2017年1月23日 (月)

2016~2017リーガエスパニョーラ第19節: テア=シュテーゲンとデニス=スアレスが流れを変えた

Braugranaバルサが最後にアノエタ@サン・セバスチャンで勝利したのは2007年だそうで、ミッドウィークの国王杯でようやくひとつ勝つことができたのは、とりあえずめでたいことです。

リーガの方は、同じバスクのSDエイバルとの対戦です。エイバルの街は印西市や白井市より小さく、スタジアムも拡張工事をしてようやく7000人の収容となりました。これで現在9位ですから立派なものです。乾がチームに加入したことで日本のサッカーファンにもよく知られるようになりました。

エイバルのスタメンは、1トップ:セルジ・エンリク、2列目:乾・アドリアン=ゴンザレス・ペドロ=レオン、ダブルボランチ:ダニ=ガルシア・エスカランテ、DF:ルナ・ルジェーヌ・マルロ=ドスサントス・カパ、GK:ヨエル。要注意はペドロ=レオンで、かなりのテクニシャンです。あとはカパにフィジカルで飛ばされないようにすれば大丈夫でしょう。

バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:アルダ・ラキティッチ・ブスケツ、DF:アルバ・マチュー・ウムティティ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。アルダはネイマールの代役のときと、イニエスタの代役の時では全く違うプレーをします。チームオーダーに忠実にプレイできるのは、それだけの懐深い技術があるからでしょう。

エイバルはホームだけあって、前から厳しいチャージをかけて先取点をねらってきました。なかなか困難な試合になりそうでしたが、8分にブスケツが蹴られて負傷退場。非常に困ったことになりました。エンリケが打った手はデニス=スアレスを投入し、ラキティッチをボランチに下げるという非常手段でした。しかし主導権をエイバルに奪われ、25分にはアドリアン・ゴンザレスにこれはもうダメというシュートを打たれましたが、なんとかテア=シュテーゲンがはじき、さらに直後のペドロ=レオンのシュートも止めて、ようやくバルサにツキがまわってきました。

テア=シュテーゲンのビッグセーヴ
https://www.youtube.com/watch?v=6-6CVRog_W4

32分にはメッシのシュートがエイバルの選手に跳ね返ったところを、デニス=スアレスが長いグラウンダーのシュートで決めてくれました。素晴らしい今季初ゴールでした。

0:1で折り返した後半はほぼバルサのペース。6分にはスアレスがロングループをゴール前に走り込むメッシにピッタリで通して、メッシが軽く合わせてゴール。23分にはスアレスがエイバルのCBルジェーヌから奪球し、ひとりでつっこんでゴール。最後はカウンターからネイマールが決めて0:4。結果的にはバルサの圧勝でしたが、ひとつボタンを掛け違うとやられるような試合でした。

https://www.youtube.com/watch?v=st5363iVs8M

https://www.youtube.com/watch?v=nosXsHx9SFY

https://www.youtube.com/watch?v=O6002uaYnus

https://www.youtube.com/watch?v=fjlm97OdZdQ

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2017年1月21日 (土)

トランプ大統領

A1180_008583同じアンチグローバリズムといっても、サンダースが大統領になっていれば世界を善導できたと思いますが、ついにトランプが大統領になってしまいました。

就任演説は今までの主張通りの内容で、あれでは周辺も暴走をおさえられないと思いました。トランプはグローバリズムとアンチグローバリズムの対立を、国家や人種の対立に矮小化しています。その方がわかりやすいからです。

彼の方針を押し通すとすると、米国が国連に加わっているのはおかしいということになりませんか? 国連決議に従うと、アメリカファーストにはならないこともありますよ。また米国がやりたいことをロシアや中国の拒否権でできないかもしれません。私が一番心配しているのは米国が国連を離脱することです。そんなバカなことが起こるはずがないとは言えないというのは、トランプが大統領になったことでも明らかでしょう。

私が晋三にアドバイスするとすれば、まず南京に行って卵のひとつでもぶつけられてこいということです。嫌われても逃げられても、どうしてもトランプに抱きつくというのは愚かな選択です。もっと中国という隣人とのつきあいを真剣に考えていく時代だと思います。

いよいよオリバー・ストーンの映画「スノーデン」が1月27日に封切られますが、これはアメリカ国家安全保障局NSAの職員であったスノーデンが日本で行っていたスパイ活動を暴露する内容も含まれているそうです。

そのなかには日本の発電所に破壊プログラムをもぐりこませるという活動も含まれており、いざというときにこのプログラムを動かすと発電所は停止し、日本のすべての原発は全電源停止となって、戦争などやらないうちにすべての使用済み核燃料の冷却が停止して日本は終了します。これは日本人なら必ず見るべき映画でしょう。

http://eiga.com/movie/81862/

最近のTBS-NEWS23にはめざましいものがあります。上記のオリバー・ストーンの単独インタビューも雨宮が行っていて、なかなか興味深く視聴しました。また星のアサド大統領単独インタビューもめざましい特ダネです。ただどうして米国がアサドを棄てて反政府勢力をサポートしたのか、掘り下げがなくて不満は感じましたがね。

http://www.tbs.co.jp/news23/

雨宮塔子は手慣れた感じの進行で安心感があります。駒田も肩に力がはいっていない感じがいいです。星にいじめられても気にせず淡々と進めて欲しい。皆川は面白いキャラです。かわいらしさと美しさを兼ね備えている希有の女性なのに、色気と愛嬌はほぼゼロ。おそらく私生活でも冗談なんて全く言わないのでしょう。お堅いわけではなく、ボーッとしているだけだと思いますがね。小賢しい感じがないとか、上昇志向を表に出さない(あるいはない)ところが非常に好感度大です。宇内がまた皆川とは正反対のキャラで、異常に興奮感動するタイプで、色気や愛嬌もバッチリ。よいアクセントになっています。最後に星は圧力をかけてくる政権に遠慮して言葉が不明確になるところが、各放送局のキャスターの中では一番少ないと思います。これは大いに評価できますね。

TBSに言いたいのは金曜日も午後11時からやれよということです。

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2017年1月19日 (木)

やぶにらみ生物論57: ペプチド結合・αヘリックス・βシート

Ahermann_emil_fischer2タンパク質はアミノ酸が脱水縮合して合成される物質です。このことを発見したのはエミール・フィッシャー(1852-1919、図1)です。エミール・フィッシャーはむしろ糖やプリン誘導体の研究者として有名で、それらにかんする研究業績を評価されて、1902年にファント・ホッフに続いて2人目のノーベル化学賞を受賞しています。

彼は有機化学・生化学の父とでも言うべき人で、糖やプリン誘導体以外にも多方面に業績があり、1901年にはエルネスト・フォルノー(1872-1949)と共に、グリシンとグリシンを脱水縮合させてグリシルグリシンを合成しています(1)。これがタンパク質化学のはじまりでしょう。

彼はその後80個のアミノ酸をつないで、タンパク質と言えるような高分子を合成することに成功しました。その性質は天然のタンパク質とよく似ていたそうです(2)。100年以上前の文献で私は読んでいませんが、現在でも7000円くらい支払えば読むことができます。

フィッシャーはタンパク質合成に成功したとき、これで近未来に人類の食糧問題は解決するだろうと考えましたが、残念ながら現代に至っても食糧問題は人類にとって深刻な課題のまま残されています。

フィッシャーは膨大な業績を残しましたが私生活には恵まれず、奥方は結婚後7年で病死、息子3人のうちひとりは戦死、ひとりは自殺で失っています。彼自身も1919年に自殺しました(3)。リヒテンターラーが彼の生涯や業績についてレビューを出版しています(4)。自殺の原因は不明ですが、彼自身が開発して糖の構造解析に用いていたフェニルヒドラジンによって、癌になったことが原因だという説があります。

アミノ酸の脱水縮合は図2のように、カルボキシル基COOHのOHとアミノ基NH2のHがH2Oとなって離脱し、残されたCOとNHがO=C-N-Hという形で結合し(ペプチド結合)、2つのアミノ酸を連結する形で行われます。したがって反応生成物はH2N-HCR-ペプチド結合-HCR-COOH(Rはそれぞれのアミノ酸によって異なる)という形になります。図3のように4つのアミノ酸が連結されるとH2N-HCR-ペプチド結合-HCR-ペプチド結合-HCR-ペプチド結合-HCR-COOHとなります。

A

図3では具体的にバリン-グリシン-セリン-アラニンのテトラペプチドの構造を記してあります。連結されたアミノ酸の数が数十個以内の場合、タンパク質ではなくポリペプチドと呼ばれる場合が多いです。またより小数の場合オリゴペプチドとも呼ばれます。図3の青い丸印のついたCはアミノ酸が連結されたあとでも不斉炭素です。ポリペプチド(タンパク質)の両端はそれぞれアミノ基とカルボキシル基が露出していて、それぞれN末・C末(N端・C端)などと呼ばれることがあります。

A_2

A_3タンパク質構造研究の次のエポックは、ライナス・ポーリング(1901–1994、図4)によって創られました。彼は貧困家庭の生まれで、ハイスクールを卒業できなかったそうですが、苦学してオレゴン農業大学を卒業しました。そして第二次世界大戦中に、マンハッタン計画の化学部門のヘッドにハントされるほどの量子化学部門での重鎮となりました(そのポストに就くのは断ったそうです)(5)。

ポーリングは化学結合に関する研究で1954年にノーベル賞を受賞していますが、タンパク質の構造については50才も近づいた頃から研究をはじめて、たちまちαヘリックス(6)やβシート(7)という概念を提唱するなど卓越した業績を残しました。これらの論文および現代的観点から見た解説は無料で読むことができます(8)。

ポーリングらがこれらの重要な発表を行った当時、米国ではマッカーシ-イズム(レッドパージ)が吹き荒れており、マンハッタン計画参加を断ったポーリングは反政府勢力とみなされてパージされそうになっていたのですが、これらの業績によって地位を保つことができたようです(8)。ポーリングはその後も反核運動を続けて、1962年にはノーベル平和賞を受賞しています。ノーベル賞を2回受賞した人は、マリ・キュリー(1903年に物理学賞、1911年に化学賞) 、ジョン・バーディーン(1956年と1972年に物理学賞) 、フレデリック・サンガー(1958年と1980年に化学賞) 、ライナス・ポーリング(1954年に化学賞、1962年に平和賞)の4人です。

A_4ポーリングはタンパク質の構造形成において水素結合が重要な役割を果たしていることを示しました。水素の原子核は小さく弱体で、保有する電子を強い(陽子の多い)原子核を持つ原子に奪われがちです。

水の分子における水素も原子を酸素に奪われがちで、その結果水素原子はプラスのチャージを持つようになります(図5左)。

 

一方酸素原子は過剰な電子でマイナスチャージを帯びるので、水分子は片側が+、反対側が-のチャージを帯び、水分子同士が引き合って安定した構造を保ち、その結果比熱が高くなって、熱を加えてもなかなか気体になりません(図5左)。

 

酸素分子以外でも水素は電子を奪われて+にチャージしがちなので、他の原子を引き寄せることができます。結果的に水素をはさんで他の2原子がブリッジをつくるような形になります(図5右)。これが水素結合です。

DNAの塩基対ATおよびGCは水素結合によって形成され、DNAを適度に安定化しています。水素結合は分子同士ばかりでなく、分子の内部でも形成されます。タンパク質の場合はそれによってαヘリックス(図6)やβシート(図7)が形成され、分子が安定化します。αヘリックスは1本のペプチド鎖によって形成されますが、βシートは2本のペプチド鎖によって形成されます。図7のように分子内で鎖が折れ曲がって行ったり来たりすることによって、同じ分子内でβシートを形成することが可能になります。

A_5

A_6

水素結合のエネルギーは5~30KJ/モルであり、数百KJ/モルの共有結合と比べると非常に小さいので弱い結合と言えますが、DNAには分子が持つ塩基対の2~3倍の数の水素結合があるわけですし、タンパク質分子内にあるαヘリックスやβシートそれぞれにおいても非常に多数の水素結合があるので(図6、図7)、分子の安定性には相当寄与しています。

またDNAを読み取るには水素結合を引きはがして単鎖にしなくてはいけないわけですし、タンパク質が他の因子によって機能を制御されたり、自身が酵素の機能を発揮するような場合には分子の形を変えなくてはいけないので、水素結合が弱い結合であることにはそれなりに意義があるわけです(9)。

ポーリングは晩年癌のビタミンC大量投与療法の研究などでバッシングを受けて、研究ができないような状況に追いやられましたが、死後彼の研究を支持する結果も報告されて、名誉は回復されました(10)。

彼自身マキシマムヘルスを実現するため、マルチビタミンの摂取を実行し、現在でも「ライナス・ポーリン博士のスーパーマルチビタミン」「ライナス・ポーリン博士のビタミンC」などという商品が販売されています。

参照:

1)Emil Fischer and Ernest Fourneau, Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft, vol.34, p.2868 (1901)

2)Emil Fischer, Synthese von Polypeptiden, Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft, vol.36,pp.2982-2992 (1903) doi:10.1002/cber.19030360356.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cber.19030360356/abstract

3)Top 5 suicide chemists. 1) Emil Fischer (1852-1919)
http://syntheticenvironment.blogspot.jp/2007/04/top-5-suicide-chemists.html

4)Emil Fischer, His Personality, His Achievements, and His Scientific Progeny, Frieder W. Lichtenthaler, European Journal of Organic Chemistry
Volume 2002, Issue 24,  pages 4095-4122 (2002)
http://onlinelibrary.wiley.com/wol1/doi/10.1002/1099-0690(200212)2002:24%3C4095::AID-EJOC4095%3E3.0.CO;2-2/full

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0#.E7.94.9F.E4.BD.93.E5.88.86.E5.AD.90.E3.81.AE.E7.A0.94.E7.A9.B6

6)Linus Pauling, Robert B. Corey, and H. R. Branson、The structure of proteins: two hydrogen-bonded helical configurations of the polypeptide chain. Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol.37, pp.205-211 (1951)
http://www.pnas.org/content/37/4/205.full.pdf?sid=d8637919-9b62-43f1-b1f3-7e675806b4a5

7)Linus Pauling, and Robert B. Corey、The pleated sheet, A new layer configuration of polypeptide chains. Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol.37, pp.251-256 (1951)
http://www.pnas.org/content/37/5/251.full.pdf?sid=585970d7-d233-401b-84a1-c5a4668381d9

8)David Eisenberg、The discovery of the α-helix and β-sheet, the principalstructural features of proteins. Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol.100, pp.11207–11210 (2003)
http://www.pnas.org/content/100/20/11207.full

9)J. D. Watson et al., Molecular Biology of the Gene 6th edn, Chapter 5, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2008)

10)Padayatty S, Riordan H, Hewitt S, Katz A, Hoffer L, Levine M (2006). “Intravenously administered vitamin C as cancer therapy: three cases”. CMAJ vol.174 (7), pp.937-942. PMID 16567755.

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2017年1月16日 (月)

2016~2017リーガ・エスパニョーラ第18節: アウェイのラス・パルマスは借りてきた猫

Braugranaカンプノウで今季好調のラス・パルマスとの対戦。バルサはFW:アルダ・スアレス・メッシ、MF:ラフィーニャ・Aゴメス・ブスケツ、DF:アルバ・ウムティティ・マスチェラーノ・ビダル、GK:テア=シュテーゲン。ミッドウィークの国王杯で宿敵ビルバオに勝利し、バルサはローテーションを実行。戦力外と言われたビダルまで使ってきました。

ラス・パルマスは1トップ:ボアテング、2列目:ビエラ・Vゴメス・タナ・エル=ザール、ボランチ:ロケ=メサ、DF:エルデル=ロペス・レモス・ダビド=ガルシア・ミシェウ、GK:ハビ=バラス。ボアテングはトップリーグの様々なチームを渡り歩き、ラス・パルマスは9チーム目です。

ラス・パルマスはグラン・カナリアでは躍動するライオンなのに、アウェイだと借りてきた猫のようにおとなしいチームです。今回も守備中心で、バルサとしては勝敗は別として、ホームではやりやすい相手です。さらに開始3分、中心選手のロケ・メサがスアレスに後ろから抱きついてイエローカード。これでさらにやりやすくなりました。

13分ビダルから抜け出したAゴメスにタイミング良くスルーパスが通って、Aゴメスが右サイドに突入。スアレスにマイナスパスで、スアレスが気持ちの良いゴール。先制点はバルサです。しかしラフィーニャとAゴメスのシュートミスで追加点はとれません。

この後ラス・パルマスの守備の要、ダビド=ガルシアが負傷退場でアイタミに交代。バルサにとってさらにやりやすくなりましたが、メッシがGKと1:1のシュートをミスって前半は1:0で終了しました。私はビダルのプレイスタイルは好きで、特にAゴメスやスアレスとは相性が良いと思います。

私はメッシが「非常識」な額でしか契約延長ができないとすると、メッシを放出してAゴメス・アルダ・ビダルを残した方がよいと思います。

後半開始早々はラス・パルマスが攻めの姿勢を見せますが、ボアテングのヘディングシュートがはずれてからはバルサペース。7分ラフィーニャのクロスをハビ=バラスが落球し、拾ったメッシがゴール。11分アルダ→ラフィーニャ→スアレスとパスがつながって、スアレスがゴール。3:0です。

14分カウンター攻撃でスアレスとGK1:1のシュートがGKに当たり、こぼれ球をアルダが押し込んで4:0。35分にはスアレスに代わって出ていたパコ・アルカセルの右からのクロスをビダルがゴール。バルサにきてからはじめてのアレイシュ=ビダルのゴールで、マニータで締めくくりました。

https://www.youtube.com/watch?v=wp9tplLczco

https://www.youtube.com/watch?v=-4s2r6elfzs

https://www.youtube.com/watch?v=pLhEASRixag

https://www.youtube.com/watch?v=w4rl00yoaVc

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2017年1月15日 (日)

西島三重子ライヴ@南青山マンダラ2017年1月14日

Img_1674お昼には雪も降って厳寒です。南青山マンダラに行ってきました。

西島三重子「おひさまのたね」のニューバージョンがリリースされたので、記念のライヴだそうです。ほぼ満席の大盛況。

みーちゃんは咳喘息にかかっていたそうで、よく回復してライヴに間に合ったものだと思います。私も9月にこれにかかって大変でした。なにしろ何かしゃべろうとすると、言葉より先に咳がでてくるので、歌を歌うなんてとんでもないという病気です。

セットリスト:

1.夜空ノムコウ(スマップのカバー)

2.池上線 ジャズシンガーの大江恵さんがカバーをリリースされたとかで、本人が客席にみえておられました。
https://www.youtube.com/watch?v=gex4g9ABPTE

3.池上線ふたたび

4.Dear my friend

(川村学園の校歌)

5.浜辺の歌

6.シャドウ

7.糸(中島みゆきのカバー)

8.おひさまのたね

ブレイク

9.午前0時のシンデレラ

10.シベールの日曜日
サプライズでした。「シベールの日曜日」という古い映画にちなんだ曲です。
私の解説:http://morph.way-nifty.com/grey/2007/01/post_b633.html

11.少年の日
to みーちゃん: 私のリクエストを歌っていただきまして有難うございました。

12.さくら(森山直太朗のカバー)

13.三寒四温

14.ロンリーガール
本来ピアノ伴奏の曲ですが、ギター(平野融)伴奏で聴いたのは多分初めて。
素晴らしい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=i7L6ix0DuMQ
https://www.youtube.com/watch?v=nVGkoWcf8r8

15.泣かないわ

16.サラベイ

17.サイレントデイズ
今回リリースされた「おひさまのたね」のカップリング曲です。
作詞した児島由美さんが客席にきておられたそうです。

アンコール

18.おひさまのたね(ニューバージョン)

新旧取り混ぜた盛りだくさんのライヴでした。

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2017年1月13日 (金)

やぶにらみ生物論56: アミノ酸

しばらく核酸のお話がつづきました。かなりつっこみましたので、このあたりで少しタンパク質の話題にワープしようと思います。核酸とタンパク質は生命現象の両輪であり、バランス良く理解を進めることが必要です。

タンパク質は約20種のアミノ酸からなる生体高分子ですが、まずその構成要素であるアミノ酸のお話から始めましょう。最初にアミノ酸を発見したのはフランスの薬剤師・化学者ルイ=ニコラ・ヴォークラン(1763 - 1829)と彼の助手だったピエール=ジャン・ロビケ(1780 – 1840、図1)です。彼らは1806年にアスパラガスから高純度のアミノ酸を抽出し、その性質を研究してアスパラギンと命名しました(1,2)。またアンリ・ブラコノー(1780 - 1855、図1)は1820年にゼラチンの分解物からグリシンを発見しました(3)。

結局ほぼすべてのアミノ酸が発見されるまでには100年の歳月を要しました。日本のアミノ酸研究者としては池田菊苗(1864 - 1936)が有名です。彼はグルタミン酸の発見者ではありませんが、このアミノ酸のナトリウム塩が「だし」のうまみ成分であることを発見しました(4)。

A

A_2最初にタンパク質の一次構造、すなわちアミノ酸が並ぶ順番を解明したのはフレデリック・サンガー(1918 - 2013、図2)でした。これによって、アミノ酸のみがつながってタンパク質を構成していることもわかりました。

後にはすでにふれたsnRNAや、補酵素・補欠分子族などを分子に含むものも見いだされましたが、基本的にタンパク質はアミノ酸がつながってできています。

サンガーはこの業績によって1958年のノーベル化学賞を受賞しましたが、後にDNAの塩基配列を決定する方法も開発して、1980年に2度目のノーベル化学賞を受賞しています(5、6)。

サンガーが解明したのはインスリン分子におけるアミノ酸の配列ですが、その前にアミノ酸の略号による表記を図3に示しておきます。3文字を用いる場合と1文字を用いる場合があります。

A_3

図3の1文字による表記(例えばアラニンはA、アルギニンはR、・・・)を使ってインスリン分子の構造を示したのが図4です。サンガーが使用したインスリンのサンプルは牛の膵臓から抽出して、何度も結晶化することによって精製されたものです。アミノ酸の配列は動物種によって多少異なります。ですからヒトなどほかの生物のインシュリンのアミノ酸配列が教科書などに出ている場合、この配列とは異なる可能性があります。

インスリン分子は単にアミノ酸がタンデム(直列)につながったものではなく、A鎖(21アミノ酸)・B鎖(30アミノ酸)の2列のアミノ酸が、システインのところでS-S結合(ジスルフィド結合)を形成し、接続された構造になっています(図4)。

A_4

タンパク質の構造については後に述べることとして、まずタンパク質の構成要素であるアミノ酸についてみていきましょう。生物に含まれるアミノ酸はいろいろバリエーションはありますが、基本的には図3に示した20種類です。すべてのアミノ酸分子は炭素原子を中心として、これにカルボキシル基(COOH)、アミノ基(NH2)、水素(H)、側鎖が結合しています(図5)。この4つの要素がすべて異なる場合、図6のように鏡像の構造体=エナンティオマー(対掌体)が存在し得ます。4つの要素の中心になる炭素を不斉炭素(アシンメトリックカーボン)と呼びます。

A_5

A_6

対掌体は光線を当てたときの回折方向が異なるので、以前は光学異性体と呼ばれていました。対掌体のふたつの化合物はそれぞれD体、L体と呼ばれます。アミノ酸の場合、生物はほぼL体のみを用いてタンパク質を合成します。ただ希にD体を使用する場合もあるので、DL変換を行なうアミノ酸ラセマーゼという酵素も存在します(7、8)。

アミノ酸のうちグリシンはRの部分が水素(H)なので、図7のように鏡像を構成する物質は120度回転すると同じになってしまいます。したがって対掌体は存在しません。またプロリンは通常のアミノ酸と構造が異なりますが、対掌体(光学異性体)は存在します(9)。

A_7

アミノ酸は側鎖Rの構造によって、異なる性質をもつグループに分類できます。図8に示したのは中性で疎水性のグループです。球形のタンパク質をつくる場合、外側の水と接する部分を親水性のアミノ酸、内側を疎水性のアミノ酸にすれば、うまく球状の分子構造を形成することができます。また細胞膜の外側と内側に親水性、細胞膜内部に疎水性のアミノ酸を配置すれば、細胞膜を貫通するタンパク質のデザインとして好適となります。疎水性のアミノ酸をさらに細かく分類すると、芳香族のトリプトファンとフェニルアラニン、それ以外の脂肪族のグループに分けられます。

A_8

次に中性で親水性のグループを図9に示します。1級アミド(CONH2)や水酸基など水と親和性が高い分子パーツを持っています。極性分子グループと分類されることもあります。

極性とは分子の片側に電子が偏って存在することを意味します。水も極性分子で、電子は酸素側に偏っています。したがって水に極性分子を混ぜると、電子が豊富な部位と、足りない部位が引き合ってうまく混合し、溶解度は高くなります。酵素は通常水に溶解した状態で作用するので、特に表層は親水性のグループで被われている必要があります。

A_9

図10には塩基性、図11には酸性のアミノ酸を示します。塩基性のアミノ酸は特に核酸との相互作用を行なう上で重要です。酸性のアミノ酸はその反応性の高さを利用するため、酵素の活性中心に位置する場合があります。

図11に示したプロリンは特異なアミノ酸で、アミノ基がありません。その代わり5員環のNHがアミノ基の役割をしていて、他のアミノ酸のカルボキシル基と反応して結合することができます。これによってアミノ酸鎖の角度を変えることができるので、球形分子などを形成するときには重要な役割を果たします。タウリンはカルボキシル基を持たず、代わりにスルホン基(-SO3H)を持っていますが、タンパク質には含まれず単独分子で機能します。

A_10

A_11

植物のような独立栄養生物はすべてのアミノ酸を自前で合成できますが、従属栄養生物はアミノ酸をエサとして取り込む必要があります。ヒトの場合一般に、図12に示される9種類のアミノ酸を外界から摂取する必要があります(10、11)。

ヒスチジンは体内で作られますが、急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから、1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになりました(12)。なお、アルギニンは体内でも合成され、成人では非必須アミノ酸ではありますが、成長の早い乳幼児期では体内での合成量が十分でなく不足しやすいため、準必須アミノ酸とされています。

A_12

一般に肉食動物は自分とほぼ同じアミノ酸バランスの食事なので栄養的には優れていますが、それを続けていると次第にアミノ酸合成を行なう酵素に進化的欠陥が発生し、必須アミノ酸が増える可能性が高くなります。図13で猫とヒトを比較していますが、アルギニン・チロシン・システインなどについては、ヒトと比べて猫は要求性が高くなっているようです。

また猫はタウリンを合成できません。タウリンは、心臓の筋肉や目の細胞に多く含まれ、タウリンの欠乏は 網膜の異常(失明につながることもあり) 拡張型心筋症(発病すると死に至る…)や子猫の発育異常 免疫不全 などの原因になります(13、14)。

A_13

とはいえ草食動物でも羊がシステインを合成できないなどということもあり、腸内細菌にアミノ酸合成を行わせる(草食動物の腸は長い)場合もあって、必須アミノ酸のお話もそう単純ではありません。アブラムシはその細胞内にブフネラという細菌を飼っていて、必須アミノ酸をつくらせているというような極端な場合もあります(16)。シロアリはなんと窒素固定細菌を腸内に飼っていて、空気中の窒素からアミノ酸をつくらせているそうです(17)。

 

参照

1)http://www.a-creation.jp/basic/history/

2)http://andantelife.co.jp/aminoacids/aminoacids.htm

3)https://glycine-corp.com/2016/08/11/what-is-glycine/

4)大越 慎一:うま味の発見と池田菊苗教授、東京大学理学部広報
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/treasure/02.html

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC

6)Antony O. W. Stretton、The First Sequence: Fred Sanger and Insulin、Genetics vol.162, pp.527–532 ( 2002)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1462286/pdf/12399368.pdf
http://www.genetics.org/content/162/2/527

7)山根隆 D-アミノ酸の効率的合成に関係する酵素の構造と機能  Japanest NIPPON (2011)
http://japanest-nippon.com/jp/mbinfo/mb_detail1.php?cid=1&id=12

8)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%8E%E9%85%B8%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BC

9)http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/OCDB/Protein/proline.htm

10)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%85%E9%A0%88%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%8E%E9%85%B8

11)馬渕知子 タンパク質を構成する9種類の「必須アミノ酸」とは? 
http://www.skincare-univ.com/article/011704/

12)山口迪夫 食事:ヒスチジンが必須アミノ酸と考えられる理由
http://www.nutritio.net/question/FMPro?-db=question-bbs.fp5&-lay=main&-Format=detail.htm&hatugenID=97&-Find

13)岩田麻美子 猫の栄養学講座 タンパク質
https://allabout.co.jp/gm/gc/69259/all/

14)http://lifecuration.link/post-2725-2725

15)http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3_%E7%BE%8A

16)理化学研究所 プレスリリース(2009)
http://www.riken.jp/pr/press/2009/20090310_2/

17)理化学研究所 プレスリリース(2015)
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150512_2/

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2017年1月11日 (水)

小泉-都響 ブルックナーの交響曲第5番@サントリーホール2017年1月10日

Imgkoizumi厳寒の中、サントリーホールでブルックナーの交響曲第5番変ロ長調1曲だけの都響演奏会。本日のコンマスは四方さん、サイドは山本さんです。マエストロ小泉の指揮。

ブルックナーの交響曲はRPGで洞窟を探検するというイメージですね。暗くて狭い穴蔵を進んでいくと、突然美しい地底湖に出会ったり、鍾乳石の大伽藍に飛び出したりします。

ただ同じ場所をぐるぐる回って、気がついたら元の場所だったというようなこともあり、楽しむには根気も必要です。最後はもちろんボスキャラが出てきて、正義の騎士小泉がタクトで切りまくるという展開ですね(実際そういうアクションでした)。

第2楽章のアダージョが実に美しい。まさしく地底湖の美です。これだけでも聴く価値のある曲だと思います。その他の楽章は結構繰り返しのようなフレーズが多くて、初演したシャルクが大改竄して演奏したのもわかる気がします。

第4楽章のコーダもオケがバテバテになるくらい盛り上がりが間延びしていて、本当に要領の悪い作曲家だと思います。この人が第7交響曲から突然贅肉のとれた美の極致のような作品をつくることになるとは、やはり地道な努力が晩年花を咲かせることもあると実感させられます。

鷹栖さんが久々に復帰してきました。今日はちょっと緊張気味でしたが、これからの活躍を期待しています。美音の柳原もゆるキャラ的風貌ではありますが、これからの都響をしょって立つべき人で、非常に期待しています。

最後は小泉さんが四方さんと山本さんを伴って登場の一般参賀でした。


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2017年1月 9日 (月)

2016~2017リーガ・エスパニョーラ第17節: メッシのFKで終了間際に追いつく

Braugranaビジャレアルのスタジアムはもとエル・マドリガルという風雅な名前でしたが、外壁に派手なイルミネーションが設置されて、ラ・セラミカという名前に変更されました。

ビジャレアルはFW:パトとサンソーネの2トップ。パトは長友がパト以外は誰がきても止められると言っていた選手で、ドリブル突破要注意です。サンソーネはバイエルンで育った選手。MF:Rソリアーノ・Bソリアーノ・トリゲロス・ジョナタン、DFジャウメ=コスタ・ビクトル=ルイス・ムサッキオ・マリオ=ガスパール、GK:アセンホ。

バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:イニエスタ・アンドレ=ゴメス・ブスケツ、DF:ディニュ・マスチェラーノ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。ミッドウィークのコパ・デル・レイでビルバオに破れたように、前の3人の精度が落ちていて、昨年12月から調子落ちです。ただイニエスタはあまり試合に出ていないせいか絶好調。シュートは例によってほとんど無効ですが。

ビジャレアルは今のところリーガ最少失点で、守備には定評があります。3分イニエスタがドリブル突破からシュートもGKキャッチ。9分ジョナタンがクロスをフリーでボレーを打ちますがはずれ。12分・19分とパトとサンソーネにドリブル突破されますが、何とか失点は免れます。バルサは前の3人の鋭さと精度が低下していることもあって、ビジャレアルの守備に完封されたまま前半終了。

後半開始早々ディニュの不用意なパスをカットされ、カウンターからサンソーネにシュート打たれて失点してしまいました。しかしこのあとマスチェラーノが獅子奮迅の活躍で追加点は阻止。アンドレ=ゴメスをルイス=スアレスに、ディニュを下げてアルダを投入という手を打って、バルサは攻めに出ます。28分左のネイマールから中央のメッシにパスがきて、メッシが強烈なシュートと思ったら、ブルーノ=ソリアーノがするすると手を伸ばして球に接触。当然PKと思いきや何のおとがめも無し。これは意図的に手を伸ばしているので、当然レッドカードでPKのはずです。

角度によってわかりにくいですが、WOWOWの映像ではメッシのシュートがソリアーノの手に当たって上に跳ねたのがよくわかりました。

しかしピケは何を思ったか、スタンド貴賓席のリーガ会長ハビエル・テバス(マドリーサポーター)に抗議してイエローカードをもらってしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=Y1bJWb48Qqs

このあとハンドがおとがめなしというナーバスで奇妙なサッカーになってしまって、試合が壊れてしまいました。そしてこのまま終了かというときに、メッシが引っ張られてFK。なぜかビジャレアルの壁に大きな隙間があり、メッシがゴール。非常に納得がいかない試合でした。1:1にようやく追いつきましたが、バルサにとっては非常に痛いエンパテでした。

ハイライト:
https://www.youtube.com/watch?v=KtYYhlf48EM
https://www.youtube.com/watch?v=BouuTHnIy8E
https://www.youtube.com/watch?v=Q93QU1vc8D8

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2017年1月 7日 (土)

トランプに戦々恐々 はてさてどうなることやら?

Business_area_of_george_town_2トランプが何をやらかしてくれるか、米国人だけでなく、私たちも戦々恐々の2017年になりそうですが、彼が正しい点もあります。

グローバリゼーションがなぜ格差拡大につながるか? それはトランプが言うとおり、海外に生産拠点を先に移動した会社が国内にとどまった会社を駆逐し、従業員を失業に追いやる、そこまでいかなくても海外に対抗するため低賃金の臨時雇いに転落させるという図式です。

池上彰のグローバリゼーションのはじまりが東西冷戦の崩壊だったという説明はわかりやすい。格差が拡大すると社会主義になるかもという心配がなくなったので、「グローバル企業命」の政党が支配する国家(もちろん日本もそう)では社会保障がおろそかになったのです。

池上彰らはグローバリゼーションで生産拠点を受け入れた国の悲惨もちゃんと取材していて秀逸。監視カメラのもとで12時間労働を強いられる現場は厳しい。生産国同士の競争も厳しいでしょう。

米国で金持ちだけの自治体ができているという話がありましたが、日本にもその萌芽はあります。芦屋や田園調布は相続税で崩壊しつつありますが、ディベロッパーが高額な土地家屋をある地域に集中的に建てて、その周りを壁で囲むという新たなお金持ちの街ができつつあります。そのうち門番(=管理会社)が出入り口に常駐するような街になるでしょう。

しかし池上彰の「アンチグローバリゼーション=自分の国さえ良ければ良い」という定義は行き過ぎだと思います。トランプ=アンチグローバリゼーションという単純化が原因でしょう。サンダースという人がいたことも忘れてはいけません。

「グローバリゼーション=自分の会社さえもうかればよい」であり、それを阻止するのは今の世界では国家しかありません。国家の主権は民主主義によって主権者が握るというのが当然ですが、グローバリゼーションの社会では、企業が最高権力を握ることになります。TPPがつぶれそうだと言っても安心してはいられません。他の方法でもじわじわグローバル企業は権力を握るべく浸透してきます。

グローバリゼーションを支持する人々は、おそらく自分の家族さえ裕福な生活ができれば、別に国家などどうでもよいという潜在的な、あるいはそれ以上のイメージがあるのではないかと思います。このような人が社会の中枢を握っている場合、彼らがマスコミや社会の空気を支配しているので、民主主義(彼らはポピュリズムという)が機能しないこともあります。彼らはいつのまにかポピュリズムの意味を変更する力まで持っています。

それにしても日本からケイマン諸島(写真 ウィキペディアより)に74兆円も入り込んでいるというのには驚きました。これはなんとかしないとダメですね。

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2017年1月 5日 (木)

やぶにらみ生物論55: mRNAへの道2

前稿「やぶにらみ生物論54: mRNAへの道1」で述べたように、シャープやレダーらによって真核生物の遺伝子がイントロンによって分断されていることが明らかになり、これは真核生物の特徴であるとしばらく考えられていましたが、しばらくするとイントロンは細菌や古細菌にも存在することがわかりました(1)。このうち古細菌のイントロンはわが国の研究者達が発見したものです(2)。

図1に各種イントロンのリストをまとめて記しておきます。真核生物においてもミトコンドリアや葉緑体の遺伝子には細菌型のイントロンが存在します。またrRNAには細菌型の、tRNAには古細菌型のイントロンが存在します。細菌型のイントロンはイントロン自身が酵素の機能を持っていたり、イントロンの内部に酵素の遺伝子を持っていたりして、自力でスプライシングを行うことができます。

1a

細菌のイントロンには様々なものがありますが、いずれも構造は複雑です。本来は蛋白質である酵素の役割をRNAが代替しようというわけですから、それは当然と言えます。ここではウィキペディアからグループIIイントロンの構造を拝借して、図2として示しておきます。

2a

古細菌型のイントロンはリボヌクレアーゼとRNAリガーゼによってスプライシングが行われます。真核生物でもtRNAのイントロンでは古細菌型のスプライシングが行われますが、オルガネラやリボソーム遺伝子以外の大部分の遺伝子はスプライソソームというメカニズムでスプライシングが行われます。

イントロンというのはDNAの病気であり、スプライシングとはそのひとつの治療法です。DNAレベルでは治療不可能なので、転写されたときにRNAレベルで治療を行うわけです。参照文献(1)によると、クラミドモナスという藻類ではミトコンドリアのある酵素が1~2億年の間に核に移転したことがわかっていますが、その間に真核生物型のイントロンが、この酵素の遺伝子に15個も挿入されていたそうです。1000万年に1遺伝子あたり1個のイントロンが挿入されるという計算ですね。ヒトの遺伝子は約2万あるので、1000万を2万でわると500ですから、約500年にひとつイントロンが増加する計算になります。

えらい迷惑な話ですが、イントロンも長い間「ホスト」のDNAに棲み着いていると、その内部にエンハンサーが挿入されたり、イントロンの塩基配列が変わるとスプライシングに失敗したりするので、それなりに役割を主張しはじめる、言い換えれば進化的保存を要求することになります。

3ajoansteitz1941_2ともあれイントロンはタンパク質合成の際にアミノ酸配列として反映されることはないので、タンパク質をコードするRNA(すなわちmRNA)においては、必ずなんらかのメカニズムによって取り除かれなくてはいけません。

ジョアン・スタイツ(1941-、図3)らのグループは、small nuclear RNA という機能が不明だった核内のRNAが、タンパク質と複合体をつくって1群の small nuclear ribonucleoproteins (snRNP) をつくり、このsnRNPがmRNAのスプライシングにかかわっていることを示唆しました(3)。その後このsnRNP複合体はスプライソソームあるいはスプライセオソームなどとよばれています。

イントロンが取り除かれるプロセスを簡単に示したのが図4ですが、多くの場合イントロンはキャップ側の端がGU、ポリA側の端がAGとなっています。また中間部分に存在するAが重要な役割を果たします。その他ピリミジンリッチな配列とか、それぞれのsnRNPに親和性がある配列などがありますが、厳密には定められていません。

4a

第1のステップでは、キャップ側のGUがはずれて中間部のAと結合します。これはAの2の位置のOHがエクソン1右端の 3'-5' 結合を攻撃して切断し、AG結合をつくることによって実現します。この結果投げ縄のような構造が形成されます(図4)。第2のステップでは、エクソン1右端の3OHがエクソン2左端を攻撃して切断し、エクソン1とエクソン2が結合し、同時に投げ縄構造となったイントロンが切り離されます(図4)。

真核生物のイントロンは、細菌のような複雑な構造をとっているわけではなく、リボザイムではないので、図4のようなダイナミックな反応(スプライシング)は外部因子の力を借りて行われます。スプライシングを実行する外部因子とは U1、U2、U4、U5、U6 という snRNP で構成されるスプライソソームです。他の因子もかかわっていますが、ここでは省略します。詳細な知識が必要な方は参照文献(4)などを参照して下さい。

図5のようにまずU1がイントロンとエクソン1の境界部に結合します。U1はこの位置に結合するためのRNAを含んでいます。図ではぴったりイントロンのキャップ側(5' 側)の塩基配列と対合していますが、ぴったり対合する必要はありません。同時に中間部にあるAの近傍にU2が結合します。これにU4+U5+U6の複合体が結合してイントロンにテンションを発生させ、Aをエクソン1の右端に接近させてエクソン1とイントロンを切断します。

ここでU4がはずれ、U5+U6がエクソン1の右端とエクソン2の左端を接近させて連結させます。この反応によって、イントロンの投げ縄構造とそれに結合しているsnRNP群がはずれて、mRNAが完成します。

5a_2

こうして完成したmRNAですが、蛋白質合成に使用するためにはもう一手間かけなければなりません。それは核膜というバリアを抜けて、リボソームのある細胞質まで行かなければならないからです。核膜には核膜孔という関所のような穴があって、生体高分子はそこを通らないと核に入ったり核から出たりすることはできません。

ここを通過するためにmRNAが持つべき通行手形とその作成過程はまだ未知の部分があって、ワトソンの教科書などでもあっさりと通り過ぎています。Tapとp15という二つの蛋白質の複合体(ヘテロダイマー)が、mRNAにべったりくっつくことが重要だという説は正しいようですが(5)、まだわかっていない部分も多いと思われます。

参照

1)大濱武 遺伝子の中の厄介者、イントロンはどうしてなくならないか 生命誌 29号 (2000)
https://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/029/ex_1.html

2)渡邊洋一、横堀伸一、河原林裕、原核生物遺伝子のイントロン 古細菌タンパク質遺伝子のイントロンの発見 蛋白質・核酸・酵素 vol.47, pp.833-836 (2002)

3)M.R. Lerner, J.A. Boyle, S.M. Mount, S.L. Wolin & J.A. Steitz, Are snRNPs involved in splicing?  Nature vol.283, pp.220 - 224 (1980); doi:10.1038/283220a0
http://www.nature.com/nature/journal/v283/n5743/abs/283220a0.html

4)J.D. Watson et al. Molecular Biology of the Gene 6th edn.  (2008) or 7th edn (2013)

5)大阪大学大学院 米田研究室のサイト: 
http://www.anat3.med.osaka-u.ac.jp/research/research3_1.html

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2017年1月 3日 (火)

軽子坂

今年の同窓会は飯田橋の軽子坂です。軽子坂は室町時代からある街道で、神楽坂より古くから利用されてきたそうです。軽子とは今で言えば運送会社の職員で、昔は天秤棒をかついで物資を運搬していたそうです。そういえば神楽坂よりゆるい坂なので、彼らにしてみればこちらの道が良い道だったのでしょう。

現在では神楽坂の賑わいとは違って、とても静かな坂です。坂の途中の路傍に花束があって、おそらく交通事故が起こった場所のようです。しばらく上がっていくと、坂の頂点のあたりの左側に兵庫横丁という石畳のひっそりとした道があり(写真上)、曲がるとすぐにおめあての料亭「おいしんぼ」がありました(写真下)。

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Imgb


昔のこのあたりには高級料亭が多かったようですが、現在ではリーズナブルなお店が多くなったようです。お料理のクオリティーやサービスもOKでした。10年くらい前にはお正月は営業していない料亭が多くて場所決めに苦労したのですが、現在は結構営業するお店が増えてきたようです。これは大歓迎ですね。

軽子坂の歴史: http://kagurazakaguide.web.fc2.com/1120.html

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2017年1月 1日 (日)

謹賀新年2017

Photo

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2016年12月29日 (木)

やぶにらみ生物論54: mRNAへの道1

細菌では転写が行われると、通常できたばかりのRNAにリボソームがくっついて翻訳(RNAからタンパク質へ)が開始されます。ですから鋳型DNAと転写されたRNAと翻訳工場のリボソームが一体化した状況の電子顕微鏡写真が撮影されています。

しかし真核生物ではそうはいきません。転写は核内で行なわれますが、リボソームは核の外の細胞質内にあります。従ってRNAを核膜を通過させて核の外に出し、そのRNAをリボソームまで導かなければなりません。

このようなプロセスを裸のRNAにやらせようとすると、リボソームにたどり着く前にヌクレアーゼで分解されて影も形もなくなってしまうでしょう。そこで転写されたRNAには直ちに5’側にはキャップ、3’側にはポリAテイルが付加されて、端からRNA分解酵素にかじられるのを防いだり、自らがmRNAであることのシグナルとして機能させたりという役割を与えられています(図1)。

キャップとテイルは翻訳領域に直接つけられるのではなく、それぞれ翻訳されない領域 (5'-UTR=5' untranslated region, and 3'-UTR=3' untranslated region) で隔てられた部分につけられます。つまりmRNAはその全域がタンパク質の情報として翻訳されるのではなく、翻訳領域の両側(上流・下流)に余裕を持って非翻訳領域を配置し、さらにその両端にキャップとテイルを配置するような構造になっています(図1)。

A

キャップの存在を発見したのは古市泰宏 (1940~)で、当時の事情は彼自身が詳しいレビューを出版していますし(1)、日本語での自慢話も読めます(2)。

図2に示したように、転写されたRNAの5’末端ではリボース2つの2’の位置がメチル化されていて、さらに末端に7-メチルグアノシン3リン酸が5’-5’という奇妙な配位で結合しています。通常ヌクレオチドは5’-3’結合しかしないので、生化学的にこれは特殊な例と言えます。この構造のために通常のエクソヌクレアーゼはアクセスできなくなっています。

A_2

ポリAポリメラーゼはすでに1960年にメアリー・エドモンズ (1922-2005) らによって発見されていましたが(図3、参照3)、ながらく何のためにあるのかわかりませんでした。転写されたRNAのテイルにポリAを付加するためだとわかったのは10年以上後になります(4,5)。転写されたRNAにキャップがかぶせられるのは数秒以内。テイルが付加されるのは30秒以内だとされています(6)。

EdmondsaポリAテイルがどのような役割を担っているかは現在でもホットな研究課題です。ポリAテイルに親和性をもつタンパク質は数多く、例えばPABP1というタンパク質ひとつとってみても、翻訳の開始、翻訳の促進、翻訳の抑制、mRNAの安定化、mRNAのターンオーバーなど驚くほど多彩なプロセスに関わっているようです(7)。

キャップとテイルでmRNAの加工は終わりかと思われていたのですが、1977年になって予想外の事態になりました。当時DNAとDNA、DNAとRNAを試験管の中で対面させて、相補的な塩基配列を持つ部分を結合させる(ハイブリダイゼーション)という技術が開発され、また電子顕微鏡で核酸分子を検鏡する技術も開発されました。

そこでアデノウィルスの完成された殻タンパク質をコードするmRNAと遺伝子DNAをハイブリダイズさせてみると、ぴったりとは符合せず、DNAに余ってループをつくる部分ができることがわかりました(8)。これは転写されたRNAの一部が切り離されたために、DNAの一部がハイブリッドを形成できなかったことを示唆します。

このような実験結果は、図4のような模式図によって説明できます。切り離される部分をイントロンといいます。イントロンの塩基配列は当然タンパク質の構造には反映されず、mRNAは残されたエクソンとキャップとポリAテイルによって構成されます(図4)。イントロンが切り離され、エクソンが結合されるプロセスをスプライシングとよびます。イントロンが切り離される前のRNAをプレmRNAとよびます。核に存在するmRNA、rRNA、tRNA以外のRNAをまとめてhnRNA(heterogenous nuclear RNA) とよぶこともあります。hnRNA がプレmRNAを意味する場合もあります。

A_3

レダーらのグループはより明確にスプライシングの存在を証明しました。彼らはマウスのβグロビン遺伝子の塩基配列を完全解明し、どこからどこまでがエクソン、どこからどこまでがイントロンなどの詳しい研究結果を示しました(図5、参照9)。これによって遺伝子が内部のふたつのイントロンによって分断されていることがわかりました。福岡大学のサイトにβグロビン遺伝子の全塩基配列やエクソン・イントロンの位置などが示されています(10)。

A_4

細菌や古細菌にも遺伝子の分断はみられますが、一般的ではありません。真核生物でも酵母やカビにはごく少数しかみられませんが、ヒトやマウスでは遺伝子ひとつあたり平均7~8ヶ所の分断がみられます(11)。

!今年の更新はこれが最後となります。皆様良いお年をお迎えくださいませ!

参照:

1) Yasuhiro Furuichi,  discovery of m7G-cap in eukaryotic mRNAs. Proceedings of the Japan Academy, Series B
Vol. 91 (2015)  No. 8  p. 394-409
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjab/91/8/91_PJA9108B-01/_article

2)古市 泰宏  走馬灯の逆廻し:RNA研究、発見エピソードの数々|はじめに キャップ構造の発見
https://www.rnaj.org/component/k2/item/383-furuichi-1

3)Edmonds M, Abrams R., Polynucleotide biosynthesis: Formation of a sequence of adenylate units from adenosine triphosphate by an enzyme from thymus nuclei. J Biol Chem 235: 1142–1149. (1960)

4)Edmonds M, Vaughan MR, Nakazato H. 1971. Polyadenylic acid sequences in the heterogeneous nuclear RNA and rapidly-labeled polyribosomal RNA of HeLa cells: Possible evidence for a precursor relationship. Proc Natl Acad Sci 68: 1336–1340. (1971)

5)Darnell JE, Philipson L, Wall R, Adesnik M. Polyadenylic acid sequences: Role in conversion of nuclear RNA into messenger RNA. Science 174: 507–510. (1971)

6)JE. Darnell, Jr., Reflections on the history of pre-mRNA processing and highlights of current knowledge: A unified picture. RNA vol.19, pp. 443-460 (2013)
http://rnajournal.cshlp.org/content/19/4/443.full

7)Richard W.P. Smith, Tajekesa K.P. Blee and Nicola K. Gray, Poly(A)-binding proteins are required for diversebiological processes in metazoans. Biochem. Soc. Trans. vol. 42, pp. 1229–1237 (2014) doi:10.1042/BST20140111

8)Berget S.M., Moore C., Sharp P.A., Spliced segments at the 5' terminus of adenovirus 2 late mRNA. Proc. Nati. Acad. Sci. USA, Vol. 74, pp. 3171-3175, (1977)

9)Konkel DA, Tilghman SM, Leder P. The sequence of the chromosomal mouse β-globin major gene: Homologies in capping, splicing and poly(A) sites. Cell vol.15, pp.1125–1132. (1978)
http://www.cell.com/cell/fulltext/0092-8674(78)90040-5

10)http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/transcrp.htm

11)J.D. Watson et al. Molecular Biology of the Gene 6th edn p.416 (2008)

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2016年12月27日 (火)

フルシャ-都響 ベートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール

Imgaフルシャ-都響の第9を聴きにサントリーホールに行ってきました。フルシャ-都響の第9は芸術劇場・文化会館・サントリーホールと3回目ですが、すべてチケット完売で今回も満席でした。都響のメンバーも張り切っていて、マキロンもメイクバッチリですし、古川さん(Vc)が一番後ろで弾いたのは、ひょっとしてノーギャラ? 

カラヤン広場はクリスマスデコレーションの後片付けで、分解したパーツを大勢の人がぞうきんで拭いて収納作業をやっていました。世の中いろいろな仕事があるものです。

年末の第9は10年くらい個人的にとりやめていたのですが、ここ3年くらいはまた通っています。どうしてやめていたかというと、習慣で音楽を聴くのはどうかなと思ったこと、歌詞の内容に一部共感できなかったこと、ベートーヴェンがシラーの詩のうち、毒にも薬にもならないような部分を選んで歌詞にしていたことに疑問を感じていたこと、などが原因でしたが・・・。

ただベートーヴェンもウィーンはメッテルニヒ体制で、物言えば唇寒しの時代だったので妥協せざるを得なかったのでしょう。それにどうしても演奏会を成功させないと生活に困るという状況だったのかもしれません。そんななかでも自分の作詞で「ニヒト・ディーゼ・テーネ」とバリトンに叫ばせたのは本当は「ニヒト・メッテルニヒ」と言いたかったのでしょう。同情ばかりはしてはいられません。現在の日本も厳しいテレビの言論統制、無理矢理の軍事基地建設、ネットや警察のレイシズム容認、天皇の発言封じ、治安維持法復活の危機など暗雲がただよう時代となってきました。

とりあえずフルシャは若々しく躍動感があって迫力満点の指揮で、都響(コンマス矢部ちゃん、サイドゆづき)・二期会の演奏もすばらしく、特にソリストの4人はコンディションもよく堂々たる歌唱で感服しました。ただ合唱のバランスはやや男性の声に偏っていたような印象がありました。

12月にフルシャ-都響の演奏を3回聴きましたが、私的にランクをつけるとすると、

1位 マーラー交響曲第1番@東京芸術劇場
2位 ショスタコーヴィチ交響曲第10番@東京文化会館
ちょっと差があって↓
3位 ベートーヴェン交響曲第9番@サントリーホール

となります。マーラーの第1交響曲は若きマーラーとフルシャとの一体感が感じられました。ベートーヴェンの第9交響曲は50代半ばの作品で、果たして今回のような若さと熱血で押し切るような演奏でいいのかという気がしました。第1楽章などもっともやもやした感じかと思っていたら、非常にすっきりとまとまった演奏でしたし、第3楽章は落ち着きに欠ける感じがしました。とはいいつつも、このような第9の演奏が嫌だというわけではありません。人は状況や気分によって聴きたいタイプの音楽は違います。

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2016年12月26日 (月)

ミツバチの災難

A0002_006068みつばちは皆さんご存じのように1妻多夫制であり、このシステムの利点は、働き蜂が出産で休業しなくていいということ以外にも、女王蜂さえ健康であれば、いくら働き蜂が殺されてもすぐにコロニーを再建できるというところにあります。

ですからネオニコチノイド系殺虫剤によってミツバチが激減するという現象は、女王蜂の健康被害というところに関心がいくのは当然です。

しかし最近ベルン大学のラルス・シュトラウプらは、女王蜂に精子を提供するオス蜂への影響が大きいことを示しました(1)。

彼らは通常の散布によって空気中に残留する程度の濃度の薬剤存在下でオスを飼育し、生きている精子が40%も減少することを証明しました。またオスは働き蜂より薬剤に弱くて、薬剤存在下約2週間の飼育で働き蜂には無効なのに、オスは薬剤がないときとくらべて半分くらいの生存率になってしまうこともわかりました。これではコロニーが維持できません。

使用した薬剤の種類と濃度:
thiamethoxam 4.5 ppb, clothianidin 1.5 ppb
ppb は ppm の千分の1の濃度です (ppm は 0.0001% = 1mg/liter)

被子植物は花のある植物で昆虫によって受粉を媒介されるので、ミツバチなどの昆虫とともに進化してきており(2)、かつ私たちの主食を提供してくれています。受粉を媒介してくれる昆虫がいなくなると、人間の手で人工授粉させてあげない限り、被子植物は子孫をつくることができません。日本の厚生労働省は特にネオニコチノイド系殺虫剤の規制に消極的ですが、政策を転換してもらわないといけません。ひょっとすると少子化と関係があるかもしれませんよ。

特に団地の植物なんて枯れてもどうということはないし、病虫害に強い植物を植えれば良いだけのことですから、殺虫剤なんて撒く必要がありません。蚊が出てくればナイス蚊っち(3)で退治するのは結構楽しいですし、スズメバチは業者を呼んで巣をつぶしましょう。彼らはいくら殺虫剤撒いても出てきますし。

1)Straub L et al. 2016 Neonicotinoid insecticides can serve as inadvertent
insect contraceptives. Proc. R. Soc. B 283: 20160506.
http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2016.0506

2)http://www.bee-lab.jp/hobeey/hobeeydb/db01/hobeey01_31.html

3)こちら

国際環境NGOグリーンピースの声明
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2016/pr20160607/

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2016年12月25日 (日)

愕然 もんじゅを廃炉にする方法がない 

>テレビ朝日

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000089584.html

福井県の高速増殖炉「もんじゅ」について、政府は今月中に廃炉を正式決定しますが、その一方で、技術的にもんじゅを廃炉にするめどは全く立っていないことが分かりました。

高速増殖原型炉もんじゅ

(ウィキペディアより)

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放射性物質を含む1次ナトリウム冷却液をどうやって取り出すのか? 水と入れ替えたいのですが、ナトリウムとまざると爆発するのでできません。冷却液といっても200℃以上なので、空気と触れただけでも火災になります。

うまく取り出せたとしてもどうやってどこに保管するのか? こんな危険なものを誰もひきとってくれるわけありません。

だいたい高速増殖炉の内部で普段何が起こっているかもよくわかっていないので、事故時に何が起こるのなんか全く未知との遭遇です。こんなものをやろうとした政府・政党にまず鉄槌をくださないと、これからどうするかなんて考えようがないじゃありませんか。

http://toyokeizai.net/articles/-/119466

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n197245

http://blog.shibayu36.org/entry/20110329/1301399251

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2016年12月24日 (土)

BS1 文化大革命

「12月23日(金) 午後9時00分 NHK-BS1スペシャル▽文化大革命50年知られざる“負の連鎖”~語り始めた在米中国人」をみました。

まず驚いたのは、米国でウォルダー教授を中心に20年かけて詳細な文化大革命のデータベースを作ったということで、大量の資料も収集しているということです。NHKが彼らを選択したと言うことからみても、おそらく日本の文革研究は遅れをとっているのでしょう。現政府は大学での社会人文科学の縮小を標榜していますが、差はますます広がっていくのでしょう。

番組の内容では、紅衛兵の暴行は有名ですが実は造反派の内紛と軍による造反派の選別が多くの死者を生み出したというお話には驚きました。文化大革命の被害者の多くが米国に住んでいるというのも残念なことで、本来は日本に招き入れるべき人々だったのではないでしょうか。

最近私は「やぶにらみ生物論」というのをやっていますが、そのためによくウィキペディアをみるのですが、その英語版と日本語版の差は衝撃的です。日本の研究者の無力に愕然とします。子供が減っているのも、研究者の生活に大きな影響を与えます。大学や研究施設に仕事がなければ、自然科学は社会人文科学より急速に崩壊します。

米国という国家は甘く見るべきではありません。基礎科学にも莫大な予算を投入してきちんとやっています。グローバリズムから撤退しても、極端な話鎖国しても、1国だけでやっていけるだけの偉大な国家です。ウォルダーが20年もかけてコツコツと他国の事件の膨大なデータベースを作成できるような、学問研究をやる雰囲気があるのはうらやましく思います。

このあとの番組でエマニュエル・トッドが語ったことはほとんど同意できます。彼は「EUは監獄で看守はドイツである。EUは崩壊に向かっている」と発言しました。また「日本は中国と敵対してはならない。むしろ中国が内部崩壊しないように手助けするべきだ」とも発言しました。全くその通りだと思います。

彼が20年前に日本に来たときから少子化が大変だと話題になっていましたが、現在でもその問題がさっぱり解決されていないことに彼は驚いていました。この責任はもちろん官僚ではなく自民党にあります。自民党は20年間なんら有効な対策を行いませんでした。ですから官僚は年寄りを働かせたり、年金を下げたりというようなことしかできないのです。

ちなみに私の大叔父は20人近い子供がいて(再婚あり)、名前を忘れてしまったため同じ名前をつけてしまった子がいた(冗談ではない)ということを聞いています。ですから、なぜ子供が減るかというのはトッドが言うような家族観が原因でないことは明らかで、この点だけはトッドに同意できません。戦前の家父長制の時代でも数人以上子供がいるのは当たり前だったわけですからね。

A0070_000013そうそう今日はクリスマスイヴの日でした。

by ササニシカ with friends
https://www.youtube.com/watch?v=H-3vJX0KjGU

では メリー・クリスマス

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2016年12月23日 (金)

やぶにらみ生物論53: 転写2

転写1では細菌の転写について述べましたが、転写2では真核生物について述べます。細菌でも真核生物でもDNAの情報をRNAにコピーして、それを設計図としてリボソームでタンパク質を合成するという方式にかわりはありません。

まず細菌のRNAポリメラーゼと真核生物のRNAポリメラーゼ II を比較してみると(図1、参照1)、真核生物のRNAポリメラーゼ II は細菌の酵素の構成要素である5つのサブユニットと相同のサブユニットを保持していて(α2:RPB3&RPB11、β:RPB2、β’:RPB1、ω:RPB6)、さらに7つのサブユニットが追加されたような構造になっています。

A

これはゲノムのサイズが大きくなり、多種多様なタンパク質を適切な時期に発現させるという複雑なニーズに対応したものと考えたくなりますが、実は細菌よりゲノムサイズが小さめの古細菌(アーケア)のRNAポリメラーゼの構造は、細菌の酵素より真核生物のRNAポリメラーゼに圧倒的に近いということから(1,2)、この考え方は否定されます。古細菌は見た目は細菌と同じなのですが、生命現象の基幹的な部分が真核生物に近いという意味で、進化の最大の謎といっても過言ではありません。真核生物はこのグループから進化したと考えられていますが、その詳細は不明です。

古細菌も真核生物も構造は異なりますがクロマチンというDNAを保護する重層的な3次元構造を持っているため(3)、そのような障害を乗り越えて転写を行うためにサブユニットが増加したという考え方は可能でしょう。また真核生物は細菌より古細菌と近縁な関係にあることのひとつの強力な証拠でもあります。真核生物のRNAポリメラーゼ I および III は II よりもさらにサブユニットが増えており(1)、II を基本としてそこから派生したものと考えられます。

古細菌や真核生物においても転写に際しては細菌と同様なプロモーターが存在し、細菌の-10領域の配列を進化の中で引き継いだと思われるTATAボックスといわれる配列が存在します。この配列は厳密に指定されいるわけではありませんが、5'-TATA(A or T)A(A or T)G-3' のようにTATAという配列を含むものが多く、TATAボックスとかTATAエレメントなどと呼ばれています。

この配列は細菌ではシグマ因子が認識するわけですが、古細菌や真核生物ではTBP(TATA binding protein)という転写因子が認識します。TBPはRNAポリメラーゼのサブユニットではなく、真核生物の場合、TFIIDという巨大な転写因子のサブユニットとして機能します(図2)。図2にみられるように、真核生物の場合細菌よりも多数のプロモーターが存在し、転写開始点をまたいでいるものや、転写開始点より下流にあるものもあります。実は真核生物の場合、転写開始点からすぐ mRNA が読み取られるのではなく、mRNAの塩基配列はかなり下流からはじまるので、このようなことが起こりうるわけです。

A_2

図2に示したように、それぞれのプロモーターにはその配列に結合する転写因子が存在し、GCボックス-Sp1、CAATボックス-NF-Y、BRE(B recognition element)-TFIIB、TATAボックス-TBP、Inr(initiator element)・DCE(downstream core element )I~III・DPE(downstream promoter element)-TFIID などという組み合わせになっています。

当初すべての生物に普遍的に存在するTATAボックス-TBPが特に重要と考えられていましたが、真核生物ではすべての遺伝子のうちTATAボックスを持っているのは20%以下という調査結果が報告されており(4~6)、さらに同じ生物の同じ遺伝子でも組織によって使用するプロモーターが異なるというデータもあります(7)。したがって古い教科書を書き換える必要性がでてきました。

TFIIDはTAF1~15とAF4B・AF9B、そしてTBPという多数のサブユニット(全部そろっているとは限らない)で構成される巨大な転写因子複合体で、転写開始に直接的にかかわっていると考えられます(8)。TATAボックスがなくTBPを欠いている場合は、転写開始の位置が正確ではなくなり、複数の位置から開始される場合があることが知られています。実際に転写が開始される場合、TFIIDだけでなく、TFIIA・TFIIB・TFIIFなども加わって、さらに巨大な転写因子複合体を形成し、RNAポリメラーゼを所定の位置に配置した後、RNAポリメラーゼの一部をリン酸化することによって複合体から解離させて転写を開始させることになります(図3)。

A_3

真核生物の場合、DNAはヌクレオソームにまきつき(後の稿で述べます)、クロマチンという3次元構造をとっているので、それらをほぐさないと転写ができませんし、外部からの指令もさまざまな形できますので、TFIIグループの転写因子複合体だけでは遺伝子発現の調節に対応できません。したがってDNAが3次元的に折れ曲がっていることを利用して、遺伝子から離れた位置にあるプロモーターやエンハンサー配列に結合する因子なども遺伝子発現に影響を与えることができるようなシステムになっています。

このため遺伝子発現を調節するためのタンパク質複合体は数メガダルトンという巨大なサイズになることもあります(図4)。このようなシステムは細菌や古細菌にはありません。

A_4

このようにして転写は進みますが、どこかで終結させなければなりません。古細菌ではすでに細菌が行っているρ因子やヘアピン構造を用いる転写終結をやめていて(9)、真核生物も別のメカニズムで転写を終結させています(10)。

真核生物の場合、例としてβ-グロビンの場合を図5に示してありますが、転写開始がmRNAの先頭からはじまるわけではないように、転写終結も終止コドンの位置で終わらず、さらに下流まで転写は継続します。そしてAATAAAというポリA付加シグナルという塩基配列があると、その少し下流の転写終結シグナルTTTT、TTGCのところで転写は終結します。このあたりは厳密には指定されてはおらず、例えばポリA付加シグナルの何塩基下流でとか、終結シグナルがひとつでもあれば必ず止まるとかというわけではありません。実際TTTTはスルーされています。転写されたRNA3'末端には、ポリAポリメラーゼという特殊なRNAポリメラーゼによって、鋳型なしにAが連続的に付加されます(図5)。

A

転写されたRNAをmRNAに加工するメカニズムは次稿で述べます。

参照:

1) Guy Drouin and Robert Carter, Evolution of Eukaryotic RNA Polymerases. eLS, DOI: 10.1002/9780470015902.a0022872
(2010).
http://www.els.net/WileyCDA/ElsArticle/refId-a0022872.html

2) 平田章, 古細菌の転写装置. 生化学 vol. 81, pp. 377-381 (2009)
こちら1

3) Tanaka T1, Padavattan S, Kumarevel T., Crystal structure of archaeal chromatin protein Alba2-dsDNA complex from Aeropyrum pernix K1. Jornal of Biological Chemistry, vol. 287, pp. 10394-10402 (2012), doi: 10.1074/JBC.M112.343210
http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120224_3/

4) https://ja.wikipedia.org/wiki/TATA%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

5) Civán P1, Svec M., Genome-wide analysis of rice (Oryza sativa L. subsp. japonica) TATA box and Y Patch promoter

elements. Genome. vol. 52, pp. 294-297. doi: 10.1139/G09-001. (2009)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19234558

6) http://www.osc.riken.jp/english/activity/cage/achievements/

7) Paul Gagniuc1 and Constantin Ionescu-Tirgoviste, Eukaryotic genomes may exhibit up to 10 genericclasses of gene promoters. BMC Genomics , vol.13, pp.512-527 (2012), DOI: 10.1186/1471-2164-13-512
こちら2

8) Robert K. Louder,  Yuan He, José Ramón López-Blanco, Jie Fang, Pablo Chacón & Eva Nogales , Structure of promoter-bound TFIID and model of human pre-initiation complex assembly. Nature  vol. 531, pp. 604–609 (2016)
http://www.nature.com/nature/journal/v531/n7596/abs/nature17394_ja.html

9) 房富 絵美子 他 古細菌型転写終結因子NusAの結晶構造解析及びRNA結合解析
こちら3

10)杉本崇 真核生物mRNA3′末端プロセシング研究の新展開  生化学第86巻第1号,pp. 77~80(2014)
こちら4

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2016年12月21日 (水)

2016~2017リーガエスパニョーラ第16節: メッシ ドリブルでぶち抜く

Braugrana今年のリーガ最終戦はカンプ・ノウでバルセロナ・ダービーです。最近は平和的な対戦です。バルサはFW:ネイマール・Lスアレス・メッシ、MF:イニエスタ・Dスアレス・ブスケツ、DF:アルバ・マスチェラーノ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。エスパニョールはカイセド・モレノの2トップ。カイセドは格闘技の選手のような体格で衝突すると壊されそうです。MF:フラード・ディオプ・ハビ=フエゴ・ピアッティ、DF:アーロン・ディエゴ=レジェス・ダビド=ロペス・ハビ=ロペス、GK:ディエゴ・ロペス。なんとロペスが3人の442です。

意外にもエスパニョールは球を持つと押し上げてくる作戦だったので、バルサはカウンターを狙います。18分にはマスチェラーノが守備で球を奪い、イニエスタからロングパス一発をLスアレスに。Lスアレスが絶妙のトラップでエスパニョールのCBを置き去りにしてゴール。バルサとしてはめずらしい瞬殺のカウンターです。

後半5分スアレスのシュートを止めたときに、GKディエゴ・ロペスが故障発生でロベルト・ヒメネスに交代。これはエスパニョールにとっては痛い交代でした。22分にはメッシが中央の非常に狭いところをドリブルで抜けてシュート。GKがはじいたところにLスアレスが突入してゴール。2:0です。24分にはまたメッシが中央突破を試みて、こぼれたところをアルバがゴール。3:0となりました。

エスパニョールの反撃は34分、カウンターからモレノがロンググロスをダイレクトに中央に返すと、なんとそこにCBダビド・ロペスがいてゴール。すごいロングランでした。しかし最後はメッシ→Lスアレス→メッシのワンツーでとどめのゴール。4:1でバルサ快勝でした。これでとりあえずよいクリスマス休暇を迎えられそうです。ただベイルが帰ってきたときのマドリーを倒すのは骨で、しかも次はサンチャゴ・ベルナベウですから、引き分けもきつい感じです。取りこぼしを絶対にしないで僥倖を待つしかありません。

それではリーガファンの皆様 良いお正月をお過ごし下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=iYaP0jknlS0
https://www.youtube.com/watch?v=CdW3BjVWyDU
https://www.youtube.com/watch?v=yrCjGWcCB0U


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2016年12月20日 (火)

フルシャ-都響 ショスタコーヴィチ交響曲第10番@東京文化会館

Imga東京文化会館でのフルシャ指揮都響A定期。コンマス(コンミス)は四方さん、サイドは山本さん。フルシャの演奏会は前回が平日昼、今回が月曜夜という不利な条件ながら大盛況です。前回のマーラーがすごかったので、今回のショスタコ-ヴィチにも期待大です。

フルシャはマルティヌー協会の会長なので、マルティヌーの交響曲を全部やるというプロジェクト進行中。つきあわされる都響も多分迷惑ですが仕方ありません。交響曲第5番も凡作で、さっぱり心に残るところがありません。

後半のショスタコーヴィチは最初の1音から心の琴線に触れるものがあります。この違いは何なのでしょうか? クラリネットが暗い風を吹かせる重厚な第1楽章の後、あの狂乱の第2楽章がやってきます。ショスタコーヴィチはこの曲を「可愛いものだ」と言ったそうですが、この楽章ほど敵意と怨念に満ちた音楽はありません。自分を否定したスターリンをダガーでグサグサ刺し続けるというイメージの楽章です。実際に大勢の人々を処刑したスターリンに比べれば、音楽で殺人などというのは遊びで可愛いものだと言いたかったのでしょう。

第2楽章はオケとしても限界の演奏で、死にものぐるいの楽章。都響は究極のアンサンブルで疾走しました。山本さんが異様な張り切りで連れていかれます。拍手。

第3楽章からは突然曲想が変わって、恋人との絡みが描かれているようです。最後にピッコロが中途半端に終わるところが、悲劇を予感させます。第4楽章は個人的にすごくよく理解できる音楽です。第3楽章もそうですが一見楽しげなパートも暗いバックグラウンドが感じられて味わい深い音楽です。オケの見せ所も満載で、ショスタコーヴィチらしいエンターテインメントも感じられます。

今回の演奏を聴いて、フルシャ-都響のコンビはことマーラーやショスタコーヴィチの演奏に関しては、世界のトップクラスだと確信しました。フルシャ自身について心配なのは、まだ30台半ばにしてプラハ・フィルとバンベルクSOというマイオーケストラを2つも手に入れてしまったので、慢心したり多忙で倒れたりしないかということくらいですが、ウィーン歌劇場の件といい、マルティヌーの件といい、やり手だけれどえぐいマネージメントなのか?

フルシャ インタビュー

https://www.youtube.com/watch?v=GjF02x7AoHI
https://www.youtube.com/watch?v=9g25LvUnN4Y

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2016年12月19日 (月)

鹿島アントラーズ 金星を逸す

1セルヒオ・ラモスにカードを出そうとして思いとどまった主審にはびっくりしました。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161219-00010013-footballc-socc

これがなければ鹿島はマドリーに勝ってたと思いますね。

ただ4点取られたのはラインの統率がうまくいっていなかったせいで、昌子などえらく褒められているようですが、ちゃんとオフサイドがとれる守備をやらないと、マドリーには簡単に失点しますよ。

鹿島が素晴らしかったのは中盤の守備で、疲労するまでのプレスは効いてました。監督が言っているように10cm・1cmの重要さがわかっている守備でした。攻撃では、柴崎は来シーズンには日本にいないでしょうが、彼の冷静沈着なプレイは熱くなるチームほど役に立つと思います。トップ下・セントロカンピスタ向きの技術とメンタルを兼ね備えていると思いました。彼をボランチで使うのは宝の持ち腐れですよ。

http://news.livedoor.com/article/detail/12434371/

クリロナも30越えて少し衰えました。ベイルのいないマドリーはさして強い感じはしませんが、そんなマドリーに勝てなかったバルサ。終了直前のセルヒオ・ラモスのヘディングをケアできなかった悔しさがまた沸き上がってきました。

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2016年12月18日 (日)

サラとミーナ182: 私の毛布の上が常宿となる

Img_1629こんなに寝具のど真ん中を2匹で占拠されては、私が眠る場所がありません。

明け方になるといつもの居場所が寒くなるので、2匹とも私のベッドに越してきます。2匹で14kgくらいになるので、体の上にくると厳しすぎるので、脇にどけてもらいたいのですが、それはそれで、こちらは壁にはりつくか、ベッドから落ちそうになるかの選択になります。

今年の冬は長くなりそうなので、この光景も長引きそうです。サラは閉所恐怖症なのでわかるのですが、どうしてミーナは私の脇の下あたりで眠ってくれないのか不思議です。股の間にもぐり込むことはままあるのですが、それはそれで、また別の意味でやめてほしいです。

Img_1632


巨大動物ミーナのねぐらのひとつである、ソファーとこたつの間のスペース。私が足を置くスペースがなくなっています。

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2016年12月16日 (金)

やぶにらみ生物論52: 転写1

No.46:リボソームですでに述べたように、1960年頃にはすでにリボソームがタンパク質の製造工場であることはコンセンサスになっていました。トランスファーRNA(tRNA)の役割もわかってきていました。すなわちリボソームに存在するRNAの情報に基づいて、アンチコドンを持ちアミノ酸を運ぶ tRNAが、順次リボソームにアクセスすることによって、タンパク質が合成されることになります。

しかし当初リボソームが持つRNAは、それぞれのリボソームに特異的であり、そのリボソームがそれぞれ別々のタンパク質を合成するという考え方が一般的でした。ですからこの頃にはまだメッセンジャーRNA(mRNA)という概念はありませんでした。44:メッセンジャーRNAで、ブレナー・ジャコブ・メセルソンがDNAからリボソームに情報を運ぶ不安定なRNAが存在することを示唆する研究を行ったことを述べましたが、この1961年の研究を出発点としてDNAからmRNAを合成するメカニズムの研究が進展しました。DNAを鋳型としてmRNAが合成されるプロセスを転写(transcription) といいます。

ただ彼らの実験でmRNAの構造と機能が明らかになったわけではなく、あくまでもこれは端緒にすぎません。マシュー・コブ は「誰がmRNAを発見したのか?」という科学エッセイを発表していますが(1)、どうも明快な結論はないようです。ニレンバーグとレダーは大腸菌の無細胞系(大腸菌をすりつぶした抽出液)に、ポリUを入れるとフェニルアラニンがタンパク質にとりこまれることを証明しましたが、このポリUはまさしくmRNAなわけで、ニレンバーグとレダーが発見者という見方もできます。

また後にニレンバーグとマタイは大腸菌の無細胞系にさまざまなポリリボヌクレオチドを投入して、タンパク質合成がこれらのポリリボヌクレオチドに依存していることをみています(2)。コブはブレナーらの実験と共にこの仕事を重視しています。

Aleder_phil_3アヴィヴとレダーの実験も完成品の美しさがあります。彼らはうさぎのグロビン(ヘモグロビンを構成するタンパク質)のmRNAをオリゴdTセルロース法という方法を使って精製し、がん細胞をすりつぶした抽出液の無細胞系で、うさぎのグロビンを合成することに成功しています(3)。

大腸菌の無細胞系とファージを使った実験というのはユニバーサリティに欠けると思います。ファージは生物ではありませんしね。グロビンmRNAの実験を行ったフィリップ・レダー(図1、1934~)は、ニレンバーグと共にコドンの最初の解読者であり、mRNAの機能を確定し、グロビンの遺伝子が分断されていることをも発見した(4)という卓越した業績の研究者であるにもかかわらず、ノーベル賞は授与されていません。遺伝子の分断の件でも。ファージのグループが受賞して彼ははずされました。全く理不尽なことだと思います。

リボソームRNA(rRNA)やトランスファーRNA(tRNA)が安定な物質であるのに対して、メッセンジャーRNA(mRNA)は壊れやすい不安定な物質です。rRNA・tRNAはハウスキーピングないつも必要なものであるのに対して、mRNAは必要なときだけにあればよいものだという意味で、この違いは合理的です。たとえばラクトースが周りに豊富にあるときには、大腸菌はラクトース分解系のタンパク質をコードするmRNAが必要ですが、ラクトースがなくなれば必要ありません。ジャコブとモノーは、リプレッサーが通常はオペレーター領域に結合していて、ラクトースの存在によってリプレッサーとDNAの結合が解かれ、RNA合成がはじまることを示しましたが、これは最も単純な例であって、実際のRNA合成の制御機構ははるかに複雑を極めるものです。

DNAを複製するのはDNAポリメラーゼであるのに対して、DNAを鋳型としてRNAを合成するのがRNAポリメラーゼです。DNAポリメラーゼが dATP, dTTP, dGTP, dCTP を基質とするのに対して、RNAポリメラーゼは ATP, UTP, GTP, CTP を基質とします。DNAポリメラーゼが 3'OH を起点として必要とするのに対して、RNAポリメラーゼは必要としません。ですからRNAポリメラーゼはRNA合成をはじめる基点を他の因子に決めてもらう必要があります。DNAポリメラーゼには多くの種類がありますが、RNAポリメラーゼは特殊なものを除いて細菌では1種類、真核生物では3種類しかありません。真核生物の3種類とそれぞれの役割は、RNAポリメラーゼ I:rRNAの合成、RNAポリメラーゼII:mRNAの合成、RNAポリメラーゼIII:tRNAと一部のrRNAの合成となっていて、さまざまなRNAを分業で合成しています。

まず大腸菌のRNAポリメラーゼについてみていきましょう(図2)。RNAポリメラーゼのコア酵素は5つのサブユニット(α、α、β、β’、ω)からなり、転写を開始する際にはσ因子が結合してホロ酵素の状態になります。σ因子が転写を開始する位置を指定します。細菌の場合、転写を開始する位置から上流側(鋳型鎖の3’側)に10ヌクレオチドおよび35ヌクレオチドあたりにσ因子と親和性の高い塩基配列(プロモーター配列)があり、σ因子はこのふたつのサイト周辺の塩基配列を認識してDNAと結合し、RNAポリメラーゼが転写を始める位置を指定します。このふたつのプロモーターサイトは-35領域、-10領域と呼ばれます。

D



プロモーター配列は厳密に決まっているわけではなく、一例を挙げれば TGTTGACA(-35領域)、TATAAT(-10領域)などがあります。これらにσ因子が結合することによってRNAポリメラーゼと隣接DNAの立体構造が変化して、閉じられていたDNAの2重鎖が開いて、鋳型鎖の情報をRNAポリメラーゼが読み取ることができる状況になります。そしてRNAポリメラーゼは+1の位置から転写を開始します(図3)。もちろんこのときリプレッサーはDNAからはずれていなければなりません。

A_5

大腸菌は7種類のσ因子を持っていることが知られており、分子量に応じて分類されています(例えば分子量約7万のものはσ70)。
σ19、σ24、σ28、σ32,σ38、σ54、σ70のうち、通常はσ70が使われています。σ28は鞭毛専用。ヒートショックを受けた場合はσ24・σ32、飢餓の場合はσ38など用途や状況によって使い分けているようです(5)。それぞれのσ因子によって、当然親和性の高いDNA塩基配列も異なります。単細胞の細菌でも7種類の転写部位を指定する因子があるわけですが、真核生物の場合このような細菌のやり方を拡張し、非常に複雑な転写指定を行うことによって細胞の多彩なニーズに対応するように進化しました。これについては後程述べます。

σ因子のはららきで転写を開始したRNAポリメラーゼですが、では転写を終結する位置はどのように指定されているのでしょうか? これには2つの方法があって、ρ因子依存性と非依存性と呼ばれています(6)。ρ因子は図4Aのように6個のρタンパク質がドーナツのように集合した因子で、Cが多い rut site という配列を認識してDNAに結合し転写を終結させます。ただし詳しいメカニズムはわかっていないようです。ρ因子非依存性の終結メカニズムは、転写されたmRNAがヘアピンのような構造をとることがポイントです。このような部分的二重鎖をつくるために、DNAおよびmRNAの一部に回文構造(パリンドローム)が形成されています。回文とは「竹藪焼けた」のように前から読んでも後ろから読んでも同じと言う文章ですが、塩基配列でこのようになっている部分(図4B赤線)がなっていない部分を挟んで存在すると、図4B右側の図のようにヘアピン構造を形成します。

A_6

ヘアピン構造のあとにUUUUUUUUという配列がありますが、このような場合DNAとmRNAの親和性が弱いことがわかっており、転写終結後、mRNAがDNAから離れるために有効であると考えられています。ここで述べてきたのは細菌の転写機構のお話です。真核生物については次の稿で。

参照:

1) Matthew Cobb, Who discovered messenger RNA?,  Current Biology 25, R523-R532 (2015)

2) M.W. Nirenberg  and J.H. Matthaei, The dependence of cell-free protein synthesis in E. Coli upon naturally occurring or synthetic polyribonucleotides. Proc Natl Acad Sci USA vol.47, pp.1588-1602 (1961)

3) H. Aviv and P. Leder, Purification of biologically active globin messenger RNA by chromatography of oligothymidylic acid-cellulose. Proc Natl Acad Sci USA vol.69, pp.1408-1412 (1972)

4)Konkel DA, Tilghman SM, Leder P. The sequence of the chromosomal mouse β-globin major gene: Homologies in capping, splicingand poly(A) sites. Cell vol.15: pp. 1125–1132. (1978)

5) https://en.wikipedia.org/wiki/Sigma_factor

6) J.D. Watson et al. Molecular Biology of the Gene 6th edn. pp.394-395 (2008)

 

 

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2016年12月13日 (火)

フルシャ-都響 マーラー交響曲第1番@東京芸術劇場2016年12月13日

Imgfウィークデイの昼間ですが、思ったより寒くない気候で東京芸術劇場はほぼ満席の大盛況です。事件以来2年経過してのフルシャ再登場で期待は大です。コンマスは矢部ちゃん、サイドはゆづき。

前半のドヴォルザークのバイオリン協奏曲はいつも退屈する曲です。多分初稿は良い曲だったのに、ヨアヒムにあれこれ難癖をつけられて、直すたびにダメになっていったのではないかと思います。今日はシュパチュクの演奏が素晴らしかったので、ちょっとは楽しめたかな。アンコールはイザイの無伴奏バイオリンソナタ第2番第4楽章。

後半のマーラーは、私がイメージするマーラーの交響曲第1番そのものという感じで、大満足でした。Mr池松もMr広田もMr高橋も最高。さらに弦楽の素晴らしさは最近の都響の演奏の中でもベストだったのではないでしょうか。ポルタメントのアンサンブルも恐ろしいくらい決まっていて、ぞくぞくしました。

久しぶりで若々しくピチピチした音楽を聴いたなという感じでした。さすがにフルシャです。来年で都響首席客演は終了といううわさもありますが、できればずっとつきあってほしいと思います。日本に来るとリラックスすると言っているので、都響のお偉方も考えて欲しいですね。

ヨーゼフ・シュパチェク

(13分~)
https://www.youtube.com/watch?v=aEOKiJpr5u4

ラヴェル:ツィガーヌ
https://www.youtube.com/watch?v=kMbEJR3ny1o

ヤクブ・フルシャ
https://www.youtube.com/watch?v=ONCjdyZm8xM

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2016年12月12日 (月)

やぶにらみ生物論51: オペロン説

フランソワ・ジャコブ(1920~2013、図1)がパリ大学の医学部に入学してしばらくした頃、ドイツでナチが台頭し、フランスに攻め込んでくる状況になりました。20世紀における分子生物学の爆発的進展は、二重らせんのワトソン&クリックと、岡崎フラグメントの岡崎以外は、多くはユダヤ人の業績なのですが、ジャコブもご多分に漏れずユダヤ人だったので、生命の危機を感じてロンドンに脱出しました。

A


しかし彼はそこで医学生として勉強を続けるのではなく、自由フランス軍の兵士として参戦する道を選び、衛生兵としてアフリカを転戦しているうちに負傷して入院生活をおくることになりましたが、回復後再び参戦し、今度はノルマンディー上陸作戦に参加しました(1)。ノルマンディーでの戦闘がどんなにすさまじいものだったかは、スピルバーグの「プライベート・ライアン 原題:Saving private Ryan」という映画をご覧になった方ならご存じでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=82RTzi5Vt7w
https://www.youtube.com/watch?v=Chzhf7gQxIg
https://www.youtube.com/watch?v=5v45or8lFWg
https://www.youtube.com/watch?v=ji8fQUn0OQE

ジャコブはこの戦闘で爆弾の破片が100個以上も体に突き刺さるという重傷を負い、九死に一生を得て野戦病院に収容され、戦争が終結してからパリに送られました。大学にもどるまでに治療とリハビリで4年もかかったそうです(2)。結局その後の研究も、体の中に摘出できなかった破片をかかえこんだままで行なわれました。

しかし長いブランクの影響は大きく、ようやく医師の資格は得たものの、臨床医としてやっていくモチベーションもなくしてしまい、軍隊時代の伝手でペニシリンセンターに就職して研究者としての道を歩み始めました。ところがそのセンターもまもなく倒産して路頭に迷ってしまいました。そしてまたなんとか伝手をたどってパスツール研究所にもぐりこみました。

ジャコブはルウォフの研究室に所属し、そこでモノーと出会うことになります。モノーも戦争中はレジスタンス軍の参謀としてパリで地下活動を行っていました。しかしジャコブの最初の重要な共同研究者はエリー・ウォルマンでした。エリーの両親ユージンとエリザベスは溶原性ファージ(細菌のDNAに組み込まれるファージ=プロファージ)を発見した研究者でしたが、実験室でゲシュタポに捕らえられ、アウシュビッツに送られてしまいました。エリーはそんな両親の衣鉢を継ぐために微生物の研究者になりました(3)。

エリーと共にジャコブは大腸菌に性因子が存在すること。それはオスの大腸菌の中で別荘のような小さな独立のDNAとして存在し(現在はプラスミドと呼ばれている)、接合の際に本家のDNAと共にメスに送り込まれるということを発見しました。このことが遺伝子の制御という生物学上の大問題を解決する糸口になろうとは、当初誰も考えていなかったのでしょう。

ジャコブと同じルウォフの研究室に所属していたジャック・モノー(1910~1976、図1)は、以前から大腸菌がラクトースを消化して栄養源とする過程を分析していましたが、大腸菌は普段はこのために必要な酵素をつくっていなくて、周りにラクトースが出現したときだけに合成するということを見いだしていました。ジャコブらの実験をみていたモノーは、ジャコブらと協力して、ラクトース分解酵素を合成できないメス株と合成できるオス株とを接合させ、オスのDNAがメスに取り込まれる過程を追って酵素活性を測定しました。

そうするとメスに遺伝子が移転された途端に酵素活性が上がりますが、30分後には活性が失なわれたのです。これはラクトース分解酵素とは別の因子がメスに存在し、この因子(リプレッサー)が酵素の発現を抑制したと想像されました。彼らはさらに研究を続けてオペロン説という遺伝子制御の基本となる理論を打ち立てました(4,5)。

オペロン説というのは図2Aのように、ラクトースが無い状態ではDNAにリプレッサーが結合していて、RNAポリメラーゼはプロモーターの位置にとどまり、DNAの情報を読み取れない状況にありますが、ラクトースが存在するとリプレッサーはラクトースと結合してDNAから離れ(図2B)、RNAポリメラーゼは情報を読み取り始めるという機構です。しかもラクトースの代謝に必要な酵素やタンパク質の遺伝子はオペレーター部位を先頭に並んでいて、まとめて制御されています(6)。

A


DNA上に並ぶ遺伝子6、7、8(図2)がコードするタンパク質はそれぞれ、β-galactosidase (遺伝子名LacZ)、β-galactoside permease(遺伝子名LacY)、β-galactoside transacetylase (遺伝子名LacA)です。β-ガラクトシダーゼはラクトースをガラクトースとグルコースに分解する酵素(図3)。β-ガラクトシドパーミエースはラクトースなどを細胞に取り込むための細胞膜のタンパク質、β-ガラクトシドトランスアセチラーゼはラクトースなどにアセチル基を転移する酵素です。

A_3


リプレッサーを精製し、それがオペレーター領域に結合することはローゼンバーグらによって後に確認されました(7)。オペロン説はもうひとつ重要な課題を提起しました。それはリプレッサーがラクトースを結合することにより構造変化をおこして、DNAとの親和性に変化をきたすという考え方で、これはアロステリック効果と呼ばれるタンパク質化学において重要なテーマであり、その後もこのラクトースオペロンにおけるリプレッサーを材料としても、現代に至るまで詳しく研究されています(8,9)。

オペロン説は複数の遺伝子がひとつのオペレーター領域で制御されていることが注目されたため、そのようなことがほとんどない真核生物を含めると意義が薄れた感もありますが、むしろ遺伝子はタンパク質をコードする領域だけでできているのではなく、「プロモーターやオペレーターなどの制御領域とセットとなって一人前」という概念を提供したことに意義があると思われます。ジャコブ・モノー・ルウォフは1965年度のノーベル医学生理学賞を受賞しました。

参照:

1)Francois Jacob - Biographical.
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/1965/jacob-bio.html

2)分子生物学の軌跡 野島博著 化学同人社刊 (2007)

3)Rudolf Hausmann, To grasp the essence of life -A history of molecular biology. Kluwer Academic Publishers (2002)

4)Francois Jacob and Jacques Monod, Genetic regulatory mechanisms in the synthesis of proteins., J. Mol. Biol. vol.3, pp.318-356 (1961)

5)http://libgallery.cshl.edu/items/show/74013

6)https://en.wikipedia.org/wiki/Lac_operon

7)J M Rosenberg, O B Khallai, M L Kopka, R E Dickerson, and A D Riggs, Lac repressor purification without inactivation of DNA binding activity. Nucleic Acids Res. vol.4, pp. 567–572. (1977)

8)Robert Daber, Steven Stayrook, Allison Rosenberg, Mitchell Lewis, Structural Analysis of Lac Repressor Bound to Allosteric Effectors. Journal of Molecular Biology, Volume 370,  Pages 609-619 (2007)

9)松下祐貴,島村香菜子,大石叡人,大山達也,栗田典之, ラクトースリプレッサーとDNA複合体へのアロステリック効果の解析:古典MD及びab initioフラグメントMO計算, 第37回情報化学討論会, P12, (2014)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ciqs/2014/0/2014_P12/_pdf

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2016年12月11日 (日)

2016~2017 リーガ第15節: 切り込み隊長ジョルディ・アルバが大活躍

Braugranaパンプローナのエル・サダルに遠征して最下位オサスナとの対戦です。マドリーが負けるのを期待するしかないバルサになってしまいましたが、自滅だけは許されません。

バルサはFW:アルダ・スアレス・メッシ、MF:イニエスタ・Aゴメス・ブスケツ、DF:アルバ・ウムティティ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。アルダとウムティティが復帰したのは非常に心強い。アルダはミッドウィークのボルシア・メンヒェングラードバッハ戦でハットトリックの大活躍でした。彼は動きが機敏で、メッシやスアレスのリズムと合っています。ネイマールは自分のリズムでやっていますが、メッシやスアレスが合わせてくれます(いいパスをもらいたいからね)。しかしパコは使われる側ですから難しいです。

ただバルサもいつも自分たちのリズムで試合ができるわけではなく、マラガ戦のようにゴール前にどんどん放り込むしかないというような場合もあるので、苦しい時には彼が救ってくれるかもしれません。腐らないでチャンスを待って欲しい。

エル・サダルは小さなスタジアムですが超満員で、リーガではめずらしい12時30分キックオフです。これだと日本ではゴールデンタイムです。地元だけあってオサスナも守備的な442とは言え、すごい頑張りです。そのなかでもスアレスやメッシがシュートできる場面はありましたが、スアレスははずしたりポストに当てたり、メッシも何度もGKナウゼにうまく止められるなどで、前半はゴールできません。

オサスナも30分、右のレオネからゴール前のリエラにクロスが出て、肝をひやしましたが、リエラが一歩間に合わず助かりました。

後半もレオネに右からミドルを打たれてバーで命拾いの場面もあり、前途多難を思わせましたが、13分中央メッシ→左アルバ→右スアレスとリズム感のあるパスが決まって、スアレスがゴールをゲット。これでやっと落ち着きました。27分にはアルバが左に切り込み、マイナスパスをメッシに通してゴール。アディショナルタイムには、メッシが一人で中央突破してゴール。結果的には0:3で圧勝ですが、メッシとスアレスは失敗数知れずで反省が求められる試合でした。

https://www.youtube.com/watch?v=VyMvLn1eDqA
https://www.youtube.com/watch?v=s4jb8z-8pDc
https://www.youtube.com/watch?v=8OnYNAzZOmQ

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2016年12月 9日 (金)

サラとミーナ181: サラのナイスショット

Aサラは知的生命体です。なかなかすべてを把握することは難しい。

本気で喧嘩するとミーナより順位は上なのですが、ふだんはミーナにかなり遠慮しているようにもみえます。

たとえば自分のエサをミーナにとられても、特に怒ったりしません。

人間でもそうですが、猫もダラダラ1日すごすのではなく、決まった時間にイベントを設定してあげることが幸福につながるのではないかと思うこの頃です。

イベントと言ってもとくに変わったことをするのではなく、エサの時間、人間相手に遊ぶ時間、トイレ交換の時間、おやつの時間、指圧の時間、会議の時間などです。

彼女らも独自に喧嘩の時間(夜中)をつくっています。激しく噛みつき合ったりしますが、終わると何事もなかったかのようにべったりくっついたりしています。

猫の体内時計はかなり正確です。イベントの細かい手順を覚えるのもわりと得意です。たとえば背中を指圧して、ブラッシングして、最後にヒゲの手入れをするときには、「さあやって」とヒゲをこちらに近づけてきたりします。だけど爪切りは本当に嫌いで、1本切るとあとは必死で拒否します。

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2016年12月 7日 (水)

やぶにらみ生物論50: DNAの修復2

ジャン・ジャック・ワイグル(1901~1968)はもともとはスイスでX線解析などをやっていた物理学者だったのですが、なぜか米国に渡って微生物学者になりました。彼は1953年に不思議な現象を発見しました。彼が培養していたラムダファージを紫外線で不活化し(=殺し)、それを紫外線を照射した大腸菌にとりこませると、ファージは再活性化される(=生き返る)のです(1)。

ワイグルが発見した現象は、その後数十年かけて徐々にその全貌は解明されつつあります。驚くべきことに、この現象は細菌からヒトを含む真核生物に連綿と受け継がれた「DNA乗り越え修復 translesion DNA repair = TLS DNA repair」という機構に基づくものであることがわかりました。普段は隠れていたこの機構が、紫外線を照射されるという危機的な状況で表に現れ、生命を救うのです。ですからSOSリペアなどともよばれていました。

図1に示すように、DNA複製の際にDNAに損傷が発生し、DNAポリメラーゼがその位置で停止してしまうと、そこから先のDNAは複製されず、細胞はアンダー・コンストラクションの状態で死を待つことになります。通常2本鎖DNAの片側に損傷が発生した場合、その部分を切り取って、対面のDNA配列を利用して修復することができます(http://morph.way-nifty.com/grey/2016/11/post-4728.html)。しかしDNA複製の際には複製フォーク(レプリケーションフォーク)が形成されているため、損傷部位の対面配列は離れた位置にあり利用できません(図1)。

A


この問題を解決するために、細菌は「DNA損傷乗り越え修復」という技を編み出しました。道で事故車が止まっていたときに、それをレッカー車で移動してから通過するのではなく、いったん歩道に乗り上げて事故車を通過するというような強引なやり方です。損傷部位に乗り上げたDNAポリメラーゼIIIは離脱し、RecAというタンパク質がATPを使ってRecA複合体を形成すると共に、DNAポリメラーゼVと共同して損傷部位の対面のDNAを延長します。

なぜ延長できるかというと、DNAポリメラーゼVは厳密にワトソンクリック型の対面ヌクレオチドを合成するのではなく、かなり特異性が低いという特徴をもっているからです。別の言い方ではフィデリティー(忠実度)が低いとも言います。ですから図2ー2または3にみられるようにTに対してGをもってきたりするわけです。

ですがフィデリティーの低さは逆に壊れているTも壊れていないヌクレオチドと認識することができるという利点があります。このためDNAポリメラーゼIIIが読めなくて停止するような場合でも、涼しい顔で通り過ぎることができるわけです。損傷部位を通り過ぎた段階でDNAポリメラーゼVはお役御免で、DNAポリメラーゼIIIにバトンタッチします(図2-4)。この結果間違った塩基配列が形成されたとしても、とりあえず細胞は死を逃れることができます。

A_2


DNAポリメラーゼVは忠実度の低い酵素なので、通常は使われないよう厳しく管理されています。大腸菌に紫外線を照射して数十分後にようやくこの「DNA損傷乗り越え修復」という機能が発動します。つまり他の忠実性の高いシステムで修復を試みて、どうしても修復できない場合の最後の手段として使うという意味もあるようです。DNAポリメラーゼII や DNAポリメラーゼIV もDNA乗り越え修復の機能があるようですが、詳細は不明のようです(2)。

DNAポリメラーゼVなどのTLSポリメラーゼ(乗り越え修復DNAポリメラーゼ)は、細菌・古細菌で類似しているだけでなく、真核生物においてもその遺伝子構造が引き継がれており、ヒトも例外ではありません。このような祖先生物から複数の種に機能・構造が引き継がれている遺伝子をオルソログといいます。真核生物のTLSポリメラーゼにはイオタ、エータ、ゼータ、カッパがあります。大腸菌のPolIV・PolV、古細菌のDpo4、真核生物のPolイオタ・Polエータ・PolカッパはYファミリーとよばれるオルソログ、大腸菌のPolIIと真核生物のPolゼータはBファミリーというオルソログのグループを形成しています(2)。

このほかにも2本鎖がどちらも切断されたときとか、組み替え修復などの機構を生物は持っていますが、ここでは触れません。

いろいろなDNAポリメラーゼが話しの中に出てきて混乱するので、大腸菌と真核生物の各種DNAポリメラーゼをリストアップして、簡単な解説をつけることにしました。

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E.Coli(大腸菌)

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DNAポリメラーゼ I :

1956年に、アーサー・コーンバーグによって最初に発見されたDNAポリメラーゼ。この酵素が働かなくても大腸菌は生存可能なので、DNAの複製に必須ではありませんが、このような株は紫外線の感受性が高いことが知られています。またこの酵素はTSL型ではないため、主に各種除去修復の際のDNA合成に関与していると考えらています。この酵素の特徴はエキソヌクレアーゼ活性(3'→5')を持っていることで、そのことによって間違った塩基のペアができた場合、鋳型の上を逆走してそれらを分解し、DNA合成をやりなおすことができます。これは校正機能とよばれています。

また逆方向(5'→3')のエキソヌクレアーゼ活性も持っているため、おしりでDNA合成しながら頭でDNA分解を行うことができます。したがって頭の位置にあるDNAの断点(ニック)を、結果的に進行方向にずらしていくことが可能で、これをニックトランスレーションと呼びますが、この反応を行わせるときに放射性のヌクレオチドを入れておくと、DNAが放射能で標識されます。この機能を使えば手持ちのDNAをとりあえず標識できるので、研究上便利です。

この酵素がなくても大腸菌は生存可能とはいえ、あった場合はDNAの複製に関与すると言われています。ウィキペディアによるとRNAプライマーが分解されたあとのギャップを埋めるのに使われるとされています。
https://en.wikipedia.org/wiki/DNA_polymerase_I

この酵素は真核生物のミトコンドリアに存在するDNAポリメラーゼガンマとオルソログであり、Aファミリーを形成します。

DNAポリメラーゼ II :

この酵素はDNAポリメラーゼI と同様な校正機能を持っていて、しかも忠実度(フィデリティー)が非常に高いので、DNAポリメラーゼIIIが正しいペア形成に失敗したときに修正する機能があるとされています。ラギング鎖のDNA合成を行なうとも言われています。DNAにクロスリンクができてしまったときの処理に働いているという説もあります。バックアップ用の酵素かもしれませんが、まだ未解明な部分が多いと思われます。
https://en.wikipedia.org/wiki/DNA_polymerase_II

大腸菌のDNAポリメラーゼIIは古細菌から発見されたPol B1, Pol B3、真核生物の Polアルファ、Polデルタ、Polイプシロン、Polゼータなどとオルソログであり、Bファミリーを形成しています。細菌のDNA複製の主役はDNAポリメラーゼIII(Cファミリー)なのですが、古細菌や真核生物はこれを没にして、Bファミリーの酵素群を主役に抜擢しています。

DNAポリメラーゼ III :

トーマス・コーンバーグとマルコム・ゲフターによって1970年に報告されました。細胞増殖のために行われるDNAの複製を担う酵素としては、はじめて発見されたDNAポリメラーゼです。DNA合成を行うために他の多くの因子とDNAレプリソームという複合体を形成して働きます。3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を持っており、校正機能があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/DNA_polymerase_III_holoenzyme

DNAポリメラーゼIIのところで述べたように、この酵素ファミリー(Cファミリー)は古細菌や真核生物では用いられていません。非常に完成度が高かったため、生物の変化に対応できなかった可能性があります。

DNAポリメラーゼIV:

DNA損傷乗り越え修復を行なう酵素です。DNA合成が途中で停止したような場合に大量に出現し、合成を完了させるための損傷乗り越え修復を行ないます。この酵素を欠損する株では、DNAの損傷をひきおこすような薬剤を投与した場合に、突然変異の確率が高まることが知られています。
https://en.wikipedia.org/wiki/DNA_polymerase_IV

DNAポリメラーゼV:

DNAポリメラーゼIVと同様、DNA損傷乗り越え修復を行ないます。IVと共にYファミリーを形成し、古細菌や真核生物にも多くのオルソログが存在する大ファミリーです。Yファミリーの酵素は、忠実度を低くすることによって、鋳型(テンプレート)が損傷を受けてもDNA合成を継続させるのが仕事なのですが、それでも損傷を受けた鋳型に対して、正しい対面ヌクレオチドを選択するに超したことはありません。従って受けた損傷の形に応じて使う酵素を変えて、より正確な複製を行うために種類が増えたのかもしれません。
https://en.wikipedia.org/wiki/DNA_polymerase_V

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真核生物:

DNAポリメラーゼアルファ(α):

プライメースと複合体を形成して、DNA合成をスタートさせる役割を担っています。プライマーの末端3'OHからDNA鎖を延長していきますが、20ヌクレオチドあるいはそれ以内の鎖を合成したところで、デルタやイプシロンと交代します(3)。エキソヌクレアーゼ活性を持っておらず、校正機能が無いため、デルタやイプシロンほど正確な複製ができません。BファミリーのDNAポリメラーゼです。

DNAポリメラーゼベータ(β):

塩基除去修復に必要とされている酵素です。DNAポリメラーゼラムダやDNAポリメラーゼミューと同じXファミリーに所属します(4)。しかしラムダやミューはベータとは別の役割を果たしているようです(4)。細菌のDNAポリメラーゼXは研究が進んでいないようです。

DNAポリメラーゼガンマ(γ):

ミトコンドリアに存在し、ミトコンドリアのDNA複製に関与すると考えられています(5)。大腸菌のDNAポリメラーゼ I と同じAファミリーに所属しています。ミトコンドリアは活性酸素が多い環境なので、DNAはダメージを受けやすく、この酵素が校正機能を持っていることには大きなメリットがあります。

DNAポリメラーゼデルタ(δ):

DNAを複製および修復するときに用いられます。以前はラギング鎖のみ複製すると考えられていましたが、リーディング鎖の複製も行っているようです(6)。Bファミリーに所属し、校正機能を持っています。

DNAポリメラーゼイプシロン(ε):

DNAを複製および修復するときに用いられます。主にリーディング鎖の複製を行っていると考えられますが、これはデルタで代用できるようです。しかしそれ以外に、2重鎖になっているDNAをほどいてルーズな状態に変化させるヘリケースを活性化する機能があり、これによって複製フォークが形成されるようで、こちらの機能は代替不可だそうです(7)。Bファミリーに所属し、校正機能を持っています。

DNAポリメラーゼ ラムダ(λ)&ミュー(μ):

DNAの2本鎖が両方とも切れたときの修復(非相同末端結合)に使われるようです。また相同組み換えにも使われるようですが、まだ詳しく研究されていないようです(4)。いずれもXファミリーに所属しています。

DNAポリメラーゼ イオタ(ι)、エータ(η)、ゼータ(ζ)、& カッパ(κ)

いずれもこの記事で取り上げたDNA乗り越え修復に関与する酵素です。エータのようにチミンダイマーの対面をきちんとAAに修復できるエラーレスの酵素もあれば、エラーの確率が高い酵素もあります。ゼータはBファミリーですが、他の3つはYファミリーに所属します。

他にも特殊な酵素がいくつかありますが、ここでは述べません。文献(8、9)などを参照してください。

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参照:

1. J. J. WEIGLE, INDUCTION OF MUTATIONS IN A BACTERIAL VIRUS, Proc. Natl. Acad. Sci. USA vol.39, pp.628-636
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1063835/pdf/pnas01592-0060.pdf

2. M.F. Goodman and R. Woodgate, Translesion DNA polymerases., Cold Spring Harbor Perspectives in Biology, No.29, pp.1~20 (2016)
http://cshperspectives.cshlp.org/content/early/2013/07/08/cshperspect.a010363

3. L. Pellegrini, The Pol alpha -primase complex. Subcell Biochem. vol.62, pp. 157-169 (2012)

4. J. Yamtich and J.B. Sweasy, DNA polymerase family X: function, structure, and cellular roles., Biochim Biophys Acta. vol.1804, pp.1136-1150 (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19631767

5. R. Krasich1, W.C. Copeland, DNA polymerases in the mitochondria: A critical review of the evidence. Frontiers in Bioscience, Landmark, 22, pp.692-709 (2017)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27814640

6. R.E. Johnson, R. Klassen, L. Prakash, and S. Prakash, A Major Role of DNA Polymerase δ in Replication of Both the Leading and Lagging DNA Strands., Mol. Cell. vol. 59, pp.163–175. doi:10.1016/j.molcel.2015.05.038. PMC 4517859Freely accessible. PMID 26145172

7. T. Handa et al., DNA polymerization-independent functions of DNA polymerase epsilon in assembly and progression of the replisome in fission yeast., Mol Biol Cell, vol.23, pp.3240-3253 (2012), doi: 10.1091/mbc.E12-05-0339
https://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/newinfo/info72.html

8. 道津貫太郎、横井雅幸、花岡文雄、立体構造解析から見えてきた損傷乗り越えDNA複製の分子メカニズム. 放射線生物研究 vol. 46,pp. 1-14 (2011)
こちら

9. S. Doublie and K.E. Zahn, Structural insights into eukaryotic DNA replication. Frontiers in Microbiology. vol.5, pp.1-34 (2014)

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2016年12月 4日 (日)

2016~2017 リーガエスパニョーラ第14節: 後半45分ラモスの頭でエンパテに沈む 

デイゲームのクラシコです。10万人収容のカンプノウははち切れんばかりの満員。バックスタンドにはフォルサ・バルサ(ばるさがんばれ)の人文字がみえます。

Img_a

カタルーニャ国旗のディスプレイで盛り上がるスタンドです。

Img_b


バルサはFW:ネイマール・スアレス・メッシ、MF:Aゴメス・ラキティッチ・ブスケツ、DF:アルバ・マスチェラーノ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。イニエスタは間に合いましたがベンチ。イニエスタはドリブル突破の際に奪われてカウンターを食う確率が高いので、前半は守備重視でAゴメス起用になったのでしょう。

レアルマドリーはFW:ベンゼマ・Cロナウド・ヴァスケス、MF:コバチッチ・モドリッチ・イスコ、DF:マルセロ・Sラモス・ヴァラン・カルバハル、GK:Kナヴァス。ベイルがいないのはバルサにとってラッキーでした。

マドリーはモドリッチ中心に非常に厳しい中盤の守備でバルサペースを阻止する構え。バルサもここ数試合の低調なパフォーマンスとは見違える集中力と活気のあるプレーで戦います。21分バルサはカウンターから、スアレスにシュートチャンスがありましたが、ヴァランのおしりに当てて得点ならず。逆に37分マドリーのカウンター攻撃でCロナウドに左からニアに打たれますが、テア=シュテーゲンが冷静にはじきました。さらに38分にも中央から打たれますが、これは当たり損ないでテア=シュテーゲンがキャッチ。

バルサにとって残念だったのは、41分左に侵入したアルバが中央にパスを出したところ、カルバハルがハンドで止めたのですが、レフェリーの角度が悪くてPKとりませんでした。そのあとピケの危うくオウンゴールなどもありましたが0:0で前半終了。

後半8分、ネイマールのFKをスアレスが頭で合わせてバルサ先制。15分にはラキティッチがイニエスタに交代です。この頃になるとマドリーの守備が目に見えてゆるくなってきて、バルサの勝利が見えてきました。23分ネイマールがうまくカルバハルを交わして1:1でシュートしたのですが、わずかに高くゴールならず。これが死を招くことになりました。

終了直前の45分、モドリッチのFKをSラモスに頭で合わされて痛恨の失点。このときのバルサ選手の位置が高すぎて、Sラモス以外にも3人くらいフリーになっていました。完全にバルサの守備ミスです。試合はそのままエンパテで終了。6ポイント差は縮まらないまま、マドリーは33戦無敗となりました。バルサにとっては非常に苦しいシーズンとなりました。

https://www.youtube.com/watch?v=JGYbfKT4_dg
https://www.youtube.com/watch?v=jiL7nv450zw
https://www.youtube.com/watch?v=sVnpET78l7s

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2016年12月 3日 (土)

JPOP名曲徒然草175: 「乙女の祈り」 by 真野恵里菜

今日は午後1時から「科捜研」のバックナンバー、午後9時から「検事の本懐」と長いTVドラマを2本も見てしまいました。なんとどちらにも真野恵里菜が出演していました。彼女がバリバリのアイドルだった頃は私は全く知らなくて、あとで調べてみてはじめて気がついたという経緯があって、CDは持っていません。

私は真野恵里菜は超B級女優と思っています。その心は、ユーモアとかペーソス、複雑な表情には欠けますが、一本調子の役をやると何のてらいも無く、気持ちが良いくらいストレートにやり抜くという特技を持っているからです。

アイドル時代の曲は昭和時代の面影があって、ちょっと懐かしい感じがします。まあ作詞・作曲がその種の方々なので・・・。

真野恵里菜 「乙女の祈り」 作詞:三浦徳子 作曲:KAN

https://www.youtube.com/watch?v=TVBkEWWnN0Q

http://www.dailymotion.com/video/x8gf6l_%E7%9C%9F%E9%87%8E%E6%81%B5%E9%87%8C%E8%8F%9C-%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A-dohhh-up_lifestyle

「NEXT MY SELF」
https://www.youtube.com/watch?v=FrvNPvD6epc

「はじめての経験」
https://www.youtube.com/watch?v=I_gnRUWpL2s

「お願いだから・・・」
https://www.youtube.com/watch?v=G0pZo3E0I98

「春の嵐」
https://www.youtube.com/watch?v=ClJJdbXwHLw

「My Days for You」 このMVをみていると、まわりが意識して昭和ノスタルジアをめざしていると感じられます
https://www.youtube.com/watch?v=NYzZz4CwfZQ

「黄昏交差点」
https://www.youtube.com/watch?v=uCXCtMhEoxk

「Song for the DATE」
https://www.youtube.com/watch?v=kZYpUZ1IUlk

何やってんねん
https://www.youtube.com/watch?v=wnE56bXUpYw

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2016年12月 2日 (金)

連合がついに自民党と連携

Minshinto_logo以前に連合は自民党を支持すべきだと書きましたが、
http://morph.way-nifty.com/grey/2016/10/post-8bc6.html

そのようになりそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161130/k10010790081000.html

これは当然の成り行きで、連合組合員689万人がしらずしらずのうちにこの国のエリートになってしまったからです。非正規労働者1989万人と格差ができて、同じ船に乗れなくなってしまうほどになりました。

民進党は非正規労働者と農林漁業者、国内で事業をやりたいと思う企業、TPP・TiSAに反対する理念を持つ人々、奨学金で学ぶ学生、年金がわずかな老人、障害者、母子家庭、思想統制と軍国主義に反対する人々、レイシズムに反対する人々 etc. に支持される政党になるべきです。連合の離反は民進党が主義主張を明確にするためにはむしろ好機です。どっちつかずの政策では、支持者がいなくなります。

最近感じるのは、前原誠司氏が新自由主義をあきらめたように思われることです。先進国全体がアンチグローバリズムあるいはブロック経済体制に移行していく中で、さすがに自由貿易推進一辺倒で行くのはピエロのようだということがわかったのではないでしょうか。喜ばしいことです。

新興国でもさまざまな工業製品が生産されるようになった今、国別で競争すれば賃金の高い先進国が敗北するのは目に見えているので、結局先進国の企業はグローバル企業となって生産拠点を新興国に移転し、関係者だけが利潤にありつこうという作戦に出ますが、その結果は、「関係者」と「部外者」という階層分化が生まれ、米国ではついに「部外者」の革命が成功しました(トランプが彼らの期待に応えるかどうかは、しばらくみていく必要がありますが)。

トランプは早速個別企業に介入して、生産拠点の海外移転を阻止しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161202-00000041-asahi-int

日本にもこれから求められるのは、日本人が必要とする最低限の物資は、可能な限り国内で生産できるようにすることです。それが当面困難なら、物資を食糧に置き換えてもかまいません。一見不可能なようでも国家がそういう方針で歩めば、エネルギー問題も含めてその方向に行けると思います。海外に拠点を移転するのは悪者というムードをつくれば、意外にやりにくくなると思いますね。

私が何気なく買った身の回りのものをよく調べてみると、Tシャツはバングラ、靴はミャンマー、パジャマはベトナムのグンゼ、ズボンと上着は中国、鞄はイタリア(ブランドはそうだけど多分中国製)、家電の一部は中国、パソコンは台湾、今日買ったナスの漬け物のナスはタイ、トマトはニュージランド、ですが、そんなのがいつの間にか当たり前になっているのはおかしくありませんか? このような物資は昭和時代までは日本製が当たり前でしたし、日本には農業に必要な水と、マグマというエネルギー源があります(一億人が死滅するほどの http://indeep.jp/caldera-eruptions-could-be-soon-in-somewhere-include-japan/ )。排他的経済水域の境界線付近で、中国は原油を採掘して吸い取っていますが、日本は掘っていません。

鉄材も船も航空機も木材も、国内で使う分も生産できないというのはおかしくありませんか? 前原誠司氏にはこのあたりのことまで考えて欲しいと思います。

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2016年11月30日 (水)

やぶにらみ生物論49: DNAの修復1

DNAはヌクレオチドがフォスフォジエステル結合を介して連結されていますが(図1)、このヌクレオチド同士の結合は化学的には非常に安定で、加熱・酸・アルカリなどの条件でも壊れません。ジフェニルアミン法でのDNAの化学的定量の際には過塩素酸の存在下でボイルして分解・染色します(1)。

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しかし生体内にはDNAを切断・分解する酵素が存在するので安泰とは言えません。また有機塩基は糖鎖やリン酸と比べると化学的に不安定で、加水分解でアミノ基がアンモニアとなってはずれてしまったり、塩基全体が糖からはずれてしまったり、アルキル化・酸化によって構造が変わったりします。これらの化学反応は酵素がなくても進行します。またDNAを合成する際に、間違った塩基(GCまたはATというペアを形成しない)が取り込まれてしまうこともあります。

細胞が本来維持している環境の中でのエラーやダメージ以外にも、外界の放射線や紫外線によって発生するダメージも深刻です。生物は太古の昔から、このようなさまざまな要因によるDNAの損傷を修復するべく知恵をしぼってきました。もちろんDNAの変異が進化をもたらしたことは事実ですが、毎日起きているDNAの損傷は桁違いで、ウィキペディアによると「DNAの損傷は、細胞内における正常な代謝の過程でも1細胞につき1日あたり 50,000~500,000 回の頻度で発生する」(2)となっています。

たった1ヶ所の変異によって、その部分の遺伝子情報によって作られている蛋白質の機能がゼロになったり、発がんの原因になったりすることもあります。ですから生物は様々なDNAの救急システム=DNA損傷修復の機能を持っているわけですが、それ以外にも私たちの体を見てみると、生きている細胞が露出しているのは乳頭くらいで、あとは皮膚表層の死細胞が紫外線から生きている細胞を保護しています。またヒト以外の動物では皮膚に加えて毛皮や甲冑で保護している場合が多くみかけられます。

生物がまだ水中で生活していた頃は、水によって放射線や紫外線が遮蔽されるので、内因的な損傷だけを修復すればよかったのですが、陸に上がったとたんに外界から激しい損傷をうけることになるので、浅瀬で暮らしている時代に十分な準備をしておかないと、上陸は不可能だったでしょう。これは陸地を歩ける足を準備するのと同じくらい重要な段取りだったと思われます。

さて皆さんは昨年(2015年度)のノーベル化学賞を、どんな人が受賞したか覚えているでしょうか? リンダール(1938~)・モドリッチ(1946~)・サンジャール(1946~)の3人です(図2)。

A_13

彼らは皆それぞれ別の様式のDNA修復に関する研究で受賞しました(3)。彼らが発見した3種類のDNA修復は、大腸菌(原核生物)もヒト(真核生物)も、関与する因子の名前こそ違いますが、様式は基本的に同じで、おそらく10億年以上保存されてきたメカニズムだと思われます。生物は深海の熱水噴出口周辺で生まれたと思われますが、細菌はかなり早くから浅い海や地上で生きていたに違いありません。ですから彼らは優秀なDNA修復機構を太古の時代から持っていて、その後長い間海中で生活することになった真核生物も、彼らの業績を引き継いでいたということになります。ですからおそらく現在紫外線や放射線による障害を修復するメカニズムとして復活した機構も、進化の途中では別の目的で使われていた時代もあったのでしょう。

ここではノーベル賞を受賞した3人の科学者達の業績をたどってDNA修復の機構をみていきましょう。まずトマス・リンダールは塩基除去修復(base excision repair)という様式を発見しました(4)。例えばグアニン(G)が酸化されて8-オキソグアニン(G*)に化学変化したとします(図3)。

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まずこの異常な部位にグリコシラーゼがやってきて、異常な塩基である8-オキソグアニンと糖の結合を切断して、8-オキソグアニンを遊離させます。そうするとDNAに塩基のない空白部分(APサイト、apurinic apyrimidinic site)ができます(図4)。この状態を認識するAPエンドヌクレアーゼというDNA分解酵素がやってきて、AP部位のDNAを切断します(図4)。

DNAを切断する酵素を大きく分けると、一番端から順次内部に切っていく(鎖を短くしていく)酵素群をエキソヌクレアーゼ(exonuclease)と、鎖の内部を切断する酵素群(APエンドヌクレアーゼ AP endonuclease のように特定の部位だけ切断するものから、非特異的に滅多切りするものまでいろいろあります)があります。前者のエキソヌクレアーゼがAPエンドヌクレアーゼで切断されたDNAの断端をみつけて、ひとつヌクレオチドを切り離します(図4)。このエキソヌクレアーゼはヌクレオチドひとつ分だけしか切りません。

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ヌクレオチドが切り離されると、専門のDNAポリメラーゼ(真核生物だとDNAポリメラーゼベータ)がやってきて、鋳型に対応するヌクレオチドをひとつ 3'OH に結合させます。例によってこれを 5'P と結合させることはできないので、DNAリガーゼがやってきて結合し、元のDNAへの修復が完成します(図4)。

次はアシス・サンジャールですが、彼はヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair)のメカニズムを解明しました(5、6)。彼はトルコでの裕福な医師生活を捨てて米国で勉強をやり直し、テクニシャンからはじめて、朝9時から深夜3時まで働くというハードワークで成功した人物です。

ヌクレオチド除去修復は、主にDNAが紫外線によって損傷を受けた場合に発動します。紫外線がDNAに照射されると、DNAの塩基配列上でチミンが二つ並んでいるところで、チミンダイマーが形成されます(図5)。

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チミンダイマーが形成されると、周辺のDNAにひずみが発生します。これをUvrA+UvrBの複合蛋白質が認識し、ATPのエネルギーを使ってチミンダイマー周辺のDNAを変形させて塩基同士の結合をひきはがします(図6-2)。するとそこにUvrCがやってきて、チミンダイマーの両側でDNAを切断します(図6-3)。

切断されるのはチミンダイマーの隣接部位ではなく、多少の余裕をみて数ヌクレオチド離れた場所で切断されます。チミンダイマーを含む単鎖DNAは遊離し、DNAにギャップが形成されます(図6-4)。この比較的広いギャップは、ヘリケースによってDNAポリメラーゼがアクセスできるように立体構造が整形され、真核生物の場合DNAポリメラーゼイプシロン(リーディング鎖の複製を行なう酵素)によってDNA合成が行われ埋められます(図6-5)。最後にDNAリガーゼによってDNAの端部が連結されて修復が完了します(図6-6)。

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チミンダイマーの除去がうまく行われない場合、色素性乾皮症(xeroderma pigmuntosum)という生命に関わる重要な病気が発生することがあります。この病気は遺伝性で、患者さんは太陽に当たると癌が発生する危険性が高いので、一生暗い部屋で、外出するときは皮膚をすべて被うという気の毒な生活をしなければなりません。

最後はモドリッチですが、その前に一つ述べておかなければならないのは、すべての生物がDNAの複製に用いているDNAポリメラーゼは種類も多くありますが、すべて100%正確にG・C、A・Tのルール通りのDNA合成が可能かというとそうではありません。確率は低いですがエラーが発生して、例えば図7のようにGの対面が誤ってTになったとします。このエラーを放置すると、もう一度細胞分裂が起こった場合、Tの対面はAになって、ずっと先の世代まで間違ったDNAが引き継がれることになります。このようなエラーの修復法をモドリッチが解明しました(7、8)。ミスマッチ修復法と呼ばれています。

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ミスマッチが発生した場合、図7-1のようにMutSαというタンパク質がその位置を検出し、結合するとともにATPを使って構造変化を起こしてMutLαと結合します(図7-2)。MutLαはDNAに断点をいれる酵素(エンドヌクレアーゼ)で、ミスマッチの両側にNick(断点)をつくります(図7-3)。

次にExo1という断点から5→3の方向に順次DNAを分解していく酵素(エキソヌクレアーゼ)が、もうひとつの断点までDNAを分解しギャップをつくります(図7-4)。真核生物の場合このギャップは主にDNAポリメラーゼデルタがDNA合成を行うことによって埋められます(図7-5)。そして最後はDNAリガーゼが 3'OH と 5'P を連結して修復は完了します。

以上3種類のDNA修復法について述べましたが、DNAの修復法は他にもあるので次回も続けます。

参照:

1)http://www.sci.keio.ac.jp/eduproject/practice/biology/detail.php?eid=00012

2)https://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E4%BF%AE%E5%BE%A9

3)DNA repair – providing chemical stability for life. THE ROYAL SWEDISH ACADEMY OF SCIENCES, 2015
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/2015/popular-chemistryprize2015.pdf

4)Tomas Lindahl, Instability and decay of the primary structure of DNA. Nature vol.362, pp.709-715 (1993)

5)http://www.newsobserver.com/news/local/education/article51568735.html

6)Sancar, A. and Rupp, W. D., A Novel Repair Enzyme: UVRABC Excision Nuclease of Escherichia coli
Cuts a DNA Strand on Both Sides of the Damaged Region, Cell vol. 33, pp. 249–260 (1983)

7)Ravi R. Iyer, Anna Pluciennik, Vickers Burdett, and Paul L. Modrich, DNA Mismatch Repair: Functions and Mechanisms. Chem. Rev., vol. 106,  pp. 302–323 (2006)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cr0404794

8)Lahue, R. S, Au, K. G. and Modrich, P., DNA Mismatch Correction in a Defined System, Science, vol. 245, pp. 160–164 (1989)

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2016年11月29日 (火)

2016~2017リーガエスパニョーラ第13節: ドローが信じられないほど押し込まれたバルサ

A1180_006359鬼門のアノエタでソシエダとの対戦。一応バルサも前の三人(ネイマール・スアレス・メッシ)が揃いました。中盤はアンドレ=ゴメス・ラキティッチ・ブスケツ、DF:アルバ・マスチェラーノ・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。ソシエダは5位で好調というより、それだけの実力がある選手を集めました。FW:オヤルサバル・ジョゼ・ベラ、この3人結構強力です。ミドルシュートのオヤルサバル、突破力のベラ、ラス・パルマスで9ゴールのジョゼ。MF:スルトゥサ・イジャラメンディ・ブリエトはみんなベテランのクセ者。DF:ユーリ・イニゴ・ナヴァス・マルティネス、GK:ルジ。

バルサはポゼッションができません。たまに球を持ってもパスカットされることが多くて、逆襲を食って攻められっぱなしです。15分のクロスからのブリエトのヘディングシュートはテア=シュテーゲンが止めました。19分にはベラに抜け出されましたが、シュートミスで助かりました。31にもベラにゴール前に進入されましたが、マスチェラーノがギリギリで阻止。まずいことに39分、ピケがセーヴしたときに足を痛めて、2~3分で出てきたのですが厳しくなりました。しかし何とか粘ってスコアレスでハーフタイム。

後半バルサはラキティッチをデニス=スアレスに代えてきました。これはクラシコに備えてと言う意味もあると思います。ピケはサポーターを靴底まで巻いて足を保護しているのが痛々しい感じで心配していたら、8分またベラにシュートを打たれてGKがはじいたところをジョゼに頭でたたかれて失点。

しかし腐ってもバルサと言おうか、14分ネイマールが左を突破し、メッシに戻してゴール。なんとか追いつきましたが、その後もソシエダ有利な展開でバルサはほとんどいいところなしで終了しました。これでエンパテというのは非常にラッキーでしたが、レアルマドリーとの差は6ポイントになってしまいました。

この不調のなかで、どうしても負けられないクラシコになってしまいました。イニエスタがいないというのも問題ですが、それよりアルダとウムティティが使えないのが非常に痛い感じがします。全体的に疲労感があって、ここ一番のアジリティが足りません。ウムティティとイニエスタはクラシコに間に合いそうらしいので、パエリアでもたらふく食べてなんとか頑張って欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=s3zbPzmgkiA

https://www.youtube.com/watch?v=xw-i7Bzwjzw

https://www.youtube.com/watch?v=X4PfNGqVhZA

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2016年11月28日 (月)

都響-大野 マーラー交響曲第4番@東京芸術劇場2016年11月27日

Imga雨模様ですが、そんなに寒くないのは歓迎です。都響の久しぶりのマーラーということで、池袋芸劇は大盛況でした。本日の指揮は大野さん、コンマスは矢部ちゃん、サイドは四方さんです。

天羽(あもう)さんはモスグリーンの渋いドレスで登場しましたが、仏様のような容姿の方です。リーフレットの写真からの変貌がみられましたが、美しいことには変わりはありません。

最初はベルクのアルテンベルク歌曲集。これはマーラーがはじめた管弦楽伴奏歌曲集の衣鉢を継いだものですが、マーラーのような旋律を基盤とした音楽ではなく、自然の音のシミュレーションや多彩な楽器の音響で心理描写や歌詞の雰囲気を醸成することを目的としています。この点ではベルクは天才です。最初の数秒で引き込まれてしまいます。ただCDを買ってまた聴いてみようかという観点から言うと微妙かな?

https://www.youtube.com/watch?v=FQsHjCaLgog

ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もエマールの切れ味良いピアノは魅力ですが、そんなに好きな曲じゃないので、ただ座ってボーッと聴いていただけです。

休憩後はお目当てのマーラー交響曲第4番。やはり曲の面白さが前半とは桁違いです。開始前に矢部ちゃんが隣の四方さんに早業でポケットから多分薬をとりだして渡すと、四方さんも早業で飲み込みました。すごいコンビネーションです。メッシ→スアレス→ゴール。矢部ちゃん単独ではよくみかけますが、どうして楽屋でなくステージで服用するのかが謎です。

マエストロ大野の趣味でしょうか、非常に繊細で透明度の高い演奏でした。愕然としたところもありましたが、第3楽章は特にマーラーの音楽を優秀な解剖学者のように細部まできれいに露出してくれたような演奏で、一風変わっているとはいえ、それなりに堪能できました。

突然盛り上がる部分で、天羽さんがお色直しして白のドレスで現れました。やはり天使は白か。低音がよく聞こえませんでしたが、おちゃめな天使という役割の歌をその通りに歌ってくれました。声質がぴったりですし、ライヴではルックス(かわいい)も重要な要素です。マイクが林立していたので、レコーディングモードでした。CDが発売されるのが楽しみです。

ウィキペディアを見て驚いたのは、この曲を最初にレコードに録音したのは、近衛秀麿指揮新交響楽団(ソリスト北澤榮子)で1930年のことだったそうです。マーラーも日本とは縁があるんですね。しかもこのSP盤は現在CDに復刻されて販売されています。

こちら

マーラー交響曲第4番(このオケはホルンが上手)
https://www.youtube.com/watch?v=Ividyw_WPv4

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2016年11月26日 (土)

サラとミーナ180: お邪魔虫

サラがゆっくり休んでいます。

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しかし、お邪魔虫ミーナが接近

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こうなってしまいました

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「隣の芝生は青い」というのは人も猫も、いや人もミーナも同じか?

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2016年11月25日 (金)

年金制度の問題

A1840_000022年金制度改革が話題になっていますが、1番の問題点は、自民党政権が数十年間やってきた制度が、子供が減らないということを前提としてきたということです。

ならば自民党はどうして子供が減らないような効果がある政策を実行してこなかったのでしょうか? そこが問題なのですよ。

だから年金が少なすぎると言っている老人にも言いたいのですが、「違ってたらごめんなさい、そういう不作為を続けてきた政党に、あなたはずっと投票したきたのではありませんか?」

事ここに至ってはよほどドラスティックな政策をとらないとダメでしょう。たとえば3人目の子供が出来た家庭には、300万円くらいの報奨金を支給するとかね。若い世代の移民受け入れを促進することも考えなければなりません。

それができないのなら、子供が親世代を養うという現行の制度をやめて、スウェーデンのような制度(*)に変更すべきでしょう。

こちら

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2016年11月24日 (木)

MTT-サンフランシスコ交響楽団@NHKホール2016年11月22日

Imgmttsanfあまり外国のオケは聴きに行かない方なのですが、昨年のラハティ交響楽団以来のサンフランシスコ交響楽団を聴きにNHKホールまで行ってきました。渋谷の2番バス乗り場からお召しバスに乗って、もう何年ぶりか覚えていないくらい久しぶりのNHKホールです。巨大なホールがほぼ満員の大盛況でした。

前半はユジャワンがソリストでショパンのピアノ協奏曲第2番。指揮者はMTTの愛称で知られるマイケル・ティルソン・トーマスです。

ユジャワンはセクシーな舞台衣装で有名ですが、今回は乳房が半分見えているようなイヴニングドレスで悩殺。ピアノも最近の進境は著しく、自由自在なニュアンスで素晴らしいショパンを聴かせてくれました。イングリット・フリッターにちょっと芸風が似てきましたかね。オケの方は、「ユジャさん、どうぞお好きにやって」という感じでした。

ユジャワンってどんな人?
https://www.youtube.com/watch?v=gGHswmPxLQY
https://www.youtube.com/watch?v=pn_DKNeUsZ4

ソリストアンコールもやってくれました。
シューベルト(リスト編) :糸を紡ぐグレートヒェン

後半はブルックナーの交響曲第7番。CDで最近聴いたのはシモーネ・ヤング指揮ハンブルク・フィルハーモニカーの演奏でした、これはすみずみまで神経が行き届いた怜悧で繊細な演奏で、ちょっと驚かされましたが、このMTT-サンフランシスコ交響楽団の演奏も特異な印象を受けました。

ヤングよりもさらに女性的な演奏で、実にやわらかく暖かみがあって、それでいてダイナミック。金管は特に素晴らしい迫力でした。宗教的な雰囲気や、ヤング-ハンブルクの演奏で感じられた寂寥感はありませんが、聴衆をハグしてくれるような親密さが感じられる希有の演奏会だったと思います。不思議な体験でした。MTTは1995年からサンフランシスコ交響楽団の音楽監督をやっているそうで、今年で21年目になります。しかしつきあいが長いからといってでてくるものではない指揮者とオーケストラの親密さが、演奏ひいては聴衆のメンタルにも何らかの精神的影響を与えるということを感じました。

終演後外に出ると公園通りは電飾されていました。「青の洞窟SHIBUYA」というそうです。

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12月11日(日)午後9時からEテレ「クラシック音楽館」で放映するそうで、これは要チェックです。

MTT-サンフランシスコ交響楽団のマーラー「リサレクション」
https://www.youtube.com/watch?v=nBNhR4UhNVE

MTTらの第9解説
https://www.youtube.com/watch?v=krCiR04u8Ig
https://www.youtube.com/watch?v=783P6CVkszc

マイケル・ティルソン・トーマス: 音楽と感情の奏でる歴史
https://www.youtube.com/watch?v=FD5ZKi-moMU


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2016年11月23日 (水)

やぶにらみ生物論48: 岡崎フラグメント

Okazakireiji_3岡崎令治氏(1930~1975、図1)は20世紀の分子生物学の爆発的進歩に、戦後間もない日本(名古屋大学)で、日本人として最大の貢献を果たした科学者だと思います。広島に原爆が落とされたときに爆心地近傍で被曝されたとのことで、白血病で若くして亡くなったのは残念至極です。

奥様の恒子氏も科学者かつ共同研究者で、「岡崎フラグメントと私」という一文を生命誌ジャーナルに寄稿されています(1)。発見時の状況や苦労した点などを含めて記述されているので、DNAの複製に興味のある方は一読をお勧めします。もう少しアカデミックな記載としては、やはり岡崎恒子氏の「不連続複製機構を紡いだ日々」(2)という文献が、いまは亡き「蛋白質・核酸・酵素」という雑誌のバックナンバーに残されています。

生物は(ウィルスも生物だとすれば)一部のウィルスを除いて、すべて図2のようなレプリケーションフォークを作ってDNAを複製します。ラジオオートグラフィーなどで巨視的に見れば、DNAはY型のレプリケーションフォークを形成しつつ、両鎖が同時に複製されるようにみえるわけです。

そこで図2Aのように複製が行われるのであれば簡単なのですが、ひとつ問題があって、プライマーの 5'P 末端側からDNAを伸ばしていくDNAポリメラーゼがさっぱりみつからないのです。DNAポリメラーゼはどうも 3'OH からしかDNA合成を行えないとしか考えられません。

そこで岡崎らは図2Bのような複製様式を考えて(当時はプライマーの存在はわかっていなかったので、緑の線は後の知識を加えて描いたものです)、1966年に放射性チミジンが1000~2000ヌクレオチドの短いDNAの鎖(後に岡崎フラグメントと呼ばれることになる)に取り込まれることを発表しました(3)。つまり微視的にみれば、片側の鎖は逆方向に短い鎖として複製され、あとでつながるという方式です。

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しかし複製中のDNAを集めて単鎖に変性させると、多量のプライマーや岡崎フラグメントが採取できるかというと、そういうわけにはいきません。プライマーはどんどん分解され、DNAはどんどん接続されるので、無傷のプライマーや岡崎フラグメントは本当にわずかな量がわずかな時間にだけ存在するのです。

ここで救いの神となったのはDNAを接続する酵素であるDNAリガーゼの発見者である C. C. Richardson で、岡崎研にリガーゼが温度感受性となっているT4ファージの株をプレゼントしてくれたのです。その株で実験してみると、予想通りリガーゼが働かない高温条件だと、じゃんじゃん岡崎フラグメントが発生し、温度を下げるとそれらはつながることが証明されました(4)。岡崎らはさらに両鎖とも 5'→3' 方向に鎖の伸長が進むことを示しました(5)。

あとひとつ解決しなければならないことは、最初に不連続複製のモデルを提出した頃にはわかっていなかったプライマーの問題なのですが、ここにいきつくまでに令治氏は他界し、恒子氏率いるグループにに課題は残されました。

1979年に至ってようやく恒子氏のグループはプライマーRNAの構造を解明し(6)、図3のようなDNA不連続複製の全貌が明らかとなりました。すなわちリーディング鎖ではDNAの複製は連続的に行われ、ラギング鎖では逐次プライマーと岡崎フラグメント(a, b, c 等)が形成される逆方向の不連続複製が行われるということになりました。

Photo_6

DNAの2本の鎖はそれぞれ別の様式で複製されるため、3’末端から複製される鎖はリーディング鎖、5’末端から複製される鎖はラギング鎖と名付けられました。ラギング鎖においては、リーディング鎖とはことなり、逆方向から岡崎フラグメント(a, b , c) をつくりながら不連続に複製が行われます。逆方向とは言っても、鋳型(テンプレート)が逆方向なわけで、DNAを合成する方向としてはどちらも 3'OH を起点として5→3方向に進んでいるのです。

図3の状態からさらにプライマー(緑)を取り去り、できたギャップを埋め、DNA鎖を接続するという作業が必要になります。これは概略図4のように行われます。図4におけるDNAの塩基配列は説明のために記載した任意のものであり、実際の配列とは関係ありません。

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1.岡崎フラグメント(矢印青)がDNAポリメラーゼによって伸長されるとプライマー(緑)の 5'P 側とぶつかります。DNAポリメラーゼは伸長DNA端の 3'OH とこの P を結合させることはできないので、ニック(切れ目)を生じたままそこで反応を停止します。

2.RNase HなどによってプライマーRNAが分解されますが、RNase Hはリボースとリボースの結合しか切れないので、リボースとデオキシリボースが結合している最後の1ヌクレオチド(緑のドット)は処理できません。

3.最後の1ヌクレオチドは 5'P 側からリボースとデオキシリボースの結合を切るヌクレアーゼが作用して、もとプライマーがあった部分が完全なギャップとなります。

4.このギャップはDNAポリメラーゼによって埋められますが(哺乳類の場合DNAポリメラーゼデルタ)、DNAポリメラーゼは 3'OH を認識してそこにヌクレオチドをくっつけていく酵素なので、赤矢印右端の 3'OH を既存の 5'P と接続することはできません。したがってニックができることになります。

5.このニックはDNAリガーゼ(英語ではライゲース)によって接続され、岡崎フラグメントは解消されて、ラギング鎖の新生DNAは連結されます。

6.そしてプライメースによってプライマーがつくられ、そこからDNAが合成され、1のステップにもどります。この1~6のステップを繰り返すことによって、ラギング鎖のDNA複製が行われます。

私はこの記事を書いていて、これまで岡崎令治氏は早逝されたのでノーベル賞を受賞できなかったと思っていたのですが、いろいろ難癖をつけられた岡崎フラグメントをさまざまな実験で世に認めさせた功績から言えば、岡崎恒子氏の貢献が大きいと思いました。すなわち岡崎恒子氏(および発見論文のファーストオーサーである坂部貴和子氏)こそ受賞すべき人なのではないでしょうか。

そしてもうひとつここでふれておきたいことがあります。DNAリガーゼは1967年に  Bernard Weiss と Charles Clifton Richardson によって発見された、DNAの断点(ニック)を接続したり、DNA同士を連結させる酵素です。 リチャードソンは現在もハーバード大学に研究室を構えているようですが、ワイスの消息は追跡できませんでした。リタイアしたのかもしれません。米国版も含めてウィキペディアへの記載もありませんでした。DNAを合成する酵素、DNAを切断する酵素については数人がノーベル賞を受賞していますが、遺伝子工学で頻繁に用いられるDNAを結合させる酵素=DNAリガーゼについては候補にもあがらないというのは不可解です。

参照:

1)「岡崎フラグメントと私」岡崎恒子、生命誌ジャーナル vol.9、no.3、pp.24-29 (2001)
http://brh.co.jp/s_library/interview/32/

2)「不連続複製機構を紡いだ日々」岡崎恒子、蛋白質核酸酵素 vol.48, no.6, pp.718-726 (2003)
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2003&number=4806&file=usD0LKftXwfjSwF9ietppw==

3)K.Sakabe and R. Okazaki, A unique property of the replicating region of chromosomal DNA. Biochim Biophys Acta. vol.129, pp.651-654 (1966)

4)R Okazaki, T Okazaki, K Sakabe, K Sugimoto, and A Sugino, Mechanism of DNA chain growth. I. Possible discontinuity and unusual secondary structure of newly synthesized chains. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.59, pp.598-605 (1968)

5)T. Okazaki and R. Okazaki, Mechanism of DNA chain growth, IV. Direction of synthesis of T4 short DNA chains as revealed by exonuleolytic degradation. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.64, pp.1242-1248 (1969)

6)T. Okazaki et al., Structure and Metabolism of the RNA Primer in the Discontinuous Replication of Prokaryotic DNA. Cold Spring Harb Symp

7)B Weiss and C C Richardson, Enzymatic breakage and joining of deoxyribonucleic acid, I. Repair of single-strand breaks in DNA by an enzyme system from Escherichia coli infected with T4 bacteriophage. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.57, pp.1021–1028 (1967)

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2016年11月21日 (月)

礼節などどうでもよい国

Img_1592

秋も深まり、冬の入り口の季節になりました。近所のケヤキも盛大に落葉しています。

今日はトランプの話題です。晋三はさっそく面会したそうですが、これが物議をかもしています。

(佐藤優談) トランプ会談は官邸の勇み足で、外務省の不作為でもあった。オバマというれっきとした元首がいるのに、それをすっ飛ばして次期元首に会うということは、外交儀礼上きわめて異常なこと。

オバマにはまだ権限があるんだから、ぎりぎりまで権限のある人物を大切にする。広島にも来てくれたんでしょう? それが外交における友好国の礼儀でもある。就任前の大統領と他国の元首が会談するということは「初めての出来事」と言われているのは、これまでにそれほど非礼な国家元首は現れなかったからだ。せめてペルーのAPECに先に行ってオバマと会ってから、帰りにトランプと会えば申しわけが立ったはずだ。

(管理人) 選挙期間中にトランプには会わずに、ヒラリー・クリントンにだけ会ってきたのも晋三の真骨頂。トランプに会えないのなら渡米はとりやめるべきだったでしょう。

ソース http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/273.html

今回の会談は首相官邸側が独断で決定し、外務省が何らかの理由で異議を唱える事が出来なかったとも言及していました。外務省は大統領選挙で「ヒラリー・クリントンが勝つ」と繰り返し強調していたことから、それが原因で首相官邸に何も言えない状態になっていると見られています。

ソース http://saigaijyouhou.com/blog-entry-14297.html

安倍首相ペルーで赤っ恥…オバマ米大統領と会談できず。
オバマ大統領がいつも以上に冷淡なのは当然で、色物扱いしてきたトランプ氏の次期大統領就任が決まると、安倍首相は大慌てで会談をセッティング。「APECまでの給油地だから」という理由で、ニューヨークに勇んで駆け付けたのだ。それもオバマが欧州歴訪で外遊中という、まるで間男のようなタイミングだった。

ソース http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194340

(管理人) なんでこんなのが総理をやっているかというと、マスコミの先導によって(晋三ははじめてトランプと会談した首脳などとほめまくる)、日本人が礼儀なんてどうでも良い民族に劣化したからです。

東京新聞の長谷川論説委員が、「TPPに反対のトランプが当選したのに、支持しない日本の左翼はおかしな連中だ」などとコラムに書いていますが、トランプは軍国主義者・レイシストで銃規制反対、副大統領候補ペンスは進化論反対、同性愛者は治療、こんな政権を支持できるわけないでしょう。彼はそんなことは百も承知で、左翼はバカというムードを醸し出すためだけに、意味のない文章を新聞のコラムに書いているのです。東京新聞は保険で晋三のお友達を飼っているのでしょうが、こんなコラムは新聞の品格を破壊してしまうので、考えた方がいいと思いますよ。

トランプ政権
http://www.afpbb.com/articles/-/3108518

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リーガ・エスパニョーラ2016~2017第12節: 人海戦術の守備を崩せずバルサ痛恨のエンパテ

Braugranaカンプノウでマラガとの対戦です。ルイス=スアレスがカード累積、メッシは体調不良でベンチにもはいれず。ということでFW:ネイマール・パコ・アルダです。MF:ラフィーニャ・デニス=スアレス・ブスケツ、DF:ディニュ・マスチェラーノ(銀髪化)・ピケ・セルジ、GK:テア=シュテーゲン。

マラガはワントップが今年バルサから移籍したばかりのサンドロで541です。GKは日本でもおなじみのカメルーンのカメニ。まだ現役しかもトップリーグでやっているのには驚きます。

ものすごく綺麗な541で統制がとれていますが、極端に守備的で、バルサが球を持つと、サンドロまでハーフラインより後退して守備するという作戦です。メッシとルイス=スアレスを欠いて5バックを突破するというのは骨が折れます。

アルダとセルジの右サイドはなかなかコンビネーションが良くて、ワンツーなどで突破してクロスを供給するところまではいくのですが、中央はがっちり固められているので、なかなかシュートまではいけません。ネイマールも個人技で突破しようとするのですが、いかんせんひとりではどうにもなりません。ディニュとのコンビネーションもいまいち手探り状態です。パコが抑えられているので、ミドルシュートしかチャンスがない感じで、これもふかしたりカメ二に止められたりで成果なし。もたもたしているうちにハーフタイムです。

後半はファン・カルロスにGKまで抜かれて危ない場面がありましたが,シュートがずれてセーフ。バルサはアルバとアンドレ=ゴメスを投入。マラガは23分ディエゴ・ジョレンテがネイマールへの危険なチャージで退場。時間も無いことですし、バルサはラキティッチも投入で、どんどんゴール前に放り込む作戦に変更しました。これはまれにみる異常事態です。ここでマチューがベンチにもいないことは痛かったですが、まさか放り込みのサッカーになるとは監督も予想できなかったか?

アディショナルタイムにネイマール渾身のヘディングで決まったかと思ったのですが、ここでカメニ爺がスーパーセーブとは(直後に足痛めてましたが)! 鉄壁の541+カメニを崩せずバルサ涙のエンパテ。レアル・マドリーの後姿が遠くなりました。

こういう試合では、特に前半ネイマールが持ったときに、ラフィーニャとデニス=スアレスがもっと突入の動きをみせるべきだったと思いますね。本日の反省点です。次は問題のアノエタで、艱難辛苦のバルサです。

https://www.youtube.com/watch?v=caKLuxgZ-uU

https://www.youtube.com/watch?v=AJ0H00b6ZXA

https://www.youtube.com/watch?v=O-0H04Cs0qc

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2016年11月20日 (日)

大野都響-ペレアスとメリザンド@サントリーホール2016年11月19日

Img_1596aまたインフルエンザの季節がやってきました。一気にマスクをしている人が増えた感じです。

銀座線が一部運転中止でしたが、溜池山王までは走っていてラッキーでした。いつもどおりサントリーホールに到着。本日もチケット完売で、最近の都響人気はすごいものがあります。これに慢心しなければいいのですが。

カラヤン広場に着くと不思議な雰囲気のクリスマスツリーと祭壇風のイルミネーションが輝いていました(写真)。ペレアスとメリザンドの墓なのでしょうか?

メーテルリンクの「ペレアスとメリザンド」は読んだことがありませんが、あらすじ的には一人の女を兄弟で争うという家庭内悲劇のような話なのに、今日の2人以外にもドビュッシーなど多くの作曲家の興味をひいたというのは不思議です。

本日の指揮者は大野さん、コンマスは四方さん、サイドは矢部ちゃんの最強シフト。最初の曲フォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」はフォーレにしては重厚な作品で、なかなかの名曲でした。ただシシリエンヌはあっさり通り過ぎてしまったような感じでした。もう少し高雅な雰囲気をじっくりと楽しませて欲しかったという気がします。

引き続いて、庄司紗矢香さん(Vn)をソリストに迎えて、デュティユのヴァイオリン協奏曲「夢の樹」。庄司紗矢香さんはインドネシア風の赤系のロングドレスでびっくりしました。この曲はさまざまに変化する音響の楽しさを感じさせてくれる曲です。ソロヴァイオリンですら、音響で曲に参加している感じです。

ツィンバロムという楽器もはじめてみました。鉄琴・木琴ほど自己主張せず、控えめにスパイスを与えてくれます。こんな滅多にお目にかかれない楽器を製作している会社がまだ世界には4社もあるというのは、クラシック音楽の世界も奥が深いです。

Img_1600a

休憩後はシェーンベルクの交響詩「ペレアスとメリザンド」。まれにみる大編成で、エキストラも大勢参加していました。ホルン8本にトランペット4本、トロンボーン5本です。この曲はワグナー風の音響で、しかも部分的には聴き所満載で、特に南方さんのイングリッシュホルンをたっぷり聴けたのはよかったのですが、全体的にはのべつ幕なしに金管が鳴っている暑苦しい曲で感動を妨げられます。私が作曲家だったら改訂したくなりますね。

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2016年11月18日 (金)

やぶにらみ生物論47: DNA複製機構

「DNAの半保存的複製」のところで、1956年にアーサー・コーンバーグがDNAの複製に関わる酵素DNAポリメラーゼを発見したことを述べました。世紀の大発見で、早くも1959年には彼にノーベル賞が授与されたくらいです。ところがそれから10年も経った1969年、DNAポリメラーゼ活性を失った大腸菌の変異株を分離したという驚天動地の報告が Nature 誌に発表されました(1)。これはアーサー・コーンバーグの酵素がなくても大腸菌は増殖できることを意味します。大ピンチに陥ったアーサー・コーンバーグでしたが、その後始末は息子のトーマス・コーンバーグ(1948~)や、共同研究者のマルコム・ゲフター、広田幸敬(1930~1986) らによって迅速に行われました。

ゲフターとトーマス・コーンバーグはすぐに、大腸菌抽出液中にアーサーが発見した酵素( pol I ) 以外に2種類のDNA合成酵素があることを発見し、それらを精製して pol II, pol III と命名しました。当時広田はDNA合成に関する温度感受性変異株を多数分離しており、ゲフターとトーマスは広田との共同研究によって、それらの温度感受性変異株と pol I のダブルミュータントを解析しました。そうすると pol II はどの株でも正常でしたが、ある株で pol III が強い温度感受性を示しました。この株では pol III が高温によって変性してしまたために、DNAが複製できなくなったのです(2)。このことは pol III がDNA複製を担う酵素であることを強く示唆しましたが、この酵素単独では複製能力が低く、DNAの複製はそんなに簡単にいくものではない、すなわち未知因子がかかわっていることも示唆されました。

閑話休題、トーマス・コーンバーグはチェリストでもあり、著名なピアニストのエマニュエル・アックスとベートーヴェンのチェロソナタを見事に演奏している様子が YouTube にアップされています(3)。広田幸敬先生の講義は聴いたことがあります。気さくで親しみやすい方との印象でした。「大腸菌の性因子に関する研究が、ちょっとした差でジャコブの手柄になって非常に残念だった」というようなことを話されていたことを記憶しています。若くして亡くなられたのは誠に残念でした。

さて、ではDNA複製にどんな因子がかかわっているのでしょうか? この後アーサー・コーンバーグ研究室のすさまじい逆襲がはじまりました。多くの有能な若手研究者や学生を集めて、毎月複数の論文が出版されるほどの精力的な研究が進められました。しかもジェラルド・ハーウィッツの研究室も小うるさく参戦してきました。

彼らはまず試験管内無細胞系のDNA合成システムを完成させました。温度感受性変異株は高温下ではこのシステムでも当然DNA合成はできません。これに正常株の抽出液を加えるとDNA合成は回復します。そこで正常株の抽出液をクロマトグラフィーなどによって幾つかの画分に分け、どの画分を加えると回復するか調べます(相補性テスト)。これを繰り返すことによって画分に含まれる成分は減少し、最終的にある精製された1種のタンパク質を加えると回復するということが判明します。別の株で同様な操作を行うと、また別種のDNA合成にかかわるタンパク質が精製されます。このような相補性テストで精製されたタンパク質はそれぞれ DnaX (X は任意のアルファベット)という名前が付けられ、それぞれの機能が解明されていきました。

なぜそんなに多くの因子が必要かということを考える上で、とりあえずDNAポリメラーゼができることを図1に示します。DNAポリメラーゼは2重鎖と1重鎖の両方をの部分を持つDNAにしかアクセスできません。しかも1重鎖(プライマー)の 3'OH が端でない方に露出している必要があります。プライマーの3'OH末端、 鋳型DNA、そしてデオキシヌクレオシド3リン酸が存在したとき、DNAポリメラーゼはデオキシヌクレオシド3リン酸からピロリン酸を切り離し、鋳型DNAに適合したデオキシヌクレオシド1リン酸の5'Pを3'OH末端に結合させて、DNAの鎖長をのばすことができます。これ以外のことはできません。鎖長を連続的に延長させるためには、もちろん dATP、dTTP、dGTP、dCTP の4種のデオキシヌクレオシド3リン酸が必要です。

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ですから2重鎖だけのDNAや1重鎖だけのDNAがあってもこの酵素はDNA合成はできません。実際細胞内にはそのようなDNAがまま存在するので(たとえば紫外線でDNAが切れた場合とか、ウィルスが感染した場合とか)、意味のない、あるいは有害なDNAをどんどん増やさないために、DNAポリメラーゼの機能が厳しく制約されていることには生理的意義があります。ただDNAの損傷修復に用いられるDNAポリメラーゼの中には、そのような制約を受けないものもあるようです。

図1ではDNAになっていますが、プライマーは通常RNAです。ですからプライマーをつくるプライメースはRNAポリメラーゼの1種です。RNAポリメラーゼは一般的にプライマーを必要としない酵素です。

図1から想像できるように、DNAの複製は DnaX タンパク質群やさまざまな酵素などのお膳立てや後始末があって、はじめて可能になるわけです。コーンバーグらが研究を続けていくと、pol III 以外の多くの種類のタンパク質や酵素がDNA合成にかかわっていることがわかってきました。DNAポリメラーゼIII (pol III) 自体も、現在では多くのタンパク質が結合したDNAポリメラーゼⅢホロ酵素のかたちで、DNA複製を実行することがわかっています(図2 ウィキペディアより)。図2で pol III (コア酵素)は α と表示されています。

800pxdna_polymerase__2

DNAは通常2重らせん構造をとっているので、上記したようにDNAポリメラーゼがアクセスすることは不可能です。ですからまずDNAの鎖をほどいて1本鎖の塩基側を露出させ、かつ酵素がアクセスするに十分なスペースをつくらなければいけません。

DNAはある決まった位置から複製が開始されます。開始位置領域には oriC という名前がつけられ、そこに大腸菌の場合8つの DnaA タンパク質の結合部位(TTATCCACAなど)が存在し、ここに DnaA が結合することによって、周辺に存在するATリッチな部分の2重ラセンをほどき、DnaB と DnaC がアクセスできるようにします。DnaB (helicase) と DnaC は協力してDNAの単鎖構造を安定化させ、DNA複製のお膳立てをします(参照5、図3)。

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こうして作られたアクセス可能な部位にDNA複製酵素がやってきて、すぐに複製を開始するかというと、そのような生物は見つかっていなくて、ほとんどの生物ではまずプライマーという短いRNA(生物によってはDNA)が作成され、そこを起点としてようやくDNA複製が開始されます(図1)。

大腸菌の場合、まず塩基の数にして11±1のRNAフラグメント(プライマー)がプライメース(primase)という1種のRNAポリメラーゼによって作成され、その3’末からDNA複製がはじまります。

プライマーのRNAフラグメントは後に別の酵素によって取り除かれます。この別の酵素というのが RNase H やアーサー・コーンバーグが発見したDNAポリメラーゼ I(pol I)だとされています。このときには pol I はRNAを分解する酵素としても働くという2面性を持った特異な酵素です。そうして取り除かれたあとの空白をDNAで埋め戻し、最後に残された5'Pと3'OHの断点をDNAリガーゼ(DNA ligase)で接続してようやくDNA複製は完了します(5)。DNAの合成はDNA複製のときだけではなく、DNAがダメージをうけたときにも行われます。アーサー・コーンバーグの酵素はそのような際にはDNAポリメラーゼとしても作用します。

大腸菌の場合ゲノムはサーキュラーで複製開始点はひとつですが(図3)、真核生物ではゲノムはリニアで多数の複製開始点があります(図4)。酵母で複製開始点を同定したデータをみますと、一定間隔であるわけでもないし、いっせいに複製が開始されるわけでもないようです(6)。DNA複製が行われている部分のことを replication bubble とか replication eye などと呼ぶことがあります。

Photo_9

参照:

1)Paul de Lucia, John Cairns, Isolation of an E.Coli strain with a mutation affecting DNA polymerase. Nature vol.224, pp.1164-1166 (1969)

2)Malcolm L. Gefter, Yukinori Hirota, Thomas Kornberg, James A. Wechsler, and C. Barnoux. Analysis of DNA Polymerases II and III in Mutants of Escherichia coli Thermosensitive for DNA Synthesis. Proc Natl Acad Sci U S A. vol.68, pp.3150-3153 (1971)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC389610/

3)https://www.youtube.com/watch?v=81rk7_I4-zY

4)http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/replicat.htm

5)Molecular Biology of the Gene. 7th edn., J.D.Watson et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press (2008)

6)大阪大学大学院升方研究室 研究紹介
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/masukata/research/index.html

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2016年11月16日 (水)

ハチャトゥリアン・コレクション

Armenianstamps284アラム・ハチャトゥリアンはトビリシ生まれのアルメリア人で、クラシック音楽・映画音楽の作曲家であり、指揮者としても有名な方だったようです。アルメリアでは写真のような切手になっています。

1963年に来日して京都市交響楽団、読売日本交響楽団を指揮したそうです。学生時代に吹奏楽やバレエをやっていた方にはおなじみさんのようですが(http://kukikei.sakura.ne.jp/khachaturian.html)、私などは剣の舞以外あまり知らない作曲家でした。

少し YouTube で探してみると、結構いけます。

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スパルタクスとフリギアのアダージョ:

https://www.youtube.com/watch?v=wXsDsLHasWo
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

https://www.youtube.com/watch?v=rPxVN0VMWqI
https://www.youtube.com/watch?v=sadaXPkz1gc
バレエパフォーマンス

https://www.youtube.com/watch?v=lHkwAM50MXU
ピアノバージョン
Karine Poghosyan performs "ADAGIO" by Aram Khachaturian
Arranged for solo piano by Matthew Cameron

https://www.youtube.com/watch?v=tWNrqsrd2PI
(個人的にこれが一番好きかも)

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ガイーヌ 剣の舞:

https://www.youtube.com/watch?v=mUQHGpxrz-8
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

https://www.youtube.com/watch?v=IMczfLNoGYQ
conductor: Maxim Eshkenazy, Classic FM Orchestra, Bulgaria Hall

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ガイーヌ レズギンカ:

https://www.youtube.com/watch?v=cECWCDhBHKE
1991年フェドセーエフ&モスクワ放送交響楽団
(すごすぎる)

https://www.youtube.com/watch?v=lgLO1YtUejw
Russian Bolshoi Symphony Orchestra
Tomomi Nishimoto, conductor

https://www.youtube.com/watch?v=xYZoeVVqLsA
Saint Petersburg Youth Symphony Orchestra
Conductor - Migran Agadzhanyan

https://www.youtube.com/watch?v=6Dt9TqAH4k4
バレエパフォーマンス

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仮面舞踏会 ワルツ:

https://www.youtube.com/watch?v=dLENHBw48DA
Moscow Chamber Orchestra, conducted by Constantine Orbelia

https://www.youtube.com/watch?v=fPp3Qh-GRqs
London Symphony Orchestra, Stanley Black

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ガイーヌ 子守歌:

https://www.youtube.com/watch?v=L5CgvuglItk
St. Petersburg State Symphony Orchestra

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Poem and Toccata (詩曲とトッカータ):

https://www.youtube.com/watch?v=7cxhFBqZhTo
Tanya Gabrielian, piano

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ヴァイオリン協奏曲:

https://www.youtube.com/watch?v=rixdcNMGwWQ
Eva Sulic (Vn)
Zagreb Philharmonic orchestra

https://www.youtube.com/watch?v=rXjZAwZoj1g
Amaury Coeytaux (vl). Spanish Radio and Television Orchestra - Michael Francis (cond.)

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Trio for piano, clarinet and violin:

https://www.youtube.com/watch?v=zjaMI8WbVAI
Narek Arutyunian, clarinet
Ida Kavafian, violin
Sahan Arzruni, piano

https://www.youtube.com/watch?v=kKXljsqWz2M
Maxim Lando-piano, Vadim Lando-clarinet, Hovhannes Mokatsian-violin

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チェロ協奏曲

https://www.youtube.com/watch?v=D13ChZq5NRE
3rd Polish Nationwide Music Schools' Symphonic Orchestras Competition
Aneta Stefa?ska - cello
Marta Kluczynska - conductor

https://www.youtube.com/watch?v=5C0S-IUEhAQ
Aram Khachaturian. Cello Concerto-Rhapsody
Mstislav Rostropovich-cello
State Orchestra of the USSR
アラム・ハチャトゥリアン本人指揮

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2016年11月15日 (火)

World Cup アジア最終予選 日本代表

A0011_000149日本代表 勝利おめでとうございます。
中盤の守備でサウジを圧倒しましたね。

しかしあのPKはひどい。レフェリーのレベルが低すぎます。全然ハンドじゃないでしょう。昔からアジアのレフェリーのレベルは問題にされていますが、改善はまだまだ遠いようです。

それを考えると日本代表にもまだまだ問題はありますね。一度親善試合か練習試合で5バックをやって、きっちりラインコントロールをする練習をやった方がいいかもしれません。

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2016年11月14日 (月)

やぶにらみ生物論46: リボソーム

mRNA、tRNA、リボソームなどは生命現象を維持するために必須のアイテムであり、細菌からヒトまですべての生物が持っているものです。これらを使ってタンパク質合成を行うというやり方をはずれた生物は1種もみつかっていないので、地球上の生命体はすべて同じルーツという考え方には説得力があります。

リボソームの話に入る前に、生化学者にとっては今でも大切な細胞分画法についてお話します。真核生物の細胞内には核・ミトコンドリア・葉緑体・ミクロソーム・リボソーム・リソソーム・細胞骨格など不溶性の構造体が数多く含まれます。

Douncehomogenizerwhe_2細胞をまずホモジェナイザー(図1、Wheaton 社のサイトより)を使って壊します。図1のホモジェナイザーは先端のテフロン部分が円柱状になっており、ダウンス型といいますが、その他先端のテフロンがボール状のポッター型もあります。

ガラス容器のなかに細胞懸濁液を入れ、ステンレス棒をテフロンブロックに埋め込んだベスルを、回転させたり上下にピストン運動させたりして細胞を壊します。

ガラス容器とテフロンの間にわずかな隙間があり、細胞のサイズや堅さに応じて、その隙間の幅を変えて使います。ガラスとテフロンの膨張率は異なるので、通常4℃で隙間の幅は設定されています。

ホモジェナイザーで作成した細胞破壊液を遠心機にかけて、沈殿と上清にわけ、上清をさらに強い遠心力を使って沈殿と上清にわけるというやりかたで、さまざまな細胞内構造体を段階的に分離するのが細胞分画法で、アルバート・クロード(1899~1983)が創始した方法です(図2、参照1)。

Photo_2

遠心力の強さ(+遠心時間の長さ)によって、沈殿してくる細胞内構造体は変わります。上記の方法では、段階的に遠心力を強めて異なる細胞内構造体を採取できるようにしています。

3georgepaladero0331_2リボソームは細胞分画法で得たミクロソーム画分にあります。

ジョージ・パレード(1912~2008)は1955年に出版した論文で、電子顕微鏡を用いてリボソームを観察し、それがミクロソーム(エンドプラズミック・レティキュラム=ER)に結合していることを報告しました(2)。

パレードはルーマニア人ですが、米国ロックフェラー研究所のアルバート・クロード研究室のポストドクとなり、クロードが開発した「生物を電子顕微鏡で観察する手法」を発展させました。母国では現在でも切手になっています(図3)。

アルバート・クロードとジョージ・パレードの師弟2人は、リソソームの発見者であるクリスチャン・ド・デューブと共に1974年度のノーベル医学生理学賞を受賞しました。

リボソームはタンパク質を製造する工場であり、巨大なRNAと多数のタンパク質の集合体です。直径が20~30nmくらいあるので、容易に電子顕微鏡で粒子として見ることができます(2)。

リボソームは分子としては非常に巨大で、例えば真核生物では分子量420万というような値になるので、種類の違いやサブユニットの区別のためには通常沈降係数で表記されます。

沈降係数S=Vt(沈降速度)/負荷された加速度、つまり遠心力を強くかけたときに沈降速度がどの程度増加するかという単位がS(スヴェドベリ)ということになります。細菌と真核生物のリボソームはいずれも鏡餅のように2つの分子集合体からなりますが、サイズや構造は微妙に異なっています(図4)。

Photo_3

例えば真核生物の60Sサブユニットは5.8S、5S、28Sの3種類のリボソームRNAと49種類のタンパク質で構成されています。他のサブユニットもすべてリボソームRNAとタンパク質の複合体です。

ウィキペディアにでている立体構造の図などを見るとわかるように(3)、リボソームはリボソームRNA(rRNA)で構成された骨格に、さまざまなタンパク質が結合した複合体で、そのタンパク質の種類の多さからみても非常に複雑なメカニズムで稼働していることが想像されます。

しかもタンパク質合成にかかわっているタンパク質はリボソームを構成しているもののみではなく、フリーのものもあります。分子生物学の教科書「Molecular Biology of the Gene」 Cold Spring Harbor Press 」でも、リボソームにおけるタンパク質合成のメカニズムについて数十ページを費やしているくらい複雑で、ここですべて説明するのは無謀です。詳しく勉強したい方は上記の教科書を読むか、無料の論文なら参照(4)を推奨します。

キーポイントだけ述べますと、リボソームはmRNAをトラップするとともに、tRNAをトラップする2つのサイトがあります(図5)。

Photo_4

Pサイトにはポリペプチドを結合した tRNA がつながれています(5図左)。Aサイトにはアミノ酸をひとつ持った tRNA がやってきて、Pサイトのポリペプチドの根元にあるCOOを攻撃して、ここにペプチド結合(CONH)を作ります(5図左)。

その結果ポリペプチドはAサイトの tRNA に移行し、Pサイトの tRNA はフリーになってリボソームから離れます(5図右)。すなわちポリペプチドの長さは1アミノ酸分だけ長くなります。そしてこの延長されたポリペプチドを持ったAサイトの tRNA はPサイトに移行し、mRNAも1コドン分移動します。そしてまたAサイトに新たな tRNA がトラップされます(図5)。

この反応をアニメ化したものがウィキペディア「リボソーム」の項目の最後にあります(5)。ちょっとコマ送りが早いですが、よくみるとポリペプチドの合成の様子をわかりやすく表現しています。

参照:

1)Albert Claude, THE CONSTITUTION OF PROTOPLASM. Science vol.97, pp.451-456 (1943)
https://www.ganino.com/games/Science/science%20magazine%201940-1957/root/data/Science_1940-1957/pdf/1943_v097_n2525/p2525_0451.pdf

2)George E. Palade, SMALL PARTICULATE COMPONENT OF THE CYTOPLASM. J.Biophysc. and Biochem. Cytol. vol.1, pp.59-68 (1955)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2223592/pdf/59.pdf

3)https://en.wikipedia.org/wiki/Ribosome

4)Dmitri Graifer and Galina Karpova, Interaction of tRNA with Eukaryotic Ribosome. Int J Mol Sci. vol.16 pp.7173?7194 (2015)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4425011/

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A0

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2016年11月13日 (日)

高齢者の自動車事故 とっておきの対策

A1180_011025高齢者の運転による事故の多発が問題になっています。

これからどんどん高齢者の絶対数が増加するわけですから、高齢者の事故が多くなるのは当たり前ですが、だから対策しなくてよいというわけにはいきません。

認知症はもうどうしようもないので、免許更新時にチェックするしかないのでしょうが、それ以外の判断・運動機能の低下によるものにはひとつ対策があります。

それは左足でブレーキ、右足でアクセルを踏むように訓練することです。これでかなり踏み間違いは防げると思いますし、間違ったときの修正も容易です。最悪パニックになってどっちがブレーキだろうという状態になっても、思い切り両方踏み込めば車は動きません。

駐車場や人通りの多い道を走行するときは、左足をブレーキの上に置いたままで運転すると、衝突の危機に素早く対応できます。私はそうしています。

ところが自動車教習所ではこのような運転法は教えませんし、車の足下のアレンジメントがこのような運転に適した形になっていません。無理に内股姿勢をとらないと、左足ブレーキ、右足アクセルで運転できません。この点をメーカーと教習所が改めれば、かなり踏み間違いの事故は少なくなると思います。

近未来には生体認証で、一定以上接近すると自動的にブレーキが作動するようになるのでしょうが、それまで何もしないというわけにはいかないでしょうからね。

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2016年11月12日 (土)

サラとミーナ179: なめる

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私にはネコがなめるという行為がどういう意味なのかよくわかりません。どうも愛情表現だけでは説明できない感じがします。

うちの2匹はどうも相手にどいてもらいたいときになめるとしか思えない場合があります。猛烈になめて「ああ面倒くさい」と思った方が負けでどきます。

なめあいはどうもサラは苦手のようです。右の写真では舌がみえていて、空振りしたところです。

サラもミーナも私をなめてくれることがありますが、2~3回なめると、ちょっと違ったなという感じで、そそくさと去って行きます。

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2016年11月11日 (金)

やぶにらみ生物論45: トランスファーRNA(tRNA)

DNAが遺伝情報の本体で、それが mRNA として読み取られるというところまでとりあえずきました。では mRNA が持っている情報は、どのようにタンパク質とつながっているのでしょうか。タンパク質はアミノ酸が連結したものなので、合成されるときにどのような順にアミノ酸が連結されるのかが重要です。

この mRNA が持っている順番の情報を、どうやってアミノ酸が連結する順番として反映するのかというのが難題で、これを解決するために生物はトランスファーRNA (tRNA)というギミックを生み出しました。DNAからmRNAをつくるプロセスを転写(transcription)、mRNAからタンパク質をつくるプロセスを翻訳(translation)といいます。翻訳のプロセスを遂行するための2つの重要なツールが tRNA とリボソームです。

Paulzamecnik1966_3特定のアミノ酸と結合し、タンパク質合成工場であるリボソームまでアミノ酸を運んで、mRNA に指定された順にリボソームに送り込む物質が存在しなければ翻訳を行うことはできません。

ポール・ザメクニック(Paul Zamecnik 1912~2009、 図1)らは、ラットの肝臓を使って、細胞破壊液中でタンパク質合成が行われる実験系を開発し、ATPの存在下で、各アミノ酸と結合する可溶性のRNAが存在することを証明しました(1)。この可溶性RNAが現在トランスファーRNA(tRNA)として知られているものです。

このような重要な発見であるにもかかわらず、mRNAの場合と同様、tRNA の発見者にもノーベル賞は授与されませんでした。少なくとも、この研究の中心となったポール・ザメクニックには授与されるべきだったと思うのは私だけではありません(2)。

とはいえ tRNA の構造を解明したロバート・ホリー(図2)には1968年にノーベル賞が授与されています。ロバート・ホリーらが研究を始めた頃には、すでにザメクニックらによって、各アミノ酸は tRNA 末端のアデノシンに結合することがわかっていたので、構造が異なる tRNA がアミノ酸の種類だけ存在すると想像できました。つまりアラニンにはアラニン専用の tRNA、リジンにはリジン専用の tRNA 等々というわけです。

Robert_holley_2ホリーのグループはクレイグの向流分配法(3)を4年がかりで最適化することによって、さまざまな tRNA を分離することに成功しました。彼らは特にうまく分離できたアラニン-tRNAをまず分析しました。140kgのパン酵母から1gの精製されたアラニン-tRNAを得るのに3年を要しました。1961年には、この tRNA は約80個のヌクレオチドが連結した単鎖であることがわかりました(4)。ホリーらの仕事は、本格的な構造決定作業の前に、7年もの準備作業を要したわけで、その間の予算を維持するのが大変だったことでしょう。

彼らは精製したアラニン-tRNAをRNA分解酵素で切断してフラグメントをつくり、カラムクロマトグラフィーで各フラグメントを分離して、それぞれの構造を決定しました。そしてついに1965年にアラニン-tRNAの全構造を解明しました(5、図3)。

すでに発表されていたRNAの2次構造に関する FRESCO-ALBERTS-DOTY モデルを参考にアラニン-tRNAの2次構造を描くと、美しいクローバーリーフ状の構造になりました。そしてその中央の葉の先端の3つの塩基がmRNAに対応することもわかりました。この3つの塩基はmRNAが指定するコドンの裏側の配列であり、アンチコドンと呼びます。その他のアミノ酸に対応する tRNA の構造も、その後次々と同様な方法で解明されました。

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以前にDNAは2重らせん構造をとるのに対して、RNAは基本的に単鎖と書きましたが、短い2重鎖をつくることは可能で、特に tRNA の場合には顕著です。これによって tRNA は複雑な構造をとることが可能です。トランスファーRNAの一般的な構造を図4に示します。上方にアミノ酸の結合部位があります。下方の赤の部分のアンチコドンに対応したアミノ酸が結合します。おおざっぱには、2重鎖構造をとっている4本の幹と、単鎖の3つのループ、そして短い枝のような部分(ガンマ)からできています。

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左側にDループ、右側にT(またはTΨC=TプサイC)ループがあり、これらの構造の違いによって別々の酵素がそれぞれの tRNA にアクセスし、適切なアミノ酸を結合させることができます。下方のAループ(アンチコドンアーム)にはアンチコドン領域があり、ここで mRNA のコドンを認識します。ここでもう一度コドンのリストを見て下さい(図5)。

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DNA・mRNAは3つの塩基でアミノ酸を指定しており、4x4x4=64種類のアミノ酸に対応できますが、アミノ酸は20種類ほどしかなく、複数のコドンがひとつのアミノ酸に対応するようにせざるを得ません。たとえばフェニルアラニン(Phe)の場合、UUUとUUCが対応します。ロイシン(Leu)の場合、CUU・CUC・CUA・CUG の4つのコドンが対応します。なかにはメチオニン(Met)やトリプトファン(Trp)のように、対応するコドンがひとつしかないものもあります。

全体をみていくと、最初の2つの塩基は各アミノ酸に特異的であり、3つめはしばりがゆるくなっていることがわかります。コドンのなかにはアミノ酸を指定しないものが3つあり(UAA・UAG・UGA)、これらはここでタンパク質合成を停止せよというシグナルのストップコドンです。

図6はAループの先端のアンチコドン領域を示したものです。アンチコドンを形成する3つの塩基のうち2つは厳密なワトソン・クリック型の対応(AU・GC)なのですが、残りのひとつ(アンチコドン側からいえば1番目の塩基)はルーズになっており、たとえばイノシン(I)はA・U・G・Cのどれとも塩基対を形成できるので、GUA・GUU・GUG・GUCのコドンに対して、アンチコドンはIACの1種類で対応し、バリンが指定されます。

このように生物はイノシンを用いるなどの巧妙な方法で厳密なワトソン・クリック型の塩基対を回避し、64種(ストップコドンを除けば61種)のコドンで20種のアミノ酸を指定するという難題を解決しているのです。

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酵母のフェニルアラニン tRNAの塩基配列をウィキペディアからお借りしました(図7)。tRNAはmRNAのようにA・U・G・Cだけからできているわけではなく、その他のいろいろな塩基を含んでいます。mはメチル化されていることを示します。Ψはシュードウリジンで、ウリジンとは構造が異なります(図8)。たとえばフェニルアラニン tRNAはバリン tRNAと間違えられると困るので、酵素が認識しやすいようにさまざまな修飾がほどこされていると考えられます。

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tRNAの 3'OH側の端は必ずCCAという塩基配列になっています(図7)。この一番端のAがついているリボースにアミノ酸が結合するわけです。ここにアミノ酸を結合させるためには、まずアミノ酸をアミノアシルAMPにしなければなりません。すなわちアミノ酸 NH2-R-COOH を NH2-R-CO-AMPという形にしなければなりません(アシル化とはR-COをくっつけること この場合Rはアミノ酸の種類の数だけ存在)。この形になると以下の反応が可能となります。

NH2-R-CO-AMP+tRNA → NH2-R-CO-tRNA+AMP 
(アミノ酸-AMP + tRNA = アミノ酸-tRNA + AMP)

この反応を触媒する酵素は、最低でもアミノ酸の種類の数だけ(20種類以上)存在し、例えばアラニンtRNAには必ずアラニンを結合させるようになっています。この酵素はアミノアシルtRNA合成酵素と呼ばれますが、核酸の持っている情報を使ってタンパク質を合成するというのはすべての生物がやっていることなので、どの生物でも各アミノ酸に対応して最低20種類はもっていなくてはいけません。これは無生物から生物が誕生する上で大きな壁で、ここを突破してはじめて生物なるものが登場し得たわけです。

こうしてできたアミノ酸-tRNAがタンパク質製造工場であるリボソームに運ばれて、タンパク質が合成されます。その状況はウィキペディアでうまく表現されていたので、図9にコピペしておきます。リボソームについてはあらためて述べますが、とりあえずtRNA(図ではTRNAと表記されています)がアミノ酸を運んできて、mRNAの指示通りの順にリボソーム内でアミノ酸を結合させ、アミノ酸を手放したtRNAはまたリボソームから去って行くというメカニズムだと理解できます。

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tRNAの3D立体構造については、例えば文献6などに美しいイラストが掲載されています。

 

参照:

1)Mahlon B. Hoagland, Mary Louise, Stephenson, Jesse F. Scott, Liselotte I. Hecht, and Paul C. Zamecnik., A SOLUBLE RIBONUCLEIC ACID INTERMEDIATE IN PROTEIN SYNTHESIS., J. Biol. Chem. vol.231, pp.241-257 (1958)

2)Thomas H. Maugh II, Dr.Paul Zamecnik dies at 96; scientist made two major discoveries.
http://www.latimes.com/nation/la-me-paul-zamecnik19-2009nov19-story.html

3)https://wikimatome.org/wiki/%E5%90%91%E6%B5%81%E5%88%86%E9%85%8D

4)Holley R.W., Apgar J., Merrill S.H., Zubkoff P.L. Nucleotide and oligonucleotide compositions of the alanine-, valine-, and tyrosine-acceptor soluble ribonucleic acids of yeast. J. Am. Chem. Soc., vol.83:pp.4861~4862 (1961)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja01484a040)

5)HOLLEY RW, APGAR J, EVERETT GA, MADISON JT, MARQUISEE
M, MERRILL SH, PENSWICK JR, ZAMIR A. STRUCTURE OF A RIBONUCLEIC ACID. Science, vol.147, pp.1462-1465 (1965)

6)Masahiro Naganuma, Shun-ichi Sekine, Yeeting Esther Chong, Min Guo, Xiang-Lei Yang, Howard Gamper, Ya-Ming Hou, Paul Schimmel, and Shigeyuki Yokoyama. "The selective tRNA aminoacylation mechanism based on a single G・U pair". Nature, 2014, doi:10.1038/nature13440
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140623_1/

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2016年11月 9日 (水)

トランプ勝利

Flag_of_the_united_states_svgTPPは明らかにグローバル企業のはしゃぎすぎでした。グローバル企業が世界を支配しようとしたからです。この企みはぎりぎりでトランプと彼に投票した米国市民によって幻となりました。これは是とすべきでしょう。

トランプが1番心配しているのは米国が赤字企業(貿易赤字+財政赤字)であることで、これを黒字化するためにかなり過激なこともやってきそうです。そのなかには外国企業への課税強化や、米軍の海外からの引き揚げも含まれるでしょう。

これから世界はブロック経済に移行していくのでしょうが、日本も東南アジアやオセアニアのブロック経済に参加させてもらえるよう努力すべきでしょう。中国やロシアとの関係も改善・発展させるべきでしょう。しかしあまりそういうことには期待しないで、自国の経済は自国で支えるような政策を行うことが肝要です。ともかく食糧とエネルギーの50%自給からはじめるべきでしょう。

警戒しなければならないのは、中国の脅威をあおって軍需産業が活気づくことです。軍需は天井がないので国家を滅亡させます。トランプが勝つとみた瞬間から日本の軍需産業の株が買われているようです。投資家と盗賊のお金に対する嗅覚はすごいものがあります。もともと石原が尖閣募金などをはじめて「話題」を盛り上げたのは、日米の軍需産業を活性化するためとの説もあるぐらいですからね(1~5)。私もそうじゃないかと思います。

晋三はオバマには心底嫌われていたようですが、トランプとは馬が合いそうです(お互いアレですからね)。ロシアとの平和条約はその気になればうまくいくかもしれません。これだけさっさとすませて政権交代してくれればいいのですが、晋三一味はしぶといですから困ったものです。

1)http://loveishigaki.jp/archive/FBposting/FBposting20160607.pdf
2)http://blogos.com/article/174578/
3)https://twitter.com/Grid_rockzero/status/796196444285767680/photo/1
4)http://blog.goo.ne.jp/youteifan6/e/6169749ab9dbfcca669a6c63c2c8182b
5)http://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/ad3aa871463e863ddec5e2d00fc74e7f

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日本はどうなってしまうのか?

1024pxfukushima_i_by_digital_globeアーニー・ガンダーセン氏の試算によると、福島第一原子力発電所の事故処理には100年、総費用にして5000億ドル(約60兆円)の費用がかかるそうです(1)。

(写真はウィキペディアより)

そもそも原発を基幹エネルギーにしようとしたのが間違いですが、せっかくの台地をわざわざ掘ってつくったのも間違い、予備電源を海岸に置いたのも間違い、安全装置のテストを怠ったのも間違い、津波の高さを歴史に学ばなかったのも間違い、ウェスチングハウスなんてポンコツ会社を買収したのも間違い、爆発や甲状腺癌を隠蔽しようとしたのも間違い、小出裕章をバカにしていた学会も間違い、菅直人を悪者にしようとしたのも間違い、凍結遮水壁で地下水を処理しようとしたのも間違い、アンダーコントロールも間違い(これはウソか)、発展途上国に原発を売ろうとするのも間違い、減価償却するまでまだまた原発を使おうとするのも間違い、なので30年・11兆で廃炉できるという政府の見積もりも間違いなのでしょう。

これだけの間違いがあっても、誰も責任はとらないのが日本です。

ガンダーセンの言葉: 「福島第一原発で生じるダンプで数百万台分に相当する核廃棄物は最終的には日本のどこかに最終処分場を構築して保管する必要がある。」 をきくと絶望的になります。私は宇宙エレベーターをつくらないと処理できないように思います。

余談ですが、姶良カルデラに大量のマグマが蓄積されつつあるそうです(2)。この周辺で地熱発電ができないものかと思います。まずマグマの位置の測定です(3)。

1)
http://business.newsln.jp/news/201507240319500000.html

2)http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/160913_2/01.pdf

3)
https://www2.kek.jp/ja/newskek/2002/novdec/muon.html

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