keratininformation.weebly.com/discovery.html

3)Hanukoglu, I.; Fuchs, E., "The cDNA sequence of a human epidermal keratin: divergence of sequence but conservation of structure among intermediate filament proteins". Cell. vol. 31 (1): pp. 243–252.  (1982) doi:10.1016/0092-8674(82)90424-X. PMID 6186381.

4) Franke WW, Schmid E, Osborn M, Weber K. Different intermediate-sized filaments distinguished by immunofluorescence microscopy. Proc Natl Acad Sci USA vol. 75: pp. 5034-5038 (1978)

5)http://www.sueddeutsche.de/sport/anti-doping-experte-werner-franke-in-der-zweiten-halbzeit-wirkt-sich-epo-fantastisch-aus-1.2379897

6)https://en.wikipedia.org/wiki/Vimentin

7)Eckes B, Colucci-Guyon E, Smola H, Nodder S, Babinet C, Krieg T, Martin P., "Impaired wound healing in embryonic and adult mice lacking vimentin.". Journal of Cell Science. vol. 113: pp. 2455–2462. (2000) PMID 10852824.

8) Izant JG, Lazarides E.,  "Invariance and heterogeneity in the major structural and regulatory proteins

of chick muscle cells revealed by two-dimensional gel electrophoresis". Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. vol. 74 (4): pp. 1450–1454. (1977) PMC 430794 Freely accessible. PMID 266185. doi:10.1073/pnas.74.4.145

9)Li Zhenlin, Alain Lilienbauma, Gillian Butler-Browneb, Denise Paulin., Human desmin-coding gene: complete nucleotide sequence, characterization and regulation of expression during myogenesis and development., Gene, vol. 78, Issue 2,  pp. 243–254 (1989)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0378111989902278

10)Capetanaki Y1, Milner DJ, Weitzer G., Desmin in muscle formation and maintenance: knockouts and consequences., Cell Struct Funct., vol. 22(1): pp. 103-116. (1997)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9113396

11)デスミンミオパシー,デスミン遺伝子の突然変異による心筋ミオパシーを伴った骨格筋ミオパシー: 
http://www.nejm.jp/abstract/vol342.p770

12)Panagiotis Koutakis et al., Abnormal Accumulation of Desmin in Gastrocnemius Myofibers of Patients with Peripheral Artery Disease: Association with Altered Myofiber Morphology and Density, Mitochondrial Dysfunction and Impaired Limb Function., Journal of Histochemistry and Cytochemistry (2015)
https://www.researchgate.net/publication/270705709_Abnormal_Accumulation_of_Desmin_in_Gastrocnemius_Myofibers_of_Patients_with_Peripheral_Artery_Disease_Association_with_Altered_Myofiber_Morphology_and_Density_Mitochondrial_Dysfunction_and_Impaired_Li

13)F.C. Huneeus. and P.F. Davison,  Fibrillar proteins from squid axons: I. Neurofilament protein, Journal

of Molecular Biology, vol. 52, Issue 3, pp. 415-418 (1970).
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0022283670904109#

14)https://en.wikipedia.org/wiki/Neurofilament

15)Aaronson RP, Blobel G., Isolation of nuclear pore complexes in association with a lamina. Proc Natl Acad Sci vol. 72: pp. 1007–1011 (1975)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2964183/

16)McKeon FD, Kirschner MW, Caput D., Homologies in both primary and secondary structure between nuclear envelope and intermediate filament proteins. Nature 319: 463–468 (1986)

17)https://en.wikipedia.org/wiki/Lamin

18)Thomas Dechat, Stephen A. Adam, Pekka Taimen, Takeshi Shimi,and Robert D. Goldman, Nuclear Lamins., Cold Spring Harb Perspect Biol;2:a000547 (2010)

19)http://www.abcam.co.jp/lamin-b1-antibody-nuclear-envelope-marker-ab16048.html

20)http://www.abcam.co.jp/lamin-a-antibody-ab26300.html

21)https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/antibodies/primary-antibodies/cell-marker-antibodies/lamin-ac-antibodies.html

22)http://ruo.mbl.co.jp/bio/dtl/A/?pcd=PM064

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2017年6月 8日 (木)

2016都響ベストテン

A0960_005280_2都響 あなたが選ぶ、想い出に残った公演《2016年度》の結果が発表されました。

大野-国塩のコンビになってから、いまいち盛り上がりに欠ける感じです。大野さんも小泉さんも優等生タイプで立派な人すぎるというのが問題なのかも知れません。

インバルさんや井上さんには、何か負のエネルギーのような勢いが感じられます。

1位 7/24・25 アラン・ギルバート マーラー 交響曲第5番 他

2位 12/13・14 ヤクブ・フルシャ マ-ラ- 交響曲第1番 他

3位 2/26 ダニエレ・ルスティオーニ ベルリオーズ《幻想》交響曲 他

4位 9/20 エリアフ・インバル ショスタコーヴィチ交響曲第8番 他

5位 1/10 小泉和裕 ブルックナー交響曲第5番

6位 4/12 フランソワ=グザヴィエ・ロト ストラヴィンスキー《ペトルーシュカ・火の鳥》 他

7位 3/26 大野和士 プロコフィエフ《ロメオとジュリエット》 他

8位 9/10 エリアフ・インバル シューベルト交響曲第8番《ザ・グレート》 他

9位 3/5 井上道義 ドヴォルザーク交響曲第8番 他

10位 9/15 エリアフ・インバル バルトーク:管弦楽のための協奏曲 他

だいたい予想通りでしたが、ロトの《ペトルーシュカ・火の鳥》が少し低かったかな。私的にはこれがナンバーワンでした。《ペトルーシュカ》はオケが必死のパッチでしたが、後半《火の鳥》の指揮者&オケが一体となった切れ味の良い音楽の素晴らしさには圧倒されました。ロトが常任になったら、都響はとてつもないオケになるんじゃないかと想像してしまいました。

私の2位はフルシャのマーラー交響曲第1番。これはフルシャ自家薬籠中の曲らしく、ちょっとラフな感じでも思いきり都響をドライヴして、アドレナリン全開のマーラーを聴かせてくれました。こういうかしこまらないマーラーもなかなかいいもんです。

大野が7位にしかはいらなかったことを多くの方が指摘していますが、私も川崎でのショスタコーヴィチ交響曲第5番以外に印象に残る演奏がないのはどうしてでしょうか? 不満だったこともほぼないのですが。井上の演奏は逆に、強く印象に残っています。

毎年書いているのですが、エヴァ・オリカイネンをまた呼んで欲しいと思います。彼女&都響のブラームス「悲劇的序曲」は堂々とした押し出しの良い素晴らしい演奏でした。シベリウスじゃなくてブラームス/ベートーヴェンの交響曲を是非聴いてみたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=IEK_8CINK6A

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2017年6月 7日 (水)

サラとミーナ186: 朝はベランダで

Imga_3人間よりは寝起きが良いサラとミーナですが、朝から走り回ることはなく、なんとなくぼんやりした感じです。サラは特に雨が降っていたりすると、濡れるわけでもないのにベランダに出ないこともあります。

ミーナはベランダに食べたい植物があるので、ほぼ毎日出てきます。サラはペットショップで売っている植物のペレットが好きなので、あまりベランダの植物には関心を持たないようですが、種類によっては食べることもあります。ミーナはペレットには全く興味を示しません。

食べたい植物も2匹で全く異なっているのが面白いところで、季節によってもある植物が違うので、それぞれ別の植物に興味があるようです。

この頃猫の世界には法律などなくていいなと思うことがあります。人間社会では、面倒な法律が多すぎますし、特に刑法などは毎年厳しくなっても、ゆるくなることはなく、そのうちなし崩し的に監視社会になってしまうという愚かな方向に向かわざるを得ないというのは、なさけない話です。

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2017年6月 4日 (日)

やぶにらみ生物論75: 細胞骨格2

真核生物のチューブリン・アクチン・ケラチンについて、基本的なことはすでに以前に述べています(1)。従ってここではもう少し進んだ話題、または別の話題を取り上げます。

まずチューブリンについて。チューブリンにはいずれも分子量約5万の α と β があり、通常 α と β が結合してαβ の形で存在します。このほか動原体にある γ 、中心体にある δ と ε などが知られています。微小管はαβ がタンデムに連結したプロトフィラメント(αβαβαβαβ・・・)同士がパラレルに11~16本結合して、中空のチューブを形成しています(図1)。微小管は細胞分裂の際には紡錘体を形成し(図2)、鞭毛・繊毛においても特殊な配列をとりますが(図2)、一般的には細胞質全体にひろがって存在します(図1)。

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α  と β はヘテロダイマーとして行動し、αβαβαβαβ・・・という形でプロトフィラメントが形成されるので、プロトフィラメントには極性が存在します。しかもフィラメント同士はパラレルなので、微小管全体として極性が発生し、β側を+末端、α側を-末端と呼びます。β 側でフィラメントが伸長し、α 側で崩壊するという意味での+-なのですが、-末端は比較的安定で、+末端は-末端より頻繁に大規模な崩壊(カタストロフ)や修復(レスキュー)を繰り返していることがわかってきました(図3、参照 2、3)。

カタストロフの過程では、プロトフィラメントの末端からGTP結合チューブリンの脱落からはじまるフィラメントの短縮だけでなく、フィラメント同士の接着もはがれるようです(図3、参照 3)。

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このような微小管の動態を制御しているタンパク質群はMAPS(microtubule-associated proteins、4、5)、+TIPS(6)など非常に数多く、微小管の機能や制御の多彩さを示しています。あまりに複雑怪奇なので、私はこの方面になるべく関心を持たないようにしようと思っていました。それ故に、現在でもまだ未知の現象が多い宝の山かもしれません。

もうひとつ微小管の重要な役割は、細胞の中の道路として機能することです。ダイニンやキネシンはATPをエネルギー源として微小管上を袋(ベシクル)をかついで「歩行」し、細胞の隅々まで物質を届けます(図4)。神経細胞の軸索などは1mくらいの場合もあるので、ダイニンやキネシンのようなモータータンパク質を使わないと、必要な物質を末端まで供給できません。

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次はアクチンです。チューブリンを発見・精製・命名したのは戦後間もない日本の毛利秀雄でしたが、アクチンの発見者も当時科学では辺境の地であったハンガリーのブルノ・フェレンツ・シュトラウプでした。彼はハトの筋肉をすりつぶし、アセトンにいったん溶かして乾燥し、アセトンパウダーを作成して、そこからアクチンを抽出・精製しました。今でもアクチンの精製には、基本的にシュトラウプの方法が使われています(7)。

アクチンは単独の分子の場合G-アクチンともいい、G-アクチンが連結して線維を形成している場合F-アクチンといいます。Fアクチンにざまざまな制御タンパク質が結合してマイクロフィラメントが形成されますが、千差万別になって表現できないので、図5ではアクチンのポリマーとして示してあります。

マイクロフィラメントには微小管と同様+末端と-末端があり、ATPが結合したGアクチンが+末端に結合してフィラメントを伸ばし、ADP-Gアクチンが-末端から脱落してフィラメントを縮めるということになります。図5の下図をみると、マイクロフィラメントは細胞がある方向に伸長している場合、その伸長方向に平行に伸びている場合が多いことがわかります。また細胞膜近傍に顕著に観察されます。

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真核生物が誕生したとき、生物の生き方に関するひとつの革命が起きました。それは水中を浮遊したり泳いだりして生きるのではなく、固体に密着して生きるということです。そして移動には鞭毛ではなく、アメーバ運動を利用する生物が生まれました。アメーバ運動をするためには仮足が必要です。仮足には図6Bのような糸状仮足(フィロポディウム)と図6Cのような葉状仮足(ラメリポディウム)があります。いずれも仮足の先端部にはマイクロフィラメントが密集していて、マイクロフィラメントの伸長・短縮によって仮足が動いていることが示唆されます。

一方でマイクロフィラメントの基部には微小管が集結しています。あたかもマイクロフィラメントの枝を微小管の幹がささえているようなイメージです。糸状仮足が伸びるということは、マイクロフィラメントの+末端にGアクチンが次々と結合している状態に他なりません。

BCと異なり、Aではマイクロフィラメントが赤になっていることに注意してください。動いていないAのような細胞では、マイクロフィラメントは細胞膜の裏打ち構造を形成しています。細胞質のマイクロフィラメントは太い束にならず、細胞全体に分散しているように見えます。ただし方向はランダムではなく、パラレルな感じで分布しています。一方微小管(緑)は核の周辺に密集し、そこから部分的に細胞の辺縁に伸びているように見えます。

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アクチンは細胞の形態を決める細胞骨格としての役割以外に、細胞運動にもかかわっていますが、さらに細菌や古細菌ではFtsZが担っていた細胞分裂の主役も、真核生物ではアクチンが担うようになりました。図7のようにアクチンが分裂溝に集結しています。

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私達のような動物では、アクチンはミオシンという別グループのタンパク質と協力して筋肉という組織を形成して、これを使って歩行したり、キーボードをたたいたり、胃腸を動かしたり、心臓を収縮させたりしています。横紋筋にはサルコメア(筋節)という収縮の単位構造があり、この中にアクチン線維とミオシン線維が交互に配置されていて、その相互作用により筋収縮が行われています(図8)。

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このことは1954年に Andrew Fielding Huxley ら(8、図9)と Hugh Esmor Huxley ら(9、図9)によって同時に発表されました。しかしミオシン線維の中にアクチン線維が滑り込むといういわゆる「すべり説」は、現在でも基本的に正しいとされているにもかかわらず(10)、二人ともこの件ではノーベル賞を授与されていません。江橋節郎(図9)がカルシウムが筋収縮のシグナルであることを発見したにもかかわらずノーベル賞を授与されなかったのも、このことが影響していると思われます。

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江橋節郎は「カルシウムと私」という文のなかで、カルシウム説を学会で発表した当時の様子を次のように述べています:

「“座長のハンス・ウェーバーが 「討議の結果、カルシウム説は明らかに否定された」と宣言するや、娘のアンネマリー・ウェーバーは激昂して絶叫し、エバシは日本語でわめいた。皆は腹をかかえて笑った” 座長は、皮肉なことにアンネマリーの父であり、当時筋研究の泰斗として世界に知られるハンス・ウェーバーだった。アンネマリーが激昂して絶叫したのも本当だし、私がわめいたのも本当である。しかし、いかに興奮したとはいえ、日本語を使うはずがない。私の英語が誰も理解できなかったのである。この会議で、2人はまさにピエロだった。厳格な父親のウェーバーは、娘が変な日本人に引っ掛かって困っていると言っていたそうだ。」(11)。

勿論現在ではカルシウムがトロポニン・トロポミオシンを介して筋収縮を制御している・・・細胞内のカルシウム濃度が上昇する際に収縮し、下降するとき弛緩する・・・ということは明らかとなっています(図10)。

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「すべり」は当然ミオシンとアクチンの分子的相互作用によっておこるわけですが、そのメカニズムについては当初ミオシン分子がATPのエネルギーを用いて変形し、そっれに伴ってアクチンが動くという「首振り説」(図8)が有力でしたが、その後柳田敏男らがミオシン分子滑走モデルを提出し(12、図8)、激烈な論争になりました。

私には詳細はよくわかりませんが、首振りのような動作ではなくても、ミオシンの分子変形がアクチンの動きに関与していることは否定しがたい事実のようです(13、14)。ただし1個のミオシン分子の変形によって、接するアクチンの移動する距離を説明することはできないので、さらなる研究が必要です(15)。

参照

1)http://morph.way-nifty.com/grey/2017/02/post-ef6b.html
  http://morph.way-nifty.com/lecture/2017/02/post-2862.html

2)Tim Mitchison & Marc Kirschner, Dynamic instability of microtubule growth., Nature vol. 312, pp. 237 - 242 (1984); doi:10.1038/312237a0

3)伊藤知彦: 微小管 動態の基礎 in  「細胞骨格と細胞接着」 蛋白質 核酸 酵素 vol. 51, pp. 529 - 534 (2006)

4)小谷 亨、松島一幸、久永眞市: 微小管結合タンパク質の構造と機能 蛋白質 核酸 酵素 vol. 51, pp. 535 - 542 (2006)

5)https://en.wikipedia.org/wiki/Microtubule-associated_protein

6)Anna Akhmanova and Michel O. Steinmetz, Microtubule +TIPs at a glance.,  J Cell Sci., vol. 123(10), pp. 3415 - 3419 (2010)
https://pdfs.semanticscholar.org/3f9f/197f841548e9cd9f886ca76e58bfe77b7942.pdf

7)水野 裕昭、山城 佐和子: アセトンパウダーからのATP, ADPアクチンの精製 日本細胞生物学会HP
http://www.jscb.gr.jp/protocol/protocol.html?id=25

8)HUXLEY AF, NIEDERGERKE R., Structural changes in muscle during contraction; interference microscopy of living muscle fibres. Nature. Vol. 22;173(4412): pp. 971-973. (1954)

9)HUXLEY H, HANSON J., Changes in the cross-striations of muscle during contraction and stretch and their structural interpretation. Nature. Vol. 22;173(4412): pp. 973-976. (1954)

10)W. O.Williams, Huxley’s Model of Muscle Contraction with Compliance., Journal of Elasticity, Vol. 105, Issue 1,  pp. 365–380 (2011)
http://www.math.cmu.edu/~wow/papers/complmusc.pdf

11)生命誌ジャーナル12号 JT生命誌研究館

12)http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1140

13)上田太郎、ミオシン首振り説:部位特異的変異による検証から構造遺伝学によるメカニズム解明へ。生物物理 Vol. 37 No.1 pp.331-335 (1997)

14)Lauren J. Dupuis, Joost Lumens, Theo Arts, Tammo Delhaas, Mechano-chemical Interactions in Cardiac Sarcomere Contraction: A Computational
Modeling Study., PLOS Computational Biology,  | DOI:10.1371/journal.pcbi.1005126 October 7, (2016)
http://journals.plos.org/ploscompbiol/article?id=10.1371/journal.pcbi.1005126

15)http://brownian.motion.ne.jp/16_FlexibleMolMachine/03_IsMascleMorter.html

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2017年6月 1日 (木)

都響-小泉 シューマン交響曲第2番@東京文化会館2017年5月31日

Imga最近収入を伴わない多忙で、都響の演奏会にもすっかりご無沙汰してしまいました。マエストロ・ブラビンスの音楽を聴けなかったのは残念です。ようやく上野の東京文化会館に出撃です。

本日の指揮者は小泉さん、コンマスは山本さん、サイドはマキロンです。平日のコンサートにしては結構集客しました。>80%くらいでしょうか。

ベートーヴェンの「皇帝」協奏曲の第2楽章は私の大好きな音楽です。マエストロ小泉の音楽を聴いていていつも感じるのは、京都古刹の手入れの行き届いた庭の情景です。隅々まで配慮が行き届いた清潔な音楽は、いつ聴いても気持ちが良いのです。

ただ庭の池から突然アリゲータが顔を出すというような面白みには欠けるかもしれません。いや一度だけアドレナリン大噴出の演奏を聴いたことがあります。大植さんの代役のときです。
http://morph.way-nifty.com/grey/2012/07/post-6b53.html

ソリストのエル=バシャさんは、音楽的趣味がマエストロ小泉と一致しているようで、端正な音楽を聴かせてくれました。

後半のシューマンも、この晦渋な音楽をすっきりとわかりやすい演奏で聴かせてくれて、ちょっとびっくりしました。精神病でなやまされていた頃のシューマンが書いた音楽とはとても思えないくらい、活気があって健康的な音楽のように感じました。

ところで1Vn 美里は最近次第に体型や演奏スタイルがマキロンに似てきた感じですが、彼女が永遠に都響のアイドルであることには変わりはありません。決して無理にダイエットなどして、体調を崩さないようお願いします。

こんな音楽です

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番第2楽章 浅田真央とともに
https://www.youtube.com/watch?v=_LUIph2WC_Q

シューマン:交響曲第2番第2楽章
https://www.youtube.com/watch?v=8UnZOse43dI

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2017年5月31日 (水)

高安関の口上

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大関高安が誕生
http://www.sankei.com/sports/news/170531/spo1705310010-n1.html

高安氏の口上「正々堂々と精進する」というのは正しい日本語でしょうか?

精進というのは鍛錬=エクササイズであるとすると、「正々堂々と」いう修飾語には違和感があります。正々堂々であるかどうかは練習ではなく本番の問題です。

しかも「正々堂々と」やるという言葉は、他の力士はイカサマをやっているかもしれないが、私は正々堂々とやるというニュアンスを免れません。

ですから「正々堂々と」いう言葉は口上としてふさわしくなく、精進するを生かすならば、「粉骨砕身に精進する」とか「全身全霊で精進する」とかにすればよかったとおもいますが。

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2017年5月28日 (日)

西島三重子 貴重映像

Img昔はビデオテープをたくさん持っていたのですが、まずβがダメになり、VHSも見た目変わりはなくても、デッキで再生できなくなって廃棄。この時のショックは言葉に出来ないものでした。結局20世紀のものはこのDVDだけが残りました。

西島三重子の若い頃の映像は、YOUTUBEで出たり消えたりのカラオケだけかなと思っていたのですが、 

https://www.youtube.com/watch?v=fYRbd146omI

56ABENDさん、懐唄逸郎さんが「千登勢橋」の驚きの映像をアップしてくださいました。

ずいぶん首を振りながら、歌っているので驚きました。

うーん それにしても若い!!!!!

千登勢橋
https://www.youtube.com/watch?v=45MVYFVAuPA
https://www.youtube.com/watch?v=nQ3zwJet61k

池上線
https://www.youtube.com/watch?v=Rn8Yx6UiJ2c

56ABENDさん、懐唄逸郎さん 有難う

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YOUTUBEの西島三重子名作集
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目白通り
https://www.youtube.com/watch?v=Cb3KqZ8mIUk

口笛を吹かないで
https://www.youtube.com/watch?v=Ock2wY2XbTM

朝顔(しののめぐさ)
https://www.youtube.com/watch?v=uptGuFThJkM

セザンヌの絵
https://www.youtube.com/watch?v=vfCtCp6Krn8
https://www.youtube.com/watch?v=Vt5IHi4Rw3c

星めぐり
https://www.youtube.com/watch?v=34t_VTW07Zc

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そうよ Smile again
https://www.youtube.com/watch?v=YvzFbk7R60c

SEQUENCE OF MEMORIES~思い出のページ
https://www.youtube.com/watch?v=kaAtY_Bjdc8

ラストワルツ
https://www.youtube.com/watch?v=qY6mCEA8yXc

冬のカルナバル
https://www.youtube.com/watch?v=KI0GbDxfYU0

夜間非行
https://www.youtube.com/watch?v=Fh3UWa6DdPs

サライ・サライ・サライ
https://www.youtube.com/watch?v=X1mS6Cb6qHg

ロンリーガール
https://www.youtube.com/watch?v=i7L6ix0DuMQ

(Ena)
https://www.youtube.com/watch?v=nVGkoWcf8r8

Jealousy
https://www.youtube.com/watch?v=SH_sn__dCq0

Imagination Canvas
https://www.youtube.com/watch?v=7cdNRmqB4zU

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代表曲「池上線」をはじめ数々の名曲を世に送り出してきた

西島三重子が贈る、夏のスペシャルライブ!

日 時:

2017年8月17日(木)

開場18:00/開演19:00

会 場: ラドンナ原宿 (東京都渋谷区)
  JR山手線・原宿駅より徒歩7分
出 演: 西島三重子(Vo.)・平野融(Gt.)・織原洋子(Pf.)
料 金: 前売5,000円(1ドリンク込)当日5,500円 5/13(土)発売開始
プレイガイド: ◯ アオイスタジオ 03-3585-6178

ラドンナ原宿HP予約フォーム 

03-5775-6775

お問い合わせ:

◯ アオイスタジオ 03-3585-6178(平日10時~17時)
Mail:info@nishijima-mieko.com

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2017年5月25日 (木)

やぶにらみ生物論74: 細胞骨格1

250pxtaraibune1船は船の格好をしているので、漕げば思う方向に進むのであって、これが不定形のふにゃふにゃとしたものであれば、乱流が発生して漕ぐのはとても困難になるでしょう。

左の写真はウィキペディアから佐渡のたらい船ですが、実際にこれを漕いでみた方は、その困難さに驚いたのではないでしょうか?

https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1021355-d1947724-r278970072-Rikiya_Kanko_Kisen-Sado_Niigata_Prefecture_Chubu.html)。

ですから細菌がピンと張った船あるいは棒状の細胞であることは重要です。彼らは唯一の複雑で高級な備品である鞭毛を動かし、栄養物質を求めて泳ぎます。細菌はアメーバのような方法で移動することはできません。

脂質で構成されている細胞膜ではこのような堅さは実現できません。そこで細菌は糖ペプチドや糖脂質でできた細胞壁で細胞を被って、丈夫でかつ鞭毛で泳ぎやすい細胞を作り出しました。細菌にも細胞骨格があるという話を聞いたときには、おそらく硬い屋根のような構造には梁が必要だろうと思ったわけですが、事はそう単純ではありませんでした。

真核生物の細胞骨格には、チューブリン系・アクチン系・ケラチン系の3つのグループのタンパク質群が存在します。細胞骨格という名前からは骨のような硬い物質が連想されますが、そうではなく、分子が重合して繊維状の構造を形成できる物質と考えた方が近いと思います。ひとつ注意したいのはカイコの繭やクモの糸などは繊維状のタンパク質重合体ではありますが、細胞の外に出て機能するものは細胞骨格とは言いません。

細菌の細胞骨格研究の萌芽は、1991年のバイとルトケンハウスによる FtsZ の局在に関する研究でした(1)。どうして真核生物に比べて、細菌の細胞骨格研究が著しく遅れたかというと、それは細菌におけるタンパク質の局在は、光学顕微鏡で研究するのはターゲットが小さいためなかなか難しく、電子顕微鏡に頼らざるを得なかったからです。電子顕微鏡によるタンパク質の同定(免疫電顕)には多くの技術的制限があって、一筋縄ではいかないことが多いのです。

バイとルトケンハウスの研究をまとめたのが図1(左)です。真核生物の収縮環にアクチンが集合するのはわかっていたので(図1右)、細菌型アクチンかと色めき立ったのですが、真相はもっと驚くべきことでした。デブール(図1)らとレイチャンドゥーリらは1992年、FtsZ がアクチンではなくチューブリンのホモログであることを発表したのです(2、3)。細菌ばかりでなく、一般的に古細菌もFtsZ を使って細胞分裂を行うようです(4)。

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FtsZ は20世紀の中頃、広田幸敬が細胞分裂の温度感受性突然変異体を多数作ったなかに、この遺伝子のミュータントがみつかっていました(5)。これがチューブリンのホモログだなんてきっと墓の中で驚いていることでしょう。ようやく1990年代になってその研究が端緒についたわけです。まだ FtsZ がどのように分裂溝形成にかかわっているかということは完全には解明されていませんが、細胞膜と結合するためのアンカーや制御因子の研究は進んでいるようです。この遺伝子を分裂酵母に組み込んで発現させると、やはり分裂溝に集まってくるそうなので(6)、分裂溝となんらかの関係があることは確からしいです。

FtsZ は葉緑体にも存在し、驚くべきことに真核生物においては、真核生物にしかないダイナミンファミリーのタンパク質が太古のタンパク質 FtsZ と共同して分裂装置を形成するそうで、まさに10億年の時空を越えたコラボレーションです(7)。

私達ヒトのミトコンドリアはもはや FtsZ を持っていませんが、原生動物・藻類・粘菌など古参の真核生物のミトコンドリアは FtsZ を使って分裂しているようです(8)。

クインとマーゴリンは、大腸菌の細胞分裂時における FtsZ の局在をGFPラベルで示した美しい写真を、教育用に提供してくれているので図2に示しました。平常時にはラベルが分散しているのではっきりとはみえませんが、細胞分裂時には分裂溝に集結するのでよく見えます。

A_2

図3は β-チューブリンと FtsZ の分子構造を比較したものですが(10)、素人目にもかなり似ている部分(サークル内)があるように思いました。

Photo

このようにしてチューブリンのホモログはみつかりました。ではアクチンに類似した細菌タンパク質もあるのでしょうか? このことが判明したのは21世紀になってからでした。

MreB というアクチンスーパーファミリーに属するタンパク質が細菌に存在することを発見したのはフシニータ・ファン・デン・エントらでした(11)。アラインメントの結果、MreB は真核生物のアクチンとはわずか15%の一致でしたが、重合してケーブルを形成することや、細胞の形態を維持するために必須であること、3次元構造がよく似ていること(図4、参照12)などから、ホモログであると考えられています。MreB を欠損すると、大腸菌は棒状(ロッド状)の形態を失って球形の大きな細胞になり、娘細胞への染色体の分配がうまくできなくなって致命的となります(13)。

A_4

MreB は細胞膜直下でコイル状やリング状に重合したケーブルとなって、細菌のロッド状構造を維持することができます(図5、14)。これはシュラフからテントへの昇格に例えられるでしょう。細胞分裂の際には真核生物の紡錘糸のような役割も果たしているようです(15)。しかしそれではチューブリンとアクチンの役割が細菌と真核生物で入れ替わったということになり、奇怪なミステリーです。ただチューブリン系は重合にGTPのエネルギーを、アクチン系はATPのエネルギーを使うという方式は十億年以上の時を越えてほぼ維持されているようです。

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MreB そのものは膜結合タンパク質ではないため、細胞膜直下に局在するためには他のタンパク質がアシストしてあげなければなりません。ファン・デン・エントらは図6のようなモデルを提出しています(16)。このモデルではRod Z というタンパク質が MreB と膜貫通タンパク質の両者と結合して、クランプの役割をはたしていることになります。

細菌のアクチンホモログの研究は21世紀になってからはじまったので、まだまだ解決しなければ行けない課題は多いと思います。ただこの種の研究はいまやカルトな趣味の世界にはいりつつあり、そのような世界で生きようとする人々には好ましい状況です。それでもこれは生身の生物についての科学ですから、どんなところに人類に有用な知識が潜んでいるかわかりません。

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細菌のアクチンホモログはMreBだけではなく、同じオペロンに含まれる MreC、MreDなどのほか、ParM というグループもみつかっています(図4、図7、参照12)。Mre B の役割としては、細胞分裂の際に図7のようにプラスミドDNAを細胞の両端に押し分け、片方の娘細胞に偏ってプラスミドが分配されないようにすることがわかっています(図7、参照10、12)。

図7の右側はParM がプラスミドDNAに結合したParRと結合していることを示しています。さらにフリーのParMは、ATPのエネルギーを使ってParM線維にDNA側から結合し、線維を伸長させることを示唆しています。

ガスパール・ジェケリーはその総説の中で、原核生物のタンパク質ネットワークは1)プラスミドのパーティショニング(ParMの語源)、2)細胞分裂のための装置、3)細胞膜の合成と細胞の骨組み のために発達してきたと述べています(16)。

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古細菌の細胞骨格研究はあまり進んでいないようですが、クレナクチンという真核生物のアクチンとよく似たアクチンホモログがみつかっています(18、19)。アクチンホモログの分子進化はおおまかには図8のようになっています。FtsA は分裂溝に出現するタンパク質です。

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最後にケラチン系のタンパク質についてみてみましょう。このグループがつくるケーブルは中間径線維と呼ばれています。真核生物の場合、アクチンがつくるケーブルはマイクロフィラメントと呼ばれており、径は5~9nm。チューブリンがつくるケーブルは微小管と呼ばれていて、径は約25nm。中間径繊維のケーブルの径は8~12nmで、マイクロフィラメントと微小管の中間的なサイズなのでそう呼ばれているわけです。

真核生物の中間径繊維をつくるタンパク質は多様で、ケラチン・ビメンチン・ニューロフィラメント・核ラミンなどがあります。細菌にもこのグループのタンパク質はみつかっていて、それはクレセンチンです(20、21)。細胞がロッド状でなくジェリービーンズのような格好をした菌、あるいはヘビのようにくねくねした形態の菌に、図9のように片側に偏った感じで配置されています。クレセンチンがあるサイドはテンションがかかっていて縮み、逆サイドは延びるということになります。両サイドが交互に重合と解離を繰り返せば泳げるかもしれません。

クレセンチンはウィキペディアによると、ケラチン19のアミノ酸配列を比較すると25%が一致し40% の領域で相同性が認められるそうです。核ラミンと比較しても同様なホモロジーがあるそうで、ケラチン系タンパク質の祖先であることは間違いないと思われます。

C

脂質二重層でDNAを被えば、それは生物としての出発点といえるでしょうが、脂質だけの細胞膜は脆弱すぎるという問題があります。ですから細胞膜を多糖類やタンパク質で裏打ちしたり、その工事のために足場をつくったりするために細胞骨格が必要であったとは容易に想像できます。しかしジェケリーが言うように(17)、とりわけプラスミドDNAをうまく娘細胞に分離するために必要だったという考え方にもうなづけるものがあります。例えば図8の分子系統図をみるとMreBやFtsAより、ParMファミリーの方が古いタンパク質とされています。

参照

1)Erfei Bi and Joe Lutkenhaus, FtsZ ring structure associated with division in Escherichia coli., Nature vol.354, pp.161-163 (1991)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1944597
https://www.researchgate.net/publication/21210591_FtsZ_ring_structure_associated_with_division_in_Escherichia_coli

2)de Boer P., Crossley R., Rothfield L., The essential bacterial cell division protein FtsZ is a GTPase., Nature vol. 359, pp. 254-256 (1992)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1528268

3)RayChandhuri D., Park J. T., Escherichia coli cell-division gene ftsZ encodes a novel GTP-binding protein. Nature vol. 359, pp. 251-254 (1992)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1528267

4)http://tdl.libra.titech.ac.jp/hkshi/xc/contents/pdf/117098745/12

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/FtsZ

6)Ramanujam Srinivasan et al., The bacterial cell division protein FtsZ assembles into cytoplasmic rings in fission yeast. Genes and Development vol. 22, pp.

1741-1746 (2008)
http://genesdev.cshlp.org/content/22/13/1741.full

7)宮城島進也、葉緑体の分裂制御機構とその進化 植物科学最前線 vol. 5, pp. 21-36 (2014)

8)Kiefel BR1, Gilson PR, Beech PL., Diverse eukaryotes have retained mitochondrial homologues of the bacterial division protein FtsZ., Protist.  vol. 155 (1), pp. 105-115. (2004)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15144062

9)Qin Sun and William Margolin, FtsZ Dynamics during the Division Cycle of Live Escherichia coli Cells.,  J Bacteriol., vol. 180 (8):  pp. 2050–2056. (1998)

10)Yu-Ling Shih and Lawrence Rothfield, The bacterial cytoskeleton., Microbiol Molec Biol Reviews pp. 729-754 (2006)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1594594/figure/f1/

11)Fusinita van den Ent, Linda A. Amos & Jan Lowe, Prokaryotic origin of the actin cytoskeleton. Nature vol. 413, pp. 39-44 (2001)
http://www.ibt.unam.mx/computo/pdfs/cursosviejos/bcelular/procaryoticoriginofactin.pdf

12)Joshua W. Shaevitz and Zemer Gitai, The Structure and Function of Bacterial Actin Homologs, Cold Spring Harb Perspect Biol, 2:a000364 (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20630996

13)Kruse T, and Gerdes K., Bacterial DNA segregation by the actin-like MreB protein. Trends Cell Biol. vo. 15(7), pp. 343-345. (2005)

14)Figge RM, Divakaruni AV, Gober JW., MreB, the cell shape-determining bacterial actin homologue, co-ordinates cell wall morphogenesis in Caulobacter crescentus. Mol Microbiol. Vol. 51(5), pp. 1321-32. (2004)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14982627

15)生物史から、自然の摂理を読み解く 
http://www.seibutsushi.net/blog/2008/09/566.html

16)Fusinita van den Ent, Christopher M Johnson, Logan Persons, Piet de Boer, and Jan  Löwe, Bacterial actin MreB assembles in complex
with cell shape protein RodZ., EMBO J., Vol. 29(6), pp. 1081–1090 (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2845281/

17)Gaspar Jekely, Origin and evolution of the self-organizing cytoskeleton in the network of eukaryotic organelles. Cold Spring Harb Perspect Biol, 6:a016030 (2014)

18)Thierry Izoré, Danguole Kureisaite-Ciziene, Stephen H McLaughlin,  Jan Löwe,  Crenactin forms actin-like double helical filaments regulated by arcadin-2, eLife Vol.5:e21600 (2016)
https://elifesciences.org/content/5/e21600

19)Tatjana Brauna et al., Archaeal actin from a hyperthermophile forms a single-stranded filament.,Proc NAS USA vol.112, pp. 9340-9345 (2015)
http://www.pnas.org/content/112/30/9340.full

20)Nora Ausmees, Jeffrey R Kuhn, Christine Jacobs-Wagner, The Bacterial Cytoskeleton. An Intermediate Filament-Like Function in Cell Shape. Cell,Vol.

115, Issue 6, pp. 705–713, 12 December (2003)
http://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(03)00935-8?_returnURL=http%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867403009358%3Fshowall%3Dtrue

21)Ausmees N, Intermediate filament-like cytoskeleton of Caulobacter crescentus. J Mol Microbiol Biotechnol. 2006;11(3-5):152-8.

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2017年5月24日 (水)

野田数

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小池百合子の特別秘書「野田数(のだかずさ)」

業務上横領の疑いで話題の野田数氏ですが、不可解な人物です。このような人物を特別秘書に採用しているから、小池百合子もうさんくさい。

http://www.sankei.com/affairs/news/170518/afr1705180031-n1.html

wikipedia より
日本国憲法無効論を唱える。2012年10月に大日本帝国憲法復活請願を東京都議会に提出したが、自身の会派東京維新の会が連携を目指していた日本維新の会代表橋下徹からは「ありえない」「大日本帝国憲法復活なんてマニアの中だけの話だ」と批判された。

日刊現代より
もっとも、ナショナリスト的な言説とは対照的な、幼稚な言動も目撃されている。東村山市議時代の同僚議員が語る。「野田さんはいつもソワソワしていて、議会中に何度も席を外す人でした。単刀直入に『あなたはどうしてそんなに落ち着きがないの?』と聞くと、彼はムキになって『ボクは15分しかジッとしていられないんです!』と言い返してきた。聞いてもないのに、『ボクは小池百合子さんの秘書だったんですよ~』

赤旗より
2012年9月都議会で同氏は、「我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄」して、現行の日本国憲法を無効とし大日本帝国憲法の復活を求める時代錯誤の請願に紹介議員となり、賛成しました。(日本共産党、自民党、公明党、民主党などの反対で不採択)

上記の詳報 http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-9063.html
南出喜久治国体護持塾長(京都市)らが12年6月に都議会に提出した「我々臣民としては、国民主権という傲慢(ごうまん)な思想を直ちに放棄」して、日本国憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの都議会決議を求める請願は、10月4日の都議会本会議で、東京維新の野田数(かずさ)都議が紹介議員になり、一人会派・平成維新の会土屋敬之議員と東京維新の3人(民主党を離党した栗下善行・柳ヶ瀬裕文両都議と自民党を離党した野田数都議の3人、2012年9月に東京都議会に新会派「東京維新の会」として設立)が賛成したのみで、民主党、自民党、公明党、日本共産党、生活者ネット・みらいなどの反対で不採択となった。

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2017年5月22日 (月)

バルサ無念 優勝を逃す

1「mes que un club クラブ以上のもの」が宗教(メッシ教)であってはなりません。バルサはメッシを信じるあまり現実がみえなくなりつつあります。優勝したレアル・マドリーとどこが違っていたのか?

それはマドリーがCロナウドの体調が万全でないとみると、すぐに休養の措置をとったのに対して、バルサはメッシを故障以外の時はずっと出し続けました。体調が万全でなくてもメッシなら何とかしてくれるという期待です。メッシも出場し続けなければならないという使命感でやっているようです。おかげで、ネイマールやスアレスまで、メッシを探し求めるプレイスタイルになってしまっています。

このような状況はレベルの高い戦いでは致命的です。冬から春にかけてパフォーマンスが落ちてしまったのは、言うまでもなく週に2回のゲームが主力選手の集中力と精度を奪ってしまったからです。ルーチョにくらべてジダンは思い切ったローテーションで、最後まで選手達のパフォーマンスを高い状態で維持することができました。Cロナウドも、「ジダンのおかげで最後の数試合を最高の体調でプレーできた」と語っていました。

もう一つはペップ時代のバルサ・スタイルへのノスタルジアではないかと思います。ずっとオーソドックスなスタイルのアレイシ・ビダルを使わなかったのもそのせいではないでしょうか。使ったらうまく回り出したというところで負傷長期欠場というのは皮肉でしたが・・・。今のバルサにはメッシとイニエスタがいなければ、全く違うスタイルのサッカーを創出できる選手が揃いつつあります。

新しいバルサに生まれ変わるにはメッシを放出するしかないというのが私の個人的意見ですが、同じことを感じた人もかなりいるような気がします。しかしクラブでそういう意見をあからさまには表明できない雰囲気があることもうかがわれます。パージされた人もいるようです。バルトメウは「メッシはバルセロナのドラえもんだ。なぜなら、彼はいつも難しい状況を解決してくれるからだ。一方、その点から言っても、私はのび太だ。なぜなら、いつも彼に問題を解決してくれるようお願いしているからね」などと言っているところをみると、メッシ派だと思います。

バルサは極端ですが、このようなことはチームでやるスポーツではよく問題になることで、名選手といえども遅かれ早かれ退かなければいけないときがきます。メッシの場合は、来年もゴールを量産するでしょうが、彼がバルサにいる限り、監督が交代しても多分バルサは変われない、そしてまた2位か3位でしょう。

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2017年5月19日 (金)

GAKU縦横無尽@Tenerife 

Tenerife_locator私はJリーグのことはよく知らなくて、観戦も10年くらい前にたった一度鹿島に見に行っただけなのですが、テレビで日本代表の試合は見るので、一応柴崎岳は知っていました。

しかしびっくりしたのはクラブワールドカップ。守備的MFという認識を覆す攻撃のセンスに目を奪われました。レアル・マドリーから2点取ったので世界からも注目されました。

やはり欧州からお声がかかって、スペイン2部リーグのテネリフェに所属することになりました。ところがテネリフェ島での生活になじめず、一時はバルセロナで静養しているという話もあって心配しましたが、最近はすっかりチームになじんでプレイしているようです。

テネリフェはやはりGAKU(と呼ばれている)を攻撃の中心のポジションに置いていて、彼もそれに答えて、ここという適所に顔を出して攻撃の起点になり、見事なスルーパスやクロスボールも供給しています。やはり守備的なポジションに置いておくにはもったいないセンスです。ただドリブルはやや物足りないのですけどね。

テネリフェはカナリア諸島の島のひとつで、19世紀からの豪華なリゾート地です。小さな島なのに空港が2つあったり、路面電車が走っていたりするそうです。富士山とほぼ同じ高さの山もあるようです。言葉にさえ慣れれば、アウェイ戦がすべて長距離遠征という不利をさしひいても余りある優雅で余裕の生活でしょう。

テネリフェのゲームをWOWOWが急遽放映するそうです。

第41節「テネリフェvsジムナスティック」【放送日】6/3(土)or 6/4(日)
第42節「サラゴサvsテネリフェ」【放送日】6/10(土)or 6/11(日)
プレーオフ「準決勝1st Leg」【放送日】6/14(水)or 6/15(木)
プレーオフ「準決勝2nd Leg」【放送日】6/17(土)or 6/18(日)
プレーオフ「決勝1st Leg」【放送日】6/21(水)or 6/22(木)
プレーオフ「決勝2nd Leg」【放送日】6/24(土)or 6/25(日)

テネリフェのGAKU (Thanks)
20番ですが、ヘヤースタイルなどからどこにいてもすぐわかります。

https://www.youtube.com/watch?v=eGBTJYZC95U

https://www.youtube.com/watch?v=Tt4yZLvu-Qc

CWC
https://www.youtube.com/watch?v=XW7L44QoYJQ

密着
https://www.youtube.com/watch?v=cfg5yaqaK4o

大瀧詠一 カナリア諸島にて
https://www.youtube.com/watch?v=5JcH35l5V8E
https://www.youtube.com/watch?v=JVf8SzqaZ7c

今井美樹バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=OTBjP7qqB44
https://www.youtube.com/watch?v=SNsCkVw1nE8

ウクレレ
https://www.youtube.com/watch?v=uHaWGwdJfJc

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2017年5月17日 (水)

エッフェル塔→東京オリンピックに暗雲漂う

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テレ朝ニュースによると
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000074680.html

(引用)フランスの検察は12日、「2013年の7月と10月に、日本の銀行口座からシンガポールの口座に『東京オリンピック入札』の名目で約2億2000万円が振り込まれたことを確認した」と発表しました。誰が振り込んだかは明らかにしていませんが、振り込みの時期が東京での開催が決定したIOC総会の前後でもあり、マネーロンダリングなどの疑いで捜査を始めたということです。

英ガーディアン紙・ギブソン記者:「金が振り込まれた口座はシンガポールの会社のものだ。当時、IOC委員として招致の投票権を持っていた国際陸連のディアク前会長の息子に関係している」 フランスのメディアは「開催地決定に影響力を持っていたディアク氏に日本側が賄賂として金を振り込んだ可能性がある」と伝えています。(引用終了)

今になってこのような発表があったということは、今までこの話を安倍政権が押さえていたが、新政権とはまだ話をつけていないということなのでしょう。さてこれでフランス新政権が検察を押さえきれないと、本当に東京オリンピックが終了するかもしれません。安倍政権は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長森喜朗氏・竹田恆和日本オリンピック委員会会長あたりの首を差し出して事件を決着させようとするのでしょうが、さてそれで解決するでしょうか。

東京都も金欠で、国に必死でおねだりしないとオリンピックを開催できない状態らしいので、そんなことをするくらいなら、不正発覚で検察に断罪される前に放り出した方がよいと思いますが・・・。そうもいかないのなら、超質素なオリンピックをやるという姿勢でいけばどうでしょう。「不満があるなら本当にやめるよ」という姿勢で押し切れと小池都知事に求めたい。それなら直前にフランス検察にストップされても被害は少なくてすみます。数兆円を投じてから中止では目も当てられません。

(画像はフリーフォトサイト「足なり」より)

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2017年5月15日 (月)

リーガ・エスパニョーラ第37節: DF裏はスアレスの職場です

Braugranaラス前の第37節。大西洋の島グラン・カナリアに遠征。ラス・パルマスと戦います。ラス・パルマスはアウェイ戦はいつもスペイン本土に遠征ですから大変です。よくやっていると思います。今季残留決定だそうでおめでとうございます。

ラス・パルマスはバルサと同じく。ポゼッション命のチーム。ワントップはあのACミランの中心選手だったボアテング、2列目はヘセ・ビエラ・ロケ=メサ・モモ、ボランチはモントーロ、DF:エルデル=ロペス・ビガス・レモス・ミシェウ、GK:ハビ=バラス。

バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:イニエスタ・ラキティッチ・ブスケツ、まではいいのですが、ピケが腹痛、マスチェラーノがアップ時に故障発生、セルジはカード累積で出場停止ということでDFは非常事態です。アルバが左SB、CBウムティティと組むのはリーガ初出場のマルロン=サントス、右SBははじめてのディニュです。ピケの「腹痛」とはなんでしょう? 気になります。GKはテア=シュテーゲン。

とはいえ極端にコンパクトなサッカーをめざすラス・パルマスなので、DF裏の広大なスペースはスアレスの職場。彼にとっては願ってもないゴールチャンスです。

開始早々ディニュが不慣れな右サイドのプレーでカードをもらって暗雲漂いますが、25分ブスケツのヒールにイニエスタが機敏に反応して、すぐにスアレスに絶好のスルーパスを提供。スアレスは中央に突っ込みましたが、より確率の高い右でフリーのイニエスタにパスしてゴール。これはイニエスタをフリーにして、すでに2人ついていたスアレスのケアに意味もなく走ったDFのミス。これだから素晴らしい攻撃陣を持ちながらこのチームは上位に行けないんですね。

27分にはネイマールが一発ロングパスをDF裏に出して、スアレスの抜け出しにピッタリ合わせてお返し。これはラス・パルマスの高いDFラインをついた芸術的なゴールでした。

後半すぐになんとディニュが故障したらしく、MFのAゴメスをSBで使うという非常手段です。早速ヘセに振り切られて大ピンチ。これはテア=シュテーゲンがシュートを止めてくれました。しかし直後ボアテングのパスをビガスに合わされて失点。CBビガスは自陣のゴール前から相手ゴール前までピッチ完走です。

危なくなったバルサですが22分、ラキティッチのロングクロスをスアレスのフェイクをつかってネイマールがうまく頭でゴールに押し込みました。これでバルサは余裕ができました。最後のゴールはアルバのパスをネイマールが決めたのですが、これがネイマールの究極の器用さが効いた超絶のゴール。

バルサは最終節を勝って、マドリーの結果を待つだけです。

https://www.youtube.com/watch?v=0eRXyu3nZT4

https://www.youtube.com/watch?v=tUAU-nItVE4

https://www.youtube.com/watch?v=i4P-qbgKfsw


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2017年5月13日 (土)

スノーデン 日本への警告

Imgスノーデン氏については様々な報道がなされていますし、映画やDVDもあります。映画「スノーデン」はなかなかスリリングで面白い映画でしたし、記事を書いたこともあります。

http://morph.way-nifty.com/grey/2017/02/post-5ccb.html

スノーデン氏自身が登場するドキュメンタリーも大変興味深いものです。映画よりも厳しい緊迫を感じました。私たちが住んでいるこの世界を、「監視社会」という全く異なる凶悪な閉塞社会へと変質させようとする巨大な勢力に、ひとりで反旗を翻したヒーローは静かで控えめな青年でした。

監視社会に誘導しているのは既得権益者のグループです。なぜなら彼らと一般人の間に貧富の差が出来れば出来るほど刺されるのが心配になるからです。とはいえ彼らの「社会はどんどん危険になってきている。犯罪を防ぐには監視するしかない」というプロパガンダに乗って、監視社会を推進する政党に投票する私たち市民の心の中にも闇はあるのでしょう。

安心・安全な社会というのは、貧富の差が巨大であればあるほど実現しないものだと思いますが、なんとか徹底的な監視社会によって安心・安全を実現しようと思う人々はいるのです。秘密保護法や共謀罪はそのために便利なツールです。

この本「スノーデン 日本への警告」エドワード・スノーデン他著 集英社新書 2017年刊 は、2016年に公益社団法人自由人権協会がスノーデン氏を招いて、東京大学本郷キャンパスで開催したシンポジウムの記録です。

いろいろ面白い話が満載なのですが、決定的な話をひとつ紹介しますと、米国政府は「プログラムで国民を監視しているということは国家機密なので、ジャーナリストであれ市民団体であれ自らが監視の対象であるという事実を立証することは許されない」という立場で、最高裁判所も「政府の主張通り監視プログラムが現に実施されているか否かを立証することが禁止されている」と判断したそうです。これは日本でもそういうことになりそうです。

このような事態をひっくり返すには、最終的には憲法も最高裁も無力で、政権をひっくりかえすしかないということです。もし選挙結果がソフトで操作されているとすると革命しかないわけですが、それは監視と共謀罪でほぼ不可能でしょう。監視社会は永遠不滅になります。

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監視システムの全貌を図にまとめましたが、私たちに直接関係があるのはマスサーベイランスです。スマホ・PC・電話・カード・監視カメラなどを使って監視されるのが監視社会です。特にスマホは危険で、ドキュメンタリーのなかでスノーデン氏がスマホで自室の特定や画像が撮影されるのを恐れて、使わないときは電子レンジの中にしまうというシーンは印象的でした。

誰か1人マークされている人がいたとして、同じ時間に同じ場所にいた人はすぐにわかるので、その人とコンサートで隣の席にいたというだけで、当局に追尾されるということもあり得ます。

ささやかな抵抗をするとすれば、この本に書いてあるように情報を暗号化することでしょうが、それもイタチごっこでしょう。あとはマスコミのふんばりでしょうが、政権側には逮捕や暗殺という手もあります。だいたい個人のプライバシーも無限に犯されているわけですから、ささいな違法行為や浮気などをネタに脅迫することもできます。それを作り出すことさえ可能でしょう。

監視システムを用いたメタデータは巨大なので、人力で検索するのはそのうち不可能になり、ロボットが検索して容疑者を自動的にしぼりこむということになるのでしょう。これは恐ろしい社会です。人為的に作り出された犯罪をロボットがとがめて起訴されてしまうという可能性もあります。

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2017年5月11日 (木)

やぶにらみ生物論73: 細胞膜

生命の起源をたどっていけば様々な触媒物質上での生化学的化学反応にたどりつくのでしょうが、これが生物であると言うためには外界との仕切りが必要であり、それは細胞膜以外にありません。しかし意外なことに細胞膜の基本的な構造がわかってきたのは20世紀終盤でした。

現在では細胞膜は脂質二重層からなることがわかっていますが(図1)、最初に脂質二重層仮説を提出したのはゴーターとグレンデルです。1925年のことでした。彼らは赤血球から脂質を抽出し、それが水面を完全に覆ったときの面積を赤血球の表面積で割るとほぼ2という値が得られたことから、赤血球の細胞膜は脂質二重層で構成されていると考えました(1)。

その後 Davson-Danielli のモデル、すなわちタンパク質が脂質二重層でサンドイッチされているというような考え方もありましたが(2)、結局シンガーとニコルソンが1972年に提出した流動体モザイクモデル=脂質二重層モデル(3)が、その後多くの検証を得て現在では基本的に正しいと考えられています(4)。

デジタル大辞泉では「(生体膜は)リン脂質分子の二重層からなり、親水性の部分を外側に向け、疎水性部分を内側に挟み込むように向い合い、たんぱく質分子がその表面や内部もしくは上下に貫通するようにモザイク状に入り混じっており、脂質・たんぱく質ともに流動性をもつ」と説明されています。模式図で示すと図1のようになり、電子顕微鏡でも二重層を見ることができます。

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ニコルソンはこのモデルが認められたことで有名になりましたが、もうひとつ彼を有名にした事件があります。余談となりますが、このことに触れないわけにはいきません。ニコルソンは Ph D であり、経歴を見ると医学を学んだ形跡はありませんが、次第に医学に傾斜し、湾岸戦争症候群の原因解明に主導的な役割を果たしました。

彼とナンシー夫人は、湾岸戦争症候群の主要な原因が、遺伝子改変が行われ生物兵器として用いられたマイコプラズマであることを、妨害を乗り越えてつきとめ多くの患者を救いました(5-9)。しかしそのために盗聴やさまざまな生活妨害を受け、そのうち研究を停止させられるという目に遭いました。結局カリフォルニアに自分で分子医学研究所を設立して、そこで研究を続けることになりました。

生物兵器をいったん世の中に出してしまうと、それを完全に回収することはできません。したがっていつパンデミックが発生してもおかしくない事態になります。慢性疲労症候群などの原因がマイコプラズマである可能性は高く(10)、これが生物兵器由来である可能性は否定できないと思います。また生物兵器を使用するには、テスト=人体実験をしなければならないので、政府にとっては調査が行われることは甚だまずい事態となります。ニコルソン夫妻は有名人だったので消されずにすんだのだと思います。

さてこれまでにも述べてきましたが、細胞膜を構成する脂質は主にフォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、グリコシルセレブロシドの5種類です(図3)。

すべて親水性の頭部と疎水性の尾部という構造になっており、同じ方向を向いた層と、逆向きの層とが合体して脂質二重層を形成しています(図1)。各脂質の比率は生物種・細胞によって異なり、たとえば大腸菌ではほとんどがフォスファチジルエタノールアミンであり、ヒト赤血球ではフォスファチジルセリン・フォスファチジルエタノールアミン・フォスファチジルコリン・スフィンゴミエリンの4種がバランス良く配合されています(11)。脳神経系ではグリコセレブロシドの比率が高まるでしょう。

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シンガーとニコルソンの流動体モザイクモデルは細胞膜一般についてのモデルですが、細胞膜はどこでも均一ではなく、マイクロドメインが存在するということは電子顕微鏡を用いた観察から、1950年代にはすでに話題となっていたそうです(12)。しかしそれが脂質ラフトという名で、機能的にも重要であることが認識されてきたのは20世紀末のことです(13)。ラフトというのはいかだを意味し、細胞膜という湖にいかだが浮かんでいるというイメージなのでしょう。この「いかだ」は通常の脂質以外にコレステロールとタンパク質が多く含まれていることがわかっています(14)。

図4にウィキペディアに出ていた脂質ラフトのイラストを転載します。ラフトには膜貫通タンパク質やグリコフォスファチジルイノシトールという柄のついた傘のようなタンパク質、さらに糖タンパク質、糖脂質、コレステロールなどが集結しています。通常の部分が細胞を外界と仕切る壁とすれば、ラフトは細胞膜の特別な機能を果たす場所と言えます。コレステロールはこの特殊な場所が他の場所と混じり合わないよう、ラフト領域の流動性を低下させていると考えられます(15)。またラフトの疎水部が比較的直線的に描かれているのは、飽和脂肪酸が多いことを表しています。膜貫通タンパク質がラフトに多いのは、不飽和脂肪酸の絡まり合った状態(図4の左右部)より、飽和脂肪酸のストレートな状態(中央部)の方がすわりがよいからでしょう。

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膜貫通タンパク質は次の3つのグループに分けられます。

1.1回貫通タンパク質
2.イオンチャンネル
3.7回貫通タンパク質(Gタンパク質共役受容体)

まず1回貫通タンパク質ですが、多くはチロシンキナーゼ活性またはセリン/スレオニンキナーゼ活性をもつ酵素です。細胞外からシグナル因子がくると、それの受容体となって結合し、構造変化を起こしてチロシンキナーゼ活性を発動させ、細胞内の因子をリン酸化してなんらかの効果を得るという機能を持つタンパク質です。インスリン受容体、上皮成長因子(EGF)受容体、神経成長因子(NGF)受容体、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体、インスリン様増殖因子(IGF)受容体、繊維芽細胞増殖因子(FGF)受容体、肝細胞増殖因子(HGF)受容体、血小板由来成長因子(PDGF)受容体、各種サイトカイン受容体、各種細胞接着因子受容体など多くのタンパク質がこのグループに所属します(16)。

代表例としてインスリン受容体を図5に示しました。ちなみにインスリンがどのようにインスリン受容体と結合するかが解明されたのはごく最近のことです(17)。図をみると一見2回貫通しているように見えますが、細胞外でダイマーを形成しているわけで、それぞれの酵素は1回貫通です。ただしダイマーのうち片方にしかインスリンは結合しません。インスリン結合によって受容体は活性化され、細胞内のチロシンキナーゼ活性によってIRS-1という因子がリン酸化され、さまざまな反応が連鎖しておこります。この結果グルコースが細胞にとりこまれ血糖値は低下します(図5)。

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次にイオンチャンネルですが、細胞には適切なイオン濃度があって適宜調節が必要です。もちろん最適なイオン濃度はイオンによって異なりますし、細胞によっても異なります。ロデリック・マッキノンら(図6)は放線菌のカリウムチャンネルタンパク質を結晶化して構造解析することに成功しました(18)。

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カリウムチャンネルは1回膜貫通タンパク質であり、中心に穴が開いていてイオンが通過できる構造になっています(図7)。

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ただし図8左図のようにイオンを選別するフィルターがあり、ここのドメインにうまく結合しないとチャンネルを通過できないようになっているため、各イオンチャンネルは特定のイオンだけを選別して通す機能を持っています。すなわち穴のサイズだけでイオンを選別しているわけではありません。

イオンチャンネルはミトコンドリアのプロトンポンプのように、エネルギーを消費してイオンをくみ出したりはせず、単に濃度勾配で移動させるだけですが、開閉によってイオン濃度を調節することができます。開閉のシグナルは膜電位・リガンド・機械刺激・温度・リン酸化などさまざまです(19)。

水を選択的に透過させるチャンネルもみつかっています。解明したのはピーター・アグレらで(図6、参照20)、アクアポリン(水チャンネル)と呼ばれるこのタンパク質は6回膜貫通タンパク質であり、イオンチャンネルとは全く素性の異なる物質です。他の膜貫通タンパク質と異なり、N末とC末の両者が細胞内にあります。水チャンネル=アクアポリンには多数の種類があり、水以外の物質を通過させるものもあるようです(21)。

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マッキノンとアグレは2003年のノーベル化学賞を受賞しました。マッキノンは医学への道を棄てて基礎科学に転じた人ですが、東洋系の奥さんのおかげでポストドク時代の困難な生活を乗り切ることができたそうです(22)。基礎科学では飯が食えないので医師に転じたという知人・友人は多いですが、逆のケースはほとんど知りません。フランソワ・ジャコブが戦傷で医師への道を断念して基礎科学に転じたというのは有名な話ですが。

アグレはしばしばキューバに渡航して、学会や講義活動を行ったばかりでなく、フィデル・カストロ首相と会ったりして外交的活動にも関心があったようです。また北朝鮮にも渡航して学術交流を行うなど、学問を通した国際交流にも熱心で、一時は上院議員を志したこともあるそうです。

膜貫通タンパク質の最後は7回膜貫通タンパク質です。その構造を二次元的に展開したのが図9ですが、細胞膜を7回貫通し、細胞外にN末端、細胞内にC末端があります。7回膜貫通タンパク質はすべてGタンパク質共役受容体です。すなわちGタンパク質がループを形成している図9の青色などの部分に結合すると、Gタンパク質は結合していたGDPをリリースしGTPと結合します。同時に、Gタンパク質はサブユニットGαとGβγに分離し、それぞれの機能を発揮します。その後GαはGTPを加水分解し、そのエネルギーを用いてGβγと再結合します。

すなわち7回膜貫通タンパク質は外界からの情報を受け取る、すなわち細胞外にある受容体にリガンドが結合すると、細胞内部分がGタンパク質と結合して、Gタンパク質が活性化されて、生化学反応のカスケードが起動されるという機能を持っています。

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7回膜貫通タンパク質=Gタンパク質共役受容体はメジャーなホルモンなどの受容体なので、市販の薬の約60%がこのグループをターゲットとしていると言われています。主なものを図10に示しました。ほぼ同じ長さの7本のαヘリックスが円筒状の構造を形成しているタンパク質であることがわかります。このほかにも嗅覚受容体・光受容体など非常に生理的に重要な物質も含まれています。

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Gタンパク質共役受容体(GPCR=G protein-coupled receptor)の研究で、ブライアン・コビルカとロバート・レフコウィッツの2名が2012年のノーベル化学賞を共同で受賞しています(図11)。

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細胞膜を職場としているタンパク質には、膜貫通タンパク質以外に、特殊なアンカー(GPIアンカー、GPI:Glycosylphosphatidylinositol )で膜とつながり、膜の外に突き出た状態で機能するものがあります(図4)。GPIアンカーの構造は図12のようなもので、タンパク質とアミド結合するフォスフォエタノールアミン-3個のマンノースとNアセチルグルコサミン-フォスファチジルイノシトール-2脂肪酸という順につながっています。最後の脂肪酸が細胞膜に埋め込まれている部分です。GPIアンカー型タンパク質は原生生物・酵母・カビ・粘菌・植物・無脊椎動物を含む真核生物全域でみつかっています(23)。

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細胞膜の外側で酵素を働かせようとした場合にGPIアンカーが使われるようです。リストを図13に示しますが、酵素の他、細胞接着、補体の制御、神経系のレセプターなどの機能があるようです。FGFの活性を制御していると言われるグリピカンファミリーもこのグループに属します(24)。Gタンパク質共役受容体のグループに比べると地味な感じですが、薬剤のターゲットとして注目されているようです。

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参照

1) E. Gorter and F. Grendel, On bimolecular layers of lipoids on the chromocytes of the blood., J Exp Med. vol. 41(4): pp. 439-443. (1925)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2130960/pdf/439.pdf

2)J. Danielli and H. Davson, A contribution to the theory of permeability of the films.,  J.Cellul.Physiol. vol. 5, Issue 4, pp. 495-508 (1935)

3)S. J. Singer, and Garth L. Nicolson, The Fluid Mosaic Model of the Structure of Cell Membranes., Science. vol.175 (no.4023): pp.720-723 (1972)
http://www.jstor.org/stable/1733071?origin=JSTOR-pdf&seq=1#page_scan_tab_contents

4)Garth L. Nicolson, The Fluid—Mosaic Model of Membrane Structure: Still relevant to understanding the structure, function and dynamics of biological membranes after more than 40 years. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Biomembranes, Vol. 1838, Issue 6,  pp. 1451–1466 (2014)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0005273613003933

5)Garth L. Nicolson, Ph.D. and Nancy L. Nicolson, Ph.D. Chronic Fatigue Illnesses Associatedwith Service in Operation Desert Storm. Were Biological Weapons Used Against our Forcesin the Gulf War?  TOWNSEND LETTER FOR DOCTORS 1996; 156:42-48.
http://www.immed.org/GWI%20Research%20docs/06.26.12.updates.pdfs.gwi/TownsendLettGWI1996.pdf

6)湾岸戦争症候群に罹患した復員軍人の「家族」の血液から生物兵器?を続々検出
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/282.html

7)白血球から検出のマイコプラズマにエイズウイルスの被膜遺伝子配列:生物兵器の証拠文献
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/582.html

8)米軍病理学研究所へようこそ!:これが米国のばら撒いた「免疫不全」マイコ生物兵器:全訳付き
http://www.asyura2.com/0311/war41/msg/707.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/141.html

9)ニコルソン博士夫妻に驚くべき妨害
http://satehate.exblog.jp/11649060/

10)Endresen, G.K., Mycoplasma blood infection in chronic fatigue and fibromyalgia syndromes., Rheumatol Int. vo. 23(5), pp. 211-215. Epub 2003 Jul 16.
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00296-003-0355-7

11)京都大学大学院 梅田研究室
http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/umeda-lab/research/hikaku.html

12)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%B3%AA%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88

13)Kai Simons & Elina Ikonen, Functional rafts in cell membranes., Nature vol. 387, pp. 569-572 (1997) | doi:10.1038/42408

14)Richard M. Epand, Proteins and cholesterol-rich domains., Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Biomembranes, Vol. 1778, pp. 1576-1582 (2008)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S000527360800120X

15)慶應義塾大学環境情報学部・基礎分子生物学3 「膜の構造と機能」
http://chianti.ucsd.edu/~rsaito/ENTRY1/WEB_RS3/PDF/JPN/Texts/biobasic3-2-7.pdf#search=%27%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB++%E8%86%9C%E6%B5%81%E5%8B%95%E6%80%A7%E3%81%AE%E4%BD%8E%E4%B8%8B%27

16)薬のすべてがわかる!薬学まとめ
http://kusuri-yakugaku.com/pharmaceutical-field/pharmacolory/receptor/membrane-receptor/1tm-receptor/

17)John G. Menting et al., How insulin engages its primary binding site on the insulin receptor., Nature  vol. 493, pp. 241–245 (2013) doi:10.1038/nature11781

18)Doyle DA, Morais Cabral J, Pfuetzner RA, Kuo A, Gulbis JM, Cohen SL, Chait BT, MacKinnon R.,  The structure of the potassium channel: molecular basis of K+ conduction and selectivity.,  Science vol. 280 (5360): pp. 69–77. (1998)  doi:10.1126/science.280.5360.69. PMID 9525859

19)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

20)Peter Agre et al., Aquaporin CHIP: the archetypal molecular water channel., American Journal of Physiology - Renal Physiology  Vol. 265  no.  4,   F463-F476  (1993)

21)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%B3

22)https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/2003/mackinnon-bio.html

23)Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology. 2nd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press (2009).

24)http://www.glycoforum.gr.jp/science/word/proteoglycan/PGA02J.html

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2017年5月 7日 (日)

リーガ・エスパニョーラ第36節: 暇なバルサは絶好調

Braugranaチャンピオンズリーグ敗退で暇なバルサで、さすがにスアレスも調子をとりもどし、ネイマールに至っては3試合出場停止で絶好調。あとはマドリーの取りこぼし待ちのバルサとなりました。ただ今日は強豪ビジャレアルとの一戦です。好カードで時間も早い試合とあって、カンプノウは満席(10万人)に近い大盛況です。

バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:イニエスタ・ラキティッチ・ブスケツ、DF:ディニュ・ウムティティ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。
ビジャレアルはFW:バカンブ・ソルダード、MF:Rソリアーノ・ロドリゴ・トリゲロス・ジョナタン、DF:Jコスタ・Aゴンザレス・ムサッキオ・Mガスパール、GK:アンドレス=フェルナンデス。

ビジャレアルは典型的な442なので、こんなときはバルサも343でもいいと思いますが、やはり433は落ち着きます。21分スアレスが右サイドに進出して、左サイドのメッシにパス。メッシがシュートしますがガスパールの足に当たって偶然中央ネイマールの前にこぼれます。これをネイマールがゴール。メッシが蹴る前に、ネイマールが数歩戻っていたのが功を奏して、オフサイドを免れました。

しかし32分、カウンターからピケがバカンブに振り切られて失点。これはウムティティが前に出過ぎだったのでしょう。40分にもソルダードにフリーでヘディングされますが、失敗で事なきを得ました。

ビジャレアルのペースになりかけていたところ、前半終了間際、メッシが左へ走りながら得意な体勢からのシュートでゴール。3人でカバーしながら普通に決められたので、ビジャレアルとしては大ショックでした。

後半は完全にバルサペースで、24分、早いリスタートからセルジが中央を押し込んで右のスアレスにパス。スアレスが強引に切り込んで、1発切り返してゴール。3:1です。

このあとPKもあって、バルサ4:1の完勝でした。やはりバルサの敵はスケジュールを実感しましたが、だからこそローテーションでパコやアルダが出たときのやり方を考えるのがベンチの課題で、次のシーズンにはきちんと練習を重ねて、周到に準備して試合に臨んで欲しいと思います。前の3人が出場しているときに3人に頼るのは当然ですが、チャンピオンズリーグをきちんと戦うにはローテーションは必須で、エンリケに足りなかったところはここでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=FKXDkj9HWlE

https://www.youtube.com/watch?v=RyVtRz5fb4I

https://www.youtube.com/watch?v=aPbuP0iu_Bw


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2017年5月 5日 (金)

やぶにらみ生物論72: 呼吸

ハンス・クレブスらの研究によって、クエン酸回路の全貌が明らかとなり、ブドウ糖が体内でどのように代謝されるかが解明されました(図1)。しかし図1にATPという文字はどこにも書かれていません。酸素もどこにも現れません。クエン酸回路は呼吸の要なのにどうなっているのでしょうか?

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まずクエン酸回路に投入される物質(インプット)と、クエン酸回路で精製される物質(アウトプット)を図2にまとめてみました。科学者に課せられた課題は、このアウトプットがどのようにATP生成や酸素の消費にかかわっているかということでした。

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クエン酸回路の反応が行われている場所がミトコンドリアであることは、当時から推測されていたわけですが、その反応系を試験管の中に取り出すことは誰にもできませんでした。そのためにはまず細胞を壊して、反応系が無傷で保存されているミトコンドリアを取り出さなければいけません。つまり細胞は壊れているけれど、ミトコンドリアは壊れていないという状態です。これに成功したのがアルベール・クロード(1898~1983、図3)でした。

クロードはベルギー人で、子供の頃に母親を亡くして叔母の手で貧困の中で育ちましたが、第一次世界大戦がはじまったときにチャーチルにあこがれて英国のスパイ組織に従事し、戦後連合国のメダルと退役軍人のステータスを獲得することができて、進学の機会を与えられました。彼は高校に行ってなかったので、リエ-ジュ大学医学部に入学する前に鉱山学校で勉強して、鉱石を遠心分離機で分離する技術を知っていました。何が幸いするかわかりません。彼はこれを細胞にも応用して、ミトコンドリアを遠心分離機を使って無傷で取り出すことに成功したのです。この技術は細胞分画法とよばれるもので、後の生化学の発展に大きく寄与しました(1)。

ミトコンドリアはサイズが小さすぎて光学顕微鏡ではうまく観察できないので、構造を解明するためには電子顕微鏡を用いた研究が必要でした。クロードはルーマニア人のジョージ・パラディー(1912~2008、図3)を誘って電子顕微鏡を生物試料に適用する研究を進めてもらいました。二人は後年(1974年)ノーベル医学生理学賞を受賞しました。

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さてそのミトコンドリアですが、もともとは細菌だったと考えられているわけです。真核生物にとりこまれ、紆余曲折を経て現在のようにオルガネラとして細胞の中で生きています。ミトコンドリアの最もシンプルな構造図を図4に記します。外膜は真核生物由来らしく、細菌から引き継いだ特異な機構は内膜に集中しています。ウィキペディアによるとミトコンドリアの重量は体重の10%を占めるそうで、私達はまさしく真核生物と細菌の合作であることを思い起こさせます。

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ミトコンドリアは真核生物に取り込まれる前から、クエン酸回路で生成したNADHやFADH2、および取り込んだ酸素を使ってH+(プロトン)を膜間腔に追い出し、マトリックスと膜間腔の間に形成されたH+の濃度差による化学浸透圧を利用してATPを合成しています。このようなメカニズムに最初に気がついたのはピーター・ミッチェル(1920~1992、図5)でした。彼はその研究結果を1961年にNature誌に報告しました(2)。しかしその理論はあまりにも斬新なものだったので信じる人が少なく、職を得ることができなかったので、自宅をGlynn研究所と名付けて自費で研究を続けるしかありませんでした(3、4)。

この困難な状況はエフレム・ラッカー、香川靖雄(図5)らによって、ミトコンドリアの内膜に埋め込まれたATP合成酵素が発見されたことで改善され、ピーター・ミッチェルは1978年にノーベル化学賞を受賞しました。このあたりの事情は参照文献(3)に詳述されています。図4の膜内粒子とはATP合成酵素でした。この酵素は複雑で巨大な構造をとっており、まだ正確な分子量は明らかになっておりません。

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現在の理解では、図6に示されるように膜貫通システム複合体 I、III、IV、およびそれを補佐するシステムIIによって、NADH、FADH2、酸素を使ってプロトン(H+)をマトリックスから膜間腔に排出するポンプを駆動し、排出されたプロトンが化学浸透圧によってマトリックスに回帰する際に、そのエネルギーを利用してATP合成酵素がADPからATPを合成するということになっています(5、6)。

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複合体 I についてウィキペディアの受け売りをしますと、図7のように、「複合体 I では、解糖系およびクエン酸回路から得られた NADH から2つの電子が取り除かれ、脂質可溶キャリアであるユビキノンに移される。ユビキノンの還元生成物であるユビキノールは膜の内部を自由に拡散し、次の複合体 III に電子伝達を行なう。複合体 I はプロトンポンプ機構(プロトンが膜を通過する機構)およびキノンサイクル機構を用いて4つのプロトンを膜を通して移動させ、プロトン勾配を作る」 ということになっているそうです(7)。ユビキノンの還元について関心のある方は(8)をご覧下さい。複合体 I が行っていることの収支式は

NADH + ユビキノン(Q) + 5H+ in → NAD+ + ユビキノール(QH2) + 4H+out

ということになります。

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プロトンの排出を行っている複合体は細菌とミトコンドリアではかなり異なっているようですが(7)、ATP合成酵素は全生物共通で進化の痕跡がみられない(9)というのは驚異的です。

ATP合成酵素の研究でポール・ボイヤーとジョン・ウォーカーが1997年にノーベル化学賞を受賞しましたが(図8、参照10)、その影には木下一彦(~2015、図8)らの革命的な研究があったことは確かでしょう。ボイヤーらはATP合成酵素がタービンのように回転するという仮説をたてていましたが、誰もそれを証明することができなかったのです。しかし木下らは酵素を標識することによって、顕微鏡下でその回転を可視化することに成功しました(11)。これによってボイヤーは98才という高齢でノーベル賞を受賞することができたと思われます。

木下らは当然ノーベル賞を受賞すべき成果を上げましたが、ボイヤーが高齢であることから迅速にということで、彼と結晶化して分子構造を解析したジョン・ウォーカーが、とってつけたような Na-K-ATPase のイェンス・スコウと共に授賞されました。論文発表の年に授賞というのはいくらなんでも無理だったのでこういうことになったのでしょう。

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ATP合成酵素は膜間腔につきだしているF1部位と、ミトコンドリア内膜に埋め込まれているFo(エフオー)部位からなる巨大なタンパク質複合体です(図9)。プロトンの流れによってF1部位の γ サブユニットがタービンのように回転し(反時計回り)、ATPを合成するエネルギーを生み出していると考えられます(12)。ATP合成酵素によってマトリックスにとりこまれたプロトンは、すぐに酸素と結合して水になってしまうので、クエン酸回路とプロトンポンプが動いている限り、内膜の外と内でプロトンの濃度差がなくなる状態にはなりません。

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以上のようにエムデン・マイヤーホフ系はミトコンドリア外の細胞質で、クエン酸回路はミトコンドリアマトリックスで、プロトンポンプとATP合成酵素はミトコンドリア内膜で機能しています。

木下一彦先生は2015年の秋に、南アルプス小仙丈岳付近で滑落死するという不慮の死をとげられました(13)。私もこのあたりは何度も歩いたことがありますが、夏山では何の問題もないハイキングコースのようなところでも、凍結していると危険なことをあらためて痛感しました。ご冥福を祈ります。

参照

1)https://en.wikipedia.org/wiki/Albert_Claude

2)Peter Mitchell, Coupling of phosphorylation to electron and hydrogen transfer by a chemi-osmotic type of mechanism. Nature  vol. 4784, pp. 144 - 148 (1961)

3)香川靖雄 「ATP合成酵素の発見から人体エネルギー学まで」 日本蛋白質科学会 シリーズ「わが国の蛋白質科学研究発展の歴史」第4回 pp. 23-32
http://www.pssj.jp/archives/files/ps_history/PS_History_04.pdf
(管理人=本稿執筆者註:この文献はいつ出版されたのか確認できませんでした。日本蛋白質科学会が設立されたのが2001年なので、それ以降であることは確かです)

4)杉晴夫 「栄養学を拓いた巨人たち」 講談社ブルーバックス (2013)

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2

6)電子伝達系と酸化的リン酸化
http://kusuri-jouhou.com/creature1/dentatu.html

7)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E4%BC%9D%E9%81%94%E7%B3%BB

8)ユビキノンについて
http://hobab.fc2web.com/sub4-CoQ.htm

9)https://ja.wikipedia.org/wiki/ATP%E5%90%88%E6%88%90%E9%85%B5%E7%B4%A0

10) The Nobel Prize in Chemistry 1997,
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/1997/

11)Noji H1, Yasuda R, Yoshida M, Kinosita K Jr.,  Direct observation of the rotation of F1-ATPase.,  Nature, vol. 386(6622): pp. 299-302. (1997)

12)野地博行 安田涼平 木下一彦 「回る酵素の観察」 バイオサイエンスとインダストリー vol. 56, no.10, pp. 665-670 (1998)
http://www.k2.phys.waseda.ac.jp/PDF/1998BioSI_Noji_RotEnz.pdf

13)明滅する一筋の光が我々にみせたもの ~木下一彦さんの追悼に代えて~
http://slight-bright.hatenablog.com/entry/2016/01/28/225438

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2017年5月 4日 (木)

明日から12年目に突入

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2017年5月 3日 (水)

サラとミーナ185: 窓辺でまどろむサラ

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Img_1859cミーナの昼寝は、夏以外はシーツやタオルケットに潜り込むというパターンですが、サラは窓辺でゆっくりするのが好きなようです。

サラは中年になって貫禄が付いてきました。顔も横に広がったでしょうか。私はサラには敬意を持って接しています。

サラとつきあっていると、ネコという種族とヒトという種族の接点をさぐる楽しみがあります。

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