「渋めのダージリンはいかが」へようこそ

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「生物学茶話:@渋めのダージリンはいかが」の紙本は九州大学理系図書館、京都大学理学部図書館、島根大学附属図書館、東京大学理学図書館、東京工業大学大岡山図書館、北海道大学理学部図書室、杏林大学医学部図書館、電子書籍としては国立国会図書館に収蔵されています。

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2022年12月10日 (土)

西島三重子 Spell ~呪文~

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個人の見解ですが、私は西島三重子の最高傑作オリジナルアルバムと言えば、テイチク時代の「Lost Hour」と「Soft-i」だと思います。どちらも西島流のメロディーラインが満載のポップスで、時代の影響が少ないシンガーソングライターだったこともあって、今でも十分楽しめるのではないでしょうか。きちんと4ビートで折り目正しいポップスもありますが、アクセントのないゆるい6ビートの曲などもあり、私は特に後者がお気に入りです。

これより前にリリースされたアルバム「Bye-Bye」はCD化されたのに、上記2枚はいまだにCD化されていません。とはいえ YouTube にアップしてくれているので、全曲試聴可能です。

「Soft-i」
https://www.youtube.com/watch?v=ncQQWbwfg88

「Lost Hour」
https://www.youtube.com/watch?v=EqQPfZmseto

当時の曲を収録したベストCDとしては 「Spell~呪文~」といういうのがあるのですが、アマゾンをのぞいてみたら、中古品が4000円くらいに高騰していました。

若い頃の映像「千登勢橋」 これはテイチクに移籍する直前のテレビ出演でしょう。
(多分1980年頃だと思います)
https://www.youtube.com/watch?v=0TYECCELT6c

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『西島三重子 Christmas Live 2022』
2020年12月22日(木)開場18:15 / 開演19:00
会場:南青山マンダラ
https://www.facebook.com/nishijimamieko/

 

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2022年12月 8日 (木)

サラの考察22:ワールドカップ4

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サラ「スペインもモロッコに敗退しちゃったね」

私「心配していたとおり、やっぱりB級ストライカーしかいないチームなので順当な結果だね。いくら中盤を支配していても、シュートが打てないんじゃ勝てるわけないよ。アンスーの体がしっかりしてきて、常時出場できるようになるまでの辛抱かな」

サラ「それにしてもPK戦はなさけなかったね。Jのリピートみたいで」

私「ボノもすごかったけどね。完全に方向を読まれていたし、上に打ってもギリギリじゃないとセーブされていたような気がする」

グレチコ「最後のハキミのゆるい中央へのキックはフットボルの神髄だね。相手の心を読むというのがね。パネンカというらしいよ」

私「あとは私が優勝を予想したフランスを見届けるだけになってしまった」

 

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2022年12月 6日 (火)

サラの考察21:ワールドカップ3

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サラ「Jは終わったね。がっくり」

グレチコ「あのPKは駒野の亡霊にとりつかれていたね」

私「そうそう、絶対ふかしちゃいけないという呪縛」

サラ「クロアチアのGKは方向を確認してから動いていたわね」

私「ひとつ監督に言いたいことは、三苫はSBじゃなく、ヴィニシウスやロドリゴのようなエストレーモ(サイドアタッカー)として使うべきってこと」

グレチコ「サッカー協会は監督の続投をもくろんでいるようだけど」

私「私の意見としては、リカルド・ロドリゲスにJを率いてほしい。森保監督とは全く違う景色のJをみてみたいね。浦和を解任されたみたいで、ちょうどいいんじゃない」

グレチコ「浦和がフランクフルトに4:2で勝った試合はすごかったね。でも協会はロドリゲスのサッカーは好まないと思うよ」

サラ「日本人はサッカーはいかにして人をだますかという詐欺師のスポーツだということを理解していないのよ」

私「そうだね。パワー・スピード・根性 vs テクニック・コンビネーション・詐術
というのは アングロサクソン・ゲルマン vs ラテン という昔からのテーマではある。ところでサラ まだ眠っちゃいけないよ。あの弱いスペインを応援しなくちゃ」

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2022年12月 4日 (日)

第13回音楽大学オーケストラフェスティバル

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寒い日でしたが、土曜日に第13回音楽大学オーケストラフェスティバルにでかけてきました。全席1000円だし、練習時間はたっぷりあるので、ひょっとしたらプロオケよりいい音楽が聴けるのではないかという期待がありました。同じ考えの人が多いのか、池袋芸劇は結構盛況。3Fまで大勢詰めかけていました。

円光寺-武蔵野音楽大学はラフマニノフです。いやー固い。間違えないようにと恐る恐るやっている感じで音楽が流れません。ああこんなもんかなと思っていたのですが、第3楽章あたりからようやくエンジンがかかって、フィナーレは盛り上がりました。

終了してからステージの構造を全面的に作り替える作業に30分かかって、ようやく次の桐朋学園の番です。

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高関-桐朋学園は打って変わって、最初からまるでプロオケのような演奏。これはすごいわ。激しいテンポの揺れにもびくともしませんし、ニュアンスもたっぷり。弦の音の美しさもとびきりです。コントラバスのソロもいい感じ。でも一番はティンパニでした。学生なのにまるで老舗旅館の女将みたいにオーケストラを統率していました(Aの方)。お名前はわかりません。演奏するアクションが美しい。プロオケにはこういう映像でも聴衆を魅了できる奏者が必要です。あと個人的にはフルートの音にひきつけられました(Bの方)。都響は打楽器とフルートのメンバー足りないので是非💕。

それにしてもマエストロ高関の指導は素晴らしいですね。はっきり言ってこのマーラー交響曲第1番には、プロオケの演奏会より感動しました。私の前の席の人は狂ったように拍手してました。

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2022年12月 3日 (土)

続・生物学茶話196:円口類の視覚

私たち脊椎動物のルーツに非常に近い生物と思われるカンブリア紀のメタスプリッギナは、鰓弓を持ち、脊索は分離して骨になり、眼を持つ動物でした(1)。彼らはおそらく有顎脊椎動物の祖先とはエディアカラ紀に分岐したと考えられています(2、3)。なので彼らが生きていれば、脊椎動物の眼や視覚のルーツや進化について多くの情報が得られたのでしょうが、カンブリア紀に絶滅してしまいました。円口類が分岐する前には、他にコノドント、ピピスキウス、アナスピッドという生物群が分岐しましたが、現存するものはいません。つまり有顎脊椎動物と最も近い現存生物は円口類ということになります。したがって円口類の脳神経系やそれと接続する感覚器・運動器の研究は特別な意味を持っています。

肉眼で観察すると成体のヤツメウナギにははっきりと魚類のような眼があります。魚類と哺乳類の眼はレンズを収縮するメカニズムに違いがありますが、ほぼ同様な構造です(4)。ヤツメウナギの場合、大雑把な形態は図196-1のようなものです。角膜(透明化した皮膚)、レンズ、網膜、見る方向やピントを合わせるための筋肉が装備されています。一方ヌタウナギは角膜・レンズ・筋肉がない低機能の眼しか持っていません。ヤツメウナギは左右の眼だけでなく、第3の眼である松果体が機能していて、ここに2種類の光受容細胞があって、紫外部と可視部をそれぞれ受光しています。したがって色を識別することができます(5)。ヤツメウナギの眼にはヒトの光受容細胞の始原を思わせる桿体細胞と錐体細胞のような形態を持つ2種類の光受容細胞があります(6)。ヌタウナギが非常に低機能な眼しか持っていないのは、彼らが光があまり届かない海底に住んでいるからと思われますが、このことについてはあとで議論します。

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図196-1 円口類の眼

次に円口類の網膜に言及したいのですが、その前にヒトの網膜の構造について確認しておきたいと思います。ウィキペディアにきれいな図があったので、これに字を入れました(7、図196-2)。本来なら光が当たる側に光受容細胞があって、その裏側に神経細胞が分布しているのが理にかなっていて、実際軟体動物の網膜はそうなっていますが、なぜか脊椎動物の網膜は最初に光が当たる側に神経節細胞の軸索が配置されていて、一番奥に光受容細胞と色素上皮が配置されています。これは明らかに進化上の失敗です。

図196-2のようにヒトの網膜は光が最初に当たる位置から網膜神経節細胞と脳につながる軸索、内網状層、内核層、外網状層、外核層、視細胞外節層、色素上皮という構造になっていて、ここに2種類の光受容細胞(錐体細胞、桿体細胞)、4種類の神経細胞(網膜神経節細胞・アマクリン細胞・水平細胞・双極細胞)、そしてグリア細胞であるミュラー細胞が収蔵されています。

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図196-2 ヒトの網膜

有顎脊椎動物の網膜はほとんどの場合196-2図の様な構造ですが、円口類についてはブラッドショーとアリソンが比較図を公開してくれているので、図196-3に使わせていただきました(8)。図196-2とは上下逆になっているのでご注意ください。

ヤツメウナギの場合、幼体では網膜は未発達で領域は狭く、光受容細胞は1種類、神経細胞は2種類、そしてミュラー細胞しかありません。その他の細胞は変態と同時に分化してくるようです(8、図196-3C)。しかし成体の網膜は驚くべきことにほとんど私たちと同じ構造、同じ種類の細胞で構成されています。違う点は網膜神経節細胞の軸索が網膜の外側ではなく、内側を通って脳と接続している点で、フラッドショートとアリソンはこの領域を optic fibre layer としています(8、図196-3)。このことはこのような共通構造がすでにエディアカラ紀に完成されていたと言うことを示唆し、驚くほかありません(9)。有顎脊椎動物で神経節細胞軸索が露出しているのは、硝子体が進化して保護できるようになったからと思われます。

ヌタウナギの場合、ヒトやヤツメウナギのように各層の境界線がはっきりせず、光受容細胞は1種類しかなく、ミュラー細胞はみつかっていません。しかし4種類の神経細胞は存在するようです(8、図196-3)。あと重要なのは色素上皮層がないことです。これでは散乱光を吸収できないので、光の方向さえわかりません。要するに明るいか暗いかさえわかればいいという、非常に機能の低い眼となっています。眼が松果体の役割を果たすため、松果体はないようです。ヤツメウナギは松果体を持っています。

ヌタウナギ、ヤツメウナギ、有顎脊椎動物の網膜を比較してまとめた表を図196-4に示しました。ヤツメウナギと有顎脊椎動物の組織・細胞の有無が完全に同じであるのに対して、ヌタウナギにはいくつかの欠落が見られます。大石らによってヌタウナギとヤツメウナギの近縁性は証明されているので(9、10)、これはヌタウナギが視覚を重視しない生活環境に適応する過程で失ったと考えるのが妥当でしょう。

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図196-3 有顎脊椎動物と円口類の網膜を比較する(字が小さいのでクリック拡大してご覧ください)

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図196-4 網膜を構成する組織・細胞の比較

構造にかなりの相違がみられるにもかかわらず、網膜の発生に関連するホメオボックス遺伝子は、ヌタウナギ・ヤツメウナギ・有顎脊椎動物で差はみられません(8、図196-5)。これらの遺伝子はおそらくエディアカラ紀の共通祖先が用意したものが引き継がれていると思われます。一方bHLHのグループには差が見られます。この差が網膜構造の差違に関連しているのでしょう(8、図196-5)。

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図196-5 網膜の発生に関連する遺伝子の有無

ヌタウナギの眼はヤツメウナギと比べて非常に貧弱なので、この原因についてはいろいろ議論があります。図196-6Aの考え方は、ヌタウナギがより古いタイプの円口類だというものです。しかしこの考え方はサラ・ガボットらの研究によって旗色が悪くなりました。彼女らは古生代のヌタウナギ Myxinikela siroka の化石を調べ、その眼は現在のヌタウナギより高機能と思われる形態で、当時のヤツメウナギに遜色なくメラニン色素もちゃんと存在することを示しました(11、12)。このことは眼を退化させたグループが現在まで生き残ったことを意味します(図196-5B)。眼の退化は進化というスケールで見れば、極めて短い時間で実現することが洞窟生物などの研究でよく知られています(13)。

一方でヌタウナギの眼は幼形成熟(ネオテニー)による進化によって形成されたという考え方もあります(8、図196C)。ネオテニーという現象は決して珍しい現象ではなく、たとえば鳥類の頭部は恐竜のネオテニーによってできたものだというような説もあります。確かにヌタウナギは洞窟生物のように色素を全く失っているわけではありませんし、洞窟における眼の退化の時間スケールより遙かに長い間明暗を感じることができる眼を保持しています。まあそれは中途半端な暗さの中でずっと生きてきたからだと言えばそれまでですが、真相はまだ定かではありません。

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図196-6 脊索動物における眼の進化

ヌタウナギの生態についてはナショナルジオグラフィックのサイトに動画や解説があります(14)。興味のある方はのぞいてみてはいかがでしょうか。

 

参照

1)ウィキペディア:メタスプリッギナ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AE%E3%83%8A

2)渋めのダージリンはいかが 続・生物学茶話195:円口類の源流
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/11/post-1f4cf6.html

3)Tetsuto Miyashita, Michael I. Coates, Robert Farrar, Peter Larson, Phillip L. Manning, Roy A. Wogelius, Nicholas P. Edwards, Jennifer Anne, Uwe Bergmann, Richard Palmer, and Philip J. Currie, Hagfish from the Cretaceous Tethys Sea and areconciliation of the morphological?molecularconflict in early vertebrate phylogeny., Proc Natl Acad Sci USA vol.116, no.6, pp.2146-2151 (2019).
https://www.pnas.org/doi/suppl/10.1073/pnas.1814794116

4)髙橋恭一 魚眼の構造と機能 ――水晶体の役割を中心にして――
広島修道大学リポジトリ (2020)
https://shudo-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3062&item_no=1&page_id=13&block_id=62
file:///C:/Users/Owner/Downloads/KJ19001.pdf

5)Seiji Wada, Emi Kawano-Yamashita, Tomohiro Sugihara, Satoshi Tamotsu, Mitsumasa Koyanagi and Akihisa Terakita, Insights into the evolutionary origin of the pineal color discrimination mechanism from the river lamprey., BMC Biol vol.19, article no.188 (2021)., https://doi.org/10.1186/s12915-021-01121-1
https://bmcbiol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12915-021-01121-1

6)森慶二,外崎昭、ヤツメウナギの視細胞― 桿状体細胞と錐状体細胞の始まり 電子顕微鏡 Vol.31,No.1(1996) pp.40-44
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenbikyo1950/31/1/31_1_40/_pdf/-char/ja

7)ウィキペディア:網膜
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%B2%E8%86%9C

8)Sarah N. Bradshaw and W. Ted Allison, Hagfish to illuminate the developmental and evolutionary origins of the vertebrate retina., Front. Cell Dev. Biol.10: 822358 (2022). doi:10.3389/fcell.2022.822358
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35155434/

9)Oisi, Y., Ota, K., Kuraku, S. et al. Craniofacial development of hagfishes and the evolution of vertebrates. Nature vol.493, pp.175–180 (2013). https://doi.org/10.1038/nature11794
https://www.nature.com/articles/nature11794

10)大石康博、太田欣也、工樂樹洋、藤本聡子、倉谷滋 ヌタウナギの頭蓋顔面の発生と脊椎動物の進化
https://staff.aist.go.jp/t-fukatsu/CATNewsVol3NoS2.pdf

11)Sarah E. Gabbott, Philip C. J. Donoghue, Robert S. Sansom, Jakob Vinther
, Andrei Dolocan and Mark A. Purnell, Pigmented anatomy in Carboniferous cyclostomes and the evolution of the vertebrate eye., Proc. R. Soc. B., vol.283: issue 1836 (2016)
http://doi.org/10.1098/rspb.2016.1151
https://royalsocietypublishing.org/doi/epdf/10.1098/rspb.2016.1151

12)Answers in genesis: Elizabeth Mitchell Discovery of Hagfish Eyes Debunks Claim About Eye Evolution (2016)
https://answersingenesis.org/aquatic-animals/fish/discovery-hagfish-eyes-debunks-claim-about-eye-evolution/

13)Alex Keene and Johanna Kowalko, Repeated evolution of eye loss in Mexican cavefish: Evidence of similar developmental mechanisms in independently evolved
populations., This is the author manuscript accepted for publication and undergone full peer review but has not been through the copyediting, typesetting, pagination and proofreading process, which may lead to differences between this version and the Version of Record. doi: 10.1002/jez.b.22977.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/am-pdf/10.1002/jez.b.22977

14)ナショナルジオグラフィック:【動画】深海魚のヌタウナギ、驚異の7つの異能力
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/031600099/

 

 

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2022年12月 2日 (金)

ワールドカップ 日本代表ベスト16おめでとう

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JvsスペインのゲームにJが勝利しました。これは第一に森保監督の作戦勝ちでしょう。Jは批判を恐れず541の守備的なフォーメーションでスタートしました(テロップがそうなっていないのにはあきれましたが)。しかもワントップの前田がDFとブスケツのラインを切るという戦術です。普通1トップにこのような守備の重荷を課すというのは邪道ですが、ブスケツの年齢と後半の作戦も考慮してやらせたと思います。これでスペインはデフォルトのパスルートがなくなり困りました。

ただJも5バックは経験が少ないのでラインコントロールが難しく、よく頑張ったと思いますが、失点のシーンは少し下げすぎたかな。でも前半1点の失点で終わったのは想定内だったと思います。後半は例によって三笘・堂安の切り札をだして攻撃的なフォーメーションに転換し、2人の大活躍で2点とれました。リードしてからは前回のベルギー戦の敗退の教訓を生かして、徹底した守備に再び戦術変更し逃げ切りました。Jチームおめでとう。

バルサファンとしてはペドリ、ガビ、バルデはいつも通りのプレーができていて良かったと思います。ただブスケツは前田になすすべなく完封されるという失態で、ダメでした。もっと球をもらえるよう動かないといけませんが、もうプレーヤーとして晩年なのかなあとあらためてがっかりしました。スペインのチームはやはりストライカー日照りです。最後にアンスー・ファティが出ましたが、Jのガチ守備の前にいいところなしでした。まあ彼はガラスのエースなので無事で良かったです。スタメンで使わなかったエンリケ監督に感謝です。

Jの次の相手はモドリッチとコバチッチが率いるクロアチアですが、このチームは多分スペインより相当当たりの強いチームだと思います。でも5バックで戦う相手じゃないので、普通のガチンコ勝負でいくしかありませんね。頑張れJ。

 

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2022年12月 1日 (木)

また言い値でミサイルを買うのかい?

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敵基地攻撃能力などといっても、高速移動するトラックから撃つとか、トンネルの中から列車を出して撃ったら引っ込むとか、潜水艦から撃ってきたら、いったいどこをミサイルで反撃するのでしょうか? そうなると別に撃ってきた場所を攻撃することに意味がなくなるので、どこでも攻撃せざるを得なくなります。まさしく制限のない普通の戦争ですよ。いまは反撃能力に言い換えてるとか馬脚を現していますが。

北朝鮮も中国も核兵器をもっているわけですから、普通に戦争をやって勝てるわけがありません。米国が日本を守るために中国と核戦争をやると思いますか?? ですから常識で考えて、安全保障がどうしても必要なら、北朝鮮のように他国からの非難制裁を覚悟で核兵器とミサイルと原子力潜水艦の開発をやるしかありまん。安全保障が必要だと言っている人々も、それをやる覚悟はないんでしょう。ならばどうやっても安全保障などありません。私も国境を警備する程度の軍備は必要と思いますよ。でもそれは戦争のためであってはなりません。まあどうしても何かしたいというなら、朝鮮語と中国語を勉強しておくことです。私はそんな必要は全くないと思いますが。

要するにアメリカに言われて、言い値でミサイルを買わされるんでしょう。全く迷惑な話です。そんなお金、今の日本にあるわけないんですよ。

(写真はウィキペディアより)

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談合

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日本の保守派が守ろうとしている文化とは何なのでしょうか? それは天皇崇拝ではありません。実際晋三と皇室はうまくいっていませんでした(1)。彼らが本当に守りたいのは異論・反論・オブジェクションのない静かな社会なのだと思います。そのような社会を実現するために必要なのは2つです。ひとつめは根回し・談合によってすべてを決定すること、ふたつめはマスコミを規制することです。マスコミで御用評論家の意見ばかり聞かされていると、そりゃ強固なバイアスが形成されて静かになります。根回し・談合によってすでに決まっていることを会議で議論するわけですから、そりゃしゃんしゃんと議事が進行します。

オリンピックのような国家が主導する大事業でも、税金の配分はきっちり業者間の談合で取り分を決めるという違法行為が行われていたようで、司直によって捜査中です(2)。根回し・談合・賄賂は日本社会の隅々まで浸透しています。私が団地の管理に関わっていた頃もそれを痛感しました。例えば業者のリベートが季節の挨拶の範囲を超えているんじゃないかと私が発言すると、みんな黙ってしまうだけで、言いっぱなしでおしまいです。これが上から下まで日本社会の裏側です。本当は犯罪者を捕まえるかどうかの裁量も、政府は談合で決めたいようで、最近も二階元自民党幹事長が大勢の警察幹部を接待したというのが明るみに出ました(3)。

結局保守派が守ろうとしている文化からはみ出しているのは辛うじて検察だけということで、晋三はそこまで件の保守派文化に取り込もうとしたので制裁を受けたのだと思います(4)。

1)https://gendai.media/articles/-/50676

2)https://news.yahoo.co.jp/articles/333265e186f8822353b9ad36a56306f13ea5bb72

3)https://news.yahoo.co.jp/articles/55ed61d42cfc7debc2c5b091fd6853048614c4af

4)https://gekibuzz.com/archives/22076

(写真はウィキペディアより)

 

 

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2022年11月27日 (日)

サラの考察20:ワールドカップ2

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夜11時頃空を見上げると、天空の頂点に火星が輝くようになりました。さてワールドカップの頂点にはどこの国が立つのでしょうか?

サラ「なんだか けだるい試合だったね。眠くなっちゃう。で、引き分けならともかくコスタリカに負けちゃうなんて」

私「私が監督なら、三笘・南野・伊藤純のスリートップで行くけどね。まあいろいろチーム事情とか監督の趣味とかあるからね」

グレチコ「むしろスペインと対戦するときは、浅野か堂安のワントップがいいかもしれない」

私「そうそう、5バックでワントップはありかも。あとブスケツにマンマークをつけるのがポイント。古くさいやり方と言われても、臆せずマンマークをつけるべき。それでペドリが下がってくれるとゴール前の危険度がさがるからね」

グレチコ「スペインがドイツに勝つかどうかによっても変わるね。勝てばブスケツは休ませるだろう」

私「その時はペドリにマンマークをつけるといいでしょう」

サラ「森保監督は5バックはやらないよ きっと」

私「だろうね。ならば451だね。Jはカウンター向きの攻撃陣には事欠かないからね。でもそれもやらないね。なぜなら守備的なサッカーを嫌うという風潮が日本のサッカー界には根強いから。結局、三笘・タケ・伊藤純でガチンコ勝負にいくんじゃないか」

グレチコ「柴崎を使うかどうか、どうかな?」

 

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2022年11月26日 (土)

私のインスタントランチ ブロックベーコンのペペロンチーノ

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ブロックベーコンをさいの目状に細かく切ってから炒め、青の洞窟のペペロンチーノソースに加えるだけです。このソースには香草とニンニクチップが付属しているので、別途加える必要はありませんでした。シンプルだけどこれが結構いけます。

 

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2022年11月24日 (木)

サラの考察19:ワールドカップ1

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私「いよいよワールドカップがはじまった」

サラ「人間は下等な生物だと思うけど、いいところもあるんだね」

私「生まれて初めて AbemaTV というのを見たよ」

サラ「Abema って安倍晋三のテレビじゃないの?」

私「いやいや Ameba を反対に読んだだけらしい」

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サラ「サウジがアルゼンチンを負かしたのね」

私「サウジは守備に人数かけるんだけど、その最終ラインが異常に高い位置で、これにアルゼンチンははめられたね。攻撃しようとしてもみんなオフサイドになってしまう」

サラ「これはずいぶん練習しないとできない作戦?」

私「その通り。そのために国内組でたっぷり練習したらしい」

サラ「Jもドイツに勝ったのね」

私「Jもサウジとは違うやり方だけど守備を頑張って、前半最少失点にとどめ、相手が疲れたところで一気に攻撃陣を交代してドイツの守備を突破したね」

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グレチコ「普通のサッカーじゃない面白さを三苫は見せてくれた。相手DF2人を前にして時間を止めたように静止したんだ。DFの横に南野がいて、もしDFが自分にチャージしてくると南野を走らせるよというサインで、DFもフリーズしてしまったんだ」

私「そうそう、これはロナウジーニョとエトオを思い出させてくれる。ロニーは時間を止めることができるんだ」

サラ「三苫はJのロナウジーニョなのね」

私「あとはメンバーがそれを認めてくれるかどうかだよ」

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2022年11月22日 (火)

続・生物学茶話195:円口類の源流

一時期ヌタウナギとヤツメウナギが異なるグループの生物であるという考え方が優勢になって、円口類という分類群が消滅していた時期があったそうです(1)。しかし今世紀にはいって、特に大石康博がヌタウナギの腺性下垂体がヤツメウナギと同様外胚葉由来であることを示し(2)、ハイムバーグらが miRNA の比較を行ってからは(3)、ヌタウナギとヤツメウナギの類縁関係が明白になって円口類という分類群が復活し、このグループの分類学的位置が明らかになってきました(4)。

宮下哲人らは円口類の進化について包括的に示した仮説図を提供してくれていて(5)、カンブリア紀以降の円口類の進化や脊椎動物の関係についてもやもやしていたものが吹き飛ぶ快感が得られました。図195-1はその一部を示したものです。勇気を持ってたたき台を作ってくれる人がいるジャンルの研究者は幸運だと思います。

この宮下らの図は2014年にサイモン・コンウェイ・モリスらが発表した図(6)とはひとつ大きな違いがあります。モリスらは円口類は早い時期に有顎類の祖先と分岐し、その後有顎類の祖先からコノドントやアナスピッドが分岐しているとしていますが、宮下らは円口類・コノドント・アナスピッドの共通祖先が有顎類の祖先と分岐したとしています(図195-1)。

いずれにしても脊椎動物のルーツはエディアカラ紀にあり、ここでハイコウエラ、ミロクンミンギア、メタスプリッギナ、無顎類、有顎類それぞれのルーツが分岐し、この5つの生物群がそれぞれカンブリア紀に進化して化石に残る生物となりました(図195-1)。宮下らによると、意外にも円口類が分岐したのはカンブリア紀にはいってからで、エディアカラ紀とされる有顎脊椎動物の分岐より遅いとしています(図195-1)。

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図195-1 円口類と有顎脊椎動物の源流(宮下ら-参照5ーの系統図の一部を日本語化)

これから図195-1に登場する脊椎動物のルーツに近い生物たちを探訪していきたいと思います。まずハイコウエラ、ハイコウイチクス、ミロクンミンギアですが、これらは中国雲南省の澄江で発掘された化石生物で、カンブリア紀前期に生息していたとされています。ウィキペディアなどにあった図をまとめて図195-2に掲示しました。宮下らはこの中でもハイコウエラの祖先を脊椎動物の一番の根元に置いています(図195-1)。ハイコウエラについてはこのサイトでも以前にレポートしました(7)。Chen の報告によると、この生物は中枢神経系、鰓弓(6対らしい)、背びれ、眼、そして萌芽的脊椎を持っているそうです(8)。それらの根拠となる化石は図195-3のようなものです。この図は Chen の論文(8)からお借りしました。

宮下らの図にはユンナノゾーンは出ていませんが、ユンナノゾーン Yunnanozoon (図195-3)はハイコウエラと同じ生物だという説が長い間ずっとくすぶっていて、なかなか結論には至らないようです。たとえば Pei-Yun Cong らは論文の中で we consider that ‘Haikouella’ is a junior synonym of Yunnanozoon と述べていますが、アブストラクトにはそうは書いていません(9)。ハイコウイクチスとミロクンミンギアについても、同じ生物だという人もいますが、宮下らやモリスとカロン(6)は別の生物としています。彼らは遊泳力と視覚を持っていたので、カンブリア紀の前期にはそこそこ繁栄していたのでしょう。しかしおそらく次第に他の遊泳生物の後塵を拝するようになり、カンブリア紀の途中で絶滅しました。

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図195-2 最も始原的な脊椎動物と考えられている生物群

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図195-3 ユンナノゾーンとハイコウエラ

私たちやヤツメウナギも含めて現存脊椎動物とハイコウエラのグループ(クレスト動物)の中間的な存在として、サイモン・コンウェイ・モリスらがバージェス生物群からみつけだしたメタスプリッギナという生物がいます(6、10、図195-4)。メタスプリッギナはエディアカラ紀のスプリッギナ(11)とは関係が無い生物なので、この命名は失敗でした。

図195-1によると、メタスプリッギナはコノドントや円口類が生まれるずっと前に有顎脊椎動物の祖先と分岐しています。その意味では今のところ有顎動物と最も近い無顎動物かもしれません。メタスプリッギナはノトコードに沿って7対の骨をもっていますが、これらは脊椎のようにそれぞれ独立しています。そして7対のうち6対は鰓をささえる役割を持っていますが、最前部の1対はサイズが大きく萌芽的な顎の骨と考えられています(12)。このような特徴はこの生物が有顎脊椎動物の祖先と近い関係にあることを示唆します。

ハイコウエラなどそれまでの生物が2~3cmの大きさだったのに比べて、メタスプリッギナは大きなものでは体長が10cmのものもみつかるので、これは大きな進化だと言えます。また中国と米国でほぼ同じ化石がみつかっているので、ユニバーサルな生物だったことも確実です(13)。筋肉の付き方がよくわかる化石があって、それによるとメタスプリッギナはうなぎのようにくねくねと泳ぐ術を習得していたようです。したがって鰭が貧弱または無くても遊泳できたと考えられます。形を認識できそうな立派な一対の眼を持っていました(12、図195-4)。このような眼と遊泳術、細長いからだがあれば敵が来ても、岩の隙間や穴に隠れることができます。エサはヤツメウナギのように海底の有機物を吸い込んで摂取していたのでしょう。カンブリア紀に絶滅しましたが、これはニッチをコノドントや円口類の祖先に奪われたからかもしれません。

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図195-4 メタスプリッギナ

コノドントは19世紀の半ばに歯のような固形物が化石として発見されて以来、どんな生物のものなのか100年以上もさっぱりわからなかったのですが、20世紀の終盤になってようやくアルドリッジらがヤツメウナギと似たような生物であることを証明しました(14、15)。ですからコノドントは歯のことを意味して、その歯の持ち主はコノドント動物と呼ばれる場合も多いようです。

コノドントはヤツメウナギと似た生物ですが大きく違うのはその歯です(図195-5)。歯と言ってもコノドントの場合かみ砕いたりすりつぶしたりするのではなく、石や貝などを吸い込まないようにするためのフィルターのように見えます。従来ヤツメウナギの歯はケラチン、コノドントの歯はリン酸カルシウムと言われてきたのですが、テリルらはX線光電子分析法によってコノドントの歯にイオウが含まれていることをつきとめ、少なくとも部分的にはケラチンが含まれていると推定しています(16)。

コノドントの歯は海底の有機物を飲み込んで栄養源にする生物としては理想的なフィルターと思われ、コノドント動物はヤツメウナギやヌタウナギと同様にペルム紀末大絶滅を乗り越えるという圧倒的な生存能力を発揮しましたが、なぜか三畳紀に絶滅しました。

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図195-5 ヤツメウナギとコノドント

ウィキペディアの絵をみると、ピピスキウスはやはりヤツメウナギに似た感じの生物ですが、アナスピッドはむしろ魚類に似た感じです。円口類はもともと見た目魚類に似たような生物でしたが、臭覚で海底の有機物を探してそれらを吸い込んで栄養を吸収し、視覚で認識した捕食者からは砂に潜ったり、狭い岩の間や穴に隠れてやりすごすという生き方を追求するうちに魚類とは異なる形態に進化し、別のニッチを獲得したということなのでしょう。


参照

1)ウィキペディア:円口類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E5%8F%A3%E9%A1%9E

2)大石康博 ヌタウナギの頭部発生から脊椎動物の頭部形態の進化を読む
神戸大学学術成果リポジトリ
https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/D1005717/

3)Alysha M. Heimberg, Richard Cowper-Sal・lari, Marie Semon, Philip C. J. Donoghue, and Kevin J. Peterson, microRNAs reveal the interrelationships of hagfish,lampreys, and gnathostomes and the nature of the ancestral vertebrate., PNAS, vol.107, no.45, pp.19379?19383 (2010)
https://www.researchgate.net/publication/47499985_MicroRNAs_reveal_the_interrelationships_of_hagfish_lampreys_and_gnathostomes_and_the_nature_of_the_ancestral_vertebrate

4)続・生物学茶話171: ヌタウナギ
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/02/post-73233a.html

5)Tetsuto Miyashita, Michael I. Coates, Robert Farrar, Peter Larson, Phillip L. Manning, Roy A. Wogelius, Nicholas P. Edwards, Jennifer Anne, Uwe Bergmann, Richard Palmer, and Philip J. Currie, Hagfish from the Cretaceous Tethys Sea and areconciliation of the morphological?molecularconflict in early vertebrate phylogeny., Proc Natl Acad Sci USA vol.116, no.6, pp.2146-2151 (2019).
https://www.pnas.org/doi/suppl/10.1073/pnas.1814794116

6)Simon Conway Morris and Jean-Bernard Caron, A primitive fish from the Cambrian of North America., Nature vol.512, pp.419-422 (2014) doi:10.1038/nature13414
https://www.nature.com/articles/nature13414
http://eprints.esc.cam.ac.uk/3073/1/nature13414.pdf

7)続・生物学茶話172:ハイコウエラ
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/02/post-17ba80.html

8)Jun-Yuan Chen, The sudden appearance of diverse animal body plans
during the Cambrian explosion., Int. J. Dev. Biol. 53: 733-751 (2009)
doi: 10.1387/ijdb.072513cj
http://www.ijdb.ehu.es/web/paper/072513cj/the-sudden-appearance-of-diverse-animal-body-plans-during-the-cambrian-explosion-

9)Pei-Yun Cong, Xian-Guang Hou, Richard J. Aldridge, Mark A. Purnell, Yi-Zhen Li, New data on the palaeobiology of the enigmatic yunnanozoans from the Chengjiang Biota, Lower Cambrian, China., Palaeontology vol.58, issue 1 pp.45-70 (2015) https://doi.org/10.1111/pala.12117
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pala.12117

10)Simon Conway Morris, A Redescription of a Rare Chordate, Metaspriggina walcotti Simonetta and Insom, from the Burgess Shale (Middle Cambrian), British Columbia, Canada. Journal of Paleontology vol.82 (2): pp.424–430. (2008) doi:10.1666/06-130.1
https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-paleontology/article/abs/redescription-of-a-rare-chordate-metaspriggina-walcotti-simonetta-and-insom-from-the-burgess-shale-middle-cambrian-british-columbia-canada/070D2759C11CFA7CD52732D996211A20

11)ウィキペディア:スプリッギナ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AE%E3%83%8A

12)Wikipedia: Metaspriggina
https://en.wikipedia.org/wiki/Metaspriggina

13)Evolution News & Science Today: Metaspriggina:Vertebrate Fish Found in Cambrian Explosion
https://evolutionnews.org/2014/08/metaspriggina_v/

14)R.J.Aldrige, D.E.G.Briggs, M.P.Smith, E.N.K.Clarkson and N.D.L.Clark, The anatomy of conodonts., Phil.Trans. R. Soc. Lond. B., vol.340, pp.405-421 (1993)
https://www.academia.edu/25163368/The_Anatomy_of_Conodonts

15)Scotland - the home of geology, Conodont animals from Granton, Edinburgh.,
https://www.scottishgeology.com/geo/scotlands-fossils/conodont-animals-from-granton-edinburgh/

16)D. F. Terrill, C. M. Henderson and J. S. Anderson, New applications of spectroscopy techniques reveal phylogenetically significant soft tissue residue in Paleozoic conodonts., J. Anal. Atom. Spectrom., issue 6 (2018)
DOI: 10.1039/c7ja00386b
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2018/ja/c7ja00386b#!divCitation

 

 

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2022年11月20日 (日)

2022ワールドカップ開幕

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2022ワールドカップ@カタールが本日開幕します。私は普段はラ・リーガのバルサの試合しか見ないので、ドイツや英国でやっている選手が多いJのメンバーはよく知りません。スペイン代表(ラ・ロハ)は一応知っている選手が多いです。普通サッカーのファンは特定のチームのファンなので、ワールドカップのようにチームのためでなく、別の目的で選手を持っていかれるのは不安半分です。特にワールドカップは国威発揚やチームとは異なるいろんな組織・会社の利益のために利用されている感じが嫌ですね。それでもJとスペインは応援しますが。

スペイン代表について言えば、FWにバルサのフェラン・トーレスのようなGK正面にしかシュートしないような選手が選ばれている時点でアウトでしょう。まあ最近はやや改善の兆しはありますが。モラタもオルモもアセンシオも一流とは言えませんし、結局ニコ、ピノ、ファティらの若手に期待することになるのでしょうか? バルサファンとしてはファティは何度も手術した選手で、腫れ物に触るように大事に使っているので、ワールドカップでフル出場したりするのはメチャクチャ怖いです。勘弁してほしい。MF・DFには一流選手がそろっているので、簡単には負けないと思いますが。

日本代表は常識的に考えれば歴史上最強のはずです。プレミアリーグやブンデスリーグで活躍している選手が多いので、チームワークさえうまくいけばそこそこいけるのではないでしょうか。久保も頑張るでしょう。カナダとの練習試合を見ると柴崎も好調のようです。でもなんと言っても、プレーを見たい選手は三笘ですね。スペイン代表にはいってもスタメン張れるでしょう。体調が良からんことを祈りたいです。日本代表もスペインと同じで、MF・DFには一流選手が多いようですね。ただカナダ戦を見ていると、スタミナには不安があります。

個人的感情を抜きにすると、グループEで一番国威発揚してほしいのはコスタリカですね。軍隊を持たない国ですから、国威発揚は青天井でOKです。

優勝予想ということになると、ベンゼマが故障しましたがフランスでしょうか。あとはやっぱりブラジルかな。バルサのクンデやラフィーニャには活躍してほしいです。個人としてはバルサの攻撃を完封したフランス代表のダヨ・ウパメカノ(FCバイエルン所属)をリスペクトしているので応援します。

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2022年11月19日 (土)

ドヴォルザーク:新世界より by 齋藤友香理指揮東京シティフィル@ティアラ江東2022/11/19

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(指揮者変更のため編集)

東京シティフィルの晩秋のクラシック。場所は住吉のティアラ江東です。全席¥3300ということもあって大人気でしたが、なんと指揮者の三ツ橋さんが急病とかで齋藤友香理さんが急遽代役です。さてどんな人なのでしょう?

初めて見るマエストロ齋藤はスケルトン齋藤と呼びたいくらい細身の華奢な女性でした。しかしタクトを握るやピューマに変身。エッジの立った清新で強烈な演奏でした。オケメンをこれだけやる気にさせるという才能も素晴らしい。演奏終了後は皆さん足踏みで絶賛です。ソリストの亀居優斗さん(バセットクラリネット)のモーツァルトも、とっても表情豊かで楽しい演奏でした。

お二人とも初めてだったので、素晴らしい音楽家を二人も発見した素晴らしい1日でした。またシティフィルもプレ演奏会にオーケストラアンコールまで盛りだくさんの演奏を有難うございました。マエストロ三ツ橋のご快復を祈ります。

 

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2022年11月17日 (木)

私のインスタントランチ チヂミ

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購入した時点で、すでに正方形に切れているチヂミ。フライパンにごま油を薄くひいて焼く。これでわかったことは、場所によって思ったより火の通りが違うことです。注意深く焼け具合をみることだけがポイント。

ダイショーの餃子のタレで食べます。フィットしてないかもしれませんが、イタリアンパセリとバナナ添え。

 

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2022年11月14日 (月)

続・生物学茶話194: 円口類

インターナショナルな教育を目的とし、随時改訂される教科書としてウェブサイトに無料公開されているCK-12(1)に採用されている脊椎動物の進化系統図を図194-1に示します。この図に表示されている生物より少し以前に現れた生物であるナメクジウオについては、このブログでもそれなりに突っ込んで議論してきましたが(2-4、6-9)、ここで階段を一つ上がって円口類に進もうかと思います。

円口類というのは学術用語ではないらしく、無顎魚類のうち現在も生きている生物をまとめてそう呼ぶ一般用語のようです。無顎魚類(jawless fish)という学術的な呼び方はヤツメウナギ、ヌタウナギ、それらの祖先を含めて、魚のイメージとはかけ離れた一群の生物も魚類と称するという一種の思想のようなもので、それが適切かどうかはわかりませんがとりあえずそうしておきます。

その無顎魚類ですが、それらしき最も古い化石はカンブリア紀のものが見つかっています(10)。したがってヤツメウナギやヌタウナギは、おそらくシーラカンスなど足下にも及ばないほど太古からの特徴を引き継いでいる生きた化石と言えます。頭索動物・尾索動物から無顎魚類に進化する際にはゲノムの2倍化が起きていて、一気に進化のスピードが増しました(5)。ちなみに無顎類から有顎魚類に進化する際にもゲノムの2倍化が起きています(5)。こうした不連続性があるので、普通に考えれば無顎魚類(円口類)は頭索動物・尾索動物・脊椎動物と同等な分類上のランク(亜門 subphylum)が与えられるべきだと思います。

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図194-1 脊椎動物の進化系統図

円口類と魚類との関係を考えるときに避けて通れないのがコノドントという生物です。コノドントはパンダーが1856年に記載して以来、歯のような堅い構造物しかみつからず、どんな生物か全くわからなかったのですが、1983年に英国エジンバラのグラントンというところで全身の化石が発見され、ようやく歯の持ち主がわかりました(11、12)。サイモン・ネルの本にはこの頃の興奮がかかれてあると思いますが、アマゾンの配送料が\2269(本は\3695)というので読むのは諦めました(13)。現在では全身化石の情報も蓄積されて、ウィキペディアには想像図まで掲載されています(14)。この生物が円口類と近縁であることがわかります。実際ウィキペディアにはヤツメウナギと近縁な生物として系統図も書かれています(14)。すなわち現在の分類学を容認するなら、彼らも当然脊椎動物の一員ということになります。ただ化石に残るほどの脊椎は持っていなかったということです。

歯の化石はカンブリア紀からみつかっているので、コノドントがカンブリア紀にはすでに歯を持って生きていたことは明らかです。おそらく脊椎動物で最初に歯を持った生物です。彼らはその後繁栄してペルム紀末の大絶滅も乗り越え三畳紀まで生き延びましたが、そこで絶滅しました(14)。ヌタウナギやヤツメウナギの祖先は生き延びたのに、コノドントだけがなぜ絶滅したかは謎です。

図194-2はウィキペディアの図(15)をベースにして作成した魚類中心の脊椎動物の系統図ですが、今も生きている円口類の祖先、コノドント、現存魚類の祖先生物がカンブリア紀あるいはそれいぜんにどのような関係にあったかは不明でやむなく?印になっています。脊椎動物系統樹の根元あたりにはこれ以外にも謎の生物がいます。それは翼甲類と甲皮類です(9)。翼甲類は背中に甲羅をしょった無顎の魚のような生物で、ドレパナスピスの化石が国立科学博物館にあります(16)。甲皮類も同様な生物です(17)。これらの生物はデボン紀に絶滅し円口類との関係はよくわかっていないようですが、ヌタウナギよりはヤツメウナギに近いとされています(10)。いずれにしてもも脊椎動物系統樹の根元に近い生物ではあるようです。

円口類を生きた化石と言いましたが、私たち哺乳類がたった一度の大絶滅時代(白亜紀大絶滅)を経験したのに比べると、彼らは5回の大絶滅時代を生き延びたスーパースターであり、また5億年の長きにわたって進化を重ねているので、現在の円口類がカンブリア紀と同じであるわけはありません。多くは海洋と淡水を行き来できるような浸透圧調節システムを獲得しましたし、ある者は魚類や海獣の屍体を食べるのに適した口器を発達させ、粘液をまきちらすという特技を獲得し、また変態によって眼を発生させるという進化も行いました。なかには魚類の皮膚に吸い付いて生活する吸血寄生生物になった者もいます。私たちがまだ知らないさまざまな進化も重ねてきたと思われます。

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図194-2 魚類を中心に見た脊椎動物の進化系統図 2億5千万年前あたりに段差があるのは、ここでペルム紀末の大絶滅があったためです(驚くべきことに円口類は影響を受けていないとされています) ウィキペディアの Evolution of fish の項目に収録されていた図をベースに作成しました。

生物分類学の父であるカール・フォン・リンネの弟子であるペール・カルムは、1747年に北米に調査にでかけるためスウェーデンのエーテボリを出航しましたが、すぐに嵐に出会って、船を修復するためノルウェーのグリムスタッドに何週間も滞在することになりました。暇を持て余したカルムは当地の様々な生物を調査することにしました。そんなうわさを聞きつけた地元の漁師が見たこともない生物を持ってきたのですが、それは地元の漁業者にはよく知られた生物で、網にかかるとお金になる魚を食い荒らし、大量の粘液をまき散らして商品を台無しにする悪者でした。カルムはきちんと記録をとってレポートにしました(18)。

カルムのレポートを読んだリンネはこの生物に Myxina glutinosa (mixa=スライム、gluten=糊)という学名をつけましたが、後に前口動物系の生物だと誤って別の学名に代えたりして失敗しました(18)。最初の学名はいまでもヌタウナギ科の Myxinidae として残されています。日本語では以前はメクラウナギとしていましたが、これは差別用語だとして2007年からはヌタウナギに変更されました(19)。ヌタとは沼とか泥という意味です。英語では hagfish ですが、hag は鬼婆という意味です。

無顎類(円口類)のもうひとつのグループはヤツメウナギで、ヌタウナギが海洋生物なのに対してヤツメウナギは主に淡水に生息する生物です。ただし一時期海洋を回遊する種もあります(20)。ヌタウナギの鰓孔の数は不定ですが、ヤツメウナギは左右に7つづつと決まっていて、眼とあわせてヤツメという名前がつけられました。ドイツ語では Neunauge でココノツメですが、これは鼻の穴も数えてそうなったようです(21)。英語は lamprey で、これはラテン語系の言葉で石をなめるという意味だそうです(22)。図194-3は両者の形態を比較したものです。

ヤツメウナギは水底の有機物を食べるとか書いてありますが、多分魚糞とか藻類とかを食べているのでしょう。変態して成魚になってからはあまり餌も食べないで繁殖行為をおこなったらすぐに死ぬようです。しかし40年くらい生きるという情報もあってはっきりしません。テリトリーも主張しないおとなしい生物ではあるようです(23)。しかしなかには Sea Lamprey(ウミヤツメ) のように、生きた魚に吸い付いて血液を吸い取りながら寄生するような種もあります(24、25)。ヤツメウナギが餌を吸い取るのに適した口であるのに対して、ヌタウナギは立派な歯を持っていて、これで魚の屍体などの肉をこそぎとって食事をします(26、図194-3)。鯨の屍体は大好物のようです(27)。

敵に襲われたときにどうするかは、ヌタウナギとヤツメウナギでは大きく違います。ヌタウナギは全身に多数の粘液排出口を持っていて、襲われると粘液(スライム)を一気に放出します。これが鰓にくっつくと捕食者は窒息してしまいます。ヤツメウナギは立派な鰭をもっていて自由に泳げますし、捕食者に吸い付くことができるので、そうなると食べたくても食べられません。食べるつもりが気づくと自分が食べられているという結果になります(28)。サメもヤツメウナギに食べられるそうです(28)。ヤツメウナギはある意味海洋最強の捕食者かもしれません。

ヌタウナギはヤツメウナギにはない咽皮管(いんひかん、pharyngo-cutaneous duct)という器官を持っています。これは体の左側にしかなく、飲み込んだ余分な水分を排出するためのものです(29)。ヌタウナギは腐肉を食べるので、海底のスカベンジャー(清掃人)として重要な生物です。このような生物を底曳き網で根こそぎさらって殺してしまうというのは、重大な環境破壊です。The IUCN Red List of Threatened Species によると現在約2割の種が絶滅の危機にあるそうです。

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図194-3 ヌタウナギとヤツメウナギの形態 wikimedia commons の図ですが、ヌタウナギの図の原典は Zintzen et al., Hagfish predatory behaviour and slime defence mechanism., Scientific Reports 1 : 131 (2011) DOI: 10.1038/srep00131

図194-3のようにヌタウナギとヤツメウナギは顔相をはじめとしてかなり形態が異なっており、うなぎのように細長い体であることを除いてはあまり似ていなくて系統的に遠いのではないかという疑いが持たれていたわけですが、大石康博らは両者の発生過程を詳細に検討して、非常に似ている発生段階があることを確認し、やはり円口類としてまとめてよいという見解を発表しています(30、31)。確かに文献31の図3をみるととてもよく似ています。両者の祖先が分岐してから4.5億年~5億年経過していると考えられるので(32)、それぞれ独自の進化をとげたとしても不思議ではありません。

実際脳の解剖図をみると成体の脳の形態はヌタウナギとヤツメウナギでかなり異なっています。前者は「The Biology of Hagfishes」という本の図(33)、後者は「Zoology Notes」というウェブサイトの図(34)を元に描いてみました(図194-4)。かなり異なると言っても、同じ哺乳類でもヒトの脳とマウスの脳では大きな形態的な違いがあるので、驚くほどの違いではありません。

単純に眺めてみた印象では、ヌタウナギの方が各部域の境界があいまいで原始的な印象を受けます。ヤツメウナギは松果体を持っており、特に視葉(中脳)が顕著に大きいという特徴があります。両者とも魚類では明確に識別できる小脳は少なくとも形態学的に識別はできません。ヌタウナギの脳が原始的なのか、退化した結果そうなったのか、あるいはむしろ中身は立派なのかはよくわかりません。

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図194-4 ヌタウナギとヤツメウナギの脳の形態

 

参照

1)CK-12 Biology for High School, 12.5 Vertebrate Evolution
https://flexbooks.ck12.org/cbook/ck-12-biology-flexbook-2.0/section/12.5/primary/lesson/vertebrate-evolution-bio/

2)ナメクジウオと脊椎動物の進化
http://morph.way-nifty.com/grey/2008/07/post_ad46.html

3)脳のはじまり3
http://morph.way-nifty.com/grey/2020/08/post-d3e786.html

4)ナメクジウオ
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/01/post-c8b5d8.html

5)沖縄科学技術大学院大学 公開資料 古生代における種間交雑:脊椎動物における全ゲノム重複の真実が明らかに (2020)
https://www.oist.jp/ja/news-center/press-releases/35053

6)頭索動物の脊索
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/07/post-d3842a.html

7)頭索動物の光受容 その1
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/08/post-53d84a.html

8)ナメクジウオの4種の眼
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/08/post-e84af9.html

9)ナメクジウオ脳の部域化
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/08/post-277eea.html

10)ウィキペディア: 無顎類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E9%A1%8E%E9%A1%9E

11)Scotland - the home of geology, Conodont animals from Granton, Edinburgh
https://www.scottishgeology.com/geo/scotlands-fossils/conodont-animals-from-granton-edinburgh/

12)Derek E. G. Briggs, Euan N. K. Clarkson, Richard J. Aldridge, The conodont animal., Lethaia vol.16, Issue 1, pp.1-14 (1983)
https://doi.org/10.1111/j.1502-3931.1983.tb01993.x
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1502-3931.1983.tb01993.x

13)The Great Fossil Enigma: The Search for the Conodont Animal (Life of the Past) Auther: Simon J Knell Indiana University Press (2012)
https://www.amazon.co.jp/Great-Fossil-Enigma-Search-Conodont/dp/025300604X/ref=sr_1_7?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=25MLFN9KGUL5D&keywords=conodont&qid=1668050722&qu=eyJxc2MiOiIyLjc1IiwicXNhIjoiMC4wMCIsInFzcCI6IjAuMDAifQ%3D%3D&s=english-books&sprefix=conodont%2Cenglish-books%2C169&sr=1-7

14)Wikipedia: Conodont
https://en.wikipedia.org/wiki/Conodont

15)Wikipedia: Evolution of Fish
https://en.wikipedia.org/wiki/Evolution_of_fish

16)Hatena Blog: 【古生物紹介】ドレパナスピス
https://prehistoriclifeman.hatenablog.com/entry/2020/09/12/185259

17)樽本龍三郎 魚の系統進化その3 顎のない魚ー甲皮魚類
http://tarumoto.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-ccd3.html

18)The biology of hagfishes., ヨルゲンセンらによる編集 Capman and Hall によって出版 (1998) 現在は Springer Science + Business Media Dordrecht によって出版

19)ウィキペディア: ヌタウナギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8C%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE

20)ウィキペディア: ヤツメウナギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%84%E3%83%A1%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE

21)ドイツ釣りにんげん Neunauge ヤツメウナギ
http://angelnaufjapanisch.blogspot.com/2012/05/neunauge.html

22)Wikipedia: Lamprey
https://en.wikipedia.org/wiki/Lamprey

23)アクアリウム生活 ヤツメウナギの飼育方法:奇妙な生態とは?餌は何を食べるの?
https://aquarium-style.com/1314.html

24)Wikipedia: Sea lamprey
https://en.wikipedia.org/wiki/Sea_lamprey

25)Tronto Japan Magazine 特集記事 水産学博士の雨宮さんが語る、オンタリオの水辺に生息するちょっと変わった魚たち (2014)
https://torja.ca/fish-in-ontario/

26)沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ ヌタウナギの歯がすごい
https://ameblo.jp/numazu-deepdea/entry-12179156249.html

27)マイケル・アランダ クジラの死骸が豊かな生態系を作る
https://logmi.jp/business/articles/121733

28)NWK. World, Hagfish vs Lamprey: 5 Key Differences
https://nmk.world/hagfish-vs-lamprey-5-key-differences-189427/

29)ウィキペディア小見出し辞書: 咽皮管 (いんひかん、英: pharyngeo-cutaneous duct) または 食道皮管(しょくどうひかん、羅: ductus oesophageo-cutaneus)
https://www.weblio.jp/content/%E5%92%BD%E7%9A%AE%E7%AE%A1+%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%AF+%E9%A3%9F%E9%81%93%E7%9A%AE%E7%AE%A1

30)Oisi, Y., Ota, K., Kuraku, S. et al. Craniofacial development of hagfishes and the evolution of vertebrates. Nature vol.493, pp.175–180 (2013). https://doi.org/10.1038/nature11794
https://www.nature.com/articles/nature11794

31)大石康博、太田欣也、工樂樹洋、藤本聡子、倉谷滋 ヌタウナギの頭蓋顔面の発生と脊椎動物の進化
https://staff.aist.go.jp/t-fukatsu/CATNewsVol3NoS2.pdf

32)菅原文昭・倉谷 滋 円口類から解き明かされる脳の領域化の進化的な起源 ライフサイエンス 新着論文レビュー
DOI: 10.7875/first.author.2016.015
http://first.lifesciencedb.jp/archives/12168

33)The Biology of Hagfishes. Chapman and Hall, London (1998) Chapter 29 written by Ronan and Northcutt

34)S. Bhavya, Anatomy of Lamprey., Zoology Notes
https://www.notesonzoology.com/phylum-chordata/lamprey/anatomy-of-lamprey-with-diagram-vertebrates-chordata-zoology/7897

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2022年11月12日 (土)

Alba string quartet @五反田文化センター音楽ホール2022.11.11

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不動前という駅には何十年か前葬儀で来たことがありますが、記憶はほぼとんでいます。その桐ヶ谷斎場のすぐ近くにあるのが五反田文化センター。迷いながらも早めに到着。品川区の施設だそうですが、大変立派な音楽ホールでした。ホワイエも天井が高い上に、たくさんソファがあって、早く着いても困りません。東京文化会館とはえらい違いです。ただひとつ難を言えば、客席の傾斜がややゆるめで後方席は不利な感じがします。自由席だったので、私は最前列に着席しました。

私は都響の会員なのでカルテットを聴くのは年に1回、このアルバSQの演奏会だけです。初心者なので死と乙女はあらかじめYOUTUBEでインテグラSQの演奏を聴いて予習しました。インテグラSQと違ってアルバSQは兼業なので、前半は小形さん(読響)、後半は小関さん(都響)が1Vnを受け持ちます。専業ならあり得ませんが、兼業ならこの方式もありでしょう。兼業とはいえ演奏は大変素晴らしく、戦闘的と感じたインテグラSQよりもやわらかくむしろ親密な印象をうけました。次々に現れるニュアンスの変化が自然に聴衆にはいってくる感じです。

死と乙女の第2楽章は、雰囲気もメロディーもベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章とそっくりで、これはシューベルトも意識していたに違いありません。またこの曲は小関さんが書いているように、タイトルと違って死とは関係がなく、生命力あふれるポジティヴでロマンティックな作品だと思いました。

帰途に空を見上げると煌々と輝く月のそばに火星が寄り添い、周りをオリオン座やシリウス・プロキオンが徘徊するという素晴らしい天体スペクタクルで、まるでアルバSQの演奏会を祝福し、楽しんでいるかのようでした。

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2022年11月10日 (木)

私のインスタントランチ スパゲティ:ボロニア風ミートソース

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MCCのボロニア風ミートソースです。レトルトなので暖めるだけです。セージの葉を細かく切って香りをととのえ、トマトを添えました。

もとの袋の写真は下のようなものです。

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MCCは神戸の調理食品専業メーカーです。私は牛肉はなるべく食べないようにしていますが、これは例外です。どちらかというと肉好きでない人でもおいしくいただける味だと思います。業務用と書いてありますが、アマゾンなどで少量でも買えます。家庭用もありますが、あまりスーパーではみかけません。会社から直接通販しているようです。

http://www.mccfoods.co.jp/domestic/029_002.html

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2022年11月 7日 (月)

最後の NOROJOURNEY

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長年愛用してきた日記帳「NOROJOURNEY」です。コロナまではスケジュール帳として使っていただけなんですが、コロナ禍のなかで自分の行動の記録をつけるべきだと思って、以来本来の日記帳としても使ってきました。

その黒猫NOROが老衰のため20才で他界したということで、この2023年版がおそらく最後のNOROJOURNEYになるのでしょう。黒猫にしてはフォトジェニックで、世界37カ国を旅して各国の風景も楽しませてくれました。検疫などの困難を乗り越えてのことで、著者の平松さんもご苦労なさったと思います。ご冥福をお祈りします。

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2022年11月 5日 (土)

サラの考察18: ザポリージャ原発の危機

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サラ「戦争で最初に被害を受けるのはペットでしょ。ウクライナ戦争でどれだけのペットが捨てられて命を落としたのか悲しい」

私「戦争をはじめるというのは、どんな理由があるにせよ絶対悪だね」

グレチコ「今ザポリージャ原発がとんでもない状況になっているんだ。NHKの報道によると外部からの電源供給が完全に絶たれたらしい」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221103/k10013879991000.html

私「ロシア軍はウクライナ軍の包囲の中で原発を死守しているので、包囲を破ろうとするロシア軍の砲撃が電線を切断したのかな」

グレチコ「非常用のディーゼル発電機を動かす燃料は15日分しかないので、それが切れるとたちまちメルトダウンになってしまう」

私「だってロシア軍が燃料をとどけようとするとウクライナ軍に砲撃されるし、ウクライナ軍は敵に燃料を運ぶわけにはいかないし、一時停戦するしかないと思うけど、そこまで冷静な判断ができるかどうか」

グレチコ「結局最終的にはロシア系住民が多数の地域とウクライナ系住民が多数の地域の間に線を引いて、国家を分割する方向で話を進めなければ解決はできないだろう」

私「地球温暖化問題の2大キーであるアマゾンの森林伐採とシベリアのメタン噴出の問題も人類にとって超重要な課題だよ。アマゾンはボナソーロが負けてとりあえずよかったけど、シベリアの問題はロシアを巻き込んで議論しないと進まないので、今の状況はまずいね」

サラ「人間の利権争いやテリトリー争いは本当に愚かで醜いわね。猫より下等な生物だと思われても仕方ないよ」

私「そういえば日本もロシアを激しく非難していながら、サハリンのガス利権はしっかり確保する方針だっけ」

=====

東京外国語大学・伊勢崎賢治教授の意見

一方的とはいえ民族自決を建前にしている限り、今回のロシアの武力侵攻を、イスラエルがパレスチナ住民にしているような武力による単純な土地収奪 Land grabbing ととらえるのは間違いである。同じ侵略行為でも、戦端を切る法的な建て付けの問題を見ない限り、現行の国際法の根本的な瑕疵への学術的な議論にならない。

ロシアによる先制攻撃を問題にするなら、大量破壊兵器の所在を偽装してまでイラクへの侵攻を正当化した2003年のアメリカの行いと相対化されるべきである。一般市民20万人を犠牲にしたイラク戦争との相対化を避ける法学的議論には、極めて明確な政治的恣意が感じられる。

https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51479#idx-4

 

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2022年11月 3日 (木)

私のインスタントランチ:月見とろろそば

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蕎麦は日本でも有史以前から栽培されていたようで、遅くとも奈良時代には雑穀のひとつとして食べられていたという記録があるそうです。現在ではネパール人と日本人がよく食べる食料のようです。

ゆでて具を入れればすぐ食べられるので、カップ麺でなくてもインスタント料理です。とろろもチューブ入りがありますし、卵を割ってネギとのりを切るというわずかな手間です。

ただひとつ困るのは、関西で育った人間には東京のそばつゆはどうしても塩辛くこいくち醤油の風味なので、つけ蕎麦はともかく、かけ蕎麦のつゆとしては受け入れられません。かと言って関西風のうどんつゆで食べるのも、蕎麦とはマッチしない感じがします。なので私は関東風のつゆと関西のうどんつゆの素を1:1でまぜます。ここではトップバリューのオーガニックそばつゆ半量とヒガシマルのうどんつゆの素半量でつくりました。

 

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2022年11月 1日 (火)

続・生物学茶話193: 脳の老廃物廃棄システム

21世紀になって2光子顕微鏡という新しい技術が開発され、形態学に革命が起きました。この顕微鏡の原理は量子力学に無知な私には全くわかりませんが、1931年にゲッペルト=マイヤ-という人がその可能性を述べているそうです。藤崎久雄が量子力学的原理をスキップして説明してくれているので、彼の論文の一節を引用すると「2光子顕微鏡は、1個の蛍光色素分子が1光子励起の場合の吸収波長の2倍の波長の光子2個を同時に吸収して光子エネルギーの2倍の準位に励起され、励起光波長の1/2より少し長い波長の蛍光を発する2光子励起という現象を利用する」(1)ということだそうです。

2光子による励起は非常に光子密度が高い状態で起こる現象なので、集光点近傍でしか起きません。このことはバックグラウンドを低くおさえることができるという利点があります。一方で必ず起きる1光子励起に対して、2光子励起は偶発的に起こるので絶対的解像度は普通の蛍光顕微鏡に比べて劣るということになります。

2光子励起は集光点近傍だけでおきるので、集光点の深度を変えて撮影しコンピュータで処理すれば立体的な画像が得られます。また赤外線によって励起を行うので試料を透過しやすく、現在では1.6mmくらいの深部まで見ることができるようです(2)。このことはサンプルを薄切せず、生きたままの生物の内部を観察できるということを意味します。また励起が集光点近傍だけで起きるとということは、図193-1(脳科学辞典参照2からの引用、赤字と点線は管理人の脚色です)の青い鼓型シェードの部分全体で発生する蛍光の影響を受けないことだけでなく、自家蛍光によるバックグラウンドを低く抑えられるという利点があって、この意味でも革命的な技術といえます。

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図193-1 2光子顕微鏡

話は変わりますが、少し前まで脳にはリンパ系の組織がないとされていました。他の体の部分は常にリンパ管を介してリンパ液が流れており、老廃物を洗い流しています。この流れは筋肉によっておきるので、筋肉がない脳にリンパ系の組織があっても機能しないでしょう。それでも老廃物は出るので、何らかの方法で排出しなければなりません。この謎はなかなか解けませんでした。そして解明の糸口が見つかったのは21世紀になってからで、先鞭をつけたのはイリフらのグループでした。彼らは2光子顕微鏡を用いて、マウスに投与した蛍光物質の動態を観察しました(3)。

彼らはまず脳実質と髄膜の間にあるマウスの Cisterna magna(後小脳延髄槽)にトレーサーとなる蛍光物質を注入し、30分後には脳室をはじめとする脳全体に広がることを確認しました(蛍光物質の分子量によってその速度は異なる 分子量3000の TR-d3 で50%程度の領域に確認)。そして頭蓋骨に穴を開け2光子顕微鏡を使って、脳表層から100μmくらいの脳内部の蛍光物質の分布を観察しました(図193-2)。

自分の経験から言うと、血液にはかなり自家蛍光があってトレーサーによる蛍光観察は困難と思っていましたが、この2光子顕微鏡による観察、特に図193-2DEなどでは、血管が黒くみえて自家蛍光が非常に低いことがわかります。そして目的のトレーサーはDをみると、動脈(赤点線)の周辺にみられることがわかります。静脈(青点線)の周囲にはトレーサーの発光がみられません。このことは後小脳延髄槽に注入したトレーサーが動脈の血管周囲腔(PVS)を伝って脳全体に広がっていることを示唆します。血管周囲腔は細胞のまわりの間質液と直接つながっており、脳脊髄液の通路ともつながっているので、この経路で脳の老廃物が排出されることが推定されることになりました。そしてその流れの動力となるのが動脈の脈動であることもこの論文は示唆しています。図193-2Lはアストログリア細胞が血管周囲腔を介して血管と接触していることを示しています。

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図193-2 2光子顕微鏡によるトレーサー実験

脳の老廃物廃棄システムを考える上でもうひとつ重要なのは、脳脊髄液とリンパ系の関係なのですが、その前に脳脊髄液の産生についてみておきましょう。発達した脳を持つ生物は通常脳内に細胞がない脳室という液体に満たされたプールのような部分があり、こことつながる液体の領域が老廃物廃棄システムの主役であることは容易に想像できます。

ヒトの場合脳の深部に位置する2つの側脳室・第3脳室および小脳の近傍にある第4脳室にある脈絡叢という部分で脳脊髄液が作られます(4、図193-3)。脈絡叢は窓空き型の毛細血管と上皮細胞からなり、この上皮細胞は毛細血管から血液成分を取り込んで脳脊髄液を反対側の脳室方向に分泌します(4)。したがって原材料は血液ですが、脳脊髄液では血球は排除されることになります。脳弓・視床・脳梁・小脳などは常に新鮮な脳脊髄液に浸されていることになり、これらの部域が生命にとって重要であることが想像されます。

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図193-3 脳脊髄液は脳室の脈絡叢でつくられる

なんらかの理由で脳脊髄液が過剰になると人も動物も水頭症という脳圧が高まる病気になります(5)。このことは脳脊髄液がなんらかのバリアを通過してゆっくりとリンパ系に出て行くことを意味しています。どこからどのように出て行くのでしょうか?

この質問に対する回答は、2015年にアスペルントら(6)とルーヴォーら(7)の2つのグループによって独立に発表された論文で行われました。ルーヴォーらの論文とウィキペディアの図(8)によって説明します(図193-4)。彼らの研究によって脳実質を覆う髄膜(外側から硬膜・くも膜・軟膜)にリンパ管が存在することが証明されました。なぜこのような基本的な知見が得られていなかったというと、リンパ管の内皮細胞の特異的マーカーが報告されたのが21世紀になってからだったという事情があるようです(6)。ともあれ脳の間質液・脳脊髄液とリンパ管が髄膜内でつながっていることが明らかになりました。そして髄膜のリンパ管は鼻粘膜を経由して首のリンパ管に接続していることも明らかになりました(7)。

これらのことから、脳の老廃物は体の他の部分と同様にリンパ管をつかって排出されていることがわかりました。また脳が独自の免疫系をもっているのではなく、通常の免疫システムによって保護されていることも示唆されます。

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図193-4 脳脊髄液とリンパシステムの接点

イリフやネーダーガードらはさらに詳細な研究を重ねて、リンパ系と脳脊髄液が共同して老廃物の排出や免疫を行うシステムをグリンファティックシステム(glymphatic system)と呼んでいます(9-11、図193-5)。まとめると、脳室の脈絡叢で産生された脳脊髄液は髄膜の動脈周囲の領域を伝わって脳表層全体に拡がります。その動脈が脳実質に入り込むときに、動脈周囲腔の脳脊髄液も内部に入り込み、動脈の脈動を利用して脳細胞の間隙にある脳間質に浸透し間質液となります。間質液は排出される老廃物をともなって移動した後静脈周囲腔を伝わって脳の表層方向に移動します。そして静脈が表層の髄膜に入ったときに間質液はリンパ管に取り込まれます。リンパ管は鼻粘膜を通って首のリンパ系に老廃物を輸送し、リンパ系の細胞によって分解処理されるというわけです。興味深いことに、このような脳の清掃システムは主に睡眠中に稼働しているそうです(10)。

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図193-5 グリンファティックシステム

当初はこのグリンファティックシステムのアイデアには多くの批判があったようですが、その多くは実験動物を殺してから切片をつくるという旧来の研究法によるアーティファクトが原因だとネーダーガードらは主張しています(10)。動物を殺した瞬間に動脈の脈動も止まり、結果に大きな影響が出るのです。2光子顕微鏡やMRIによる生きたままの生物を観察する手法によってはじめて実態が明らかになりました。現在ではいろいろ反論はあるものの、イリフやネーダーガードらの主張は多くの脳科学者に概ね受け入れられているようです(12、13)。参照12のレビューは27の研究機関に所属する研究者が著者になっていてます。脳の老廃物の問題はアルツハイマー病をはじめとして、さまざまな疾病に関与すると思われるので、少なくともグリンファティックシステムの考えをたたき台にして、これから進展していくのでしょう。

参照

1)藤崎久雄 ビデオレート2光子顕微鏡
生物物理 vol.40, no.3, pp.195-198 (2000)
file:///C:/Users/Owner/Desktop/193/%EF%BC%92%E5%85%89%E5%AD%90%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1%EF%BC%88%E8%97%A4%E5%B4%8E%EF%BC%89.pdf

2)脳科学辞典 2光子顕微鏡
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/2%E5%85%89%E5%AD%90%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1

3)Jeffrey J. Iliff, Minghuan Wang, Yonghong Liao, Benjamin A. Plogg, Weiguo Peng, Georg A. Gundersen, Helene Benveniste, G. Edward Vates, Rashid Deane1, Steven A. Goldman, Erlend A. Nagelhus, and Maiken Nedergaard, A Paravascular Pathway Facilitates CSF Flow Through the Brain Parenchyma and the Clearance of Interstitial Solutes, Including Amyloid β., Sci Transl Med. vol.4(147): 147ra111.(2012) doi:10.1126/scitranslmed.3003748
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22896675/

4)Wikipedia: Choroid plexus
https://en.wikipedia.org/wiki/Choroid_plexus

5)あいむ動物病院 動物の病気 水頭症
https://www.119.vc/illness/archives/5

6)Aleksanteri Aspelund, Salli Antila, Steven T. Proulx, Tine Veronica Karlsen, Sinem Karaman, Michael Detmar, Helge Wiig, and Kari Alitalo, A dural lymphatic vascular system that drains brain interstitial fluid and macromolecules., J. Exp. Med., Vol.212, No.7 pp.991–999 (2015)
www.jem.org/cgi/doi/10.1084/jem.20142290
file:///C:/Users/Owner/Desktop/193/Aspelund%20JEM.pdf

7)Antoine Louveau, Igor Smirnov, Timothy J. Keyes, Jacob D. Eccles, Sherin J. Rouhani, J. David Peske, Noel C. Derecki, David Castle, James W. Mandell, S. Lee Kevin, Tajie H. Harris, and Jonathan Kipnis, Structural and functional features of central nervous system lymphatics., Nature., vol.523(7560): pp.337–341 (2015)
doi: 10.1038/nature14432
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4506234/

8)ウィキペディア:髄膜
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%84%E8%86%9C

9)Jeffrey J. Iliff and Maiken Nedergaard, Is there a cerebral lymphatic system? Stroke., vol.44(6 0 1): S93–S95. (2013) doi:10.1161/STROKEAHA.112.678698
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23709744/

10)Humberto Mestre, Yuki Mori, Maiken Nedergaard, The brain’s glymphatic system: current controversies., Trends Neurosci., vol.43(7): pp.458–466. (2020) doi:10.1016/j.tins.2020.04.003
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32423764/

11)Lauren M. Hablitz and Maiken Nedergaard, The Glymphatic System: A Novel Component of Fundamental Neurobiology., The Journal of Neuroscience, vol.41(37): pp.7698–7711 (2020)

12)Tomas Bohr, Poul G. Hjorth, Sebastian C. Holst, Sabina Hrabetova ́ , Vesa Kiviniemi, Tuomas Lilius, Iben Lundgaard, Kent-Andre Mardal, Erik A. Martens, Yuki Mori, U. Valentin Na ̈ gerl, Charles Nicholson, Allen Tannenbaum, John H. Thomas, Jeffrey Tithof, Helene Benveniste, Jeffrey J. Iliff, Douglas H. Kelley, and Maiken Nedergaard, The glymphatic system: Current understanding and modeling., iScience 29, 104987, September 16, (2022)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36093063/

13)毛利拡 脳を司る「脳」 講談社ブルーバックス B-2157 2020年刊

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2022年10月30日 (日)

サラの考察17: クッションを死守

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サラ「これ使っちゃダメだよ 私のだから」

私「えええ そんな。もっとふかふかのがあるだろう」

サラ「このさらさらした感じがいいの」

私「えええ もっと猫らしくコタツで丸くなれば! 風邪ひくよ」

サラ「私は私らしくでいいの」

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2022年10月28日 (金)

まだあと1ヶ月はベランダで過ごすサボテン

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このサボテンも2008年のブログに写っているのでかなり古株です。
http://morph.way-nifty.com/grey/2008/12/post-88f1.html

マミラリアという品種のようです。サボテンは小さいうちは水とか日当たりとか大変ですが、ある程度生長するとたまに水さえやって陽が当たる場所に置いておけば、放置で大丈夫な植物です。

ただこの株はいろいろあって主幹を切断することになってしまい、これは残った幹です。枯れてしまうかと思ったら意外に生命力が強くて、ボコボコと新しい幹が出てきています。これからどうなっていくのでしょうか?

サボテンは寒さには強い植物ですが、さすがに氷点下になるとまずいので、私は12月から2月は室内に入れることにしています。冬は動物で言えば冬眠したような状態になるので、水も2週間に1回くらいになります。ですからリビングのような暖かめの部屋はダメで、寝室の窓際あたりが冬越しには適していると思います。私は寝室の冷暖房はほぼしません。

 

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2022年10月26日 (水)

私のインスタントランチ ペペロンチーノ

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青の洞窟のペペロンチーノソースを使ったパスタ。鮭ほぐしとオーガニックベビーリーフをアソート。

香草とにんにくチップはソースに別袋で付いています。私は薄味好きなので少し塩辛く感じます。これならパスタ(バリラ1.7mm)は無塩で茹でるべきだったかも。

 

 

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2022年10月25日 (火)

都響-準・メルクル ムソルグスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」@東京文化会館2022/10/24

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11月の都響は初台にはりついてオペラのお仕事なので、このコンサートのあとはしばしのお別れです。薄ら寒いなか上野の東京文化会館にやってきました。今日の指揮者は準メルクル、コンマスはボス矢部、サイドはマキロンです。最近のボス矢部はステージで鎮痛剤を飲むようなこともなく、健康を取り戻して絶好調だそうです。都響の近況としては、最近デイヴィッド・メイソンというヴィオラ奏者が加入しました。彼は達人である上に演奏している姿が絵として素晴らしく、トロンボーンの髙瀨新太郎につぐすごい補強だと思います。オーケストラといえども、聴衆のテンションを上げるうえでビジュアルは意外に重要だと思います。

最初は細川さんの現音で渦という曲ですが、まあ軽井沢のはずれで秋の自然に触れるような音楽。自然にはメロディもリズムもないのでこういう感じかも。ただそれを実行するには旅費・宿泊費がかかるので、文化会館で体験できるのには意味があるかもしれません。自然の音はサラウンドなので、本当は客席が中央で周りで演奏するのがベストかもしれませんが、そういう意味ではテニスコートに客を入れて観客席でオケが演奏するのが良いのかもしれません。

プロコフィエフのVn協奏曲はなんと言ってもソリスト五明佳廉のヴァイオリンの音ですね。あまたのストラディバリウスのなかでもとびきり柔らかい夢のような響きです。この曲は若い頃の作品で、あまりとんがってなくてロマンチックなのがいいです。それでも過去の作曲家の作品とは全く似ていないと思います。こんなすごい楽器を手に入れた演奏家は、この楽器のための人生を送らざるを得なくなるのでしょうが、それはきっと幸福なことです。

休憩後の「展覧会の絵」はラヴェルの編曲が圧倒的に素晴らしい曲で、しかもメルクル都響の面目躍如で素晴らしい演奏でした。ただ今日の都響は、多分すべての管楽器にエキストラを入れていて、これで都響といえるのか?? という疑問がわいてきました。ひょっとすると他のオケとの合併を水面下で画策しているのでしょうか?

 

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2022年10月21日 (金)

続・生物学茶話192 カリウムチャネル

カリウムチャネルはナトリウムチャネルやカルシウムチャネルに比べて生物進化のなかで古くから存在すると言われています(1)。そしてその研究もイオンチャネルのなかでは最も早くから進み、ロデリック・マキノンは細菌のカリウムチャネルの構造をX線結晶解析によって1998年に解明し、2003年にはノーベル化学賞を受賞しました(2、図192-1)。

カリウムは皆様ご存じのように、周期律表をみればナトリウムよりひとまわり大きな原子なので、チャネルのイオンフィルターがカリウムを通過させてナトリウムを通過させないというのは謎でしたが、構造が解明されることによってその理論的な裏付けがとれました(3)。基本的にはカリウムはまわりのカルボニル基のマイナスイオンから均等な位置をとれますが、ナトリウムは片側に吸着されるという差があるようです。そういうわけでナトリウムはカリウムの1000分の1くらいしか通過しないとされていましたが、最近の研究によって80分の1くらいは通過することがわかりました(4)。

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図192-1 マキノンと電位依存性カリウムチャネルの立体構造

カリウムチャネルについては脳科学辞典にわりと詳しい解説があって、初心者もはいっていきやすくなっています(3)。大別するとこのチャネルの核心部を形成するαサブユニットには3つのタイプがあり、最もシンプルなものは2カ所の膜貫通部位とひとつのポア構成部位をもつ2TM(transmembrane)型で、このタイプは4つの分子が集合してイオン通過ポアを構築します(図192-2左)。ふたつめは4カ所の膜貫通部位を持ち、ふたつのポア構成部位をもつ4TM型で、この分子は2個でひとつのイオン通過部位を構築することができます(図192-2中央)。Two-pore domain potassium channel とも呼ばれています。ここで主に取り扱いたいのは最も一般的な図192-2右に示したタイプで、6つの膜貫通部位を持ち、ひとつのポア構成部位を持つ6TM型です。

6TM型はポアから離れた位置にあるN末側の4つの膜貫通部位が電位センサーとして機能し、C末側の2つの膜貫通部位がポア構成部位となります。4分子が集合してひとつのイオン通過ポアを構築します(図192-2右)。基本的には電依存性チャネルですが、一部の6TM型は電位依存性は持たないで、脱分極ではなくカルシウムによって活性化されるチャネルとして機能するものもあります(3)。哺乳類は2TM・4TM・6TMのすべてのタイプのカリウムチャネルを持っており、細菌の時代から生物進化の過程で構築されてきた分子型をすべて廃棄せず保有していることになります。しかもそれぞれのタイプにはさらに細かいバラエティーがあり、膨大な分子集団が多様な仕事をしていてまだ不明な点も多いようです(3)。

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図192-2 さまざまなタイプのカリウムチャネル

イオン通過ポアの開閉はダイナミックな分子構造の変化によって行われるようで、特にオープン時の細胞質部分にみられる分子が傘が開くように構造変化する様子には驚かされます(5-7、図192-3)。ただすべてのカリウムチャネルの開閉がこのように行われるとは限らないようで、チャネルの種類によってメカニズムは多様で、βサブユニットの関与もあるようです(3)。

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図192-3 カリウムチャネル開閉時の立体構造

図192-4はカリウムチャネルから派生した分子群の系統図で、これらのほとんどがヒトにも存在するということには驚かされます(6、7)。ナトリウムチャネルやカルシウムチャネルもカリウムチャネルから派生した分子群ですが、これらが神経伝達や筋収縮のキープロセスを担っていることはもちろんですが、この親戚筋にあたる図の緑系の分子群は精子のCatSperだけでなく、痛覚・味覚・温度感知・血圧・視覚などに関与する TRP(transient receptor potential channel) も含みます(8)。

赤・橙・ピンクで示されている分子群がいわゆるカリウムチャネルを構成しています。カリウムチャネルの最も一般的な役割は、電位依存性カリウムチャネルが担っている脱分極した細胞をカリウムイオンを放出することによってもとの静止電位にもどすことですが、Inwardly Rectifier K+ channels (または Inward-rectifier potassium channel)はカリウムを取り込む(回収する)役割を担っています。

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図192-4 カリウムチャネルファミリーの分子系統

電位依存性カリウムチャネルの種類・機能・分布について、脳科学辞典の記載のほかいくつかの文献を参考にリストアップしてみました(3、9-12、図192-5)。まだよくわかっていないことも多いようです。興奮性の制御とはカリウムを放出して脱分極した細胞を静止電位にもどすことですが、カリウムを出したままでは困るのでいずれ取り込まなければいけません。この作業は主に2TM型のKirという分子が担っているようです(図192-2、192-4)。

このほかにも Two-pore domain型やカルシウムによって活性化されるタイプなど、アイソフォームを含めると非常に多くの種類のカリウムチャネルがあり、詳しい研究が行われていないものも多いようです。

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図192-5 電位依存性カリウムチャネルのアイソフォームとその性質

最後にペンシルベニアのジグラらの興味深い仮説を紹介しておきましょう。カリウムチャネルはもともとショウジョウバエのシェイカー変異をもたらす遺伝子の産物として注目され、同じ6TMタイプであることから、植物のカリウムチャネルもプラントシェイカータイプと呼ばれていましたが、彼らは分子構造の詳細から見て植物のチャネルは動物のシェイカー型とは全く異なる出自であることを示しました(13)。

特に興味深いのは、彼らの図によると動物(メタゾア)は細菌由来と古細菌由来のチャネルを保有していますが、植物は細菌由来のものだけを保有していることになっています(図192-6)。これが真実であるとするならば、ウィルスによる遺伝子の水平伝播ということも考えられるでしょう(14)。

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図192-6 カリウムチャネルの進化

参照

1)Peter A.V. Anderson and Robert M.Greenberg, Phylogeny of ion channels: clues to structure and function., Comparative Biochemistry and Physiology Part B: Biochemistry and Molecular Biology vol.129, issue 1, pp.17-28 (2001)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1096495901003761?via%3Dihub

2)ウィキペディア:ロデリック・マキノン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%B3

3)脳科学辞典:カリウムチャネル
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

4)Kenichiro Mita, Takashi Sumikama, Masayuki Iwamoto, Yuka Matsuki, Kenji Shigemi, and Shigetoshi Oiki, Conductance selectivity of Na+ across the K+ channel via Na+ trapped in a tortuous trajectory., Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol.118, no.12, e2017168118 (2021)
https://doi.org/10.1073/pnas.2017168118
https://www.pnas.org/doi/epdf/10.1073/pnas.2017168118

5)Jiang, Y., Lee, A., Chen, J., Cadene, M., Chait, B.T., Mackinnon, R., Crystal Structure and mechanism of a calcium-gated potassium channel, Nature vol.417: pp.515-522 (2002) DOI: 10.1038/417515a
https://www.nature.com/articles/417515a

6)Educational portal of  PDB (PDB-101)
https://pdb101.rcsb.org/motm/38

7)Wikipedia: Potassium channel
https://en.wikipedia.org/wiki/Potassium_channel

8)Wikipedia: Transient receptor potential channel
https://en.wikipedia.org/wiki/Transient_receptor_potential_channel

9)澤田光平,日原裕恵,吉永貴志  電位依存性イオンチャネル探索研究における蛍光および電気生理学的高速スクリーニング(HTS)法
日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)126,321~327(2005)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/126/5/126_5_321/_pdf

10)Yuanzheng Gu, Dustin Servello, Zhi Han, Rupa R.Lalchandani, Jun B. Ding, Kun Huang, Chen Gu, Balanced Activity between Kv3 and Nav Channels Determines Fast-Spiking in Mammalian Central Neurons., iScience, vol.9, pp 120-137 (2018)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30390433/

11)H. Ying; D. J. Ramsey; H. Qian, The Potassium Channel kv12.1 Is an Interactor for the Go Subunit in Mammalian Retina.,
Investigative Ophthalmology & Visual Science., Vol.49, 1289 (2008)

12)Guo, J., Cell Surface Expression of Human Ether-a-go-go-Related Gene (hERG) Channels is Regulated by Caveolin-3 via the Ubiquitin Ligase Nedd4-2., The Journal of Biological Chemistry, 287(40), 33132-33141 (2012)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22879586/

13)Timothy Jegla, Gregory Busey, and Sarah M. Assmann, Evolution and Structural Characteristics of Plant Voltage-Gated K+ Channels., The Plant Cell, vol.30: pp.2898–2909 (2018)
http://www.plantcell.org/cgi/doi/10.1105/tpc.18.00523
file:///C:/Users/Owner/Desktop/192/Plant%20potassium%20channels.pdf

14)Gerhard Thiel, Anna Moroni, Guillaume Blanc, and James L. Van Etten, Potassium Ion Channels: Could They Have Evolved from Viruses? Plant Physiology, vol. 162, pp.1215–1224 (2013) http://www.plantphysiol.org/cgi/doi/10.1104/pp.113.219360
file:///C:/Users/Owner/Desktop/192/Kion%20channel%20Thiel.pdf

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2022年10月18日 (火)

サラの考察16: 冬に備えて

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これはサラが自主的にハウスに入居したのではなく、冬に備えて暖かいハウスになれてもらうために私が運んだのですが、サラは意外にもすぐには移動せず首だけだしてしばらくくつろいでいました。でもやっぱりここを住処とすることはなく、1時間くらい経つと出て行って私の座椅子に落ち着きました。人間が良かれと思って用意した場所をサラが気に入ることはほとんどありません。

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サラ「私は閉所恐怖症だけど、首が外に出ているとちょっぴり安心かも」

私「もうすぐ冬だけど、それじゃ困るよね。ミーナはよく布団にもぐっていたけれど、サラはどうするんだい」

サラ「こたつくらいの広さがあればギリ大丈夫なのよ」

私「じゃあそろそろコタツを出すとするかな」

植物の冬支度も必要です。ベランダの植物で一番寒さに弱いのはコーヒーで、もうそろそろ限界で取り込まなければいけません。うちに来て5年目ですが花は咲かず実もつけません。ガジュマルとサボテンは20年以上うちにいますが、彼らはあと1ヶ月くらいは外で大丈夫です。

家に取り込むには、ガジュマルは超重量級なので腰痛に注意しなければいけませんが、それよりも家の中に場所を確保するのが大変です。もうそろそろ限界かもしれません。もらってくださる方がおられたらコメントください(コメントしても内容が直ちに表示されることはありません。個人情報が含まれる場合表示はいたしません)。もちろん無料ですが、私の家までクルマでとりにきていただく必要があります。冬には陽が当たる室内に1.5mx1.5mくらいのスペースが必要です(12月~2月)。20年も経てば本来は大木になっているはずの木ですが、うちのは盆栽化しています。

写真:http://morph.way-nifty.com/grey/2019/10/post-847354.html

 

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2022年10月15日 (土)

木星大接近

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私は特に星に興味は無いので普通に夜空を見上げるだけなのですが、木星が非常に明るいので人に聞いてみたら、地球と木星が大接近しているそうで、なんと手持ちのコンデジで撮影できるほどです。次の大接近は12年後だそうで気がついて良かったと思います。

https://turupura.com/new/2022/2209_99.html

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木星はとても人が住めるような星ではないのですが、衛星が80個もあってそのなかにはエネルギ-と水さえ確保できれば住める場所があるかもしれません。この写真に写っている衛星はイオとエウロバだそうです(パブリックドメイン)。

そんな毒にも薬にもならないことを書いていたら、1ドル=148円というニュースが耳に入ってきました💥。

昨今非常に腹立たしいのはリフレ派に日銀が乗っ取られていることで、異常な円安になっても何もできない彼らは日本にとって害虫でしかありません。これは晋三の負の遺産の最たるものです。野口悠紀雄氏(一橋大学名誉教授)はこう言っています「円安によって自動的に輸出企業は儲かるため、企業は技術開発したり、新しいビジネスモデルを構築してこなかった。だから、日本経済の体力が衰えたのです。そして、足腰が立たない状態になった」そもそも金融緩和はすべきではなかった?「もちろんそうです。大企業や株式を所有している人にとってはプラスでも、国民の大半を占める働く者にとっては良くなかった。賃金が上がらず、物価だけが上がってしまっている。日銀は大企業の利益を重視し、働く者を無視してきました」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/312110

リフレ派はとっくに学派ではなく、国家の中枢で政策を実行している責任者であり、失敗すれば当然責任をとるべきです。



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2022年10月13日 (木)

デジタル・ファシズム

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デジタル・ファシズム 堤未果著 NHK出版新書 2021年刊

マイナンバーカードと健康保険証・運転免許証・その他資産などの個人情報を統合しようとする試みが急ピッチで進行しています。これはまさしく堤未果が警告していたようなデジタルファシズムの暗雲が日本を覆い尽くそうとしているのでしょう。

この様な試みは中国のような全体主義国家だけでなく、米国でも1970年代から進められています。当時の米国は不況で貧困者が増え援助が必要な状況でしたが、富裕層からは福祉予算に対する反発が激しい状況でした。堤未果によると、それを解決するために編み出されたのが、援助受給者の個人データをデジタル化して整理するという試みでした。これは不正受給を防止するという錦の御旗があったので、徹底的に推進されました。

しかしその結果、社会保障番号-名前-住所-年齢-顔写真-家族-資産-病歴-勤務先-勤務先での評価、そしておそらく現在ではアマゾンでどんな本を買ったか、グーグルでどんな検索をしたか、フェイスブックやインスタでどんな人と付き合いがあるのかなどもデータベース化され、その人に関する家族や友人も知らないような個人情報が政府に集められるわけです。

こんな社会でいいのか という判断はまだかすかに主権者にあると思いますが、それも風前の灯火のような気がします。

《きっこ》さんの発言 ↓

自民党政権は「マイナカードは義務や強制ではない」と断言して導入したが、管理する政府に信用がないため加入が進まず、ポイントで釣っても未だ49%の加入率。すると今度は「2024年までに紙の国民健康保険証を廃止してマイナカードに一元化する」という事実上の義務化。これを世間では「詐欺」と言う。

 

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2022年10月11日 (火)

続・生物学茶話191: 電位依存性カルシウムチャネル

前回の続・生物学茶話190では電位依存性ナトリウムチャネルをとりあげましたが、そのなかでこのツールはもともと細菌では鞭毛形成に使われていたという説を紹介しました(1)。電位依存性カルシウムチャネルについても、私たちは筋収縮のトリガーとして、またはシナプス前細胞が化学伝達物質を放出するトリガーとして使っていますが、細菌は筋肉もシナプスもないにもかかわらずこの特殊なチャネルを保持しているわけです。細胞質イオン環境のホメオスタシス以外にもなんらかの役割があるのかもしれません。

鞭毛を動かすにはプロトンモーターやナトリウムモーターが知られていましたが、最近になってカルシウムやマグネシウムを使って鞭毛を駆動する細菌がみつかりました(2、3)。カルシウムチャネルはナトリウムチャネルと極めて近い関係にあり、わずかなアミノ酸配列の変化があるだけなのですが、それがどのような役割を持って細菌→古細菌→単細胞真核生物と引き継がれてきたかはまだまだ謎めいています。

単細胞の真核生物も筋肉や神経を持っていないわけですが、彼らも細菌と同様、電位依存性カルシウムチャネルを鞭毛運動に利用していました。昔からゾウリムシが障害物にぶつかると繊毛の打ち方を変えて後方に泳ぐことについて、脱分極とカルシウムの流入がかかわっていることが知られていましたが(4)、藤生(ふじう)らはクラミドモナスを用いて、電位依存性カルシウムチャネル Cav2 が鞭毛の打ち方を制御することを証明しました(5)。カルシウムチャネルは私たちの精子の活動にも、おそらく深く関わっていると思われます(6)。

原核生物の電位依存性カルシウムチャネルの系譜は下村らによって詳しく調査されています(7、8)。カルシウムチャネル(CavMr)はバチルス系のナトリウムチャネルと近縁な AnclNav と彼らが名付けたグループから派生したようです(図191-1)。下村らはAnclNav グループは,我々ヒトも含めた多細胞生物の Nav や Cav の先祖型の特徴を保持したチャネルである可能性が高いと考えています(8)。

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図191-1 細菌におけるナトリウムおよびカルシウムチャネルの分子系統樹(下村らによる)

CavMr は電位依存性ナトリウムチャネルとよく似た構造で、6つの膜貫通部位を持った分子4個で構成され、カルシウムチャネルの場合イオンを選択するフィルターを構成している部分のアミノ酸配列の4番目の位置にグリシンがあることがキーポイントのようです(7、図191-2)。

ヒトの Cav は4ドメインの1分子型ですが、図191-2のようにドメインIとドメインIIIは4番目がグリシンで、CavMr に似た配列がみられます(7、8)。

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図191-2 イオン選択フィルター部位のアミノ酸配列

図191-3は1ドメインx4型の電位依存性ナトリウム・カルシウムチャネルの進化的系譜を示しています(9)。この型の遺伝子が2回タンデムな重複を繰り返すことによって4ドメインx1型のチャネル分子が形成されたと考えられています(図191-3A)。

しかし生物全体を見渡すと、図191-3Bのようにメジャーなのは1ドメインx4型であり、植物を含む真核生物のさまざまなスーパーグループにまたがって原核生物の遺伝子が受け継がれていることがわかります(見にくいですがクリック拡大してご覧ください)。

哺乳類精子で鞭毛の動きを制御しているのもこの1ドメインx4型で(10)、この古い型のチャネルを私たちも捨てずに保存しています。おそらく重複した後、4ドメイン型とは別々に進化したのでしょう。古い型といっても細菌からひきついだものですから、長い年月の内にカチオンチャネル複合体という高度に組織化されたチャネルに進化していることが最近報告されました(11)。私たちは精子だけでこのチャネルを使っているようです。

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図191-3 1ドメイン4分子型カルシウムチャネルの分子系統樹

4ドメインx1型のカルシウムチャネルはオピストコンタに含まれる生物(菌類、襟鞭毛虫、メタゾア=動物)にみられます(11、図191-4)。S.pombe や S.cerevisae は酵母で、これらが持つのは Nav ですがメタゾアのカルシウムチャネルのルーツとみられています(12)。ですからメタゾアのカルシウムチャネルはカルシウムチャネルとして細菌から受け継いだわけではありません。

平板動物(Placozoa)や海綿動物 (Polifera) は神経系をもっていませんが、カルシウムチャネルは保持しています。特に平板動物は3つのタイプの分子種をすべて保持しています(12)。このことはもともと4ドメインx1型のカルシウムチャネルが神経伝達のために生まれてきた分子ではなく、刺胞動物 (Cnidaria) 以降の動物が流用したものと思われます。有櫛動物 (Ctenophora) は Cav2 タイプしか持っていませんが、これで神経系を運用しています(12)。

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図191-4 4ドメイン1分子型カルシウムチャネルの分子系統樹と神経システムの系譜

ここまで述べてきたカルシウムチャネル分子はα1サブユニットだけについてですが、実際のチャネルはイオンフィルターと電位を感知する部位を持つα1サブユニットだけでなく、その他の制御部位などを持つβ、γ、α2、δという別のサブユニットが加わった複合体であることが知られています(13、図191-5)。これらが加わることによって正しい電位のレベルによる反応や、カルシウムの効率よい通過が維持されます(13)。キャテラルはサブユニットが集合した際の3次元構造も示していたので、図191-5にお借りして示しておきます。

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図191-5 4ドメイン1分子型カルシウムチャネル複合体の全体像

ヒトのαサブユニットには10種類のアイソフォームが知られていて、それぞれ別の領域に分布して、さまざまな役割を果たしています。基本的には神経伝達物質の放出、筋収縮、遺伝子発現の変換などが主な役割です。一覧表が脳科学辞典に掲載されていたので、ここにも貼っておきます(14、図191-6)。

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図191-6 ヒト電位依存性カルシウムチャネルアルファサブユニットのアイソフォーム 分布と役割

DHP:ジヒドロピリジン(dihydropyridine)、PAA:フェニルアルキルアミン(phenylalkylamine)、BTZ:ベンゾチアゼピン(benzothiazepine)、オメガアガトキシン:クモ(Agelenopsis aperta)由来のP/Q型カルシウムチャネルのブロッカー、オメガコノトキシン:イモ貝由来のN型カルシウムチャネルのブロッカー、SNX-482:タランチュラ由来のR型カルシウムチャネルブロッカー。

参照

1)続・生物学茶話190: 電位依存性ナトリウムチャネル
http://morph.way-nifty.com/grey/2022/09/post-b7024f.html

2)Riku Imazawa, Yuka Takahashi, Wataru Aoki, Motohiko Sano & Masahiro Ito, A novel type bacterial flagellar motor that can use divalent cations as a coupling ion., Scientific Reports volume 6, Article number: 19773 (2016)
https://www.nature.com/articles/srep19773

3)伊藤政博 世界初:2価陽イオンで駆動するべん毛モーターCa2+やMg2+でもべん毛は回転する Kagaku to Seibutsu vol.55(4): pp.240-241 (2017)
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=766

4)Yutaka Naitoh and Roger Eckert, onic Mechanisms Controlling Behavioral Responses of Paramecium to Mechanical Stimulation., Science, Vol 164, Issue 3882
pp. 963-965 (1969) DOI: 10.1126/science.164.3882.963
https://www.science.org/doi/10.1126/science.164.3882.963

5)藤生健太 単細胞生物クラミドモナスの鞭毛カルシウムチャネルの分布と機能の分子基盤 生物物理 vol.49(6),pp.294-295(2009)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/49/6/49_6_294/_pdf

6)柴小菊 カルシウムシグナルを介した鞭毛・繊毛運動制御機構の解明
科学研究費補助金研究成果報告書 (2011)
https://core.ac.uk/download/pdf/56651494.pdf

7)Takushi Shimomura, Yoshiki Yonekawa, Hitoshi Nagura, Michihiro Tateyama,
Yoshinori Fujiyoshi, Katsumasa Irie, A native prokaryotic voltage-dependent
calcium channel with a novel selectivity filter sequence., eLife 2020;9:e52828. DOI: https://doi.org/10.7554/eLife.52828
https://elifesciences.org/articles/52828

8)下村拓史,入江克雅, 細菌の祖先型イオンチャネルから探る,普遍的なカルシウム
選択機構 生物物理 61(4),223-226(2021)
DOI: 10.2142/biophys.61.223

9) Katherine E. Helliwell, Abdul Chrachri, Julie A. Koester, Susan Wharam, Alison R. Taylor, Glen L. Wheeler, Colin Brownlee, A Novel Single-Domain Na+-Selective Voltage-Gated Channel in Photosynthetic Eukaryotes., Plant Physiology, Vol.184, Issue 4, pp.1674–1683 (2020)
https://doi.org/10.1104/pp.20.00889

10)Alejandro Vicente-Carrillo, Manuel Álvarez-Rodríguez, Heriberto Rodríguez-Martínez, The CatSper channel modulates boar sperm motility during capacitation., Reproductive Biology Vol.17, Issue 1, pp.69-78 (2017)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201702257559599827

11)Lin, S., Ke, M., Zhang, Y., Yan, Z., Wu, J., Structure of a mammalian sperm cation channel complex., Nature vol.595: pp.746-750 (2021)
DOI: 10.1038/s41586-021-03742-6
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03742-6

12)Adriano Senatore, Hamad Raiss and Phuong Le, Physiology and Evolution of
Voltage-Gated Calcium Channels in Early Diverging Animal Phyla: Cnidaria, Placozoa, Porifera and Ctenophora., Front. Physiol. vol.7: article 481.(2016)
doi: 10.3389/fphys.2016.00481
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27867359/

13)William A. Catterall, Voltage-Gated Calcium Channels., Cold Spring Harb Perspect Biol 2011;3:a003947 doi: 10.1101/cshperspect.a003947
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3140680/

14)脳科学辞典:電位依存性カルシウムチャネル
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E4%BE%9D%E5%AD%98%E6%80%A7%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

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2022年10月 8日 (土)

マダラシュ-都響 ドヴォルザーク交響曲第8番@サントリーホール2022/10/08

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なぜか都響プロムナードシリーズが9月23日からすぐに今日も連続してあって、またサントリーホールにでかけました。午後1時頃着いたので、まずは水内庵(みのちあん 蕎麦屋)で腹ごしらえです。隣に中国人の家族連れが座って大丈夫かなと思っていたら、店員が流ちょうな中国語で対応。そうかネイティブなんですね。

今日のマエストロはゲルゲイ・マダラシュというまだ30才台のピチピチとした若手。コンマスは四方さんでサイドはマキロンです。なんとフルート、オーボエ、クラリネットがエキストラのお偉い方々(N響・東響)で豪華絢爛です。前半のバルトークは、よくもまあこんな鬱滅とした音楽をしこしこと時間かけて作曲してたもんだというような曲ですが、ヴァイオリンは超絶技巧でシュパチェクが達人であることだけはわかりました。とはいえ全く私の体質には合わない曲で無駄な時間でした。私は暗い曲が嫌いというわけではないのですが、バルトークはダメですね。

後半は打って変わって、おなじみのドヴォルザークの交響曲で、マダラシュの繊細かつ濃いめの味付けに都響の反応も鋭敏で素晴らしい演奏を聴かせてもらいました。前回のマエストロ小泉の回に匹敵する快演で、どの楽章も大変楽しく聴かせてもらいました。マエストロ・マダラシュはこれから欧州でもトップクラスの指揮者になっていく人なのでしょう。錚々たるエキストラ陣はもちろん、四方さんをはじめとする都響メンバーも熱烈にマエストロの表現をサポートしていました。お客さんは6~7割くらいしか入っていませんでしたが、今日の演奏を聴けた人は超ラッキーだと思います(P席¥2,500✨)。

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2022年10月 7日 (金)

都響 2023楽期プログラム発表

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都響の2023年度楽期のプログラムが発表になりました。フライヤーと書いてありましたが、クラシック界でこの言葉を聞くのは初めての気がします。
https://www.tmso.or.jp/j/news/20105/

まず見て驚いたのは、音楽監督のプログラム紹介記事(メッセージ)が昨年と比べてすごくあっさりとしていたことです。疲労困憊で文章を書く気力がなくなったんですかねえ。山田・尾高・下野・大友の日本人指揮者陣のプログラムなんて言及ゼロです。アンナ・ヴィニツカヤやジュミ・カンもスルーされていました。こんなことなら国塩主幹が記事を書くべきだったと思います。

プログラムの内容を見て、交響曲で言えばブラームスはひとつもなし、ハイドン・モーツァルトはなし、「新世界より」・「運命」・交響曲じゃないですが「四季」やバッハはなし、コンサート形式の歌劇もなし、というちょっと変わったメニュー。指揮者におじいさんが多いのも特徴。あっと驚くフレッシュ感はほぼゼロですね。今楽期はマケラをはじめとして、少しはフレッシュ感がありましたが・・・。そうならないのは監督や主幹だけの責任じゃなくて、楽団に若手指揮者を受け入れる、あるいは育ててあげようとする度量がないのではないかという疑問があります。これはコンマスが解決しなければいけない課題です。指揮者の評価をするのはコンマスの仕事ではありません。

他のオケは若手指揮者をどんどん起用していますよ。例えば今期読響はエミリア・ホーヴィングやアンナ・ラキティナという若い女性指揮者を起用しました。日本人若手に有能な指揮者がいないわけではなく、沖澤まどか・太田弦・大井剛史・角田鋼亮など多士済々だと聞いています。田中祐子だってNHKでバッチリやりましたからね。春祭のアレクサンダー・ソディも素晴らしかったですし、以前にスカートで都響を指揮したアイスランドフィルのエヴァ・オリカイネンもほんとにいいですよ。三ツ橋敬子、高関健、現田茂夫も呼びませんね。以前はコバケンや佐渡裕も振りに来てたのですが、大植でしくじってから必要以上にナーバスになっている気がします。そんなに消極的では、華やかさに欠けてしまうことを避けられません。

まあそんな中でもブルックナーの交響曲第2番(小泉)とかマーラーの交響曲第10番(インバル)・第7番(大野)とかウェーベルンの夏風(アラン)は楽しみですし、アクセルロッドとレネスには一応期待しますが。神尾真由子のメンコンが私好みであまりに深く感動したので、金川真弓が同じ曲でどんな音楽を聴かせてくれるかも興味深いです。

 

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2022年10月 4日 (火)

2022ノーベル生理学医学賞

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ノーベル生理学医学賞を人類学者のスヴァンテ・ペーボ氏が受賞したというのは、多くの人が驚いたと思いますが、ウィキペディアなどで調べると、彼がプロスタグランディンの発見者でノーベル賞受賞者であるベリストロームの婚外子だと書いてあってさらにびっくりです。彼はデニソワ人を発見しました。またネアンデルタール人のゲノム配列を報告しました。いつも思うのですが、ノーベル物理学賞や化学賞があるのに、そして文学賞まであるのに、どうして生物学賞はないのでしょうか?

私もひとりの野次馬として私たちと違う人類には関心があるので、いくつか記事を書いています。

ネアンデルタール人と現代人
http://morph.way-nifty.com/grey/2006/12/post_7275.html

北京原人はいつごろ生きていたのか
http://morph.way-nifty.com/grey/2009/04/post-9268.html

ネアンデルタール人のゲノム
http://morph.way-nifty.com/grey/2010/05/post-1d7d.html

デニソワ人と私たち
http://morph.way-nifty.com/grey/2010/12/post-b671.html

やぶにらみ生物論33: 私たち以外の人類
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/09/post-1b9f.html

コロナとネアンデルタール人
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/01/post-375ceb.html

(写真はウィキペディアより リンク

 

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2022年10月 2日 (日)

ロングライフハイビスカス

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今日も良い天気です。夏のような日差しですが、蝉の声は全く無くやっぱり秋ですね。
これはプチオレンジというロングライフハイビスカスで、気持ちよさそうに咲いています。
エアコンの室外機にカバーを掛けて封印し、半袖のシャツもすべて押し入れに収納しました。

今年の夏は長く、世話になったタオルケット2枚をようやくしまい、3シーズン用の布団を取り出して干しました。

ベランダから下を見ると、キジバトが地面を歩いていました。

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2022年9月30日 (金)

続・生物学茶話190: 電位依存性ナトリウムチャネル

動物が電位依存性ナトリウムチャネルを持つことが明らかになったのは1980年代のことです(1、2)。ナトリウムチャネルが開くことによって脱分極が起こり、神経伝達が行われるという基本的なメカニズムを担うツールです。この遺伝子構造を解明したのは沼正作研究室の野田らですが(2)、ウィキペディアで沼正作の項目を読むと、その膨大な功績にもかかわらず、なぜこの人がノーベル賞を受賞できなかったのか不可解に思われます。この原因は彼がどうもアカハラ・パワハラ当たり前の上に同業者の不興も買っていたようで、性格が災いしたのが原因のようです(3、4)。沼研究室の全盛期は日本の科学が一番華やかだった時代です。ならばチャネルを構成するタンパク質の立体構造などもすぐに解明されたかというとそうではなく、ようやく最近数年でわかってきたのですが、それについてはあとで述べます。

21世紀になって細菌・古細菌でも電位依存性ナトリウムチャネルが発見され、これは動物の場合のようにひとつの分子で構成されるのではなく、細胞膜を6回貫通する分子のテトラマーによってできていることがわかりました(5、6、図190-1)。真核生物のものに比べて分子量が小さいのでX線結晶解析で構造を解明することができました。

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図190-1 真核生物と原核生物の電位依存性ナトリウムチャネル

電位依存性ナトリウムチャネルというのは私たちの神経伝達の基本的構成要素なのですが、では神経を持たない生物、それも細菌がどうしてそんなものを保有しているのかは難しい課題です。ですから Dejian Ren らによる発見は多くの研究者に驚きとどまどいをもたらしました(5)。もちろん細菌もイオンのホメオスタシスは保つ必要があるでしょうから、さまざまなイオンチャネルが必要だというのは漠然とは理解できます。水溶性物質を膜を通過させるための穴として機能しているとペイヤンデらは主張しています(6)。

細菌のエネルギーシステムとしてプロトン駆動型エンジンはよく知られていて、私たちもミトコンドリアの装置を利用しているわけですし、Na-K-ATPase はナトリウムを細胞の外に追い出すポンプとしてこれまたよく知られています。ではナトリウムポンプは何のために出現したのでしょう。南野らは最近、細菌の運動器官である鞭毛を作るために必要なタンパク質輸送装置に、プロトン駆動型輸送エンジンに加えナトリウム駆動型エンジンや膜電位センサーが搭載されていることを発見しました(7)。どうやら電位依存性ナトリウムチャネルは鞭毛の制作に必要なツールのようです。南野らはプロトンエンジンが機能低下した場合のバックアップと考えているようです(7)。

真核生物の電位依存性ナトリウムチャネルは、ひとつのタンパク質のなかに、それぞれ6個の細胞膜貫通領域を持つ4つのドメインの立体構造が含まれます。これらがポアを取り囲むような構造であることはわかっていましたが(図190-2)、正確な立体構造の解析は難航しました。結局最近になってX線結晶解析ではなく電子顕微鏡によって解明されました(8、9、図190-3)。解明したのは Yan らのグループで、彼女らはクライオEMの技術を使って、細胞膜のさまざまなチャネルの構造を怒濤の勢いで解明しつつあります。電位依存性ナトリウムチャネルに含まれる各電位感受性ドメイン(VSD=voltage sensing domain)はそれぞれ独自のコンフォメーションをとり、イオンの選択的通路は糖鎖で強く修飾されかつSS結合で安定化された細胞外のループでガードされています。進化的に保存されたN末はVSD1の細胞内部位の近傍に位置し、C末はドメインIII-IVリンカーと結合しています(8、9)。

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図190-2 ヒトの電位依存性ナトリウムチャネル

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図190-3 ゴキブリ電位依存性ナトリウムチャネルの立体構造

電位依存性ナトリウムチャネルのαサブユニットについて述べてきましたが、なぜαサブユニットかというと、このサブユニットだけでナトリウムイオンの透過を管理するチャネルをつくることができるからです。他のサブユニットは電位依存性や細胞内局在について影響を与えるそうですが、ウィキペディアには具体的言及はありません(10)。脳科学辞典にはβサブユニットについて多少の記載がありますが、まだまだ研究途上なのでしょう(11)。

ここで西野と岡村が報告したαサブユニットの分子系統樹(12)を見てみましょう(図190-4)。( )内に隣接するHoxクラスターが示してあります。レンガ色で示した分子群はテトロドトキシンセンシティヴ(IC50が10nMあるいはそれ以下)、黒で示した分子群はインセンシティヴなグループです。Nav1.1~Nav1.3 と Nav1.6 が中枢神経系、Nav1.7~Nav1.9 が末梢神経系、Nav.1.4~Nav.1.5 が筋肉に分布しています。これらはすべて活動電位を発生する機能を持っています。また活動電位を発生した後チャネルを閉じて不活化する機能も持っています(12)。Nax の機能は他の分子とは異なっていて、活動電位を発生するためではなく、体液のナトリウム濃度のセンサーとして体液恒常性の維持に貢献しているようです(13)。

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図190-4 哺乳類の電位依存性ナトリウムチャネルアイソフォームの分子系統樹と発現部位

次にやはり西野と岡村がまとめた後生動物と襟鞭毛虫が持つ電位依存性ナトリウムチャネルの系統的関係の図を示しました(図190-5)。Nav2 というのはヒトが持っている Nav1 とは別グループの分子群で、カルシウムなどの2価イオンに対して高い透過性を示す性質があります。Nav も同様です。ここで注目したのは有櫛動物(カブトクラゲ)で、その分子の系統的位置は見事に他の後生動物の外群になっています。また襟鞭毛虫と後生動物のアミノ酸配列の類似性も、オピストコンタのまとまりという観点から注目されます。

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図190-5 オピストコンタの電位依存性ナトリウムチャネル各グループの系統関係

これらのチャネルはすべて24回膜貫通の1分子型ですが、原核生物から真核生物に進化する過程で、6回膜貫通型の遺伝子が2回の縦列重複を行ったものと推測されます(12)。西野・岡村の文献12は「全史」と銘打っているだけあって素晴らしい総説だと思いますが、細菌から真核生物への進化をたどるには、古細菌のチャネルに関するデータが現時点では足りないように思います。

電位依存性ナトリウムチャネルは神経を持っている生物にとっては、神経伝達や筋収縮の基本になる物質なので、これを阻害されると容易に死に至ります。したがってテトロドトキシンなど毒のターゲットとして好適な分子でもあります。

参照

1)Hartshorne, R.P. and Catterall, W.A., Purification of the saxitoxin receptor of the sodium channel from rat brain., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.78, pp.4620-4624 (1981) DOI: 10.1073/pnas.78.7.4620
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6270687/

2)Masaharu Noda, Shin Shimizu, Tsutomu Tanabe, Toshiyuki Takai, Toshiaki Kayano, Takayuki Ikeda, Hideo Takahashi, Hitoshi Nakayama, Yuichi Kanaoka, Naoto Minamino, Kenji Kangawa, Hisayuki Matsuo, Michael A. Raftery, Tadaaki Hirose, Seiichi Inayama, Hidenori Hayashida, Takashi Miyata & Shosaku Numa., Primary structure of Electrophorus electricus sodium channel deduced from cDNA sequence. Nature, vol.312, pp.121-127 (1984) https://doi.org/10.1038/312121a0
https://www.nature.com/articles/312121a0

3)沼研の伝説的なエピソード:沼正作(1929-92)
http://scienceandtechnology.jp/archives/9655

4)岡田泰伸 地球の裏側で感じたノーベル化学賞の余震
http://www.nips.ac.jp/rvd/Southamerica.htm

5)D Ren, B Navarro, H Xu, L Yue, Q Shi, D E Clapham, A prokaryotic voltage-gated sodium channel., Science vol.294(5550): pp.2372-2375.(2001)
doi: 10.1126/science.1065635.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11743207/

6)Jian Payandeh and Daniel L Minor Jr, Bacterial voltage-gated sodium channels (BacNa(V)s) from the soil, sea, and salt lakes enlighten molecular mechanisms of electrical signaling and pharmacology in the brain and heart., J Mol Biol, vol.427(1): pp.3-30.(2015) doi: 10.1016/j.jmb.2014.08.010.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25158094/

7)南野徹,木下実紀,森本雄祐,難波啓一、 細菌べん毛輸送装置の膜電位に依存した活性化機構 生物物理 vol.62(3),pp.165-169(2022) DOI: 10.2142/biophys.62.165
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/62/3/62_165/_pdf/-char/ja

8)Huaizong Shen, Qiang Zhou, Xiaojing Pan, Zhangqiang Li, Jianping Wu, Nieng Yan, Structure of a eukaryotic voltage-gated sodium channel at
near-atomic resolution., Science vol.355, issue 6328 (2017)
doi: 10.1126/science.aal4326
https://www.science.org/doi/10.1126/science.aal4326

9)Pan X, Li Z, Zhou Q, Shen H, Wu K, Huang X, Chen J, Zhang J, Zhu X, Lei J, Xiong W, Gong H, Xiao B, Yan N., Structure of the human voltage-gated sodium channel Nav1.4 in complex with β1., Science vol.362, issue 6412 (2018)
doi: 10.1126/science.aau2486.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30190309/

10)ウィキペディア: ナトリウムチャネル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

11)脳科学辞典: ナトリウムチャネル
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

12)西野敦雄,岡村康司 Nav チャネル全史 細菌からヒトまで
生化学 vol.91(2): pp.210-223 (2019) doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910210
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2019.910210/index.html

13)Takeshi Y. Hiyama, Masahide Yoshida, Masahito Matsumoto, Ryoko Suzuki, Takashi Matsuda, Eiji Watanabe, Masaharu Noda, Endothelin-3 expression in the subfornical organ enhances the sensitivity of Nax, the brain sodium-level sensor, to suppress salt intake., Cell Metabolism, vol.17, pp.507-519 (2013)
DOI: 10.1016/j.cmet.2013.02.018
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23541371/

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2022年9月26日 (月)

新型コロナやワクチンの今

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一日の感染者数が東京だけでも4万人となった新型コロナの蔓延もようやく落ち着いてきたようですが、それでもまだ本日の段階で6000人以上の新規感染者が発生しているようです(上図は本日のコロナ感染者 東京都のサイトより)。本当にしつこい感染症です。介護施設などでも緩んできているようですが、ちょっと不安になります。これで10月11日から外国人旅行者を大幅に受け入れることになったら油断はできません。北総線沿線居住者の私としては、しばらくアクセス特急の利用は見合わせるくらいのことしかできませんが、さてどうなるのでしょうか。

もうひとつの不安はmRNAワクチンについてです。9月15日にピアニストの荒井千裕氏がワクチン後遺症で亡くなられました。本人や関連サイトをリンクしておきますのでご参照ください。ご冥福をお祈りいたします。

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ご本人のサイト こちら1

他 こちら2 (ご家族) こちら3 (医師) こちら4

mRNAワクチンの安全性についてはまだわからないことが多いと思います。

脂質ナノ粒子の膜に包んでmRNAを投与するわけですが、それがすべて細胞に取り込まれるとは思えません。幾ばくかは体の片隅にへばりついたままになるのでしょう。その脂質が問題で、それ自身が抗原や有害物質として機能する可能性があります。改造mRNAはウリジンを1-メチル-シュードウリジンに転換した生体にないものですから、完全に分解されない限りやはり抗原や有害物質として機能する可能性があります。mRNAを分解する酵素はウリジンのmRNAを分解するためにあるので、別の物質に変わっているわけですから完全には分解できないでしょう。巷間よく言われるのは、スパイクタンパク質を発現した細胞は細胞性免疫によって攻撃を受ける可能性があることです。

遺伝病の患者にとってこの遺伝情報移入システムは天恵で、症状によってはある程度のリスクを冒すことを受け入れることもあり得ると思いますが、健常者に打つワクチンとしてはどうかと思います。やはり現状の医学のレベルではワクチンはタンパク質であるべきです。それより中等症のコロナ患者を収容する施設の整備に全力を尽くすべきです。政府はワクチン関連の新型コロナ対策としてはノババックスなどを支援すべきで、モデルナの工場をつくるなら遺伝子治療用にすべきだと思います。

 

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2022年9月25日 (日)

吉祥寺への旅

起きて植物と猫の世話をすませると支度をしてすぐに、といきたいところですが、腰痛が再発しているのでコルセットをきっちり装着しておもむろに出発。2時間かけてはるばる吉祥寺までの旅です。

昔武蔵野大学薬学部で少し仕事をしていたことがあるので、懐かしい街でもあります。それにしてもよくこんな遠いところまで通っていたものだと思います。ようやく到着しましたがブレックファストがまだだったので、アトレのドンクでキッシュを注文すると、パンの欠片がついてきたのには笑ってしまいました。パン屋としてのの主張なのでしょうか?

スターパインズカフェに来たらもう数十人たむろしていました。

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今回はe+やぴあにも出さず、フライヤーも作らないライブでしたがなかなかの盛況でした。私は2Fの中央に座りました。ここの2F席は面白くて、左右にシークレット的な席もあります。このライブハウスは音響が素晴らしく、言葉もきちんと聴き取れます。

登場したまきちゃんぐにびっくり。顔がシャープに変わっているではありませんか?? あとの話でこれは食塩ダイエットの効果だそうです。このブログでもいまソディウムポンプの記事を書こうと資料を集めていたところなので奇遇です。知らんけど、多分どの程度減塩していいかは、かなり加減が難しいのではないかと思います。

今回は伴奏の澤近さんがはじめてということもあってバッチリとリハをやったに違いなく、すばらしい完成度で「満海」「海月」「愛が消えないように」などを聴けたので大満足。「ハニー」や「ちぐさ」もあらためてそのよさを再認識させられました。ほんとにソウルフルですねえ。すごいと思っていたら、なんと「ジンジャエールで乾杯」で歌詞を失念。まきちゃんぐもやっぱり人間だった。

最後の曲「愛が消えないように」は写真・ビデオ撮影OKでした。というわけで下の写真を撮影しました。

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2022年9月23日 (金)

小泉-都響 「田園」「ローマの噴水&松」@サントリーホール 2022/09/23

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都響のプロムナードコンサート。サントリーホールに通うのが厳しくなってB定期は降りることにしましたが、プロムナードはまだ続けています。本日の公演はマエストロ小泉の指揮、コンマスはボス矢部、サイドはゆづきです。ボス矢部は老眼が進んだのか、見慣れないメガネで登場。

盛況なんですが、びっくりしたのは多分ローマの松のバンダによる感染を防ぐためでしょうか、バンダの前のサイド席が80席くらい空けてありました。まだまだナーバスになっています。

小泉-都響のコンビは非常に進化していて、まるで全員がシナプスでつながっているかのような一体感が感じられました。ここまで心に響くベートーヴェン「田園」交響曲は聴いた記憶がありません。ゆずきが200%出し切ったと言っているのもわかります。芸術家としても演奏アスリートとしても最高のパフォーマンスだと思います。

後半のレスピーギ「ローマの噴水」「ローマの松」も繊細かつ豪快な演奏で感銘を受けました。私が特に感動したのはカタコンバの松で、その暗く神秘的な響きは音楽の深遠な力を感じさせてくれました。松ではラチェットというコーヒーミールを手で回すような楽器が面白かったです。パイプオルガンも使用。

✨✨✨ブラボー 小泉&都響。

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2022年9月22日 (木)

サラの考察15: 私とサラの夢

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私「今日は狩りがうまくいかなかったなあ」

サラ「腹ぺこだよ」

私「明日は危険だけれど池の近くで待ち伏せするしかないか」

サラ「ミーナがいたときは、まずモン(私)が獲物を見つけ、ミーナが追いかけて私が待ち伏せするという作戦ができたのに」

私「ごめん 足が遅くて。ミーナが死んでもう半年か、よくふたりで生きてきたもんだ」

サラ「栄養にはならないけど、枯れ草を食べれば少しは空腹を忘れられるよ」

私「そうするよ」

サラ「じゃ 私は寝るから おやすみ」

私「おやすみ」

そんな会話をしていたら、おやすみと言った途端に目が覚めました。ミーナは今どうしてるのかな?

http://morph.way-nifty.com/grey/2022/03/post-6ef01d.html

 

 

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2022年9月21日 (水)

まきちゃんぐ始動

まきちゃんぐ 35th Birthday Live (ワンマン)
「だって、女に生まれたの。」
9月25日(日) 12:00open 12:30start \3,500
@吉祥寺 star pine's cafe
with 澤近泰輔 (pf.)

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宮益坂交差点にこんなメッセージ ↑ が出現したそうです。

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🎵 まきちゃんぐさんのメッセージ 🎵

25周年を迎えるスターパインズさんで行う、9月生まれのまきちゃんぐ誕生月ライブです。

35歳を迎える今年はデビュー当時大変お世話になった音楽家・澤近泰輔さんをゲストミュージシャンにお迎えし、上質でたおやかな音楽のお時間をお届けします。澤近さんに編曲していただいた過去の曲もふんだんに盛り込んだセットリストにもご期待ください。

cf. https://twitter.com/makichang_info



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2022年9月19日 (月)

真山仁「標的」

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真山仁「標的」 文藝春秋社 2017年刊

真山仁の「標的」はなかなか興味深い小説です。東京地検特捜部の検事たちの活躍が生き生きと描かれています。政治家への贈賄事件を扱っています。ありふれたストーリーかもしれませんが、作家の実力でしょうか、一気に読めます。

晋三は検察の人事を思い通りにやろうとして失敗しましたが、私はこのことと暗殺事件は関係があると思っています。山上は日本のオズワルドだったのではないでしょうか。山上が今後インタビューなど自由な発言の機会を与えられるかどうかに注目しています。オズワルドの尋問調書はすぐに廃棄されましたが、山上の場合はどうなるのでしょうか。改ざんや隠蔽が行われるかどうかを注視しなければいけません。

政権に都合のよい検察人事は困りますが、検察による政権の選別が行われるのも問題があります。まして政権と検察がつながっていると何でもできるでしょう(晋三はまさにそれを狙っていたわけですが)。この小説のタイトル「標的」というのはそのような危険性を暗示しています。選挙の後なら誰をターゲットにしてもよいというのは検察のポリシーのようです。真山仁がとりたてて興味をそそられそうもない贈賄というありふれた犯罪をとりあげたのも、政治家と検察の関係に注意を喚起したかったからだと思います。

海外のプライベートバンクに口座をもっている企業経営者の場合、賄賂を送るのは簡単なのでしょう。政治家にも口座をもたせてお金を移転させればいいのですから。タックスヘイブンを利用すれば秘密は守られます。あるいは関係者にプライベートバンクが融資するという形にすれば現金化も可能です。ただ現金そのものを秘密裏に海外から持ち込むのは、この小説にもでてきますがかなり困難なのでしょう。とはいっても、今の時代なら船からドローンを飛ばせば運べそうに思いますが、どうなのでしょう。最近スペインで麻薬を運んでいた水中ドローンが摘発されたという記事をみかけました(1)。犯罪組織のための密輸機器の製造販売を行っているグループがもうすでに存在していたようです。このグループは家族的な小さな規模だったようですが、もっと巨大な組織がすでにありそうな気がします。

1)https://www.bbc.com/japanese/62046939

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2022年9月17日 (土)

続・生物学茶話189: オピストコンタの系統図更新

久しぶりでウィキペディアのオピストコンタという項目を閲覧したら、オピストコンタに含まれる生物が膨張しているのに気がつきました(1)。オピストコンタとは鞭毛が後ろという意味で、鞭毛が進行方向の後ろにある生物はオピストコンタのみです。私たちの精子も鞭毛をゆらして、生えている位置と反対方向に進みます。

私たちの精子を含むオピストコンタという概念はヘルムート・ガムス(1893-1976)というオーストリアの植物学者が提唱したようです(図189-1)。この概念を様々な根拠をもってクレードとして提唱したのはトーマス・キャヴァリエ=スミス(1942-2021、図189-1)です。彼のどの論文を引用すべきかはよくわからなかったので、死後出版されたおそらく最後の論文を引用しておきます(2)。これは繊毛の根元の構造に関するレビューで、彼はこの構造の進化がオピストコンタの起源を解明する鍵だと考えていたようです。100ページ以上ある長大な文献で、引用したものの実は私も読んでおりません。

図189-1は国際原生生物学会が2018年にアップデートした分類にもとづいたものです(1、3)。これによると、オピストコンタはホロマイコータとホロゾアにわけられ、襟鞭毛虫とメタゾア(動物)はホロゾアのひとつの分類群としてコアノゾアという名前でまとめられており、共通祖先生物は9億5千万年前頃に生きていたとしています。襟鞭毛虫とメタゾアの類似性は多くの研究者によって確認されています(4-6)。

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図189-1 オピストコンタの系統図

図189-1の系統図の右下の隅に襟鞭毛虫(Choanoglagellata)と動物(Metazoa)が Choanozoa としてまとめられています。襟鞭毛虫は単細胞生物で1本の鞭毛をもっており、そのまわりを微絨毛がとりまいて襟のような構造をつくっている生物です・・・といろんなサイトに書かれていますが、実はそう簡単ではありません。細胞のサイズはヒトの細胞と同じくらいで数μm程度です。ローンドンらはロセット属の集合体を形成する襟鞭毛虫について調べたところ、その集合体(Rossete)は単なる群体ではなく、それぞれの細胞が異なる形態を持つ、まるで多細胞生物のような集合体であることを示しました(7)。

このタイプの襟鞭毛虫は同じ種であっても、単体で遊泳する者、集合体で遊泳する者、固着生活をする者などもともとバラエティに富んでいますが、特にロセット集合体を形成すると、細胞のサイズ、絨毛の長さ、食胞の容積、ERの発達などに大きな違いがある細胞に分化し、それぞれが2つの隔壁をもつ橋のような特異な構造でつながっていて、海綿動物や刺胞動物とは異なっているものの、ある種の多細胞生物のような形態をとることがわかりました(7、図189-2)。これはカビやキノコとは別経路での多細胞化であり、オピストコンタの進化を考える上で重要です。

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図189-2 始原的多細胞生物を思わせる襟鞭毛虫のロセット

ローンドンらはオピストコンタの系統図を更新し、また様々な生物が襟細胞を持っていることを示しています(7、図189-3)。それらが襟鞭毛虫と関係があるかどうかの確証はありませんが、襟鞭毛虫がメタゾアと最も近縁な生物であることは進化生物学者のコンセンサスであり(8)、様々なメタゾアの系統に襟鞭毛虫と似た襟細胞があっても不思議ではありません。また、メタゾア系統樹の根元に近いところから分岐したと考えられている海綿動物・刺胞動物・平板動物がいずれも襟細胞をもっているのに対して、有櫛動物がもっていないのは、この動物の出自の特異性を思わせます。青い点線はそのあたりの疑問を表しています。もちろん進化の過程で襟細胞を失うということは普通にあることなので、それはもちろん考慮する必要があります。私たちヒトの体にも襟細胞はありません。

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図189-3 襟細胞を受け継ぐ生物

 

参照

1)ウィキペディア:オピストコンタ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BF

2)Thomas Cavalier-Smith, Ciliary transition zone evolution and the root of the eukaryote tree: implications for opisthokont origin and classification of kingdoms Protozoa, Plantae, and Fungi, Protoplasma., vol.259(3): pp.487-593 (2022)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9010356/

3)Sina M. Adl et al., Revisions to the Classification, Nomenclature, and Diversity of Eukaryotes., Eucalyotic microbiology Vol.66, Issue 1, pp.4-119, (2019)
https://doi.org/10.1111/jeu.12691
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jeu.12691

4)Steenkamp ET, Wright J, Baldauf SL. The protistan origins of animals and fungi. Mol Biol Evol., vol.23: pp.93-106.(2006)
https://doi.org/10.1093/molbev/msj011
https://academic.oup.com/mbe/article/23/1/93/1193358

5)Carr M, Leadbeater BSC, Hassan R, Nelson M, Baldauf SL, Robertson HM, et al. Molecular phylogeny of choanoflagellates, the sister group to Metazoa. Proc Natl Acad Sci., vol.105: pp.16641-16646 (2008)
https://doi.org/10.1073/pnas.0801667105
https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.0801667105

6)Ruiz-Trillo I, Roger AJ, Burger G, Gray MW, Lang BF. A phylogenomic investigation into the origin of metazoa. Mol Biol Evol., vol.25: pp.664-672. (2008)
https://doi.org/10.1093/molbev/msn006
https://academic.oup.com/mbe/article/25/4/664/1265710

7)Davis Laundon, Ben T. Larson, Kent McDonald, Nicole King, Pawel Burkhardt, The architecture of cell differentiation in choanoflagellates and sponge choanocytes, PLoS Biol 17(4): e3000226 (2019) DOI: 10.1371/journal.pbio.3000226
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30978201/

8)Wikipedia: Choanoflagellate
https://en.wikipedia.org/wiki/Choanoflagellate

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2022年9月15日 (木)

フォッサと再会

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上野動物園のフォッサがまだ生きていると知って、会いに行きました。平日なのにすごい人出で、特にパンダの列は先着順とあってすごいものがありました。モノレールはコロナ禍の前から運行を休止しており、どうするのかわかっていないというのは情けない行政です。私見ではエスカレーターでいいのではないかと思いますが、人寄せに使うならゴンドラもありかな・・・・まあそれならコロナ終焉待ちですね。

つがいのフォッサ、アンバーとベザは2010年にマダガスカルからやってきて、当初は動物園でも気合いが入っていましたが、そのうち♀のアンバーが展示されるのを嫌がることがわかって非展示となり、ひっそりと動物園の片隅で暮らすことになりました。♂のベザは展示されていましたが数年たっても非常にシャイな感じでした。コロナなどで数年間私は上野動物園にはご無沙汰していましたが、今日見た感じではかなり展示にもなれてきた感じではありました。

2017年にアンバーが病死したことは、動物園にとっても痛恨の出来事だったと思います。飼育例が少なく、どのように飼えばいいのか試行錯誤のうちに繁殖に失敗したことは本当に残念です。
https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?link_num=24249

フォッサは猫と犬の共通祖先に極めて近い生物とされており、貴重な生きた化石生物です。ベザには是非長生きしてほしいと思います。

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フォッサと再会できて大満足で、おなかもすいたのでアメ横と平行する高架下のイタリア料理店「TERAS」で食事しました。耳の遠い爺ひとりでやっている店ですが味は本格派で、とても家庭でだせるような味ではありませんでした。ただ入ってから出るまで客は私一人でした。

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2022年9月12日 (月)

あるサッカースタジアムでの出来事

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ジブラルタル海峡にほど近く、大西洋に面したカディスというスペインの町があります。日曜日にバルサがやってきてラ・リーガのサッカーの試合がありました。バルサは今週ミッドウィークにFCバイエルンとの大一番を控えて、かなりメンバーを温存したとはいえ、カディスは目一杯頑張って前半は0:0で終了。

後半レバンドフスキらを投入したバルサはようやく2点とってあと試合終了まで10分くらいのところで事件は起こりました。レフェリーが突如試合を中断してベンチに走って行きます。けんかとか暴言だとスタンドの方に走っていくはずなので一体何が起こったのか、視聴者も放送陣も呆然。しばらくするとベンチからAEDが持ち出され、スタンドに投げ込まれました。

写真(ウィキペディアより)のように、このスタジアムはスタンドの傾斜が急でやばいなとは思っていましたが、実際お客さんが転落して心肺停止になったようです。WOWOWの放送は何が何だかわからないまま試合途中で終了という前代未聞のハプニング。結局1時間ほど中断して、選手はトレーニングを行った上で再開されたそうです。ともかくくだんのお客が命をとりとめただけでも幸いでした。
https://twitter.com/Cadiz_CFJP/status/1568800346734206978

放送の段取りなどがぐちゃぐちゃになるなどの問題を乗り越えて、試合を中断した関係者の配慮も素晴らしいと思いました。スタンドで人が生死の境をさまよっているときに、サッカー観戦を楽しむことはできませんね。しかし日本で同じことが起こったらどうだっただろうと考えてしまいました。

チャビ監督談「サッカーを超える状況だった。席から落ちて、心臓発作を起こしたと聞いた。カディスとバルサ、審判三者が試合を中断することで一致した。僕らが話しているのは、一つの人間の命だ。命より大事なものはない。できる限り、早い回復を願っています」(バルサHPより)。

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2022年9月11日 (日)

サラの考察14: 肉食

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私「この頃、地球環境に配慮した食事の方法が勧められるようだね」
こちら1

サラ「ひょっとして菜食主義? それは猫には無理ね。でも私は枯れ葉なら食べられるわよ」

私「いろいろな流派があるらしいよ」

サラ「どんな?」

私:「例としては

ロカボ(low carbon):1食で摂取する糖質量を20~40gにする。1日では70~130g。タンパク質・脂質の制限はしません。
こちら2

ヴェジタリアン:肉や魚、それらの含有物を口にしない。卵や牛乳などの動物性食品は通常の食生活と同じように取り入れることができます。
こちら3

ヴィーガン(Vegan):肉や魚に加えて、卵・乳製品などの動物由来の食材を摂取しない。英国ヴィーガン協会によると、ヴィーガンの定義とは「可能な限り食べ物・衣服・その他の目的のために動物の搾取を取り入れないようにする生き方」となっているそうです。
こちら3

精進料理:本来仏教では肉食を禁止しているわけではなく、中国で僧侶に肉食を禁止した時代があって、そこから精進料理がはじまったそうです。
こちら4

などがあるようだ。」

サラ「管理人はどうなの」

私「私はヴェジタリアンじゃないけど、牛肉や豚肉はあまり食べないね。そういう人は昔からいて、ポーヨ・ベジタリアン(pollo-vegetarian)というらしい。」

サラ「じゃあ猫が生きていけるような栄養を含むヴェジ系配合飼料もできるのかしら」

私「きっとできると思うよ。でも野生の猫たちはやはり狩りをして生きてほしいね。・・・ところで私のベッドの手すりを枕にして寝るのはやめてほしいな。私の足が当たっちゃうよ」

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2022年9月 9日 (金)

私の戦友

Sennyuu

私の戦友である電子辞書カシオ EX-word (XD-SR8500) です。8500系の後継機種はまだ販売されているようです。負傷してこんな有様になってから2年くらい経ちましたが、まだ活躍してくれています。コンテンツはたくさん入っているようですが、使用する機会は99%はリーダーズ英和辞典。これは専門用語もかなり収録してあり便利です。残りの1%はジーニアス和英辞典で、他のコンテンツは開いたことがありません。もったいない話です。分厚い紙の辞書はほんとに使わなくなりましたが、どうしても捨てられません。困ったものです。

ふと思ったのですが、カシオとシャープ以外に電子辞書を見たことがありません。外国製品がありません。日本以外では電子辞書を使っている人はほとんどいないようです。スマートフォンで代用しているみたいですね。これは少し手間がかかって、やっぱり電子辞書の便利さには及びません。電子辞書が進化するとすれば、ペン型のスキャナーに対応してほしいと思います。キーをタイプするのはやはり面倒ですから。

辞書はもう完全に液晶画面でみる習慣がつきましたが、本はやっぱり小説などは紙の本を手に取って読みたいと思います。Kindle が意外に普及していないところをみると、同じような人は多いようです。紙本にはパラパラとページをめくって元にもどって確認するとか、赤線を引くとか、付箋をベタベタ貼るとかの楽しみがあります。PDFも便利なようで、まだまだ扱いにくい点があります。

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2022年9月 7日 (水)

円安はどこまで?

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1995年には1ドル=70円台だったレートがとんでもないことになってきました。今日は1ドル=144円です。円安がもたらすものは、もちろん寿司の値上がりだけではありません。管理人が知る科学関係では、研究試薬が外国製のものが多いので現場は困るでしょう。洋書を買ったり論文を閲覧するお金もバカにはなりません。外国の学会にでかけるのも、外国人の研究者を呼ぶのも難しくなるでしょう。留学も困難になります。ポストドクは外国にしか職がみつからなくなりそうです。さてさて国がワクチンを買うのにどれだけお金がかかるのでしょう?

音楽関係では、外国のソリストやオーケストラを呼ぶのも難しくなるでしょう。つい最近まで世界のオーケストラを聴ける(もちろん富裕階級だけの話ですが)東京でしたが、それも昔話になりそうです。どんなに円安になっても日銀は金利を上げません。なんのための日銀なのでしょう。晋三たちの白痴的経済政策のおかげで、こんなことになってしまいました。これをアホノミクスと言った浜矩子はマスコミから抹消されました。そろそろ出したらどうでしょうか?

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2022年9月 5日 (月)

続・生物学茶話188: グリシントランスポーターの進化

グリシンを用いた神経情報伝達はヒトでも重要な役割を果たしていますが、メタゾア(動物)の進化の過程で最も初期に枝分かれしたと考えられている有櫛動物も利用しているらしく、非常に古いタイプの神経情報伝達方式だと想像されています(1、2)。ナメクジウオでも日周性(ダイアーナルリズム)などに関連して利用されているようです。ナメクジウオの視覚では物の形を認識するというようなことはできませんが、明暗や光の方向は認識することができ、彼らの幼生たちは明るいうちは海底に近いところにいて、暗くなると海面に浮上するという生活をしています(3)。

脊椎動物のグリシン系神経伝達システムについては研究が進んでいて、概略は図188-1のようになります。シナプス前細胞からのグリシンの情報は、シナプス後細胞のイオンチャネル型のグリシン受容体によって受け取られ、塩素イオンを透過させることによって細胞に過分極をもたらし、脱分極を阻害する方向に働きます。全く別の様式で脱分極を促進する場合もあるにはありますが、基本的にはグリシンは抑制性の神経伝達因子です(1)。

神経伝達が完了すると、シナプス間隙周辺のグリシンはグリア細胞のグリシントランスポーター(GlyT1)により回収され、さらにシナプス前細胞のGlyT2により再回収され、シナプス前細胞にもどされます。もどされたグリシンはさらにVIAAT/VGATというシナプス小胞のトランスポーターによって小胞に取り込まれ、次の神経伝達の準備が行われます(図188-1)。

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図188-1 脊椎動物のグリシン系神経伝達システム

動物にとってベーシックな神経伝達様式であるグリシン系神経伝達システムですが、意外にも脊椎動物以外では研究が進んでおらず、図188-2のように、その存在が明確になっているのは現状では頭索動物・尾索動物・軟体動物・刺胞動物・節足動物のごく一部の種のみです。ただC.エレガンスではこの神経伝達システムが使われていないことが知られています(4)。

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図188-2 メタゾアにおけるグリシン系神経伝達の進化はどこまで調査されているか

シャパクらはグリシントランスポーターの分類と系統の研究から、グリシン系神経伝達の神経伝達システムの進化に取り組みました(5)。脊椎動物は図188-1にも示しましたが、GlyT1・GlyT2 という2種類のグリシントランスポーターを持っています。シャパクらはナメクジウオも2種類のトランスポーターを持っており、そのうちの GlyT2-like は脊椎動物の GlyT2 と同じグループに所属していてホモローガスと考えられましたが、もうひとつの方は脊椎動物のGlyT1ともGlyT2ともアウトグループではないかと指摘しました(5)。

ボッゾらはナメクジウオなどのグリシントランスポーターについてより詳細な解析を行ない、まずナメクジウオは3種類のグリシントランスポーターを持っていることをつきとめました(5)。そのうち GlyT2.1 と GlyT2.2 は脊椎動物の GlyT2 とよく似ていて同じグループと考えられましたが、GlyT2.1 は主として神経細胞でもグリア細胞でもない他の細胞に、Gly2.2はグリア細胞に局在することがわかりました。そしてナメクジウオの GlyT は脊椎動物の GlyT1 とは少し異なる古いタイプの分子であることも判明しました(6)。GlyTは主に神経細胞に発現していました(6)。

脊椎動物では GlyT1 は主にグリア細胞に、GlyT2 は主に神経細胞に分布しているので、後者と関係が深いナメクジウオの Gly2.2 がグリア細胞に局在しているのは不思議で、進化の過程で何らかの理由で局在が逆転したと思われます。

分子進化の系譜は図188-3のようになります。ここからわかるように GlyT型のトランスポーターはベーシックな古いタイプで、棘皮動物・尾索動物。頭索動物で共有するばかりか、サンゴ(刺胞動物)の分子とも関係が深いようです。ナメクジウオの Gly2.1 と Gly2.2 の分岐は全ゲノム倍化から生じたのではなく、それ以前におきた部分的な遺伝子重複から生まれたものだとボッゾらは考えています(6)。このようなことはウニでもおこっていて(ホヤではおこりませんでした)、ウニも GlyT2.1・GlyT2.2 の2つのタイプの Gly2 を持っています(図188-3)。

GlyT1は全く脊椎動物独自のグループで、ナメクジウオを含む無脊椎動物では発見されておらず、脊椎動物が全ゲノム重複というイベントを経験した後、独自に進化させた分子群と考えられます。

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図188-3 グリシントランスポーターの分子進化

余談になりますが、グリシンは睡眠誘導物質として知られています(7)。私も眠れなかったときに買って飲んでみたのですが、気分が悪くななることがあってやめました。今もポット一杯の粉末がストックしてあります。捨てればいいのですが、なかなかできないのが私の弱点です。

参照

1)続・生物学茶話150: グリシン その1 神経伝達物質としてのグリシン
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/07/post-7d466c.html


2)続・生物学茶話151: グリシン その2 グリシン受容体のルーツ
http://morph.way-nifty.com/grey/2021/07/post-93b637.html

3)Jiri Pergner and Zbynek Kozmik, Amphioxus photoreceptors - insights into the evolution of vertebrate opsins, vision and circadian rhythmicity., Int. J. Dev. Biol. vol.61: pp.665-681 (2017) doi: 10.1387/ijdb.170230zk
https://www.semanticscholar.org/paper/Amphioxus-photoreceptors-insights-into-the-of-and-Pergner-Kozm%C3%ADk/b61537cdd1ce330ea6b13a045bb120b6c1525064

4)Aubrey, K.R.; Rossi, F.M.; Ruivo, R.; Alboni, S.; Bellenchi, G.C.; Le Goff, A.; Gasnier, B.; Supplisson, S. The transporters GlyT2 and VIAAT cooperate to determine the vesicular glycinergic phenotype., J. Neurosci. vol.27, pp.6273–6281, (2007) doi: 10.1523/JNEUROSCI.1024-07.2007.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17554001/

5)Shpak, M., Gentil, L.G. & Miranda, M. The Origin and Evolution of Vertebrate Glycine Transporters. J Mol Evol vol.78, pp.188-193 (2014).
https://doi.org/10.1007/s00239-014-9615-2
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24619162/

6)Matteo Bozzo, Simone Costa, Valentina Obino, Tiziana Bachetti, Emanuela Marcenaro,Mario Pestarino, Michael Schubert, and Simona Candiani,Functional Conservation and Genetic Divergence of Chordate Glycinergic Neurotransmission: Insights from Amphioxus Glycine Transporters., Cells 10, 3392.(2021)
https://doi.org/10.3390/cells10123392
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34943900/

7)眠れない人のための駆け込みサイト 睡眠サプリに含まれるグリシンの効果・副作用とは
https://www.goodsleep-nav.com/component/glycine.html


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2022年9月 3日 (土)

大野都響ーイブラギモヴァーブラームス@東京芸術劇場2022/09/03

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涼しくて出かけやすい気候になりました。今日は池袋の芸劇で大野・都響のブラームス交響曲第2番です。ソリストのイブラギモヴァは大人気のヴァイオリニストで、コンチェルトもブラームスのVnコンチェルト。広い芸劇ですが満席です。本日のコンマスはボス矢部、サイドは山本さん。

コンチェルトの序奏から、あれっ柔らかい音。ソリストを意識してのことでしょうか? ソリストのイブラギモヴァは恰幅の良いおばちゃんですが、童顔のかわいい人です(フライヤーの写真は昔すぎます)。ヴァイオリンの音もそんな感じですが、この箱にしてはやや音量が足りない感じがします。アンセルモ・ベローシィオの楽器らしいですが、サントリーホールで聴きたかったですね。ぺったんこの靴で、結構ステージを動き回りながら弾きます。指揮者の目の前で弾いたりしますが、これは指揮者は意外に合わせやすくて好ましいかも。

彼女の音楽はちょっと特別で、聴衆だけでなくオケメンにも自分の母乳を与えてリラックスさせ、会場全体ををやわらかく包むような雰囲気があります。聴く者にも弾く者にも母の愛が惜しみなく与えられます。もう技巧を超えた福音ですね(技巧もすごいのですが)。カデンツァなんてまるで胎児に話しかけているように感じました。

後半の交響曲第2番は文句のつけようがないくらい立派な演奏なんですが、なんというかライブのスリルや面白さが感じられないのがマエストロ大野の面目躍如なんだよね。2Vnの小林さんもマエストロ小泉のときのように足を踏みならしながらの演奏とはほど遠く、緊張して弾いていたみたいです。昨年のマエストロ下野のブラームスは、はみだしたケースも多くてとてもエキサイトしました。まあキャラとしてそういうのはできないんだと思いますね。

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