2018年12月 8日 (土)

やぶにらみ生物論118: 活動電位

17世紀の生物学者スワメルダムが神経伝達の速度は音や光のように速いと考えたことはすでに述べましたが(1)、その速度の測定は19世紀までまたなければなりませんでした。

エミール・デュボア=レーモンはマテウッチの損傷電流(1)に関心を持っていましたが、マテウッチの実験は筋肉で測定したものだったので、どうしても神経でその損傷電流を測定したいと考えました。

ところがなかなか神経ではうまく損傷電流を測定できませんでした。彼が使っていた既存のガルバノメーター(検流計)はコイルが6,000回巻いてあるものでしたが、レーモンは一念発起し、この感度を高めるために数週間かけてコイルを24,000回巻いた高性能ガルバノメーターを作成しました(2)。

自作の高性能ガルバノメーターを使うと、図1Aのように神経における損傷電流を測定することに成功しました。しかも奇妙なことに図1Bのように神経に刺激を与えると、一過性で損傷電流が消滅することがわかりました(1、2、図1)。デュボア=レーモンはこれを電気陰性波と呼びました。興奮の伝導とはこの電気陰性波が刺激部位から神経の両側に沿って移動することを意味します(図1)。

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デュボア=レーモンは1852年に研究をまとめて "On animal electricity" という本を出版しました。この本の翻訳はいくつかあるようですが、例えば2014年に英訳版が出版されていて現在も販売されています(3)。私は未読です。彼の言う電気陰性波の実体は何なのでしょうか? その答えは生物学とはかけ離れた分野からもたらされました。

1869年にドイツの物理学者ヴィルヘルム・ヒットルフは、真空容器の中に電極を封入し電圧をかけると、陽極側の容器内壁が発光することを発見しました(4)。フィリップ・レーナルトとジョセフ・トムソンは、これが陰極から撃ち出される粒子(電子)が容器壁に衝突することによって発生する現象であることとし、原子は物質の最小単位ではなく、その中に電子を含むものであることを証明しました(5、6)。彼らはこの業績により1905年と1906年に相次いでノーベル物理学賞を受賞しました。

電子の存在が明らかになりつつある頃、ユリウス・ベルンシュタインは差動型レオトーム(7)という測定器(検流計)を開発し、レーモンの言う電気陰性波を正確に測定することに成功しました。

電気陰性波はミリセカンド単位の時間しか発生しないので、正確に測定するには機器を開発する必要がありました。電子の存在とベルンシュタインの研究を合わせて考えと、

『神経は通常の状態ではその細胞膜の内側に沿って電子が並んでおり、細胞膜の外側には陽イオンが並んでいて電気的二重層を形成している(図2A)。神経が損傷すると、損傷部位から電子が流出し細胞膜の外側を損傷していない部位へと移動する(図2B)。したがって電流は非損傷部位から損傷部位へと流れる。ここで神経を電流などで刺激すると、刺激を与えた部位から陽イオンが細胞内に一時的に流れ込み(脱分極)、そこに向かって電子が移動するので電流は刺激部位から両方向に流れ、両サイドを刺激する(図2C)。この刺激によって脱分極が誘発され、両サイドにパルスが伝播する』

・・・・・というような考え方で神経伝達が説明できそうです(8)。

図2Bの様な状態の時に神経に刺激を与えると損傷電流とは逆方向の電流が発生するので、デュボア=レーモンの実験で一時的に損傷電流が消滅することも理解できます。

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刺激が与えられていない状態での細胞内外の電位差(静止電位)は、細胞膜内側に電子が並ぶのでマイナス(約-70mV)なのですが、刺激が与えられると陽イオンが細胞内に流入し、非常に短い時間脱分極が起こってプラスに転じます。これが活動電位(アクションポテンシャル)です(図3)。その後陽イオンの細胞外への排出が行なわれ、電位差は元にもどります(図3)。

実はカリウムイオンは細胞内濃度が高いので刺激がくると外に流出するのですが、ナトリウムイオンの流入効果の影響が大きく(赤点線の囲み)、活動電位はプラスとなります(図3)。

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真空容器の中に電極を封入し電圧をかけると、陰極から電子が撃ち出されることは前述しましたが、その電子がぶつかる容器面に蛍光物質を塗っておくと、蛍光物質は電子が衝突することにより発光します。小さな発光する点の明るさを制御することによって画面に像を作ることができます。これがブラウン管の原理であり、テレビができた頃にはみんなブラウン管でテレビを見ていたわけです。これを発明したのはカール・フェルディナント・ブラウンです(9、10、図4)。1909年にノーベル物理学賞を受賞しています。

ブラウン管によって時間による輝度の変化を投射したのがオシロスコープであり、オシロスコープによって活動電位の変化の様子や神経伝達の速度などを観察できるようになり、神経生理学は飛躍的に進歩しました。

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ところで、1920年代には神経伝達が減衰するかしないかで論争があり、特に日本では京都大学と慶應義塾大学でおぞましいほどの激しい論争がおこなわれていたそうです。神経の伝達速度はその種類や太さに依存するので、慶応の加藤元一はなんとか単一神経線維で実験できないものかと考えていたのですが、文献11から引用すると「そして1930~1931年、ついに清水、釜谷、大邸医専から研究に来ていた郭在禧博士らによって神経束から単一神経線維の分離に成功した」とあります。この技術は顕微解剖法によるもので、私は読んでおりませんが文献12に方法が詳しく述べられているようです。この方法を用いた実験で加藤らの非減衰説が勝利しました。

さらに重要なのは、加藤らは自らが考案した図5のような装置を用いて(13)、単独神経線維を刺激する実験から、筋収縮は刺激の強さに応じて収縮の強度が変化するのではなく、一定の閾値を超えた刺激に対して筋肉は常に同じ反応をする=全か無かの法則を証明したことです。このことは文献11によると「1935年,条件反射で有名なパヴロフによって国際生理学会がモスクワで開催された時、加藤先生は単一神経線維の実験のデモを行うため、170 匹のガマとともに一週間のシベリア鉄道の旅を行った。教授は毎朝太陽に向かい、ガマが死なないように祈ったという有名な話がある。パヴロフ会長は、ノーベル賞候補として加藤を推薦したことを告げた。単一神経線維興奮のデモは新入研究生の田崎一二(跳躍伝導の発見者)が行った」 だそうです。

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慶應義塾大学信濃町キャンパスの新教育研究棟の一階の入り口に、武見太郎の筆で「加藤元一先生之像」と刻まれた胸像があるそうです。

文献14によるとそこには「不減衰之記 加藤元一先生、大正六年慶應義塾に医学部創設さるゝや、弱冠二十八歳にして生理学教授とならる。昭和二年「不減衰傳導学説」に対して帝国学士院賞を授与させらる。続いてノーベル賞候補に挙る事再度、その学勲内外に高し。昭和十九年三月義塾に医学専門部、開設されるやその長となり、昭和二十七年三月同部を閉ずるまでの間、四百六十六名の人材を育成し、慶應医学にあらたなる活力を加えたり。この間の教育者としての情熱、蓋し不減衰傳導学説樹立にも勝るものあり。茲に我等卒業生その徳を仰ぎ、その情を慕い且つその智を敬してこの像を建つ。

昭和四十一年文化の日 慶應義塾大学附属医学専門部 卒業生一同」

と記されているそうです。

参照

1)やぶにらみ生物論117: 動物電気への道
http://morph.way-nifty.com/grey/2018/11/post-bca3.html

2)Jef Akst,The Body Electric, 1840s. Emil du Bois-Reymond’s innovations for recording electrical signals from living tissue set the stage for today’s neural monitoring techniques. The Scientist., 2014
https://www.the-scientist.com/foundations/the-body-electric-1840s-36484

3)E H Du Bois-Reymond, On animal electricity., Book on Demand Ltd. (2014)
https://www.amazon.co.jp/Animal-Electricity-H-Du-Bois-Reymond/dp/5519073244

4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E6%A5%B5%E7%B7%9A

5)https://en.wikipedia.org/wiki/Philipp_Lenard

6)https://en.wikipedia.org/wiki/J._J._Thomson

7)https://en.wikipedia.org/wiki/Julius_Bernstein

8)Seyfarth E.A., Julius Bernstein (1839–1917): pioneer neurobiologist and biophysicist. Biological Cybernetics., Vol. 94, Issue 1,  pp. 2–8  (2006)
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00422-005-0031-y
https://dl.acm.org/citation.cfm?id=1108509.1108511

9)https://en.wikipedia.org/wiki/Karl_Ferdinand_Braun

10)https://en.wikipedia.org/wiki/Cathode-ray_tube

11)大村裕:我が国の神経生理学の黎明期 日本生理学雑誌 Vol. 71,No. 1, pp. 44-49 (2009)
http://physiology.jp/wp-content/uploads/2014/01/071010044.pdf

12)加藤元一 The microphysiology of nerve., Maruzen, Tokyo, (1934)

13)杉晴夫 「生体電気信号とはなにか」 講談社ブルーバックス (2006)

14)山内慶太 蝦蟇(がま)と三色旗 三田評論 2016年7月号
https://www.keio-up.co.jp/mita/r-shiseki/s1012_2.html

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2018年12月 7日 (金)

指揮者のスキャンダル

Concertgebouw_msterdam_pases_bajos_このブログでもマエストロ宇宿のパワハラ問題を取り上げたことがあります。
こちら1

彼は現在なら即マスコミ報道で社会から抹殺されたと思いますが、昔のことで何とか生き延び、素晴らしいCDを残しました。

しかし最近、クラシック音楽をかじった人なら誰でも知っているような超有名指揮者が、次々とセクハラで解任されるという事件がおこり、そのたびに腰をぬかします。

ダニエレ・ガティは、チャイコフスキーの交響曲をCDで聴いて以来、みずみずしく清冽でかつ感情移入も強烈な素晴らしい指揮者だと思っていましたが、なんとコンセルトヘボウ(写真 ウィキペディアより)の首席指揮者をセクハラで解任されてしまいました。それも誰それへのセクハラというのではなく、私もやられたという声が多くの女性団員からあがって大変だったようです。
こちら2
こちら3

色めき立ったのはCD業界で、もう2度とプレスは行なわれないだろうということで残されたCDの高騰が期待されたわけですが、なんと救う神がいてローマ歌劇場の監督に就任することになりました。
こちら4

ほかにもセクハラ解雇スキャンダルには事欠きません。

シャルル・デュトワ
元NHK交響楽団 音楽監督
元ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 首席指揮者
こちら5
こちら6

ジェームス・レヴァイン
元ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場 音楽監督
こちら7
こちら8

金聖響
元神奈川フィルハーモニー管弦楽団 常任指揮者
こちら9
こちら10

みずからの糧食の道を絶たれる危険をおかしてまでセクハラをおこなうというのは、もう病気としか思えませんが、そのくらいの異常性がないと聴衆の心をえぐるような演奏ができないのかもしれません。

私達の業界にも病的なセクハラ教授などは結構いて、学会に行くたびに世界中の女性研究者をディナーに誘ってはお持ちかえりで有名な人もいます。誘われた方は断わると論文の査読で掲載拒否されるのではないかと心配したり、誘いに乗れば弟子にしてもらえるかもしれないと期待したりで大変です。

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2018年12月 4日 (火)

高輪ゲートウェイ?

A0006_003022一昔前に東武野田線がアーバンパークラインに改名しましたが、このときアンケートでは、答えた人のわずか3%しか是としなかったそうです。

私もこのセンスの悪さにはあきれてしまいました。今でも私は東武野田線と言います。私は国粋主義者ではありませんが、どうして日本の鉄道路線にわざわざ英語を使う必要があるのでしょうか?
https://j-town.net/saitama/column/gotochicolumn/127509.html?p=all

今回JRはわざわざ公募までしているのに、非常にわずかな人(多分ほとんどサクラ)しか発案しなかった「高輪ゲートウェイ」を山手線新駅の駅名にしました。自分が決めた名前にしたければ、どうして公募なんてするのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6305547

ゲートウェイ(ほんとはゲイトウェイ)は「(塀・生け垣の木戸のついた)出入り口」で、英検準1級、TOEIC730点以上の難しい単語です。

どうしてこんな名前になったのかを、へりくつをこねて説明し強行しましたが、そういうメンタルな人を高いポジションにつけるという企業の体質が問題です。どうして普通に公募最高位の「高輪」じゃいけないのか、素直になれないのか。

いっそのこと駅名に英語を使うのを禁止する法律を作ってはどうかと思います。そうすると「高輪木戸」とか「高輪入り口」などという名前がつくことになりますが、それって良い名前なのかな?? まあ千葉県には**木戸という名前の駅や地域がいくつかありますが、それは馬の出入り口のことです。

JRにせよ、NHKにせよ、疑似国営企業が一番ダメです。

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2018年12月 2日 (日)

パリが大変なことに!!!

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https://www.youtube.com/watch?v=m8B0chGfrts
https://www.youtube.com/watch?v=vee-28EPbJ8
https://www.youtube.com/watch?v=GMjY6Eb3wsY
https://www.youtube.com/watch?v=obMM00CCKSY
https://www.youtube.com/watch?v=2cStjvXlVUo
https://www.youtube.com/watch?v=U6L0FzB13SU
https://www.youtube.com/watch?v=MFxspXXEXmk

パリで暴動が起きているようです。

そういえば最近は勝手に銀行が個人の口座を封鎖するとか、そうとう危ない状況になってきているという兆候はうかがえました。

日本も政府が大借金で米国から武器を買うなど無茶をやっていると、近未来にこうなることは見えています。

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2018年12月 1日 (土)

サラとミーナ210: 大小逆じゃない?

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ミーナはいっぱいいっぱいで小ベッドに、サラは余裕を持って大ベッドに。

小春日和の土曜の午後。

ミーナはうちに来て以来12年間、ずっとロイヤルカナンの「肥満気味の成猫用」フードを食べてきた成果でしょうか、年寄りになったためでしょうか、5.4kgまで減量したのでもうそろそろ+12のフードに代えようかと思うのですが、好みというのもあって永年のフードを代えるのは容易ではありません。

サラは4.5kgで適正な体重でしょう。

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2018年11月28日 (水)

ランタナ

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目  :  シソ目 Lamiales 
科  :  クマツヅラ科 Verbenaceae 
属  :  シチヘンゲ属 Lantana 
種  :  ランタナ L. camara

ランタナをウィキペディアで調べると、「南アメリカ原産。 世界中に帰化植物として定着している。日本では小笠原諸島、沖縄諸島に移入分布している」・・・・・となっています。しかしなんと千葉ニュータウン中央のイオンの南側壁沿いには大量の野生のランタナが咲き誇っていました。11月まで満開でした。

気候変動と共に、様々な南方系の植物が日本に進出してきていて、ランタナも侵略的外来種の代表とされていますが、野生の植物なのにまるで栽培品種のような美しい花を咲かせる植物を、悪者にするのはどうかと思いますね。

気候が変われば住む動植物も変わっていくのは、やむを得ないことのように思います。

いろんな園芸品種があって、育てるのも簡単なようです。
https://lovegreen.net/flower/p104488/

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2018年11月25日 (日)

デンベレの値千金のゴールでアトレチコとドロー

Braugranaバルサの最近の低迷は、はっきり言ってバルベルデがデンベレを使う勇気を持たないためだと思いますが、やはりアトレチコ戦のようなここ一番で彼をスタメンで使うのにはためらいがある・・・というのはわかります。

引き分けなら追い越されないわけですから、安全策のセルジを使いたくなります。それで本当に引き分けに持ち込めたらいいのですが、今回はセットプレーからディエゴ・コスタに頭でたたきこまれてもくろみは失敗。しかも頼りのセルジはハムストリングを伸ばしてラフィーナに交代していました。さあどうするバルベルデ。

ということろで、ようやくバルベルデはふんぎりをつけて終了10分前にデンベレを起用。そうするとなぜか彼がゴール前でフリーになり、GKの股を慎重に狙ってゴール。これはとてつもなく大きなゴールです。ここでアトレチコに首位を奪われると、かなりバタバタすることになったことでしょう。アトレチコのホーム、ワンダ・メトロポリターノで負けそうになったところを追いついたのですから、バルサは万々歳です。

私ならデンベレに「出場時間は45分、この間守備もしっかりやれ。失ったボールは必ず取り返せ。」と言いますね。彼が出場するときははっきりダブルボランチにして、デンベレ-セメドの線をサポートしなければいけません。本当は彼はフリーポジションが一番良いと思いますが、いきなり「メッシ扱い」にするとメンバーから村八分になる可能性もあるので、とりあえず右FWで使うのは仕方がないかもしれません。

メッシも若い頃は無理にドリブルで突っ込んで、よくボールを失っていました。アトレチコ戦をきっかけに、バルベルデがデンベレをスタメンで使う勇気を持つことを期待します。

それにしてもビジャレアルじゃないんだから、このオールイェロウのユニフォームは勘弁して欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=Ys8ved4EUP8

https://www.youtube.com/watch?v=etzlrCdl88o

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2018年11月24日 (土)

JPOP名曲徒然草191: 雨と傘と繋いだ手 by まきちゃんぐ

Imgmaki「雨と傘と繋いだ手」 (作詞・作曲 まきちゃんぐ)は Single Collection 2008-2011 (VAP VPCC-84183) というアルバムに収録されています。裏ジャケの写真は素晴らしい美形です。ただちょっぴりダークな雰囲気もあるかな。

3ヶ月ほど前に、このブログの記事(http://morph.way-nifty.com/grey/2018/09/my-favorite-pho.html)を書くために調べたときには、この曲はほとんどみつからなかったのに、なぜか検索がヒットするようになったので、この機会に紹介します。

こういうストレートな愛の歌が意外とまきちゃんぐらしい感じがします。ただデビュー当時と比べると、人間に余裕が出てきたという雰囲気が感じられる曲です。歩くペースと同じ音楽の進行がいいのかな?

ともあれ、このような脳にこびりつくメロディーを書くというのは、天才にしかできない仕事です。

雨と傘と繋いだ手
https://www.youtube.com/watch?v=zpkwAIH0R3s
https://www.youtube.com/watch?v=rQQqs4lQF0c

まきちゃんねる version 『雨と傘と繋いだ手』
( トークオンリー)
https://www.youtube.com/watch?v=uTJxo5InSrM

cover by riri
https://www.youtube.com/watch?v=x7mCAUt3y68

cover by おかき
https://www.youtube.com/watch?v=-O_URAYHK5Q

cover by 光
https://www.youtube.com/watch?v=LY8k-_kRIyw

================
Live Schedule:
まきちゃんぐpresents 「Little day & Littledude 2018」
詳細は→ http://makichang.info/

2018.12.08. Sat  @名古屋クラブアドリアーナ ワンマン

2018.12.09.Sun  @大阪ワンドロップ ワンマン

2018.12.16.Sun  @吉祥寺スターパインズカフェ ワンマン

2018.12.29.Sat  @岡山城下公会堂 ワンマン

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2018年11月23日 (金)

言論弾圧は忌まわしい時代への回帰を想起させる

Bundesarchiv_bild_14620050119_kurt_クルト・ワイル(写真)について前記事で少しふれましたが、ウィキペディアによると:
「1920年代後半より1930年代初頭には彼の劇場音楽や声楽作品が大衆の間で大流行し、アルバン・ベルク、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー、ダリウス・ミヨー、イーゴリ・ストラヴィンスキーからも称賛を受け、一躍有名になる。しかし、高名なユダヤ人作曲家であったことから、ナチスの当局から危険視されるようになり、後期の作品の発表時には、コンサートの会場でナチ党員によって組織された暴動が何度も起きた。実際、交響曲第二番の演奏会や「マハゴニー市の興亡」組曲("Aufstieg und Fall der Stadt Mahagonny" 、1930年)の演奏会、、『人質』("Die Burgschaft" 、1932年)、『鏡の湖』("Der Silbersee" 、1933年)などの舞台作品の上演は、ナチス当局による暴力的な干渉のため中断せざるをえなかった。」だそうです。
こちら

実はこれと同じようなことが現代日本でも起こっています。それは香山リカ氏の京都府南丹市での講演会(明日24日開催予定だった)が右翼の脅迫によって中止に追い込まれたという事件です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181122-00000095-asahi-soci

百田尚樹であっても、香山リカであっても講演会を中止に追い込むことは言論の弾圧であり、忌まわしい時代への逆行を想起させます。講演会の中で誹謗中傷・人種差別・虚偽などの不適切な発言があったときには、それについて批判し、また場合によっては法律で取り締まるべきです。日本はまだ言論の自由を守るための法律(不適切発言に対するペナルティーも含めて)が不備だと思います。政権交代したら枝野は必ずこの種の法律を整備しなければなりません。

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2018年11月22日 (木)

ミヒャエル・ザンデルリンク-都響:2018・11・21@東京文化会館

Img_2コートを着てコンサートに通うのは久しぶりです。本日のコンマスは山本さん、サイドはゆづき。指揮者はミヒャエル・ザンデルリンク。かの大指揮者クルト・ザンデルリンク氏の3兄弟、トーマス・シュテファン・ミヒャエルは全員指揮者というとてつもない家系の3男です。

彼は美男子であるばかりでなく、長身でスタイルもいいのでステージで大変見栄えがします。すでに都響の実力は過去の登壇で知っているので、今回のプログラムはその機能性を最大限発揮させようという意図で組まれたものと推測しました。平日の夜にしては結構盛況の客席でした。

クルト・ワイルの交響曲第2番は、彼がナチスの批判や妨害を逃れてフランスに逃げていた頃に作曲されたもので、暗い焦燥感が感じられる曲ですが、オーケストラの技術が映える曲でもありました。

プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番は河村さんの怪腕が冴え渡りましたが、都響の演奏もそれに劣らずエキサイティングでした。私は特に第2楽章冒頭の静かな夜明け前という雰囲気の部分が好きで、この独特の雰囲気を出せるというのは指揮者とオケの素晴らしいコラボならではでしょう。この曲を学生時代に書いたプロコフィエフの天才には脱帽です。

ソリスト・アンコールはプロコフィエフの「作品12-7 10の小品より」。はじめて聴く曲でしたが、なかなかの作品だと思いました。

休憩後のショスタコーヴィチの交響曲第6番。あまり演奏されない曲ですが(私ははじめての実演経験でした)、柳原・小池のフルート・デュエットも美しかったし、私の大好きな南方のイングリッシュホルンもたっぷり聴けて大満足です。久一のティンパニもめちゃくちゃかっこよかったと思います。彼は切れ味の良い演奏をするために筋トレをかかさないそうですが、ひょっとすると河村さんもやっているのかな? マキロンと腕の太さを比較してみましたが、河村の勝利でした。

ミヒャエル・ザンデルリンクよりメッセージ
http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=1452

ミヒャエルの指揮
https://www.youtube.com/watch?v=z3xpaiw5pJI

クルト・ワイルの Mack the Knife
Ella Fitzgerald - Mack The Knife 1967
https://www.youtube.com/watch?v=84mix8BWVoo

(日本語版)
https://www.youtube.com/watch?v=JfzyfOyM_7M

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2018年11月20日 (火)

やぶにらみ生物論117: 動物電気への道

イタリアが主導したルネサンスは、17世紀に入ると国家の混乱のうちに終焉を迎え、ガリレオ・ガリレイも失意のうちに亡くなりました。次世代の科学は英国のニュートンやボイル、オランダのホイヘンスらが主導する物理学の時代となりました。生物学の分野では英国のロバート・フック(1635-1703)やオランダのフォン・レーウェンフック(1632-1723)が顕微鏡図譜で業績を上げたくらいで、どちらかといえば停滞していた時代かもしれません。

ただあまり教科書などには登場しませんが、オランダの生物学者ヤン・スワメルダム(1637-1680)については述べておく必要があります。彼は生活のために医師を職業としていましたが、業績から言えば生物学者とよぶのがふさわしいでしょう。

かの有名な哲学者デカルト(1596-1650)は当時生物学の分野にまで進出していて、動物機械論=機械と動物の違いはその複雑さだけである・・・という理論を提出していました。デカルトは中世まで考えられていたような霊魂(スピリット)が神経の中を流れて筋肉を動かすという説を廃し、神経の中を物質(液体または気体)が移動して筋肉に達し、そのはたらきによって筋肉が動くと考えました。

スワメルダムはカエルの神経付きの筋肉の生体標本をつくり、神経をピンセットなどで刺激すると筋肉が収縮することをまず確認し(図1A)、もしデカルト説が正しければ、刺激によって物質が移動するのだから筋肉の体積が増加するはずだと考えました。そこで図1B・Cのように筋肉をガラスの管(下方は密閉、上方は毛細管)に閉じ込め、毛細管の中に水滴をいれて、刺激によって筋肉の体積が増えれば水滴が上昇するという装置をつくりました(1-3)。

そこで図1Bのcをメスでつついたり、より洗練された図Cのように、真鍮のフックで固定した神経を銀線でつついたりしてガラス管の筋肉を収縮させる実験をおこないましたが、いずれの場合も水滴が上昇することはありませんでした(2、3)。デカルト説は証明できませんでした。

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しかし、そこでスワメルダムは昔の霊魂説にもどったかというと、そうではなく、彼は神経伝達は光や音のように瞬時に伝わるメカニズムによると考えました。これはスワメルダムが当時としては非常に先進的な考えを持っていたことを示しています。彼が考案した神経付きのカエル筋肉標本はその後何世紀にもわたって、頻繁に神経と筋収縮の実験に用いられましたし、さらに彼は顕微解剖法という技術も開発しました。しかも彼の最も著名な業績は昆虫の変態の研究や赤血球の発見であって、ここで述べた研究ではないのです(2、3)。

図1のCで興味深いのは、神経を刺激したとき真鍮と銀という2種類の金属が神経に接触していることです。おそらくスワメルダムは後述するガルヴァーニの電気刺激の実験を1世紀前にすでに行なっていたのではないかと思われます(2、3)。

さて、学校というのはもちろん紀元前からあったでしょうし、インドには経典を教える大規模な高等教育機関もあったようですが、現代につながる大学の原点となるような学術研究と教育の最高学府である大学の最初のモデルは、11世紀設立のイタリアのボローニャ大学だろうと言われています(4)。引き続いてパリ大学やオックスフォード大学が設立されました。

ボローニャ大学の校章をみると1088年設立となっています(図2)。日本最古の大学である東京大学の開学が1877年であることを考えると、このイタリアの大学の設立時期は気の遠くなるような昔で、日本では平安時代の話です。ボローニャ大学は現在も健在です。こうしてみると日本ではまだまだ学問が市民権を得ていないというのもうなずけます。なにしろ文部科学省が人文科学は不要といっているほどですから(5)。

ウィキペディアにあった1350年代のボローニャ大学での講義風景をコピペしました(図2)。まじめに講義を聴いているのは2列目までで、後方では雑談したり居眠りしたりしている風景は現在でも変わりません。ルイジ・ガルヴァーニはこの大学で医学と哲学の学位をとり、1762年にスタッフに採用されました(6)。

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ガルヴァーニは1780年代に、カエルの筋肉が2種の金属に同時に触れると収縮するという現象を発見し、1791年に論文をまとめて、発表しました(7)。この現象は異種金属を接続したアークをつくり、その両端を筋肉にあててもおこります(図3)。

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この現象の解釈として次のふたつが考えられます。(A) もともと蛙の筋肉の中に電気が存在していて、それに二つの金属が接触して「電気が流れて」、筋肉が収縮した。(B) 「二つの異なった金属」から電気が発生し、蛙の足に「電気が流れて」筋肉が収縮した。

ガルヴァーニは(A)を選択し、ここで流れる電気を「動物電気」と名付けました。一方アレッサンドロ・ボルタは後者の(B)説を選択し、実際2種の金属を接触させると電気が発生することを、前記事(やぶにらみ生物論116:電池の起源へ寄り道)で記したように、ボルタ電堆などによって証明し、(B)説が正しいことを証明しました(8)。

「動物電気」は実際には存在するのですが、ガルヴァーニの実験では証明できませんでした。しかし彼の実験は、ボルタ電堆にはじまる電池の発明、イオン化傾向の発見、電流と磁場の関係の発見、電磁誘導の発見など思わぬ方向の怒濤のような化学や電磁気学の進展のきっかけをつくったことで、大きな意義のある実験でした。ボローニャ市にはカエルの筋肉の標本を持ったガルヴァーニの彫像があるそうです(図3)。

上述した中で、「電流と磁場の関係の発見」はデンマークの科学者ハンス・クリスチャン・エルステッドの1820年の業績です(9、10)。彼は図4のように金属線に電流を流すと、磁石の針を動かす力が発生することを発見しました。電流と磁場という全く関係のなさそうな現象が、密接に関係していることがはじめて示されたことは、物理学における革命的な発見でした。これはノーベル賞ができるずっと前のことです。コペンハーゲンにはエルステッドの名を冠した公園があるそうです。

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アンドレ=マリー・アンペアはエルステッドの発見を理論化し、ヨハン・シュヴァイガーなどと共に検流計を開発してガルバノメーターと名付けました。もちろんこの分野の発展の契機をつくったルイジ・ガルヴァーニにちなんで命名したわけです(11、12)。エルステッドの発見以来間髪を入れず開発されたガルバノメーターは、さまざまな研究者・技術者によって改良が重ねられましたが、図5は1900年頃開発された D'Arsonval/Weston型といわれるものです。電線と針が一体化して動くようになっています。


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ガルバノメーターの発明によって、ようやく「動物電気」を測定することができるようになりました。最初に動物が電気を発生することをみつけたのはボローニャ大学出身のカルロ・マテウッチでした。彼は1840年頃、正常なカエルの筋肉に電極をあてても電気は流れていませんが、筋肉に損傷を与え、その損傷面と正常面に電極をあてると、ガルバノメーターによって電流が検出さることを発見しました(12、図6)。これがいわゆる損傷電流(current of injury)です。ちょうど損傷電流が流れなくなるように逆方向の電圧を加えると、その値は数十mVでした(14)。

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参照

1)https://en.wikipedia.org/wiki/Jan_Swammerdam

2)Nerve function and “animal spirits”
http://www.janswammerdam.org/nerve.html

3)Matthew Cobb, Exorcizing the animal spirits: Jan Swammerdam on nerve function., Nature Reviews Neuroscience, vol. 3, pp. 395-400 (2002)
http://www.janswammerdam.org/NRN.pdf

4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A3%E5%A4%A7%E5%AD%A6

5)人文社会系学部は不要? 文部科学省の通達の背景を専門家が解説
https://benesse.jp/kyouiku/201507/20150726-2.html
https://www.j-cast.com/2015/11/07250008.html?p=all

6)https://en.wikipedia.org/wiki/Luigi_Galvani

7)Luigi Galvani, De viribus electricitatis in motu musculari commentarius. Accademia delle Scienze, Bologna, (1791)
https://web.archive.org/web/20110909013601/http://137.204.24.205:80/cis13b/bsco3/intro_opera.asp?id_opera=23

8)http://morph.way-nifty.com/grey/2018/11/post-7b47.html

9)https://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Christian_%C3%98rsted

10)Hans Christian Orsted (1997). Karen Jelved, Andrew D. Jackson, and Ole Knudsen, translators from Danish to English. Selected Scientific Works of Hans Christian Orsted, ISBN?0-691-04334-5, pp.421-445

11)https://en.wikipedia.org/wiki/Andr%C3%A9-Marie_Amp%C3%A8re

12)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%9C%E6%B5%81%E8%A8%88

13)https://en.wikipedia.org/wiki/Carlo_Matteucci

14)杉晴夫著 「生体電気信号とは何か」 講談社ブルーバックス(2006) p.32

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2018年11月16日 (金)

指揮者 ”U” の想い出

Imgvielle私は都響の演奏会に足繁く通うようになる前は、ずっと故宇宿允人(うすきまさと)氏のオーケストラに通っていました。彼のオーケストラはまるで彼を教祖とする宗教団体のようで、聴衆も彼の信者のような感じでした。

彼は大阪を追い出された後、東京でフィルハーモニア東京を組織し、オリエンタル・バイオフィルハーモニー、フロイデフィルハーモニーと名前を変えて亡くなるまで演奏活動を続けていました。その模様がウェブにアップされています↓
https://www.youtube.com/watch?v=pZETc2uprBY

オケの演奏のうまさから言えば、都響など現在のプロオケとは比べるべくもありませんが、彼の指揮にはやはり聴衆をひきつける何かがあることは、どなたもお感じになるのではないでしょうか。

宇宿允人の世界XII 宇宿允人指揮:ヴィエール室内合奏団
チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」 ヴィヴァルディ「四季」
MUCD-012

このCDは彼が指揮者としてかけ出しの頃の記録です。虚飾なく、丁寧で生真面目なスタイルはずっと変わりません。素晴らしい演奏だと思います。ヴィエール室内合奏団の歴史や宇宿さんのひととなりについては、当時その合奏団でヴィオラを弾いていた方の文章がありますのでご覧下さい。長文ですが大変興味深く読ませていただきました。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~sobanoka/solist/usuki.htm

最後の部分だけ引用させていただきました。

引用開始:

・・・・・・・・・・

突きとばされた先生は、翌日学校で、仲間の先生達にすぐに報告した。もともとそういう話は広がりやすいものだから、その日のうちに、関西のすべての音大生に、ビエールフィルからエキストラの依頼があっても行かないように、という指令が飛んだのである。

困ったのは、ビエールフィルの各パートの責任者である。彼らは演奏日程が決まると、ひと月以上も前から、すべての演奏会に必要なエキストラを集めるために、毎晩、電話の前に釘づけになっている。それが急に、どこに電話をしても、断られる
ようになったのである。

その原因がU氏の暴力事件にあると知った時、彼らの怒りは頂点に達した。オーケストラ内の混乱は、収拾のつかないものとなり、もはや音楽のできる状態ではなくなった。

数年前からオーケストラの経営をまかされ、事実上のオーナーであったO氏は、この状態を見かね、思いきってU氏に辞任を促したのである。

まもなくU氏は、個人所有で、ビエールフィルのレパートリーの大半を占めていた、楽譜類をすべてまとめて、東京に帰っていった。昭和五十六年の終わり頃である。

年があらたまると同時に、ビエールフィルは名称を関西フィルハーモニー管弦楽団と改め、常任指揮者に若手の小松一彦氏を迎えて、再発足した。

その後の成長ぶりは、誰もが目をみはる程で、今や、名実共に大阪第二のオーケストラとして、大阪の地にしっかりと根をおろした感がある。さらに最近は、大阪府の運営する吹奏楽団が、新たに弦楽器奏者を採用して、第三のオーケストラとして活動を開始している。

大阪を追われ、大阪を捨てたU氏が、大阪に残した功績は大きいのである。と同時に、私の心の中に残していった音楽の置き土産も、はかり知れず、私の生涯の貴重な財産となることであろう。

その後、U氏の消息はほとんど聞かないが、わずかにもれ聞くところによれば、U氏がたまたま神戸に出てきた時、大阪の知人に電話をして、大阪にはもう二度と降りたくない、と漏らしたそうである。

引用終了

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2018年11月13日 (火)

やぶにらみ生物論116: 電池の起源へ寄り道

ヒトという生物にとって分子生物学の観点から見た生命現象はバックグラウンドであって、脳という電気信号の巨大な集積体が私達の意識を形成し、私達はその中で生きているわけです。ですから電気について考察することは生物、特にヒトを理解する上で避けては通れないことだと思われます。

元素の水溶液中におけるイオン化傾向は、元素の酸化されやすさの指標でもあり(1)、化学の一丁目一番地です。私は「金借るな、間借りあてにすな、水餡食い過ぎ銀ブラ禁」とおぼえましたが、最近では「リッチに貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」という語呂合わせが流布しているようです(2)。後者の方が正確かもしれません(図1)。

最も酸化されやすい元素の一つであるリチウムは、海水中だけでも2300億トンあるそうですが(3)、人間が製造した物を除いては、単体では地球上に存在しません。意外なことに金も海水中に50億トンも存在するそうです(4)。金はほとんど単体で存在します。ともあれ私達生物も化学の法則に則って生きているので、このイオン化傾向のリスト(図1)は重要な意味を持っています。

A


ここで少し電池の話に寄り道してみましょう。後述するように、私達の体を構成するひとつひとつの細胞もある種の電池です。電池は金属によってイオン化傾向が異なるということがその原理と深く関わっています。電池の発明によって、私達は電気を人工的に製造し使用することが可能になったのですが、ではその電池を発明したのは誰なのでしょうか? 一般的にはアレッサンドロ・ボルタが1800年に発表したボルタ電堆が最初と言われていますが、それはおそらく違います。

1936年にイラクの首都バグダッドの近郊で、鉄道の敷設を行なっていた作業員が奇妙な容器を発見しました(5)。調べてみるとそれは図2のような電池で、パルティア国またはサーサーン朝ペルシャで製造された物であることがわかりました(5、6)。パルティア国とは紀元前約250年から紀元後224年まで現在のイラン・イラクおよび周辺を支配していた国家で(7、図2)、サーサーン王朝はその領地を引き継ぎ、紀元後650年位まで続きました(8)。

この電池は1~2ボルトくらいのパワーがあり、おそらく金または銀メッキを行なうために使われたのではないかといわれています(5、6)。さらにもっと以前の時代の古代エジプトでも金メッキは行なわれており、おそらく電池が使われたのではないかと考えられています(9、10)。

A_2

近代になってからは、ボルタの電堆(voltaic pile)が最初に発明された電池として有名です(11、図3)。これは銅板-電解液(希硫酸または食塩水)に浸した紙-亜鉛板のセットを1ユニットとして、多数このユニットを積み上げた物です。希硫酸電解液の中では、Zn → Zn2+ plus  2e- および 2H+ plus 2e- → H2 という反応が起きて、亜鉛イオン(Zn2+)は隣接する上方の銅板の方に、電子(2e-)は隣接する下方の電解液の方に流れるので、電流は下から上に流れることになります。

A_3


ボルタが電堆を発表したのは1800年頃ですが、江戸時代の蘭学者宇田川榕菴は、1830年代から40年代にかけて出版されたその著書「舎密開宗(せいみかいそう」の中で、ボルタ電堆を紹介しています(図4)。電気分解を行なっているような図です。

宇田川榕菴は岡山県最北部の津山藩に所属していましたが、そのような辺境の地にありながら、世界でも先進的な研究の勉強や実験をよくやっていたものだと驚かされます。このウィキペディアに掲載されていた肖像画に記してある名前は榕菴とはなっていないので、信じていいのかどうか私にはわかりません。

A_4


希硫酸の中に銅板と亜鉛板を入れると、銅には何の変化もありませんが、亜鉛はイオン化してZn++の形で溶解し、亜鉛板には電子が取り残されます。両者は静電気で引きつけ合うので、亜鉛イオンは板の外側、電子は板の内側に集合して自由に動けない状態となります(図5)。これを電気的二重層といいます。

この状態は細胞と似ています。細胞は表層のイオンポンプで常にナトリウムをくみ出しているので、外側にNa+が集合し、内側に電子が集合するという状況になっています(図5)。このような状況では電流は流れませんが、電池の場合は導線などで銅板と亜鉛板をつなぐ、細胞の場合はイオンチャンネルの穴を開放するなどの操作によって、電気的二重層は崩壊し電流が発生します。

A_5
ボルタ電池の銅板と亜鉛板を導線でつなぐと、亜鉛板の電子は陽極(銅板)に移動し、亜鉛イオンは電解質溶液中に解放されて、そこで硫酸と反応して硫酸亜鉛と水素イオンを生成します(図6)。水素イオンは陽極に集積した電子と反応して水素分子を形成し、泡となって空中に放出されます。これがボルタ電池の原理です。

なのですが、ボルタ電池で起こっていることを科学的に正確に説明するのはなかなか困難なことらしく、歴史的に重要ではあっても、あまり教科書に使うのにはふさわしくないという考え方もあります(12)。

A_6


確かにダニエル電池の場合、時間による反応の変動が少ないので実用的であるだけでなく、説明も容易でしょう(図7)。基本的に陽極では銅が析出し、陰極では亜鉛が溶出するということです。この電池を発明したジョン・フレデリック・ダニエルの本職は気象学者で、湿度計や温度計の開発にも大きな業績を残しました(13)。

A_7


参照

1)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%8C%96%E5%82%BE%E5%90%91

2)https://juken-mikata.net/how-to/chemistry/ionization-tendency.html

3)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0

4)金のこれまでの採掘量と地球に残された埋蔵量
https://nanboya.com/gold-kaitori/post/amountof-gold-extraction/

5)When Was the Battery Invented?
https://batteryuniversity.com/learn/article/when_was_the_battery_invented

6)バグダッド電池
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%83%E3%83%89%E9%9B%BB%E6%B1%A0

7)パルティア国
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2

8)サーサーン朝
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%9C%9D

9)http://xanadu.xyz/850/

10)メッキとは何か
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k0dennsikotai/51c3mekki.htm

11)Giuliano Pancaldi: Volta, Science and culture in the age of enlightment. Princeton Univ. Press. ISBN 978-0-691-12226-7 (2003)
https://books.google.co.jp/books?id=hGoYB1Twx4sC&pg=PA73&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q&f=false

12)坪村宏: ボルタ電池はもうやめよう 一 問題の多い電気化学分野の記述 化学と教育 vol.46, no.10, pp. 632-635 (1998)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/46/10/46_KJ00003520589/_pdf

13)https://www.britannica.com/biography/John-Frederic-Daniell


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2018年11月10日 (土)

サラとミーナ209: 首輪を新調

Img_2687猫たちの首輪を新調しました。

いつも通りの脱出首輪で、サラは元と同じ柄ですが、ミーナは柄を変えて、イメージチェンジをはかりました。

脱出首輪は普通の首輪と比べて、非常に耐久性がないのにはいつもがっかりします。1年も経つとヨレヨレになってみっともない感じです。なんとかなりませんかねえ。

Img_2699
めずらしくサラとミーナがタワーに共存。タワーはひとつのテリトリーらしく、片方が居ると片方は遠慮してめったに上がらないのですが、このときはたまたま共存。びっくりしました。

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2018年11月 9日 (金)

都響の将来像

Tokyo_bunka_kaikan01_1920東京都交響楽団の将来像に関する有識者懇談会 第1回議事録が公開されています。
こちら

都響の将来を決める重要な懇談会です。

ここで大野監督は次のように述べています
「東京都交響楽団は、ただいま東京文化会館の地下室の練習場で常時練習をしておりまして、東京文化会館で公演はしているんですけれども、東京文化会館で、例えばリハーサルが舞台の上でできるわけではありません。東京文化会館というのは別の組織でございまして、非常に人気の高いホールでもありますので、なかなかそういう意味では、東京都交響楽団が東京文化会館との共同作業として定期演奏会などを共催するというような形は、また取るに至ってはおりません。そしてそれは、繰り返しますけれども、日本の多くの、ほとんどと言ってもよろしいと思いますけれども、オーケストラの現状でもあります。---中略---ステージで練習できるのが、これに勝ることはないのでありまして、そこでいろいろなニュアンスとか、バランスとか、そういうことが空間的な観点からも、音響的な観点からも、これに越したことはないのであります。」

つまり東京文化会館の大ホールでリハをやらせてくれと言っているわけですね。ところがこの懇談会の委員の一人はこれに反応して「そもそも練習して演奏会もできるみたいな、特定のオーケストラのための素晴らしい専用ホールを、東京のような土地で得られるわけがないのではないか。いったいいくらかかるのだろう?誰が建設費や維持費を負担するのだろう?田舎に本拠地を移せば可能かもしれませんが、楽団員も定期会員もたとえば多摩の山奥とかに専用ホールができたら通ってくるだろうか。そんなことをいろいろ考えてみるべきでしょう。」などと発言しているのです。

専用ホールを新たに建ててくれなんて誰も言ってませんよ。こういう「人の話をねじ曲げて否定し、マイナスイメージを醸成する」ような人が委員を務めているのです。公演スケジュールを決めるときに2日づつホールを予約すれば、1日はリハに使えるというお話しです。東京文化会館の大ホールは決してぎっしり予約で満杯というわけではないですし、なにしろ東京都の施設ですから都響が2日予約することに違和感はありません。それをやらせてもらえない、あるいは賃料に配慮がないというのは組織に問題があります。

都響も野球やサッカーでやっているようなファームをつくったらどうでしょう。ユースオケでもいいと思います。準団員という称号だけでもいいかもしれません。非常勤職員とはいえ、リハーサル室は無料で使えて、指揮者の付く練習ができるというのは若い音楽家にはメリットがあると思います。学校、施設、病院、僻地、離島などでの公演、都響が今ほとんどやっていない東部地域(墨田区・江東区・江戸川区・葛飾区・足立区)での公演、本公演へのエキストラ参加などには当然報酬が出ます。もしこの様な場所でしばしば公演することがオーケストラの存続に必須であるならば、このシステムでやるべきでしょう。

都響は今でも室内楽とか美術館との抱き合わせで無料音楽会をやっていますが、年に2回くらいは上野水上音楽堂でフルオーケストラの無料または投げ銭コンサートをやったらどうですかね。都知事好みの○○フェスティバルというような名目でもいいでしょう。クラシック音楽を聴くにはにはまだ敷居があるように思います。まず生で聴いてもらうことでしょう。それにどんな商売にも宣伝は必要です。

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2018年11月 7日 (水)

都響-小泉-レイ・チェン:ブラームス・マチネ@東京芸術劇場2018・11・07

Img都響のブラームス・マチネに行ってきました。ステージを眺めるとあれれ!? 非常に違和感があります。なぜだろう? よくみると勝山(クラリネット)がバッサリ髪切ってるじゃありませんか。さらに大和加奈が1stヴァイオリンに移籍していました。

本日の指揮はマエストロ小泉、コンマスは矢部ちゃんでサイドは四方さん。首席奏者総出演の最強シフトです。ソリストのレイ・チェンはまだ20才代ですが、欧米でも引っ張りだこの人気ヴァイオリン奏者です。

ブラームスのVnコンチェルトは、ともかくソリストの演奏が際立って素晴らしくて圧倒されました。ポスターでは見た目ちょい悪のような風貌ですが、精緻な演奏ではあっても決して優等生的ではなく、独自の豊かなニュアンスで聴衆を自分の世界に引き込んでいく強力な磁力を持った演奏家です。ブラームスの音楽が持つポエジーを強く感じさせてくれるところに特徴があります。

都響も彼に合わせるというスタンスを取らざるを得ませんが、このような演奏家は希有なのでどうつけたらいいのか、ちょっと戸惑った感じもありました。広田氏などは明らかに意識していて、第2楽章の冒頭など特段に情緒豊かな演奏を繰り広げていました。

後半のブラームス交響曲第4番は私も大好きな曲で、小泉-都響の手堅い演奏でたっぷり楽しめました。ひとつだけ注文をつけるとすると、第一楽章の冒頭、ひっかく感じじゃなくて、もう少しひそやかでやわらかくスタートできないかなと思うんですね。

レイ・チェンの演奏

ワルチング・マチルダ
https://www.youtube.com/watch?v=4c364LnyOU4

https://www.youtube.com/watch?v=BmDVH2rWinM

勝山大輔
https://www.youtube.com/watch?v=E4sN2PwbmNk

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2018年11月 4日 (日)

ミニ救助

A0001_002518今日京成線に乗っていたら、ふたつ離れた席の見知らぬおばちゃんが突然私に倒れかかってきて、助けてくれと言うのです。

そして「次の駅で降りますか?」と訊くと、そのまま倒れ込んで吐いてしまいました。意識が途切れているようです。

向いに座っていた乗客の1人が車掌に知らせに行ってくれたので、私は次の駅で彼女を抱きかかえて降車させました。

駅のホームに寝かせていると、車掌が駆けつけてくれて、駅員も来たので私は席に戻り、電車は数分遅れで発車しました。

まあそれだけのことなのですが、それで思い出したのは、学生時代丹沢大山に登山しているとき、突然道ばたの崖をよじ登ってきた2人の登山者が現れたとこのことです。どうやら沢登りをしていて最後に道に迷って、なんとか登山道にたどりついたようでした。沢登りをしているとありがちなことです。

ところがそのうちの1人の顔が真っ青で息も絶え絶えだったので、これは救助しないと命が危ないかもしれないという状況でした。携帯電話もない時代だったので、麓と連絡することも出来ません。

そこで同行登山者数人であたりの木の枝を集め、みんな上着を脱いでつなぎ合わせて担架をつくり、電話のあるヤビツ峠まで下ろしました。担架はにわか造りですし、道が滑るので非常に危険な救助でした。

私が人生で人の救助をしたのはこの2回だけです。

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2018年11月 2日 (金)

管理人からのお知らせ

A1180_001239このブログのアネックスのひとつである、「生物学茶話@渋めのダージリンはいかが」の増補改訂にとりかかりました。

http://morph.way-nifty.com/lecture/

多少わかりやすくなるかもしれません。この改訂は「やぶにらみ生物論」には反映されません。

ココログはいろんなスタイルを選べますが、ここでは右カラムのスタイルにしています。右カラムのタイトルは白い押しピンでとめてありますが、このうち「カテゴリー」または「バックナンバー」のタイトルをクリックすると、2006年にこのブログをはじめて以来のすべての記事にアクセスできます。

カテゴリー別に古い過去記事にアクセスしたい場合、カテゴリーピンの下の各カテゴリーをクリックするか、上記の「カテゴリー」をクリックし、例えばさらに「にゃんこ」をクリックして記事を表示させ、下端までスクロールすると古い記事にアクセスできます。

記事をひとつづつ古い方から順番に読むには、記事の最下部にある「固定リンク」をクリックすると読みやすいかもしれません。固定リンクにすると記事はひとつだけ表示され、一つ前または次の記事に進むには、最下部の前の記事名または後の記事名をクリックします。

「ドメイン内で検索」で、下のボックスに入力して検索してもヒットする確率は低いと思います。これはココログの昔からの弱点です。むしろグーグルで「渋めのダージリンはいかが  and 検索したい言葉」で検索した方が、圧倒的にヒットする確率は高いです。

では どうぞごゆっくり

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2018年11月 1日 (木)

日本はどうなってしまうのか?

1280pxbank_of_japan_headquarters_in日本経済新聞によると、イオンの筆頭株主は実質日銀(左の写真)になったそうです。

私はイオンに依存して生活しているので、これは見逃せない情報です。政府の指示によってこっそり遺伝子組み換え食品を食べさせられたり、食べ物は日本の製品ではなく、TPP11の国のものを食べるように誘導されたりすることはありがちだと思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32284120W8A620C1000000/

年金を投入するだけでは間に合わなくて、日銀がETFを購入して無理矢理株価を高止まりさせようとしているわけです。政権を維持する目的のためにこのようなことをやっているうちに、もうやめられない状況になってしまいました。

これは世界初の実験であり、まさしく私達国民は安倍=黒田のモルモットになっているのです。実験するなら、実験の目的と道程、成功したらどうなる、失敗したらどうなるなどの情報をきちんと提示してほしいものです。

このままいくと日本の多くの企業が実質国営になり、日本は国家が上から社会主義を推進する国家社会主義の国になりつつあるんじゃないですか。それが良いことか悪いことかは私にはわかりません。しかし一つ言えるのは、知らず知らずのうちにそうなってしまうというのは容認できないということです。

安倍政権の一番の問題は、国民を籠絡しながら、知らないうちに自らが目指す方向の政策を実現していくという政治手法です。移民という言葉を使わないで外国人の移住を促進するとか、インフレという言葉を使わないで日銀がジャブジャブお金を刷るとか、政府の統計を改竄する、議事録を改竄する、みんなそうです。

論語の中にこんな話があります。
-------------------------------
孔子はある小さな国の政治をやってくれないかと頼まれました。しかしその国には予算は少なく、軍隊も弱い状態でした。弟子である子路は心配して、孔子に「そんなところで、先生は何をなさるのですか」とききました。すると孔子は

必也正名乎。名不正則言不順、 言不順則事不成。
(かならずや名をたださんか。名正しからざれば則(すなわ)ち言(げん)順(したが)わず、言順わざれば則ち事成らず)

という有名な言葉で答えました。この意味は「私はまず言葉を正しく定義する。もし言葉の定義が正しくなければ、何を言っているか意味がわからない。何を言っているかわからなければ、何事もできなくなってしまう」 
-------------------------------

政府には自分たちがやっている政策を、正しく定義された言葉で正直に語って欲しいと思います。

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2018年10月29日 (月)

2018クラシコ: バルサなんとメッシ抜きでマニータの勝利

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美しく彩られたカンプノウで、いよいよクリロナ&メッシのいないクラシコ。

バルサはやはり冒険はせず、デンベレは使わないでラフィーニャを右デランテーロに起用。右SBはセルジ。マドリーは左デランテーロにイスコを起用(メディアプンタ=トップ下としてプレーすることも多い)。右SBはナチョです。

マドリーはなんと現在7位という信じられない順位で、それにふさわしい脆弱な右サイドの守備でした。ジョルディ・アルバが自由に動けるのでバルサは楽です。得意の深く進入しての折り返しをコウチーニョが決めてバルサ先制。ヴァランがスアレスの突入を止めてPKで加点。前半は2:0で折り返し。

楽勝ムードだったバルサですが、さすがに後半はロペテギもフォーメーションを変更して、なんとカゼミーロがCBの3バック。ルカス・バスケスを投入して中盤を支配し、バルサは完全に主導権を奪われました。これであれだけ警戒していたマルセロに得点を許し、危機感は頂点に達しました。

バルサが活路を見いだしたのはカウンター攻撃。セルジのクロスをスアレスがデスヘッドでゴール。さらにスアレスがもう一発決めてハットトリック。完全にマドリーの息の根を止めました。

最後はコウチーニョと交代で出たデンベレのクロスを、やはり途中出場のヴィダルがヘッドで決めてマニータ。5:1でバルサ勝利でした。うまく行きすぎたようなクラシコでしたが、メッシがいなくても、とりあえずバルサは戦えることを証明しました。

https://www.youtube.com/watch?v=o8jMLaLNAPE&feature=onebox

https://www.youtube.com/watch?v=-qtsZxlkdWc

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2018年10月27日 (土)

ジャーナリスト?

A0001_016923ここ半年ほどジャーナリストまがいのことをやっています。

ほんとに小さな町の出版物なのですが、何か書くと必ず文句をつけてくる輩がいて、まあ会社なら会社が防壁になってくれるのでしょうが、実質ひとりで編集しているのでダイレクトにいろいろきます。

1番ひどかったのは、見出しのデザインや色を変えろなどと上から目線で言ってくる輩で、まったく相手をしていられません。何しろそんなどうでもよさそうなことに、いろんな筋を使って圧力をかけてくるわけですからあきれました。

別に好きでやっていることではなく、報酬のある仕事でもないので、いつやめてもいいようなものなのですが、一応それは任せられた責任を放棄することなのでやむなく続けています。

都響の会員を更新しました。1年半も先のチケットを買うのは不安でもありますが(生きてるかどうかもわからないので)、一方で確保できていると言う意味で安心でもある不思議な気持ちです。ともかくまとめて買うと圧倒的に安いというのが肝要ではありますが。

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2018年10月25日 (木)

日本は法律を整備して移民を認めるべきです

Japan_sex_by_age_2000

上の図は2000年の国勢調査の結果に基づく人口構成比の図です(ウィキペディアより)。30才以下の人口が急速に減少していることは明らかです。このまま推移すれば、いずれ老人国家になることはこの時点でサルでもわかります。この異常事態に対して、政府はなんら有効な対策を実施してきませんでした。

今安倍内閣がやろうとしてる入管法改正は、もうおしりに火がついて体に火が回りそうになってからの泥縄式の改革です。自民党は国粋主義的傾向を持つ一定の国民の支持を得ているため、あからさまに移民政策を促進するとは言えなかったのです。それによって政権を失うことを恐れたのでしょう。

ですからなし崩し的に少しづつ法改正を行なって、外国人労働者をなるべく国民に知られないような形で増やしてきました。しかしそれももう限界です。きちんと移民法を制定して、米国のグリーンカードのようなものを発行し、永住権を認める政策に転換すべきです。

土建屋さんに訊くと、今労働者は15,000~20,000円/日で集めても、必要な人員をなかなか確保できないそうです。ですから植え込みの位置を10メートル移動するというような仕事もスムースにはいかないとのこと。日本の労働者不足は、専門的技術を持った人に来てもらうというような事態をはるかに越えているのです。

私達は、「日本国は日本人という人種だけのものではない」という覚悟をすべきです。それは何も有効な対策を打ってこなかった政府をずっと支持してきたことのツケです。

日本国民としてのアイデンティティーを何に求めるべきかというと、それは日本語を話すということでいいのではないでしょうか。米国ではスペイン語しか話せない人が多いと聞きますが(わが阪神タイガースのヒーローインタビューでもスペイン語通訳付きの場合がままあります)、そのようなことにならないよう、日本語教育は政府が支援してきちんと行なうべきです。

野党も政府を批判するだけではなく、移民法と人種差別禁止法をセットで国会に提出するくらいのことはやってほしいと思います。

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2018年10月22日 (月)

メッシ骨折の衝撃 来週はクラシコ

Braugranaなんとクラシコを目の前にしたセビージャ戦で、メッシが腕を骨折するというアクシデント。自分で地面についた手ですから、誰にも文句は言えません。

試合はまさしくバルサスタイルの絶妙のなショートパスの連続からコウチーニョが決め、さらにカウンターからメッシがお得意の中央に切れ込んでの左足シュートを決める、という理想的展開で4:2で勝利しました。

とはいえセビージャは3322という変則的なフォーメーションで、3列目サイドのアラーナとヘスース・ナヴァスが左右から攻め込むというのが止めにくく、手こずりました。試合開始からしばらくの間、この2人が引き気味だったのがラッキーでした。

メッシが引っ込んだ後デンベレがでましたが、もうデンベレはポジションフリーでやらせた方がはるかに良いということがわかっているはずなのに、この試合では右固定でした。これでは彼の良さが引き出せません。鎖につながれた猛獣のような感じですね。ミスも多かったと思います。

クラシコでは彼を完全フリーでやらせて欲しいですね。そうすればコウチーニョやスアレスとのコンビネーションもうまくいきます。私のカンでは、バルベルデは使ってこないような気がします。おそらくセルジを使うのでしょう。まあその方が安全策ではありますが。

Barca vs Sevilla
https://www.youtube.com/watch?v=lDl2nBU7mZQ

エル・クラシコ:

ゴール集
https://www.youtube.com/watch?v=ZbXTZQ5tGds

アクシデント
https://www.youtube.com/watch?v=b0o9rc66F0M

バルサのアート
https://www.youtube.com/watch?v=_lHClR8TO24

直前スペシャル(WOWOW)
https://www.wowow.co.jp/detail/113947/-/01

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2018年10月21日 (日)

サラとミーナ208: すっかり落ち着いた感じのサラ

Imgaもうすぐ13才となるサラ。同じ12才でもミーナは子供のままなのですが、サラはそれなりに落ち着いた感じになってきました。

昔のように家中点検してまわるというようなこともなく、のんびりと過ごしています。

私とのコミュニケーションが必要なときは、若干のジュスチャーとともに小さな声でミャーと鳴くので、だいたいわかります。

水の容器の前で鳴くと「水が古いから替えろ」

ベランダと私を交互に見ながら鳴くと
「ベランダの扉を開けろ」

鳴いた後私をエサの場所に誘導すると
「エサが残り少ない」

そのほか数語は理解できるので、そこそこコミュニケーションはできている感じがします。

一方ミーナはどんなときに鳴くかというと、

「サラばかり可愛がらないで、私もなでて」
「もっと遊ぼう」
「もっと抱いて」
「はやくイベント(ミーナとのイベントがいくつかある)をやろう」

などで、ずいぶんサラとはしゃべる言葉が違うようです。

Imgb


サラはあまり歓迎しないのですが、サラとくっついて眠るのが好きなミーナ。

2匹分のスペースはないので、無理につめこむか、このように下半身がはみ出した状態で我慢するかです。

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2018年10月20日 (土)

大野-都響 サン=サーンス交響曲第3番オルガン付き@サントリーホール2018・10・19

Img今日は矢部ちゃんがコンマス(指揮はマエストロ大野、サイドはゆづき)でやっぱり雨降りの六本木。

サントリーホールに到着すると、チケット引き替え窓口で絶叫している女がいて、それが止まりません。カラヤン広場に係と通訳(?)が出てきて説得するも納得せず、延々と衆人環視の前で絶叫は続く。どうも日本語ではないようです。

日本の大企業のモラルの劣化は著しいですが、中小企業も同じでしょうかね。サントリーホールの係員はどうしてこの人を事務所に案内して、関係者だけで座って話をしようとしないのでしょうか? 常識が欠如しています。そのくせ周りで写真におさめようとしている人がいると阻止にはこまめに向かっていきます。カラヤン広場で誰かが絶叫していれば、それは見世物でしょう。

ところがこの日のアクシデントはこれが序の口で、マントヴァーニの本邦初演曲の演奏中に、ソリスト(ツィンマーマン)の弦が切れて演奏中断というびっくりのアクシデント。交換している間みんな手持ち無沙汰で困りますが、マキロンだけは爆笑していました。

曲はまあ眠らずに聴けるという程度の内容でした。ソリストの2人のヴィオラ奏者は大変だろうなという難曲でしょう。私的にはわざわざCD買って聴くような有難い音楽ではありません。こういうのをやるならオネゲルかペッテションのシンフォニーをやって欲しいと思うのは私だけでしょうか。

本邦初演は大失敗でしたが、大喝采に答えてソリストアンコール。ここでタメスティは鈴木と楽器を交換して演奏(ジョークだと思いますが)。しかも曲がバルトークの「嘆き」とは!!
・・・余裕です。

一方マエストロ大野はドカンとアドレナリンが上昇したらしく、後半は鬼神のような指揮でサン=サーンスの交響曲第3番。冷静を棄てたときの大野はすごい。すごすぎてピアノが活躍すべきところなどに若干の不満はありましたが、物凄くテンションの高い爆演を楽しませていただきました。

こんな曲です
https://www.youtube.com/watch?v=ZWCZq33BrOo

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2018年10月17日 (水)

The surf girls

1

Internet explorer から YouTube が閲覧できないという不具合が発生したため、いったん削除しましたが回復したのでもう一度トライしてみました。

写真は The surf girls。 美しい米語(個人的にはカレン・カーペンター以来だと思う)で、「I can hear music」を歌っています。
https://www.youtube.com/watch?v=Lq1Ip1PxJIE
https://www.youtube.com/watch?v=aeKosgyL100

オリジナルは多分 The ronettes だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=9HLHIpiUjmE
https://www.youtube.com/watch?v=fDnlWG40gmw&start_radio=1&list=RDfDnlWG40gmw

Beach Boys & Kathy Troccoli version
https://www.youtube.com/watch?v=wBBJP4RS4VE

それにしてもHPは閉鎖されていますし、CDも売っていないということで、解散してしまったのでしょうね。

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YouTube のアクセス障害の記事がいったんアットニフティーニュースに掲載されたにもかかわらず、すぐに削除されるという不穏な事態になっています。

ひょっとするとGoogle社に悪意を持っている者が、いかにもGoogle社の仕業のようにみせかけてハッキングしたのかもしれません。

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2018年10月14日 (日)

大野-都響 フルネ没後10年記念コンサート@東京芸術劇場2018・10・13

Img芸術の秋です。第一弾は都響永久名誉指揮者ジャン・フルネ没後10年記念コンサートです。マエストロ大野がプレトークでフルネさんの想い出を語りました。アンサンブルが整うまで、同じフレーズを10回もやり直させたというお話をうかがいました。

本日のコンマスは四方さん。サイドは矢部ちゃんです。ジャン・フルネの最後のコンサートですが、私はどうしてもの仕事で行けなかったのは残念な思い出です。

大野さんはいつもきちんとした仕事で信頼は厚いのでしょうが、本日のプログラムは特に自家薬籠中のものらしく、ノリノリでした。

ただラヴェルのピアノ協奏曲は、ソリストのリーズ・ドゥ・ラ・サールにペースを奪われて、彼女のなすがまま。こんなピアノは日本人や中国人やドイツ人には弾けないんでしょうね。参りました。でも第2楽章でイングリッシュホルンの南方とはアイコンタクトなどとりつつ合わせていました。いい感じでしたね。

終了後大歓声でソリスト・アンコールもやってくれました。
(ドビュッシー前奏曲集第1集からパックの踊り)

いい感じと言えば、ステージの中心でイケメン男子がフルートを吹いています。やわらかくていい音色です。上野星矢というそうで、HPをみるとまるでアイドルタレントです。
http://www.mori-music.com/seiya.html

こういう人が中心にいるとオケのイメージが変わります。エキストラだったのでしょうが、彼は基本ソリストでやっていくみたいで、団員にはなってくれないでしょうね。

久しぶりでフルートの小池さんが演奏していました。休み明けにしては妙にやつれた感じがしたのはどうしたことでしょう?

都響提供の動画
https://www.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=id9bFs4kEig&app=desktop

ジャン・フルネさんのインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=C-muFcrrbH0

ジャン・フルネさんの指揮
https://www.youtube.com/watch?v=nxtKmbkLoi0

リーズ・ドゥ・ラ・サールさんの演奏
https://www.youtube.com/watch?v=wZG5hOS6blk
https://www.youtube.com/watch?v=gLg1jPVRqzo

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2018年10月13日 (土)

やぶにらみ生物論115: 昆虫の単眼

多くの昆虫たちは立派な複眼を2つ持っている上に、3つの単眼を持っています(図1)。彼らはどうしてこんなに贅沢な眼のセットを装備しているのでしょうか?

図1中央のカマキリ(1)の3つの単眼をみると、左右の単眼は左右を、前の単眼は前を向いているように見えます。これは左のアシナガバチの場合とは違う感じがします。

右図のカマキリが飛んでいるところを示しますが(2)、カマキリは人間で言えば立った状態で飛んでいるように見えます。こんな状態だと、眼が前を向いていないと視界が上と後方に限られます。ですから単眼の前の1個は前方を見ている必要があること、そして後ろの2個は左右を見ていることが推測できます。

ハチは体を水平にして飛ぶので、体の外側に眼が飛び出してさえいれば、広い視野が確保できるのでしょう。

A_8


私が単眼に興味を持ったのは、水波誠著「昆虫-驚異の微小脳」(3)を読んでからです。この第4章はすべて単眼について述べてあります。

素晴らしい本なのですが、この第4章は記述に混乱がみられ、私も原著をさがして検証していったので少し疲労しました。特にチャールズ・テイラーの仕事(後述)については、名前を出して解説すべきではないでしょうか? 是非改訂版を出版して欲しいと思います。

単眼の構造はヤフー知恵袋にきれいな絵があったので(4)、改変して図2を作成しました。図2に示したように、昆虫たちの単眼が私達の眼と異なるのは、ピントを合わせたり光量を調節したりする装置がまったく装備されていないことです。ですから網膜の上に像を結ばせることはできませんし、まぶしさを回避することもできません。

A_9


単眼からは少し話がそれますが、ドナルド・ウィルソンという登山家としても有名な研究者が1961年に「The central nervous control of flight in a locust」という論文を出版しました(5、図3)。これは衝撃的なタイトルです。それまでは動物のリズミカルな運動は末梢神経における反射の連続で行なわれると考えられていたからです。

ドナルド・ウィルソンはバッタの飛翔が全身の感覚器を動員して、中枢神経の制御のもとに行なわれることを証明しました。彼の論文は単独名ですが、ジェラルディン・タカタという方が実験のお手伝いをしていたようです(6)。

A_10



ドナルド・ウィルソンは1970年に37才の若さで亡くなりました。アイダホ州の川でラフティング(急流下り)を楽しんでいるときに不慮の事故にあったそうです。あるサイト(7)に、彼の仕事と生涯の記録がアップされています。プライベートな多数の写真も見ることができます。

マーチン・ウィルソンはドナルド・ウィルソンの仕事を引き継ぎ、バッタの飛翔には3つの単眼から得られた情報が中枢神経で処理されることが重要であることを示しました(8)。さらにチャールズ・テイラーはバッタの3つの単眼がそれぞれ空と大地などの明るさを識別し、その割合と境界線の角度を知ることによって、飛翔を安定化していることを示しました(9、10)。これこそが主要な単眼の機能だったのです。

前に位置する1個の単眼は、暗部が多いと下向きの飛翔、明部が多いと上向きの飛翔であることを認識し、これを中枢神経に伝えて、もし水平飛行すべきであればそのように筋肉に修正の指示を出すわけです(図4)。後部のふたつの単眼はそれぞれの明暗部の割合から左右どちらに傾いているかを認識し、修正することができます。また明暗域の左右への移動から旋回の方向と速度を測定することができます(図4)。まさしく航空機が搭載しているジャイロスコープのような役割を果たしているわけです(9、10、図4)。

しかし地平線とか景色とかは複眼でも見えているわけですから、なぜ単眼でなければならないのでしょうか? 複眼は見ているものの形を識別するために、多数のニューロンに個別にパルスを発生させ解像度を高めています。また記憶と照合するなどの作業のために神経回路も複雑になっています。一方単眼はもともと結像していませんし、単眼といってもそれなりに視細胞は多数ありますが、実はそれぞれの情報を極めて僅かなニューロンに集積しているのです。しかもその結果を最少のシナプスで中枢神経に伝えます。

このようなシステムによって、単眼は明るさ暗さを精細かつ短時間に中枢神経に伝達することができます。水波の著書(3)によると、バッタの単眼と複眼に光刺激を与え、刺激開始から運動中枢のニューロンに応答が起こるまでの時間を測定したところ、複眼では25ミリ秒~33ミリ秒であったのが、単眼では9ミリ秒だったそうです。飛翔の制御は迅速に行なうことが特に重要なので、単眼のメリットは十分にあると考えられます。

C


単眼はすべての昆虫に3つづつ配置されているわけではなく、ゴキブリや類縁関係にあるシロアリでは2個しかありませんし(11、12、図5、単眼は触角の根元にあるようですが、私はどこにあるのか判定できませんでした)、多くの甲虫は単眼を持っていません。おそらく生活の中で、上手に飛翔する必要がないグループでは退化してしまったのでしょう。実際カミキリムシなど甲虫の飛翔は実にのんびりしたものです。それでも体が硬いので鳥のエサにはなりにくいのでしょう。

単眼が2個のゴキブリですが、バッタやミツバチに比べてゴキブリは実験室での飼育が圧倒的に簡単です(さすがに大量に飼育しているのを見るのは気持ち悪いですが)。

水波はワモンゴキブリを材料として単眼の研究を行ないました(3)。水波によると、ワモンゴキブリの単眼には約1万個の光受容細胞がありますが、それらは僅か4つの二次ニューロンとシナプス結合するそうです。これは明るさの違いを二次ニューロンが精細に識別することができることを意味します。そして1個の二次ニューロンはそれぞれ13個以上の脳細胞(3次ニューロン)に接続しているそうです。

A_12


ゴキブリはおそらく上手に飛翔するよりも、主として明るさを避けたり、暗闇の中での確実で迅速な行動のために単眼を使っているのではないかと考えられます。ゴキブリの飛翔は何度か見たことがありますが、ミサイルのように直線的に突進する感じでした。

さて、では私達の祖先にもあったはずの単眼はどこに行ってしまったのでしょうか? ヒトの場合、その痕跡は脳の奥深くに松果体という組織で残っています(図6)。私達の祖先には頭頂部に光を通す頭蓋骨の「窓」があり、現在は松果体となった光感知組織(網膜)が存在したと考えられています。

今その松果体は何をやっているかというと、メラトニンという催眠ホルモンを分泌し、概日リズムを保つ(ひらたくいえば夜が来ると眠くなる)上で重要な働きをしています。松果体自体は脳の深部にあるので光を感知できず、眼や皮膚で感知した光の情報が視床下部に届き、視床下部が松果体に指示を下すとされています(13)。

A_13


脊椎動物の中にも、祖先が持っていた単眼(頭頂眼)を失わずに持っている種類がいます。図7のウシガエル、マダガスカルミツメイグアナ、カリフォルニアアノールトカゲなどです。ほとんどの脊椎動物は三畳紀にこの頭頂眼を失ったとされています(13)。どうしてそうなったのかは全くわかりませんが、哺乳類についてはおそらく多くが夜行性だったために、夜になると眠くなるのでは困ったのかもしれません。もっともゴキブリは単眼があるのに夜行性です。ただこれは察知して明るいところを避けているとか、日光の照射には弱いとか別の理由がありそうです。

また三畳紀末期は哺乳類を派生した単弓類のほとんどが壊滅するような絶滅時代で、これは乾燥によるとされています。この時代を生き残るには夏眠(冬眠)ができるものが有利で、概日リズムはむしろ上書きされなければならなかったのでしょう。三畳紀には翼竜という空飛ぶ爬虫類も出現しましたが、昆虫のように3つの単眼でジャイロスコープの役割を果たすというような特殊な進化はみられなかったと思われます。3つの単眼を持つ脊椎動物はみつかっていません。

A_14

参照

1)南大沢昆虫便り
https://blog.goo.ne.jp/mos314/e/8ef2c28d7e5a9d8cdc7bc313160a3a86

2)昆虫の楽園
http://a-kurosawa.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-0461.html

3)水波誠著「昆虫-驚異の微小脳」中公新書1860(2006)

4)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11174624961

5)Donald M. Wilson, The central nervous control of flight in a locust., Exp. Biol., vol.38, pp. 471-490 (1961)
http://jeb.biologists.org/content/209/22/4411

6)Donald M. Wilson, Inherent asymmetry and reflex modulation of the locust flight motor pattern. Exp. Biol., vol.48, pp. 631-641 (1968)

7)Donald M. Wilson~ the point that must be reached ~ (1932 - 1970)
http://faculty.ucr.edu/~currie/donald-wilson.htm

8)Martin Wilson., The functional organisation of locust ocelli., J. Comp. Physiol., vol. 124, pp. 297-316 (1978)
https://link.springer.com/article/10.1007/BF00661380

9)Charles P. Taylor., Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight. I. Behavioural analysis.,  J. Exp. Biol., vol. 93., pp. 1-18 (1981)
http://jeb.biologists.org/content/93/1/1

10)Charles P. Taylor., Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight. II. Contribution of compound eyes and ocelli to steering of locusts in flight.,  J. Exp. Biol., vol. 93., pp. 19-31 (1981)
https://pdfs.semanticscholar.org/d5f7/0c0958c6dc3ac9674038bb2ff20e53dcceb3.pdf#search=%27Contribution+of+compound+eyes+and+ocelli+to+steering+of+locusts+in+flight.+I.%27

11)BSI生物科学研究所 衛生昆虫の微細構造 第一章
http://bsikagaku.jp/insect/cockroach.pdf#search=%27%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA+%E5%8D%98%E7%9C%BC%27

12)山野勝次 昆虫学講座 第3回
https://www.bunchuken.or.jp/wp-bunchuken/wp-content/uploads/2012/03/60_4.pdf

13)松果体(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9E%9C%E4%BD%93

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2018年10月11日 (木)

都響: 2019~2020シーズンプログラムを発表

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都響の2019-2020シーズンのラインナップが発表になりました。

http://www.tmso.or.jp/j/topics/detail.php?id=1414

#アンナ・ヴィニツカヤが共演してくれるのはうれしいのですが、非常にニュアンス豊かな方なので、どちらかというとソロで聴きたいピアニストです。

#マエストロ・小泉は最近芸域を広げていますが、演奏効果も重視しているので、プログラムも名曲揃いです。特にプロムナードは激しいのがてんこ盛りでオケは大丈夫か?

#マエストロ・アラン・ギルバートがマーラーの6番をやるというので楽しみです。今シーズンの都響マーラーはこれのみということで呆然。チケット取るのは大変そう。

#マエストロ・インバルはショスタコ-ヴィチの11番、12番などエキサイティングなラインナップ。まだ昨年井上-大フィルの演奏で、一日で両方聴いてノックアウトされた余韻が残っていて、ちょっともったいない気もします。
http://morph.way-nifty.com/grey/2017/02/post-860b.html

#ベルクもニールセンもブリテンも全く苦手なので、今シーズンのマエストロ・大野はシベリウスナイトくらいかな。ただ美音の柳原と、超美音のエーベルレは・・・どうしよう? インバルがショスタコーヴィチの11、12番で大野は10番と、ショスタコーヴィチは大繁盛です。

#おそらくマエストロ大野は都響が永年積み上げてきたマーラーオケブランドを解体したいのではないかと思いますね。

#特に聴きたいのはマエストロ・ロトのコンサートでしょうかね。ラモー「優雅なインドの国々」とラヴェル「ダフニスとクロエ」です。ミンコフスキの悲愴交響曲も興味津々ですが。

#ひとつ気がついたことは、年末恒例の第9を除くと、ベートーヴェンは7番のみです(マエストロ?・ペンデレツキが担当)。そうえいば、矢部ちゃんが都響のメンバーを使って「トリトン晴れた海のオーケストラ」でベートーヴェン・チクルスを進行中でしたね。

#「5大陸音楽めぐり」とはまあ苦心惨憺のサブタイトルですが、無理しなくてもそのまま「プロムナードコンサート」でいいのにと思います。

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2018年10月 9日 (火)

JPOP名曲徒然草190: nekomeshi by やくしまるえつこ

Imgやくしまるえつこさんは泣く子も黙る「相対性理論」のプロデューサー兼ボーカルで著名な人ですが、私は相対性理論の曲はわりとよくわからないものが多い、というのが本音(業界の評価は非常に高いらしい)。

けれども、やくしまるえつこ名義のこの「nekomeshi」は気に入っています。時代の空気が流れているんだけれども、少し距離を置いている感じなのかな。

作詞・作曲:ティカα(=やくしまるえつこ)、編曲:Jimanica、キングレコードKICM1312 (2010)

公式HP:http://yakushimaruetsuko.com/

相対性理論公式HP:http://mirairecords.com/stsr/

nekomeshi
https://www.youtube.com/watch?v=Mt468q_jqoY

ジェニーはご機嫌ななめ(ジューシーフルーツ)
https://www.youtube.com/watch?v=enXuwImFYl4

ロンリープラネット
https://www.youtube.com/watch?v=CLKO4yWY-0g

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わたしは人類

https://www.youtube.com/watch?v=92Dcp9Fbdac

https://www.youtube.com/watch?v=BMiogElZRGw

わたしは人類(ライヴ)

https://www.youtube.com/watch?v=WOkZ0cAv-Is
↑自分の音楽をシアノバクテリアのゲノムに移植
(実演は5分45秒から@リンツ・ブルックナーハウス)

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「YOU & IDOL」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=FYtBA-1eXhE

「LOVEずっきゅん」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=nFG4oQE1Et8

「たまたまニュータウン」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=jO4C_m-c8eo

「ケルベロス」相対性理論
https://www.youtube.com/watch?v=hLMJXH8TMJg

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2018年10月 6日 (土)

サラとミーナ207: ミーナに大接近

Imga


Imgb


ミーナ(12才)のクローズアップショットに挑戦!

緊張するとカメラ目線になるので、リラックスしてる方かな。

それにしても立派なおひげです。

青は私のスエット。

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2018年10月 4日 (木)

井上-読響 マーラー交響曲第8番@東京芸術劇場2018.10.3

Imga井上-読響の「千人の交響曲」です。読響主催ではなく、芸劇主催ですが、たいしたプロモーションがなくてもチケット完売。

ステージの前に「こぶ」みたいな小さなステージをくっつけて、指揮台を置いていました。コーラスを収容するために必要な措置だったのでしょう。客席もかなり減らしていました。

マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」は、今回の公演でもホルン9本というような大規模な編成のうえに、コーラスがとてつもない大人数になるので、ブッキングと練習が大変な曲です。めったに上演できるものではありませんし、聴けるものでもありません。

先週はびわ湖ホールでの公演が台風で中止となり、ゲネプロを公開して公演にかえるという主催者の奇策が物議を醸しました。
https://www.biwako-hall.or.jp/performance/2017/12/02/208.html

今日のコーラスは首都圏の音楽大学が総力を挙げて取り組み、立派な演奏をなしとげました。

第1部が終了したところで、「若い天使たち」のパートの方々が、ステージ上でお色直しをしたのには仰天しました。初めての経験です。

私は第1部が終わったところで休憩したらと思いますが、指揮者は(こんな無理筋をやっても)休みを入れたくないんですね。

井上-読響の演奏はバラで悪魔を打つところから、マリア崇拝の博士が歌い出すまでのところが息をのむような美しさでした。特に1Vnの驚異のアンサンブルとロマンティックな雰囲気が素晴らしいと思いました。

ソリストの中では特に池田さんの声が印象に残りました。慶応大学法学部出身だそうで、声楽家にはいろんな方がおられます。マリア崇拝の博士のグリフノフは張りのあるエキサイティングなテナーですが、ステージではなくそをほじるのはやめてほしい。青戸も素晴らしいですが、立ち位置を間違えてあわててもどるというのは爆笑です。

森麻季は例によって栄光の聖母役で、おいしいところを持っていきます。オルガンの前で歌うのですが、手すりに両手をついて歌うというのにはびっくり。どうしてなんでしょう? 謎です。ひょっとして高所恐怖症なのか?

井上さんの指揮はいつ聴いても魅了されます。結局最後は彼の人徳なんですね。演奏終了の合図は客席を向いてやるのですが、大野やヤルヴィや上岡がこれをやったらいやらしいでしょう。

最後に芸劇のリーフレットですが、児童合唱も含めて出演者全員の名前が記してあるのは好感が持てました。

都響はマーラーが売りなんですが、今年は他のオケに持って行かれましたね。来年は頑張って欲しいと思います。

こんな曲です
https://www.youtube.com/watch?v=sgEvco07TWw

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2018年10月 2日 (火)

やぶにらみ生物論114: ミツバチは日々記憶をたぐり、考え、判断する

今回はミツバチのお話しです。ミツバチの研究は日本でも活発に行なわれており、玉川大学にはミツバチ科学研究センターがあり(1)、山田養蜂場にはみつばち健康科学研究所があります(2)。ここでは簡単なミツバチについてのお話しと、私が関心を持ったことについて少し述べたいと思います。

ミツバチはご存じのように社会性昆虫でハイブと呼ばれる巣(そういえばバイオ・ハザードのアンブレラ社の研究所はハイブといって、ボスはコンピュータでした)をつくり、1匹の女王(図1)と多数の働き蜂と少数のオス蜂で社会を構成します。働き蜂の形態は図1の右に示したようなもので、尾部に毒針をもっていることが目立った特徴ですが、これについては最後にふれます。

もうひとつの特徴はかなり毛むくじゃらだということで、この毛は哺乳類の毛とは全くちがったものですが、哺乳類と同じ役割を果たすのかどうかはわかりません。保温や紫外線の直射を逃れるのには多少役だっているのかもしれません。多分より大事な役割は花粉をくっつけることで、蜜をまぜて花粉団子をつくり巣への運搬に役立てています(3)。このほか単眼や複眼や体全体に花粉がくっついて、それを足で払いのける際にキズがつかないようにという役割もあるのでしょう。

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みつばちはひとつのApisという属の生物ですが、コミツバチ・オオミツバチ・ミツバチという3つの亜属にわけられていて、セイヨウミツバチとトウヨウミツバチはミツバチ亜属に含まれます。ニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種なので、もちろんミツバチ亜属に含まれます。

セイヨウミツバチは欧州・アフリカに分布し、トウヨウミツバチ・オオミツバチ・コミツバチはアジアに分布します(コトバンク)。オーストラリアやアメリカ大陸にはもともとミツバチはいませんでした。ただし養蜂業者が持ち込んだために、現在では図2のような分布図は無意味となっています。セイヨウミツバチは採取できる蜜の量が多いので、最近では日本でもセイヨウミツバチが優位の分布になっているようです。

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さて、ミツバチが8の字ダンス(waggle dance)で花の位置を仲間に教えるということは大変有名で、高校などの教科書にも記載されています。このことを発見したのはカール・フォン・フリッシュです(4、5、図3)。無脊椎動物が言葉を持っているという大発見でしたが、彼がノーベル生理学医学賞を受賞したのは研究発表後50年も経過してからの1973年のことでした。

ミツバチは蜜が吸える花が巣から数メートルくらいの距離にあるときは、ぐるぐる回るだけですが、花が少し遠いところにあると、方角と距離を仲間に教えるために8の字ダンスを踊ります。図3の蛇行曲線の位置をおしりを振りながらブンブン羽音をたてて進みます。

この尻振りダンスの重力の鉛直線(図3の上下の青線)からの角度が、太陽からの角度(θ)を示し、尻振りダンスをしながら進む時間の長さが距離をあらわしています(図3)。現在ではリアルタイムで自動的にミツバチのコミュニケーション・ダンスを検出、解読、そしてマッピングできるシステムが開発されています(6、7)。

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大事なのは、ミツバチが垂直に巣板をならべるように巣をつくることです(図4)。図4はたまたま外側の覆いが無く、内部が露出した巣です。左のスズメバチの巣(8)は私達の団地のように水平に1F・2F・3F・・・となっていますが、右のミツバチの巣(9)は垂直の層構造になっています。もし水平の構造だったら、8の字ダンスはありえません。なぜならY軸が決まらないからです。ミツバチは重力のベクトルと反対方向を0度とし、そこから何度ダンスの進行方向がずれているかで太陽と花の角度を仲間に知らせます。

ですからスズメバチのような巣だと、地磁気探知の機能を使って方位を知る能力でも持たない限り、太陽からの角度を表現できません。

A_11


ここで一つ驚くのは、太陽と花の角度は図3の左図のように地面に水平な地図上の角度ですが、ミツバチはこれを90度ずらして、垂直な壁に角度を表現します。これは彼らが壁に地図をかけて位置を知ることができる人間にも似た能力を持っていることを意味します。人間にも地図が読めない人がいる(10)ことを考えると、これは驚異的です。

そしてミツバチの知能はまだまだこんなものではありません。Martin Giurfa らはいろいろな図形を左右に傾けて、右に傾斜したときだけご褒美(砂糖水)をあげると、ミツバチはやがて学習した図形以外のさまざまな図形がどちらに傾いているかを認識することができることを証明しました(11、図5)。つまり彼らは図形の傾きという抽象的概念を抽出して頭脳に記憶し、さまざまな図形に適用してそれらが傾いていることを判断できるのです。

A_12


文献(11)では、さらにさまざまな対称性をもつ図形と対称性を持たない図形(図6a)をミツバチに見せ、片方を選択した場合だけご褒美をあげるというトレーニングをすると、学習した図形とはまったくことなる図形群(図6b)を見せた場合も、それが対称性を持つものか持たないものかを判別することができることを証明しています(図4)。

つまり彼らはさまざまな図形から対称性という抽象的概念を抽出して頭脳に記憶し、さまざまな図形に適用してそれらが対称性をもつものかどうかを判断しているのです。図5や図6の図形はミツバチやその祖先が何億年もの間みたこともないものです。彼らはあきらかに本能にしたがって生きているだけではなく、私達と同様日々記憶し、また日々記憶をたぐっていろいろ迷い考えて、そして最後は決断しながら生きているのです。

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こんな画像から抽象的な概念を抽出するなどという複雑なことがうちのサラやミーナにできるでしょうか? いやそれは無理でしょう。ミツバチはほとんどの哺乳類の脳ができないようなことができるという、きわめて知的な動物であることがわかります。

私達とミツバチとは系統的にはずいぶん離れていますが、結局毎日なさねばならぬ事はそんなに違わないということでしょうか? エサをみつける、エサかエサでないかを判断する、エサの場所を記憶する、共有すべき情報を仲間に伝える、住む場所をつくる、捕食者から逃れる、敵と戦う、などはヒトもミツバチも日常的にやっていることです。そのようなことを上手にやれるように進化してきた結果、似たようなことになる部分もあるというのはわかる気がします。

最後に蜂の毒針についてふれておきます。毒針はもともと産卵器だった構造が変化してできたそうで、すべての蜂がもっているわけではありませんが、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチなどは持っています。ただし産卵器が変化したものなのでオスは持っていません。

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図7の毒針の形態図は生きペディアのサイト(12)から拝借しました。ここで示すように、毒針は2本の穿刺針と1本の毒液注入針からなります。穿刺針の外側は矢尻状になっていて、いったん刺すと抜けにくくなっています。抜けるかどうかは刺された生物の皮膚の硬さによります。ミツバチはいったん刺すと、刺した針を抜けず無理に抜こうとすると体内の臓器ごとはがれてしまうので、やがて命を落とすことになるとされていますが、それは人を刺した場合のことであって、「皮膚が硬いが刺せないほどではない」というミツバチにとってはまずい事情のためにそうなってしまうのです。ですから、刺した動物(昆虫も含む)によってはうまく抜いて再使用できる場合もあるようです。

図7の右側には毒の成分を示しました。一部しか記していないので、詳しいことが知りたい方は他の文献(13など)をご覧下さい。なかでもスズメバチのマンダラトキシンは神経伝達を阻害する強力な毒素のようです。私達哺乳類が刺された場合、毒性そのものはたいしたことない場合でも過剰な免疫反応でアナフィラキシーショックを起こすことがあるので気をつけなければなりません。

参照

1)http://www.tamagawa.jp/research/academic/center/honey.html

2)https://www.bee-lab.jp/?prid=pli_ad_aac_A02_Y426&sc_cid=pli_ad_aac_A02_Y426

3)NHK for school  だんご職人 ミツバチの秘密
https://www.nhk.or.jp/rika/micro/shiryou/2010_001_01_shiryou.html

4)Uber die "Sprache der Bienen". Eine tierpsychologische Untersuchung. In: Zoologische Jahrbucher (Physiologie), Abteilung fur allgemeine Zoologie und Physiologie 40, S.1-186 (1923)

5)Aus dem Leben der Bienen. Springer Verlag Berlin (1927)
https://www.springer.com/de/book/9783642649226

6)ニューラルネットで「ミツバチのダンス」解読、大量死の謎解明へ
http://ascii.jp/elem/000/001/549/1549709/

7)Automatic detection and decoding of honey bee waggle dances. Fernando Wario, Benjamin Wild, Raul Rojas, Tim Landgraf., arXiv:1708.06590 (2017)
https://arxiv.org/abs/1708.06590

8)スズメバチの巣(やす緑のひろば) 
http://midorinohiroba.shiga-saku.net/e977278.html

9)ミツバチの巣(山里の素人農業) 
https://daii.jp/bee/kaiho_s.php

10)「地図が読めない人」の脳はどうなっているのか
https://wired.jp/2013/12/05/map-sense/

11)Julie Bernard, Silke Stach, and Martin Giurfa., Categorization of visual stimuli in the honey bee Apis mellifera. Anim Cogn col.9, pp. 257-270 (2006)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16909238
https://www.cs.helsinki.fi/group/cosco/Teaching/CoscoSeminar/spring2007/articles/benard-2006.pdf

12)https://ikimono-seibutu.com/hati-hari/

13)高見台クリニック ハチ毒について
http://takamidai-clinic.com/?p=44408
http://takamidai-clinic.com/?p=44411

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2018年10月 1日 (月)

福島原発の汚染水 海洋投棄問題

1024pxfukushima_i_by_digital_globe

===情報拡散します===

元情報↓
情報速報ドットコム
https://johosokuhou.com/2018/09/29/9411/

東京電力「福島原発の汚染水浄化、実は嘘でした」

福島第一原発の汚染水タンクが限界に近付いているとして政府と東京電力が検討している浄化汚染水の海洋放出ですが、実際には浄化が出来ていなかったことが分かりました。

東京電力が汚染水タンクの状態から推定したところ、8割以上の75万トンで放射性物質の濃度が環境中に放出する際の基準を上回っていた事が発覚。
トリチウム以外の放射性物質も基準値を超えており、このうち複数のタンクで基準の2万倍近くに達しているとみられる放射性物質もあると発表されています。

政府と東京電力は汚染水が浄化されているという前提で地元に説明し、汚染水放出の方向で調整していました。前提条件となる放射性物質の浄化そのものが出来ていなかったということになり、再び東電や政府の対応に批判が強まっているところです。

(写真はウィキペディアより)

参照(東電が謝罪)

https://johosokuhou.com/2018/10/02/9471/

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2018年9月28日 (金)

ブタルケでの悲惨な敗戦に思う

Braugrana
ブタルケでの悪夢=最下位のレガネスに完敗・・・は今バルサが抱えている深刻な問題を露出させました。

最大の問題はSBです。週に2回ずつ試合があるバルサにとってSBを2人でまかなうことは不可能です。左サイドのアルバが休むときはヴェルマーレンで間に合うという考え方が全く間違っていることがこの試合で証明されました。

だいたいMF達が彼を壁にしてワンツーをやろうという意思もなく、どうしようも出しどころが無いときしか球を渡しません。これじゃあヴェルマーレンもモチベーションを失ってしまうと思います。みていてがっかりしている場面が多かったように思います。これが最初の失点につながったというのが私の印象です。彼は本職はCBでありSBには向いていなので、ウムティティが休むときにCBで出場させるべきです。レングレを獲得したので、彼をSBに使ってみるのも現状では一案です。

右SBにも問題があります。セルジはメッシとの連携を期待されて出場していることはわかっているので、どうしても前線で仕事をせざるを得ず、カバーにまわるラキティッチが前に出ると右サイドが空っぽになって狙われます。これも最初の失点につながりました。

セメドを盛んにディスる解説者もいますが、彼はきちんと標準以上の仕事をしています。メッシのパートナーをSBに求めるというのは無茶な話です。2人目のダニはどこを探してもいません。右の正SBはセメドがやるべきで、そういうサッカーがこれからのバルサに求められると思います。この試合でもメッシは前半で売り切れで、後半はほぼ消えていました。なんでもかんでもメッシ中心に特殊なシステムを構築するのはここまでにして欲しい。

メッシをほとんどの試合フルで使う場合、彼はスタミナを保たせるためにあまり動きませんし、専門のパートナーが必要なので、チームにひずみが生まれてしまいます。私はメッシは後半15分くらいから出場すればよしとして、彼のいないシステムをデフォルトとして考える時が来ていると思います。スアレスやブスケツももう選手として晩年を迎える年齢なので、彼らのいないシステムも考えなければなりません。私はSBの問題さえ解決すれば(左SBを補強)なんとかなると思いますが、どうでしょうか。

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2018年9月26日 (水)

JPOP名曲徒然草189: 「feelin' blue」 by 浜本沙良

この大好きな曲がYOUTUBEにアップされてたのはうれしい。
そしてなつかしさがこみあげます。
https://www.youtube.com/watch?v=nwRwXhohdQo

「feelin' blue」 by 浜本沙良 in album "Truth of lies"
作詞:鈴木恵子、作曲:鈴木恵子・小森義也

昔書いた記事を再掲します。
http://morph.way-nifty.com/grey/2007/03/sarah_74fe.html

Photo

浜本沙良はフォーライフから1994年デビューのシンガーです。ジャンルとしては、まあニューミュージックでしょうか。

今井美樹の対抗馬として、「パフ」と「トゥルースオブライズ」の2枚のアルバムを出版したとききましたが、あまり売れなかったようです。しかし、そのイノセントでニュートラル、まるでコットン100%の上質のTシャツのような美声は、余人に代え難い魅力があります。

いったん活動を休止した後、Sarah と改名してテイチクから再デビューし、1998年に「真昼の夢 夜の庭」というアルバムをリリース。最近のアルバムは 「優しい日々」 というもので、これは普通にアマゾンなどで入手できます。例えば We're gonna go home など、陶酔的な美声に圧倒されます。そのほかのアルバムもアマゾンなどで容易に入手可能です。トゥルースオブライズなんて30円で売ってました。パフは200円前後。

私は特に浜本沙良時代の曲が好きで、iPod に入れて、半年くらい毎朝通勤電車で聴いていたこともありました。まだ寝ぼけながら駅への道を歩いているとき、まず

「夜明け前の海へ 散歩に出かける; 時が凍えながら 波を運ぶ; 眠らないでずっと あなたのことだけ; 考えていたのよ 心にまかせて・・・」 (いつも eyes to me by 夏野芹子) というせりふで目覚め、

「Morning moon 綺麗な静けさ; 鳥たちの翼 夜明けを知らせる; Morning wind あらいたてのシャツ; 眠りから覚める あなたの青空 ・・・ 」(Morning moon by 松井五郎) なんていう雰囲気でゆっくり意識を覚醒させていくのは、なかなかいいものです。

残念ながら、現在はまた活動中止しているみたいです。再々デビューを熱望します。うちの猫のサラは、彼女の素晴らしい音楽を忘れないように名付けました。

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なんとアルバム「トゥルース オブ ライズ」は現役盤です。
https://www.amazon.co.jp/Truth-Lies-%E6%B5%9C%E6%9C%AC%E6%B2%99%E8%89%AF/dp/B00005G5BE

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この記事には多分ご本人から 「ありがとう。Morning moon 私も大好きです。」というメッセージをいただきました。

いまどうなさっておられるのでしょうか?

What is love
https://www.youtube.com/watch?v=gpbZSZr3xSM

春ある国に生まれ来て
https://www.youtube.com/watch?v=18YkJep-crk

優しい日々
https://www.youtube.com/watch?v=s9_oISN1t0o

天真爛漫
https://www.youtube.com/watch?v=fmDPGaeDDlY

ふたり
https://www.youtube.com/watch?v=So8_Q-EbuTw

Cool water
https://www.youtube.com/watch?v=lBKaiOXnxuQ

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2018年9月25日 (火)

foobar2000 の効用

280pxipodclassic80gbiPod classic (写真 ウィキペディアより)が消滅した後、HDDに蓄積したAAC形式の音楽ファイルをどうしたものかというのが課題でした。

私は結局10年以上前のノートパソコンをネットにつながず iPod classic として使うことで妥協しました。

ところが最近困ったことが発生しました。HDDの iTunes をうっかり更新してしまったため、古いパソコンで動かせなくなったのです。

パソコンの iTunes を更新すればいいじゃないかと思ったのですが、それは間違いで、現在ウィンドウズ7は廃止寸前の末期状況で更新は難しく、最新の iTunes を動かす環境をととのえられないのです。

もちろんウィンドウズ10にアップグレードすればいいのですが、それにはお金がかかります。

このピンチを救済してくれたのが foobar2000 というフリーソフトです。このソフトは自分でもライブラリーを作成できますが、iTunes のライブラリをそのまま利用できて(私の場合AACファイルをハードディスクからPCにコピーして使っています)、バージョン違いで動かない iTunes のかわりに働いてくれて、AACのソフトを聴くことができます。

英語のソフトですが、Library から album list を表示して聴きたい曲を選択し、Playback から play をクリックすれば聴けます。より高度な使い方は下のサイトをみてください。

https://foobar2000.xrea.jp/index.php?%E8%A7%A3%E8%AA%AC

ダウンロードは公式サイト
http://www.foobar2000.org/

あるいは「窓の杜」などのサイトからも可能です。

上級者向けには
https://blog.goo.ne.jp/heiseikiseki/e/7f9e6a51f4e195bdb47854a458052520

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2018年9月22日 (土)

レネス-都響のホルスト「惑星」@東京芸術劇場2018・9・18

P1090957池袋芸劇の都響C定期。指揮予定のオリヴァー・ナッセン氏が7月8日にお亡くりになったため、急遽ローレンス・レネス氏が代役で指揮することになりました。

月刊「都響」は何とか間に合って、プログラム変更も記載してありました。編集部は大変だったと思います。フライヤーは断念したようです。

ヴィトもさっちんも所用でパスしてしまったので、ちょっと気合いが入った私です。

1曲目は追悼曲ということでナッセン作曲の「フローリッシュ・ウィズ・ライヤーワークス」。きめ細かく作曲された輝かしい響きの名曲です。欧米なら黙祷するところでしょうが、それはありませんでした。

本日のコンマスは四方さんで、サイドはマキロン。マキロンがお行儀よく足をそろえて演奏をはじめたのでびっくりしましたが、そのうちいつものスタイルにもどったので一安心。あまりお上品な演奏スタイルは似合わない人だと思うので。

シンガポールフィルの美男子ロビヤール氏もホルン軍団に加わっています。お隣には超美形のエキストラさんも。一気に格調が上がった感じがします。後列の女性奏者は西條や五十畑の弟子らしく、都響に移籍のうわさもありますが8/9月号月刊「都響」には掲載されていません。

マエストロ・レネスは上品で繊細な感じの方です。2曲目の武満の曲「オリオンとプレアデス-チェロとオーケストラのための」は彼のスタイルにはまっていましたね。ソリストのケラスも素晴らしい演奏ですが、眠くなるのは曲のせいということにしておきましょう。ソリストアンコールのサービスがあり、曲目はデュティユーの「ザッハ-の名による3つのストローフ」より第1曲。

後半のホルスト組曲「惑星」は定番の超名曲。武満の曲とは宇宙つながりです。私は特に「金星」の精緻なやすらぎの音楽が素晴らしいと思いました。芸劇ご自慢のパイプオルガンの低音振動が気持ちいい。女声コーラスもエンディングを盛り上げてくれました。今年度指折りの名演だったのではないでしょうか。楽しい演奏を聴かせていただいて有難うございました。

聴衆も咳や騒音も少なく、最後のフラブラもなくて最高の出来。よかったよかった。

帰り道で赤い鳥居が刻まれたチェロケースを持った都響の女性奏者に超高速で抜かれましたが、よくあんな速度で歩けたものです。あっという間だったので誰か確認できませんでした。傘を持ってきたのに、外に出ると青空が見えていました。

こんな曲です

「金星」
https://www.youtube.com/watch?v=PyBkzZoMYN4
https://www.youtube.com/watch?v=mp5gksq_OEI
https://www.youtube.com/watch?v=tmBoyMgFMpM

「木星」
https://www.youtube.com/watch?v=T0Fx24Xzc3U
https://www.youtube.com/watch?v=MhHwr1tLrrY
https://www.youtube.com/watch?v=Nz0b4STz1lo

「海王星」
https://www.youtube.com/watch?v=ZQQGi4gN6gI
https://www.youtube.com/watch?v=oFMXNUHuWug
https://www.youtube.com/watch?v=JnemonlWKjU

Special (Vn, P, Org, and heavy metal)
https://www.youtube.com/watch?v=hKq8xsUr5dA
https://www.youtube.com/watch?v=aQwq5s9zKN4
https://www.youtube.com/watch?v=9vV_WGa0gK8
https://www.youtube.com/watch?v=BHANdi0IbPY

平原綾香
https://www.youtube.com/watch?v=K7rob0JVlfE

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2018年9月20日 (木)

やぶにらみ生物論113: 視葉の構造と機能

昆虫の網膜はまるで芸術作品のようで、とても遺伝子によって作られたとは思えないくらい精細で美しい構造をしています(図1、参照1の文献より)。水波誠の著書によると、神経解剖学の父といわれるカハールは昆虫の網膜をスケッチして「鳥類や高等哺乳類の網膜などは粗末で、哀れなほど初歩的に見える」と述べたそうです(2)。

その一つの理由は昆虫の体のサイズの小ささにあり、このことによって感覚器や脳神経系のサイズも小さくせざるを得ず、必然的に集積度の高いパーツを作らざるを得なくなったのでしょう。図1のミツバチのように、昆虫は複眼で得られた情報を視葉で処理し、さらに前大脳(中心複合体やキノコ体を含む)に集積して行動を決定します。

A_11


しかし昆虫はあまりにサイズが小さいため、個々の軸索を特定して電極を挿入し、研究を進めて行くには適していませんでした。そこでハートラインらは代わりに、同じ節足動物で複眼を持つカブトガニを材料として研究することにしました。カブトガニは大きい個体だと体長が数十センチにもなり、かつ神経細胞も大型なので、昆虫よりはるかに取り扱いは簡単です(図2)。

カブトガニはカニという名が付いていますが、触角もハサミも持たず、図2のようにクモやサソリに近い節足動物です。一対の複眼の他にいくつかの単眼を持っていますが、ここでの主題は複眼についてです。

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カブトガニの網膜を構成する視神経の軸索は1本1本解剖によって分離識別できたので、それぞれに電極を差し込み、光を照射したあとの反応を測定できました。

それぞれの神経細胞は網膜で受け取った光の強さに応じて、高頻度のパルス(放電)を発生します。複眼の中のある個眼だけに光を当てた場合が図2の上下の図AaloneおよびBalone で、それぞれ1.5秒に53回と46回のパルスを発生しています。ところが両者に光をあてると、Aは43回、Bは35回にそれぞれパルスの頻度が低下しました(3、図3)。

A_13

つまりそれぞれの神経細胞は相互に抑制し合う(mutual inhibition)という性質を持っていました。この抑制作用は一秒当たりのパルスが8~10回以上になると発生し、パルスの頻度が増すほど強くなることがわかりました(3、図4)。

これは生化学におけるフィードバック制御と似ていて、ある反応が過度に進行するのを防ぐのと同じような省エネあるいは安全装置の役割を果たしていると思われます。

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しかし生化学のような溶液中の反応と違って、パルスの場合は固定された位置で発生する現象なので、違った効果も発生します。

例えば仮に細胞が1秒間に10回以上パルスを発生すると抑制作用を発動するとします。図5の中央の赤い細胞は強い光刺激を受けて1秒に10回パルスを発生し、まわりの灰色の細胞はそれよりやや弱い刺激で1秒に8回パルスを発生したとします。

10回パルスを発生した赤い細胞は連結する周囲の細胞に抑制作用を発動し、8回パルスの灰色細胞は抑制作用を発動しません。そうすると赤細胞の周辺にある灰色細胞が抑制作用を受けてパルスの回数を減らすことになります。仮に6回に低下したとすると、10:8だったコントラストが10:6になり、中央の赤細胞の信号が際立って明瞭になるという結果になります。

もちろん実際には関わる細胞も多数となり、こんなに簡単な話ではありませんが、ハートラインらは数式で結果を表現していて(3)、それは現在でも正しいとされています。

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つまり網膜に軸索を延ばす細胞は、まるでフォトショップによる画像補正のようなことをやっていることになります。これがまさに視葉という脳のパーツがやっている仕事のひとつです。このような現象を解明したことなどの功績を讃えられ、ハートラインは1967年度のノーベル生理学医学賞を受賞しました(3)。カブトガニを使った実験の方法については、ビデオによる解説もあります(4)。

昆虫の視葉は冒頭に記したカハールの言葉のように、神経細胞が整然と並べられた美しい構造になっています(5)。志賀向子氏のルリキンバエ網膜・視葉のプレパラートが素晴らしく、感動してしまいました(図6)。図6のように視葉はラミナ・メダラ・ロビュラ・ロビュラプレートの4つの組織で構成されています。情報の流れは網膜→ラミナ→メダラ→ロビュラ・ロビュラプレート→脳の中心部となっています。

A_16

ラミナでは画像の鮮明化を行ない、メダラでは動画の解析を行なうようです。複眼は図7(6、7)の走査電子顕微鏡写真のようにハニカム構造をとっています。ですから隣接する各個眼の情報を時間軸で比較すると、6つの方向のうちどちらに物体が動いたかを知ることができます(2、8)。

メダラではこの他に色彩の情報処理が行なわれるようです(2、8)。ロビュラプレートではより広範囲な動きについて解析し、ロビュラでは物体の構造認識などを行なっているようですが、まだ未知の部分も多いようです。

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複眼の中の個眼を1画素と考えると、ハエは6000画素、ミツバチは4000~5000画素、トンボでもせいぜい2万数千画素で(9)、最近のカメラは1000万画素以上ですから、昆虫の複眼は決して高解像度を誇れるものではありません。しかし人間と違ってたいていの昆虫は飛翔します。たとえばハエは1秒間にその体長の250倍も飛翔するそうです(2)。これは身長1.7mの人に換算すると時速1530kmで音速より早くなります。したがって彼らにとって重要なのは、障害物にぶつからず飛翔すること、捕食者やハエたたきから逃れることなどで、そのためには解像度より動体視力の方が圧倒的に重要です。実際昆虫はピストルの弾が見えるそうです(10)。

私達が車を運転していると、景色は前方から後方へ流れていきますが、足許の道路やまわりの建物は高速で流れていくのに対して、山や空の雲はゆっくりと移動します。ハエのロビュラプレートには個々の物体は認識しないで、このような走行(飛行)中の「景色の流れ」を解析するためのニューロンが約60個あり、色々な方向に転回しながら飛行しても直ちにいわゆるオプティカルフローのパターン認識ができるようです(2)。

ミツバチは様々な図形を認識できることがわかっていますが、興味深いのは人間と同じくカニッツァの3角形(図8)を錯視することです(線が引いてないのに中央に白い逆3角形がみえる)。ファン・ハテレンらのグループは、3角形ではありませんが長方形を使ってミツバチが人と同様な錯視を行なうことを綿密な実験で確かめました(11、図8)。このことは複眼でみているミツバチと単眼でみているヒトが、脳で同じような情報処理を行なっていることを示唆しています。

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参照

1)ミツバチの解剖学 The Anatomy of The Honey Bee
http://honeybeeanatomy.blogspot.com/2012_10_01_archive.html?view=magazine

2)水波誠「昆虫-驚異の微小脳」中公新書1860(2006)

3)Haldan Keffer Hartline, Visual receptors and retinal interaction
Nobel Lecture, December 12, 1967
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/1967/hartline/lecture/

4)https://www.jove.com/video/1384/?language=Japanese

5)志賀向子 ルリキンバエの視葉 Optic Lobe
https://invbrain.neuroinf.jp/modules/htmldocs/IVBPF/Fly/Fly_optic_lobe.html?ml_lang=ja

6)テクネックス タイニーカフェテラス
http://www.technex.co.jp/tinycafe/discovery44_05.html

7)タイニーカフェテラスのホームページ
http://www.technex.co.jp/tinycafe/

8)無脊椎動物脳プラットフォーム  視葉 Optic lobe
https://invbrain.neuroinf.jp/static/moth/optic_lobe.html
https://invbrain.neuroinf.jp/modules/htmldocs/IVBPF/General/optic_lobe.html

9)松縄正彦 Markの部屋
http://markpine.blog95.fc2.com/blog-entry-92.html

10)東工大 Science Techno
https://www.t-scitech.net/history/kitchen/goki/page03.htm

11)J. H. van Hateren, M. V. Srinivasan and P. B. Wait,  "Pattern recognition in bees: orientation discrimination,"  Journal of Comparative Physiology vol. 167 (5) : pp. 649-654 (1990)
https://core.ac.uk/download/pdf/12926215.pdf

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2018年9月15日 (土)

サラとミーナ206: ミーナはなぜこんな場所に

Img_2605妙なところに陣取っていると思うかもしれませんが、ミーナがここにいるのには理由があります。

ここはわが家の中心で、洗面所やトイレも含めて家人やサラがどこにいるか把握することができる唯一のポジションなのです。もちろん私の外出は見逃しません。

サラは動かないもの、たとえば家具や箱や紐などが位置を変えたり、新しい物品が現われたりするとチェックするのですが、家人やミーナがどこにいようと全く気にしません。

一方ミーナは物品には余り関心が無く、家の中の探索などはしませんが、一方で人やサラには常に注意を払っています。

これはサラとミーナが大いに違うところです。

私は最近思うのですが、性格の違いによって人を好きになったり嫌いになったりするというのは、当然のようでいて本当はそうでもないのではないでしょうか? 


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2018年9月12日 (水)

失われた名前 by マリーナ・チャップマン

Imga

Imgb「サルとともに生きた」というタイトルは翻訳者による意図的な誤訳であり、本当のタイトルは、写真の英文タイトルからわかるように「サルに育てられた」です。

その本来のタイトルからは驚愕の内容が予想されますが、読んでみると非常に考えさせられる内容で、心に残る本でした。

「失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語」
2013年 駒草出版     マリーナ・チャップマン (著), 宝木多紀 (翻訳)         

著者は5才から10才までの間、サルの教育を受けて、サルと共に行動し、ジャングルの中で生き延びました。

特に印象に残った一節を引用させてください:

「彼ら(サル)の感情はとても繊細で複雑だった。そのニュアンスの一つひとつに、私は人間の感情と同じものを感じた。謙虚や高慢、降伏や防御、嫉妬や賞賛、怒りや喜びといった、あらゆる感情を持ち合わせていた。彼らとの関わり方を会得すると、寂しいのか、孤独なのか、愛情に餓えていて抱きしめて欲しいのか、それとも挑発しているのか、干渉したいのか、彼らの気持ちが手に取るようにわかった」
引用終了 (  )内は管理人の註

私もイオンとコンサート以外はほとんど2匹のネコと生活しているので、著者の気持ちの何分の1かはわかります。

森林に人間が侵入してきたときに、森の生物が受ける圧倒的な恐怖感には震えました。やはり人間は最も凶暴な生物です。それでも著者は森から離れ、人の社会に復帰するという道を選びました。それは人間の脳に潜む強い好奇心なのでしょう。

それからの何年かは、人という生物がサル(ナキガオオマキザル)に比べていかに邪悪かということを、これでもかこれでもかと思い知らされる悲惨な生活でした。かてて加えて2度もの致命的危機を奇跡的に乗り越え、晩年になって多くの人々の協力でこのような書物を出版できました。

この本は自然から人への最後の警告のように思いますが、私はヒトのテンペラメントは結局変わることはなく(何しろ国家指導者がプーチン、トランプ、習近平、晋三などという連中ですから)、100年後には地球の支配者をAIに取って代わられるような気がします。またその方がよいのではないかと思うようになりました。

序文
プロローグ
第1部 ジャングル
第1章 誘拐
第2章 緑の地獄
第3章 無数の目
第4章 サルまね
第5章 生きる術
第6章 グランパ
第7章 群れの一員
第8章 鏡のかけら
第9章 生む女
第10章 人間の集落
第11章 心の家族
第12章 襲来
第13章 離別
第2部 人間の世界
第14章 後悔
第15章 悪夢の旅
第16章 カルメン
第17章 忍従の日々
第18章 人間の暮らし
第19章 警告と事故
第20章 逃走
第21章 路上生活
第22章 チャンス到来
第23章 ギャングリーダー
第24章 犯罪一家
第25章 秘密の友だち
第26章 脱出
第27章 修道院
第28章 壁の外へ
第29章 未来への試験
第30章 私の名前

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2018年9月11日 (火)

堕落した報道ステーション-トリチウムの放出

Pic11今日報道ステーションで福島第一原発で保管しているトリチウム水を放出する必要があるというプロパガンダをやっていたのには驚きました。漁民がまるで放出水は全く安全で風評被害だけを心配しているように報道しているのには非常に落胆しました。あの保管水は安全ではありません。

これは非常に悪質な世論誘導です。

まず保管しているのが純粋なトリチウム水であるかのような報道ですが、フィルターで他の核種をすべて取り除けるはずもなく、実際に東電がそうではないことを発表しています。

「東京電力によると2017年度に汚染水浄化後の測定で、ヨウ素129が1リットルあたり62ベクレル検出され、排水基準値の9ベクレルを上回っていた。他にも排水基準値以下だが、ルテニウム106やテクネチウム99も検出された。」

2018年8月19日、共同通信「基準値超の放射性物質検出、トリチウム以外」
http://www.foocom.net/column/shirai/17224/

基準値を上回ったデータもあると報道されています(東京新聞)。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018081901001549.html

確かにトリチウムの放射線はガラス・紙などで遮蔽できます。ですからタンクに接近しても害はありません。

しかし分子レベルの距離では強い破壊力を持ってDNAなどを破壊します。トリチウムはタンパク質・脂質・DNAなどあらゆる生体物質にとりこまれるので、その害は計り知れません。

それだけではなく、トリチウムは下記の様に、ベータ線を放出してヘリウムに変わります。生物のDNAの2重鎖は水素を媒介としたゆるい結合を行っているということは、分子生物学の一丁目一番地です。

{}^3_1\hbox{H}\  \xrightarrow[12.32\ years]{\beta^-\ 18.6\ keV}\ {}^3_2\hbox{He}^++\hbox{e}^-+\overline{\nu}_{\hbox{e}}

このようにして放射能を持つトリチウムが安全なヘリウムに変わったとたんに、その部域のDNAが壊れて、突然変異が発生する恐れがあるというのがトリチウムの特異な毒性です。

トリチウムの害
http://nucleus.asablo.jp/blog/2013/05/04/6799143
http://nucleus.asablo.jp/blog/2013/05/04/6799155
http://tabemono.info/report/former/genpatu5.html
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-895.html

原子力規制委員会の委員に生物学者はひとりもいません。

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2018年9月10日 (月)

やぶにらみ生物論112: 背と腹

私達が所属する脊椎動物などの後口動物(deuterostome)では中枢神経系が背側にあるのに対して、昆虫などの前口動物(protostome)では中枢神経系が腹側にあります(図1)。

A_8


この相違について、19世紀にフランスでジョルジュ・キュヴィエとジョフロワ・サンティレール(図2)の論争があり、キュヴィエは両者のボディープランが根本的に異なるとしたのに対して、ジョフロワは裏返っただけで両者は同じボディープランだと主張しました。この論争は西欧ではかなり有名らしく、私は未読ですが本まで出版されています(1)。キュヴィエが優勢だったようですが、ゲーテは持論の「Urform=原型」からすべての動物が生まれたという思想からジョフロワを支持しました。図1の上段の図はある種のUrformです。

A_9

この論争に決着をつけたのは、あの自殺した理研の笹井芳樹らでした(2)。デ・ロバーティスと笹井(図3)はマウスとショウジョウバエという系統的にかけ離れた種において、ボディープランを決定する遺伝子、特に前後軸を決定するHox遺伝子クラスターや背腹軸を決定するSog/Dpp遺伝子に共通点が多いことから、これらは進化的に保存されたものであるとし、後口動物と前口動物の共通祖先としてウルバイラテリア(urbilateria)を想定しました(2、3、図1-左右相称動物の基本型)。キュヴィエ-ジョフロワ論争から言えば、彼らはジョフロワの亡霊をよみがえらせたというわけです。

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彼らのグループは実際にショウジョウバエとアフリカツメガエルのSogとChordinのmRNAには互換性があることなどを実験的に確認しています(4)。口と肛門が同じ扁形動物に所属するプラナリアが脳を持つことを考えると、ウルバイラテリアがすでに中枢神経系を保持しており、後口動物または前口動物が分岐したときに位置がひっくりかえったということは納得できる説明だと思います。

動物が初期発生の頃、基本的な形態形成を行なうための場を形成する分子群は数百以上あるでしょうが、なかでも重要な役割を果たしているのはBMPとその関連因子です。Sog、Chordin、Dpp、BMP4などもその中に含まれています。

BMPを最初に見つけたのはカリフォルニア大学の整形外科医だった Marshall R. Urist (5、図3)で1965年のことでした。もともとは骨の増殖促進因子として発見されたので、bone morphogenetic protein などという名前がつけられましたが、実はこの因子は生理的には骨形成と直接の関係はなく、もっと広汎な作用を持つ因子だということが後に判明しました(6)。

BMPには多くの分子種がありますが、いずれもTGF-βスーパーファミリーに属する分子であり、BMPという名前が付いていなくても関連する分子もあります。このブログでも以前にリストを提供しています(7、図4に再掲)。またBMPをリガンドとする情報伝達系についても若干の記述を行ないました(7)。

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図1または図5でわかるように、基本型からみると後口動物はそのまま中枢神経と消化管の位置関係を保存しており、一方前口動物ではそれらが頭部近傍の1ヶ所でクロスしていることがわかります。すなわち後口動物こそが伝統的なボディープランを維持しており、前口動物は変異体から発展したグループであるという考え方がわかりやすいと思います。

図5をみると節足動物のSOGと脊椎動物のChordinはホモログであり、いずれも中枢神経を誘導する機能に互換性があることが証明されています(4)。ただ初期発生の頃に、節足動物のSOGは腹部に発現し、脊椎動物のChordinは背部に発現するという違いがあります。この発現位置を決める遺伝子の変異によって、位置が逆転したと思われます。このほかに腹背の特徴を制御するDPPとそのホモログBMP4の発現位置も節足動物と脊椎動物では逆転しています(図5)。

A_12


Chordinはシュペーマンとマンゴルトのオーガナイザー(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2464568/)の分子的実体だと注目されましたが、それが本当かどうかは微妙です。初期発生における3軸(前後・腹背・左右)の決定には3次元的に多数の因子が関わっており、人間の知能ではごくおおざっぱにしか把握できなのではないかと思われます。おそらくスーパーコンピュータに数値を入れると、答えが返ってくるというような課題ではないでしょうか。

それはそれとして、Chordinの作用機構についてはかなり解明されているようです。Chordinは分子量約12万ダルトンのかなり大きめのタンパク質で、分子内に4つのシステインリッチドメインを持っていることが特徴です(8、図6)。

ChordinはTsgというタンパク質と結合しているBMPをトラップし、本来細胞膜のBMP受容体に結合すべきBMPを隔離するという作用を持っています。つまりChordin自体が背側誘導のカスケードを起動するのではなく、BMPが起動する腹側誘導カスケードを阻害することによって、結果的に背側を誘導するということです(9)。

A_13

BMPは様々な形態形成過程で重要な役割を果たすので、いつまでもトラップされていては困ります。BMPをChordinから解放するために、Tolloid というメタロプロテアーゼが用意されています。このタンパク質分解酵素はChordinを切断してBMPを解放します(図6、図7)。

ここでCrossveinless2というタンパク質が興味深い役割を果たします。これがないとショウジョウバエの翅脈がうまくできないというのが名前の由来です。このタンパク質は細胞膜から突き出した糖鎖に結合しており、システインリッチドメインを介してChordin-BMP-Tsg複合体に結合します(10、図7 のピンクで記してある cystein rich domein と CR1)。

したがってCrossveinless2を特定領域に密集させておけば、Chordinが分解されたときに高濃度のBMPが放出されて、効率よくBMPカスケード(BMP→BMP受容体→Smad複合体→転写)を起動できることになります(10)。

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前にも述べたように、腹背軸の決定などの初期発生における3軸決定には多くの因子がからんでいるので、上記のような単純な理論はひとつの切り口に過ぎず、他の側面からも見る必要があります。

たとえば三品はBMPシグナルとFGFシグナルが競合的に働くことで中胚葉誘導時の中胚葉の背腹パターンを制御しているというモデルを提唱しています(6)。


参照

1)Tobey A. Appel, The Cuvier-Geoffroy Debate. French Biology in the Decades Before Darwin., Oxford University Press (1987)
https://global.oup.com/academic/product/the-cuvier-geoffroy-debate-9780195041385?cc=jp&lang=en&

2)De Robertis EM, Sasai Y.,  A common plan for dorsoventral patterning in Bilateria. Nature 380: 37–40. (1996)
https://www.nature.com/articles/380037a0

3)秋山(小田)康子、小田広樹: なぜ今、クモなのか?胚発生が描く進化の道すじ、生命誌ジャーナル 2004年秋号
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/042/research_21.html

4)Scott A. Holley, P. David Jackson, Yoshiki Sasai, Bin Lu,  Eddy M. De Robertis, F. Michael Hoffman, Edwin L. Ferguson., A conserved system for dorsal-ventral patterning in insects and vertebrates involving sog and chordin. Nature volume 376, pages 249–253 (1995)
http://www.nature.com/articles/376249a0

5)Marshall R. Urist, Bone: Formation by Autoinduction., Science, Vol. 150, Issue 3698, pp. 893-899 (1965) DOI: 10.1126/science.150.3698.893
http://science.sciencemag.org/content/150/3698/893

6)三品 裕司 BMPシグナルの多彩な機能——初期発生から骨格形成まで Journal of Japanese Biochemical Society vol. 89(3):  pp. 400-413 (2017) doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890400
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2017.890400/data/index.html

7)初期発生と情報伝達1
http://morph.way-nifty.com/lecture/2018/01/post-8af9.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2018/01/post-4d71.html

8)Juan Larraín, Daniel Bachiller, Bin Lu, Eric Agius, Stefano Piccolo, and E. M. De Robertis., BMP-binding modules in chordin: a model for signalling regulation in the extracellular space., Development. vol. 127(4):  pp. 821–830 (2000)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2280033/

9)The chordin page.
http://www.hhmi.ucla.edu/derobertis/EDR_MS/chd_page/chordin.html

10)Catharine A. Conley, Ross Silburn, Matthew A. Singer, Amy Ralston, Dan Rohwer-Nutter, David J. Olson, William Gelbart and Seth S. Blair1, Crossveinless 2 contains cysteine-rich domains and is required for high levels of BMP-like activity during the formation of the cross veins in Drosophila., Development, vol. 127, pp. 3947-3959 (2000)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10952893

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2018年9月 7日 (金)

サラとミーナ205: 邪魔しないで!

Img_2600

サラが例によってグラブを枕に寝ていたところにミーナが乱入し、舐め合戦が始まりました。舐め合戦というのはネコ特有なのでしょうか? イヌではみたことありません。

好意と敵意がまじりあった不思議なゲームです。舐められるのに耐えられなくなった方が立ち去るのが掟。誰も負傷しません。

そんなときにカメラを向けると、せっかくのゲームを中断してしまうのがサラとミーナ。そんなにカメラを意識しなくてもいいのにと思いますが、意識しちゃうんだよね。

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2018年9月 4日 (火)

バルサレポート18-19: 開幕3連勝はしたけれど

Braugrana18-19シーズンに突入して3試合が終わり、バルサは”運良く”3連勝です。ここから見えてきたことは何か?

デンベレが自由を与えられて、縦横無尽に活躍できるようになりました。今年は攻撃のキーマンがメッシからデンベレに移行する年になりそうです。私はメッシを引き継ぐのはコウチーニョだと思っていたので、意外な展開でした。

コウチーニョは前でデンベレが動き回るので、自分のペースでサッカーができず、どうしたらよいのかわからないような状態でしたが、3戦目でようやく少し連携の芽がでてきたように見えたので、これからどうなるか注目です。コウチーニョ ← soccer → デンベレがこれからのバルサの生命線になりそうです。

バルサにとって最大の課題は両SBです。右サイドをセルジにやらせると、彼はもともとMFでSBは素人。帰りが遅れてアルバがカバーに走るというシーンも何度かありました。そのアルバも攻撃参加は日常なので、ウェスカのようにカウンターのときにどっと人数かけてくる相手だと、ゴール前でバルサが数的劣位になることもしばしばです。上位のチームにこれをやられると、もちそうにありません。

私はセメドを起用して、2列目の右はセルジとラキが相手関係や疲労度を測って交代で勤めれば良いと思います。右サイドもこうした難しい問題をかかえていますが、左サイドはさらに深刻です。ディニュを放出したため、アルバ一人となって、彼が故障したらどうしようもありません。MFは余るくらい補強して、左SBは補強無しです。

アルバ故障の際はBチームから連れてくれば良いと考えているようですが、そのBチームにも左SBはミランダひとりしかいないので、急場は凌げても苦しくなることは目に見えています。スペイン代表からアルバを外したのは、そういった事情を考えてルイス・エンリケが配慮してくれたと思いますが、そんな忖度をしてもらうほど落ちぶれちゃいけませんね。アルバのバックアップはきちんと準備しておかないとね。

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2018年9月 1日 (土)

A favorite photograph --- まきちゃんぐ

Photo

「ハニー」
デビュー曲だそうです。歌詞が強烈すぎるけれど、これがまきちゃんぐ。
独特のグルーヴ感。
https://www.youtube.com/watch?v=FTWraGxrgRs
https://www.youtube.com/watch?v=rZF2dE6GdGA

「鋼の心」
青い鳥という映画の主題歌。私は残念ながら見ていませんが、耳に残るメロディーですし、歌詞もインパクト強いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Rt7qFfmBmq8
https://www.youtube.com/watch?v=uYpaQ33ADz8

「愛と星」
ドラマ「でかわんこ」の主題歌だそうですが、このドラマも見ていません。まきちゃんぐにしては穏やかなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=XI468c7Hlxk

「愛の雫」
まきちゃんぐらしいアイロニーや毒素もたっぷりですが、あまりにも美しいメロディーに溶解して、すべてが包まれる曲。
https://www.youtube.com/watch?v=ESAqbWBsPjQ

「満開」
あなたの手足は何のために生えている・・・という言葉は「らしさ」ですね。これは自分へのがんばれソングなんだろうね。
https://www.youtube.com/watch?v=JqFf8cU2dBk

「赤い糸」
強烈に歌い上げるバラード。まきちゃんぐがライヴで全力投球で歌うと、ホール全体が恐ろしいほどの緊張感でつつまれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X9F7Qgr9QE4

中島みゆきの「夢だもの」をまきちゃんぐがカバー。
https://www.youtube.com/watch?v=hgpeMBRxbdU

私のフェイバリットはアップしていないようです。

でも「雨と傘と繋いだ手」はカバーしている人がいました。
https://www.youtube.com/watch?v=-O_URAYHK5Q

「木漏れ日の中で、夏」はさがしましたが、みつかりませんでした。
CD「ハナ」を買いましょう。
1曲ダウンロードもできます。
http://recochoku.jp/song/S1006149449/

オフィシャルHP:http://makichang.info/

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2018年8月29日 (水)

やぶにらみ生物論111: 体節形成と進化

原始的な生物で口と肛門がおなじという場合もありますが、口と肛門が別個にある動物は、前後については対称形にはなれません。前は口で後ろは肛門です。左右や上下は対称形になることができます。

さまざまな動物門の基本型はカンブリア紀の初期またはそれ以前に形成されていたと考えられますが、カンブリア紀に食うか食われるかの捕食ヒエラルキーがはじまると、頂点に君臨する動物以外は、守るか、逃げるか、隠れるか、強い繁殖力をもつか、など生き残るための特別なストラテジーを必要としました。そのためにさまざまな形態的バリエーションが生み出されました。

守るために上下の対称性を放棄して、背中に棘をつけたり甲羅をつけたりする者が現われましたし、逃げるには上手に高速で泳ぐ必要があります。海底の様々な地形に対応して隠れるには脚が便利かもしれません。

ここでひとつ見逃してならないのは体節が形成されたことです。頭と肛門の部分はそれぞれ別仕立てになるのは仕方ありませんが、中間部分は消化管と神経を通せば良いだけなので、同じ構造をリピートさせて体長を伸ばすというのは一つのアイデアです。

長い体は、かみ切ることができない生物のエサにはなりにくく、また体が小さい生物のエサにもなりにくいという利点があります。岩陰の迷路を進むこともできます。ただそうは言っても体節形成がカンブリア紀における弱肉強食社会への対応の結果かというと、それは必ずしも正しくないような気もします。

体節という構造を採用した動物門(黒字)と、採用しなかった(または放棄した)動物門(赤字)を図1に示しました。

A_15


体節を採用しなかった(または放棄した)生物群の代表は軟体動物です。体節を採用するしないは知能の高低とは無関係です。軟体動物の中でも貝類は自前のシェルターに隠れて生活するという道を選んだので、高度な知能は必要としませんでしたが、自由生活を選んだ頭足類などは高度な知能を発達させました。

体節形成はB点で起こったと考えるのは可能です。線形動物は体節を持ちませんが、いったん獲得した形質を失うのはひとつの遺伝子変異でも可能なので、不思議なことではありません。ただそれならA点で起こったという考えも成り立ちます。実際軟体動物の中でもヒザラガイ(多板綱)のグループは体節を思わせる背板をもっています(2)

私達脊索動物も、後に述べるように体節構造を持っています。これはC点で獲得したものなのでしょうか? 脊索動物はすでにミロクンミンギアやピカイアなどがカンブリア紀から存在していました(1)。したがって体節形成の基本様式はすでにA点で完成しており、以後の体節を持たないすべての生物群は、遺伝子変異などでその機構をうしなった結果と考えることも可能でしょう。

扁形動物はA点直前に分岐したのではないでしょうか。プラナリア(扁形動物)の神経系を腹側から見せた免疫染色の写真を阿形氏がアップしていますが(3、図2)、これをみると筋肉や皮膚が体節化する前に、神経がある意味体節化している状況がよくわかります。見た目環形動物の神経系より「はしご状神経系」というネーミングがふさわしいように思われます(図2)。これは単なる想像ですが、神経系をはしご状に構築した遺伝情報が、体節形成の契機になったのではないかと想像させられます。

環形動物では体節ごとに神経節が形成され、体節ごとに付属する脚などの動きや感覚を統御する役割を果たしています。そしてそのような機構は節足動物にも引き継がれています(図2)。

A_16

私達が所属する脊索動物門と、イカ・タコ・貝類が所属する軟体動物門は非常に離れた分類群で、どちらも5億年以上前のカンブリア紀から存在しています。脊椎動物にも匹敵するような高度な知能を持つ頭足類(イカ・タコなど)も、はやくもカンブリア紀に棲息していたとされています(5、6、図3)。この古代の頭足類はネクトカリスという生物で、何しろ名前が「泳ぐエビ」という意味ですから、当初節足動物だと誤認されていたくらい原始エビ的な風貌です。この生物に体節がある(5)とすると、図1のA点で体節が形成されたという説が信憑性を帯びてきます。

図3のネクトカリスは現在の頭足類と同様漏斗(ジェット水流を任意の方向に噴き出して推進力とする)をもち、頭に2本の足が生えています。貝殻はもっていないようです。これは頭足類の研究者にとっては驚きでした。もともとは原始的頭足類がもっていた貝殻が退化して、現在のイカ・タコとなったと考えられていたからです。

現在でも痕跡的な貝殻を持つイカがいます(7)。英語では貝殻を持つイカは cuttlefish、 持たないイカは squid です。私的には、貝殻もさることながら、ネクトカリスに体節の痕跡があるかどうかに興味があります。

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頭足類の脳は昆虫の脳と同様、部分的には私達の脳よりすぐれているところがありそうです。タコの脳神経系には5億2千万個の神経細胞があると報告されています(8)。ジョン・ヤングによって描かれたタコ脳のスケッチ(9、図4)をみると、視葉が著しく大きく(細胞数6千5百万x2)、脳本体(細胞数4千万)をはるかに凌駕しています。さらに特徴的なのはこれらを足しても1億7千万で、残りの3億5千万個の神経細胞は末梢に存在することです(9)。

ブデルマンによると、これは足と吸盤を操作するためとのことです(9)。確かに8本の足を整合性を持って動かすというのは私達人間には想像を絶する複雑な行為です。

単に本数が多いというだけでなく、彼らには骨や関節がありません。私達の腕や足には骨と関節があるので、動きはデジタル的となり、タコに言わせれば驚くほど単純な動きしかできません。たこの足は任意の位置で曲げられますし、ヒモのように何かに巻きつけることもできます。吸盤を個別に機能させることもできます。彼らはこのような複雑な動きを、各足の神経節で独自に判断して実行することもできますし、脳による統制のもとで、すべての足を協調させて泳ぐなどの行動もできます(10、11)。

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タコに利き腕・利き足があるという話まであります(12)。ヒトや馬は手(前足)が右利きなら足(後ろ足)も右利きのようですが、タコはいったいどういうことになっているのでしょうか?

ちょっと寄り道が長くなりましたので、元の体節の話に戻りましょう。体節形成の分子機構についてはマウスでかなり研究が進んでいて、FGF、Mesp2、Notch、Tbx6などの制御因子がみつかっていますが、まだまだ教科書に記述するにはほど遠い感じがします(13)。

体節形成が生物にとって本当に重要であるかどうかはわかりません。現にタコやイカに体節はありませんし、私達の体も見かけ上は体節はなく、退化途上にあるのかもしれません。ただ環形動物・節足動物・脊索動物などの共通の祖先が体節を発明して、それを今生きている様々な生物がさまざまな形で引き継いでいるのでしょう。なかでも基本型をそのままに近い形で引き継いでいると思われるのがゴカイとムカデです(図5)。

図5は tree of life web project のものです (14)。ゴカイの図をみていただきますと体節は尾節から発生し、古い体節の順に前に押し出されます。ですから頭部に一番近い体節は、発生の過程で早期に形成されたことになります(図5)。

ただ頭部近傍には尾節から形成されたものではない体節らしき構造があり(赤で示した部分)、これは頭部から独自に形成されたものと思われます。ムカデも体節はそれぞれワンペアの足をもつ構造の繰り返しで基本型ですが、頭部は複雑に分化していることがわかります(図5)。

A_19

ヤスデにもムカデと同様明瞭な体節がみられますが、重要な違いがあります。それは一つの体節に2ペアの脚が生えていることです(図6)。これはふたつの体節が進化の過程で融合したためと考えられています(15)。

ヤスデは脱皮する度に体節が増えて体調が長くなります。図6のヤスデは脚が618本もありますが、どうしてこんなに体長が長くなるのかがわかりません。途中で切れてしまったらプラナリアのように再生するのかというと、それはできないようです。この様な奇妙な生物ですが、ヤスデは落ち葉を食べて栄養豊富な土壌をつくる役割をはたしているので、生態系のなかでは重要な生物です。

ヤスデの形態を詳しく見ていくと、実は頭部に続く3つの体節では脚がワンペアだということがわかります(図6)。昆虫の場合、頭部に続く3つの体節は胸部という特殊な構造になるわけですが、ヤスデの場合と関係があるかどうかはわかりません。ヤスデやムカデが属する多足類の生物は、昆虫に先立ってシルル紀には棲息していたと考えられています。

A_20

図7は「MASA ラボ---鸚鵡(オウム)の会議は白昼夢」から引用させていただきました(16)。扁形動物が分岐して以降、動物は体節を獲得し、その基本型となる図7左図1番上のようなシンプルなボディプランの生物から、さまざまな生物が派生してきたと考えられますが、昆虫は進化の過程で最前部から数個の体節が特殊な分化を行なって、触角、眼、顎、中枢神経系などを形成しました。さらに脚は頭部の後方3体節(胸部)で計6本のみで、腹部の脚は退化しました(図7)。このあたりの事情は前稿トビムシのところで記しました(19)。

さらに革命的だったのは、頭部に続く3つの体節から羽が生えたということです(17、18、図7)。昆虫はデボン紀には誕生していましたが、羽のある昆虫がみられるようになったのは次の石炭紀です(20、図7)。

A_21

石炭紀の中期には羽が4枚の、現在とほとんど同じ形態の昆虫が出現しました(図8)。当時は酸素濃度が高く、血管系を持たない昆虫にとっては住みやすい時代でした。図8のメガネウラ(オオトンボ)などの仲間には、翼開長70センチメートル前後の史上最大の昆虫の化石もみつかっています(21)。

ウィキペディアによると「これら原蜻蛉目のトンボは、その原始的な翅の構造(翅脈も単純である)から、現生トンボ類に見られるようなホバリングの能力はなく、翅を時折はばたかせながら滑空していたと考えられる」だそうです。

A_22


脊索動物あるいは後口動物の体節形成の歴史は謎です。なにしろピカイアはカンブリア紀にすでに繁栄していたのですから、それ以前が問題ということになって、今のところ雲をつかむようなお話です。

脊索動物の体節は、脊索に沿って両側にある中胚葉が分節して発生します(22)。現在の知識では、すべての体節形成はクロックアンドウェイヴフロント (clock and wavefront)
理論によって説明できることになっています(23-25)。とはいえ関与する因子は生物によって異なるので、多くの生物でそれらを調べることによって体節形成の進化も明らかになってくると思われます。

いずれにしても、脊索動物にとっても各体節から神経が決まった臓器や組織に連絡していることから、脳神経系にとって体節はきわめて重要な意味を持つことに変わりはありません(図9)。このことはいずれ後に、別の記事で取り扱うことになると思います。

A_23

脊椎動物は体節形成でひとつの新機軸を生み出しました。それは体節中胚葉が真皮と筋肉以外に、硬節から脊椎骨を形成して、神経を被覆することによって脊椎と脊髄を生み出したことです(26、図10)。このことは、脊椎動物がそのはじまりから食うか食われるかの生存闘争に明け暮れた生活を送っていた-すなわち肉は切らせても中枢神経系は守りたい-ことを示唆するのではないでしょうか?

A_24

参照

1)https://en.wikipedia.org/wiki/Myllokunmingia

2)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E6%9D%BF%E7%B6%B1

3)http://www.jsdb.jp/leaders/post-15.html

4)日本大百科全書(ニッポニカ) 集中神経系

5)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%B9

6)Smith, M. R. and Caron, J. B., Primitive soft-bodied cephalopods from the Cambrian., Nature vol. 465 (7297): pp. 469–472. (2010)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20505727?dopt=Abstract

7)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%AA%A8

8)Young. J.Z. (1963) The number and sizes of nerve cells in Octopus. Proc. Zool. Soc. London, vol. 140: pp. 229 -254.

9)Budelmann, B.U., The cephalopod nervous system: What evolution has made of the molluscan design., The Nervous Systems of Invertebrates. An Evolutionary and Comparenve Approach, Birkhauser Verlag Basel/Swuzertand (1995)
https://www.researchgate.net/profile/Bernd_Budelmann/publication/270052369_The_cephalopod_nervous_system_What_evolution_has_made_of_the_molluscan_design/links/5a2d935145851552ae7eec3d/The-cephalopod-nervous-system-What-evolution-has-made-of-the-molluscan-design.pdf

10)タコの心臓は3つ!脳みそは9つ!ハイスペックなタコの生体に迫る
https://macaro-ni.jp/34925

11)「海の賢者たこ」 心臓は3つ。脳は9つの超生命体だった!
https://matome.naver.jp/odai/2139056755492819601

12)タコの足、実は8本じゃなくて腕が6本で足が2本
http://digimaga.net/2008/08/octopuss-foot-is-two-the-remainder-is-an-arm

13)国立遺伝学研究所 発生工学研究室 体節形成に関する研究
http://www.mmd-lab.net/research/research02.html

14)Tree of life web project
http://tolweb.org/tree/phylogeny.html

15)https://en.wikipedia.org/wiki/Millipede

16)MASA ラボ---鸚鵡(オウム)の会議は白昼夢
https://plaza.rakuten.co.jp/nakabisya/diary/?ctgy=4

17)Evolution of Insects in terms of the Implicate and Explicate Orders.  Evolution of the flight-function in insects. Part VI.
http://www.metafysica.nl/wings/wings_6.html

18)Palaeodictyoptera
https://en.wikipedia.org/wiki/Palaeodictyoptera

19)渋めのダージリンはいかが: トビムシ
http://morph.way-nifty.com/lecture/2018/08/post-72a8.html
http://morph.way-nifty.com/grey/2018/08/post-d5d4.html

20)デボン紀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%9C%E3%83%B3%E7%B4%80

21)メガネウラ Meganeura
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%82%A6%E3%83%A9

22)体節
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E7%AF%80_(%E8%84%8A%E6%A4%8E%E5%8B%95%E7%89%A9)

23)J. Cooke and E. C. Zeeman, A clock and wave-front model for control of the number of repeated structures during animal morphogenesis. J. theor. Biol., vol.58, pp. 455–476. (1976)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022519376801312
https://pdfs.semanticscholar.org/fed2/243c0ca8faad67d99c5b8e4e128bbfe59196.pdf

24)二反田康秀 体節形成過程における遺伝子発現振動を利用したパターン形成のメカニズム(URLから直行できないので、タイトルで検索して下さい)
https://library.naist.jp/mylimedio/dllimedio/showpdf2.cgi/DLPDFR010645_P1-80

25)小田広樹ら 脊索動物と節足動物の共通祖先を理解する
https://www.brh.co.jp/research/lab04/activity/07.html

26)理科年表オフィシャルサイト 体節のできかた
https://www.rikanenpyo.jp/FAQ/seibutsu/faq_sei_006.html

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2018年8月25日 (土)

グラーフ-都響&スカナヴィ@サントリーホール2018・8・25

Img酷暑がぶり返しましたが、都響定期会員なのでサントリーホールに行ってきました。本日の指揮者はハンス・グラーフ、コンマスは山本さん、サイドはゆづきです。90%くらいの集客です。

その山本さんが音合わせをピチカートでやって爆笑。彼にこんなユーモアのセンスがあったとは!?最初はモーツァルトの交響曲第34番。アーティキュレーション勝負の曲だと思いました。グラーフの見事なコントロールで文句なしの名演。

オーボエが大活躍の曲なのですが、広田氏のオーボエはどう聴いてもオーボエの音にきこえません。この音になってから慣れの問題かなとずっと思ってきましたが、やっぱり慣れません。これでいいと思ってやっているのでしょうが、疑問です。マエストロ・グラーフはいちいちべっとり指をなめてから楽譜をめくるのが非常に気になりました。

2曲目はサン・サーンスのピアノ協奏曲第2番。本日のソリスト、カティア・スカナヴィは日本人に受ける感じの美人で、ピアノもとても繊細かつクリアなタッチで素晴らしい演奏でした。

ただ演奏の姿勢が極端にかがむ感じで、頸椎を痛めそうな感じがしました。満場の拍手の後、アンコールのショパン・ノクターンを弾いたときには姿勢が良くなっていたので、プレッシャーがかかると姿勢が悪くなる人のようです。アンコールがあまりにも素晴らしかったので、アマゾンでCDを注文しました。それで気がついたのですが、フライヤーの写真はCDの写真の流用じゃありませんか。こんなところで手を抜かないで欲しいし、だいたい2回分の演奏会をフライヤー1枚で済ませるというのは手抜きも甚だしく、恥ずかしいことだと思います。

後半はドヴォルザークの交響曲第8番。部分的に見ればどこも文句なしの名演なのですが、何か乗れませんでした。オケが指揮者の意図に忠実に従おうとするあまり、全体の流れが悪くなった感じがします。ドヴォルザークにしては重厚すぎるのかもしれません。あるいはこの指揮者が客演向きじゃないのかもしれません。

スカナヴィ
https://www.youtube.com/watch?v=Y6BxGsQBShE
https://www.youtube.com/watch?v=yAa5S69Lq-o
https://www.youtube.com/watch?v=pQmUnJ0Mjl4
https://www.youtube.com/watch?v=4yl92M5BHJU
https://www.youtube.com/watch?v=qYkCbzVcUlI

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2018年8月21日 (火)

JPOP名曲徒然草188:「時には母のない子のように」 by カルメン・マキ

Imga寺山修司を知る人ももう少なくなったと思いますが、古い競馬ファンならいつもフジテレビの競馬放送にゲストで出演していたので、よくご存じだと思います。

本職は歌人&シナリオ作家ですが、そちらの方は私はよく知りません。私は彼の競馬小説のファンで、すべて読みました。47際の若さで病没したのは誠に残念でした。

このカルメン・マキのアルバムは、全曲寺山修司が作詞した特異な作品です。なかでも「時には母のない子のように」は大ヒットしました(作曲は田中未知)。こんなに脱力する歌は、これ以降聴いたことがありません。

もともとカルメン・マキは寺山修司が主宰する劇団の団員であり、本職は女優です。しかしこの曲の大ヒットで1969年の紅白歌合戦に出場することができました。1972年にはカルメン・マキ&OZというとてつもないバンドを結成し、数々の名唱を残しました。最後の「私は風」を聴いてみてください。

アルバムの中に「かもめ」という曲がありますが、浅川マキの「かもめ」とは別の曲です。ただし浅川マキの方も作詞は寺山修司です。

時には母のない子のように
https://www.youtube.com/watch?v=uhRaSYyols4
https://www.youtube.com/watch?v=f6I-Shd9Oqk
https://www.youtube.com/watch?v=TuN03KG8Ymk

(ハーモニカ)
https://www.youtube.com/watch?v=pl3bNeIhb50

(ギター)
https://www.youtube.com/watch?v=Sq1hm0bE89s

山羊にひかれて
(aki)https://www.youtube.com/watch?v=KkvP8ul3Q-k
(三上ナミ)https://www.youtube.com/watch?v=0AIQMrcb1oc

さよならだけが人生ならば
https://www.youtube.com/watch?v=TDy_axc7Jd0

かもめ
https://www.youtube.com/watch?v=FCIQ6ubaNMk
https://www.youtube.com/watch?v=gFlUcQ9ELHk

二人のことば
https://www.youtube.com/watch?v=BUKSw8DG2zk

マキの子守唄
https://www.youtube.com/watch?v=684dyWEYQcQ

時計を止めて
https://www.youtube.com/watch?v=9HBYpo-cGqY

記憶の海
https://www.youtube.com/watch?v=F_HHfn43UJY

空へ(これは貴重な映像・音源だと思います)
https://www.youtube.com/watch?v=__Vog1kE2KU

私は風
https://www.youtube.com/watch?v=zVPU9U0GWpY
https://www.youtube.com/watch?v=HLEQCKVfy44
https://www.youtube.com/watch?v=7ewJjSmfFBw
https://www.youtube.com/watch?v=s93kMH_5syM

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2018年8月18日 (土)

モンサント社敗訴 ラウンドアップは発がん剤

1024pxroundup_svg

↑ラウンドアップの主成分グリホサートイソプロピルアミンの分子構造

AFP情報によると、ラウンドアップは発がん剤であると裁判所で認定されたそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3185756

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【8月11日 AFP】米カリフォルニア州在住で末期がんと診断されている男性が、がんになったのは農薬大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」のせいだと同社を提訴した裁判で、陪審は10日、モンサントに約2億9000万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を出した。

 陪審は全員一致で、モンサントの行動には「悪意があり」、除草剤「ラウンドアップ」とその業務用製品「レンジャープロ」が、原告のドウェイン・ジョンソンさんの末期がんの「実質的」な原因だったと結論付けた。モンサントは上訴する意向を示した。

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ラウンドアップの主成分である「グリホサート」については、2015年にWHO外部組織であるIARC(国際がん研究機関)が、毒性や発がん性の懸念がある発表しています。

2017年6月26日に米国カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)が、同州で定める通称プロポジション65の物質リストに、発がん性物質としてグリホサートを加えると声明を出しました。

しかし日本政府は発がん性はないとしています。

https://inakasensei.com/roundup-cancer

ラウンドアップはその辺のお店で普通に売っている除草剤なので、あまり危険性は認識されていませんが要注意です。グレイゾーンにある薬剤であることははっきりしているので、とりあえず使うべきではないでしょう。

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植草一秀氏によると:

モンサント社は世界最大級のアグリビジネス企業として、その名がとどろいているが、有害性が懸念される除草剤、除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え種子製造販売の代表的企業である。安倍内閣は、主要農作物種子法(種子法)を突如廃止した。

政府は「種子法は戦後食糧増産のために、コメ、麦、大豆等主要な穀物の種子を種子法で安定して供給できるように制定された法律で、コメも消費が落ち込んで生産が過剰になった現在ではその役割は終えた」と説明したが、真っ赤なウソである。

世界の種子市場の7割弱、世界の農薬市場の8割弱が、モンサント、ダウ・デュポン、シンジェンタなどの遺伝子組み換え多国籍企業6社によって支配されている。国が管理して安価で優れた種子を安定供給したのでは、民間の種子ビジネスが成り立たない。そこで(米国政府は:管理人註)安倍内閣に命令して種子法を廃止させたのだ。

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